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    <title>荒木春彦の書庫</title>
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    <title>ヒッチャー 目次</title>
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    <description>
      ヒッチャー

-[[Chapter 1 「二人だけのドライブ」&gt;ヒッチャー Chapter 1]]
-[[Chapter 2 「ジョン・ライダー」&gt;ヒッチャー Chapter 2]]
-[[Chapter 3 「助けて！」&gt;ヒッチャー Chapter 3]]
-[[Chapter 4 「保安官事務所｣&gt;ヒッチャー Chapter 4]]
-[[Chapter 5 「カーチェイス」&gt;ヒッチャー Chapter 5]]
-[[Chapter 6 「モーテル」&gt;ヒッチャー Chapter 6]]
-[[Last Chapter 「ヒッチャー」&gt;ヒッチャー Last Chapter]]

[[ZIP形式でダウンロード&gt;http://www42.atwiki.jp/hal_kinokawa/?cmd=upload&amp;act=open&amp;page=ヒッチャー%20目次&amp;file=The%20Hitcher.zip]]    </description>
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    <title>トップページ</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/1.html</link>
    <description>
      このページは、ペンネーム「荒木春彦」が執筆した小説を掲載しています。
オリジナル作品や、二次創作、アダルト小説等が掲載されています。

本ページに掲載されている小説の著作権は、すべて私「荒木春彦」が所有しております。
二次創作作品における原作作品の著作権は原作者にありますが、作品自体は作品執筆者である私個人にあります。

これら本ページに掲載されてある作品の内容を他のWebページや新聞・雑誌等の紙媒体で、著者本人の承諾無く掲載しないでください。

以上を承諾いただけましたら、存分に作品を楽しんでください。

2009年7月7日　荒木春彦

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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/16.html">
    <title>作品リスト(ペンネーム別)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/16.html</link>
    <description>
      荒木 治彦(アラキ ハルヒコ)

グラインドハウス支配人

-[[ヒッチャー&gt;ヒッチャー 目次]]

-[[ヒットマン -Code MAHORA-&gt;ヒットマン -Code MAHORA- 目次]]    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/14.html">
    <title>作品リスト(作品別)</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/14.html</link>
    <description>
      ネギま！

-[[ヒッチャー&gt;ヒッチャー 目次]](原作：映画『ヒッチャー』）

-[[ヒットマン -Code MAHORA-&gt;ヒットマン -Code MAHORA- 目次]](原作：ゲーム「ヒットマン」シリーズ)    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/24.html">
    <title>ヒットマン -Code MAHORA- 目次</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/24.html</link>
    <description>
      ヒットマン -Code MAHORA-

-[[prologue&gt;ヒットマン -Code MAHORA- prologue]]
-[[Chapter 1 「Who am I ?」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 1]]
-[[Chapter 2 「Simple Job」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 2]]
-[[Chapter 3 「No.47」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 3]]
-[[Tips.「のどかの日記・その１」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Tips1]]
-[[Chapter 4 「TARGET｣&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 4]]
-[[Chapter.5「THREAT」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 5]]

以上、鋭意製作中。    </description>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/31.html">
    <title>ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 5</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/31.html</link>
    <description>
      Chapter.5「THREAT」

HRが終わった後、ガンドルフィーニは授業のある教室に向かっていた。
途中、若き教師にして魔法使い見習いであるネギ・スプリングフィールドに呼び止められた。
なんでも用務員がガンドルフィーニの忘れ物を見つけたという。
カフェ・テラスで用務員が待っているらしい。
なぜカフェ・テラスなのか聞いたが、幼い彼は

「普段、用務員室にいないみたいなんです」

と、答え、それ以外わからないと言っていた。
昨日、何か忘れ物をしただろうか？
自宅や職員室で何か無くした形跡はなかった。
不審な呼び出しだった。

（まさか……）

ガンドルフィーニは人目につかない物陰に入ると、ジャケットの内側に身につけているホルスターから銃を取り出した。
銃はベレッタM92F。
マガジンを引き抜き、弾数を数えるとスライドを引き、弾丸を薬室に送り込み、安全装置を掛けた。

まさか、自分に接触してくるとは思ってもいなかった。
奴がこの日本に来ている事はしっていたし、５日前の新宿・歌舞伎町の事件も警察庁の公安課の友人が奴が犯人だと目星を付けていると言っていた。
しかし、警視庁も警察庁も積極的に捜査をしないと聞いた。
事件はヤクザ絡みであり、なおかつ国際的な秘密組織が関わっている可能性があるからだ。
その「国際的な秘密組織」は名称は不明だが、あらゆる国家機関・政権と関わりを持っているため、内外から圧力がかかっている。
その為、公安課の友人が一人だけで捜査しているという。
警察庁や警視庁から度々、捜査の中止命令を受けているらしい。
今回だけではない。
何度もこの日本で47号が引き起こした事件は多数ある。
だが、どれもが事故、もしくは捜査中止になっている。
すべては、日本の現政権と関わりを持つ「組織」の存在が原因だった。
友人は奴が引き起こした、もしくは関わりがあるとされる事件を調べ、まとめあげた。
それが「47号事件」。
「47号」は警察の事件分類番号ではなく、犯人の通称である。
「組織」と関わりのある犯人は、世界を股に掛けて犯罪を繰り広げている。
殺人事件とわかるだけで100件以上あり、ヨーロッパや東欧を中心に事件が起きている。
奴に名前はない。
裏の世界では、奴の事はこう呼ばれている。
『沈黙の暗殺者（サイレント・アサシン）、No.47（フォーティン・セブン）』と。
公安課の友人は５日前の事件の目撃者の証言から、犯人は47号だと、昨日の深夜、電話で告げていた。
彼はその時間もまだ家に帰らず、捜査を続けていたらしい。
目撃者は事件のショックでひどく動揺しており、証言に確証はなかった。
少なくとも、ニュースのネタを欲しがるマスコミ以外、警察関係者は重要な事だとは受け止めなかったらしい。
考えてもみれば当然だ。
スキンヘッドだけが特徴としか証言できていないのだ。
東京中のスキンヘッドの男を探すことになるし、第一、証言者の記憶にすぎないのだ。
スキンヘッドの男ではない、誰かが犯人の可能性もある。
事件のショックで記憶が混乱しているとも考えられる。
だが、公安の友人は47号に違い無いと息巻いていた。
ガンドルフィーニもそう思っていた。
この世に偶然は存在するが、偶然は何度も重なったりしない。
だが、彼の前には国家の圧力という大きな壁がある。
友人の一人として助けたいのだが……。

（まさか、奴が私に接触してくるとは……）

これは本当に思ってもいない事だった。
正直な話、友人が抱える事件は対岸の火事だと思っていた。
自身も有能な魔法使いであるガンドルフィーニと、公安の友人は、魔法絡みの事件で何度か世話になっている。
もちろん、友人は自分が魔法使いであることは知らないし、魔法絡みの事件もそうである事を教えていない。
あくまで警察機構の力を借りるだけだった。
また、その礼として、警察機関だけでは対応しきれない事件をそれとなく気付かれないように解決してきた。
二人には魔法という秘密の壁は存在しつつも、持ちつ持たれつの関係だった。
それが今回は飛び越えて、いきなりこっちに来た。
奴は手練の犯罪者だ。
カフェ・テラスでどんな風に待ち構えているかわからない。
しかも公共の場所を指定してきた。
大げさな行動は出来ないだろう。
だが、指定された場所に行かなければ、どうなるか？
ガンドルフィーニは小さな声で何か言葉を呟いた。
物理的な衝撃から身を守る「魔法障壁」。
いざという時は役に立つだろう。
意を決してガンドルフィーニはカフェ・テラスに向かった。

カフェ・テラスは人数もまばらだった。
カフェのスタッフの女性が数人。
後はやはり授業の時間の為に、生徒や教師の姿はなかった。
周りを警戒してカフェの一角に腰を下ろした。
壁を背にした位置に座り、死角に人影が入らないように気を配る。
すると、ガンドルフィーニを目にしたカフェの女性スタッフが駆け寄ってきた。

「ガンドルフィーニ先生。用務員の方から忘れ物を預かってます」

「えっ！？」

女性スタッフは手にしている茶封筒をガンドルフィーニに差し出した。

「あ、ありがとう」

ガンドルフィーニがそういうと、女性スタッフは笑顔でカウンターに戻っていった。
渡されたのは、内側に緩衝剤が入った茶封筒だった。
封を開けずとも、長方形の物体が中に入っているのがわかった。
中の物を取り出すと、それはデジタルカメラだった。
怪訝に思ったガンドルフィーニはカメラの電源を入れた。
内部のメモリに入った写真を閲覧する。
最初はなんでもない、普通の写真だった。
だが、最後の方に写っていた写真に驚愕した。
それは、女子生徒の寝顔の写真だった。
合計３枚。
女子寮の部屋に忍び込まなければ撮影は不可能な写真だった。
そして、その写真に写っている女子生徒に見覚えがあった。
早乙女ハルナ、綾瀬夕映、宮崎のどか。
ネギ・スプリングフィールが受け持つ女子中等部3年A組の生徒だった。

