逆転裁判エロパロスレ@Wiki内検索 / 「07」で検索した結果

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  • 09/07/07
     シーナが笑ったところを狼は数えるくらいしか見たことがない。 その笑顔も正直なところ笑顔というよりも片頬をひきつらせたもの程度といったほうが正しいだろう。 秘書に彼女が就任してから月日が流れた。 けれど彼女は心のかけらも相変わらず見せてはくれない。 自分はこんなに振り回されてるというのに。 ファーを片手で弄べば、表情一つ崩さずに彼女は「狼」と彼の名前を呼ぶ。 「シーナ」 「なんだ」 「お前、仏頂面で疲れないのかよ」 前々から思っていた質問を投げかければ「別に」と返ってくる。 いつもと変わらぬ反応。 いつもはそこで引き下がる狼だが今日の彼はひと味違った。 弄んでいた黒いファーを引き剥がし、むき出しになった彼女の白い肩に手を這わせた。 柔らかく、ラインをなぞり首筋までなで上げると、無表情で無反応のシーナの肩が小さく上下した。 声は発しない。 けれども体は正直なようで、彼女は浮かせた肩に...
  • 07/07/16
     その日の朝、茜のデスクにはあまり資料などが積まれていなかった。 最近やっと、仕事が片付いたのだ。 「ふう。」 こういうときこそ、お祝いにかりんとうでも食べたいのだがあいにく上司に禁止されている。 以前デスクの位置を変える際にたくさんのかりんとうのカスが茜のデスクからこぼれ出し、つくえの引越しプラスかりんとうのカス掃除になったからだ。 「刑事クン、おめでとう。」 ちゃらちゃらと音がする。 そして影が見える。 その人物はかりんとうをデスクの上に置いた。 「牙琉検事・・・検事としてここにいるなら、帰ってください。」 茜は冷たく言った。 「刑事クン、確かに検事としての用事もあるけれど、君のお祝いもしたかったんだ。」 いいからとっとと帰ってぇぇぇぇ! 茜は心の中でそう思ったが、口に出すわけにはいかない。 「何でボクには冷たいの?ボクはキミのこと愛しているのに。」 こういう光景が日常茶飯事のため誰も...
  • 05/07/07
    成歩堂×千尋 本当は彼女の前に顔など出せた義理ではなかったかもしれない。 でも僕にも事情があった。ある男に会うために、学部を変更してまでこうして弁護士資格を取ったのだ。 それにあの事件で僕を弁護してくれた千尋さんを、どうしても手伝いたかった。 「よろしくおねがいします」 「よろしくね」 あっけないほど簡単に僕の採用を決めた千尋さんは決して自分からはあの事件のことを口にしなかった。 一度だけ僕のほうから彼女の恋人の容態を尋ねたことがある。 死んでしまったのか、と暗に聞く僕に彼女は「それよりなお悪いわ」とだけ答えた。 冷たい肌を持ちながらもまだ生きている恋人を忘れることも見捨てることもできないのだろう。 とにかくこの事務所は仕事とそれに伴う雑用(僕の仕事だ)がとても多かった。 千尋さんはやるべきこと、やらなければならないことを持っ...
  • 07/07/12
    前 ウエディングドレス姿のみぬきちゃんがオレの前に立っている。 顔を赤くして、下から見つめてくるその姿がとてもかわいらしい。 日差しが差し込み、オレたちの影を伸ばしていた。 誰もいない教会。二人だけの世界だ。 国ではオレたちは一緒になることができない。 ここは誰でも結婚をさせてくれる町、ラスベガス。 Minuki Naruhodo と Hosuke Odoroki と書かれた婚姻証明書の前で オレ達の影が重なる。 漢字で書かれたそれを手にすることは、生涯できない。 祝福する何者もいない中で体を離したオレの耳元に、小さく声がかかる。 聞き取れなかったその言葉を聞きなおすと、少しだけ大きな声で言ってくれた。 「やっぱり、王泥喜みぬきになりたかったな、って」 「みぬきちゃん‥‥」 あいかわらず、彼女は決して泣くことはない。その切なそうな顔のままに させておきたくはなくて、もう一度唇を近づけた。 ...
  • 07/07/17
           『別離の前日』 「これ、例の事件の捜査報告書です」  宝月茜は手にしていた書類の束を目の前の人物に手渡した。 「ありがとう。ちょっと中身確認するから待ってて」  書類を受け取った牙琉響也は、長い指で紙をめくり始めた。  自然と伏目がちになり、その瞼に長い睫毛の影が落ちる。  茜は響也に見入っている自分に気付き、慌てて彼の顔から視線を外した。 『顔がいいだけで、ちゃらちゃらした女ったらし!』  茜が響也に対して抱いた第一印象はこうだった。  成歩堂龍一の弁護士バッジを奪ったのが響也だとわかった日にはさらに次のようになった。 『顔がいいだけで、ちゃらちゃらしてて、女ったらしで、あたしがこの世で最も嫌いなヤツ!!』  しかし、刑事と検事という関係で半年以上行動を供にしていくうちに、茜は気付いた。  響也の、真実を追究するひたむきな姿勢に。  勝訴することで得られる検事としての手柄...
  • 07/07/15
    「自分の始末は、自分でつけたな。あいつ」 主席検事室で、『裁判員制度』テストの中継を見届けて、御剣は言った。 7年間、歯がゆい思いをさせられた親友を、責任者に起用するに当たってはこの男もかなりの権力を行使した。 「裁判における証拠の位置。この制度の導入で我々の今までの」 「その議論は、し尽くしたと思うけど」 中継の終わったモニターにリモコンを向けて電源を切り、狩魔冥は御剣の言葉をさえぎった。 「・・・そうだったな」 「成歩堂龍一に、おかえりを言わなくてはならないわね」 「あいつに、その気があれば、バッジを返還するかどうか、弁護士会が検討するだろう。おかえりを言うのはそれからだ」 御剣は、こみ上げる笑いをこらえるように表情をゆがめた。 「言葉のわりに、うれしそうだこと。主席検事」 「う・・・ム。そうだろうか。君こそ、晴れ晴れとした顔をしているように見えるが」 冥はピシッと鞭で空を切った。 法...
