げんしけんSSスレまとめサイト内検索 / 「26人いる! その7」で検索した結果

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  • 26人いる! その7
    26人いる!その7 【投稿日 2006/12/17】 ・・・いる!シリーズ 2006年夏コミ2日目。 現視研一行は椎応大学の最寄の駅から始発でやって来た。 今日は「やぶへび」の面々は漫研の会員たちと行動するので居ない。 女子会員たちは初日でお目当ての大半をゲットしたので、2日目は軽く巡回する程度で、さほど熱心に買い物する積りは無い。 男子会員たちも、本番の男性向け中心は3日目なので、2日目は軽く流す積りだ。 ただ1人目を爛々と光らせているのは国松だ。 特撮命の国松にとっては、特撮ネタの出てくる2日目こそがメインだからだ。 昨日急遽、会員たちの昼食と飲料水を管理するマネージャー役を買って出たので、国松もある程度大荷物になるはずだったが、そういう理由で国松の分は日垣と巴と台場が持った。 巴と台場はカートに括り付けたクーラーボックスを持ち、日垣は昨日より...
  • 26人いる! その6
    26人いる!その6 【投稿日 2006/12/03】 ・・・いる!シリーズ 恵子の言う通り、コスプレ広場はややこしいことになっていた。 いや正確には、ややこしいと言うより何ともシュールな光景になっていた。 肩の露出した紫のロングドレスにマントという格好のベラ役の大野さん、赤いシャツに赤いズボンという格好のベロ役の荻上会長、そして普段通りの格好のカメラを抱えた田中。 その3人が、セーラー服姿の国松に怒鳴られて平身低頭しているのだ。 国松は髪に、ややオレンジがかった黄色のリボンを鉢巻きのように巻いていた。 しかもご丁寧に、セーラー服には「団長」の腕章が付いていた。 つまり思い切りハルヒコスなのだ。 コスプレ広場で騒ぎが起こっていた頃、現視研の売り場では相変わらず同人誌鑑賞会が続 いていた。 途中からアンジェラとスーも加わっていた。 豪田「男性向...
  • 26人いる! その5
    26人いる!その5 【投稿日 2006/12/03】 ・・・いる!シリーズ 春日部「『何ちゅう日本語だ???』あんたたち、日本語喋れるようになったんだな…」 笹原「久しぶり、来てたんだ。今日はどうしたの?」 さすがに春日部さんが本格的にオタク道に目覚めて、自主的に来たとは思えなかった。 春日部「高坂がさあ、企業ブースとかいうのに出品するんで、初日と2日目の2日間ここに泊り込むから、着替えと食事の差し入れよ」 笹原「大変だね」 朽木「まるで刑事の妻ですな」 春日部「よしてよ縁起でもない」 荻上「あの、お店の方は?」 春日部「お盆は世間並みに休むわよ。都心部の服屋でお盆に店開けてても、人件費食うだけだしね…」 笹原は春日部さんの表情に微かな翳りを感じ、思わず尋ねる。 笹原「何かあったの?」 しばしの沈黙の後、春日部さんは事情を語り始めた。 ...
  • 26人いる! その3
    26人いる!その3 【投稿日 2006/12/03】 ・・・いる!シリーズ 2006年の夏コミ初日。 現視研と「やぶへび」の面々は上野から始発に乗り、ビッグサイトに着いた。 とりあえず1度、全員で一般参加の行列に並ぶ。 一行は、いろんな意味で周囲の目を引いていた。 主な理由は三つあった。 一つ目は人数だ。 コミフェス参加サークルで、大手を除けば総勢22人という人数は、かなりの大人数の部類に入る。 二つ目はメンバーの外見だ。 先ず目を引くのが、巨乳とロリロリの金髪外人女性コンビだ。 あとのメンバーも、巨乳の女性が2人、身長180台のノッポが2人、肥満体の女性が2人、そしてロリ顔ロリ体型の女子たち(しかも1人は筆頭)等、多士済々な面々だ。 そして三つ目は、彼らの尋常ではない荷物の量だった。 多くの者のリュックは通常の物より大型で、しかも今から買い...
  • 26人いる! その4
    26人いる!その4 【投稿日 2006/12/03】 ・・・いる!シリーズ 現視研の売り場を出る直前、神田が思い出したように言った。 神田「あっ、それからこれ、会長からのアドバイスなんだけど、売り子2人の内の1人はなるべく浅田君か有吉君にしてって」 浅田「そりゃまた何で?」 神田「何でもサブリミナル効果があるんだって。売り上げを伸ばす」 男子一同「???」 有吉「でも、どのみち僕は今から着替えに行くし、浅田君は神田さんの同人誌運ぶし…」 伊藤「なるべく早く帰って来てニャー」 有吉「それしかなさそうだな。じゃあ後頼むね」 神田「じゃあ私たちも行こうか」 岸野「そんじゃあ行って来るから、店番頼むね」 こうして売り場には、猫耳伊藤と長身の日垣という珍コンビが残った。 日垣「ところで伊藤君、何で会長は有吉君か浅田君が売り場に残るように言ったんだろ?」...
  • 26人いる! その9
    26人いる!その9 【投稿日 2007/01/14】 ・・・いる!シリーズ 2006年夏コミ3日目、最終日。 今日も現視研の面々は、椎応大学の最寄の駅から始発に乗った。 ちなみに「やぶへび」の面々は、今日は漫研男子の出品があるので、そちらの方に行っている。 あと恵子は昨日友人の家に泊まって寝過ごしたので、後で顔を出すとのことだった。 今日は男性向け中心の出品だ。 だから1年男子は、かなり意気込んでいる。 一方1年女子は、午前中は男子たちの分担購入を手伝い、午後からは全員コスプレに参加する。 分担購入の手伝いは、1日目に売り子で頑張ってもらったお礼の意味もあってのことだ。 もっとも元来現視研の女子会員には、最終日に男子の分担購入を手伝う習わしがあった。 (まあ習わしと言っても、ここ4年ほどの話ではあるが) それを上の誰かが言うまでも無く、1年女子の...