（なんて事だ……）

この写真があるということは、彼女達にいつ危害が加えられるかわからないという言葉無きメッセージだった。
写真の撮影時間を見ると早朝の時間帯であり、しかも３枚は1分の間に撮られている。
自作自演は考えずづらい。
そして、メモリの最後の写真は、一枚のメモを撮影したものだった。
文章の文字を読み取れるように、写真を何枚かに分けて撮影されている。
メモは英語でこのように書かれていた。

『私はお前の名前を知っている。
だが、私は私の名前がわからない。
お前は私を知っている。
だから、私はお前に尋ねよう。

私は誰だ？

（ここから二枚目の写真になっている）

私がお前に渡したカメラには、お前の学校の生徒の写真が写っている。
お前はそれを見たはずだ。
それなら、その意味を理解しているはずだ。
お前は私に協力するだろう。
そうしなければ、刃が彼女達を貫くだろう。
また他の生徒も例外ではない。
いや、生徒だけではない。
この学校すべての教員も例外ではない。

（ここから三枚目の写真になっている）

すべてはお前の行動にかかっている。
お前のするべき事はひとつ。
私に真実を伝える事だ。
だが、私に接触することは、私が認めるまで許さない。
お前はお前が考えるやり方で、私に接触せずに真実を伝えろ。
私が何者なのかを。
お前の仲の良い友人にでも聞くが良い。
私はお前を見ている。

今も良くお前の顔が見えている。』

最後のメッセージを読み、思わずガンドルフィーニは辺りを見回した。

（……奴が、近くにいる？私を監視している？今も！？）

だが、それらしい（最も、誰が『奴』かはわからないが）人物はいない。
ショックを与えるブラフかとも思ったが、すぐにそんな考えは消した。
友人から聞いた『奴』はそんなブラフはしない。
本当に監視するだろう。
どこからともなく、おぼろげに。
人の気配を察知する魔法もあるが、だからといって特定の人間を察知することは出来ない。
第一、いったい誰が『奴』なのかわからない。
『奴』という個体・個性を認識するまで、『奴』であると判別できない。
まさしく幽霊（ゴースト）だった。
ガンドルフィーニは頭を抱えた。
ネギ・スプリングフィールドの受け持つクラスの生徒を人質にされた。
いや、彼女達だけではない。
この学校全員が人質なのだ。
『奴』の意にそぐわない行動をすれば、学校の誰かが死ぬことになる。
このカフェ・テラスを出たら、一切の言動に注意せねばなるまい。
自分の迂闊な行動が、人質の身に危険が及ぶ可能性があるからだ。

（……くそ、彼に聞いた通りだった）

いっその事、奴が現れてくれればよかった。
そうすれば、手段を選ばず、拘束することができた。
だが、姿を現さず、そして一切の行動を束縛されてしまっては、奴を特定することは難しい。
奴……47号が『沈黙の暗殺者（サイレント・アサシン）』と言われる所以がわかった気がした。    </description>
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    <title>ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 4</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/30.html</link>
    <description>
      Chapter.4「TARGET」

のどか達が目覚めると、すでにスキンヘッドの男の姿は無かった。
その代わりにデスクの上にメモ用紙が置かれていた。
英語で記述はこうなっていた。

『What is the No.47 ?』

「『47番って何だ？』何のコト？」

ハルナの頭に疑問符が浮かぶ。

「47という数字が記憶喪失を解くキーワードでは？」

夕映がごくシンプルに分析する。
スキンヘッドの男の事だから、文字通りの意味ではないだろう。

「47という数字が何を指すか。あのハゲさんはそれが気になったのでしょう」

「でも、47って数字だけじゃワケわかんないじゃーん。あのハゲももうちょっと情報残しなさいよね〜？」

ハルナのブーブー垂れる文句の横で、のどかは思った。

「……何か最近の出来事で、47の数字に関連する事があったんじゃないかな？」

「へ？」

「だから、何かその数字に関連する、ううん、数字そのものを調べて欲しいって言ってるんだから、数字そのものが大きなキーワード……」

「……のどかの言いたい事がわかってきました」

「47、その数字に隠れた謎を探って欲しいって事だと思う」

カァ〜ッ！、と上を仰ぎ、ハルナは毒づいた。
改めて面倒な事を押し付けられた、と。
まるで、レオナルド・ダ・ヴィンチのノートに記されたメモを解読するような難解さだ。
47という数字に秘められた謎？
そんな事知るわけがない。

「47……。47番、47号、47式、47回、47年……。可能性は沢山ありますが、情報に振り回されないようにしましょう」

「そりゃそーだ。こんなダ・ヴィンチ・コードごっこは、ダン・ブラウンに任せておけばいいのよ」

「えっ！？でも……」

「大丈夫、ちゃんと調べとくって。でも、学生の本分は勉強、勉強！ほら、さっさと準備して教室いくわよ！」

「その通りです、のどか。……大丈夫です」

ハルナと夕映の笑顔で、のどかは励まされた。

「……うんっ」

授業の準備をし、寮を出たのどかは、ふと思った。

（あ、ご飯……。あの人、ご飯食べたのかなぁ……）

小鳥のさえずる朝を、帽子を目深に被った用務員が足早に校舎の外を歩いていた。
目的は、校舎内の職員室。
この時間は、朝礼が始まる頃だろう。
大勢が行き交う生徒の群れの中、用務員に変装したスキンヘッドの男は避けて通った。
道路に落ちている新聞を見つけては、記事の内容に目を走らせる。
検索キーワードは『47号』だ。

あの黒人教師、ガンドルフィーニの言った言葉。
あれはまさに人物を指していた。
そしてその人物の容姿はまさに自分のそれと同じだった。
『47号』が何者かはわからないが、ガンドルフィーニの言葉からするに、凶暴な奴らしい。
ヤクザか、犯罪者か、殺し屋か。
人物を番号で呼ぶのは何か特別な事でもあるのだろう。
そして奴は『昨日今日』と言った。
なら、つい最近何か起きた筈だ。
『47号』が何かしでかした？

（記事になっていればいいが……）

昨日今日なら、もしかしたら新聞に載るには早すぎるタミングかもしれない。
警察によって情報規制されているかもしれない。
それに、もし自分が『47号』なら、犯人として新聞に載っている可能性は低い。
事件事態が、発覚していない恐れすらある。
もしそうなら、その手際の良さが恨めしい。
結局は、あの男から情報を引き出さなくてはいけないという事だ。
スキンヘッドの男は、新聞をゴミ箱に捨てると、校舎の中へと入って行った。

綺麗な校舎は、生徒で溢れかえっていた。
きっと、清掃業者が力を入れているのだろう。
大理石のように輝いているというのは大げさだが、鏡面加工かと思わんばかりに塵一つ無い。
ふざけながら行き交う生徒の間を縫って、職員室に近づいた。
職員室の扉の窓を見ると、朝礼の真っ最中だった。
教師が次々と、何かの報告をしている。
さっそく、昨夜見たガンドルフィーニの姿を探す、が見当たらない。
教師だと思ったが、違うのか？
……他の学部か？

ドンッ！っと、何か柔らかい物が背後からぶつかって来た。
何の心構えもしていなかったスキンヘッドの男は、鏡面加工のように磨かれた床に手をついて倒れた。

「う、うわわぁ！？」

背後の声の主も、大きな音を立てて倒れた。

「い、痛たぁ……」

それはこっちのセリフだと思いながらも、スキンヘッドの男は身体を起こした。
ぶつかって来た声の主は、ようやくこちらの存在に気付いたようだ。

「あ、すみません！大丈夫ですか！？僕急いでて……すみません……」

見れば、茶色の髪の少年だった。
小学校高学年頃だろうか？
子供用のスーツを着て、背中に長い木の棒を背負っている。
そう思っていると、何やら少年の背後から声が聞こえてきた。

「アニキ、ぶつかるなら男じゃなくて、女の子にした方がいいですぜ？」

「？？？カモ君、何言ってるの？」

少年は自分の肩に向かってそう答えた。
彼も目玉の親父のような存在がいるのだろうか？

「小学生か？ここは中等部だぞ？場所が違う」

スキンヘッドの男は、日本人特有の「こちらもすみません」といった謙虚な態度は取らなかった。
少年に対するごく当たり前の質問をした。

「あ、いえ、僕はその……、この学校の先生なんです。中等部の」

「なに……！？」

男が怪訝な態度を取ると、少年は苦笑した。

「あ、あはは、初対面の人にそう説明すると、みんなそんな顔しちゃうんですよ……。無理もないんですけど……」

「そうか……」

なぜ、こんな少年が中等部の教師なのか？
そんな疑問は沸き起こるが、今はそんな事を聞いている場合ではない。

「名前は？覚えておきたい」

「え？あ……、名前はネギ・スプリングフィールドです。イギリス人です」

「そうか。……スプリングフィールド、この学校に『ガンドルフィーニ』という教師はいるか？」

「はい、いますけど……？」

見つからないなら、燻り出すまでだ。

「伝えてくれ。昨日寮で、忘れ物を見つけた。取りに来てほしいからカフェ・テラスまで来て欲しい。そう伝えてくれ」

「あ、はい。……カフェ・テラス？」

「用務員室に、俺はいない。そこで待ってる。……ホームルームが終わったら、来てくれ。……わかったな？」

「はい、カフェ・テラスに、ホームルームが終わった後……ガンドルフィーニさんにそう伝えればいいんですね？」

ネギは目の前の用務員の男を訝しげに見ていると、男はそう伝え終わった後、目の前から去ろうとした。

「あ、あのっ！お名前は！？」

去り際に、もっとも言われたくない言葉を言われた。
言いたくても言えない。
もっとも、言いたくもないが。

「……知らないほうがいい」

「…………」

しばらく去っていく用務員の姿を見ていたネギは、自分が職員室に急いでいた事に気付いて、急いで職員室に入っていった。

ネギ・スプリングフィールドの受け持つクラス、３年Ａ組は学園屈指の「迷クラス」である。
良く言えば個性的、悪く言えば変わり者の集まり。
あまりにも個性的で自己主張の強いクラスで、彼女達は有名だった。
その担任のネギも、10歳で学園の教師で、しかもイギリス人だ。
そして公然の秘密だが、魔法使いの見習いでもある。
だが、クラスの半数にはその肩書きを知られているのはご愛嬌である。
ばれたら先輩魔法使い達によってオコジョに変えられてしまう。
過去に前例が数件あるだけに、必死にその存在を隠している。
魔法使いだと知られた生徒も、大半は魔法使いとして仮の主従契約を結び、悪く言えば口止めしている。
３−Ａの教室に入ってきた、のどか、夕映、ハルナもネギと仮契約を結んでいる魔法使いの仮の「従者」である。

「おっはよー♪みなの衆〜♪」

「早乙女さん！目の下が真っ黒でしてよ！？また無茶をして夜更かしなさってたんですの！？」

クラス委員長の雪広あやかが、ハルナの目の下のクマを見つけて叱責する。

「いやぁ〜、昨日のウチに描き終らないとヤバくてさぁ〜ｗもうひと段落したから、勘弁してよ♪」

ハルナは自前の愛嬌で何とかあやかの叱責をかわす。
もっとも、当のあやかでさえ、ハルナを本気で叱ってるわけではない。
趣味で無茶をしては元も子もないと、心配しているからだ。
半ば諦めている。

「なら、今日からは夜更かしせず、ゆっくりお休みなさい。夜更かしは肌荒れの元ですわよ？」

「へいへ〜い。わかってるって、いいんちょ〜♪」

のどかはそのやり取りを見終わると、自分の席に座って鞄を置いた。

「……はぅ……」

「確かに眠いです……」

「あっはっは〜♪二人とも景気悪いねぇ〜♪花も恥らう乙女がぁ〜♪」

「ハルナの元気がどこから来るのか不思議です」

「だよねぇ。……昨日は色々あったのに」

話題が昨日の事にのぼると、ハルナも思慮するような顔になった。

「ん……まぁ、ね。確かに厄介事は起きちゃったけどさ」

夕映からは何も聞いていないし、のどかは何もしゃべろうとはしないが、昨夜のどかが寮に戻る途中、何かあったのは確かなのだ。
そしてそれに、あのスキンヘッドの男が関わっている。
そのせいで、のどかはスキンヘッドの男に恩義を感じている。
そして、当のその男は、「47とは何だ？」というメモを残して部屋を去った。
本当に厄介だ。

「もはや、どこから手を付けていいのかわからないですね」

「手がかりが無いもんね……」

「でもさ、検索する手掛かりがないわけじゃないよん？」

思いつめた表情ののどかと夕映だったが、ハルナは閃いたかのように、顔を明るくした。
ハルナは、夕映だけ呼ぶと、ある女子生徒の元に近寄った。
その女子生徒はノート型パソコンを持ち込み、何かを入力していた。
その傍には、ピエロメイクの褐色肌の少女が寄り添っていた。
ノートブックに打ち込んでいる少女の名は長谷川千雨。
寄り添っている少女の名はザジだ。
ハルナに用があるのは、千雨の方だった。

「はろろ〜ん♪元気〜？『ち・う・ちゃん』♪」

ピキッ！という音がした。
どこからかはわからないが。

「あのな……、その名でアタシを呼ぶなっつってんだろ……」

『ちうちゃん』と呼ばれ、イラつき、鋭い剣幕になり、ハルナを睨み付ける千雨。

「べっつにいいじゃ〜ん？もう、ネタはアガってんだし？」

「……うっぜぇんだよ。いちいちそのネタでイジられんのは……」

千雨は『ちうちゃん』と呼ばれる事に腹立たしさを覚えていた。
それは、自分の大切なプライベートの一部を、クラスメートに囃し立てられるからだ。
もし、ハルナに女性特有の陰険でねちっこい意地の悪さがあれば、さらにそのネタで責めていただろう。
だが、ハルナはそうしなかった。
そんな事をいえば、自分だって、少年同士が性的な印象を与える絡みを描く漫画を描いているのだ。
人には晒したくない、自分自身の楽しみがあるのだ。
それを囃し立てるのは、あまりにも情けが無さ過ぎる。

「ごっめんごめん。悪気があったわけじゃないって。ちょっと長谷川にさ、調べて欲しいことがあって」

「なんだよ、それ……」

いったんヘソを曲げた千雨は、柔和な態度になったハルナを訝しげに見た。
ハルナの事だ、どうせロクな事じゃない。
いままでの経験でそれを知っている。
首を突っ込みたくない。
平和で質素だが、ちやほやされる人生を歩みたい。

「お願い、長谷川が頼りなんだ」

「…………」

あの妙に人をからかい、弄ぶハルナが真面目に頼みごとをしている。
少し変だと思ったが、心証は悪くない。

「……なんでアタシが手伝わなきゃいけないんだよ」

「いやさ、長谷川はネットの情報に詳しいでしょ？最近起きた事件で気になった事とかない？」

「……は？事件？」

何の事聞いているんだ、コイツは？
長谷川はすっかり曲げたヘソを戻して、真面目に頼みごとをするハルナが妙だった。
だが、次の瞬間には肝が冷えた。

「……『47』って、知ってる？」

「……はっ」

はぁ？と、続けたかった。
だが、続ける事も出来ずに息継ぎが止まった。

「……ちう？」

千雨の傍に居る少女、ザジが心配そうに千雨の顔を覗き込む。

「……心当たりがあるのですか？」

今まで黙っていた夕映が口を開いた。

「てめぇら……」

息を整えた千雨がやっと口を開いた。

「なんでてめぇらが……『47号』知ってやがる？」

「『47号』？」

ハルナの疑問が口をついて開いた。
夕映は懐から、そっと紙を千雨に渡した。
スキンヘッドの男が書いたメモである。
千雨は息を整えながら、そのメモを手にした。

「マジかよ……」

千雨はメモを手にしたまま、顔に手を付き、溜息を吐いた。

「クサかったんだよ……。ネットでも話題になってた。マジで『47号』が出たって……」

「どういう事ですか？」

夕映はハルナを抑えて、冷静に聞きに回った。
ハルナは一刻も早く聞きたかった。
千雨は、ノートブックのネットブラウザを開くと、検索ワードを打ち込み、ニュース記事を開いた。
それは５日前の記事だった。

「『新宿歌舞伎町・キャバレー店舗炎上。暴力団幹部射殺体で発見』、見てみろコレ」

ハルナと夕映は、そのニュース記事を読んだ。
それによれば、前日の深夜（つまり今から６日前）、東京の新宿・歌舞伎町でキャバレーの入った雑居ビルが炎上しているのを、
通行人が目撃、１１０番通報した。
目撃者によれば、突然の爆発で、店舗の窓ガラスは吹き飛び、炎が飛び出たという。
店舗は一階にあり、空中階はビデオ店やバーなどが並んでおり、一階からの火が移り燃え上がり全焼した。
奇妙な事に隣のビルも同じような店が並んでいたが、炎上したビルだけは死亡した人間ただ一人が残っているのみだった。
その残っている人間は、関東一円を牛耳る暴力団の幹部だった。
黒焦げで物証は少なかったが、歯型の鑑定により特定された。
死因は火傷によるショック死や焼死などではなく、銃による射殺だった。
遺体に銃弾の痕跡が有り（銃弾は貫通し、店内の壁にめり込んだ状態で発見された）、死後に焼かれたものと断定された。
謎なのは、なぜ被害者ひとりだけが店内に居たのか？
推測だが、犯人は一階キャバレーに来た際、何らかの方法で被害者以外を店内から追い出し、被害者を殺害後、店内を爆破、炎上させたのではないか。
何故犯人は被害者を密かに殺害しなかったのか？
なぜこの場所で殺害したのか？
そもそもなぜ被害者を殺害する理由があったのか？
警察の緻密な捜査で明らかになるだろう。
……そう記事は締めくくっていた。

「ワイドショーに載る、ただのヤクザの抗争か何か、初めはそう思ってたんだよ。けどな……」

千雨は別の記事を開いた。
その記事に、ハルナと夕映は言葉を失った。

『キャバレー炎上殺人事件に、新証言。犯人はスキンヘッドの男』

事件の翌日、キャバレーの従業員が警察に出頭、先日のキャバレー炎上殺人事件の重要な証言をした。
その従業員はボーイだった。
事件当日、沢山の客を出迎えた。
被害者の暴力団幹部「山口静夫」も出迎えた客の一人で、上客だった。
実は事件現場のキャバレーは、被害者の暴力団組織が運営する店だという。
被害者の山口静夫は遊びで来ていたというが、仕事で来ていたのかもしれないと、ボーイは証言した。
その前後……いつだったかはわからないが、犯人らしき男が店に来たという。
事件のショックで記憶が曖昧になり、被害者の前か後、どちらかはわからなくなってしまったそうだ。
だが、とにかくボーイは犯人らしき男を見たという。
なぜ犯人だと思うのか？
容疑者が店内に入った後、ボーイはその男の姿を店内で見つける事が出来なかった。
入店後、ホステスが接待したが、そのホステスの姿も見失ってしまったらしい。
入店した客や、接待するホステスを、丸ごと見失う事など普通ではない。
ボーイは、店内にいる客から消去法で、男を割り出した。
スキンヘッドの30代前後の男で、高級スーツを着こなしたビジネスマンらしき人物だったという。
すぐにボーイが店内の他の従業員に知らせたが、一向に見つからなかったという。
その時、店内の警報ベルが鳴り、消火装置によって天井からスプリンクラーが噴出した。
その後は、店内の客とホステスを店内から逃がし、自身も店内から店外の路地へと逃げた。
しばらくして、店内から炎が吹き出て、炎上したという。
事件発生時、従業員や、空中階のテナントは誰も事件の通報をしなかったという。
逃げ出した時に居合わせた通行人がその場で警察と消防に通報したそうだ。
その後、警察の事情徴収から逃れ、今日に至ってようやく出頭したという。
事件の後、従業員は全員バラバラになり、誰が死んで誰が生きているのかわからない状態だという。
先の犯人らしき男と共に消えたホステスも消息不明だそうだ。
警察は引き続き、ボーイに事情徴収し、ボーイの証言した「スキンヘッドの男」の行方を捜索している。

「どうした？顔青いぞ？」

「……へっ！？い、いや別に！？ね、ね？ゆえ〜」

「え、えぇ、なんでもないです」

「まぁいいけど。……このボーイの証言が記事になって、ネットは話題騒然になったよ。『47号』が現れたってね」

「……なんなのですか、『47号』とは」

千雨は記事のページを閉じると、別のページを開いた。

『47号事件まとめサイト』

そこには、数々の事件が詳細に記されていた。

「『47号』っていうのは、日本で起きた事件の通称だよ。犯人は状況証拠から特定の人物に絞られてる。
スキンヘッドの30歳前後の男。高級スーツに身を包んだ殺しのスペシャリスト。
裏の世界の称号は『沈黙の暗殺者(サイレント・アサシン)』……『ナンバー４７（フォーティン・セブン）』」

「暗殺者……？」

「ま、マジ……？」

真っ青な顔で聞き返す二人に、千雨は緊張を解いた。

「マジも何も、『都市伝説』だよ。漫画の『ゴルゴ１３』みたいな存在だよ」

二人は千雨の言葉に呆気を取られた。

「と、都市伝説？」

「つまり……存在しない？」

千雨は呆れて答えた。

「つまり、いるもいないも、それ自体がわかんないんだよ。ネットの噂のひとつにすぎねーって事」

二人も千雨の言葉に緊張が解けてきた。

「さっきまで偉そうに脅かしてたけど、さっきの事件はただ単にスキンヘッドの男が犯人ぽいってだけ。
噂話好きなネットの住人が都市伝説に感化されて、似たような犯人像の事件を結びつけて『47号事件』って呼んでるだけ。
ただの都市伝説だよ」

はぁ……という溜息が二人から漏れた。
それは安堵の溜息だった。
千雨に感化されて、思わず本気になってしまったが、千雨の言う通り、ただの都市伝説に過ぎないのだ。
確証もなにもない、ただの噂だ。
だが、千雨だけは、してやったりな表情をしている。

「……ったく、ビビってんじゃねーよ。こんな噂、ネットじゃごまんとあるぜ？っていうか、ネットに疎そうなお前らが、なんで『47号』知ってんだ？誰だ、コレ書いた奴？」

この千雨の突然の切返しに、ハルナは慌てて返した。

「あ、いやあの！あたしのネットの友達がさ、チャットで聞いてきたんだよ！そのチャットの文字をそのまま書き写しただけ！
あたしも話題になったから気になってさ。自分ひとりで探すのも難しかったから、長谷川に聞きたかったんだ！」

千雨は憮然とした顔でハルナを見ていた。
今の答えを追求してみたかったが、もうHRも近い。

「わかったわかった。お前の知的好奇心は満たしてやったから満足だろ？ほら、さっさと自分の席に着けよ」

「あ、うんうん！ありがとね〜ちうちゃん♪」

「すみませんです」

ハルナは慌てて自分の席に戻り、夕映はお辞儀をしてから席に戻った。
二人とも、この話をのどかにするか迷っていた。

「……さっきの紙キレ、スキャンしたか？」

千雨は聞こえないような小さな声でそう呟いた。
すると、千雨の傍から小さな小動物のような精霊が現れた。

『はい、紙の材質、筆記具、筆跡、指紋、スキャンできるものはすべてスキャンしました』

妖精はデフォルメされた玩具企業のマスコットキャラクターのような外見をしていた。

「警察のデータベースにハッキングするか？一致したらマジモンだぜ、こりゃ」

『通報しますか？』

「本人がいなきゃ意味ねーよ。でも、あのトボケた３人組に接触してるのは間違いねーし、しかもこの文字……。面倒な事になってやがんな」

千雨は机に肘を付き、手に顔を乗せてため息をついた。

「なんでこの学校は、こんな面倒ばっかおきるんだ？アタシはつつましやかだけど平和な、それでいてちやほやされる生活があれば満足なのによ」

『出過ぎた事を申しますが、ネギ先生と関わってからのマスターは楽しそうに見えますが？』

「うるせーよ」

千雨から聞いた話はかなりショッキングだった。
47とは特定の人物……犯罪者の通称であり、彼が関わったとされる事件の総称の事だった。
『47号』という言葉の意味に二人の気分は完全に気落ちしていた。
HRが始まるという事で、ハルナと夕映はのどかには、千雨から聞いた事は告げず、教室に入ってきた担任教師、ネギ・スプリングフィールドに挨拶をした。
おそらく二人とも同じ事を考えていた。

『47号の事をのどかに話すべきだろうか？』

『今後、あの男とどうやって接すればいいのだろうか？』

千雨は都市伝説と脅かしたが、昨日現れたあの男は特徴が一致している。
スキンヘッドで後頭部にバーコードの刺青を入れた人物など、特徴的すぎる。
それ以外何も特徴がないのに、そればかりが特徴的で、二人には恨めしかった。
あのスキンヘッドの男……47号は知っているのだろうか？
その数字の意味を。
聞かれるのが怖い。
二人は頭の上に重くのしかかる問題を、授業の終わる昼休みまで考える事をやめた。
HRが始まり、授業が始まってしまえば、好もうと好まざるとその問題を考える事もないのだから。
一方ののどかは、二人が帰ってきてからの様子を伺い、不安な気持ちを抱いた。
表も裏も情報を知る事が出来る千雨から話を聞いてきたのだ。
何かしらの収穫はあったに違い無い。
だが、それが良い情報かどうかは、あの二人の表情でわかった。
のどかは、二人からの情報を聞かずとも、心が苦しかった。
最悪の事態も可能性として考えたが、現実は悪い情報しか開示されなかった。
命の恩人が、犯罪者かもしれない。
すくなくとも、それに関わる人物。
二人の様子からはそうとしか考えられなかった。
のどかのアーティファクトを用いらなくても、十分察することが出来る。

……でも、それでも。
あの人を助けたい。
昨日の、あの人の助けを聞いたから。
助けを求める人を助けられなくて、魔法使いになんかなれない。
のどかはHRで連絡事項を伝えるネギを見た。
もう、助けを求めるだけのヒロインにはなりたくない。
誰かを助けられる、強い人間になりたい。
……それが、あの人に助けられた恩義でもあるのだから。

-[[Chapter.5「THREAT」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 5]]    </description>
    <dc:date>2010-03-19T14:05:27+09:00</dc:date>
    <utime>1268975127</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/29.html">
    <title>ヒットマン -Code MAHORA- Tips1</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/29.html</link>
    <description>
      Tips.「のどかの日記・その１」

『今日は長い一日でした。
ネギ先生の楽しい授業を受けて、魔法の練習をして、ゆえの漫画の手伝いをして。
でも、楽しい事だけじゃなかった。
……ううん、もう今日ですべてが終わるんじゃないかって、思った。
後悔した。
そしてあんな夜遅くに出歩く自分を責めた。
あんなに、あっという間に幸せな日々が終わるなんて、思ってもいなかった。
でも、それはいつも身近にある脆い日々だった事に気付いて。
私は怖くなった。
今日は、まさにそれに気付いて、そして心の整理がつく前に一方的に、楽しい日々を終わらせる出来事が起こった。
この日記を書いてる時も、まだあの時の怖い体験を思い出して、切なくなって、涙が出てくる。
明日は早退して、病院に行こう。
そして、あの人の事も考えよう。

あの人……名前の分からない、名前の知らない人。
私を悪夢から助けてくれて、楽しい日々を過ごす事を許してくれた人。
何の誤解も無く、私の命の恩人。
その人は、強くて、誠実で、でも、自分が誰か分からずに助けを求めてる。
自分より遥かに年下の私達に。
あの人が私を助けてくれたように、私があの人を助ける事が出来るはず。
それが、何よりの恩返し。

でも……私は怖い。
あの人の正体を知ってしまうのが怖い。
あの人も自分で言ってた。
『自分は犯罪者かもしれない』って。
……もし本当にそうだったら？
私はあの人を軽蔑せずにいられるだろうか？
あの人を尊敬できる私でいられるだろうか？
だから私は……アーティファクトを使いたくない。
使えば、すぐに誰だか分かるのに。

あの人を助けたいと思う一方で、
あの人を助ける手助けに躊躇する。
私はずるいと思う。
私の預かり知らないところで、あの人の記憶が戻りますようにって、そう思っているのだから。

どうか、神様。
私の知ってるあの人を、あの人が望む形で助けて下さい。
そして、願わくば……あの人が記憶を取り戻しても、あの人の誠実さと真心を保ってくれるようにしてください。
お願いします。』

-[[ヒットマン -Code MAHORA- 目次&gt;ヒットマン -Code MAHORA- 目次]]    </description>
    <dc:date>2010-03-19T14:03:37+09:00</dc:date>
    <utime>1268975017</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/28.html">
    <title>ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 3</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/28.html</link>
    <description>
      Chapter.3「No.47」

バタンという強いドアの閉める音で、のどか、夕映、ハルナの三人と、名前のわからないスキンヘッドの男は隔絶された。
部屋の中ののどかと夕映は疑問だった。

「なぜ、部屋のシャワーを使わせなかったのですか？」

「そ、そうだよぉ。あれじゃ、あの人見つかっちゃうよぉ〜」

二人の疑問に対し、ハルナは不敵な笑みを浮かべた。

「それなら、それまでの男だったって事じゃん？」

「え、えぇ！？」

「ハルナの言いたい事がサッパリです」

ハルナは真剣な顔になった。

「のどかがどれだけあの男に恩義があるか知らないけど、素性も知らない男なんだよ？しかも、怪しい注射器持ってた。二人は怪しいと思わないの？」

のどかと夕映は困惑しながら顔を見合わせた。

「確かに、素性はわかりませんし、普通の人ではないと思います」

「…………」

「でも、あの人は悪い人ではありません」

「夕映、アンタ本気で言ってる？冗談だとアタシ怒るよ？」

「……本気です」

「ゆ、ゆえ……ハルナ……」

ハルナはスキンヘッドの男を信用出来なかった。
ある時、突然のどかが捨て犬を拾ってきたかのように部屋に連れて来て、助けて欲しいと親友に頼まれたのである。
しかも本人は何も言わず、のどかに言わせた。
その上、可愛い子犬ならともかく、いかつい猛犬である。
のどかには悪いが、ハルナにとっては迷惑この上なかった。
一方の夕映には、男を助ける事が、恩義を返す事だと思っていた。
のどかは詳しくは語らなかったが、のどかの身に何があったのかは容易に想像がつく。
そんなのどかを窮地から救ったのがあの男だというのは、のどかの様子からわかった。
親友の恩人は、自分の恩人に等しい。
そんな恩人を、夕映は助けたかった。

「ま、そう言うと思ってたけどさ……。アタシは納得出来ないんだよね、アンタ達が納得しててもさ」

「……あの人を助けるに足る理由が欲しい、というわけですか？」

「そういう事。自分からは何も喋んないし、助けて欲しいとも言わない。まるで記憶喪失になっても、『あぁ、それが何？』って、何その態度？可愛げがないのよ」

「可愛げって……」

「必死さが伝わんないのよ。あの男自身からのSOSが欲しいわけ。自分から助けて欲しいと言わない奴に、助ける気が起きるわけないでしょ？」

「それでは……なぜ大浴場に？」

「見つかりたくなくて、私達に助けを求めてるなら、見回りぐらい避けて戻ってこれるでしょ？出て行きたいなら、出て行けばいいし、必死じゃないなら、見回りにも見つかっちゃうわよ。つまり本気なのか試したかったわけ」

夕映はため息をついた。
普段はお調子者だが、いざという時はこれだ。

「……厄介払いしたいのかと思いましたです」

「あ、それもあるよ？」

「…………」

寮内を、闇に紛れて動く影があった。
だが、それはあまりにも堂々としていた。
あたかも、本来の影の一部であるかのように。
男は、階段の踊り場にいた。
金属プレートのマップに、寮内のフロアの地図が載っていたので、場所を知る事が出来た。

（３階……大浴場か）

見回りの人間もいなかったし、正直茶番のように思えた。
これではいくらなんでも楽勝ではないか？
大浴場まで目前だが、ここまで何もないと逆に不気味に感じる。
ふと、廊下から足音を立てながら近づく気配を感じた。
それも急にだ。
男は廊下の窓から差し込む光が作り出す影にそっと身を隠して、近づいてくる気配を探った。
気配は、廊下の奥の暗闇から窓の差し込む光へと姿を晒した。
黒人だった。
アフリカ系ではなく、白人やラテンの血が混じっているのだろうか、アラブ系に近い。
短髪の黒髪で、ソリッドタイプのメガネを掛けている。
そして、鼠色のスーツを着ている。
おそらく、学園の教師だろう。
だが、それにしても学園の教師が寮内を見回りとは変わっていた。
普通は警備員や用務員がするものではないか？
男は黒人の教師と、大浴場の入り口に挟まれていた。
男は、屈みながら、ゆっくりと後ずさりする。
が、黒人教師の歩みは速く、どんどん近づいてくる。
男は覚悟した。
だが、覚悟とは諦める覚悟ではない。
『目の前の障害を排除する覚悟』だ。

『排除』する？

（……なぜ、そんな風に考えるんだ？）

自然に沸いた考えに、男は違和感を感じた。
だが、『排除』するという答えの出し方自体に、違和感を覚えなかった。
『逃げる』でも『隠れてやり過ごす』でもない。
『障害を排除する』という考え方だ。
もっと平和的に危険から逃れる方法がある筈なのに。
そしてその事、事態が違和感だった。
男は大浴場入口付近の隅の陰に隠れた。
黒人教師は大浴場入口まで近づいた。
男と黒人教師の距離、その差３メートル。
目と鼻の先だった。

『光る風を追い越したら〜、君にきっと逢えるね〜♪』

ふと、突然曲が鳴り出した。
なんともテンションの高い妙な曲だった。
黒人教師はズボンのポケットから携帯電話を取り出すと、応答した。
曲は携帯電話の着信メロディだった。

「はい、ガンドルフィーニです」

黒人教師は電話の相手にそう名乗った。
ガンドルフィーニは、声を寮内に響かせないように、控え目に声を絞っていた。

「……そうですか。いえ、情報ありがとうございます。いえ、お蔭様で。」

男は声を押し殺し、影になろうとした。
背景の一部分になれば、それは存在を消したも同じだからだ。
だが、その思いも、ガンドルフィーニの言葉で消し飛んだ。

「……『47号』は行方不明ですか。はい、こちらも警戒してます。何せ、昨日今日ですから。いえ、何かあったら応援に向かいますよ」

47号……？
男は不思議とその言葉に聞き覚えがあった。
『47号は行方不明』？
何の事だろう？
とにかく、穏やかな内容ではない事は確かだ。

「とにかく、焦らないで下さい。奴の脅威はあなたがよくご存知のはずでしょう。木乃伊（ミイラ）取りが木乃伊なんて洒落にもなりませんよ」

ガンドルフィーニはまだ入口の前に立ち、携帯電話で話しをしている。
このままでは、大浴場に入ることが出来ない。
男は次第に苛立ちを覚えていた。

「……わかっています。奴の特徴は、『スキンヘッド』に『後頭部のバーコード』ですね、わかっています。『47号』を見つけたら、取り押さえます」

……男は肝が冷える思いだった。
今、ガンドルフィーニはなんて言った？
『スキンヘッド』に『後頭部のバーコード』？
『47号』？

（俺の事か……！？）

男はそこに座っているのも忘れて、ガンドルフィーニを見上げた。
ガンドルフィーニはその後、二、三の挨拶言葉を交わして、電話を切った。
その後、辺りを見回して、ため息をついた後、廊下の方へ向き直った。
気付かれていない……。
ガンドルフィーニが廊下へ向かって歩き出したのを見て、男は緊張を解いた。

