げんしけんSSスレまとめサイト内検索 / 「秘密の夜~失墜の魔法使い」で検索した結果

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  • 秘密の夜~失墜の魔法使い
    秘密の夜~失墜の魔法使い 【投稿日 2006/01/05】 カテゴリー-斑目せつねえ 荻上が上がってからまもなく、風呂から最後に上がってきたのは笹原の妹、恵子だった。 さすがに風呂上りではいつものあのケバイ化粧は無い。 笹原似ですっきりとした柔和な顔立ちの、案外馴染み易い顔が部屋を横切る。 斑目「へぇ…化粧を取れば案外普通…」 いつもの、外見からして自分たちを拒絶してるかのような恵子の 意外な側面を見たような気分になった。 化粧の濃い女の場合、すっぴんになると見られたものじゃない女の方が 多いのではないかと思うが(それは偏見か?)、恵子はむしろこっちの方が ずっとかわいく見える。つーか、やっぱ普段のギャル化粧がありえねーよな。 こうして見れば結構かわいい方なんじゃないのか…? 女だらけの飲み会に向かう元気な笑顔も、この顔でなら実に素直...
  • カテゴリー:斑目せつねえ
    ... 斑目告白その前 秘密の夜~失墜の魔法使い 斑目と恵子 斑目と恵子・続き 斑目と恵子? もう一つの未来 卒業式シリーズ 斑目の昼休み 斑恵物語 オタクはつらいよシリーズ こんな夢を見た 脈はあるのか 白い日 MとSの距離 タマネギ 恵子と斑目 妄想少年マダラメF91 壁 壁の向こう側 さくら 空の下、大切な場所 痛い話 夢のかがり火 言葉に出来ない まだらめの紐 ラブストーリーは突然に アンジェラ 斑目放浪記 ダラさん 一つの嘘 斑目ハーレム ベルバラ 恋と妄想の初詣 こんなEND まだらめメモリアル攻略日記 斑目、歩く 斑目、思う 真っ赤な誓い koyuki 手紙~さよなら、ありがとう~ 斑目&スーのステディライフ koyukiⅡ さくら、さく 世界は正常だ 2月14日 実況!斑目家ホプキン...
  • アニメ第3話後日談
    アニメ第3話後日談 【投稿日 2007/10/28】 カテゴリー-現視研の日常 夏コミの数日後の部室。 斑目、笹原、高坂と、男衆の集まった部室にクッチーが入ってきた。 「こにょにょちわ~おお高坂先輩、昨夜はお世話になりました」 高坂「何のこと?」 朽木「実はわたくし、昨夜は時乃コスの高坂先輩をオカズに、たっぷり堪能させていただきました」 ブッとなる斑目と笹原。 冷や汗をかきながらも笑顔を絶やさない高坂。 斑目「あのねえ朽木君…」 笹原「本人の前で言うのはちょっと…」 クッチーは聞いちゃいなかった。 朽木「それではわたくしの妄想ベスト3を発表しま~す」 斑目「こらこら…」 高坂「(苦笑)しょうがないなあ」 朽木「先ずは第3位、ズバリ、私朽木×時乃コス高坂先輩!」 再びブッとなる斑笹コンビ。 相変わらず冷や汗で笑顔の高坂。 斑...
  • シンデレラ
    シンデレラ 【投稿日 2005/10/27】 カテゴリー-童話パロ       シンデレラ 荻上千佳       王子    笹原完士       魔法使い  笹原恵子       姉1    大野加奈子       姉2    田中総一郎       姉3    斑目晴信       付き人   高坂真琴       ナレーター 春日部咲  むかしむかし、あるところにシンデレラという女の子がいました。女の子は三人の姉と一緒に 暮らしていました。ところが、この姉達というのがとても意地悪で有名だったのです。 「シンデレラさん、今日はこのコスプレをしてもらいますからね」 (ちょっ……大野先輩! いきなり台本と違う事言わないで下さいよ!) (いいじゃないですか荻上さん。私的にはこの方が萌えるんです) (よくありません! 絶対嫌ですから...
  • シンデレラ その2
    シンデレラ その2 【投稿日 2005/11/04】 カテゴリー-童話パロ むかしむかし、あるところにシンデレラ(荻上)という女の子がいました。女の子は三人の姉と一緒に 暮らしていました。ところが、この姉達というのがとても意地悪で、シンデレラをいじめていました。 1番下の姉(漫研女子代表)はシンデレラを追い込んで2階から飛び降りさせました。 2番目の姉(恵子)はシンデレラを中学生扱いしました。 3番目の姉(中学生の友達:茶髪)はシンデレラがトラウマになって話をするだけで気分が悪くなることをしました。 こうして姉たちにいじめられていたシンデレラですが、彼女には秘密にしていることがありました。 こっそりと801マンガを描いていたのです。シンデレラには夢がありました。 年に2回、開催されるコミフェスで自分の描いた同人誌を売ることです。 でも、貧乏なのと覚悟がな...
  • そして、すれ違い・・・
    そして、すれ違い・・・ 【投稿日 2005/12/29】 カテゴリー-笹荻 夢を見つづけられるなら私はずっと眠っている方を選ぶ この言葉に、心底共感した時期があった。 現実で許されないなら、悪夢を見続けたほうがいい。 ・・・きっと、現実で私が許されることはないから。 「ちわー。」 「あ、こんにちは、笹原さん。・・・ごめんなさいね。」 笹原が現視研につくと、大野がコスプレを広げててんやわんやだった。 「や、いいよ。」 そういって苦笑いすると、空いてる席に座る。 「夏コミに着る衣装?」 「そうですねー。どっちにしようか悩んでるのがあるんですけどね・・・。」 「ふーん。」 そういってそのコスチュームの方を見る笹原。 「FFかー。」 「あ、わかります?」 「そりゃね。中学のときやったの思い出すなあ。」 大野が広げ...
