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*ロックマンX2 【ろっくまんえっくすつー】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000068HMG)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|1994年12月16日|~| |定価|10,290円|~| |配信|バーチャルコンソール&br()2011年12月27日/800Wiiポイント|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/383.html]]''| |>|>|CENTER:''Xシリーズ'':[[X>ロックマンX]] - ''2'' - [[3>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/897.html]] - [[4>ロックマンX4]] - [[5>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/755.html]] - [[6>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/160.html]] - [[7>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/158.html]] - [[8>ロックマンX8]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ロックマンシリーズから派生したロックマンXシリーズの2作目。Xシリーズ歴代2位の約43万本(国内のみの集計)の売上を記録した。~ カプコンが独自に開発したDSPチップ CX4をカートリッジに搭載。主に映像表現の拡大・縮小モーションに実用されている。~ 従来のSFC作品よりもさらに発展したグラフィック、演出を実現している。~ ロムによっては、プレイ中に強制的に特殊武器がギガクラッシュへとチェンジされるバグが存在するが、回収騒ぎには至らなかった。 #image(元気玉.png,title=ギガクラッシュ発動) ---- **世界観・ストーリー 基本的な世界観は前作と同様([[ロックマンX]]参照)。~ ストーリーは、突然起こった特Aクラスのレプリロイドの反乱とその背後に暗躍する「カウンターハンター」という謎の集団との戦いをもって描かれている。~ 先の戦いで大破した''ゼロの復活''も一つのキーテーマ。今後のシリーズの中で大きな焦点となっていくゼロ出生の秘密の一端が不鮮明ながら明かされる他、~ ロックマンシリーズのある重要人物を思わせるキャラクターが登場するなど、新たな局面を迎えている。~ 本作以降、シリーズでは(コンピュータ)ウイルスが重要なファクターとなったが、これは稲船氏が世界観をより先進的にしようと、~ 当時はまだ一般には余り知られていなかったコンピュータウイルスを取り入れたため。 ---- **システム 今作から「ダッシュ」が基本仕様となり、最初から使えるようになった。以後の作品の定番となったOPステージでの巨大ボス戦、ステージ途中でのゲストボス戦、弱点武器による仰け反りがボスキャラクター全員へ適用されたことなども、この作品から。それ以外のシステムは、ほぼ前作ロックマンXが生み出した「Xシリーズならでは」の要素を踏襲している。~ これ以降に作られたほとんどのアクション系ロックマン新シリーズでも、これらの要素が受け継がれていることから((むしろこの作品限りで消えたシステムを探すのが難しい))、今作のシステムは2Dロックマンの決定版ともいえる。 ---- **評価点 ***ゲームバランス -本作は総合的なゲームバランスが非常に良くシリーズ随一といえる。 --そもそも、ロックマンは敵を軽快に倒してトラップを回避しながら進むことにカタルシスを得るアクションゲームであり、その点においてこのゲームはシリーズ屈指の出来である。雑魚の硬さ、ステージ構成などとてもよい具合にバランスがとれており、とにかく''テンポが良い''。 -また、ボスも強さがバラけておらず、ラスボスを含む全員が安定して(あくまでロックマンXシリーズの中では)中の下~上ぐらいにまとまっている。 --他のロックマンXシリーズではある程度「とても弱いボス」と「とても強いボス」が決まっておりステージ選択の自由度を狭めているが、今作では全てのボスがプレイヤーがある程度上手ければ全員が非強化状態で倒せるぐらいの強さの為好きな順序で攻略しやすい。 -このため、ステージのテンポの良さと相まって「サクサク進める」。そこが好きなプレイヤーも多い。 --ロックマンシリーズは何度もクリアして然りなゲームなので、休日暇なときに押入れからカセットを引っ張り出して一気にクリアしてしまう、という遊び方にはうってつけなのである。 --ライトなプレイには最適だが、X6などに比べるとマゾさを競う縛りプレイには向いてない、というのもしかり。 ***演出及び音楽 -ロックマンシリーズには良いBGMが多いが、このゲームは特に名曲が多い。 -クラブロスステージ、マイマインステージ、カウンターハンターステージ1、ゼロのあのテーマ…などなど。 --クラブロスステージなどはX5でリメイク(というかまんまである)して再登場したりもしている。 ---しかし、本作からサウンドテスト機能は失われた。 -また、本作からキャラの雰囲気や絵柄が本格的に元祖ロックマン離れするようになった。 --つまり「Xシリーズの独自色」が完成されたということ。X1の時点ではキャラデザなども多少丸みがあったのだが、今作から鋭角的で線が多いデザインが増えて本格的にシリアス調になった。 --これはデザインの志向としてはX7まで受け継がれ、X8ではアートディレクターが「X1回帰を目指した」と発言したように、意図的にX1のような丸みのある若干コミカルなキャラデザに回帰した。 ***それぞれの個性が強い良質なボス戦 -前述の通りボスに関するゲームバランスが(非常に難しい凶悪なボスが少ないことを除けば)とてもいい今作だが、全体的なボス戦のパターンなどが良く練り上げられており、前作から進化を遂げている。 --特に戦わせられる場所によって個性づけて仕上げられていて、どれも印象深いものになっている。以下にそれぞれの概要を述べる。 -「''緑林の小悪魔''」ワイヤー・ヘチマール --ヘチマ型でシリーズ最初の植物型ボス。初期カーソルのボスだけあってオーソドックスな小部屋で戦わさせられることになり、それほど強くなく初見でも十分勝てる。ワイヤーを使って攻撃を仕掛けてくる他、体力を減らした後半は見た目にも分かりやすい「怒ったぞ」動作と共に落雷攻撃(気象管理センターで戦うためか)を行う。なお、弱点武器でトドメを刺すと真っ二つになる演出が用意されているなど、ドットが表情豊か。 -「''夢の島の堕天使''」メタモル・モスミーノス --東京湾岸の「夢の島」よろしくゴミ溜まりのスクラップ工場を占拠した蛾のボス。天井に吊るされた状態の前半のミノ形態と、鱗粉とレーザーで攻撃する後半の羽化形態でパターンが完全に変化する。ここまで分かりやすくパターンチェンジを行うボスはロックマンシリーズの中でも珍しい。 -「''ヒートナックルチャンピオン''」フレイム・スタッガー --シカ型ボス。何故かボクサーのキャラ付け。戦う場所はとても天井が高い縦長の部屋であり、その中を縦横無尽に蹴りあがって攻撃してくる。ダメージを受け続けると炎が青く染まって強化される。 -「''紅のアサッシン''」マグネ・ヒャクレッガー --ムカデ(百足)型。「ヒャクレッガー」というネーミングはつまりそういうことであり、開発の良センスを窺わせる((この名前が考案された際、聞いた稲船氏は余りのセンスの良さに「ヒャクレッガー」で即決したという))。忍者スタイルで手裏剣などで攻撃→テレポートを繰り返し、尻尾を使ってのウイルス注入で"こちらのボタン操作を縛る"という特徴的な技も使ってくる(つまり毒を注入され続けるとダッシュなどの行動がどんどんできなくなっていく)。ステージも難しめなのでX2の中では攻略難易度が高い。~ 弱点武器があると劇的に楽になるボスでもあり、一度でも弱点を突くと尻尾そのものが破壊されてしまい毒攻撃を一切してこなくなる。また弱点武器は破裂して破片を撒き散らすタイプの武器だが、破片が飛び散る方向がテレポートの出現先全てにジャストミートしており、逃げるヒャクレッガーを追う必要性自体が無くなるほど。 -「''砂漠の韋駄天''」ソニック・オストリーグ --ダチョウ型。戦う場所は砂漠のど真ん中であり、横方向はループするいわゆる「壁がない部屋」となっている。走り去ってから画面後方に走り続ける影として現れ、一気にジャンプして画面の中に入ってくる、といった奇襲攻撃を行う。この攻撃には分かりやすく独自開発のCX4チップが実用されており、一気にドットが拡大でこちらに近づいてくるという凝った演出になっている(さらにこのボスには鳴き声のSEだが一応ボイスもある)。 -「''深海の切り裂き魔''」バブリー・クラブロス --カニ型。