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2007-11-08:色の変更・マスク・情報の見方 - (2007/11/08 (木) 12:49:30) のソース

今日は,
+リスケールしたaspectのデータの色の変更
+マスクのかけ方はずし方
+データの情報の見方
をします.

まず,Q-GISを起動させて,前回セーブしたプロジェクトを開いてください.
「Open mapset」をクリックし,自分のマップセットを選択してください.

**1. GRASSのファイル構造について
Windowsでc:\GRASSを開いてください.
GRASSのフォルダは
ロケーション>マップセット>ラスターやベクター
の順にできます.
|データベース|ロケーション|マップセット|ラスターベクターなど|
|GRASS||||
||Data|||
||Mie|||
|||PERMANENT||
|||mapset||
||||.tmp|
||||cats|
||||cell|
||||cell_misc|
||||cellhd|
||||colr|
||||dbf|
||||fcell|
||||hist|
||||vecter|
では,c:\GRASS\Mie\mapset\colrを開いてください

フォルダcolrにはラスターデータの色が記入されています.
これを変更して,データの色を変えてみましょう.

**2. フォルダ表示のカスタマイズ
初期状態では,ファイルの拡張子が表示しないようになっています.
この状態では,どんなデータを作ったのか確認することが難しいので,全ての拡張子を表示するように変えます.
+今開いているフォルダのツールバーにある「ツール」をクリック
+「フォルダオプション」をクリック
+「表示」をクリック
+詳細設定の「登録されている拡張子は表示しない」のチェックをはずす
これで,拡張子が見れるようになります.

**3. 色の変更の仕方
+「Add GRASS raster layer」をクリックし,「aspect_north」を開いてください.&br()初めの状態では,モノクロになっていると思います.
+凡例に「aspect_north」以外のレイヤーを削除してください&br()削除の仕方:右クリック>削除をクリック&br()削除は画面に表示させないと言う意味なので,データが消えることはありません.
+メモ帳を開いて,下のように記入してください&br()% 1 1&br()1:255:255:0 1:255:255:0
+記入したら,フォルダ「colr」に「aspect_north」の名前で保存してください&br()&color(red){ここで注意!}「aspect_north」の拡張子(.txtとか)は付けません.&br()メモ帳を使っている場合は,名前を付けて保存するときに,ファイルの種類を「テキスト文章(.txt)」から&color(red){「全てのファイル」}に変更すると,自分で拡張子を付けることができます.
+Q-GISに戻って,色が変わっているかどうかを確認してください.&br()黄色に変更していればOKです.
#ref(Image4-2.jpg,,width=400)

**4. 色データ「aspect_north」の意味
先ほど作成した色データ「aspect_north」の意味について説明します.
まず,1行目についてです.
>% 1 1
UNIXの世界では,多くの場合,「%」は「これ以降の文字はコメントです」と言う意味を持っています.
コメントはコンピュータに無視されるので,主に人間のメモ書きのために使われます.
「%」の後の「1 1」はラスターの値が1~1であると言うこと,つまり,ラスターマップ「aspect_north」の値は「1」しかないと言う意味です.

続いて,2行目についてです.
>1:255:255:0 1:255:255:0
まず,スペースを挟んだ左側と右側に分けて見ましょう.
それぞれの一番左がラスターデータの値です.
コロン(:)の後の3つの数字(255:255:0)は色を示しています.
この色はそれぞれRGBに対応しています.

今回の場合はデータの値が「1」なので分かり難いので,データが「1~5」という例を挙げます.
例えば,
>1:255:255:0 5:255:255:0
となっている場合,「データの1~5は黄色で塗りなさい」という意味になります.
また,
>1:255:255:0 5:0:255:0
となっている場合は,「データの1~5を黄色から緑のグラデーションで塗りなさい」という意味になります.
#ref(RGB.jpg,,width=400)
参照:[[Wikipedia>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E7%A9%BA%E9%96%93]]

では,色データ「aspect_north」と同じようにして,「aspect_west」,「aspect_south」,「aspect_east」についても色を変えてみましょう.
|データ名|色|R|G|B|
|aspect_north|黄|255|255|0|
|aspect_west|青|0|0|255|
|aspect_south|緑|0|255|0|
|aspect_east|赤|255|0|0|
4つのラスターマップを重ねて表示させると,下のような絵になります.
#ref(Image4-4.jpg,,width=400)

**5. マスクを作る
「Add GRASS raster layer」をクリックし,「dem」を開いてください.
「dem」は標高のデータですが,海の深さは計測されていません.
また,解析は陸の部分だけで行うので,海の部分が必要ありません.
そこで,陸の部分のデータだけを取り出して解析をしていくことにします.
そのように,ある部分を見ないようにすると言うことを「マスクをかける」と言います.
今回は,海の部分に「マスクをかける」ことにします.
+「GRASS Tools」の「r.mask」をクリック
+「Raster map to use as MASK」に「dem」を選択
+「Category values to use for MASK」に&br()1 thru 3000&br()と入力
+実行をクリック
これで,マスクをかけることができました.
#ref(Image4-5.jpg,,width=400)
海の部分が白く表示されていればOKです.
新しく,「MASK」というラスターマップができます.
マスクをはずす場合は,ラスターデータ「MASK」を削除するか名前を変更してください.

**6. 作成したデータの確認
今まで作成したラスターマップやベクターデータにはどんなものがあるのか確認してみましょう.
+「GRASS Tools」の「GRASS shell」をクリック
+g.list rast&br()と入力&br()このコマンドは「ラスターデータを表示しなさい」と言う意味です.
では,先ほど作成した「MASK」を削除してみましょう
+g.remove MASK&br()すると,「dem」の海の部分が青色に戻ったと思います.

再び,海の部分にマスクをかけます.
そのために,「dem」のきちんとしたデータを見てみましょう
まず,「GRASS shell」で
>r.info dem
と入力します.
すると,下のように詳細な「dem」の情報が表示されます.
#ref(Image4-6.jpg,,width=500)

ここで,データのN(North)やS(South)の情報を見てみると,少しずれているのがわかります.
これは,ラスターのセルとデータの位置の問題なのです.
セルは大きさを持っています.
この場合,解像度が縦横1秒なので,縦横の長さが1秒の正方形だと考えます.
しかし,実際のデータがあるのはセルの中央です.
つまり,データはロケーションの端っこから縦横0.5秒ずつずれているということになります.
だから,北が北緯35度0.5秒から,南が北緯33度59分59.5秒までになっているのです.
//#ref(Image4-7.jpg,,width=400)

位置情報の下に,「Range of data」の欄があります.
>Range of data: min=0 max=1676
このminとmaxが「dem」のデータの値の最小値と最大値を示しています.
つまり,このあたりでは標高0m~1676mまでであるということがわかります.

今回はここで終わります.
皆さんお疲れ様でした^^

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