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「ぅぐ…あう…ゆるして…あう」  想像していた「肉を裂かれる痛み」は無い、しかし、直腸と膀胱が圧迫され非常に苦しい。 「…さっき寸前で止めていたから、そろそろ出そうだ」  綾子は苦痛に顔をゆがめながらリンを見上げた、眉間にしわを寄せ、目を閉じて快感に耐えるリンに疑問の視線を送った。リンは綾子の心情を察し、薄笑いながら答えた。 「くく、恥ずかしい、あなたの媚声を聞きながら、私もふすま越しにオナニーしていたんですよ」 「…う…そ、ぁう…それなのに、私を…責めたの…ひぃ」  自分と同じ事をしていて、素知らぬ顔で自分を叱責していたのだ。その上自分の声で慰んでいた、許せない、しかし今は何もできない。リンの腰の動き一つで自分は壊れてしまう。 「あなたは本当に男を知らないんですね、調査中5日間ずっと禁欲を強いられてきたこっちの身にもなりなさい」 「いやぁっ…卑怯者…あうっ…」 「安心なさい、責任もってセックスの良さを教えてあげますから」 「それにしても…はぁ…きつい…一旦いかせてください」  綾子は目を見開いた 「…いくって?…あ」 「大丈夫ですよ、はぁ…どうせすぐ復活する、むしろ今後がやりやすくなる…うぅ」  腰の打ちつけが早くなる、リンの息が荒い。 「…ぃや…中…中はやめて…いやぁっ」  逃げようにも、胎内に深々と突き刺さって、どこにも行けない。綾子は必死にリンの胸を押しのけようとした 「巫女と巫蠱道士のこどもなんて、ナルが喜びそうな研究対象ですね」  不安が決定的な物になると綾子は抵抗の色を強くした。何度胸を叩いても、リンの動きを変えることはできなかった。 「はぁ…そろそろ…くっ」 「いやぁっ!だめぇっ!妊娠しちゃうぅ」  リンはひときわ強く綾子を抱しめる、途端綾子の中心に熱い物が注ぎ込まれた。 「お願いっ…ひぃーっ、なかはっ…許して、あぐぅ…」 「…ぁう…熱ぅい…はぁ」  諦めと同時に妙に体が満たされる感覚に、綾子はただ身を投げ出すことしかできなかった。しかし、これで陵辱は終わったのだ、悪い夢を見たと思って忘れよう。 「んんっ…くぅ」  ずるりと肉棒を引き出され、綾子は身じろいだ、幼女のような性器からごぽりと音を立てて精液があふれ出る、後を追って純潔の証でもある破瓜の血が伝って流れ落ちた。  こんなものかと、終わってみれば冷めた目で振り返ることが出来た。装束の袴がしわくちゃになっている、あれを片付けなければと身を起こした。 「…んっ…」  腰と膝に力が入らない、仕方なくヨチヨチと四つんばいで袴のところまで向かい始めた。  ふと姿見が目に入る、鏡の向こうで男がニタニタと笑っていた―――― 「何一仕事終えたような顔してるんです?」  砕けた腰では逃げ切ることも出来ず、リンにうつ伏せに組み敷かれた。四つんばいの姿勢はそのままに、尻を高く掲げた状態にされた。 「こっこれ以上何を…ひっ!」  容赦ない一撃が尻に飛んだ。 「さっきから黙っていれば生意気な口を…」 「ひっ…だって…あうっ…さっきイったばかりじゃ」 「ああ、これですか?」  目の前に猛り狂った怒張を突きつけられた、精液と愛液にまみれ、先端は天井を見上げていた。 「大丈夫だと言ったでしょう、じっくり可愛がってあげますね」 「…ぁぁ…そんなぁ」  先ほどの打擲で赤く腫れている尻の下に、欲望をたっぷりと注がれた女芯が見えた。無毛の白い膨らみとは対照的に、パンパンに充血した肉びらがはみ出て痛々しい、くつろげるとぽっかりと空いた秘口が見える、中にはまだ精液をモグモグと含んでいた。 「さっきのと今のではまた違った味がしますよ」  ぬるついたペニスで、綾子のクリトリスから会陰、すぼまった菊穴を上下になぞった。 「ひゃ…やぁん」  綾子の体に覆い被さるように体を折りたたみ、後ろから形のいい乳房を揉みしだいた。耳にキスしながらリンは呟く――― 「力を抜きなさい、―――綾」  カッと熱くなった、名前を呼ばれただけなのにどうしてこんなに顔が…全身が熱くなるんだろうかと綾子は戸惑う。無意識に息を吐き、力を抜いた。 「あああん」  精液の助けもあって、2回目はすんなりと挿入を許してしまった。 「っはっ…いや…こんな犬みたいな…あんっ…あああん」  根本まで入れず、尿道側を刺激するように浅く抜き挿しを始めた。 「いいじゃないですか、犬。あなたらしい」  膣内の精液をかき回し、空気を送り込むと、ぐぷっ…ぶしゅっ…と信じられないほど卑猥な音が飛び出す。 「いやぁああっ…音がっ…音が…ああんっ」 「いやらしい音ですね、全部あなたから出てる音ですよ」 「ちがうっ…ちがううぅ…あんっ…あぁん…動かしちゃだめぇ」  新しい快感に耐えきれずくねくねと尻を振る綾子、乳首はこれ以上ないほどしこり立ち、さらにリンの指にこすられ、脳を伝い秘芯に更なるむずがゆさとなって広がってゆく。 「奥まで入れて欲しいですか?きちんとおねだりしなさい、犬らしく」 「ほっ…欲しくないっ…いぬじゃ…ない…わ…よ」  内奥が寂しい、さっきの陵辱で懲りたはずなのに、恥知らずに蠢いている。リンは綾子の尻を両手で掴むと一気に引き抜き、またにゅるりと真ん中当たりまで差し入れた。 「はぁ…あああん」  さっきは力ずくで犯したのに、何故今はそこで止めてしまうのだろうか、不満げにリンを見上げた。 「お願いする気になりましたか?」 「くっ…なにを…そんなこと…ぜったい…あんっ」  焦らすように抜き挿しを繰り返される、精液がポタポタとこぼれ出し、冷たく太股をなぞった。その感覚ですら胸を締め付ける。こんな屈辱的な格好で弄ばれているのに――― 「随分躰は悦んでいる」  見透かされたような台詞に目を見開く、責めは激しくなるものの、入り口付近を嬲られるばかりで――― 「足りないのでしょう?」  ぐちゅっじゅぷっと結合部の音が激しくなる、自分の愛液だ。躰はとうにプライドを捨て、この行為を楽しんでいる。こんなに卑しい躰だったとは――― 「ひゃぁあああん」  綾子は自ら腰を振って、リンの肉棒を根元まで咥え込んだ。リンは小さく呻き、すぐ綾子の尻をひっぱたいた 「入れて欲しいときはどうしろと言いました?この淫乱なメス犬が!」 「ひっ!ひっぱたかないで!あっ!痛い!ああっ」  念願のものを奥まで入れられ、更に尻への打擲に、全身が悦びに満ちる。もうだめだ、自分はどうしようもない女なのだ。 「ああっ!ごめんなさい…ごめんなさい…ぁあ」  口では謝っていても、粘膜は嬉々としてリンの筋張った肉棒に絡みつき、締め付け、快楽を貪った。 「ほらっ!もう一度私にねだりなさい!犬らしく!」 「痛っ!ああ、私のっぁあっ…奥までっ入れて…ぁう…ひぃっ…く…ください」  ずぶりと最奥まで突き刺され、綾子の背が弓なりに仰け反る。 「ああっ…いやぁ…初めてなのにっ!ああんっ」 「まったくです、初めてのくせにこんなに求めてくるとは…はぁ」  パンパンと濡れた肉がぶつかり合う、情欲を解放することを許された綾子は、ただひたすらにリンの抽速を受け入れた。 「ひいっ…いいっ…ああ…いいのっ」  結合の度にぶつかるリンの意外と滑らかな太股が心地良い、樹の精霊とは別種の肉の快感、さらにねだるように腰をくねらせた。 「樹と人間、どっちがいいですか?」 「…ぁ…はぁ…そんな…わからな…ああ」  尿道側の膣壁の出っ張った部分をリンはグリグリと擦りつけた 「ひっ!いっちゃう!ああっ」 「どっちが…いいんです?」 「ひと…ん…リンがいい…リン」 「…綾…いい返事だ」  結合したまま、リンは綾子に覆い被さるようにして、肩越しに振り向いた綾子にキスをした。 「…あまり見ないで」  綾子は羞恥に身じろいだ。騎乗位に移り、下からリンの視線を痛いほど感じる。正常位の時は身長差からリンが覆い被さる状態であったし、後背位に至ってはリンにどう見られているか分からなかった、おおよそ背中ぐらいしか見られていないだろうと思っていた。 「何のために体位を変えたんですか、それも脱ぎなさい」  半襦袢の胸元を必死に押さえる綾子がいじらしい。しかし、下半身はむき出しに、膝をMの字型に割ってリンを跨いでいる。茂みのない秘裂は、リンの屹立をくわえ込む様がよく見える。上半身のうぶな反応と見比べて、リンはほくそ笑んだ。 「綾、脱ぎなさい」  リンに下の名前を呼ばれるのは今日が初めてだ、「綾」と呼ばれること自体初めてでもある。リンはあまりにも自然にその名を呼ぶ、まるで…ずっと前からそう呼んでいたかのように。 