登場時にキラッ☆のエフェクトが入る。水中での戦いであり、再戦時には天井にトゲが配置される。小蟹を出すなどしてこちらの逃げ道を消していくが、慣れればパターン化できるため弱い。なお岩本漫画版における守銭奴という性格は独自解釈ではなく((漫画版のアレは拝金主義レベルにまで悪化している程度))元々公式設定である("バブリー"からなのだろうか?)。 -「''凶牙の重戦車''」ホイール・アリゲイツ --ワニ型。戦う小部屋には血の池のようなオイル?が満ちており、そこから突如出現して飛びついて食らいついてくる、という非常に鰐らしいパターンを持つ。初見だと不吉な雰囲気と一回の噛み付きのダメージ量に驚くが、とてもパターン化しやすいため下手するとヘチマール以上に弱いボスでもある。 -「''水晶の魔術師''」クリスター・マイマイン --カタツムリ型。水晶に形成される粘液のようなものを飛ばしてXを固めてくる他、時間を遅らせるというトリッキーな能力を使う。弱点を突くと殻から引きずり出すことが可能で、そこから殻に戻るモーションは異様に速いなど、どちらかというとやっていることはヤドカリに近い(笑)。殻の模様を回転させて幻惑するあたりはカタツムリらしさが生かされている。~ 引きずり出した後に残った殻はダッシュで体当たりをする事で弾き飛ばす事が出来、戻ろうとするマイマインの邪魔をし続ける遊びも可能((企画したあるスタッフはこれには涙を禁じ得なかったという))。また殻から引きずり出した状態で倒すと殻が残る。 -これらを見ると分かるように、それぞれの戦法の個性付けが明瞭であり「羽化」「行動縛り」「時間遅延」「画面外から飛び出てくる」などロックマンシリーズ全体を見てもかなり斬新な攻撃方法が多いためプレイヤーを飽きさせない。 ***攻略セオリーを突き崩す刺客 -各ステージボスとは別軸のストーリーボス「''カウンターハンター''」。サブタイトルにもある通り、今作の目玉システムとなっている。数ステージをクリアすると、ワールドマップの未クリアステージに突如降臨し、ステージクリアの度に位置を変える((X3のナイトメアポリスと違い、誰がどのステージに登場するか予告される))。まさに彼らを「追跡」しながら攻略をすすめることになる。 -3人のカウンターハンターにも、ステージボスとは若干方向が異なる形でキャラクター付けがされており、それぞれの得意を活かした行動をとってくる。 --アジール…agile、即ち速さの権化。神速の突進とビームブレードからの光波は反射神経が試される。 --サーゲス…sagesse、即ち知恵の権化。難解な攻撃と、ある過去の人物を思わせる容姿言動は深く考えさせられる。 --バイオレン…violen、即ち暴力の権化。問答無用で押し潰す圧倒的な攻撃力への対応に苦慮させられる。 -3つに分かれたゼロのパーツを、それぞれのカウンターハンターが所持しており、3人全員を撃破できなければラストステージ直前でシグマ側として復活させられた''ゼロと対決''することになってしまう。 -このシステムが独特なのは、従来のロックマンシリーズの攻略セオリーであった「''入手した弱点武器で攻略できるステージを次に選択する''」という判断を崩しに来る点。プレイヤーは、道中楽をして最後に無二の戦友を討つか、特殊武器が通用しないボスと対決(+カウンターハンター撃破)しに行くか、という重い二択を突きつけられる。初級プレイヤーはカウンターハンター討伐を諦めノーマルストーリーを、次第に上達するにつれトゥルーストーリーを見られるというように、周回プレイを大いに誘う仕掛けといえる。また、Xバスターを軸とした攻略など新しい楽しみ方を提案する仕組みにもなっている。 --なお、コンティニューによるペナルティがないため、撃破できるまで諦めずに特定のカウンターハンターに挑み続ける、先にパーツやライフアップ等をある程度揃えてから討伐する、といった方法で初級プレイヤーでもがんばればトゥルーストーリーを見られるよう救済措置が設けられている。 -ロックマンシリーズファンの志向を把握し尽くした開発による、挑戦状ともいえる内容。ストーリー上、前作より出番が減らざるを得ないゼロを触媒とすることで、存在感を失わせずに前作・次回作を見事に繋いでいる。 ---- **問題点 ***ステージの流用 -最終ステージがとあるボスのステージをそのまま流用しており、更にBGMはOPステージと同じ。 --ちなみに最終ステージ用の入り口の他、通常のステージから入っても同様に同じ地点でイベントが発生する。なお、ライフアップなどは全てそれより前にあるため、アイテム回収には問題無い。