音韻の歴史の変遷


 かつて強母音は単語と単語を話して表記していたが、シンテーア暦1662年のエミュンス語表記改正により単語と単語を続けて書くように変更された。
 また、1800年代前後から強母音と子音《t》、《m》が接続する際に《n》が挟まる現象が発生し始め、1860年にそれが正式な文章として書き言葉に用いることが認可された。
 また、強母音と母音が接するとき、《n》が挟まるが、これを『挟子音』という。例:diio+un=diinun
 同時に、一部母音や子音が変化し、新しい音韻が正式に認可された。具体的には/e/の発音、/h/、/g/、/gk/の発音が変わった。

エミュンス語の音韻

母音

普通母音

/a/[ä],/ё/[ʌ],/e/[e̞](アクセント),/e/[e](アクセント以外),/o/[o],/э/[ɤ],/u/[u],/i/[i],/н/[oŋ]
母音/н/は特殊で、語尾以外に来る場合は/n/の発音となり、近年の研究では母音として見なさない研究も多いが、強母音と結合した際には省略されるため、本文法書では母音として見なす。この議題に関しての意見はなく、後代の研究に任せる。
また、表記上には登場しないが、子音が連続した場合など[ə]を付けて発音する場合がある。
 妙音子音と同時に発音する/e/と/u/は/y/になる。

複合母音

/ae/ [æ]
 このほか、母音が連続して表記された場合、長音となる。

強母音

 強母音の単語は発音、表記される際、前の単語の最後の母音を打ち消し、子音とつなげて発音、表記する。母音が二つ以上つながっていた場合は、最後の母音を打ち消し、前の母音とつなげて発音、表記する。例: 《yootis: gean(yoot is: gean)》、《Leiniun fooji(Leinie un fooji)》
 母音だけの一音節の単語、子音と母音の音節の単語は、元の単語がわからなくならないように、前の母音を残す。
 また、1700年代前後から強母音と子音《t》、《sh》、《j》が接続する際に《n》が挟まる現象が発生し始め、1740年にそれが正式な文章として書き言葉に用いることが認可された。この現象を『挟子音』言うようになった。時代によって挟子音が発生する子音が異なるので、文章からある程度何年代のものか推測することができる。※例外として後動《y:un》などの未来形は挟子音が発生しない。
 1800年代に近づくと、《s》,《c》と《r》の間に《p》が、《z》,《cz》と《r》の間に《d》を挟んで発音するようになった。しかし、これは上記のものと違い文章に起こすときは表記しない。
 一方で動詞《zae》、《ju》など、一音節であっても強母音の単語をつなげて表記する場合がある。


子音

普通子音

子音は普通子音と妙音で構成される。妙音はローマ字表記では普通子音に《:》を付けた形で表記する。

/b/[b],/p[p]/,/gk[ʁ]/
/gk:/は存在しない

/s/[s],/z/[z],/c/[t͡s],/cz/[d͡z]
/s:/は[ʂ]になる
/z:/は[ʒ]になる
/sй/は[sʲ]になる
/zй/は[zʲ]になる
/c:/は[t͡ʃ]になる
/cz:/は[d͡ʒ]になる
/cй/は[t͡sʲ]になる
/czй/は[d͡zʲ]になる

/lr/[ʒ],/j/[ʐ],/sh/[ʂ]
/lr:/は/ʒʲ/になる
/j:/,/sh:/は存在しない

/k/[k],/g/[g],/h/[x],/gk/[ʀ]
/k/,/g/が/i/が結合すると、口蓋化し[kʲ][gʲ]となり、/k:/と/g:/も同じく[kʲ][gʲ]となる。/h/が/i/と結合すると、口蓋化し/h:/[ç]となり、/h:/も同じく[ç]となる。
/h/は母音/э/、/u/と結合する場合[x]になる。
/h/は母音/i/と結合する場合、妙音化する場合に[ç]になる。

/l/[ɾ],/r[r]/,/ll[l]/
/l/は連続して使用されると/ll/の発音になる。
/l/は単語の最後に使用されると/ll/の発音になる

/t/[t],/d/[d]

/w/[ⱱ][β̞],/v/[v],/f/[f]

/n/[n],/m/[m],/y/[j]
/y:/は/s/,/z/,/c/,/cz/と連結する場合、ローマ字では/й/と表記する。
また、子音として使用される場合、/y/と/y:/は同じ発音だが、単語によりどちらを表記するかが異なる。

複合子音

/tl/,/dl/は[tˡ][dˡ]になる。
/hl/は[ɮ]となる。

アクセント

アクセントのルールは以下の通り。
  • エミュンス語のアクセントは「強く、そして少し長く」読む。名詞、形容詞、動詞にしかアクセントはない。
  • 単語に長音がある場合は最初のそれがアクセントになる。
  • ない場合、以下の優先順位で決まる。
<前提として/i/にはアクセントが来ない。/ii/の場合ではその限りではないが、ほかの長音がある場合それをアクセントとする。>
<keやgёrなど程度をあらわす接頭辞や、比較的長い複合語のつなぎの部分にアクセントは現れない>
①母音のa~の順で強いとし、単語の中の最も強い母音がアクセントになる。単語の一番最初の母音や語尾の母音はアクセントにならない(単語の最後のnとmは子音として見なさない)。ただし、単語の最初か語尾にしか母音がない場合、最初の母音をアクセントとする。
②長音は①に優先してアクセントになるが、二つ以上あるなら①の強さできまる。単語の頭が長音ならアクセントになるが、単語の一番最後の母音が長音でもアクセントにならない。
③固有名詞は初めの母音が/i/でない限り、それがアクセントになる。ただし、単語の頭が母音の場合は長音でない限りアクセントにならない。
④語尾の長音が妙音化している場合、永劫詞としてアクセントになる。

《アクセントで変わる発音》
長音アクセントの前に/i/があるならその前の子音は妙音化する。《Zhieer》「ジェール」

言文不一致

属格・所有格《un》

 属格・所有格「~の」を意味する《un》は例外的に/en/と発音する。

コピュラ動詞の《xra/xraz》

 「~である」を表すコピュラ動詞である《xra/xraz》の《x》は無視して発音する。アクセントルールに即して、《xra》の/a/は長音ではないが、《xraz》の/a/は長音になる。

疑問の語尾詞《eit》

 「~ですか」を表す語尾詞の《eit》であるが、口語では/eet/で発音する場合が多い。

同一の子音と母音によるセットの長音化

 《l:ul:us(生きる)》、《gagas(守る)》のように、同じ子音と母音によるセットが二度連続して出現した場合、/l:uus/、/gaas/のように長音として発音する。

関連項目

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最終更新:2023年02月07日 21:48