前置詞
前置詞は助詞的な使い方をされ、名詞の前に起き前置詞句を生成する。前置詞句は動詞の前に置かれる。前置詞は文章全体に意味を付与するものである。前置詞を後動前置詞として扱った場合、動詞を修飾するものとして扱う。
複文を構成することができ、文が長くなる場合はコロンで区切る。
「~である」の《xra》
《xra》は名詞の前に配置し「《名詞》である」を表す前置詞である。また、前置詞でありながら動詞的な用法もされ、後動詞詞を用いて過去形や未来形を表現することもできる。また、《xra》のxは発音しない。否定型は《xraz》である。《xra》とは異なりアクセントが存在する。《dz xra》では「~ではないという意味になる」これを「限定否定/限定的否定」という。
- Ele xra falmaie Sinteea.(私はシンテーア人です)
- Ele xraz falmaie Tenl:oo.(私は天嶺人ではありません)
- Ele dz xra sjaltlm.(私は学生“では”ない)
「~であるの」《lee》
《lee》は形容詞の前に配置し「《形容詞》である」を表す前置詞である。用法は《xra》と同様である。否定形は《leiz》である。《lee dz》では「~ではないという意味になる」これは《lee dz 形容詞》と同じ意味である。
- Ele lee bels.(私は悲しい)
- Ele leiz mehal.(私は暑くはない)
(主語が人間の場合、熱く感じていることを指し、主語が熱い場合はEle xra mehal.で表す)
- Ele dz lee sion.(私は軽く“は”ない)
主語指定の《er》
主語指定の《er》は名詞の前に配置し、名詞を主語にする品詞である。主語は文頭に置かれる。
後動前置詞
後動前置詞は名詞の前に配置され、後動前置詞句を生成する。後動前置詞句は動詞の後ろに置かれ、目的語とする。同じ動詞に複数配置される場合《re》、《rie》、その他の順で配置されるが、rie形の代名詞が使われる場合は、《re》と《rie》の順が逆転する。以下では多用される後動前置詞を紹介する。
後動前置詞は前置詞とは異なり、動詞に意味を付与するものである。後動前置詞は前置詞として使用することもでき、文章の主題となる。
後動前置詞は、動詞を否定すると動作の否定、後動前置詞を否定すると、対象や場所など後動前の否定となる。頻出の《re》と《rie》には否定形が用意されているが、《xra》や《lee》の否定形のように、それ自体が限定否定を引き起こすものではなく、後動前の否定自体が限定否定を引き起こしている。
対格の《re/r》
対格の《re》は「~を」を表す後動前置詞である。動作の対象を指定する。口語や「名詞基本形を目的語に取る場合省略したり《r》になる。否定形は《rez》《dz re》。人称代名詞を対格に取る場合、省略されるが、主題の場合省略されない。
- Nee st yoot r nilga tt?(あなたはニルガを食べたいですか?)
- Ele st yoot rez ii.(私はこれは食べたくない/私が食べたいのはこれではない)
- Ele dz st yoot rez ii.(私はこれではないのを食べたくない/私はこれ以外を食べたくない)
≪上の文は二重否定だが、特にシンテーア人は二重否定を好まないため、シンテーア帝国では非文になりやすい≫
方向指定の《rie/ri》
方向指定の《rie》は「~に向かって・~に対して」を表す後動前置詞である。日本語の「~に」と比べて意味が狭く、日本語学習者は注意が必要である。口語では《ri》になる場合がある。否定形は《r:ez》《dz rie》
- Lrunh ult ju ri fion?(私たち今日はどこに行こうか?)