  • 第九回くじびき以下略
    第九回くじびき以下略 【投稿日 2006/12/09】 くじびきはぁと以下略会議 マ「え~、第9回くじびきはーとアンバランス、略してやっぱりくじアンよかった本会議~。」 ベ「今回はよかったですねぇ。」 K「な、なんといっても山田動きすぎ。」 梟「ここまでゴトゥーザ様がはじけた演技をしてくれると楽しくて仕方がない。」 ト「細かいところでも色々見所のある回でしたね。」 マ「なんてーの?ここまでの話あっての面白さっていうのかね・・・。   蓮子たんが優しくなってるのも、ここまでの話の流れの結果だし。   宇宙人到来にせよ、生徒会の会話にせよ、千尋と時乃の微妙な関係にせよ。   八話分ひっくるめての面白さになってるんだよなぁ。」 ベ「ああ、確かに、自然と結束している四人とか、ここまでの話ありきですよね。」 K「も、物語の中じゃけっこう時間たってるから、に...
  • 夕立
    夕立 【投稿日 2006/06/10】 カテゴリー-笹荻  9月もまもなく終わろうというある日の夕暮れ、大学前駅の改札で笹原と千佳は思案していた。 「降りだしちゃったね」  大きな紙袋を片手に下げた笹原が千佳に笑いかける。千佳もハンドバッグと一緒に、アニメ ショップの手提げ袋を持っている。  今日は秋葉原まで二人で買い物に出ていたのだ。天気予報では降水確率はないに等しく、 空気も乾燥していたのだが。最後の最後、帰り着く直前のモノレールの窓を強い雨が叩き 始めたのは、隣の駅を出発した直後だった。 「うーん、距離的には部室が一番近いんだけど……いつやむかも判らないしなあ。ねえ荻上さん」 「はい?」 「ここからなら荻上さんちより俺の部屋のほうが近いんだけど、来る?」 「え、笹原さんの家ですか?」 「うん」 「……ええ……いいですけど」 「よ...
  • 現視研の秘密
    現視研の秘密 【投稿日 2006/01/07】 カテゴリー-現視研の日常 「ふう~~~。」 冬が過ぎ、春の心地よい風が吹いてくる。 時は3月。別れのシーズンだ。 サークル棟の屋上にて笹原は春の心地よい風を感じていた。 「きもちいいなあ~~~。」 もうすぐ卒業を控えた身。ちょっとした感傷に浸っていた。 「もう明日、か。」 そう、卒業式はもう明日に迫っていた。 しかし、卒業に対しての後悔は無かった。 「やるだけのことはやったしな。満足だ~~~。」 そういいながら大きく伸びをする。 「お疲れ様。」 そう声をかけられれ、後ろを振り向く。ぎょっとする笹原。 「か、会長???」 いつの間にやら現れたのか、目の前には初代会長がいた。 「もう卒業だね。本当お疲れ様でした。」 「え、え、卒業したんじゃなかったんですか?」 「うん、そう。...
  • ぬぬ子の秘密
    ぬぬ子の秘密 【投稿日 2006/07/03】 カテゴリー-その他 管理人注 これは『荻ラヴ』発祥のげんしけんセカンドジェネレーション      『双子症候群』の設定を基にしたSSです。 「えええええええ」 千里と万理は二人同時に感嘆の声をあげた。きっかけはたわいも無い会話からだった。 「ねえねえ、ぬぬ子ちゃん!! そのメガネ外してみせてよ!」 千里ははしゃぎながら言った。 「ええ?でもー」 ぬぬ子はモジモジしながら、顔を赤らめてうつむきながら恥ずかしそうに答えた。 「別にいいじゃない!! 転校してきた時もちらっと素顔見えたけど、よく見る機会無かったんだしさー。可愛かったよね、万理!」 「ええ、そうよね・・・。でもぬぬ子ちゃん嫌がってるんじゃない?」 と、思慮深い万理はぬぬ子の顔を覗きながら心配そうに答えた。 (ちさの無遠慮ぶりはい...
  • 26人いる! その4
    26人いる!その4 【投稿日 2006/12/03】 ・・・いる!シリーズ 現視研の売り場を出る直前、神田が思い出したように言った。 神田「あっ、それからこれ、会長からのアドバイスなんだけど、売り子2人の内の1人はなるべく浅田君か有吉君にしてって」 浅田「そりゃまた何で?」 神田「何でもサブリミナル効果があるんだって。売り上げを伸ばす」 男子一同「???」 有吉「でも、どのみち僕は今から着替えに行くし、浅田君は神田さんの同人誌運ぶし…」 伊藤「なるべく早く帰って来てニャー」 有吉「それしかなさそうだな。じゃあ後頼むね」 神田「じゃあ私たちも行こうか」 岸野「そんじゃあ行って来るから、店番頼むね」 こうして売り場には、猫耳伊藤と長身の日垣という珍コンビが残った。 日垣「ところで伊藤君、何で会長は有吉君か浅田君が売り場に残るように言ったんだろ?」...
  • koyukiⅢ~フェチ、襲来
    koyukiⅢ~フェチ、襲来 【投稿日 2007/03/05】 カテゴリー-斑目せつねえ 【2011年4月6日/合衆国 ボストン】 留学を終え、スージーは久しぶりにボストンの自宅に帰っていた。 帰国して1週間ばかり経ったある夜、彼女はいつも通り両親と食卓をともにしていた。 比較的裕福な家庭であり、彼女のきょうだいも独立した今は、両親とスーの三人暮らしになっている。それだけに、両親にとって長期留学していた愛娘との生活は嬉しくてたまらないことだろう。 母親の手料理に舌鼓を打ち、これまでのように日本での生活について尋ねられながら、食事を終える。 食後のコーヒーを飲み終えたころ、スージーは意を決し、軽く深呼吸してから、自分の思いを吐露した。 (以下英語) 『私ね、日本で結婚して、日本に暮らそうと思うの』 普段の日常会話も乏しく、自分の心を...
