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*ロックマンX 【ろっくまんえっくす】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(ROCKMANX.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HM1/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=72&file=588479_3739_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=72&file=588479_3739_back.jpg]]| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|1993年12月17日|~| |定価|9,500円|~| |配信|【Wii】2011年4月5日/800Wiiポイント&br()【Wii U】2013年5月22日/800円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/383.html]]''| |>|>|CENTER:''Xシリーズ'':''X'' - [[2>ロックマンX2]] - [[3>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/897.html]] - [[4>ロックマンX4]] - [[5>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/755.html]] - [[6>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/160.html]] - [[7>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/158.html]] - [[8>ロックマンX8]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 本家ロックマンシリーズの未来の世界を舞台に、「レプリロイド」と呼ばれるロボット同士の戦いを描いた作品。~ 主人公は、ロックマンシリーズに登場したライト博士が研究未完成のため数十年前に封印したロボット、エックスである。~ おおまかなゲームシステム自体は本家と大差無いものの、「新たな出発点」というコンセプトを掲げて制作された本作は、~ 本家とは一線を画す硬派な世界観やスピード感溢れるアクションが功を奏して、~ ロックマンの新たな形として好評を持って迎えられ、ロックマンXシリーズという新シリーズを生み出すに至った。~ そして「新たな出発点」に相応しく、本作の成功がそれ以降の派生シリーズをも生み出すこととなる。 ---- **ストーリー >西暦21XX年。科学の発展は、人に匹敵する人工知能を持つロボット:レプリロイドと自然環境の消滅を同時に引き起こした。~ 人とレプリロイドが共存するこの世界では、AIの異常によって暴走したレプリロイド:イレギュラーを排除するイレギュラーハンターの存在があった。~ しかしそのイレギュラーハンターの大幹部:Σ(シグマ)が突如イレギュラー化。~ 同時に人類を抹殺しレプリロイドだけの理想郷を作り上げることを宣言し、クーデターを起こした。~ 鎮圧に向かう仲間が次々と破壊される中、エックスとゼロの孤独な抵抗が始まる。 ---- **新要素 (本家ロックマンシリーズとの違い) ***世界観 -全体的なデザインやストーリーにコミカルさを孕んでいたロックマンシリーズとは異なり、単なるヒロイックアクションに収まらないハードな世界観で構成されている。 --敵味方のロボット達は本家のようなレトロフューチャータッチのコミカルなものではなく、全体的にシャープで、ガンダムなどのようなリアルロボット調の造形になっている。 --とはいっても、敵のデザインなどには本家のように動物などを模したギミックやデザインが適度に内包されており、「ロックマン」の血統を感じることができる。 --終盤での悲劇や、エンディングで流れる重めのモノローグが醸し出す「ハッピーエンド」とは言い難い雰囲気に代表されるように、近未来のロボット同士の戦いを哀愁のある硬派なストーリーで描いている。 --呼び出せるサポートメカも存在せず、「孤独な戦い」というイメージを強調している。 -あくまで「ロボットを操る悪人」が敵であった本家とは異なり、Xシリーズではロボット達が自らの意思で反乱を起こした事になっている。 --各ボスキャラクター達にも、それぞれ反乱に加わった理由が設定されており、説明書で明かされている。 -本家の主人公ロックマンは、外見は10歳ぐらいという設定で一人称も「僕」だが、本作の主人公エックスの外見は14歳くらいという設定で、一人称も「''俺''」である。 ***システム面 -おおまかなゲームシステム自体は本家と大差は無い。各ステージを攻略してボスを倒し、そのボスから特殊武器を入手。8つのボスを倒した後に出現する最終ステージをいくつか経て、ラスボスという流れである。 -とはいえ節々にはキッチリ新要素が盛り込まれており、その幾つかは『[[7>ロックマン7 宿命の対決!]]』以降の本家ロックマンシリーズに逆輸入され、シリーズ定番となったものもある。 ''オープニングステージの導入'' -ゲームを始めると、まずオープニングステージをクリアする必要があり、これをクリアすると8つのステージ選択が可能になる((オープニングステージは再プレイできない))。 --オープニングステージは初心者のチュートリアル的な役割はもちろんのこと、ストーリー面での補足演出としても機能しており、本作の魅力の1つでもある硬派なストーリーに深みを出すことに成功している。 //XがVAVAに1回負けたりZEROに助けられたりといった部分 ''システム面の利便性向上'' -クリア済みのステージならその場で脱出できる「エスケープユニット」が登場。最初から装備している。本家シリーズにも逆輸入された。 -本家シリーズではオプション的な装備だった「エネルギーバランサー」も導入。「エスケープユニット」同様、最初から装備している。~ 特殊武器を装備していない時に武器エネルギー回復アイテムを取ると、残りエネルギーが少ないものから回復してくれる。 -パスワードはマスにチップを置くものではなく、1~8までの数字を12桁分入力するものに変更された。 -本家に登場したエネルギー缶(E缶)の代わりに、「サブタンク」というアイテムが登場した。 --ライフが満タンの時に回復アイテムを入手すると、このタンクに少しずつエネルギーが貯まっていき、好きなタイミングで貯まった分のエネルギー回復ができる。 --4つまで入手でき、サブタンク自体は使っても無くなることはない。 -L・Rボタンを入力することで、特殊武器を素早く切り替えることが可能。 ''成長要素の追加'' -8ステージに1つずつ隠されている「ライフアップ」というアイテムが存在する。 --本家と違い、Xシリーズの初期ライフ最大値はボスより遥かに低く設定されている。 --このアイテムを入手すると最大値が少しずつ底上げされていき、最終的にはボスと同等又は多く(今作はこちら)なる。 -足・腕・胴体・頭にそれぞれ装着される「強化パーツ」が存在する。 --これらを得ることのできる強化カプセルは8ステージ中4ステージに隠されており、入手すると様々な特殊能力を身に付ける事ができる。 --入手せずとも進めることは可能だが、今作のみ足と腕のパーツだけは必ず入手する事になる。 ***アクション面 ''「壁蹴り」と「ダッシュ」の導入'' -壁を蹴って上方へと駆け上がる「壁蹴り」と、体を屈めて高速移動できる「ダッシュ」という新アクションが導入された。 --「壁蹴り」は垂直な壁を蹴り上がることで高所に登ったり、壁面上で待機したりすることのできるアクション。「ダッシュ」は身を屈めて一定距離を高速移動できるアクション。 --「ダッシュ」と組み合わせることで、「ダッシュジャンプ」と「ダッシュ壁蹴り」をすることもできる。また、隠し要素のような扱いだがダッシュ中は通常ショットの威力も向上する。うまく使いこなせば、高速でステージクリア可能。 --ちなみに本家とは違い「スライディング」というアクションは存在しない。 ''その他'' -最初から通常弾の溜め撃ち((ロックマンシリーズは使用できない、又は他の武器を使用する作品がある。))が行える。本家シリーズとは違って2段階に溜め撃ち((一応本家でも溜めは2段階あるが1段階目は威力の変化はない。))が可能。 --腕パーツを装備すると更に強力な溜め撃ちも可。特殊武器も溜め撃ちでき、通常の使用時とは異なった効果が得られる。 -乗り込み型のマシン「ライドアーマー」が登場。ステージの一定区間内のみだが、乗り込んで戦う事ができる。 -隠し要素として、特定の条件を満たすことで出現するカプセルに入ると『ストリートファイター』でお馴染みの必殺技「波動拳」が使用できるようになる。 --一直線に飛んでいく単純な飛び道具だが、ステージ中の敵にはXバスター通常弾の''32倍''もの威力を発揮し、ボス敵は全て一撃で葬ることができる超性能を持つ。 --但しライフエネルギー満タン時にしか使用できず、地上でしか撃てない、パスワードで記録できないなど制限も多い。 --この隠し要素は次作の『[[X2>ロックマンX2]]』にも「昇竜拳」という形で引き継がれている。 -オプションでキーコンフィングが可能。自分好みにボタンを割り振ることができる。 --また本作のみサウンドテストが存在する。 ---- **評価点 ''ダイナミックで爽快なハイスピードアクション'' -本作、そして''&color(red){Xシリーズを名作足らしめる最も根幹的な長所}''といっても差支えないだろう。これを可能にしたのが「壁蹴り」と「ダッシュ」の導入である。 --「壁蹴り」というアクションが導入されたことで、主人公の行動範囲が上下に広がり、アクション空間上でより柔軟で軽快な動きが楽しめるようになった。一方で落とし穴などの既存のトラップを無効化するようなバランスブレイカー的な要素にはならず、むしろより工夫されたステージギミックに昇華されている。アクションの視覚的な見映えも、垂直の壁を一気に駆け上がったり滑り降りたりと、忍者を想起させるようなスタイリッシュさを孕んでいる。 --「ダッシュ」というアクションは、それ自体は本家シリーズのスライディングとそれほど変わらない。しかし、ジャンプ/壁蹴り/攻撃といった他の要素と組み合わさることで、Xシリーズ特有の爽快なカタルシスを味わうことができる。すなわち、敵の攻撃をダッシュジャンプで華麗にかわし、ダッシュで一気に敵に近付き撃破、すぐさま壁を駆け上がり次の敵にチャージショットをぶち込む…といった「アクション操作それ自体の楽しさ」を支える重要なファクターとなっているのである。 --二次元アクションとしては、本家シリーズは言うまでもなく名作の域に入る。しかし本作は新アクションの導入によって本家シリーズを洗練し、よりダイナミックで、より爽快なハイスピード二次元アクションに進化させたのである。 --各ステージの構成も、これらのアクションを十二分に活かせるような個性的な造りとなっている。 --後にXシリーズが凋落の道を辿ることになった原因として、しゃがみアクションなどの導入により「ハイスピードアクション」という特長が薄れた点は無視できないだろう。 --ちなみに今作のみは、前述の足パーツを装備しないと「ダッシュ」が使えないが、『X2』以降は最初から使用できるようになっている。 ''高性能な特殊武器の数々'' -本作の特殊武器には、強力かつ個性的なものが揃っている。例として、貫通力が強く連続ヒットしやすい「ストームトルネード」、 アイテムを回収できる「ブーメランカッター」などが挙げられる。 -前述通り腕パーツを装備することですべての特殊武器をチャージでき、より強力な能力を得られる。周囲にバリアを展開して敵弾を防いだり雑魚を破壊できる「ローリングシールド」((とあるパーツを入手することで、性能を高めることが可能。))、一定時間無敵になれる「カメレオンスティング」などにお世話になった人も多いのでは。 --特に後者はあらゆるもの(普段なら触れると一発でアウトとなるトゲでさえも)を無視してしまう強力な武器だが、効果中はそれ程強くない通常版しか使用できず、L・Rボタンで特殊武器を切り替えることも不可能((メニュー画面でチェンジできるが、その場合無敵効果は失われる。前者も同様。))。 --また上記2つに限らず特殊武器をチャージすると、通常時よりエネルギーを多く消費する。闇雲にチャージ版を使用するとエネルギーが著しく減少し、最悪特殊武器が使えなくなるので、使いどころを見極める必要がある。 ''シンプルながらもシリーズに新境地を提示したストーリー'' -前述のように、今作では哀愁のある硬派なストーリーが綴られる。とはいってももちろん大作RPGのような壮大なものではなく、アクションメインの作品らしい、シンプルなものである。それでも、本家シリーズとは一線を画すハードな世界観の提示に成功したという点は本作の見逃せない功績だろう。作品を取り巻く世界観の毛色を変化させることは賛否両論を呼ぶことが多いが、本作は「もうひとつのロックマン」として十分受け入れられた。 -もちろん、シンプルではあるがストーリーの具体的な内容自体にも見るべきものがある。エックスの敗北と成長、戦友との別れなどが印象深く展開される。 ''各ステージを盛り上げるBGM'' -新旧問わずロックマンシリーズ全体の特長でもあるが、評価の高いBGMが多い。 --特に今作では、ブーメル・クワンガーステージやアーマー・アルマージステージなどが好評である。 --全体的にハイスピードアクションを助長するようなアップテンポな曲が多いが、一方で各ステージBGMの個性も際立っている。 --その一方でエンディングのBGMはスローテンポとひどく物悲しい曲調で構成されており、モノローグと相まってエックスの救われることのない心境を表しているかのようである。 ''ステージを探索する楽しみ'' -ライフアップ、サブタンク、パーツカプセルなどステージ中に隠されているものが増えたことで、それらを探す楽しみが追加された。 --一見ただの壁のようで実は特殊武器などで壊せる場所、視界から少し外れていて意外と気付きにくい場所など、隠され方はそれぞれ工夫されている。 --こういった楽しみも、本作以降の作品に受け継がれてゆくこととなる。 ---- **問題点 ''地味なステージの存在'' -本作の終盤ステージである「シグマパレス3」は仕掛けが存在せずに雑魚戦→ボスを繰り返すだけのステージで、つまらない。 --しかもBGMも地味で、ステージ全体のつまらなさに拍車を掛けている。 --前のステージまでは戦友とのイベントであったり、移動する足場などの難度の高いトラップなどが目白押しだったのに… ---ちなみにリメイク作品の『[[イレギュラーハンターX]]』では各種ボスのステージの仕掛けが多く配置され、戦友とのイベントも当該ステージに移動しているため、ストーリーの終盤を盛り上げるステージに生まれ変わっている。 ''ダッシュ壁蹴りの不便さ'' -ダッシュ壁蹴りを行うには、ダッシュボタンとジャンプボタンを同時に押さなければならない。 --デフォルト((ジャンプはBボタン、ダッシュはAボタン。))ではさほど問題とはならないが、キーコンフィングの仕様によっては這わずらかしくなるかも知れない。 --もっとも特別複雑な動作ではないため、慣れてしまえば問題にならない。むしろこれを使いこなせるようになってこそ、Xシリーズの特徴である「ハイスピードアクション」を体感できるのである。 --次作である『X2』では改善され、ダッシュボタンを入力しながらジャンプボタンを押すことでダッシュ壁蹴りが可能となった。 ''サブタンクの仕様'' -本家シリーズのE缶は、入手すればその場で使用できかつ体力が全回復する。また、(作品によるが)最大9個までストックすることができる。 -対してサブタンクは、「最大4つまでしかストックできない」・「使用するにはライフが満タンの時に回復アイテムを貯めなければならない」・「回復量が限度を超えていたとしても、一度使用したらエネルギーは全て消費してしまう」((これはロックマン2・3のE缶システムにも言えることである。))、といったデメリットが存在する。 --E缶とは似て非なるものであるため、本家と同じ使い方でいると痛い目を見てしまう。 --しかしXシリーズでは敵が回復アイテムを落としやすくなっているため、自然と溜まりやすくなってはいる。 ---- **総評 本家ロックマンシリーズより派生しその血統を受け継ぎながらも、新たなアクションスタイルと世界観を提示した意欲作。~ 同時に、それらの試みを大成功させた傑作である。ハードを取り巻く技術が進歩した現在でも、色褪せることが無い面白さを誇る。~ スーパーファミコンで発売された数々の名作と同様に、本作は二次元アクションの金字塔として現在まで長く愛されている。~ ---- **余談 -発売日は『[[ロックマン]]』第1作と同じ月日であったが、出荷後にOPステージをクリアするといきなりエンディングになる致命的なバグが発見されたため、メーカーによって即日回収され、その1ヶ月後に修正版が出荷されることとなった。 -2005年にはPSPにて、グラフィックの3D化やフルボイス演出の追加と言った現代風アレンジを施した『イレギュラーハンターX』がリリースされている((2013年現在、Xシリーズの最新作である。))。 -講談社の児童誌「[[月刊コミックボンボン>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1494.html#]]」(2007年にて休刊)にて連載された岩本佳浩によるコミカライズは、児童誌とは思えないほどハードな作風で話題となった。その人気から2005年に復刊され、村枝賢一・藤田和日郎といった大物漫画家のコメントが付いた。 --因みに有賀ヒトシと池原しげともXシリーズの漫画を描いているが、何故かエックスの一人称は「僕」になっている。 -他機種への移植はWindowsや携帯アプリ、iphoneアプリの移植版が存在する。 --うちiphone版は、グラフィックのリファイン・BGMがイレハン版に差し替え等により、移植というよりもリメイクに近い作品になっている。 -実はエンディングに裏技が仕込まれているのだが……。 --その内容のせいでエックスが余計に救われなくなったため、一部のプレイヤーにトラウマを刻み付ける格好となった。 ----
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