いっそ、気付いてくれていたら、堂々と取り押さえ、知っている事を吐かせられたかもしれない。
いや、そうでなくても、奴を取り押さえれば、真実を知る事が出来た。
千載一遇のチャンスを逃した事に焦りと後悔の念が沸き起こる。
だが、それはすべて「恩義ある宮崎のどか」に迷惑を掛けたくないという一心から、冷静になれた。
ここで騒ぎを起こせば、芋づる式にのどかに迷惑を掛ける事になる。
そんな事だけは避けたかった。
ガンドルフィーニに関しては、後日改めて調べる必要がある。

（……ガンドルフィーニ。貴様の名前、覚えたぞ）

自分は『47号』かもしれない—。
大浴場のシャワーを頭から被りながら、男は思った。
ガンドルフィーニの言葉を思い出す限りは、『スキンヘッド』に『後頭部のバーコード』が特徴だという。
それはまるっきり自分の事ではないか。
だが、逆説的に考えると、47号ではない自分は何なんだろう。
何の特徴もない、埋没した個性のその他大勢。
主たる主がなく、まるで空気のように存在感がない。
……アイデンティティが無い。
名前は個性以上の個性だ。
特技や性格などの特徴よりも、雄弁に個を語る。
その人物一人にしか付けられていない、自身の証明だ。
逆に言えば、名前が無いという事は、『誰でもない』という事だ。
個人を証明する事が出来ず、個性も無い。
全くの無だ。
人と人の繋がりを明確にする事も出来ず、霧のように動くだけ。
それは生きながら死んでいるようなものかもしれない。
名前が分からないというだけで、こんなにも『自分という人格』が分からなくなるとは思ってもいなかった。

（俺は……何者なんだ。……俺が47号なら、それでもいい。俺が何者か……教えてくれ）

いや、そもそも、自分は記憶喪失だと思い込んでいるだけで、本当は名前も記憶も元から無いのかもしれない。

（なら、何故俺は存在するんだ……？）

男は足元から崩れ、シャワーを浴びたまま跪いた。
そして、溢れる涙に、男は両手で顔を覆った。

のどか達の部屋をノックする音が響いた。
だが、それはハルナが決めた合図とは違う。

「だ〜れ？こんな時間に何の用？」

ドアを挟んだ向こう側で、男の声が響いた。

「俺だ。……名前のわからない男だ」

男の声は弱々しかった。
ハルナは怪訝に思ったが、ドアはまだ開けなかった。

「名無しの権兵衛さんがウチに何の用？」

「…………」

男は言いよどんだ。
言うべきか。
言えば、彼女達に迷惑を掛けるに決まっている。
……だが、頼れる相手がいない。
……何より、助けてくれる相手がいない。

「……助けて欲しい」

「…………」

「俺は……自分が何者かわからない。だが、たったそれだけで、自分が誰か分からなくなって……不安になる」

「……ハゲ……」

「……助けてくれ……。俺を……助けてくれ……」

男の言葉は、鼻声だった。
時折、鼻を啜る音が聞こえる。
二人を遮っていたドアは開かれた。

「……最初っから、そう言えばいいのよ♪」

「ハルナは素直じゃないです♪」

「ハルナ〜♪」

男は三人の前で頭を下げた。

「頼む……協力してくれ」

のどか、夕映、ハルナの三人はお互いの顔を見合わせると、男に笑顔を向けた。

「さぁさ、いつまでもそこに突っ立ってんじゃないの。ほら、上がった上がった！」

「ちょっと抵抗ありますが……ハゲさんにはここで寝てもらいましょう」

「う、うん……。変な事しないって信じてるもんね」

男は、ハルナに腕を引っ張られ、部屋に上がったが、急激な倦怠感に襲われた。

「大丈夫だ……。俺はここに座って寝る。何もしない……」

「はいはい、わかってるわかってる。って、何アンタ、その格好？」

ハルナは今更ながら男の姿に気付いた。
帽子を被った用務員の格好をしているのだ。
男の存在を分かっていたからいいものの、知らなかったら本当に用務員だと思ってしまいそうだった。

「アンタ……変装の名人ね。っと、その手に持ってるのは、着てたスーツね。こっちのハンガーに掛けて乾かしましょ」

ハルナと夕映は、男の着ていたスーツをそれぞれハンガーに掛けて部屋干ししようとした。
が、そのスーツを改めていると、驚く事に気付いた。

「ちょっ！？これ、アルマーニじゃん！うそぉ！？」

「ほ、本物です……。気付きませんでした……」

「も、もしかして……お金持ちなのかなぁ？」

そう思い、三人は男を見るが、当の本人は壁を背に膝を抱えるようにして眠っていた。
三人はため息をつくと、自分達も眠りの時につく事にした。
今日はとても長い一日だった気がする。
そして、この日から始まる一日一日も、長い一日になる気がした。

-[[Tips.「のどかの日記・その１」&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Tips1]]

-[[Next Chapter 4 「TARGET｣&gt;ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 4]]    </description>
    <dc:date>2010-03-19T14:01:37+09:00</dc:date>
    <utime>1268974897</utime>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/27.html">
    <title>ヒットマン -Code MAHORA- Chapter 2</title>
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      Chapter.2「Simple Job」

早乙女ハルナと綾瀬夕映は大雨の寮の中、悩んでいた。
修羅場が終わり、緊張の糸が解けると同時に眠りに誘われた後、親友の宮崎のどかに起こされると、その隣に全身びしょ濡れのスキンヘッドのセールスマンが立ってるいるではないか。
のどかの事だから、大胆にも想い人のネギ・スプリングフィールドかと思ったのだが、目の前にいるのは厳つい白人の大人だ。
正直、ドン引きだ。
特にハルナは、相手がネギでない事に相当ガッカリしている。
別にハルナはネギが特別好きというわけではない。
「ラブ」というより「ライク」な方だ。
むしろ、片思いなのどかが、意を決して想い人を部屋に連れ込んだというシチュエーションに「萌え」るのだった。
そのはずだったのだが、連れて来たのは、見たこともない、まるで海外ゲームの主人公みたいな大人の男だった。
よからぬ期待を裏切られたハルナは相当ガッカリしていた。
夕映はハルナとは違い、嫁入り前どころか、中学生の女子が、深夜に大の男を部屋に連れ込むなど、関心できる事ではないと思っている。
しかし、のどかは世間知らずだが、悪気があってするような子ではない。
問題は、なぜのどかがこの男を連れて来たのかが、根本的な問題であり、のどかの所謂「ふしだら」な行為を咎めるのをいつにしようかというタイミングの問題である。
まず、のどかの言い分……このガチムチ野郎を部屋に連れて来た理由を聞こう。

「……色々と聞きたい事はあるのですが……。まず、その人はダレですか？」

「え？えぇ……っと……」

「…………」

のどかはいつものように半ば挙動不審に慌てながら、夕映とスキンヘッドの男を交互に見て、言葉を探していた。
が、肝心のスキンヘッドは何も語らない。
その理由は、のどかは知っている。

「えっと･･････『わからない』……んだって」

のどかは、あはは……、と苦笑いしながらそう答えた。

「……は？」

夕映は呆れた顔で聞き返した。

「えっと、だから……名前が分からないんだって……」

「…………」

のどかはそういうと、チラっと男を見るが、少女達を見下ろすだけで、何も語ろうとしない。
せめて、何かフォローしてほしいと、のどかは思った。

「ヘ〜イ、ダンディ・メ〜ン。アナタノ、オナマエ、ナンデスカー？」

ハルナが何を思ったのか、笑いを取ろうとしたのか、片言の日本語で、男に聞いてきた。

「……わからない。自分が何者かもわからない」

それは流暢な日本語だった。
明らかに白人だが、国籍を識別するのが難しいほど、身体的な特徴はなく、毛髪に至っては黒だ。
顔立ちでなんとか黄色人種ではないと識別できるが、それでも、この流暢な日本語では、日本人ではない、と断言することも難しい。

ムー、とハルナはようやく真面目に事態に取り組んだ。
夕映はやれやれ、といった顔で、再びのどかと男を詰問した。

「のどか……なぜこの人を部屋に連れて来たのですか？」

「え、えっと、……記憶喪失みたいだったから、放っておけなくて……」

「だとしても、部屋に連れて来ることはないです。病院か警察に伝えればいいだけの話でしょう」

「えっ！？あ……あの……そ、それは……」

のどかの声に力が無くなってきた。
なぜ病院か警察に伝えなかったのか、と問われれば、自分が先に遭遇した「危機」を話さなくてはいけなくなるだろう。
女性にとっては、たとえそれが未遂であっても、心に深く傷つく出来事である。
未遂であれば、時が経てば直るであろう。
しかし、ほんの数日で忘れる事は難しい。
それに、告白してしまえば、未遂であったとしても、「キズモノ」扱いされるであろう。
そして、知られた人間には、一生そういう目で見られてしまう。
のどかはそれが怖かった。