ただしエスケープは不可能。 --ただしこれは黒幕の正体の関係上、同じ場所に再度行くというストーリーがちゃんと用意されての事なので演出として問題ない上に、ラストステージと言っても実際はラスボス戦への移動通路に過ぎない((X1では竪穴を数画面分登るだけのステージだった))。 ---他にも終盤ステージの3体のボスの内1体はステージを少しいじっただけの使い回しであったりと、容量が限られるROMへの開発陣の苦肉の策が垣間見える。 ***強力すぎる「ダブルチャージショット」 -アームパーツを装備する事によりチャージの段階が倍に増え、チャージショットを2連発する事が出来るようになるのだが、このダブルチャージショットの2発目にはボスなどの「攻撃を受けた直後の無敵時間」を無視する特性がある。そうでないと1発目を当てた事による無敵に弾かれてしまうので当然と言えば当然だが、なまじ真面目に「きちんと当たる」ようにしたがために、連続して高いダメージを与えることができ、弱点武器の必要性が殺がれている。 ---- **その他 ***隠し要素 -今作に存在する隠し技として昇龍拳がある。カウンターハンターステージのある場所でカプセルに入ると習得。ライフエネルギー満タン時のみ、あのコマンド+攻撃ボタンで発動。ボスですら一撃で倒せる((実際は喰らった敵の無敵時間が極めて短い超多段ヒット判定なので、当て方を工夫しなければ一撃では倒せない))上、着地まで無敵判定。 --前作と違い「しょーりゅーけん!」とは叫んでくれない。『X4』で叫んでくれるお方が出ているのでそちらで。 ---一撃必殺ではないものの、『X8』とGBCの2作品でも使用可能((『X8』では必ず、という訳ではないがちゃんと『昇龍拳!』と櫻井氏の声で叫んでくれる))。『X8』では一定の条件でゼロも使える。 -前作の「波動拳」、本作の「昇龍拳」に続き、次回作では「竜巻旋風脚」などが期待されたが、ストリートファイターシリーズから輸入された隠し技はこれで最後となった。((一応、X8でのゼロの特定の条件で使用できる必殺技、「旋風脚」使用時の掛け声が「竜巻旋風脚」である。)) -また、習得ステージのボスであるアジールフライヤーはこの技の練習台にしてくれと言わんばかりの戦い方をする((画面上部に位置しているため、対空技である昇龍拳の文字通り実験台になる))。 --ちなみに、昇龍拳で瞬殺されるため気づかれにくいが、昇龍拳が無くても明らかに強化前より弱い。と言うか今作だけでなくシリーズ通して見てもトップクラスで弱い。そのためか、ファンの間では「アジールフライヤー」を略して「アジフライ」というニックネームが定着している。 ---見た目は変わらないが弱点以外の特殊武器への耐性を高めたり、空中にブロックを配置してメイン武器であるハンマーの軌道を読みにくくしたバイオレン、科学者らしく砲台の付いた巨大戦車に乗り込んだサーゲスと、方向性は違えど順当にパワーアップしていた前二人とは大違いである。 ---もっとも、はっきりと強化されたと言えるのは2体目のサーゲスくらいだが……(バイオレンのパワーアップが見ため的に変わらなかった理由は後述)。 ***CX4の弊害 -どういうこと? とお思いの方も出てくるだろうが、これは事実。CX4を積んだが故に、それの機能に容量を食われてしまったのである。 --これのせいで容量が足りなくなり、バイオレンのパワーアップ初期案と、''シリーズ初の女性キャラになるはずだったカウンターハンターの四人目''が没になった、という思わぬトラブルが発生したのだ。 ***漫画版 -前作に引き続き、本作も『コミックボンボン』でコミカライズが連載されたのだが…。 --本作の説明書には「果たしてシグマは本当に復活したのか?それとも何者かがその名を騙っただけなのだろうか…」と記述されているが、本作発売前に発表されたマンガ版第1話では''シグマが黒幕だとしっかりバラされていた''。 ---- **総評 後のロックマンシリーズに受け継がれる要素が登場した作品であり、テンポの良さやバランスの良さから完成度はとても高い作品。~ ロックマンXシリーズの最高傑作議論の常連でもあり、ゼロシリーズ・ZXシリーズなどからロックマンを知った若年層にも十二分に受け入れられるだけのポテンシャルのある作品。~ Wiiバーチャルコンソールでも配信されているので、未体験の方は是非。~ また本作のボスキャラはGB用ソフト『ロックマンX サイバーミッション』『ロックマンX2 ソウルイレイザー』にも登場している。 ----
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