  • 26人いる! その8
    26人いる!その8 【投稿日 2006/12/18】 ・・・いる!シリーズ 藪崎「あかん、悪い子やないのは分かんねんけど、この子の話には付き合い切れんわ」 日垣が国松を呼びに来た時、正直言って藪崎さんはホッとしていた。 そしてコスプレ中の他の現視研メンバーを見渡し、突如動きを止める。 藪崎「なあオギー、あの人誰や?」 あの人とは、ヒューズコスの斑目だった。 荻上「ああ、OBの斑目さん…ヤブ、どしたの?」 藪崎さんの目がハート型になっていた。 荻上「あの、ヤブ?」 藪崎「直球ど真ん中や!」 荻上「えっ?」 藪崎「いやーこんな近くに理想のメガネ君が居るとは気付かなんだ、盲点やったわ」 フラフラと斑目の方に近付く藪崎さん。 だがそこへ猛スピードで接近する影があった。 アンジェラだ。 アンジェラが一直線に斑目に突進する。 藪崎「何や?...
  • 26人いる!その2
    26人いる!その2 【投稿日 2006/11/12】 ・・・いる!シリーズ 有吉「僕が編集でいいかな?」 豪田「自分がメインで描きたくないの?」 有吉「何と言っても時間が無いから効率最優先にすべきだと思うし、サークル参加なんだからみんなの総力で本作りたいんだ」 豪田「まあ確かに、同人誌って本来そういうもんだし」 有吉「それに女性向けで18禁なら、やっぱり妄想力こそが作品を作る原動力だよ。僕が理屈で話書いてもいいんだけど、それじゃ妄想力半減でしょ?」 豪田「そうねえ…みんなもそれでいい?」 一同「さんせーい」 有吉「まずプロットは台場さん。みんなの中で、1番ヤオイ関係の知識と経験と情報量は豊富みたいだからね」 台場「問題は組み合わせだけね。キョンが攻めか古泉が攻めかの二者択一かあ…」 「リバ可や!」 突如大声の関西弁が轟く。 漫研会員であり、サ...
  • 26人いる! その10
    26人いる!その10 【投稿日 2007/01/14】 ・・・いる!シリーズ みんなが驚くのも無理は無かった。 豪田は可愛くなっていた。 普段の5割増しぐらいで可愛くなっていた。 気のせいか体も若干細くなっていた。 台場「どっ、どうしたの蛇衣子?」 豪田「まあ、一応ネットアイドルって役どころだから、ちょっとメイクに力入れたのよ」 沢田「どういうメイクしたら、そこまで変わるのよ…(冷や汗)」 神田「蛇衣子かーわいー」 豪田「それより千里、この暑いのにコンクリートの上で裸足はやり過ぎじゃない?」 国松「ヨク見ルネ(片足を挙げる)」 豪田「地下足袋?」 国松「田中サンガ作ッテクレタ、地下足袋べーすノ裸足風靴ネ」 豪田「さすがだ、田中さん…」 巴「て言うか千里、片仮名で喋ってるし…」 神田「役作りですね。マリアは役作りは何かしてないの?」...
  • 30人いる!その7
    30人いる!その7 【投稿日 2007/09/02】 ・・・いる!シリーズ 第6章 笹原恵子の采配 有吉「えーでは第3回 現視研で映画作ろうぜ会議を始めます!」 朽木「それはいいんだけど、何でここでやるのかのう?」 クッチーが素朴な疑問をぶつけるのも無理は無かった。 3日後の制作会議の会場、それは部室ではなく国松の部屋だったからだ。 ちなみに今回の制作会議、部室で原稿執筆中の藪崎さんと加藤さん、前回の会議の翌日帰国した外人コンビ、そして今日合流したクッチー以外のメンバーは前回同様だ。 国松「恵子先輩が、ケロロ軍曹のビデオをギリギリまで見たいって仰ったからですよ」 その言葉通り、恵子はまだビデオ再生中のテレビの前から離れなかった。 朽木「監督の命令とあらばやむを得ませんな」 体育会系体質のクッチーはあっさり納得した。 神田「それよりクッチー先...
  • 30人いる!その6
    30人いる!その6 【投稿日 2007/08/19】 ・・・いる!シリーズ 第5章 笹原恵子の覚醒 ゴジラが今日(厳密には2日に渡っているが)7回目の白骨化をして海に沈む頃、50レス近くにも及んだ恵子の長い長い回想は終わった。 とは言っても、7回目のゴジラを見ていなかった訳では無い。 さすがにうんざりして多少よそ見をしつつも、何故か画面から完全に目を外すことは出来なかった。 それは必ずしも義務感だけでは無かった。 かと言って、この歳になっていきなり特撮に目覚めてハマったという訳でも無い。 自分自身でも分からない「何か」に引き寄せられるように、恵子は見続けていた。 一方外人コンビは時差ボケのせいもあってか、さすがにウトウトとし始めた。 2人ほどでは無いが、国松も眠そうだ。 眠そうながらも押入れから予備の布団を出して敷く。 「はいはい、スーちゃ...
  • 30人いる!その3
    30人いる!その3 【投稿日 2007/07/29】 ・・・いる!シリーズ 第2章 笹原恵子の宣言 「無理無理無理!そんなのぜってえ無理だって!あっそうだ、くじ引きもう1回やり直そう!なっ!」 案の定、恵子は駄々をこねた。 どこからともなく取り出した算盤を机に叩きつけつつ、台場は言い放った。 「くじ引きに2度目はありません!」 『うわあ、晴海のやつ目がマジだ…』 たじろぎつつも、恵子はさらに反論を重ねる。 「なあ、お前ら冷静に考えてみろよ。あたしゃお前らと違ってオタクじゃないし、映画なんて作ったこと無いし、それ以前に昔から映画なんてあんまし見てないし」 国松「大丈夫ですよ、恵子先輩。全員映画作りは初めてですし」 藪崎「千里、それフォローなってへんで」 国松「それに映画作りの基礎なら、私がお教えしますよ。どのみち今日はその積もりで、映画の作り...