「…リン」  悪くはない、耳に心地よく響く。同時に肉欲とはまた違った抗えない感情が湧き起こるのを綾子は必死に堪えた。 「わかったわ…脱ぐから」  ためらいがちに衿を割る。リンがふすまを開けたため、窓から月の光が差し込む。白磁の肌が月光の元に暴かれる。  覆う物が足袋のみになってしまうと、逆にみっともなく感じ、綾子は足袋に手を掛けた。 「それは履いておきなさい」 「だって…」 「いいから」  ほんの少し、リンがらしくもなくふてくされているように感じ、妙に微笑ましいと思った。 「こうしてみると、綾にも生えてるように見える」  下腹部を指しながらリンは笑った、リンの茂みが綾子の恥骨にかかり、綾子にも翳りが出来ている。 「いやぁっ」  綾子は羞恥の余り膝を閉じ、うつむいて丸くなった。 「開きなさい」  綾子は首を横に振った、緋色の髪が頼りなさげに舞った。  リンは容赦なく下から女になったばかりの綾子を突き上げ始めた。 「ひぃっ!やめっ!あうっ…」 「言うことを聞かないからこうなるんです、別の仕置きもありますが、あいにく今日は道具がない」  リンに突き上げられ、綾子は徐々に体を開きはじめた。月光の下、蝶の羽化のように。 「綾も動きなさい」 「ぁ…綾って言わないで…ぅ…動くから」 「嫌なんですか、アヤって呼ばれるの?」  放たれた二文字は呪詛のようだ、秘芯はずきずきと疼き、胸がつぶれそうなほど動悸がする。 「はぁ…呼ばれると苦しいの…わからなくなるの」  リンの声を振り切るように、腰を動かしはじめた。 「くっ…うう」  拙い動きだ、リンの手助けがないとすぐ抜けたり、つっかかったりする。その度にリンは綾子の尻を打擲した。 「あう…ぶたないで…んんっ」 「本当は、ぶたれるの好きなんでしょう」 「…言わないで」  目を伏せ、耳まで紅く染め、かそけき声でつぶやいた。  リンは上体を起こすと、綾子を抱きしめ、唇を合わせた。  キスは怖い、あれほど恥ずかしいことをされてきたのに、まだ戸惑う自分がいる。 「んっ…ふ…め…だめ…」 「どうして?」  背筋を産毛に逆らってなぞりながら、リンは唇を離した。  リンの上気した頬、薄く締まった唇は綾子の唾液でてらてらと光を反射した。充血した唇は歌舞伎の女形のように、紅を引いた色に染まっていた。 「どうしたんです」  急にリンの顔を見るのが怖くなった、ぞくっとした、これ以上眺めていたら引きずり込まれそうだ。  綾子は自らリンの唇を貪りはじめた。きっと稚拙な舌戯だと思われているだろう、しかし、そんなことは問題ではない。リンから逃げたかった、手遅れになる前に。逃れるにはひたすらに求めることしかできなかった、肉の快楽でこの慕情を断ち切りたかった。 (法生、ごめんなさい、ごめんなさい)  見よう見まねで舌を絡め、唾液をすすった。腰もわずかながらに揺すって、快感を高めていく。  リンが顔を離そうとする、慌てて首に手を回し、吸い続けた。 「いいかげんになさい」  肩を掴まれ、強引に引き離された。  そのまま押し倒されると両手首をリンの左手で押さえつけられた。 「今、ここにいるのは誰です?私と貴女以外いないはずだ」  先ほどの熱を帯びた目から一転、これまでになく冷酷な眼差しで綾子を見下した。  光の届かない闇の中から、手探りでネクタイを探し当てると、綾子をうつ伏せにひっくり返し、後ろ手にくくった。 「いやぁっ」 「こんなことをしているのは私だ」 「私はね、抱かれている最中に他人のことを考えられるのが一番嫌なんですよ」 「…違うの、そんな」 「うつむいてないで、私の目を見て言ってごらんなさい」  今見たら、今までの滝川への想いがこなごなになりそうだった。とろける快感に酔って、リンに全てをゆだねてもいいとさえ思えてくる。だが、そんなことをしたら、自分は明日からどう生きていけばいいのか分からなくなる。 「許して…だって…ヒッ」  言い終わる前に尻を打擲された。 「お尻だけ高く掲げなさい」  初めての拘束に怯え、うつ伏せのままゆるゆると尻を上げた。  拘束の恐怖で乾いてしまった女園の上ですぼまっている菫色の菊門を舌でつついた。 「いやぁっ!やめて!汚い」  双丘を割り開き、周辺を揉みしだきながら丹念にすぼまりを舐め回した。 「こんなこともするんですよ、私は。