  • 07/07/01b
    年の割りに‥‥と言っては失礼だろうけど、ふくよかで形の良い胸から腰に手を伸ばすと、 はじめて見る、女性の妊娠線というのに行き当たった。 うっすらと白い線が皮膚の中に波打つ様は不思議な光景だ。 「ラミロアさん、子どもを生んだことがあるんですね」 「ええ」 ラミロアさんの顔がかげる。 「私には残念ながらその記憶もなくて、その子にとても悪いことをしていると思っています」 その俯いた顔を見ながら、不適切な質問をした自分が嫌になった。 彼女だって好きで記憶喪失になんてなったわけじゃないのに。 「あ‥‥」 返す言葉もなく、黙ってその妊娠線の浮いた皮膚に唇をつける。 ふわふわとしたその感触は、先ほどまでむさぼった胸にも劣らないような不思議なものだ。 指先をそっと下に伸ばす。抑えようとする細い腕を捕らえ、衣服の上から谷間をさする。 わずかに漏れた声に、指先の力が増した。 依頼者とこんな関係になるなんて、き...
  • 07/07/17b
    前 時計の針が三本とも重なり、何事もなくまた次の動きへと移る。 二人はその場所からそれを眺めていた。 「着替えるよ」 長針がほんの少し角度を変えた頃、オドロキが言って、ベッドから出ようとした。 その動きはすぐさま、胸にしがみついてきた少女に遮られた。 オドロキは驚かない。その人が涙を流していても。 「やだっ、オドロキさんと別れるのなんてやだよぉっ! みんなのことなんて、お仕事だって、どうでもいいから、一緒にいてよっ。 もっとキスして、もっとHして、なんでもするんだからっ! お化粧だってするし、おっぱいだって大きくするから、オドロキさん、イヤだよ!」 オドロキは何も言わない。 「なんで、なんで、みんないなくなっちゃうのっ! みぬきは一緒にいたいのに、何でみんないないのおっ! みんな、みぬきのこと嫌いなんだ! ママのばかああぁっ、パパのばかあああぁっ、 オドロキさんの、ばかあああっ!...
  • 07/07/22ゴドメイ
    「世話になったな」 そう言って、神乃木荘龍は歩き出した。 しばらくぶりに見上げる、自由な空だった。 直後、狭い通りを、後ろからシルバーのスポーツカーが走ってきた。 神乃木が通りの端によけると、車はその横で止まった。 左側の窓が音もなく下がり、ラベンダー色のセーターを来た若い女が、ハンドルに手をかけたまま神乃木を見上げる。 「神乃木荘龍ね。迎えに来たわ」 神乃木は、少ない荷物を肩に抱えてその女を見下ろした。 「誰だ、あんた」 言ってから、思い出した。 服装が違うので気づかなかったが、顔くらいは見たことがあった。 女は、運転席に乗ったまま勝気そうな目をまっすぐに向けて、言った。 「狩魔 冥」 助手席に収まって、後ろの席に荷物を放り投げる。 シートベルトをかちりとはめるのを待って、冥はアクセルを踏む。 道交法遵守だ。 「親父さんとは、法廷で会ったことがあるぜ」 最初の赤信号で止まったとき、神乃木...
  • 07/07/29ナルマヨミツメイ
    検事局の地下駐車場に降り、御剣怜侍は自分の車の脇に立った。 5分もしないうちに、レモンイエローのスプリングコートの狩魔冥が現れた。 「待たせたかしら」 「いいや、私も来たところだ」 助手席のドアを開けると、冥はするりと座席に滑り込む。 「で、なに?」 御剣がエンジンをかけると、冥が窓の外を見たまま言った。 「うむ。成歩堂から連絡があったのだ。真宵くんと春美くんが倉院の里から遊びに来ているので事務所に来ないかと」 「・・・私も?」 「イトノコギリ刑事も呼んだようだ。ソーメンフルコースをごちそうすると息巻いていたが、ケータリングを頼んでおいた」 そう、と冥がつぶやく。 「ひさしぶりだわ、真宵と春美に会うのは」 13歳で検事になった冥にとって、真宵は初めての同年代の友人だった。 ぶっきらぼうに聞こえる言い方をしながらも、少し嬉しそうにほころんだ冥の横顔を見て、御剣も頬を緩めた。 成歩堂法律事務所...
  • 07/07/30厳徒×巴
    『机上の薔薇』  まず最初に気づいたのは香りだった。  宝月巴が朝の捜査会議から戻ると、自分のデスクに一輪の薔薇が置かれていた。  花瓶に挿すこともなく、ただ無造作に置かれた薔薇を、巴は手に取る。  幾重にも重なって広がる真紅の花弁はみずみずしく美しく、濃厚な香りは脳の中枢を侵していく。  巴は薔薇を手にしたまま後方を振り返った。  彼女のデスクと向かい合うように置かれたもう一つのデスク。  そこでいつものように悠然と、資料に目を落としている人物。 「お早よう、宝月主席検事。会議はどうだった?」  厳徒海慈。  厳徒は巴の視線に気づくと捜査資料を机に置き、口角を上げた。 「いつもの通り、単調な会議でした。それより……」  巴は手にしていた薔薇に一瞬視線を落とす。 「綺麗だろう。ローテローゼという品種だ。紅い薔薇の代名詞だね」  厳徒は薄い笑みを保ったまま言った。 「ボクから君に。受け取っ...
  • 07/07/17b響也×冥
    狩魔冥は、自分のオフィスのデスクに居た。 革張りの椅子に腰掛けて、長い脚と腕を組み、目を伏せてまつげの影を落としている。 牙琉響也がドアをノックし、ふた呼吸待ってからそれを開けたのに全く気づかないように。 ピクリとも動かない冥に、響也が近づく。 足音は、柔らかなカーペットに吸い込まれる。 デスクの正面に立つと、パソコンのモニターが放つ光でその顔の造詣をはっきりと浮かび上がらせた冥が、目を伏せたまま口を開いた。 「なに」 手を伸ばしかけた響也がぴくりと動きを止め、冥が目を開けた。 「ああ、眠っているのかと思ったな」 手を当てた腰をかがめ、冥の顔を覗き込むようにして、響也は笑った。 「なにを考えていたの、狩魔検事」 「用件は?」 眉根を寄せて、不機嫌そうに冥が聞いた。 「今日、ぼくが扱った審理の報告に。法廷記録を持ってきたんだよ。気にしているかと思って」 冥は黙って片手を出してそのディスクを受...
