概要

 当記事ではギールラングのテクノロジーに関する記録を纏める。
各分野においてトップレベルを競うが、人道に悖る技術が多く諸外国の非難を招いた。

ワープ技術

▲第3世代ルーゼリック・Gドライブ
 第3世代ルーゼリック・Gドライブは18世紀半ばに開発されたワープドライブで、ギールラング星域戦国軍事同盟において標準搭載された。通称、次元歪曲航法(Dimension Distortion Shaft Navigation)とも称される確立論的ワープ方式を採用するが、これは古代ツォルマリア文明が独占した旧型ドライブの改良を重ねたもので、実際には本来の時空間とは異なる別の世界軸(ルーゼリック・バブルレーン)を介して任意の接続座標にランダムワープを繰り返しているのが実態である(何度も繰り返せば、いつか成功する)。そのため、通常航行ほどではないにせよ、跳躍途上においては前述のシークエンスを実行する度に膨大な主観時間を要した。

 一方、高度に発達させた独自のバイオナノテクノロジー(Nano Activity life cycle Cold control System)によって乗組員の状態感覚を保っており、かつ客観時間における理論上の最速跳躍を可能とする。最終限界接続距離は3000光年で既存のワープ航法に大きく劣るものの、係る準備時間を30秒程度にまで短縮し、劇的な即応能力の向上を見た。

 近年はパッシブ・リジェネレーターと称される発電装置も併用され、更なるコストパフォーマンスの効率化を実現している。なお、セーフティを外した場合の最終限界接続距離は1万光年で、膨大な時空裂の発生(収縮面の臨界突破)に伴うアンチ・トンネル効果により目的座標との大きな誤差が生じてしまう。初期の移民船団は旧式の悪条件下でこれを繰り返し、大敵ロムジェ・トルメレーナー(消去執行者。エミュンス語通称、宇宙怪獣ギグローノス)からの当てのない逃避行を続けていた。

▲新世代プェルクマイスト・ワープゲート
 新世代プェルクマイスト・ワープゲートは1500年代初頭のギールラングにおいて再起動された。旧ツォルマリア文明の遺物に独自の改良を加えたもので、主に国内星系間の移動に用いられる。エネルギー問題が払拭されて久しいギールラング正規軍においては無用の長物と化しているが、ワープドライブの使用を禁じられた奴隷船舶の交通に利用されている。当然のことながらゴルヴェドーラ艦隊による厳重なチェックは免れず、強烈なヒエラルキーを体現した。

 一方、ルーゼリック・バブルレーン(多次元小宇宙)を介する即時転送を可能としており、接続距離の面で難があるものの極めて効率的な運用を保つ。あくまでも相対性理論におけるウラシマ効果の影響を受けるため、当該船舶の中では膨大な主観時間を過ごさなければならない。通常空間における客観時間の経過は時代を下るにつれて0に近づいた。似たようなシステムとして、ロフィルナ連邦共同体のフリーティニアス・ワープゲートが存在するが、こちらはより単純なワームホール空間を介し、フラクタル技術も併用するため準備時間や運用コストの面で大きく方向性が異なる。

旧型ワープドライブ

▲旧世代ルーゼリック・Tドライブ
 超空間生物ロムジェ・トルメレーナーの干渉により、収縮能力を失った旧型ワープゲートに変わる新たな跳躍装置として開発された。古代ツォルマリア文明の遺物で、現在は利用されていない。種の保存を目的とする緊急離脱用のワープドライブである。旧世代のプェルクマイスト・エンジンを凌駕するエネルギー出力を可能とした。本来はゲート間の跳躍に用いられたものを無理に小型化しているため、一切の臨界許容値を考慮しない。また、急速なバブルレーンの展開に伴って生じる時空裂の暴走から目的座標との大きな誤差が生じてしまうところがネックである。

 数日間にも渡る長期のクールダウン時間と引き換えに大幅なウォームアップ時間の短縮を実現しており、危険宙域からの離脱に用いられた。当然、船体の損耗も避けられず長期間の修理を要したが、そこまでしてトルメレーナーとの接触を避けた理由は当時の技術水準において対抗する術を持たなかったことと、有害生物が存在しない新天地に僅かな望みを賭けたからである。