滝川さんがこんなことをするとでも思うんですか」  滝川を引き合いに出されると、まともに応えることもできない。二重の羞恥に綾子は必死に体をくねらせた。 「言わないでっ…なんでっ…あいつがでてくるのよ」 「滝川さんは恐らくこんなことはしないでしょうね。まだ若い、気もそぞろに入れようとしますよ」  滝川と同僚であり、また同性でもあるリンから見た生々しい予測に、綾子は首を振った。 「いやっ!…なんでさっきからぼーずのこと」 「今、あなたを愛しているのは私だ。他の男を夢想するなんて野暮なことはしないで下さい」  尻を妖しくなぞり、飽きずにすぼまりをしゃぶり続ける。 「私だけを見なさい、うんと愛してあげます」 「だから、私を愛して…綾」  動悸がする。この場合の「愛する」という言葉は実際の意味とは違う。理解しているつもりだが、脳天を貫くような衝撃に、綾子はめまいがした。 「愛させて、リン」  すぼまりへの妖しい感覚に目を潤ませ、肩越しにリンを見つめた。  目があった瞬間、今ここでリンに殺されてもいいとさえ思った。 座卓の上に足を開いて座ったリンは、綾子の腕を拘束したまま、剛直をくわえさせた。  リンの指示通り、遠慮がちに唇で先端をしごき、舌先で鈴口を舐め回した。  鏡台を横目で見ると、まるで主人とかしずいてる奴隷のようだ。何故か分からないが、その姿に身体の芯が熱くなった。 「綾…」  見上げると、切ない表情のリンがいた。この男は愛されるとこんな顔をするのかと、くわえながらため息をついた。  こわばりから塩辛い液が滲み出てくる、びっくりしてリンを見上げた。 「気持ちいいと、出てくるんですよ」  目を丸くして見上げた綾子に、リンは微笑みながら、子供のようだとつぶやいた。  愛おしくてたまらない、綾子は際限なく溢れ出る透明液を舌先で掬っては吸い続けた。  頭を押さえつけられ、のど元まで剛直が押し込まれると、綾子はうっとむせた。しかし、先ほどと違いすぐ順応し始めた。従順に頭を動かし始めると、自分の体もドクドクと快感が広がっていった。 (ああ、すごい濡れてる)  しゃぶっているだけなのに、何故自分はこんなに感じているのだろうと、内股を濡らす蜜の感覚に戸惑った。  上から荒い息づかいが聞こえる、こんな拙い口戯でも感じてくれるリンが愛おしい。いいのよという目線をリンに送ると、さっきのように腰を動かしはじめた。 「綾…、そろそろ」  気が遠くなりそうな程、綾子の口内を犯していたリンが、射精の兆しを訴えた。 (どうすればいいの?)  口に含んだまま、困ったようにリンを見上げた。その表情に、リンは一気に上り詰めた。 「くっ…」  肉杭がドクドクと脈打ち、綾子の口の中に精が注ぎ込まれた。 「うぐっ」  びっくりした綾子は、リンのものを吐き出すと、今度は口内に放たれた精液に戸惑った。  飲む物かと思ったが、半分ほどしか飲み込めず、けほっとむせると残りが顎から胸元に垂れた。 「ごめんなさい…」  申し訳なさそうに眉をひそめてリンを見上げた。 「別に飲み込まなくてもよかったんです…でも、嬉しいですよ。あなたの血肉になることは」  姿見に自分の姿が見えた。全身が汗ばみ、乱れた髪、上気した顔、口元から胸を穢す残滓が合わさって、自分でもくらくらするぐらいの凄惨な色気を纏っていた。  リンは脱ぎ捨てたズボンのポケットからハンカチを取り出すと、綾子の口元を丁寧にぬぐった。  精液の苦い後味に苦悶の表情を浮かべる綾子を察し、ベースにあったお茶を口に含み、口移しで綾子に飲ませた。 「…眠い」  体はまだ火照るが、大分体力を削がれ、疲れた。  拘束を解いたリンは綾子と抱き合うように、狭いふとんの中に入った。 「本当は、まだしたいの…でも眠くって」 「いいんですよ、綾」 「でも今夜だけなんでしょう」  リンは瞼にキスをすると、ことさら優しい声で綾子の名前を呼んだ。 「やさしくしないで、明日になるのが怖い」  リンの声を子守歌に、綾子の意識は途絶えた。 ---- *[[目次へ>聖なる侵入]] *[[前へ(第四話)>聖なる侵入 第四話]]   [[次へ(第六話)>聖なる侵入 第六話]]

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