  • 07/06/24
    ...ge] 投稿日:2007/06/30(土) 23 46 23 ID 4uclA8J1  生暖かい感触がした。  沈黙は唾液を溜めていた最中だったからなのだろう。みぬきの舌が、喉が、唇が、ぬるりと唾液を絡ませて下りてくる。 (――だから何処で覚えたんだよ!)  成歩堂は内心で絶叫するが、同時に締め付けてくる狭い口腔に頭が破裂しそうだった。小さな口を上手く生かし、更には喉の奥まで使って絞めてくる。  いびつに歪むみぬきの頬を見ていられず、成歩堂は目を手で覆った。しかし闇に包まれれば、益々感覚は研ぎ澄まされる。突然先端を吸われ、足の先が痺れた。みぬきの口の中のものが、先程よりも大きくなったのがわかった。 「ん、く――ぁ、みぬき……」  ちゅ、と音を立ててみぬきの唇が離れた。続けてそれに口づけながら、みぬきは成歩堂を上目使いで見上げる。 「ね、パパ。気持ち良い?」 「…………」 「パパ?」...
  • 10/07/22
    巌徒とちなみでナルマヨチヒ凌辱 807-816の続き。これでおしまい 【警告】 ※鬼畜。一番酷い目に遭っているのは真宵ですが、他の面子も酷いことに ※真宵がガチで精神崩壊 ※霊媒の設定が原作と一部異なっているのは仕様です ※救いはない。誰にもない 【このSSに含まれるカップリング】 ・成歩堂×真宵(エロなし) ・成歩堂×千尋(薬漬け) ・巌徒攻め、真宵受け(強姦) ・ちなみ攻め、成歩堂と千尋(暴力つき) ・巌徒×ちなみ(挿入なし) ***** 十畳ほどの殺風景な部屋では、相も変わらずの交合が繰り広げられていた。 ベッドに両手両足を縛りつけられた女が身をくねらせ喘いでいる。頑丈なビニール製の 洗濯紐でくくった場所が、擦れて真っ赤になっている。痛いだろうに、女の動きは留まる ところを知らず、猿轡を噛む口の端から涎を垂らして悦楽に狂っている。白い肌はところ どころの擦過痕に劣らず赤...
  • 09/07/07あるクロフクの日記
    あるクロフクの日記 6:00 起床。師父の部屋からシーナ姐さんを呼ぶ声がする。 6:30 点呼ののちラジオ体操。全員「1」なので揃っているかどうかわからない。     師父が姐さんと一緒にやってきた。今日も師父は漢前だ。首筋のキスマークは気にしてはいけない。 7:00 師父の「イタダキマス」の言葉とともに朝食。師父は姐さんにあーんとかしてもらってる。羨ましい。 8:00 それぞれの持ち場に移動開始。今日は師父と一緒の現場だ。気合が入る。     いつか俺も師父と一緒に「アマいな!」と指を突きつけてみたい。 9:00 仕事開始。 10:00 おやつ。姐さんが一人一人にアイスクリームを配ってくれた。背中に残っているキスマークは気にしてはいけない。 11:00 師父と姐さんが木陰でいちゃいちゃしている。皆で見てみぬふり。 12:30 昼食。捜査は順調だ。 13:00 午後の捜査を開始する時間だ...
  • 05/07/05
    神乃木×千尋(5) ここに繋ぎ止められる想いは、決して偽りの物ではない。 長い年月を経た物が、どんなに愛しくても。 過去よりも今を、今よりも未来を。 -見合事情-  ある日。  本当に何の変哲も無い日常に、何時もと違う物が送られて来た。  ある人物のデスクの上に、大きめの封筒。  それを見て、少し不思議に思った人物……この事務所の若手ナンバーワンとも言われている男性、神乃木 荘龍が触れる。  宛名はこれだ。  『綾里 千尋  様』  仕事であろうか。  しかし、依頼の封筒にしては、妙に立派な封筒であったし、中身も何だか厚めの何かが入っているようである。 (何だこりゃあ)  神乃木がそれを手に取り、上下に振ったり光に透かしたりして中身を特定しようとするものの、やはり立派な封筒に護られているために、中身はそう簡単には見えて...
  • 07/08/19
    喫茶店シリーズ#1 -#2 -#3 -#4 -#5 『喫茶店の人々』 裁判所からの帰りに、王泥喜は住宅街の奥にある一軒の喫茶店に向かった。 看板もメニューも出ていない、通りすがりの通行人には決して喫茶店だとわからないようなその建物のドアを押す。 「よぅ」 小さな丸いテーブルが二つと、5、6人も座ればいっぱいのカウンターの向こうで、大きなマスク型のメガネをかけたマスターが顔を上げた。他に客はいない。 「お、その面構えは裁判所からの戻りじゃねえのかい。今日も元気に負けてきたのか」 王泥喜は、カウンターの椅子を引いて腰掛けた。 「ひどいですね。当たってるだけに、なんとも言えませんけど」 「まあ、腐らねえことだ。弁護士に敗訴は付き物だぜ。なんせ、依頼人というヤツはウソをつく生き物だからな」 注文もしていないのに、勝手にコーヒー豆を挽きながらマスターは言った。 「でも、今日の依頼人は・・・」 「お...
  • 09/07/18
    逆転検事4話の後の話のつもりです ちょっと冥が積極的すぎるかもしれません 今日は色々なことがあった。 殺人事件、実現しなかった法廷デビュー、ヤタガラス、失踪した葛……。 さすがの御剣にとっても刺激の強い日だった。 夕食後、御剣は風呂に入ってようやく一息つこうとしていた。 頭を洗い終わったあと、ふと脱衣所から物音がする事に気付く。 振り返ると、扉の向こうにうっすら人影が見える。 誰だろうと思っていると、いきなり扉が開き、そこに立つ人物を見て御剣は目を疑った。 なんと、そこには冥が全裸で立っていたのだ。 一応タオルで前を隠してはいるが、発育途中の美しい裸体が殆ど見えてしまっている。 突然の出来事に絶句する御剣に、冥は恥ずかしげにポツリと呟いた。 「……一緒に入ってもいい?」 「な、な、何を言っているのだ!」 我に返った御剣は赤面しながら目を逸らし、自らの下半身を隠して叫んだ。 「ダメな...
  • 07/05/02
    「すいません!遅れちゃって・・・」 「・・・いえ、別に・・・」 どぶろくスタジオ。忌まわしき事件の現場に、オレは再びやってきている。 突然届いた、まことさんからの呼び出し。時間にして、今日のお昼のことである。 成歩堂さんもみぬきちゃんも出払っていて、オレは一人孤独に事務所の番をさせられていた。 (・・・暇だなあ・・・) 暇 。仕事ざかりな22歳には堪えるものである。 (どうせ誰も居ないんだし、みぬきちゃんの手品のタネでも探してみようか・・・) と、そんなことを考えた時、事務所の電話が高らかに鳴り響いた。反射で思わず背筋が伸びる。 どうしてやましいことを考えているときに限って、電話ってのは鳴るんだろうか。 「はい、こちら成歩堂法り・・・じゃなくて、成歩堂なんでも事務所です。」 『 』 無言。正直、最初は悪戯電話かと思った。 「・・・あの、どちらさまでしょうか?」 『 』 また無言。 「ど...