  • キモハラグロの城・1
    キモハラグロの城・1 【投稿日 2006/04/22】 マダラメ三世 ▼ 深夜の東京。有明のビッグサイト…。屋根からロープを吊るし、フロシキを背に抱えた男2人がスルスルと降りてくる…。 一人はやせていて、覇気のなさそうな顔に丸メガネが光っている。もう一人は後ろ髪を束ねていて、必死にロープにしがみついている。 けたたましいサイレンが鳴り響き、2人はピッタリの呼吸で足並みを揃えて全力疾走。瞬く間に逃走していった。 早朝の東京。レインボーブリッジ。東京湾港の方から昇る朝日がまぶしい。 骨董品と言っていいスバル360に2人の男が乗り、レインボーブリッジを渡っていた。助手席に座っている髪を束ねた男は、“戦利品”が詰まった風呂敷を広げた。 「……どれも発行部数の少ないレア品だぜ。作者にゃ悪いが大漁だ。そらマダラメ、同人誌のシャワーだ、ほれ!」 「ウワー、熱い熱い!...
  • 偽らざる者
    偽らざる者 【投稿日 2006/04/24】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 「…これから…どうなるんだろう。」 ここは椎応大学の屋上、彼女の――春日部咲の最もお気に入りの場所である。 (変わったよね…いつからだろう。『世界』が、『常識』が…こんなにも頼りなくなったのは。) 少し前から。今までの『世界』や『常識』は崩壊の一途をたどっていた。 続発する事件、暴走するかつての友。そして何より、漫画やゲームの中だけの話だったはずの超常的な力。 現実が夢に、妄想に、浸食されているのではないかという不安。そう、ほかでもない自分自身も―― 春日部咲もまた、以前の日常からは考えられない非現実的な装いを身に纏っていた。 腰に下げた大剣、体を守る白銀の鎧、青いリボンで束ねられた美しい髪。 (私だって…いつのまにやらこんなんなっちゃうし…) 最後に以前の――退屈だが、穏...
  • 愛のエプロン
    愛のエプロン 【投稿日 2006/07/08~15】 カテゴリー-現視研の日常 秋も深まるある10月なかばの午前中。現視研の部室には大野加奈子と荻上千佳だけだ。学園祭まではまだ日数も あり、何もない平穏な日々が彼女らの頭上をたゆたっている。 「大野先輩」 「はい?」 スケッチブックに落書きしながら、千佳が加奈子に話しかけた。加奈子はノートにコスプレのリストを書き込む手をとめ、 顔を上げた。 「あの……ちょっと聞いていいですか」 「え、なんですか?」 千佳は何かいいづらそうだ。 「……笹原さんのことですか?」 「まあ、そうなんですけど」 彼女が笹原完士と付き合い始めて、まだひと月にも満たない。加奈子にも覚えがある。 「ははーん。笹原さんのココがわからないとかソコが知りたいとか、いろいろ出てきたんですね?」 友達以上の関係であることに慣れ...
  • 妄想少年マダラメF91・3
    妄想少年マダラメF91・3 【投稿日 2006/04/13】 妄想少年マダラメF91 ……Time Passed by.   You unpick the hairstyle and turn around.   Your how with a smile is also different now.   Far away. It grows up by “the magic at time”.   Fairy,Please do not become more beautiful than it.   I waiting for you, look into my eyes.…… 【1991年9月21日14 35/ファストフード店前】 「メーくんの買い物も付き合うよ」 「あー、いいよ別に」 そっけないメーに、ハルは、「ムムー? 女の子に何...
  • オタクはつらいよ/東北勿怪編
    オタクはつらいよ/東北勿怪編 【投稿日 2006/03/04】 オタクはつらいよシリーズ 「ワタクシ、ツルペタ属性、前世はヘビの生まれ、 姓は斑目、名は晴信、人呼んでマムシ72歳と発します」 オタクはもてない独身童貞 それがデフォだと思っていたが 気付いてみたらば回りはみんな カップル成立ばかりなり 俺には2次元萌えのほが 高次元なんだと~ 強がってみても胸痛い 胸痛い まだ東北までやってきた斑目。仙台のその手の店でも仕入れ品を漁ると 掘り出し物の蓮子たん魔改造フィギアを発見する。 その夜から夜な夜な夢に出てくるようになり、幸せな夢の中での 夫婦生活に「俺にはこれが良いのかもな」と思い始める。 縁日で萌えグッズを売っていたある日、小学生の妹を連れた 中学生の女の子に呼び止められる。 ドギマギしながらその子について...
  • カテゴリー:その他
    カテゴリー その他 咲&高坂 小学校篇 編集者の一日 あやしい2人 イッツタフ! うわっ面の思い となりのクガピ となりのクガピ2 奏(かなで) 朽木君の優雅な日常 サマー・エンド 笹原きょうだい 恵子のお話 現聴研 斑×笹 『Million Films』 ぬぬ子の秘密 斑目晴信の憂鬱 アンの青春 千佳子の覚醒 春奈の蒼穹 スザンナの消失 空と雲 空気嫁クッチー ヤブーの話 碧目のすう 知ったな! TOP
  • 普通の日
    普通の日 【投稿日 2006/04/10】 カテゴリー-笹荻 それは何でもない普通の日。 強いて言えば、とても天気の良かった日のこと。 荻上はいつも真っ直ぐ前を見て歩く。 ちょっとだけ不機嫌そうに。 別に機嫌が悪いわけではない。地顔なのだ。 実は本人も結構気にしていて、いくらかでも変えようと、毎日鏡の前で百面相しているのは秘密だ。 その度にため息をついて、自分が「かわいく」ないことに落ち込んでしまうのも秘密だ。 ついでに鏡に向かっているときに、うっかり「完士さん♪」などと囁いてしまい、照れくささと恥ずかしさで一人で大暴れした事は、荻上にとって最大級の秘密だ。 それらは誰にも知られてはならないのだ。絶対に。 特に笹原に知られたら…間違いなく飛び降りようとするだろう。 閑話休題。 荻上はふと足を止め周りを見渡した。 どこから...
  • カテゴリー:現視研の日常
    カテゴリー 現視研の日常 笹原兄妹 大野VS朽木 女性向け同人における男達の考察 キミハイキノコルコトガデキルカ 残暑のひとコマ 新年サークル始動 現視研の秘密 疑惑の大野さん 会いたくて 会いたくて-おまけ- 決戦はコスプレ げんしけん近未来 ・・・いる!シリーズ 君という花 荻上さん最強伝説 せんこくげんしけん 高×笹 G 歪んだ愛 百合の花が咲く 転落人生 サークル棟の怪談 ラジヲのお時間 ミカンズのテーマ BLUE MONDAY トライアングル 僕ハココニイル 想い 未来予想図 げんしけんの一年前 チェーン ガンバレあたし! 妄想会長Vオギウエ 愛のエプロン あのひとのとなりに げんしけんオープンキャンパス 終わらない夏 先刻現視研ZZ 『勇者の祭典』 くじびきはぁと以下略会議 がんかけ 王様ゲ...
  • 同人誌売りの少女
    同人誌売りの少女 【投稿日 2005/12/25】 カテゴリー-童話パロ ひどく寒いクリスマスの夜でした。街はカップルで賑わい、クリスマス用の イルミネーションが美しく輝いている街中を一人の少女が歩いていました。 少女は手に同人誌を一たば持っており、同人誌を売ろうと日がな一日歩き回 りましたが誰も少女から同人誌を買いませんでした。やがて、街はすっかり暗 くなり、人通りも絶え、雪がちらほらと降り始めました。 ひらひらと舞い降りる雪が少女の筆頭を覆います。少女の髪は頭の真ん中で くくられ筆のように立っています。同人誌はまったく売れていません。少女は道の 一角に座って小さくなりました。引き寄せた少女の小さな足は体にぴったりくっつ きましたが、少女の体はどんどん冷えていきました。少女の頬も、むきだしになっ た小さな両手も冷たさのためにかじかんで真っ赤に染まっ...
  • オタクはつらいよ/太平洋のマムシ
    オタクはつらいよ/太平洋のマムシ 【投稿日 2006/03/04】 オタクはつらいよシリーズ 「ワタクシ、ツルペタ属性、前世はヘビの生まれ、姓は斑目、名は晴信、人呼んでマムシ72歳と発します」 会釈を無視して喧嘩にゃあなるが ほんとは嬉しいんだ春日部さん 高嶺の花だし彼氏は美形 イバラ道だと分かってる 二人でお寿司を食べつつも 金が惜しくて~ 金が惜しくてベーコンだ ベーコンだ アキバ系テキヤの今回の旅先は第二次大戦時の南太平洋(オイ!)。 「慰問萌玩具」の旗指物をしてイカダで漂流する斑目は、帝国海軍のイ-507に救助される。 秘密兵器「ローレライ」システムの中枢である日系の少女パウラに萌えるが、心を読まれてロリコン趣味が発覚。パウラの兄・フリッツエブナーによってナチSS流の折檻を受け、魚雷射出管から追放。恋ははかなく散るのであった...
  • タマネギ
    タマネギ 【投稿日 2006/03/22】 カテゴリー-斑目せつねえ 部室の昼。いつものように斑目がいた。しばらくして、咲が一人で現れた。軽くあいさつ。(あぁ、2人だけだ)斑目はため息をついてお茶を飲み干した。 「斑目さあ、会社ちゃんと行ってるの?」 「行ってますよー……」 「これからもずうっとココに来るの?」 「まさかぁ。ただ俺は……」 「ただ…何よ?」と聞かれ、後の言葉が出ない。斑目は(今日こそは)と再び口を開いた。 「あーそうそう春日部さん、タマネギって知ってる?」 「知らない方がどうかしてるよ」 「じゃあ、タマネギ剥いたら何があるか知ってる?」 「は? 剥いても剥いても同じじゃないの」 「そうだよ、剥いても何も無い」 「それがどうしたの?」 「でも“何も無い”ってことだけは分かるよな。何もせず放っておいたら、ただ腐ってしまう...
  • 空の下、大切な場所
    空の下、大切な場所 【投稿日 2006/05/10~11】 カテゴリー-斑目せつねえ (斑目のSS「さくら」の続編。斑目の話。)  5月の初め。空は青く青く透き通り、辺りは爽やかな春の日差しに包まれている。 …痛いほどに、明るい日光が自分の心にまで差し込んでくる。 そのためだろうか。見ないようにしていた生傷まで鮮明に見えてくるのは。 もう幾度めかのため息をつく。 どうしたら、この痛みから抜け出せるのか。 何故これほどまでに痛みから解放されないのか。 あれからもう1ヶ月はたっているのに。 …いや、4年という月日を忘れるのには、1ヶ月では全然足りないということか。 卒業式の日から、あの思い出から抜け出せない。 あの花のような笑顔を忘れられない。 思い出すたびに、息苦しくなる。 なぜだろう?昔は、あの人の...
  • パンを焼く
    パンを焼く 【投稿日 2006/01/18】 カテゴリー-笹荻 合宿も終わってしばらく―――。 夕暮れは早くなってきたが山の木々は蒼い、とある初秋のこと。 笹原のアパートの台所に立つ荻上の姿があった。 その背中ごしの動きはギクシャクしていて心なしか、緊張している……… どころではない。横顔は焦っていて、軽くパニック気味のようなのだ。 全ては笹原の「……手料理食べてみたいな」の一言から始まった。 彼はウッカリと本音をダイレクトに言ってしまうところが有る。 それがゆえに、荻上も「じゃあやってみマス」と二人でスーパーに行ったのだ。 二人でスーパーで買い物してる所までは熱々カップル気分でよかったのだが 荻上自身、節約のために自炊はしているものの 荻上『自分の創った料理って食べ終わる頃には飽きているんだけど……』 といった状況だった。つまりは消極的に不...