  • 30人いる!その15
    30人いる!その15 【投稿日 2007/10/21】 ・・・いる!シリーズ 「でもそれにしても、これだけケロロ小隊がでかいと、撮り方に工夫が要りますね」 浅田が口を開いた。 恵子「て言うと?」 まだ着ぐるみのマスクを被った状態の3人に、スッと近付いて隣に立つ浅田。 浅田「俺、有吉と身長同じぐらいですけど、この通り小隊の面々とあんまし変わりません」 浅田たちに注目する一同。 確かに身長170センチの浅田とケロン人たちの身長は、あまり変わらないように見える。 恵子「確かにそうだな」 浅田「ケロン人って設定上は人間の3分の1ぐらい(55,555センチ)です。まあそれを実写で完全に再現するのは無理ですけど、少なくとも人間より小さく見えないとまずいです」 恵子「じゃあどうしよう?」 浅田「まず基本的にケロン人と地球人のツーショットはなるべく避けることです...
  • 30人いる!その4
    30人いる!その4 【投稿日 2007/08/05】 ・・・いる!シリーズ 第3章 笹原恵子の特訓 テレビの画面には、モノクロで東宝のマークが映っていた。 恵子「おい、テレビ故障か?白黒じゃねえか」 国松「白黒ですよ。何しろ半世紀以上前の作品ですから」 恵子「…何を見せる気だよ?」 国松「ほら、タイトル出ますよ」 先ず「賛助 海上保安庁」と字幕スーパーが出た。 続いて何かがきしむような生き物の咆哮と共に音楽が始まる。 伊福部昭作曲の有名な旋律に乗って、タイトルの文字が出た。 一同「ゴジラ?!」 国松「そう、昭和29年封切りの第1作目!」 「やれやれ、すっかり昼飯が遅くなっちまったな」 例によって斑目は、弁当を持って部室にやって来た。 「今日は誰か居るかな?まあ夏コミ済んだとこだから、誰も居ないかもな」 部室の中から物音...
  • 30人いる!その13
    30人いる!その13 【投稿日 2007/10/08】 ・・・いる!シリーズ 第9章 笹原恵子の発動 夕刻、笹原は部室を後にした。 その後はB先生の入院する病院を訪ね、A先生との打ち合わせと夕食を済ませて、笹原は帰宅した。 A先生との夕食は、当然浴びるように酒を飲むことがワンセットになっていたが、この頃には笹原もすっかり慣れてしまい、普通のほろ酔い加減で帰って来れた。 「そう言えば、恵子から連絡無かったな。まだ寝てるかな?」 アパートの前に着くと、笹原の部屋の灯りは点いていた。 「どうやら起きたようだな」 部屋に入ると、恵子は体育座りの体勢で、膝を抱えて座っていた。 足元には、現視研の映画の台本が広げられていた。 「やっと起きたか。ん?恵子?」 恵子は微かに震えていた。 顔は青ざめて、大量の汗をかいていた。 「ああアニキか、お...
  • 30人いる!その14
    30人いる!その14 【投稿日 2007/10/14】 ・・・いる!シリーズ 長き眠りの間に脳内の情報が整理されたせいか、久々の制作会議で恵子は次々と活発にアイディアを提案して行った。 「それとさあこの話、仮にもケロロが主人公なんだろ?にしちゃあケロロの出番少なくねえか?」 ハッとなる一同。 伊藤「言われてみれば、そうですニャー…」 恵子「そこでだ、ケロロにも派手な見せ場作ってやろうと思うんだ」 一同「見せ場?」 ちょっと嫌な予感がする一同。 恵子「ケロロと言えば、やっぱバナナだろ?ベムって錬金術で何でも作れるんだから、ケロロ倒す時にバナナの皮出して、ケロロがコケに走る、それでいいんじゃない?」 一瞬凍結する一同。 恵子「どうよ?」 一同『バナナキター!』 国松「(小声で)良かったですね会長、特訓がムダにならなくて」 荻上「(小声でケロロ...
  • 30人いる!その11
    30人いる!その11 【投稿日 2007/09/24】 ・・・いる!シリーズ 第8章 笹原恵子の休息 笹原は疲れて果てていた。 同じ派遣会社の編集者が過労で倒れ、本来の担当以外に新たに2人の漫画家の担当を臨時で兼任することになった。 それに加えて、本来担当していた3人の漫画家たちは、各々困ったちゃんと化していた。 A先生は、本格的に新連載の準備にかかっていた。 機銃掃射のように次々とネームを上げ、同時に上機嫌になったA先生は、毎日のように笹原に夕食を奢ってくれるのだが、これがありがた迷惑だった。 A先生が連れて行ってくれる夕食とは、完全に酒席とワンセットであり、しかも彼の旧友である裏社会の住人たちが同席することが多かった。 異常な量の酒を勧められる一方でその筋の客人に気を使う、そんな酒席での笹原は、まるで力道山の付き人をしてた当時のアントニオ猪木のよう...
  • 30人いる!その9
    30人いる!その9 【投稿日 2007/09/09】 ・・・いる!シリーズ 第7章 笹原恵子の周囲 その後、その他の細かいスタッフの担当を決めて、3回目(?)の制作会議は閉会した。 現時点で決まったスタッフとキャストは、次の通りであった。 スタッフ 制作総指揮    荻上(まあ一応責任者ということで) プロデューサー  台場 脚本       伊藤 助監督(チーフ) 伊藤 撮影       浅田・岸野 ロケハン     浅田・岸野 編集       浅田・岸野 光学合成(?)  台場 照明       豪田 録音       巴・沢田 美術       豪田 記録       神田 スケジュール管理 神田 着ぐるみ造形   国松・日垣 衣装       国松・日垣  小道具      日垣 擬闘   ...