「それは……えっと……えっと……」

のどかはだんだん胸が苦しくなり、目頭が熱くなってきた。
告白する事が怖かった。
親友に告白することが、想い人に知られる事が。
毛嫌いはしないだろうが、腫れ物を扱うようによそよそしく接されるのが悲しい。

「えぅ……その……その……」

そののどかの声を遮ったのは、スキンヘッドの男だった。

「俺が拒否したからだ。」

「え？」

夕映、そしてのどかが声を上げた。

「俺は自分の事を何も覚えていないが……、だからと言って自分が犯罪者ではなかったとは言い切れない。警察や病院の世話になるのが嫌だった。だから無理矢理連れて来てもらったんだ」

「…………」

夕映は、直感だが、この男のこの言葉は口からの出まかせではないかと思った。
何より、のどかへの質問を遮るように、男が割って入って答えたのだ。
のどかを庇う為の嘘の可能性が大きい。
だが……、

「この少女は悪くない。俺が無理を言ったんだ。……何か文句があるか？」

その嘘に乗ろうと思う。
それがのどかを守ることになるのなら。

（ごめんです、のどか……）

のどかを知らずに苦しめていた事に気付いた夕映は心の中で謝罪した。

「……幼い少女をかどわかして部屋に入り込むなんて、文句大有りです。今、警察に通報すれば、あなたは少女を誘拐した現行犯です」

「ゆ、ゆえ〜」

「…………」

夕映は男への厳しい目を閉じて、腕を組んだ。

「……ですが、のどかの言う通りなら、のどかがあなたを助けたいと思ってここに連れて来たのなら、行為自体は褒められる事ではないですが、その心意気やあっぱれ、というべきでしょう」

「ゆ、ゆえ……！」

「ゆえ……アンタ、マジ？」

夕映の目は穏やかになり、長身のスーツを着たスキンヘッドの男に語りかけた。

「あなたは記憶喪失の迷える羊。助けが欲しいのはわかります。誰しも、助けが欲しい時にこそ助けを求めるものです。私達があなたを助けますです」

「…………！」

のどかは嬉しかった。
てっきり追い返せとばかり言われると思っていた。
道端でダンボールに入った子犬を拾ってきたのか、と問われれば否定できないが。
それでも、自分を守ってくれた恩義ある人である。
困っているのなら、ぜひとも助けたかった。
その思いを叶える事が出来て嬉しかった。
だが、その思いとは別に、思いを馳せる人物がいた。

「ゆ、ゆえ！？わ、私達って？」

「私とのどかと、ハルナに決まっていますです」

「ま、マジで！？勘弁よ、アタシ！こんな萌え要素の一つもない、ガチムチ野郎の面倒見なきゃいけないわけ！？ホモマンガの題材にしかならないわよ！」

「……さっきまで描いてたあのマンガは何なのですか？」

「あれは『ヤ・オ・イ』！ホモじゃないの！ヤオイとホモは根本的に違うの！美的にも違うし、萌えないの！とにかく違うの！」

「は、ハルナ……そんな事言わないで、手伝って……」

「嫌ーよ！10歳ぐらいの可愛らしい子犬みたいな男の子だったらともかく、こんな洋ゲーの主人公みたいなの、相手にしたくないわよ！私は和ゲー派なの！エフ○フよ！テイ○ズよ！は？ウォーク○フト！？死ねよ！」

何が何だか知らないが、ハルナは妙な事を口走って協力を拒否している。
しかも、それはスキンヘッドが、ガチムチ野郎で萌え要素が何一つ無いからだという酷い理由だ。

「そうですか……それは仕方がありませんです」

「フーン！」

「ゆ、ゆえ……」

夕映はハルナに背を向けた。
そして、懐から何かを取り出した。

「この前、朝倉さんから貰った、この『ネギ先生と小太郎君が戯れる写真』10枚撮りを、ハルナにあげるつもりでしたが……ハルナが手伝ってくれないのなら、もういいです。委員長に高値で転売しますです」

この言葉に、ハルナの耳が動いた。

「……え？ちょっまっ……マジで？なにそれ！？くれるの！？」

ハルナは食いついた。

「……委員長に売れば高値が付きますです。友情の証のつもりでプレゼントするつもりでしたが……やはり売ってしまったほうがいいみたいですね」

「ままままっまままま、待った！待った！ゆえ、待った！何も売ることはないんじゃない！？やっぱりお金より友情のほうが大事だと思うけどな、おねーさんは！」

ハルナはおおいに慌てた。
夕映は内心、ほくそえんだ。
釣り針に食いついたハルナは、ちょっとやそっとじゃ針を離さない。
餌が「ショタ萌え」ならなお更だ。

「いえ、やっぱり需要の高いところへ渡すのが、公平だと思うです。ハルナがいらないというのなら、より需要の高い委員長に売るというのが普通……」

「いやいやいやいやいやいや！委員長より高いよ！アタシは！需要は！ぶっちゃけ、欲しくないわけないじゃん！」

「……しかし、ハルナにはタダであげるわけですし……何かの見返りがなければ、私が損です。何より、協力してくれないのなら、あげるだけ損です」

「いやいやいや！協力しないわけないじゃーん♪何言ってんのぉ〜♪友達でしょぉ〜、アタシ達ぃ〜♪」

夕映は「釣れた」と確信したが、まだまだダメ押しをする。

「……そうですね。やはり友情は大切です。なら、この写真の半分を『前金』として渡しますです」

「……へ？『前金』……？」

「……友情は大切です。掛け替えの無いものです。途中で協力を放棄するなど、友情とは言えないです。……そうですね？」

夕映の眼光が鋭く光った。
この時、ハルナは内心思った。

（しまった！ハメられた！協力できないなんて、もう口に出来ない！）

「う、うん、そうだよねぇ……。そんな奴友達じゃないよねぇ……。あ、あは、あはははは……」

夕映はにっこり笑い、写真の半分、５枚の写真をハルナに渡した。

「どうぞです」

「！！」

肝がすっかり冷えたハルナだったが、写真に写っている光景を見て、一瞬で桃源郷へ上り詰めた。

「ありがとぉ〜〜♪ゆえ〜〜♪キャッホーイ♪」

写真を手に、くるくると舞っている。

「ゆ、ゆえ……あれでいいの？」

思わず心配になって声を掛けるのどかだが、

「よいのです。本人が納得すれば問題ないのです」

と、夕映はキッパリ答えた。
のどかは、そんな夕映に、

（ゆえ……恐ろしい子っ！！）

と、戦慄したとかしないとか。
そして、当のスキンヘッドの男は、

（俺はあの写真に負けたのか……？）

と、困惑していた。
そんな男に夕映が近寄っていた。
のどかに聞かれないように、背伸びして、男の耳元に近づいて。

「のどかを……助けてくれてありがとうです」

そう言って、夕映はにっこりと男に微笑んだ。
それは裏表のない、純粋で暖かい感謝の笑顔だった。
男は戸惑った。
こんな暖かい笑みを受けた事があっただろうか？
失った記憶を遡る。
が、失ったデータを探っても、霞がかっているだけで、まるで覚えが無い。
そして、記憶を失ってから、今までも、そんな記憶は一度もない。
いつも、誰かが、恐怖に顔を歪めていた。
だから、初めて笑顔をくれた事に戸惑っていた。
……どうしたらいいのだろう？

「……こんな時、どうしたらいいのか……俺には分からない」

夕映は笑みを崩さず、男を真剣に見つめ、答えた。

「笑えば……いいと思うです」

笑う……？
この俺が笑う……？

男は思わずのどかを見る。
のどかはどきりとしたが、苦笑いしながらも、眩しいばかりの笑顔を男に向けた。

「笑うって、心から幸せになれるんですよ」

笑うと幸せになれる。
のどかはそう言った。

笑う……笑う……。
……どうやって？

「俺は……笑い方を知らない」

のどかと夕映は、男のその言葉に思わずお互いを見合った。
そして、夕映はニヤリと笑った。
夕映はすばやく男の背後に回ると、男の両の太ももを、両手でそれぞれ、指を蠢くようにくすぐった。

「！？」

男はすばやく、夕映の手を払い、太ももを庇ったが、その隙に、今度は両脇に手を入れられくすぐられた。
さすがに、これには男も太刀打ち出来なかった。
こみ上げる感覚を抑えることが出来ず、床に倒れ……笑った。