  • Yell of magic
    Yell of magic 【投稿日 2007/07/26】 カテゴリー-斑目せつねえ  夕刻。電子と萌え文化の街も濃い色の夕焼けで覆われ、なんとなく寂しそう。  ゴールデンウイークも終わって、7月までは休日といえば日曜日しかありません。この街の活気は祝日があろうがなかろうが関係ありませんが、個人的にはやっぱりちょっとつまんないです。  わたしは今日は田中さんと別れたあと、一人で秋葉原に来ていました。田中さんが気にしていたガシャポンの新ラインナップと、わたしの個人的な趣味の同人誌を見て回っていたのです。  二年目、最終学年となる専門学校が忙しくなってきた田中さんは、近頃はあまりわたしの思うようには会ってくれません。しょうがないのでわたしも、最近はまじめに大学に行って、就職や院試のこと調べたりする日々です。 「うーん、めぼしいもの、ないですねえ。一人で来るんじゃなかったか...
  • 『カエデ』
    『カエデ』 【投稿日 2006/12/20】 カテゴリー-笹荻  荻上千佳が笹原完士と水道橋駅の改札を出たのは、11月の終わりの日曜日のことだった。今日も空は高く、よい天気だ。朝の風はもう冬の冷たさだが、日中は小春日和の1日となるだろう、と出掛けに見た天気予報は伝えていた。 「……笹原さん、なんかニヤケてますよ?」  千佳の服装は普段とあまり変わらない。チノパンに重ね着のシャツに、ピーコートスタイルの薄手のコート。地元駅からここまでの1時間、世間話をしている間中も笹原は普段以上の緩んだ笑顔で千佳に接していた。 「いやー、ははは、ごめん。なんかさ、『デート』だなあって。カンゲキしてるとこ」  笹原も綿のパンツにセーター、ハーフコートというスタイルだ。 「まだ何回もしてないじゃない?こんなデートっぽいデート」 「んー、まあそうですね……秋葉原とか即売会とかとは、なん...
  • koyukiⅡ
    koyukiⅡ 【投稿日 2007/02/13】 カテゴリー-斑目せつねえ 高坂家と春日部の結婚披露宴が行われた2011年2月4日は金曜日だった。 土日に式を挙げなかったのは、咲が2月4日の「立春」を強く意識したからだという。 立春は旧暦の正月。春の始まり。この日は物事の『はじまり』を示唆する。事業を始めるようになって、咲も縁起かつぐようになったのであろうか。 斑目晴信にとっても、忘れることのできない、新しい始まりの日となった。 スージーことスザンナ・ホプキンスとの一夜を経て、自分の気持ちに一つの区切りをつけた今、斑目は心身に充実感を得ていた。 その日からというもの、彼は仕事に臨む姿勢にもメリハリがついてきた。 単純に週末が楽しみなので、『休めるように働こう』というモチベーションができた訳だが、職場の上司も彼の頑張りに気づき始めていた。 「斑目君は最近、ちょっ...
  • スケッチブック
    スケッチブック 【投稿日 2006/07/29】 カテゴリー-笹荻  真っ暗な夜空に、冷たい風が吹いている。澄み切った空気の層の向こうに、こぼれ落ちてきそうな満天の星。  12月28日の夜……正確に言えば、日付はすでに29日に変わっている。年末間近の冬の夜。荻上千佳は、一人ベッドの上で煩悶していた。 「……ダメだ。眠れねー」  エアコンのないベッドルームだが、着なれたフリースのジャージに厚い布団をかぶっているので寒さは感じない。むしろ体は汗ば んでいるくらいだ。彼女の眠れない原因は、隣の部屋にいる人物……笹原完士だ。 「笹原さん……大丈夫だろか。けっこう飲んでたみたいだけど」  ベッドから起きあがり、布団を払いのけた。さっきのやり取りを思い出す。 『ソファで寝るなんてダメですよ、疲れちゃいます。狭いですけど、一緒にベッド使いませんか?』 『ありがとう、でも今夜はまずいよ...
  • 家出少女・荻上
    家出少女・荻上 【投稿日 2005/10/14】 カテゴリー-笹荻 舞台は05年夏コミ三日目の前夜、新宿ってことで。 「キミキミィ、中学生でしょ?家出だね?」 <補導員>の腕章を巻いた初老の男が、いきなり荻上千佳の細い腕をつかんだ。 「は?!えええ!!ち、ちが……」 深夜1時の新宿駅東口。コミフェス最終日の待ち合わせ場所の漫画喫茶に向かう途中だった。 もう二〇歳近い女子大生なのに中学生に間違えられた屈辱感と、いきなり子供のように腕をつかまれたショックでまともな口が利けない荻上に、説教するかのように補導員が畳みかける。 「いくら夏休みだからって子供がこんな時間に盛り場をうろついちゃいけないよ。あのね、東京はとてもこわいところなんだよ。 薬とか売春とか、取り返しのつかないことになる子がたくさんいるんだ。キミくらいの歳の女の子を欲望の餌食にするようなクズ男...
  • オタクはつらいよ/青春六畳一間
    オタクはつらいよ/青春六畳一間 【投稿日 2006/03/04】 オタクはつらいよシリーズ 「ワタクシ、ツルペタ属性、前世はヘビの生まれ、姓は斑目、名は晴信、人呼んでマムシ72歳と発します」 鈴木六文を偶然助ける格好になり、礼として鈴木家に留め置いてもらえることになったテキ屋斑目。 魔法少女(悪魔)のるくに萌えながら家事手伝いの日々が始まったが、 斑目が増えたことで食生活は細っていた。 鈴木家に外の揉め事をもちこまないよう、テキ屋を据え置いてバイトを始める斑目だったが 収入をペロに持って行かれ、妹キャラの諸刃を思い知らされる格好となる。 更にはルミエルに怒ったるくが悪魔の力を発動し、冗談抜きで失神に及ぶ小市民斑目であった。
  • 名前で呼ぶ日
    名前で呼ぶ日 【投稿日 2007/03/18】 カテゴリー-現視研の日常 『明日会える?』 昨日の夜受け取ったメールを大野は電車の中で見返していた。 田中は卒業制作に追われているにもかかわらず、大野のイベントにも付き合っていた。 さすがに期限前となり、ここ暫く、大野から距離を置き、メールのやり取りだけでお互いのモチベーションを保っていた。 そんな中、l久しぶりに田中に会える喜びで携帯を見る彼女の目はどこか嬉しそうであった。 田中のアパートの前に立ち、ベルを鳴らす、ガチャっと開いた扉から以前より髭が伸び、少し疲れた様子の田中の顔が覗いた。 大野は促されるまま部屋に入り、リビングのいつも座っている場所へ腰を下ろす。 部屋の中は几帳面な田中らしくなく、物で溢れかえっていた。 忙しくて、掃除できなかったのであろうと大野は考えた。 掃除を手伝って欲しくて...
  • 二つの幸せ
    二つの幸せ 【投稿日 2006/10/06】 カテゴリー-笹荻 きっかけはどうしようもなく小さなことだった。 「・・・え?」 気付くとそこは仙台であった。 荻上は非常に驚いた。駅のベンチに座り、呆然とする。 「あー・・・。そうか。無我夢中で電車に乗ったんだっけ。」 昨日の夜、笹原と喧嘩をした荻上は、そのまま飛び出し、 気付けばここにいた。 先ほどまで電車で寝てたためか、記憶が定かでない。 喧嘩の原因ですら、彼女には思い出せなかった。 「・・・電話・・・。うわ・・・。」 物凄い数の着信履歴。全て笹原だった。 「今日は・・・仕事だって言ってたな・・・。」 段々思い出してきた。 ・・・最近構ってもらえなかった私がわがままを言ったのだ。 笹原さんは明日も早いというのに。 ・・・でも・・・あんな言い方ひどいと思う・・・。 ...

  • 指 【投稿日 2006/03/11】 カテゴリー-笹荻 管理人注 前にあったSSとタイトルがかぶってしまったため、管理のため      違うのをつけさせていただきました。何かあればメールください。 笹原と荻上の交際は順調に進んでいる。 今日は荻上の部屋で「笹斑」の鑑賞会だ。 「う~ん、相変わらずすごいねえ」 「そ、そうですか?」 「だって、このシーンなんか…あれ、これ何?」 原稿に挟まった一枚のメモ用紙。 片方は見慣れた強気笹原だが、もう片方は…女性? 大きくてきつい目。小さい体。凹凸少なめ。収まりの悪い髪の毛。 これって… 「あ!!」 荻上が慌てる。 「見ないで下さい見ないで下さい見ないでー!!」 「いてっ」 大慌てで奪い取る。握りつぶしてくずかごへ捨てる。 振り返ると笹原が自身の指先を見ている。血がにじんでいる。奪っ...
  • ヨモギ
    ヨモギ 【投稿日 2006/05/04】 カテゴリー-笹荻 仕事を始めてすぐの、春の休日のとこ。 笹原が家で午後になっても昼寝をしていると、呼び鈴が鳴った。 しかし起きない笹原。鍵が開く音がして、荻上が入ってきた。 「笹原さん、お疲れですね………。」 布団の中の笹原をみて呟く。 その時、笹原が薄く目を開けた。 「あ…ごめん、荻上さん。おはよう。」 「―――!すみません、起こしちゃいましたね。」 布団から起き上がって、笹原は伸びをした。 「いや~、寝すぎても疲れるからね。………ありがとう。」 まだ少し寝ぼけ気味の笹原は、はっと思い出した。 「そういえば、おやつ買ってきてあるから一服しよう。」 「じゃあ今、お茶淹れますね。」 台所に荻上が向かうと、草餅の4個入りパックが放置されていた。 勝手知ったる笹原宅。やがて笹原のデスクの隅に、熱...
  • 現聴研・第一話
    現聴研・第一話「荻上・始動」 【投稿日 2006/04/07】 現聴研 ここは現代聴覚文化研究会の部室。 新会長の笹原がノートPCを部室のコンポのスピーカーに繋いで 音楽を聴いていると、新入会員の荻上さんが入ってきた。 部室にはPSY・Zの「二心」というベストアルバムだ。 「ども……」 「ちわー…あ!ギプス取れたんだね。おめでとう」 「いえ、どうも…ありがとうゴザイマス」 そして椅子に座ると、右手に提げていたアコギのハードケースを 横に立てかける。 笹原はそれを横目で気にしながらも、PCで作業を続けている。 荻上はというと、ノートを取り出してペラペラと捲っている。 会話の無い二人。 部室には音楽だけが流れている。 「これ、PSY・Zの二心ですね」 しばらく聴いていた荻上が口を開いた。 「え?知ってるの?古いのに…」 「まぁ...
  • 終わらない夏
    終わらない夏 【投稿日 2006/08/22】 カテゴリー-現視研の日常 荻上会長の下、無事に終了したコミフェス後のこと、お盆も過ぎて 日暮れとともに涼しくなるかと思われたが、暑い日々が続いていた。 「予約していた9人っすけど……。あと、焼き網も2つお願いします。」 「お待ちしておりました、テーブルこちらになりますので、ご案内いたします。」 半袖カッターにネクタイを外した姿で、斑目を先頭にゾロゾロと歩いて 案内された席に向かうのだった。屋上にテーブルと椅子が並んだホールには 少し時間が早いのか、まだ斑目たち以外は2組ぐらいしかお客は来ていない。 荻上さんが斑目のすぐ後ろを付いていく。 「斑目さん、ココはよく来られるんですか?」 「あー、まぁ、先月会社で来てネ――。ところで笹原遅れるけど来れるって?」 「ええ、あと1時間ぐらいで来られるそうで...
  • 遠い海からきたスー
    遠い海からきたスー 【投稿日 2005/12/27】 カテゴリー-斑目せつねえ こんな事を考えるのは自分だけだと思っていた。 世界中で一人だけ。私だけの、誰にも言えない秘密。 女の子なのに、男同士の恋愛に心躍らせるなんて―― カナコには感謝している。その妄想が、私だけのものではないと教えてくれたから。 私は突然変異の怪物じゃない、仲間は世界中にいる。 トウキョウでは年二回、仲間達が集まってお祭りを楽しんでいる――。 スーは夏コミ以来、荻上の同人誌を何回も何回も読み返していた。 すごい。自分の考えるYaoiなど児戯に等しかった。 オギウエはきっと狂気に近い才能を持った天才に違いない。 近くの図書館で、アンジェラと一緒に日本語を必死に調べた。 原本を手に入れた時の、いつもの作業だ。 わからない単語は、図書館のパソコンで何日...