  • 30人いる!その8
    30人いる!その8 【投稿日 2007/09/02】 ・・・いる!シリーズ 恵子「そんじゃあ配役決めようか?」 伊藤「着ぐるみの人以外は、冬樹、夏美、それにモアちゃんだニャー」 男性会員たちを見渡す恵子。 恵子「うーん、お前ら不細工じゃないけど、イケメンや美形もいねえな。うーんと…」 その時、豪田の頭の中でピンッという音が鳴った。 そしてズンズンと有吉に近付く。 有吉「えっ?」 豪田は有吉から眼鏡を外した。 有吉「ちょっ、ちょっと、返してよ」 有吉を凝視する一同。 イケメンや美形とまでは行かないが、割と知的で整った顔立ちだった。 沢田「こ、これは?」 巴「行ける!」 恵子「おしっ、有吉、お前冬樹やれ!」 有吉「ぼっ、僕ですか?」 巴「監督命令となれば、しょうがないわね」 有吉「(マジ顔で)分かりました、監督。(情けない顔に...
  • 30人いる!その5
    30人いる!その5 【投稿日 2007/08/15】 ・・・いる!シリーズ 第4章 笹原恵子の合宿 国松「岸野君、このビデオカメラってデジタルだよね?」 岸野「そうだよ。買った時で発売から3年ぐらいだから、当時としては新型の部類に入ると思うよ」 日垣「買ったのが3年前だから、6年前発売の品か。それにしちゃでか過ぎるんじゃ…」 岸野「そうか?昔、親戚の叔父さんがVHSのビデオのカメラ持ってたの見たことあるけど、あれに比べりゃかなりコンパクトになってるぞ」 国松「VHSって…」 日垣「そりゃあれは、カメラと別に小さいビデオデッキがある代物だからな…」 一同がカメラの大きさを話題にする中、別な観点から食い付いた者が居た。 「AG-DVX100じゃねえか、それ!」 大声を上げたのは浅田だった。 何時に無く目が輝いている。 国松「浅田君、知ってる...
  • 30人いる!その10
    30人いる!その10 【投稿日 2007/09/17】 ・・・いる!シリーズ サークル棟に向かう途中、久我山は柔道場の前を通り掛かった。 この大学の柔道場は、通路側に大きな窓(人が出入り出来る大きさで、下辺は床に付いてるから、ガラス戸と言うべきか)がある。 稽古中にぶつかって破損するのを防ぐ為か、内側には雨戸のような鉄格子の扉があり、外から見ると金網デスマッチのような格好になる。 そういう立地のせいか、特にスター選手が居る訳でも強豪校でも無いのに、稽古中の柔道場の前には見物人がよく居た。 初心者の柔道部員の中には、かつてその見物人だった者もけっこう居て、この立地は地道に柔道部存続に貢献していた。 久我山は道場の中で動く人影をチラリと見て、ふと足を止めた。 「あれっ?みょっ妙な時間に稽古やってるな」 久我山の記憶では、椎応の柔道部は朝と夕方に全体での練習...
  • 30人いる!その12
    30人いる!その12 【投稿日 2007/09/30】 ・・・いる!シリーズ 結局笹原は、その日はほぼ丸1日寝て休みを潰し、翌日も殆どの時間を荻ルームで過ごした。 その間何度か自室にも戻ったが、恵子は眠ったままだった。 翌々日の朝、出勤の準備の為に自室に戻った。 恵子はまだ眠っていた。 一昨日自室を脱出した際と、状況は殆ど変わっていない。 つまり恵子はあれから丸2日寝ていたようだ。 その寝顔を見ている内に、彼女がここまで頑張って作ろうとする映画がどのように作られているのか、現場に見に行ってみたいと思った。 荻上会長からいろいろと話は聞いていたが、直に見てみたくなったのだ。 幸い今日は午後からC先生宅に行く予定だから、帰りに部室に寄ることにする。 昼過ぎ、笹原はC先生に会ってネームのチェックを終えた後、部室にやって来た。 屋上に来てみると、あ...
  • 30人いる!その2
    30人いる!その2 【投稿日 2007/07/22】 ・・・いる!シリーズ 第1章 笹原恵子の回想 夏コミが終わって数日後のある日の昼下がり、現視研の部室では学祭で上映する映画の製作会議が開かれた。 参加者は、遅れて来ると連絡のあった浅田を除く1年生10人と荻上会長、「やぶへび」の3人娘、そして夏コミ翌日に一旦アメリカに帰ったはずのスーとアンジェラだった。 ちなみに恵子は例によって遅刻、クッチーは就職活動、大野さんは諸事情により後述する。 実はスーとアンジェラ、夏コミの前日に来日した際に、大野さんがアパートを紹介してもらった不動産屋を訪ね、秋から暮らすアパートの物件を探してもらっていた。 だが彼女たちの提示する条件を満たす物件は、その日は見つからなかった。 彼女たちの条件とは、2DK以上の間取りで、その2つの部屋が鍵のかけられる完全な個室であり、なおかつ1...
  • 17人いる!
    17人いる! 【投稿日 2006/08/14】 ・・・いる!シリーズ 注:データ量の関係でニ分割しています 前作「11人いる!」のオリジナル設定等のまとめ ①今年の新1年生は、男子5人女子6人の計11人です  (しかも9月にはスー&アンジェラも合流する予定) ②諸々の事情で卒業生たちは以前より顔を出すようになり、それもあって部室が手狭になったので、サークル棟の屋上にプレハブ製の部室を新設しました          ③斑目は相変わらず部室に昼飯食いに来てますが、4月以降は外回りの仕事も手伝っている(その為に普通免許取りました)ので、昼休み以外の時間帯にも時々部室に来ます ④作業着姿でガリガリでメガネで甲高い声でテンションの高い喋り方なので、斑目は1年生女子からシゲさんと呼ばれています ⑤クッチーは去年の秋頃から空手を習っています ⑥諸々の事情で、クッチ...
  • 26人いる!