キメラ技術

▲戦闘民族ゴルヴェドラス
 ルーゼリック航法に不可欠とされる延命技術の発展は著しく、シンテーア歴2000年現時点において事実上の不老不死に近い水準を実現している。キメラ技術自体は元々、進出セクターにおける惑星環境への適合を促すために開発されたもので、限りあるリソースを節約することを目的に利用されていた。先史ツォルマリア人は数千年もの長き渡る大闘争の時代に独自の進化を遂げており、過酷な人体実験を重ねた遺伝子統合技術によってあらゆる生命との適合因子を獲得したのである。そのため、国際社会においては存在自体を否定する意見が多数を占めた。実際に多くのギールラング兵士が自らの遺伝子を改造し、変幻自在に戦うことから蛇蝎の如く忌み嫌われる。

適合遺伝子可変戦術兵器

 通称、コンパチブル・ウエポンは、係る外科手術によって高度の適合因子を獲得した特殊強化兵に与えられる。遺伝情報を始め、各種識別走査を必要とする個別兵装である。形状は運用個体によって異なり、作戦内容に沿って適宜変更することも可能となった。運用の趣旨としては、特定状況下において装甲車両や航空機、その他の小型兵器を相手に撹乱することを目的とする。また、自国が利用するあらゆる機械兵器を削減することも兼ねており、時代を下る毎に大幅な効率化を進めていった。

▲Giir.W178×ウェールフープ式携帯型推進砲装置
 WXP-2(welfewounsaen xalarl past)をリバースエンジニアリングし、開発された。初の国産WP兵器。新たに個体識別機能を搭載したことに加えて、短.中.長距離と様々な局面に対応する汎用性、攻撃精度の向上を実現している。反面、大幅に重量化しており、一定のWPo反動を引き起こすことから特殊キメラ化部隊による局所運用に留まった。

Tバイオロジカル・スフィア

 Tバイオロジカル・スフィアはゴルヴェドーラ艦隊が保有する化学装置の総称で、長期的な環境操作を目的に開発された。元々はパラテラフォーミングの一環として平和裏に利用されていたものだが、時代を下る毎に軍事的な側面を強め、特定人種の絶滅、強制キメラ化、原子力場の形成と様々なタイプのバイオロジカル兵器に転用されている。また、生物科学の発達が著しい近年は生態系そのものを破壊し、広域レベルで拡散、任意の進化構造に収束させることも可能とされた。その性質上、拡散環境下における全部隊への影響を避けられず、適合因子の反発も想定されることから遺伝子工学に基づく防護対策も行われている。

波動収縮技術

 18世紀の半ばから研究が始まり、1905年にプロトタイプを完成させた。いわゆる汎用技術の一種でZHL兵器に転用することも可能である。先史文明の崩壊以降、長年に渡ってランダムワープの不規則性に悩まされてきたゴルヴェドーラ艦隊であるが、量子テレポーターの発達が著しい近年は局所的なアナロジーゲートを複数展開することによって跳躍の精度を高めた。また、存在実体そのものを任意の状態に収縮させる強制置換兵器(Luzerikku Bubble Wave Converter)の量産化も現実味を帯びてきている。

 過去の海賊戦争においては、連合艦隊の総攻撃を受け、跡形もなく消滅したはずの軍事拠点が同時多発的に復活を遂げるなど、多くの将兵を混乱させた。そのため、各種レーダーの誤作動も疑われたが、最前線で戦うロフィルナ艦隊の消失(壊滅ではなく、文字通りの消失)をもって当該兵器の存在が裏付けられたのである。ジェルビア戦線におけるゴルヴェドーラ艦隊の確率操作は年々拡大の様相を見せており、元々そこに定住していたツォラフィーナ国民を含め、夥しい数の存在実体が消失した。更にロフィルナ星域も射程に収めることから同様の兵器が実戦投入されている。