  • 気付いた時が恋のはじまり
    気付いた時が恋のはじまり 【投稿日 2007/01/15】 カテゴリー-笹荻 気付いた時が恋のはじまり                   ~よくある歌の一節 梅雨直前のある日の事。 大学へ向かう途中で、荻上は道路に、おそらく子供が書いたのであろう落書きを見つけた。 ○×△□。 へのへのもへじ。 何処かの誰かの顔。 デフォルメの効いた人間像。 荻上は何となく微笑ましく思いながらそれらを眺める。 ふと自分の過去を振り返る。 家の前の道路に、親に呼ばれるまで好きに書き殴っていたあの頃。 落書き以下のあの絵を誉めてくれた、父親の笑顔を思い出す。 多分あの笑顔が、荻上にとっての原点だったのかもしれない。 ふと、その脇に描かれた○の連なりに気がつく。 (ああ、今でもこの遊びはあるんだ) 好奇心と懐かしさから、荻上はそれを踏...
  • 必殺御宅人1
    必殺御宅人1 【投稿日 2006/05/25】 必殺御宅人 カネに生きるは下品にすぎる 恋に生きるは切なすぎ 出世に生きるはくたびれる すべて浮世は視覚之文化 萌えにギリギリ生活かける 仕事はよろず引き受けましょう 人呼んで御宅人 ただしこの稼業 江戸職業づくしには載っていない   ※       ※ 錦絵(浮世絵)や華々しい見世物など、庶民を中心に視覚文化が大きく花開いた江戸時代。見る文化が発展すれば、おのずとさまざまな嗜好も生まれてくるもの……。 ところは江戸浅草の外れにある椎応長屋。 夕刻、この長屋に住む浪人・斑目晴信は、傘貼りの内職を終えると、同じ長屋の奥まった一角へと足を運び、ある部屋の前に立った。 そこの扉には、美人錦絵が貼られて飾られている。 しかしその絵は、菱川師宣に始まり喜多川歌麿、東洲斎写楽が人気を博す...
  • キモハラグロの城・2
    キモハラグロの城・2 【投稿日 2006/04/28】 マダラメ三世 ▼ 「何で帰還しなけりゃいけないんですか!」 キモハラグロ城内の質素な控室で、北川警部の怒号が響き渡る。 彼女はインターポール本部に電話を掛けて怒り狂っていた。本部通達の帰還命令が腑に落ちないのだ。 「ナニ?……伯爵が気に入らないから“チェンジ”だぁ?……私はホステスじゃないんですよ!」 後ろで機動隊員の朽木と木村が顔を見合わせる。 (こんなホステス、俺らもチェンジしたいよな……) ガッ!と、電話を叩き付けるように切った北川に、思わず直立状態になる朽木と木村。北川は、「伯爵に話をつけてやる!」と、一人で駆け出して行った。 ……だがその後、北川警部は行方が分からなくなり、機動隊員は城を出て撤退することとなる……。 ▼ オギウエの召使いとして潜入しているサキは、城...
  • いくらハンターⅡ
    いくらハンターⅡ 【投稿日 2006/02/07】 カテゴリー-笹荻 大学の帰り道、まだ明るい時間帯のこと。 荻上はコンビニに寄ると、またしても弁当コーナーに 「ミニいくら丼 395円」という新商品を発見した。 狼の目で手にとって真剣に眺める荻上だったが 『でも、まだ夕食時間じゃないし…ミニなら夜食かな?』 ちょっと名残惜しそうに棚に戻す。 なんだか前と同じ失敗をしそうな荻上だが…。 夜も更けて。今夜は、夏コミで本を買ってくれた人からの依頼で くじあん女性向けアンソロ本に寄稿することになって、 2ページ分の原稿に向かっていた。 冬コミではなく他のイベントでだが、マイナーな 盛り上がりに参加できるのは嬉しくも有った。しかし…。 「降りてこないナァ」 1枚物のイラストなのでアイデア勝負なのだが、今日に限って なかなかコレ!という...
  • koyukiⅡその2
    koyukiⅡその2 【投稿日 2007/02/14】 カテゴリー-斑目せつねえ 2月14日。月曜日。 笹原家の夕べは喧噪に包まれた。 笹原千佳は前日までに大きな仕事を終えて、この日はオフにしていた。 昨夜からチョコレートの素材を溶かして形どりし、夫のためのバレンタインチョコを作っていたのだ。 (夕食を終えてお茶を入れた時に、心を込めた一品をプレゼントしよう) しかし、そんな甘い願いは、珍客によってブチ壊されてしまうことになる。 田中加奈子とスージーがやってきたのだ。 「チカ!アイタカッタ!」 「スー!?」 ドアを開けるなり、いきなり抱きついてきたスージーに慌てる千佳。 そこまではいい。 そこまでは。 続く田中夫妻が、段ボール2ケースほどのチョコレートを持ち込んできたのだ。 しかも、そのチョコレートは自分のマンガのキ...
  • いくらハンターⅢ
    いくらハンターⅢ 【投稿日 2006/04/21】 カテゴリー-笹荻 ある日曜のこと、画材の買出しを終えて、日も暮れて帰宅した 荻上が郵便受けを見ると、寿司のテイクアウトチェーン、 小象寿司の広告が目に留まった。 『特選北海セット(サーモン・かに・いくら丼)』 『特選海鮮セット(マグロ・サーモン・イカ・かつおタタキ丼)』 『特選いくらセット(いくらが山盛り丼)』 ―全品、本日限り680円!!― 「特選いくらセット!?」 思わず声が出る荻上。しまったという表情で赤面するが 玄関に買って来た荷物を放り込むと、急ぎ足で最寄の小象寿司へ向かう。 どんどん暗くなる道を、時々通りかかる車のライトに照らされ 長い影を伸ばしながら、荻上は急いだ。 道の向こうに、小象寿司の窓の明かりが見える。 『間に合った………。』 荻上が店内に入ると、特選品の棚...