    26人いる! 【投稿日 2006/11/12】 ・・・いる!シリーズ この話を初めて読む方の為に、オリジナル設定等のまとめ ①今年の新1年生は、男子5人女子6人の計11人、さらに秋にはスー&アンジェラも合流します ②部室が手狭になったので、サークル棟の屋上にプレハブ製の部室を新設しました          ③斑目は相変わらず部室に昼飯食いに来てますが、4月以降は外回りの仕事も手伝っているので、昼休み以外の時間帯にも時々部室に来ます ④斑目は1年生女子からシゲさんと呼ばれています ⑤クッチーは去年の秋頃から空手を習っています ⑥諸々の事情で、クッチーは児童文学研究会にも掛け持ちで入会してます 児文研会長の勧めにより、普段は大人しくなりましたが、イベントになると必要以上に大騒ぎします   ⑦荻上会長は巷談社主催の春夏秋冬賞という漫画コンクールに応募して審査員...
  • 30人いる!
    30人いる! 【投稿日 2007/07/16】 ・・・いる!シリーズ 西暦2006年、一時は存亡の危機に立たされた荻上新会長政権下の椎応大学現代視覚文化研究会は、11人もの新入会員を迎え見事に復活した。 会員激増に伴なう部室の移転、親睦を図る為の海水浴、そして夏コミでの同人誌販売に3日間日替わりのコスプレと、数々のイベントを消化しつつ進み続ける新生現視研。 現在の次なる攻撃目標は学祭だ。 スーがクルルのコスを希望したことから始まって、話はケロロ小隊コス、そして夏コミで使ったベムとアルの着ぐるみコスも交えた「ウルトラファイト」風映画制作へと発展。 果たして現視研の映画制作は成功するのか? どうなる現視研! どうする荻上会長! 現視研の明後日はどっちだ! 主なオリジナル設定 荻上会長政権下での新1年生は11人で、さらに秋からはスーとアンジェラも加わ...
  • 11人いる!
    11人いる! 【投稿日 2006/02/19】 ・・・いる!シリーズ 西暦2006年4月。 結論から先に言うと、荻上新会長率いる現視研新体制下の新人勧誘は、男子5人女子6人の計11人という例年にない大漁で終わった。 後でサークル自治会の役員の人に聞いた話によれば、これは現視研創立以来最高記録であり、今年の新人勧誘では体育会系も含めて全サークル中トップだそうだ。 今年の新人勧誘が大成功した理由は、大きく分けて三つあった。 一つ目は、例のアキバ系小説原作のドラマと映画の大ヒットでオタクがちょっとしたブームになり、全国レベルでニワカオタや新人オタが増えたことだ。 椎応大学にもそんな新米オタが何人か入学していた。 普通こういった人が目指すのは、漫研かアニ研だ。 だがこの両会は、初心者オタには敷居が高過ぎた。 高校ならともかく、大学にもなって絵心のない人には...
  • 17人いる!(後編)
    17人いる!(後編) 【投稿日 2006/08/14】 ・・・いる!シリーズ 荻上「どしたの?随分疲れてるみたいだけど」 神田「みたいじゃなくて、ほんとに泳ぎ疲れました」 台場「蛇衣子とマリア、メチャメチャ速いんですよ、泳ぐの」 荻上「(意外そうに)へー」 ソフト出身で怪力の巴の力泳はともかく、肥満体の豪田が速いのは意外に思えた。 でもよく考えれば、全身を脂肪というフロートで覆われたその体は浮力の塊だ。 そうなると腕力と脚力(両方ともかなりの怪力だ)の殆どが推進力に使えるのだから、速いのも道理だ。 国松「ほんと速かったですよ、豪田さん。まるでツインテールみたい」 一同「ツインテール?」 日垣「国松さん、今時ツインテールって言うと、女の子の髪型の方だと思われちゃうよ」 荻上「それ以外のツインテールってあるの?」 日垣の説明によると、この場合のツ...
  • 斑目&スーのステディライフ【2】
    斑目&スーのステディライフ【2】 【投稿日 2007/01/29】 斑目&スーのステディライフ 「koyuki」おまけ/斑目&スーのステディライフ(その2) 土曜日の夕方。 道端に雪の残る街並みを歩く斑目。 スージーは、斑目の少し前をヒョコヒョコとはねるように歩いている。 表情には絶対に表れないが、どうやら楽しそうだ。午後から近くの公園で、日が陰るまで雪遊びをしていたのだ。 だがもうすぐ日が暮れる。斑目は時計を気にした。 「どうする。田中ん家に電話してアパートの住所確認する?」 「………」 スージーは振り向かず、黙って斑目の前を歩いている。 「あ、そうだ」と、斑目は携帯電話を取り出した。 「昨日乗ったタクシーの中で、スーが忘れ物をして俺が預かってるってシナリオで笹原ん家に電話して……」 「………」 スージーがステップを止めて振...
  • 第二話・最前線
    第二話・最前線 【投稿日 2006/02/05】 第801小隊シリーズ 「なに?墜落だと?」 ここは第801小隊の防衛拠点に一番近い皇国軍の基地である。 「ええ・・・。パイロットの生存も確認できません。」 「くそ!よりにもよって連盟軍のエリアに墜落するとは・・・。」 場所を確認するための大型ディスプレイを見ながら苦い表情をする女指令。 「ナカジマ大佐・・・。どうしましょうか・・・。」 「どうするもこうするもない!回収せねばならないだろう!」 「しかし、それでは連盟との衝突は免れませんが・・・。」 その提言に対してナカジマはにらみながら怒鳴る。 「そんなことはわかっている!しかし、アレを回収されるわけにはいかん!」 「ようやくきやがったか・・・。」 マダラメがそう呟くと、空には一機の輸送船。 「ようやくですな。」 クチキも苦い表...
  • 11人いる!後編
    11人いる!後編 【投稿日 2006/02/19】 ・・・いる!シリーズ 荻上さんは改めて目の前のひょろ長い男を見た。 2年前に出会った時は意味不明のウザオタでしかなかった男が、いつの間にか彼なりにいろいろ考えながら自分の人生を歩み始めている。 そんなクッチーを見てて、荻上さんは不意に悟った。 『朽木先輩は、もう1人の私なんだ』 考えてみれば2人は似たもの同士だ。 2人とも他人とのコミュニケーション能力に難があった為に、別のサークルを追われて現視研にやって来た。 たまたまクッチーはでかくてウザい男だった為に厳しく躾けられつつも放置され、自分は見た目も中身も幼かった為に構われ甘やかされただけだ。 対応の違いはあっても、2人とも厄介者だったことには変わりない。 その2人の厄介者が今では、それぞれの人生を模索し始めている。 そんなことを考えている内に...
  • あのひとのとなりに
    あのひとのとなりに 【投稿日 2006/07/29】 カテゴリー-現視研の日常 「や……山田さん……やめてよ、ね?……どうして、こんな……ッ」  榎本千尋はボタンを外された胸元を押さえながら、生徒会室の中央で立ちすくんだ。廊下へのドアに立ちはだかるように予備の制服を手に持った山田薫子に、戸惑いながら話しかける。 「千尋さん、ごめんなさぁい。蓮子さまがどうしてもあなたのことを足止めしろって言うから……わたし、こう言うのよく解りませんけどぉ、こんなカッコにすれば簡単に逃げられない、って蓮子さまがぁ」  おっとりしているようで意外に素早く力強い薫子に翻弄されるうち、いつしか千尋は服を剥ぎ取られ、用意されていた女子用の制服を着せられていく。己の行動を恥じ、詫びているような物言いをしながらも彼女の動きは的確で、千尋が腕を振れば上着を奪われ、走り出そうとすればズボンを取り上げられた。さらに暴...
  • 12月号予想・その一
    その一 【投稿日 2005/10/22】 カテゴリー-12月号 「じゃあ俺、久しぶりに秋葉行くから」 就職活動の成功を報告に来た笹原は、そう言い残して部室を去っていった。 あとには4人の女たちが、残される。 「あーぁぁぁ、もう、相変わらずですねえ」 大野がじりじりとした目で、笹原のいた空間を睨んだ。 「どうして、一緒に誰か行く? とか言わないのかしら、あの人は」 「笹やんだから、ねぇ」 大野の言わんとしたことを理解した咲が苦笑する。 「え? 何? うちのサルの面白い話!?」 恵子が身を乗り出してくる。 荻上は、手にした漫画を話すことなく読み続けている。 いや、読んでなんかいない。ただページをめくっているだけ。 笹原が「いろはごっこ」を取りにこちら側へ来た時、 肌にふれる空気が熱くな...
  • げんしけん近未来
    げんしけん近未来 【投稿日 2006/02/11】 カテゴリー-現視研の日常 2007年春―――― 新入生・山田麻耶(やまだまや)は戸惑いつつも意気込んでいた。 ある種のサークルに入ると決意していたからである…。 『サークル入会の手引き』に載っていた一枚のイラスト。それに惹かれた麻耶は、 勇気を振り絞って、そのサークルの部室へ見学に訪れたのであった。 サークル名は「現代視覚文化研究会」――――。 しばらくの間、黙って会員達の談笑を聞いていた。 しかしやがて会員達は、トイレに行くとか用事があるとか言って出て行ってしまい、 部室には彼女ともう1人、一年生らしい女の子の二人きりになってしまった。 ??「2人だけになっちゃったね、山田さん」 山田「は、はい…えと…」 ??「あたしは北川ってんだ。よろしく!入会したのは昨日だけどね」 ...
  • 第十八話・地球(ホシ)へ帰る
    第十八話・地球(ホシ)へ帰る 【投稿日 2006/06/23】 第801小隊シリーズ 俺は銃を握り締めながら考える。 ・・・人を殺すというのはどういうことなのだろうか。 今まで散々殺してきた俺がこんな事考えても意味はないのかもしれない。 だが・・・いや、だからこそか。 目の前の人間を殺せば、多くの人が助かることは間違いない。 それは、今までしてきた戦いだってそうだ。 ・・・・・・戦争なんてそんなもの。 しかし・・・そんな言葉だけじゃ納得できなくなってきている。 俺はこの引き金を引く事が出来るんだろうか? ・・・一人を殺して多くを助ける。 それが例え・・・悪人であっても許されることなのだろうか。 ・・・・・・答えは、もうすぐ出さなければならない。 「右舷、敵MSの攻撃が再開されました!」 サキが叫ぶ。振動が艦内を伝う。 「状況...
  • アンの青春
    アンの青春 【投稿日 2006/11/18】 カテゴリー-その他 ■セカンドジェネレーション設定■ これは絵板起源の「セカンドジェネレーション」-双子症候群-の独自設定 です。一応、「初期設定」とされるキャラクターの設定を拝借していますが、 独自に改編した部分もあります。 ここだけで完結されたバラレル設定ですので他のSS師さんたちや絵師さんた ちの設定との差異はご了承ください。 □舞台設定  げんしけん最終回から二十年後の世界の東京郊外の新興都市 □登場人物設定  旧世代の登場人物は斑目晴信、アンジェラ・バートン、スザンナ・ホプキンス のみの登場。その他メンバーは名指しも登場もしない方針。 □物語設定 物語はオムニバス形式で独立しており各自主人公が異なりますが、 前作の設定を一部引き継ぐ場合があります。一応、時...
  • ラジヲのお時間【文月】
    ラジヲのお時間【文月】【投稿日 2006/04/11】 ラジヲのお時間 ~BGM・『曜湖・鳴雪のげんしけんラジヲ!』テーマソング~ ~FO~ 「どうも~、いつ誰が聞いてるか分からないげんしけんのネットラジオをお聞きの方、  今日も私、神無月曜湖と!」 「・・・於木野な・・・」 「聞こえませんよ!大きな声で言ってください!!」 「於木野鳴雪でお送りします!!」 ~BGM・完全にFO~ 「皆さん、こんばんは~、こんにちは~、おはようございます~。」 「こんばんは・・・。こんにちは・・・。おはようございます・・・。」 「ずいぶんと暑くなって、夏になってきたな~という今日この頃、皆さんは  いかがお過ごしですか?私はかわいい夏服が見つかって、少しワクワクしてます!  夏コミまでも後一月、といったところ。  ...