▲アクティブ・エリア・コンバーター
 アクティブ・エリア・コンバーターとは、医療.交通.建築.防衛.情報通信等、様々な中核分野に応用される確率制御装置の総称で、主に危機回避を目的として利用する。通称、バブルフィールド・システムから成り立つ局所的な量子素子展開(バブルレーン干渉)によって任意の並列空間への干渉を可能とした。具体的には壊れたものを元に戻したり、射程内の領域を一部転換する。ある存在情報を元に失われた記録を再構築するなど、一種の改変装置として発達した。当然、利用に伴う様々なリスクや技術的制約が残っており、いまだ発展途上とされるが、大まかな運用ルールとしては以下のプロセスに基づいて説明する。

  • 適合第1原則:この技術はギールラングにおける既存のワープ技術を応用し、開発された。量子素子空間の一種である並列世界へのアクセスを可能とする。目的の観測座標を確定し、適切なゲートルートを算出すること。その後、当該のバブルレーンに沿って量子テレポートを実行する。
  • 適合第2原則.無限大に広がるそれらの可能性を選定し、任意の並列世界へ干渉する。また、バブルレーン・ベクトルを維持しつつ、特定のエリアにおける確率操作を行う。当然、望まれる事象が複雑であるほど相応の主観時間を要することも留意されたし。中核世界における客観時間の推移は状況次第で0に導くことも可能である。
  • 適合第3原則.時空裂の発生に伴うアンチ・トンネル効果や、フラクタル崩壊に警戒すること。巻き込まれた場合の救助は困難である。規定値以上のバブルレーンを展開した場合に起こりやすい。
  • 適合第4原則.技術漏洩を防ぐため、当該のシステムを有する全ての存在に自滅プログラムを留置すること。なお、状況により所定の並列世界から撤退する。その際のリスタートは不可能である。
  • 適合第5原則.収縮の際には当該のバブルレーンを引き下げつつ、上記の痕跡を抹消すること。過去の教訓として、反動的なバブルレーン干渉を確認したため。超空間生物ロムジェ・トルメレーナーの仕業である可能性が極めて高い。

  • 留意事項:この技術は、適合転移システムとの併用を前提とする。
脱獄を行った場合のフラクタル崩壊は不可避であり、直ちに該当のレーンから離脱すること。

▲バブルウェーブエナジー
 並列世界への干渉を可能とするこの技術をもってすれば、任意のエネルギーを半永久的に取り出すことも可能である。つまり、資源の枯渇に悩まされることなく他の開発に注力できることを意味し、バブルレーン上において、通常の方法では得られない特殊な波動エネルギーを抽出することも不可能ではなくなった。当然、それらの同期接続を保つアナロジーゲートの運用を適切に行うことが前提となる。失敗した場合は、時空裂(または位相欠陥)と称される特殊な自然災害によって帰還できなくなる危険性を孕むからだ。最悪、当該空間に広がるあらゆる世界の存在確率が0に等しい状態へと陥りかねない。多世界ルートの崩壊で意図せぬ方向にバブルレーンが収縮する事態もありえるという。ギールラングの研究機関はそれをフラクタル崩壊と定義し、恐れた。

強制置換兵器

▲対艦LBWC

▲広域LBWS

エネルギーシールド

▲第2世代エルティレイナ・シールドシステム
 通称ESSは、1925年、ロフィルナ連邦宇宙軍による波動収縮実験の成功を受けて、翌年に実働配備された。ゴルヴェドーラ艦隊に実装されているエネルギーシールドの一種で、特定エリアにおいて観測された全ての攻撃実体を無力化する。非常に強力である反面、20分~25分程度の効力しか持たず、7日間もの長きに渡るクールダウンを要した。

 一方、周囲100万kmの空間を強制置換する規格外の性能を持つため、他のシールドシステムと併用するのが常識となる。理論上では規定値を超える飽和攻撃に対しても無限大の出力を可能とした。しかし、その分、熱暴走の危険性に悩まされることから現実的ではなく、他の戦闘艦とローテーションを組むことを前提に運用される。波動収縮技術の発達が著しい近年は対観測バブルを形成の上、拠点防衛に用いる場合が殆どである。(シールド展開した戦闘艦は強制置換された周囲の擬似空間に溶け込むため、通常のレーダーでは捕捉できない)

関連用語

▲ルーゼリック・バブルレーン

▲アナロジーゲート

▲シールド現象

▲アンチ・トンネル効果

▲フラクタル崩壊

▲ロムジェ・トルメレーナー

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最終更新:2020年02月15日 08:08