  • 現聴研・第四話
    現聴研・第四話 【投稿日 2006/04/16】 現聴研 笹原「荻上さん、ギター弾けるんだね」 荻上「ええ、まあ…」 荻上さんが路上での弾き語りまで出来ることが部員に知れ渡って数日後。 現聴研部室では、皆でその腕前を堪能しようということになり、お馴染みの会議が開催された。 議題- 「第123回荻上さんに演奏してもらいたい曲を決めよう会議」 しかし…。 大野「流行りのアレンジレンジの“鼻”とかどうで…」 荻上「あんなチャラチャラしたバンドは却下です。前にも言ったハズですが、私硬派なんで、ラブソングや流行歌なんか歌いませんから」 それを聞いて大野は憮然としている。 咲「なかなか頑固だな荻上~、かえってイタイよそれ」 ツッコまれた荻上も憮然としている。 頑な荻上の態度に、会議はなかなか進まなかった。 部室の雰囲気...
  • げんしけんオープンキャンパス
    げんしけんオープンキャンパス 【投稿日 2006/08/14】 カテゴリー-現視研の日常 就職活動といえど、毎日あるわけではない。 つまりは毎日スーツを着なくても良いわけであって、 今日は笹ヤンにとってはそんな日であった。 「あー、暑いっすねえ…」 「朝のニュースでは最高気温35度だとさ」 相手はスーツを着ているが、これは社会人なのでむしろ当然。 正直、社会人がなぜ大学に居るのかの方が問題なのだが、 まあそこは流せ。 …流してあげよう。 「前期は結構深夜アニメ、豊作だったな」 「ええ、まさかあの漫画があそこまで映像として再現できるとは思っていませんでしたよ」 「『兜蟲氏』…か。悪い目の付け所ではないが、まだオタクとしては覚悟が足りんな」 「ええー、そうですか~?結構俺、ああ言うのが好きなんですよ」 「おまえはどうせ『...
  • まだ先の話
    まだ先の話 【投稿日 2006/03/17】 MとSの距離 MとSの距離   序章 「まだ先の話」 斑「おう笹原」 笹「あ、斑目さん、久しぶりですね」  斑目がいつものように昼に部室に顔を出すと、笹原がいた。 あの合宿が終わってから三週間が経とうとしていた。 斑「荻上さんに聞いたけど、会社の研修だったんだって?」 笹「えっ、あ、そうです研修で昨日まで…荻上さんに会ったんですか?」 笹原は顔を赤くして焦っている。 斑目は弁当を広げ、割り箸を割りながら言う。 斑「そうそう。…つーかさー、笹原。聞いたぞ!」 笹「えっ!?」 斑「お前、もう荻上さんと付き合ってるんだって?」 笹「あ、ああ!そっちですか(汗)」 斑「ん?そっちですかって何が」 笹「い、いえ…」 (801漫画のことでもばれたのかと思った…焦ったぁ~) 斑「...
  • 東北の反逆児
    東北の反逆児 【投稿日 2005/10/27】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 荻上は夏コミ以来、積極的にイベント参加をするようになった。最近は売り手としての参加にも慣れ、 その名も少しは知られるようになり、ある種の覚悟が固まりつつあった。 だが…知られるとともに同人の「別の要素」がみられるようになる。 そう、彼に象徴される「自称知り合い」のたぐいのような… 「大野さん声優してみな~い?知り合いが探してるんだよ~エロゲだけどねww」 「いえ…やめておきます」 大野加奈子は顔を引きつらせつつ、無難に原口の誘いを受け流した。 (何でこの人ここにいるんだろう…) 何か手伝いをするでもなく、当日ふらりとあらわれて当然のようにスペースに居座る。 することといえば自己満足の「批評」か誰それに会ったとかいう「自慢」だけ。 「あ、荻上さんだっけ?見たよ同人~」 ...
  • リライト
    リライト 【投稿日 2006/01/08】 カテゴリー-笹荻 ある秋の午後、荻上はいつものように無表情な佇まいで駅前に立っている。 しかし今日は眼鏡だし筆頭ではない。上はTシャツの上にキャミソールで 下は今日は膝までのタイトなスカートだ。なにかよそ行きなのか? 通りの向こうに視線を遣ると、固かった表情がぱっとほころぶ。 この微笑を受ける人物は、そう、笹原だ。 ヘッドフォンを外しながらとててっと数歩前進する荻上に笹原も小走りで駆け寄る。 笹原「あ、お待たせ。いつから待ってたの?」 荻上「いえ、待ってませんから」 笹原「じゃあ切符買おうか」 荻上「はいっ」 そして車内で並んで座る二人。 笹原『うわ…ちょっと触れてる。なんか照れるな… 今更だけど』 笹原「それにしても、今日は髪も下ろしてるし、眼鏡なんだね」 荻上「ええ、後ろの席...
  • koyukiⅡその3
    koyukiⅡその3 【投稿日 2007/02/18】 カテゴリー-斑目せつねえ 卒業式の日の夜。新宿駅東口。 田中総市郎、加奈子夫妻は、この日無事卒業式を終えたスージーを連れて、新宿まで繰り出していた。 スージーの追い出しコンパを開催するためである。 残りの参加者は、スーの知っている現視研の現役会員やOB・OGであり、現在会長を務める朽木が駅前で掌握し、随時合流する予定であった。 「あとはお任せくださいッ!」 全力で敬礼する朽木にちょっと不安を感じつつ、総一郎と加奈子の夫婦は、真ん中にスージーを置いて目的地へと歩き始めた。 「それにしても賑わってるな」 「スー、離れちゃいけませんよ!」 3人は、駅前の雑踏をかき分けるようにして目的の居酒屋に辿り着いた。 店内もまた、歓声や拍手、叫び声のような店員の挨拶など、戦場のような賑わいを見せている...
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