  • 07/09/03
    喫茶店シリーズ#3 -#1 -#2 -#4 -#5 『喫茶店の人々』#3 事務官にアポなしの来客を告げられて、狩魔 冥は来客の素性を尋ねる。 上級検事室に不似合いな、サンダル履きで現れた成歩堂龍一は、脇に抱えていた書類封筒を冥に差し出した。 「はい、これ」 デスク越しに受け取って、中を確認する。 「先週までに提出してもらうはずだったけれど」 「うん、ごめん。でもね」 デスクに肘を突いて、前に立つ成歩堂を見上げた。 「言い訳は聞かない。次に不手際があったらもう“キサマ”は使わないわよ」 パーカーのポケットに手を入れて、成歩堂は肩をすくめる。 「キサマ、か。ひさしぶりに呼ばれたねぇ」 冥は手早く書類をめくって、内容に目を走らせた。 「でしょ?そういえば、倉院には行って来たの?」 「うん。先月ね」 勝手にソファに腰を下ろして、成歩堂はぼんやりと窓の外を見た。 「真宵ちゃんも春美ちゃんも元気だっ...
  • 07/09/26
    喫茶店シリーズ#5 -#1 -#2 -#3 -#4 『『喫茶店の人々』 #5 倉院の里にほど近い駅に、男女の団体が降り立った。 ぞろぞろと改札を出るとそこに、この里でよく知られた倉院流霊媒道の装束の女性が待っている。 「いらっしゃい!みんな」 綾里家の、和室をふすまで二つに仕切れるようになった大きな部屋へ荷物を置いて、一向はワイワイと周囲を見てまわった。 「あ、霧緒さん。あの向こうに見えるのがそうじゃないですか?」 渡り廊下に出たみぬきが、遠くに見える、木の壁で囲われた施設を指さした。 「あんなところに、温泉が?」 「温泉を引いたプールなんだって。観光対策で作ったって真宵さんが言ってました。霧緒さん、水着持ってきました?」 真宵が、喫茶店のマスターと常連客を倉院の里に招待したとき、「各自水着持参でね」と言ったのは、新しくできた倉院のレジャー施設にある「温泉を使った温水プール」のためだった...
  • 05/07/11
    浴衣の着付けエトセトラ 「……」 「……」 微妙な面持ちで成歩堂と御剣は、成歩堂法律事務所受付前のソファーに腰掛けていた。 それというのも本日近所の神社で行われるお祭に行く為に、この部屋の隣の所長室で 女性メンバーの浴衣着付けが行われていて、そちらの会話がかすかにだが聞こえてくる。 否が応にも男の性。自然と耳を澄ましてしまう。 「あぁっ!冥さん違う違う!ここはこうやって…」 「えっ…ちょっと分からないわよ」 「えっと…こうして…」 「きゃっ!!どこ触って…」 「……うぅ、何だか悲しくなってきた」 「まっ真宵さま!どうされたのですか!?」 「だって同い年でこの差だよー?見てはみちゃん!Cカップはあると見たね!!」 「『しーかっぷ』ですか…?かるま検事さんすごいです!(何やら理解していない)」 「ちょっ…!!やだ、やめなさいっ...
  • 07/06/18
    成歩堂×茜(蘇る設定) 「どうして、僕はあの時あんなことを・・・。」 成歩堂は隣で裸で寝ている茜の髪の毛を優しく撫でながら呟いた。 成歩堂はその日許されざる行動を犯した。 彼女に申し訳ないことをしてしまった、と成歩堂は思った。 そして茜の一人きりの家族―巴に対してもひどく後ろめたさを感じていた。 「あぁ・・・、疲れた・・・。」 初日の捜査を終えた成歩堂は事務所に戻るなりソファーに寄りかかった。 「結局分からないことだらけでしたね。どうしましょう・・・。」 「まぁ、何とかなるさ。僕の依頼人はいつも絶体絶命だからね。  こういうのには慣れっこなのさ。」 「うーん、そうですか・・・。」 「さて、明日に備えて資料をまとめようかな。  茜ちゃんは学校の宿題でもやっときなさい。」 「はい!」 成歩堂は椅子に、茜は正座をしてそれぞれの作業を始めた。 茜は宿題をこなしながら、成歩堂を顔を眺めていた。 ...
  • 07/05/20
    熱視線(響也×茜)   茜は朝から不機嫌だった。  今日は早朝から、鬱蒼とした雑木林の中で殺人事件の捜査だった。真夏の暑苦しい熱気に満ちた現場で、日没まで延々と地道な作業の繰り返しだ。おまけに、大好物のかりんとうも忘れて来てしまった。  それもこれも全部、この異常な暑さのせいだ。  時間が経つにつれ、気温が上がるにつれて、イライラが募って行く。着込んだ白衣も脱ぎたくなって来る。周りで忙しなく動き回る警官達も、噴き出す汗を拭いながらの仕事は辛そうだった。  じっとしていても、嫌な汗が背中を伝い落ちる。  その濡れた感触に我慢できなくなって来たが、白衣まで脱いでしまうとさすがに格好がつかない。茜はその下に着ていたベストだけ脱ぐことにした。  汗でブラウスの薄い生地が肌にぴったり張り付いて、下着の線も浮き出てしまうが、そこまでは誰も見ていないだろう。  昼も近くなって来た頃、遠くから黄色い...
  • 07/06/20
    「オドロキさんって女の子と付き合ったことあります?」 みぬきちゃんが事務所の椅子(といっても手品用のチェストだけど)に 腰をかけて足をぷらぷらさせながら聞いてきた。 「え? 何だって?」 その時オレは資料棚の整理に没頭中だった。全くこんなに埃がたまって・・。 ナルホドさんの辞書に「片付ける」の言葉はないのだろうか? 「女の子と、付き合ったこと、あるかって、聞いてるの!」 みぬきちゃんは怒ったように一句一句区切りながら声を張り上げた。 「あぁ、あるよ。もちろん」 やれやれ。怒らせるとしつこいからな。慌ててオレは答える。 「・・そう、なんだ。」 みぬきちゃんは何故だかふっとため息をつきながらつぶやいた。 「えっと・・、それがどうかした?」 「あの・・。みぬきね。今日、告白されたんです」 うつむきながらもごもごと答えてくる。 「へぇ~! すごいじゃない!」 オレは感嘆の声をあげた。全くみぬきちゃ...