- Biн noe r ii.(これを君に上げよう)
空間指定の《zйo(zio)》
《zйo》は時間や空間を指定する際に用いられる。日本語では「~で」や「~に」と訳される。近年、一部地域では公式ではない場合に《zio》と発音、表記する人も珍しくはない。その場合、存在を表す動詞《zйon》も同様に《zion》となる。
- Ves zйon zйo fooy:em.(彼/彼女は図書館にいる)
- Ez yube r ii zйo sйi.(これをそこにおいてください)
用途の《yo》
《yo》は用途の指定を表し、「~で」「~も用いて」と訳される。動詞「使う」の《yost》を使ってもよい。
- Er vёgczй zoldeen yo vaisa.(犯人は包丁で殺害した)
- Vonh jeen ri ruutaa yo iisgent.(昨日大学へは電車で行った)
≪上の文はVonh jeenis: yost r iisgent ri ruutaa.と同じ意味を持つ。 ≫
※現代では同じ働きの《rad》を使うことが多い。
様子の《sig》
《sig》は「~のように・~へと・に」という動作と目的語を矢印で結ぶ関係を表す後動前置詞であるが、接合詞としても用いられる。しかし、物質的な方向は表さないため、「公園へ行くなどは」《ju rie y:ermis》のように《rie》を用い、「塵へと変える(塵に変える)」《bende sig zйina》など、物質的な方向を表さない分では《sig》が用いられる。
- Ele zae een sig 《er l:uinashlm leiz yoor》.(私は「拝金主義者は好くない」と言った)
- Ez s:ei sig ii.(こういう風にやってください)
同伴の《is》
《is》は「~と・~といっしょに」などその目的語が動作を一緒にしている様子を表す。注意が必要なのは、《is》は接合詞としても用いられこちらは名詞と名詞の並列にも用いられるため文脈に注意してほしい。
- Ves diir lnt is Elenie.(彼/彼女はエレニエとゲームをしている)
- Ele dz st geut is ne.(私はあなたと離れたくない)
≪この上の文は実は「あなたから離れたくない」を意味しておらず、あなたと一緒に「離れる」という動作をしたくない、という意味になるため、どちらかというと「ここから離れたくない、帰りたくない」のニュアンスが強くなる。≫
起点の《fion》
《fion》は「~から」のような動作の起点を表す後動前置詞である。
- Ele dz st geut fion ne.(私はあなたから離れたくない)
- Fion inven, er siulaa nant?(イベントが始まるのはいつからだっけ?)
終着の《deon》
《deon》は「~まで」のような動作の終着点を表す後動前置詞である。
- Deon inven, er deonii czlon?(タイムリミットはいつまでだっけ?)
- Jis: s:afat dent tentis?(駅まではどうやって行きますか?)
時間の《was》
《was》は時間を表す後動前置詞である。
- Ifoj was inven?(いつ出発しますか)
動作の連続的発生の《een:e》
《een:e》は「~して、~する」のような動作の連続的発生を表す後動前置詞である。動詞単体や動詞フレーズにつなげて、後件が前件の動作の後に発生していることを表す。前件は必ず相対テンスとなる。研究者にはこれを接続詞として認める者もいる。
- Ele yooteen re nilga een:e dent rie iina.(私はニルガを食べてから家に帰る)
方位前置詞
方位前置詞は物や行為の方位・所在・時間的所在を表す前置詞である。また、場所を表す方位前置詞は動詞として用いることもでき、その後ろに後動前置詞《zio》を置くことで「~にある」を表現することができる。
場所を表す方位前置詞
s:nuf |
の上で |
l:unaf |
の下で |
nraif |
の中で |
w:unf |
の外で |
s:raif |
の近くで |
greif |
の遠くで |
vriif |
の前で |
wroof |
の後ろで |
parf |
のそばで |
方向を表す方位前置詞
ris:nuf |
の上で |
ril:unaf |
の下で |
rinraif |
の中で |
riw:unf |
の外で |
ris:raif |
の近くで |
rigreif |
の遠くで |
rivriif |
の前で |
riwroof |
の後ろで |
riparf |
のそばで |
関連項目
最終更新:2020年08月06日 10:58