  • 第三話・迷子の兵士
    第三話・迷子の兵士 【投稿日 2006/02/06】 第801小隊シリーズ 「早朝から大変ですね・・・。」 「まあ、戦争って言うのは相手の隙をついてこそだからね・・・。」 日課である早朝ミーティングが出撃のため中止になり、 持ち場に戻るため、二人で基地内を歩くタナカとオーノ。 「皆さん無事に帰ってきてくれるといいんですけど・・・。」 「新型がものすごい性能だから、きっと大丈夫だとは思うけどね・・・。  だけど戦いって言うのは水物でね。どういう結果になるかはわからんよ。」 「それはわかってますけど・・・。」 「うん、無事でいてほしいと思うのは俺も一緒だ。」 ちょうどオーノの職場である医務室前に差し掛かる。 「では、またあとで。」 「ああ。」 医務室に入るオーノに軽く手を振り、整備場へと向かおうとするタナカ。 しかし、そこに後ろから声がか...
  • 第十六話・蘇る悪夢
    第十六話・蘇る悪夢 【投稿日 2006/05/31】 第801小隊シリーズ 「やめろ!」 俺は叫ぶ。・・・いつもの悪夢だ。 「・・・ククク・・・。止めるなら、その引き金を引けばいいじゃないか。」 「う・・・うう・・・。」 銃口が震える。照準が定まらない。 妙な起動装置の前で、その爺さんは・・・何かをいじくっている。 また止められないのか。俺は何度この悪夢を繰り返せばいい? 「う・・・うわああああああ!!」 俺がようやく打つ決意を固め、銃をしっかりと構えなおした時。 「遅いわ!!」 光が迸る。何かが・・・動いた。 「外を見ろ!!綺麗だろう!!これが私の生み出した光の槍だ!!」 「う・・・うあ・・・。」 まさに、光の槍が連盟、皇国が戦う空間へと突き出していく。 小さな爆発が多数生じ・・・。宇宙には静寂がおとずれた。 「あははははは...
  • 東北の反逆児
    東北の反逆児 【投稿日 2005/10/27】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 荻上は夏コミ以来、積極的にイベント参加をするようになった。最近は売り手としての参加にも慣れ、 その名も少しは知られるようになり、ある種の覚悟が固まりつつあった。 だが…知られるとともに同人の「別の要素」がみられるようになる。 そう、彼に象徴される「自称知り合い」のたぐいのような… 「大野さん声優してみな~い?知り合いが探してるんだよ~エロゲだけどねww」 「いえ…やめておきます」 大野加奈子は顔を引きつらせつつ、無難に原口の誘いを受け流した。 (何でこの人ここにいるんだろう…) 何か手伝いをするでもなく、当日ふらりとあらわれて当然のようにスペースに居座る。 することといえば自己満足の「批評」か誰それに会ったとかいう「自慢」だけ。 「あ、荻上さんだっけ?見たよ同人~」 ...
  • 第十七話・シンデレラ・チカ
    第十七話・シンデレラ・チカ 【投稿日 2006/06/09】 第801小隊シリーズ 衝撃が船内を伝わる。 「く、左舷、被爆!」 「しっかり回避しろよ~!」 「む、無茶な~、多勢に無勢でありますよ~。」 多くのドムの襲撃を受け、大慌てになる船内。 「・・・クッチーは頑張ってるよ。ぐっ!」 サキの体が衝撃にゆれる。 「・・・敵が多すぎるんだ。なんて基地だよ。小規模に見えるくせになんて戦力だ。」 「・・・ど、どうするのさ・・・。」 ケーコが青い顔をしてサキを見る。 「・・・・・・どうするもこうするも耐えるしかないよ・・・。  あんたの兄貴を信じるしかないんだよ・・・。」 「あの兄貴だから信用できないんだろ・・・。」 「あら?あんたがなんだかんだで一番信頼してるのはササハラだと思ってたけどね。」 驚いた顔をして少し顔を赤らめ、ケーコはサキ...
  • 第十五話・贖罪
    第十五話・贖罪 【投稿日 2006/05/24】 第801小隊シリーズ その日、マコト=コーサカは、ふとした違和感に気付いた。 皆の輪から外れ、一人MS格納庫のササハラと話をしに行こうとしていた矢先である。 テンプルナイツとの小規模な激突から約3日が経っていた。 遡ること3日前、丁度その戦闘が終了した矢先、一つの連絡が入った。 それは、マダラメらの過去の戦友、ヤナギサワ大尉からもたらされたものであった。 それらしい基地が発見され、地球圏により近い破棄された人工衛星群に紛れるように存在し、 今まさに活動をしようと活発に物資が運び込まれているという。 そこに目的の兵器、そして目的の人物がいる可能性が100%とはいえないが、 それしか手がかりがない以上、彼らは進路をそこに進めるしかなかった。 その行程は順調であり、特に問題もなかった。 ササハラはよく一...
  • 千佳子の覚醒
    千佳子の覚醒 【投稿日 2007/02/02】 カテゴリー-その他 これは絵板起源の「セカンドジェネレーション」-双子症候群-の独自設定 です。一応、「初期設定」とされるキャラクターの設定を拝借していますが、 独自に改編した部分もあります。 ここだけで完結されたバラレル設定ですので他のSS師さんたちや絵師さんた ちの設定との差異はご了承ください。 □舞台設定  げんしけん最終回から二十年後の世界の東京郊外の新興都市 □登場人物設定  旧世代の登場人物は斑目晴信、アンジェラ・バートン、スザンナ・ホプキンス のみの登場。その他メンバーは名指しも登場もしない方針。 □物語設定 物語はオムニバス形式で独立しており各自主人公が異なりますが、 前作の設定を一部引き継ぐ場合があります。一応、時間系列順に列挙して おきます。 ...
  • 春奈の蒼穹その2
    春奈の蒼穹その2【投稿日 2007/02/20】 カテゴリー-その他 第五章 黒い三連弾 [ブルーディスティニー]=【アレック】『こちらホワイトスネイク!! 救援に来た!!』 ブルーディスティニーの蒼い機体の後ろには後援の部隊が後続としてきていた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『たっ助かる~。例の「レッドフォックス」らしいのよ!!』 黒ずんだ赤色の機体のキングクリムゾンは機銃を乱射しながら敵の進撃を防いでいる。 [ブラック・ラグーン]=【千里】『こちらサウザンド!! 春・・・アップルシード!! 残弾が残り少ないよ~』 黒色の機体の千里から泣きが入ってきた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『すぐに後続隊と交代して!! 破損兵も一緒に連れていって!!』 「何か劣勢だな・・・。救援隊も圧倒しているぞ。噂以上じゃね?レッドフォックス?」 ...