  • 07/03/27
    絆―きずな―   1  葉桜院の事件から約1年―。綾里舞子の件は再び世間を騒がせたが、 最近になってようやく落ち着きを取り戻している。 そんな中、マスコミのごく一部は19年前のDL6号事件を引っ張り出し、 倉院流霊媒道はインチキだのペテンだのと煽っていたようだが、 真宵はさほど気にしていなかったようだった。  季節は桜も満開なる春、4月上旬。季節が変わっても成歩堂法律事務所は いつもと変わらぬ風景である。事務所の主成歩堂龍一と倉院霊媒道の家元で 自称カゲの所長綾里真宵、そしてたまに事務所に顔を出しては真宵とともに 仕事を手伝ってくれる小さな霊媒師(のたまご)綾里春美。 相変わらずの顔ぶれである。 「そういえば、彼女とはどうなったの?」 「彼女って?」 「やだなぁ、あやめさんだよ。去年出所してきたんだよね?あれからどうなったの?」  真宵はその後の成歩堂とあやめの関係を毎日のように興味津々で...
  • 07/01/25
    夏の蝉の五月蝿い、午後の事である。 「ああ、冥。」 「わざわざこんな暑い日に来させてまで…そんなに重要な事件の資料でもあるの?」 明らかに苛立っている彼女をまあまあ、と宥め成歩堂は彼女をソファーへと 座らせた。 「安っぽいソファー…。」 「…知ってる。」 いつもと変わらず、高慢な態度で此方を睨みつけてくるが 話す内容が内容なのでその目にすら愛情が湧いてくる。 正直言うと、服装にも僅かな期待をしていた。 いつも見る服じゃなくて良いですよ!!と念を押していた。 彼女は違う服こそ着てきたが、真夏と言うのにキャミソールの上には 薄手の長袖カーディガンを羽織り、下はパンツスタイルだった。 一言で表すと、完全防備、が丁度良い。思わず、溜息を吐いた 「服って冥が決めてるの?」 「服とかにはあまり興味が無いから、たまにレイジと行って  買ってくる位よ。結局彼が決めるし…って論点をずらさないで。」 あの過保...
  • 07/02/19
    遠恋 題名:こんばんは 本文:きみは今なにを考えてるかなぁ?    ぼくは今さっき、真宵ちゃんを家まで送って家に帰って来たところだよ。    こういうこと言うと馬鹿にされるかもしれないけどさ、    ちょっと…ちょっとだけだけど、あれ?ぼくに気があるのかも?って思っちゃった。 題名:Re こんばんは 本文:あら、それはどうもお疲れ様。    私がそこにいたらねぎらいのムチをあげるところだわ。    ところで、貴方は下心が笑い方にもろに出るのよ。知っていて?    だから、次のチャンスがあれば気をつけなさいね。  ぼくらのメールは毎日のように、海を渡る。  どんなに忙しい日でも、お互いのことを思う時間をきちんと取れること。  これはどんな言葉や贈り物なんかよりも、お互いがお互いを好きであることの証明だって思う。  だからこそぼくらはそれに甘えないように、時にはお互いがお互いをちょっとだけ試す...
  • 09/07/10
    *ロウ×シーナ *ロウがヘタレ *エロが短い *ヤってるのにエロくない 「ほら、入んな、シーナ」 「・・・・ありがとう、ロウ」 某ホテルの一室である。国際捜査官の狼士龍は、同じく捜査官であり秘書のシーナに肩を貸してドアの前に立っていた。 その日、彼らはある事件の容疑者を逮捕した。長年追い続けている麻薬密売組織とは違った案件ではあったが、 迷宮入り寸前であったものであり、容疑者の発見・捕獲によって解決へと向かうことは間違いなく、まぎれもなく快挙と言えた。 護送される容疑者に現場は沸きかえり、そして現場責任者である狼はその晩、 99人の忠実な部下を労う為にささやかな宴を用意した。 シーナからキーを受け取りドアを開く。何の変哲もない――狼の部屋とも間取りは同じである――ホテルルーム。 ベッドの上に無造作にガウンがかかっているのが見て取れた。 ガウンを手に取り、代わりにようやく歩いていたシ...
  • 06/12/07
    初フェラ(ナルマヨ+α小ネタ) 「――!んんっ?!ゲホッ、ゲホゲホ」 「!?だ、大丈夫?真宵ちゃん?…はい、ティッシュ」 「ん…ケホッ……あー、苦しかった。…もう!ナルホドくん、出すなら「出す」ってちゃんと言ってよね!」 「ゴメン…僕も口でしてもらうの初めてだったから、勝手が分らなくてさ」 「うん、これからはちゃんと気をつけてね。 うーっ、…それにしても、男の人の“せーえき”って全っ然美味しくないね。ニガいし、生臭いしさ、よくみんなこんなのが飲めるなぁ…」 「(そうハッキリ言われるとなんだかキズつくな…)うーん、まあ、元々飲む為のモノじゃないしね」 「他の男の人のとかもこんな味なのかな?」 「人によって多少の違いはあると思うけど、大体こんなものじゃないかな?」 「御剣検事とかも?…今度冥さんに会ったら聞いてみようかな」 「いっ…?!た、頼むからそれだけはやめてくれ、真...
  • 07/05/15
    前 「気持ちいいですか? オドロキさん」 オドロキは返事の代わりのように、意識せず腰をひくつかせた。 みぬきはそれに気をよくし、笑みを浮かべるとぬちぬちと音が出るように手を上下させる。 魔術師の指先。繊細でありながら俊敏さや力強さを要求される大切なパーツ。 小さな口での奉仕よりも、格段に上達が早く、オドロキの弱点もその能力で つきとめられ、今ではオドロキが自分は早漏ではないかと落ち込んだほどの早さで 登りつめさせることができる。 にちゃにちゃと、先走りの雫でオドロキの竿とみぬきの手は光っている。 細い指の白さと赤黒さがなまめかしく絡み合い、二人の視線を集めて吐息を漏らさせる。 「み、みぬきちゃん、もう‥‥」 「じゃ、もっと頑張りますね」 反り返る肉を手前に引き、両手で絞るように握り締める。先端は手のひらで、 根元は指先できゅうきゅうとしめ、全体への刺激をくりかえす。 オドロキは女のように呼...
  • 07/09/17
    喫茶店シリーズ#4 -#1 -#2 -#3 -#5 『喫茶店の人々』 #4 貸切で深夜営業中の喫茶店が、にぎわっていた。 「じゃ、みぬき嬢の新しい魔術の成功を祝って、乾杯!」 牙琉響也が、腰に手を当ててキザにコーラを掲げた。 なんでオマエが仕切るんだよ、というその場の全員の心の中のツッコミが聞こえたような気がしたが、それが発せられることはなかった。 その夜、みぬきが新作『ハイパーぼうしくん』を初披露する、というので茜に招待された響也は、同じ「ステージに立つ者」として見に行く気になった。 ステージ終了後、他の面々と一緒に誰が言うともなくいつもの喫茶店へ場所を移し、閉店しようとしていた店を無理やり借り切る。 コーヒー以外メニューがない店に宅配ピザを取り寄せ、サラダやチキンと一緒に並べたテーブルを囲んだ。 今日の主役のみぬきが、響也の隣であれこれと食べ物を取り分けていた。 テーブルの食事に群が...
  • 07/06/01
    『存在確認』  病院の廊下という静寂な空間を、突然激しい勢いの足音がかき乱した。 場違いな場所で全力疾走していたのは、王泥喜法介。  「廊下は走らないで下さい!」という看護師の注意を何度か聞き流し、彼はようやく目的だった部屋にたどり着いた。  『宝月茜 様』  病室のドアに恭しく掲げられたネームプレートを見て、限界だった心拍数がさらに跳ねあがる。  王泥喜はたった今まで走っていた勢いそのままに、部屋のドアを開け放った。 「アカネさんっっっ!」 「さくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさくさく……あん?」  ドアの向こうに見えたのは、ベッドの上でかりんとうを頬張っている茜の姿だった。  二人はそのまま互いに見つめ合う。  微妙な空気をさらに珍妙にするのは、かりんとうを噛み砕く軽やかに香ばしい音。 「…………あ、アカネさ………」  しばしの後、王泥喜は情けない声をあげながら...
  • 07/03/08
    ミツメイ酒ネタ  酔っ払い成歩堂の杯に、桜の花びらが一枚舞い落ちた。 「うーん、桜酒なんて風流だなぁ~。」  成歩堂はそう言いながら、彼の膝枕で眠っている春美の頭を撫でる。 「オレはわかめ酒飲んでみてーな!」 花見弁当の海老争奪戦で真宵に勝った矢張が、嬉しそうに言った。  満面の笑みで海老に食らいつく。 「う~ん、それも良いなあ~。」 「ううう・・・なるほどくんとヤッパリさん、オヤジだ・・・。」 真宵がジト目で成歩堂と矢張を見てつぶやく。 一方、成歩堂達の隣で花見をしている御剣と冥。 「・・・レイジ、ワカメザケって何?」 ぶふふぉぉおおっっ!!  冥の問いかけに、思わず飲んでいたワインを吹き出した御剣。 「もう、汚いじゃないの!」「ゴホッ、す、済まない。・・それは、だな・・、今度教えてやろう・・・。」 滝汗をかき赤面した御剣は、口元をナプキンで拭う。 「ズリーぞ、御剣!オレも冥ちゃんのわか...
  • 07/01/22
    「しっかりしてちょうだいね」 ふいに、腕を強く握られた。隣に視線を落とすと、いつになく不安げな顔の冥と目が合う。 続いて前方に目を向ければ、豪奢なドアとインターホン。はて、ここはいったい誰の家だろう。 「完璧なあいさつ、完璧なマナー。狩魔に認められるならばまずは完璧が条件なの」 「うん……」 とりあえず生返事を返したものの、成歩堂は今の状況に至るまでの過程をさっぱり忘れてしまっていた。 冥が何やら横でつらつらと述べているがとりあえずシャットアウトして、今朝からのことを順番に思い出してみる。 確か、今日は事務所を休みにしていつもより遅く起きた。起きてすぐ電話があって、相手は―――そうだ、冥だった。会ってほしい人たちがいる、といった彼女と待ち合わせの約束を取り付けて、午後に約束の場所まで行った。 芸能人が住んでいそうな豪邸の前が待ち合わせ場所。 表札には英字で“Karuma”と書いてあって...
  • 07/05/06
    「刑事くんの事が好き。」 …唐突に、目の前のじゃらじゃらした男は言った。 またいつもの軽口だろう。あたしは、コイツのそれが大嫌いだ。 「死んで下さい。」 そう言ってスタスタとその場から歩きだす。 いくらかりんとうを貪りつつ突っ立っているだけだろうと、一応は勤務中。 わきまえろアホ検事。 「相変わらずつれないね。結構傷つくんだ、それ。」 とてもそんなふうには見えませんけどね。 「私事なら、後にしてくれません?今仕事中なんで。」 出来る限り、最大限にトゲトゲしく言ってやった。 「…刑事くん、やっぱりさっき言ったこと信じてない?」 「はい。」 「……。そこまで即答されるとヘコむよ…。どうしたら信じてくれるのかな?」 いい加減鬱陶しい。 こっちは仕事中って言ってんのに…。 そんないかにも軽薄な嘘、誰が信じるか。 「もう、うるさ…『宝月刑事~!!』 最後の手段、かりんとうを投げつけようとした瞬間、突...
  • 07/11/25
    ナルマヨの続き。 御剣と一緒に事務所に戻り、ドアを開けると応接室の方から真宵ちゃんの声がした。 ただいま、と言おうとしたとき、御剣がぼくのスーツの上着をひっぱった。 「待て、成歩堂」 「…くないですか?」 あれ、真宵ちゃん、電話でもしてるのかな。 「…かしら、普通だと思うけど」 返事が聞こえるということは、相手がいるみたいだ。 御剣が、ひとさし指を唇に当てる。 「えー、多いよ!なるほどくんなんか週に一回でもくたびれたって言うけどなあ」 ん?ぼく?なんだ? 「それはどうかと思うけど」 相手の声は狩魔検事だな。 御剣がここで狩魔検事と待ち合わせたと言ってたけど、先に来てたんだろう。 検事局では人目をはばかるからといって、弁護士の事務所で待ち合わせる検事というのも変だけど。 「その一回が、ものすごいのではないの?」 とたんに、はじけたような、二人の笑い声。 ふりかえると、御剣が目をそらした。...
  • 10/09/07
    横切り失礼してガントモ投下。 ※SL9号事件以前の巌徒×巴。割と真剣にイチャイチャしてる ※事件以前から二人が愛人関係にあった、っていう妄想前提 ***** 『 To 宝月巴 2014/10/XX    21 04 From 宝月茜 Sub 修学旅行一日目! お姉ちゃんへ。今日は修学旅行一日目です!家を出るときに雨だったから心配だった けど、晴れました!お寺とかいろいろ回ったよ。なんだか空気がちょっと違う感じが して面白かったです。紅葉はまだ半分くらいらしくて(ガイドさんが教えてくれたよ )ちょっと残念。キレイだったけどね 明日は自由行動でいろんなところに行く予定。なので明日も晴れるといいな。あとで レポートを発表しなくちゃならないからちょっと大変だけど、すっごく楽しみ! お姉ちゃんは何もなかった?仕事、あんまり無理しないでね じゃあおやすみなさい! PS.奈良公園のシカ、すっご...
  • 03/10/07
    成歩堂×千尋⑥ <あの路線に痴漢が多いのは前からだし、もうすぐ降りるからってずっと我慢してたんですけど… そしたらパ、パンティの中に指が入ってきたんですぅ。声出そうとしたけど…怖くて…(ここで生高、 泣き崩れる)> 「どう思う?」  千尋さんはさっきから手の中の自筆のメモとにらめっこだ。  今日の法廷での被害者の証言がそこには書いてある。もっぱら殺人弁護が中心の 綾里法律事務所で、<被害者の証言>を検討しなくてはならない――つまり、被害者が 生きている――事件は珍しかった。そのせいか今回は流石の千尋さんも苦戦しているようだ。  被害者が泣き崩れてそれ以上の尋問が不可能になり、審理は明日に持ち越されたが、 このままでは明日の苦戦は目に見えている。法曹界の鬼と言われる千尋さんに勝訴できそうだと いう事で、検察の皆さんはすでに明日の祝勝会の宴会場の予約をしていると...
  • 07/10/21
    御剣怜侍がアメリカの狩魔邸に来るのは、久しぶりだった。 少年のときに狩魔豪に師事してから、早く学業を修めるために数年ここで暮らした。 多忙で日本を出ることがない狩魔豪はなぜか、末娘が2歳のときに妻と末娘を移住させたのだ。 それが、あの事件の直後だったと御剣怜侍が知るのは、まだ数年先。 かつて私室として与えられていた部屋がそのままで、御剣はデスクの前に座って冥を眺めていた。 娘しか持たない狩魔豪が、跡取り候補として御剣をアメリカに送ったとき、まだ小学校に上がったばかりの冥は顔を真っ赤にして怒ったものだ。 「私が検事になるわよ!」 自分と母を放り出して会いにも来ない父親への抗議と、息子のように扱われる御剣への子供らしい嫉妬だと思った。 そして本当に猛勉強し、御剣が日本へ帰った後、彼が初法廷に立った去年、同時にアメリカで検事になった。 御剣は二十歳、冥は13歳だった。 初法廷で、いまだに忘れられ...
  • 07/05/03
    成歩堂×茜(成歩堂視点) ――終わった・・・。 絵瀬まこと氏への判決が下されたとき、僕はそう思った。 7年前のあの裁判、あの忌々しい事件への判決が永久に失われたときから、僕の弁護士としての時間は止まってしまっていたんだ。 そして今日、僕とあの男との決着を、若き弁護士と検事がつけてくれた。 全ては終わった。 この法廷にはもう僕の居場所はなかった。 今の僕は、そう、しがないピアニストなのだから。   「成歩堂さんっ!」 裁判所をでようとしてとき、彼女に呼び止められた。 振り返ると彼女は軽く走った後のようだった。 「茜ちゃん、か・・・。」 「成歩堂さん、帰るんですか・・・?」 「うん、ここにはもう僕の居場所はないからね。」 「・・・。」 彼女は少し下を向いた後、僕に一緒にカフェテリアに来るように言った。 裁判所のカフェテリアには以前来たときと相変わらず静かな雰囲気が漂っていた。 彼女は入り口か...
  • 04/10/07
    うらみ×ゼニトラ 「トラさま…私、トラさまの為に…プレゼントを買ってまいりましたの…」 「何や?吐麗美庵・別館(注:なんか有名らしいが、あの『吐麗美庵』とは全く関係ないらしい)のビスケットか?」 「トラさま用のビキニ(黒)と、……………(もじもじ)」 「言えへんのか!うらみちゃんも、やらしいなぁ」 無言で何かを差し出した。「……ってコレ、ぺ○スバンドやないか!」 「私だけ、ヒイヒイ言うのは嫌。トラさまの中にも入れてヒイヒイ言って頂きたいのです…」 「くすっ……トラさま、もしかして後ろは初めて…?殿方ってこういうお気持ちでなさるのかしら…。」 「たのむ!たのむから、後ろは勘弁…!」 「大丈夫です…。トラさまのなかの『女』が目覚めれば、イクなんて容易いですから…」 ズン、と、後ろから異物が侵入してくる。 「あ、あーッ!!」 「…あ、何も塗ら...
  • 07/05/30
    成歩堂×茜  「やあ、いらっしゃい。……待ってたよ」  ドアを開けて宝月茜を迎えてくれたその顔は、7年前と同じく優しかった。  茜はほっとして、思わず頬が緩む。 「こんにちは成歩堂さん。だいぶ待ちましたか? ごめんなさい、ちょっと仕事が立て込んでいて……」  本当は今日、茜は休暇を取っていた。なのに突発的に事件が起きてしまった。  あのじゃらじゃらした検事が担当となり、何故か捜査主任として名指しされてしまった茜は、今の今まで現場で駆けずり回っていたのだ。  何とか同僚に頼み込み、3時間だけ、と抜け出してこれたのはいいものの。  結果として、先約の相手だった成歩堂を待たせることとなってしまった。 『正午に、成歩堂事務所で一人で待っていて下さい』とお願いしたのは茜のほうだったのに。 「みぬきちゃんとオドロキ君は……?」  成歩堂に事務所の中へ通された茜は、あたりをきょろきょろと見回した。  ...
  • 07/05/14
    近くにいれば見えるものが沢山ある。逆に見えないものも沢山ある。 距離があれば、自分の知らない『相手』が見える。 成歩堂みぬき、15歳。現在青春真っ只中。 にもかかわらず、それを全て魔術に注ぎ込んでいる…いや、いた。 最近の彼女が魔術のほかにも興味があるもの。 それは『法廷』親…義父だが、その血は争えない、というべきか。 あるいは…別の人間のせいか。とはいえ、本人もはっきり理由は言えないだろう。 結局、神のみぞ知るということか。 何はともあれ、つまらない日常を鮮やかに彩る『法廷』を彼女は気に入っている。 「オドロキさーん、なんか事件ないんですか?」 「みぬきちゃーん…そんなこと言っちゃダメだよ。暇なら、それに越したことないって。」 「そんなこと言ってるから、ウチの家計は火の車なんですよ?仕事しなけりゃ単なる居候です。」 …みぬきちゃんの言うことに一理ある、と言葉に詰まった。 だが、だが。王泥...
  • 09/07/22
    ・逆転検事5話後 ・ネタバレ ・長い割にエロ少ない 気づけば、窓の外に見える狭い空は、うっすらと白み始めていた。 つまりは、カーネイジ・オンレッドの罪を暴くのに、まるまる一晩かかってしまったということだ。 相手は一国の全権大使たる男だ。その後の処理にもかなりの時間を要したのは言うまでもない。 ロウ捜査官の優秀な部下たちの迅速な対応をもってしても,こればかりはどうしようもないことだろう。 しかしそれも、やっと終わった。 「ホテルに戻るわ」 そう言う狩魔冥の声は、いくぶんか疲れているように聞こえた。 表情には見せずにいる疲労が声に出るのも、無理からぬことだ。 彼女は恐らく、ここ数日はろくに睡眠もとらず調査に当たってきたのだろうから。 しかし、処理を最後まで見届けるといった10分後にはソファで寝息を立て始めていた一条美雲と、たいして年が離れていない女性とは思えないタフさだ。 その体力と気力...
  • 07/06/29
    『ベッドサイドの作戦会議(逆転を継ぐ者 御剣・冥サイド)』  赤いフィアットの運転席でハンドルを握る御剣怜侍の目に、目的地である検事局の建物が映った。  さらに、その瀟洒な建物の前に佇む人影を捉える。  御剣はその人物の前まで来ると静かに車を停止させた。  運転席に着いたままサイドのボタンで助手席のドアロックを外すと、その人物が助手席に滑り込んでくる。  彼女の纏っている上品な香りが車内に広がった。 「少し待たせたようだな、メイ」  助手席でシートベルトを閉めているのは狩魔冥。  御剣の問いかけに、彼女は軽く首を振った。 「いいえ、たいしたこと無いわ。それより久しぶりね、レイジ」 「そうだな。……半月ぶり、ぐらいだろうか」 「あら、あなたの認識はその程度なの? 実際は3週間ぶりよ」 「そうだったか。随分寂しい思いをさせたな」 「見縊らないで。私だって忙しかったのよ。寂しがってる暇なんて無か...
  • 07/03/15
    恋愛の対象として意識したことはなかった。 ただ、彼女が修行の為に居なかった時は自分の胸の内にぽっかりと穴が 空いたような感覚に戸惑ったし、彼女が事件に巻き込まれて誘拐された ときなどは、普段の自分では考えられないほどの動揺に襲われた。 知り合って二年の間に小さな真宵に大きな部分を奪われていたのだ、と 気付いたのはいつだったか。 だが、それに気付いた今でも彼女とどうこうなろう、という衝動は 成歩堂には無い。いや、無いといえば嘘になるが、彼氏、彼女という 関係を急いで形成しようとは思っていない。 真宵の恋愛に対する興味の無さ――言い換えれば幼さ――は十二分に 知っていたし、焦るほど餓えてもいない。 元々自分はタンパクなほうなのだ。 弁護士と助手事務員、気の合う親友、あるいは擬似兄妹(真宵に 言わせると姉弟らしいが)。その関係はどれも自分たちに正しく、 そしてどれも信頼し親愛のおける関係である。...
  • 07/02/16
     今日ももうじき終業という頃になって給湯室にいた私に声をかけてきたのは、あきれるくらい予想通りに神乃木センパイだった。 「なァ。今日が何の日か知ってるか、コネコちゃん?」  …やっぱり。今朝起き抜けに情報番組を見てからずっと、絶対に来るだろうって思ってた。  私は気づかれないように、そっとため息をついた。 「水曜日ですけど。それが何か?」 「…分かって言ってるな、アンタ」  私をからかおうとするそぶりを隠しもしない、センパイのニヤニヤ笑い。 「2月22日、アンタのためにある日…だぜ。なァ、コネコちゃん?」 「…はぁ」  もう、逃げることは出来ないらしい。  私が背にした壁に手をついて、彼は私の顔を覗き込んで笑う。 「いいか、今日は本当にコネコになってもらうぜ…チヒロ」  ものすごく不穏な台詞と、絶対に何か企んでいる微笑。  そのまっすぐな瞳に射抜かれた私は、思わずこくりと頷いてしまった。 ...
  • 07/05/31
    ーーじゃらじゃらに優しくされた。 右手でキーボードを叩きながら、左手では超高速でかりんとうを食べる茜。 この日、茜は9袋のかりんとうを空けていた。 そんなにも茜を苛つかせたのは、もちろん、牙琉響也である。 ついさっき、警視庁に突然現れた響也は、じゃらじゃらと音を立てながら 茜に歩み寄り、コーヒーとクッキーを手渡して言った。 「お疲れ様、刑事クン。これは差し入れだよ、いつもかりんとうばかり食べているから、 たまにはちゃんとしたものを食べてもらおうと思ってね」 響也が、かりんとうを袋ごと投げつけられ、追い返されたのは言うまでもない。 「まったくさくさくさくさくなーにがさくさくさくさく差し入れよさくさくさくさく クッキーのさくさくさくさくどこがさくさくさくさくちゃんとしてるんだっての!……ごっくん。」 ぶつぶつと文句を言いながら、貰わされてしまったクッキーの缶を眺めてみる。 菓子に詳しいわけでは...
  • 07/05/05
    「ねえねえなるほどくん、ホントに捻挫だけなの?」 「ホントだよ。」 「でもでも、10メートル飛んだんでしょ。びゅーんと!」 「びゅーん、かどうかは覚えてないけど。まあ、飛んだみたいだね。10メートル。」 確かもう26歳になったはずだというのに、相変わらずその物言いは幼げで成歩堂は 思わず顔がほころびる。そんな彼の仕草に気づかずに、彼の元相棒は真面目な面持ちで うーん、と考えこむ。 「いいなあ。あたしも10メートル空飛べて捻挫で済むなら、その車に跳ねられてみたい。」 随分と不謹慎な発言をさらりと言ってのける。 「何言ってるんだよ。家元の大事な体だろう。」 成歩堂が軽くたしなめると、まあ、そうなんだけどね。と言って彼女は軽く微笑んだ。 「でもビックリしたんだよ。ホント。」 「僕だってビックリしたよ。」 「心配してすっ飛んできちゃったし。」 「忙しいのに、ありがとうね。」 「えへへ、まあね。…で...
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