FTL航法の一覧とは大宇宙連合会議加盟国が用いる超光速航法の一覧のことである。
 星間国家において、超光速で航行することは複数の異なる星系間での惑星支配を可能にし、通信、交易、国防などあらゆる分野の発展を助ける。


ワームホール航法

 ワームホール航法とは、空間上に離れた2点間を結ぶトンネルのような抜け道を生み出す航法のことである。大宇宙銀河では最も一般的に使われているFTL航法の一つであり、コストは高いものの優れた安定性を持つ。ワームホールは発生装置を通して生み出され、大量の電力とエキゾチック物質を消費して維持される。これらの消費が失われるとワームホール空間はみるみるうちに閉じていき消滅する。
 上記の通りワームホールレーンの維持は凄まじいエネルギーを必要とすることから、開通の際のエネルギー波を感知するワームホール感知レーダーというものが存在する。当初、これは艦隊がワームホールレーンから出てきた敵艦隊を待ち伏せするために専ら使われていたが、現在では旅客船の安定航行の監視などの幅広い用途に用いられている。
 ワームホール航法は時代と共に最適化され、多くの装置の発明をもたらした。時代別にワームホール航法の類型は以下の四つに分類できる。

ワームホールゲート

 16世紀によく使われていた装置で、惑星軌道上や軌道上の宇宙港に設置される巨大なゲートである。大きな宇宙船が通れるように最低でも1km以上あるものが多かった。ゲートからは航続範囲内のどこにでもワームホールを開通させることができるが、当時はワームホール航法だけで考えればこのワームホールゲートしかなかったため、大抵の場合はゲートからゲートへの移動が主であった。そのため、利用は国内の範囲かその周辺のみに限られた。
 限定された条件下でしか使えなかったものの、既に宇宙進出を果たしていたラヴェルト宙圏やゲルデン宙圏の諸国家ではよく普及していた。また、それらの国家は独自の艦載FTL航法技術を持っていたか、敵地でのゲート建造技術に優れていたために対外戦争を可能としていた。

ワームホールエンジン

 17世紀によく使われていた装置で、ワープ専用艦に搭載されていた艦載FTL航法装置である。地理的に限定されていたワームホールゲートとは異なり、ワームホールエンジンを搭載したワープ専用艦は艦隊や民間船の船団を率いて一隻で多くの宇宙船をワームホールを通して遠くに運ぶことができるようになった。ワームホールエンジンは当時の造船技術ではコストの面から軍艦等に搭載することが難しかったため、ワームホールエンジンを搭載したワープ専用艦はどの国でも重要な宇宙船として扱われていた。そのため、戦争時は真っ先に敵のワープ専用艦が狙われ、また、戦時にワープ専用艦を全て喪失した場合にはその国家は降伏するしかなかった。
 ワームホールエンジンが普及してからしばらくはワームホールゲートも利用されていた。

ワームホールドライブ

 18世紀によく使われていた装置で、個別の宇宙船に搭載する艦載FTL航法装置である。それぞれの宇宙船に搭載できるようになったことで、ワープ専用艦の喪失によって宇宙船が行動不能になることがなくなったと言える。その一方で、銀河全体で電力やエキゾチック物質の消費が爆発的に増加し、またそれぞれの宇宙船は艦載FTL航法装置を保護するために重装甲化した。このワームホールドライブの発明でワームホール航法技術はかなり成熟したが、更なる低コスト化、小型化を目指して開発を続けられた。

発展型ワームホールドライブ

 18世紀以降に発明され、従来のワームホールドライブよりも航続距離が増え、また低コスト、小型化を重視して作られたワームホールドライブのことをいう。有名なものでは、ニーネン=シャプチギーラン=スガイユンが開発したフラクタル転送が知られる。ワームホール開通情報をあらかじめ転送装置にセットして、2点間のワームホールをフラクタルに2重、3重と重ねてワームホールを開通させることで極端に短いワームホールレーンを開通させることができる技術である。ワームホールの通過にかかる所要時間が大幅に短縮されたが、大量の電力と資源を消費し開通までの時間がかかることなどから汎用性は低いと見なされた。

エルメト・ワープ

 エルメト・ワープとは1662年にエルミア共和国のエルメト社で開発されたワープ航法の一つまたはワープジェネレーター及びテクノロジーの名称である。エルメト・ワープはエルメト社の登録商標であり、正式には異種バリオン投射ワープ航法と呼ぶ。
 エルメト・ワープはエキゾチック物質の異種バリオン粒子を投射することで対象全体を光速を超えた速度で航行することで光速よりも早く宇宙空間を移動するワープ航法である。大宇宙銀河各国で利用されているワームホール技術とは異なり、実際に光速を超えて対象を移動させるために真のFTL航法と呼ばれている。
 しかし、希少なエキゾチック物質、電力コストの消費、精密で高価な電子機器の搭載などの弱点はあるものの、ワームホール探知レーダーに見つからないことやワームホール空間を開通させたり維持したりするコストを要しないことから、一隻のみの宇宙船がワープする場合、その宇宙船がワームホール探知レーダーに探知されたくない場合、一定距離以上の長距離ワープをする場合などに適しているとされる。また、安全上の観点からワープ使用時に長いウォームアップ時間・クールダウン時間があるため緊急行動を取る場合の多い軍艦にはあまり向いていない。

ミースターフェル・ワープ

 ミースターフェル・ワープとは1679年にマーカス連邦リヴァダー社で開発されたワープ航法の一つまたはワープジェネレーター及びテクノロジーの名称である。ミースターフェルとは開発者のスローファン・ミースターフェル博士の名前から取ったものである。ミースターフェル・ワープは1750年代まで大宇宙連合会議加盟国の軍艦に軍用FTL航法装置として利用された。
 ミースターフェル・ワープはエルメト・ワープと同じく異種バリオンを利用したワープ航法だが、宇宙空間を超光速航行するのではなく、ゴースト空間と呼ばれる相対性理論の影響を受けない特殊な空間に接続する。ゴースト空間ではミースターフェル速度(光速以上のある一定の速度)で異種バリオンが吹き荒れているため、これを利用してミースターフェル速度まで限りなく近づくことができる。この航法は移動のコストや維持コストは非常に高いものの、エルメト・ワープとは異なりウォームアップ・クールダウンが1分~5分程度と短いため軍用に適している。ミースターフェル・ワープの最大の弱点は脆弱な安全性であり、実験段階から多くの宇宙船がゴースト空間に取り残されたまま空間収縮の際に押しつぶされるなどの事故が発生している。緊急時や軍事行動の場合にしか用いられないワープ航法である。

R262プェルクマイスト・ワープゲート


R583フリーティニアス・ワープゲート


アクシオンフィールドワープ


BMLワープ航法


関連項目