「あはっ！あはははは！や、やめろ！やめてくれ！」

「クスクスクス……。のどかも一緒にやるです♪」

「え、えぇ！？私もぉ！？」

のどかはしぶしぶ、夕映のくすぐりに手を貸したが、男の笑いに、思わず夕映と一緒に笑った。

「や、やめてくれ！は、腹が痛い！あ、あはははははは！」

「あはは♪やめないです♪お腹がネジれて死ぬがいいです♪」

「あはは♪だめだよぉゆえ〜♪」

笑うと幸せになれる。
……あぁ、そうか、こういう事か。

「ちょっとぉ〜、何ぃ〜？面白いことやってんじゃ〜ん♪アタシも混ぜてよぉ〜♪」

「っ！？」

「アンタのせいで、アタシは抜けられなくなっちゃったんだからね？覚悟しなよぉ〜？」

「ま、待ってく……！あ、あはははははははは！」

「あはははは♪」

４人の笑い声は部屋中にこだました。

しばらくして、男は息を整えていた。
男の限界をみるや、３人はくすぐるのをやめたのだ。
３人も、笑いすぎてお腹が痛い気がする。

「いやぁ〜、笑ったねぇ〜♪気持ちがいいくらい♪」

「むしろ笑いすぎて気持ち悪いです……」

「横隔膜の使いすぎだ。はぁ……はぁ……」

「だ、大丈夫ですか……？」

４人ともぐったりしていたが、まだ男の素性を探る調査を何も初めていないのだ。
３人の中で一番消極的だったハルナが重い腰を上げた。

「よし、それじゃあ、ボチボチ始めるか。……脱いで」

「……なに？」

「え？え？ぬ、脱ぐって……ハルナ……なんで？」

「まずは身に着けてる物で身元を特定するのが当たり前田のクラッカーでしょ？」

「ハルナ……そのギャグ古いです……」

「で、でもぉ……」

「別にのどかが脱ぐわけじゃないんだから！ほら、アンタ……あーもう、名前がわかんないから呼びづらいわ！もう、ハゲでいいわよね！ハゲで！ほら、ハゲ！脱ぎなさい！」

何だか酷い言われようだが、ハゲこと、スキンヘッドの男は、渋々スーツを改め始めた。
まず上着のジャケットの胸ポケットから、先のチーマーから取り上げたバタフライ・ナイフを取り出し、テーブルに置いた。
次に、ジャケットの他のポケットを探った。
すると、中に手ごたえを感じた。
男は思い出した。
ジャケットの中から出たのは、円筒状の金属の筒だった。
中はガラスになっていて、液体の痕跡があった。
そしてなにより、円筒からするどい針が飛び出ていた。
その針に、赤い血が付着していた。

「……なに、これ？」

「注射器……かな？」

「これをどこで？」

３人がそれぞれ問い詰める。
男は、この注射器の入手について話始めた。

「……俺が最初に目を覚ました時、俺は道に倒れていた。そして俺の身体の横に、コイツが落ちていた。何も思い出せなくて、ワイシャツに血のシミと、細い穴が開いていた」

男はジャケットを脱ぐと、注射器を取り、ワイシャツの一部に近づけた。
血のシミが付着しているところだ。

「……そうだ。この注射器は、俺の身体に打たれたんだ。だが何も思い出せない。何かの手がかりになると思って、拾ったんだ」

「ふ〜ん〜」

ハルナはワイシャツの血のシミと、穴に目を近づけた。

「じゃ、ワイシャツも脱いで」

「は、ハルナぁ！？」

のどかは戸惑った。
さすがにワイシャツを脱いだら……。

「確かに、確認するべきですね」

夕映も賛成にまわった。
のどかは従うしかなかった。
男も、抵抗はなかった。
何より、真実が知りたかった。
自分が何者なのか。
男は立ち上がり、赤いネクタイを取り、ワイシャツを脱いだ。
白いワイシャツが身体から離れると、そこには、たくましい筋肉質の上半身が現れた。
筋肉が隆起し、無駄な脂肪など一切ない、機能美に満ちた肉体だった。
男は、車のボンネット内のエンジンに惚れこむが、男の身体もまさに、活動するためだけに鍛え上げられた筋肉だった。

（う、うわぁ〜〜……）

３人の少女は見惚れていた。
あれだけ、ガチムチ野郎は嫌だと言っていたハルナでさえ、たくましい筋肉美に目を奪われていた。
女性の本能であるメスの部分が、男のフェロモン・男の美しさに、３人は惹かれていた。

「……おい、どうした？」

男の呼びかけに、３人は現実に引き戻された。

（や、やばいやばい！アタシは華奢な可愛い男の子に萌えるのに……やばいよぉ、顔が熱いよぉ……！）

（す、すごい……。……ネギ先生も大きくなったら、あんな風になるのかなぁ……）

（か、かっこいいのです……）

３人はなんとか雑念を振り払い、元の作業に戻ろうとしていた。
先陣を切ったのは、仕切り屋のハルナだった。

「げ、ゲフンゲフン！え、えっと、それじゃあ、確認するよ。注射針が刺さった跡はぁ〜……」

目を凝らし、男の胸に近づいていくハルナ。
途中、男の身体から漂ってくるフェロモン入りの体臭にクラクラしそうになる。

「え、えぇ〜っとぉ……あ、あった！」

ハルナは注射器の針と、男の胸の傷跡を近づけてみる。
サイズは針の幅と同じだった。

「うん、間違いなく刺さってる。じゃあ、問題は、この注射器の中身が何だったか？って事だよね。それがハゲの記憶喪失に関係あるかどうか？あるなら、如何にして元に戻すべきか？」

「記憶喪失って、どうやったら治るのかな？」

のどかがごく当たり前の質問をした。

「心療医でも、カウンセラーでもないのではわかりませんが……」

夕映は、チラっとのどかを見た。
突然振られたのどかは困惑したが、夕映の意図を理解した。

『のどかのアーティファクトを使ってみたら？』と言いたいのだ。

のどかのアーティファクト「いどのえにっき（ディアーリウム・エーユス）」は、名前さえ分かれば、相手の心の表層を読み取ることが出来る。
そして、魔法具「魔神の童謡（コンプティーナ・ダエモニア）」は相手の名前を見破ることが出来る。
男の正体を暴くのに、好都合だ。
だが……。

（……どうしよう……使うべき……かなぁ……）

アーティファクトを使うということは、自分が魔法使いであるという事を明かすという事だ。
のどかには、それが抵抗だった。
夕映の視線に対し、のどかは首を振って答えた。

「じゃあ、調べられるところから調べるっきゃないか〜」

ハルナは注射器をくるくると回し、眺めながら呟いた。

「んでさ……ハゲ、あんた臭いわ」

「……なに？」

「匂いがキツイのよ！ていうか、アンタとのどか、雨でずぶ濡れのまんまじゃん！カビ臭いのよ！さっさとお風呂入って着替えてきなさいよ！」

「え？でも……でも……」

「いいから！ほら、さっさと！どっちが先でもいいから！」

ハルナは吼えた。
ハゲ、ことスキンヘッドに対する文句は、男の醸し出すフェロモンを紛らわすための詭弁だったが、どっちにせよ、雨で濡れ鼠の二人を放置するのは耐えられなかった。

「あ、あぅ……は、ハルナぁ〜」

「あぁ、もうわかったから！のどか、アンタは部屋のシャワー使いなさい！それからハゲ！あんたは大浴場に行きなさい！」

「えぇっ！？だ、大浴場！？見回りの人に見つかっちゃうよぉ〜」

「『メタル』で『ソリッド』な人でないと、確実に見つかるです」

「…………」

男はハルナの意図がわからなかった。
雨臭い＆汗臭いから風呂に入れ、はわかる。
だが、見つかる危険性のある大浴場に入れとはこれ如何に？

「まっさか、大の男が、女子の部屋のシャワー使う気ぃ？それって変態さんじゃな〜い？」

「…………」

「……まさか、ハルナ……」

夕映は思った。

（見回りの人間に発見させて、厄介払いさせる気では？）

ハルナはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
この女、本気である。
ふぅ、と男はため息をついた。

「わかった。大浴場に行こう」

「そう来なくっちゃ♪」

「え、えぇ！？」

ハルナは机の中から、何かを取り出すと、品定めし、男に差し出した。

「ホイ。デジカメ。大浴場の中を写真に撮りなさい。それを証拠にするから♪」

「……わかった」

男は腑に落ちなかったが、しぶしぶカメラを受け取った。

「あ、ちなみに、この部屋は鍵かけておくから、合言葉になるノックをしないと開かないからね」

「ノック……？」

「合言葉は、ドアを、「トントントン、トーントーントーン、トントントン」って、９回叩くんだからね。ちゃんと間隔も覚えなよ？」

「ハルナ……。それはモールス信号では？」

「あぁ、もううるさい！ほら、これ持ってさっさと行った行った！」

ハルナは男の服を掴み、投げつけると、男を部屋から追い出してしまった。
バタンという強いドアの閉める音と共に、３人と男は隔絶された。
男は呆れたため息をつくと、慌てることなく落ち着いてワイシャツ、ネクタイ、ジャケットを着けた。
場所も教えて貰えなかったが、慌てる事はない。
いつものように、陰のように近づくだけだ。

……いつものように？

（……なぜだろう？ごく当たり前のように感じる）

男はネクタイを締め、革の手袋を直すと、音も立てずに足を進めた。

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