最近、ベアトリスが荒ぶってばかりなので、たまにはこんなゆるゆるで甘々な二人もいいんじゃないかなあなんて思ったので。 本当に短いです。オチもないです。 それはとある世界、もしくはあの戦いから遥か未来。 諏訪原市のとある一軒家。 「た、だいまー! ねえ戒~、私お腹空きました~」 「はいはい、ベアトリス」 今日も今日とで株式会社ヴェヴェルスブルグでの激務を終えて帰宅したベアトリスは同居人の櫻井戒に想いっきり甘える。 それに同じように激務をこなしたと思えない様子で戒は、すぐに愛情たっぷりの料理を準備する。 「できたよベアトリス。さあ、召し上がれ」 「いただきます!」 すぐに食卓に並んだ料理をベアトリスは頬張る。 「うーん、やっぱり戒のご飯は最高!」 「誉めてもなにもでないよ」 次々とベアトリスは料理に箸を伸ばす。 「あれ? そういえば螢は?」 「螢なら藤井君たちと旅行に行ってるよ」 「あ~、そうだったね。ならしばらくは戒と二人っきりなんだ~」 「そうだね」 特になんともなさそうな返答にベアトリスはむっとしたものの、気を取り直してご飯に向き合った。 そして、食事が終わった後もゆったりと二人はくつろぐ。 「戒~リモコンとって」 「はいはい」 訂正、ベアトリスは戒をこき使い、ゆったりとくつろぎながら、借りてきた映画を二人で鑑賞する。 内容はすれ違う男女の哀しい物語。 「戒、ビール」 「はいはい。仕方ないなベアトリスは」 苦笑しながら戒は缶ビールを冷蔵庫から出してベアトリスに渡す。 「戒、ビール飲ませて」 「それは自分でやろうね」 その返しにベアトリスは頬を膨らませながら、 「ケチ~」 なんて理不尽な文句を呟いてビールを飲む。 ごきゅごきゅと喉を鳴らして一息に飲み干し、ぷは~っとオッサンみたいに息を吐く。 「戒~」 「はい、おかわりとおつまみの枝豆」 流石は屑兄さん。言われる前にすでに準備を終えていた。 「ありがとう戒」 にこにことベアトリスは枝豆を口に放り込んだ。 そして、映画は終盤、ついに引き返せなくなった二人が殺し合い、決着がつく。 『君は綺麗だよ』 『バカ……』 映画の中のすれ違い続けてしまった二人をベアトリスは見つめて、 「ねえ、戒」 「なあに、ベアトリス」 いつも通りのやり取りの後に、 「結婚しよ」 もうすれ違わないためにその一言を口にした。 何気なくいいつつも内心ドキドキしながら戒の答えを待って、 「こんな僕でいいなら、喜んで」 なんの気負いもなく戒はベアトリスの言葉を受け入れる。 そして、二人は向き合って、 「その……改めてよろしくね戒」 「うん、こちらこそよろしくベアトリス」 これからは、きっと二人はすれ違わない。きっと、永遠に。 ~完~ 僕の駄文にお付き合いいただきありがとうございました。by空の狐 - 違和感がない・・・のかな? -- 名無しさん (2012-08-04 18:46:34) - 兄さんが軽い気がするが…こういう形もいいですね。強いて言えば帰ってきたときには義姉ができている螢の顔と言うか心境が… -- メル専 (2012-08-04 20:11:14) #comment()
下から選んでください: