人格主義(ユナイスハ語:arsha shazak)とは、全シルア労働者連盟における思想の一つ。主に惑星シルアのルーア地域にて発展した。アース連邦における「人格」は訳語としてふさわしくないと考えたうえで、アーシャ主義と呼ばれることもある。
リドスウニファ主義の思想的背景でもある。

歴史的背景

人格主義の思想的背景となった古ユナイスハ哲学においての命題は、「人が人足りうる条件」であった。
つまるところ、「(アーシャ)」と「人ではない生き物(ルイルーシェ)」の違いを求めていたわけである。何故ならば、この哲学が発展した古代惑星シルアにおいて、シルアーシャが生態系的頂点捕食者に位置していなかったことが大きい。彼らを捕食するペレスなどの、惑星シルアの各種生物との戦いの中において、シルアーシャは組織的に抵抗しなければ生き残れなかった。この頃のシルアーシャは捕食者、つまるところ別種の動物を「別種族」であると見なしており、「自身の種族の優越性」を常に探していたのである。

概要

人格主義は記録(hala)尊敬(fesha)自己犠牲(karlsh)を主軸と考える。

記録

記録またはハラーは、「自身の記憶を外部媒体に他者が確認可能な形で書き残す」ことである。これは絵、文字、口伝、歌、デジタル媒体、刺青、彫刻などが当てはまる。そもそもシルアーシャはもとより自身のみを賢い生物だとは考えておらず、またシルアーシャの天敵であるペレス(シルアオオワニ)や、交通の足として有益な家畜であったアシジ(シルアゾウ)はかなり高度な知能を有する生物であった。故に、シルアーシャは自身の優越性を知性そのものではなく、高度な手先による彫刻や文字の制作による「記録」であるとし、その概念を知り、また可能である種族であることと定義した。
近年の生物学研究において、限定的ながらペレスやアシジが言語能力を有することが知られ、大宇宙社会に衝撃をもたらしたが、少なくとも古代のシルアーシャはそれを感覚的に理解しており、動物翻訳官なる職業も1700年代まで存続していた(大宇宙接触後に他国の動物保護活動家に問題とされ、廃止に追い込まれたが)。

尊敬

尊敬またはフェスハとは、「他者に対し信頼を持ち、自身の考えを伝える」ことである。ユナイスハ語のフェスハはアース連邦人から見ると多彩な意味を持つ単語であり、「尊敬」以外にも「肯定」や「意思表示」といった意味を持ち合わせる。
これらは特定の動作により周囲に自身の意思を広め、またそれが一方的ではなくカルツァーハ的(相互的)であることが重要であるとされる。例えば、ペレスは毛を逆立てて危険を煽り、周囲に警戒を促す習性をもつが、これはペレスの個体から群れ全体に伝播する一方的なもので、誰かがそれに対し「周囲に敵はいない」と異議を唱えることを行わない。しかしながら、シルアーシャにおいては物事に対し「私はこう思う」と表明し、「私はそれは違うと思う」と言った相手の意見を聞き入れることが重要視される。物事にただ一方的に影響されることが大事ではなく、「聞き入れ、さらにフェスハを返す」ことが大事であるとされる。専ら、非シルアーシャには『「はい」「いいえ」や、「好き」「嫌い」の受け答えができるということ』であると説明されることが多い。

自己犠牲

自己犠牲またはカールスハとは、「自身の社会(ウニファ)に対し自信を削り貢献する」ことであるとされる。つまるところ、ウニファ(社会)の維持行動を行うということであり、最もニュアンスに近いのは"勤労"や"労働"であるとされる。
シルアにおいて、襲来する野生動物の撃退は国家レベルの業務であり、古代においては市民の総動員レベルの出来事であった。女子供ですら石やたいまつを手にペレスと戦っていた時代において、その戦いで死んででも町を守ることは大きな名誉であり、社会への大きな貢献であった。これの最もたる歴史的前例がカールスハの呼唄であり、名称の由来でもある。
つまるところ、自身の集団に帰属意識を持ち、それの維持を受け持つことである。ペレスはこれを行わないため、リーダー個体が死ぬと群れは離散してしまうのだ。

関連項目

最終更新:2022年11月01日 20:28