  • スザンナの消失
    スザンナの消失【投稿日 2007/04/07】 カテゴリー-その他 これは絵板起源の「セカンドジェネレーション」-双子症候群-の独自設定 です。一応、「初期設定」とされるキャラクターの設定を拝借していますが、 独自に改編した部分もあります。 ここだけで完結されたバラレル設定ですので他のSS師さんたちや絵師さんた ちの設定との差異はご了承ください。 また実在の団体、人物をモデルにした架空の設定がありますが、これも政治的思想的 個人的価値観とは一切関係ない物語の上だけのものです。 科学的表現もありますが完璧なる似非科学です。 □舞台設定  げんしけん最終回から二十年後の世界の東京郊外の新興都市 □登場人物設定  旧世代の登場人物は斑目晴信、アンジェラ・バートン、スザンナ・ホプキンス のみの登場。その他メンバーは名指しも登場もしない...
  • ノートブック
    ノートブック 【投稿日 2006/04/16】 カテゴリー-ハルコさん ※改編版です 雨待ち風続編 終章 第一幕 郊外の病院 初秋の昼下がり時、一人の老人が郊外の「ある」専門の病院を訪ねた。この病院 に入院している親密な老婦人に会う為だ。 老婦人「昨日もいらっしゃったのに、今日もまた来られたのね」 老婦人は微笑んで、この老人を迎えた。 老人「ああ、あなたに昨日の物語の続きを読んであげたくて・・・」 老婦人「わたしもあなたのお話を、とても楽しみにしておりましたのよ、それで あの娘さんは・・・」 老人「ええ、ちょっとお待ちください」 そう言って老人は鞄から古びたノートブックを取り出した・・・ 第二幕 イベント会場 ハルコ「さて・・・約束通りこの行列に並んでいただこうかしら!」 そう言って、ハルコはニヤ...
  • 笹荻BADEND2
    笹荻BADEND2 【投稿日 2006/04/16】 笹荻BADEND 笹原がことに異常さを感じ始めたのは3日を過ぎた頃からだった。 平時から小まめに連絡を取ってくる荻上が3日間何の連絡もよこさない。 その直前、何か怒らせるようなこともしたからかと思い、 比較的荻上と会う斑目や、彼女が信頼を置く春日部や大野に聞いてみたが それらしい様子は見られなかったと言う。 1週間。 意を決して荻上の携帯電話から、彼女の実家の電話番号を調べ学校の関係者を 装って電話をかけた笹原は殴られたようなショックを受ける。 実家には戻っていない。 電話で話す限り特に急を要する何かが起こっているような気配も感じれられない。 なんとか動揺を隠し通したまま電話を切った笹原は荻上が残したメモ書きを見つめる。 何かのトラブルに巻き込まれたことに...
  • 千佳子の覚醒(後編)
    千佳子の覚醒(後編) 【投稿日 2007/02/02】 カテゴリー-その他 ○第一幕その6 学校の外へ・・・ 斑目は用務員室に戻ると教材業者からの電話を受けた。千佳子が言っていた通り、発注をミスしたとの 連絡であった。ここまでは「予知」の通り。さてこれからどうする? ノートパソコンにメールが届いていた。アンからだった。テレビ電話を繋ぐとアンが起きていた。 斑目『そっちって夜中の三時じゃないのか?寝てないの?』 アンジェラ『ええ、たまった仕事があるから気にしないで』 (・・・嘘だな。すまん・・・。いっそ再会した時になじり倒してくれた方が良かったよ・・・。) 斑目はアンジェラに千佳子の様子を伝えて意見を聞いた。 アンジェラ『うーん、分からない。夢の出来事というのはレム睡眠時の短時間の間に見るものなの。 普通の夢は支離滅裂なん...
  • 第六話・密林の戦い(前編)
    第六話・密林の戦い(前編) 【投稿日 2006/02/13】 第801小隊シリーズ グオォォォォォォォォォ・・・・。 時は夕方。日もそろそろ落ちかけるころ。 密林の上空を一機の大型輸送船が移動していく。 それには、第801小隊の面々が搭乗していた。 「いや~。よもや大型輸送船が来るとはな~。」 マダラメが艦長席にてふんぞり返っている。 「で、でも、じ、人員これだけで行けっていうのもなかなかね・・・。」 ドライバーを担当しているクガヤマがぼやく。 「作戦を成功させたいのか失敗させたいのかがよく分からんよ。」 丁度そこに来ていたタナカも苦言を呈する。 「軍も今宇宙宇宙で人員も裂けん、って言ってただろ~。  しょうがないだろ~、頑張るしかないだろ~。」 わざとおどける風に話すことで自身の不安も消そうとするマダラメ。 「まあ、大きな戦闘も起こ...
  • 春奈の蒼穹
    春奈の蒼穹【投稿日 2007/02/20】 カテゴリー-その他 これは絵板起源の「セカンドジェネレーション」-双子症候群-の独自設定 です。一応、「初期設定」とされるキャラクターの設定を拝借していますが、 独自に改編した部分もあります。 ここだけで完結されたバラレル設定ですので他のSS師さんたちや絵師さんた ちの設定との差異はご了承ください。 □舞台設定  げんしけん最終回から二十年後の世界の東京郊外の新興都市 □登場人物設定  旧世代の登場人物は斑目晴信、アンジェラ・バートン、スザンナ・ホプキンス のみの登場。その他メンバーは名指しも登場もしない方針。 □物語設定 物語はオムニバス形式で独立しており各自主人公が異なりますが、 前作の設定を一部引き継ぐ場合があります。一応、時間系列順に列挙して おきます。 げん...
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