涼宮ハルヒのSS 厳選名作集内検索 / 「涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(中編)」で検索した結果

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  • 涼宮ハルヒの軌跡
    涼宮ハルヒの軌跡 プロローグ 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ
  • 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(中編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡   ◇◇◇◇   【一週間前に事故を回避した少年。また事故に巻き込まれ死亡】  惨劇を目撃した翌日の放課後。俺は谷口が床に引くために持ってきていた新聞に昨日の惨劇の記事が載っていたので、 それをかっぱらって読んでいた。他にニュースがなかったのかそれとも珍しい事件だったためなのか新聞社がどう判断したのか わからないが、見事に一面トップを飾っていた。上空から落下した看板を写している写真も掲載されている。 もちろんその下に広がる血もだ。生々しい報道写真である。  昨日その事故に巻き込まれた男子生徒は、やはり先日に俺が助けた奴だった。事故現場にいた目撃者や警察発表によれば、 事件性はなく偶然に偶然が重なったために起きたらしい。折れた標識は老朽化が酷く、近く交換される予定だったし、 看板も隣接する道路の度重なる大型トラックの通過で激しく揺さぶ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(前編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡 「はーい、おっじゃっましまーす!」  ハルヒは二年――つまり立場上上級生のクラスにノックどころか、誰かにアポを取ろうともせず、大きな脳天気な声で ずかずかと入っていった。俺も額に手を当てながら、周囲の生徒たちにすいませんすいませんと頭を下げておいた。  ここは二年二組の教室で、今は昼休みだ。それも始まったばかりで皆お弁当に手を付けようとした瞬間の突然の乱入者に 呆然としている。上級生に対してここまで堂々とできるのもハルヒならではの傍若無人ぶりがなせる技だな。  そのままハルヒは実に偉そうな態度のまま教壇の上に立ち、高らかに指を生徒たちに向けて宣言する。 「朝比奈みくるってのはどれ? すぐにあたしの前に出頭しなさい」  おいこら。朝比奈さんを教室の備品みたいに言うんじゃない。いやまあ、確かにあれほど素晴らしいものを 常にそばに置いてお...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(後編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡     ◇◇◇◇    土曜日、明日になれば自動車事故から一週間になろうとしている。  幸いなことに月曜日以降、誰も死ぬどころか危険な目にあっていなかった。  今日、俺はハルヒと一緒に、先週の事故発生現場を廻っていた。歩くと時間がかかるので、タクシーを使って移動している。 いろいろ確認したいこともあるらしい。  まず看板に潰された男子生徒の現場に立っていた。  倒れてきた速度規制の看板はすでに新しい頑丈なものに直されていた。商店の上にあった看板は撤去されたままである。 あの事件を思い出す要因を残しておきたくないかもしれない。 「すっかり現場が変わっちゃっててこれじゃ調べようがないわね」  何も見つからずにその場を去り、続いて野球ボールのせいで死んだ女子部員の現場、火事が原因で死んだ女子部員と顧問の現場と 廻っていったが、やはり何も見...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(前編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡  超能力者。  涼宮ハルヒによって、閉鎖空間と神人を倒すための力を与えられた存在。機関と呼ばれるハルヒの情報爆発以降に発足した組織に属し、 その意向、つまり世界の安定に協力している。  三つほど前の世界では、その目的は変わらず「世界の安定」だったが、情報統合思念体が排除行動に出たため、 手段を「ハルヒの安定」から「ハルヒとその影響下にある人間の排除」へと変化させ、ついにはそのために核爆弾を炸裂させた。  でリセット。    未来人。  涼宮ハルヒによって、時間遡行能力を与えられた存在。組織名やそれが一体いつの時代のものなのかは不明。 目的は自分たちの未来への道筋を作り続ける涼宮ハルヒの保全。そのためには別の未来を生み出しかねない存在は かたっぱしから抹消している。  それが原因で二つほど前の世界では、ハルヒの観察を命じられた朝比奈み...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡     ◇◇◇◇    終業式の翌日、俺たちは孤島in古泉プランへ出発することになった。  とりあえずフェリーに乗って、途中で森さんと新川さんと合流し、クルーザーで孤島までGO。 全く問題はなく順調に目的地までたどり着くことが出来た。  あとは多丸兄弟を加えて、これでもかと言うほど昼は海水浴、夜は花火&肝試し、さらに二日目は何か変わったものがないか 島中の探索に出かけた。特に何も見つからなかったが、ハルヒはそれなりに楽しんだらしい。 あと、古泉たちによるでっち上げ殺人事件のサプライズイベントはなかった。まあハルヒは名探偵になりたいとか そんなことは全く考えていなかったからあえて用意しなかったのだろう。今のあいつは、みんなで遊べりゃそれで良いんだからな。  さてさて。  そんなこんなで孤島で過ごす最終日の夜を迎えていた。翌日の昼にはこ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(中編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡       ◇◇◇◇    それから一週間、俺たちはせこせこと文芸部の活動を行った。  長門はひたすら本を読み、読み終えた時点であらすじと感想を書く。そして、俺は基盤となるHPを作成しつつ、 そのあらすじ・感想をパソコン上で打ち直し、さらに案の定長門の簡潔すぎるor意味不明文字の羅列になっている感想を 現代人類が読めるようにする要約作業を行った。時間がなかったため、昼休みに集合――もともと長門は昼休みには 文芸部室にいるようになっていたが――し作業を続け、俺にいたっては、もらったHP作成フリーウェアが ある程度HTMLなる言語をかけないと思うように作れないことが発覚したため、とてもじゃないが学校内だけでは 作業が終わりそうになく、コンピ研から借りてきた電話帳50%増量みたいな分厚いHTML・CSS大全という参考書を片手に 自宅のパソ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(前編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡 「で、最初は誰から接触すればいいわけ?」  ハルヒは机の上に座ったまま、俺に言う。  さて、誰からにしたものか。本来であれば、俺の世界と全く同じようにしたいところだが、このハルヒはそれを却下したし、 そもそもこいつが力を自覚している時点で、どうやってもおなじようにはならんおかげで、正直それで大丈夫なのかという 不安があるのも事実だ。  だが、ここでふと思いつく。  とにかく、3人に接触して平穏かつ良好な関係が築けると証明してやればいい。それだけなら、何も3人同時に 一緒である必要はないはずだ。その後、ハルヒに納得させた上でもう一度最初から――今度は3人同時に接触して、 SOS団を結成すればいい。  そう考えると、まず一番接触しやすい奴から選ぶべきだな。宇宙人は、あのハルヒの情報統合思念体に対する警戒心から考えて、 一番最後にすべ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡 「――伏せてっ!」  最初に叫んだのはハルヒだった。しかし、教室にいる誰もその意味を悟ることができず、それに従ったのは俺だけだった。  次の瞬間、教室の窓ガラスが吹き飛び、多数の赤い光球が教室中に撃ち込まれる。悲鳴すら上げる暇もなく、 呆然と突如教室目の前に現れたヘリに呆然としていたクラスメイトたちにそれが浴びせられた。  しかし、俺は床に伏せたままそれを避けるべくダンゴムシのように縮まっていたため、その先教室内がどうなったのか、 激しい判別しようのない轟音と熱気の篭もった爆風でしか俺は知ることができなかった。時折、鉄を砕いたような臭いが 鼻から肺や胃に流れ込み、猛烈な嘔吐感を誘ってくる。 「キョン!」  誰かが俺の襟首をつかみ、俺の身体を引きずり始めた。俺は轟音の中、何がどうなっているのか確認しようと 目を開けようとして、 「目は...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡   ◇◇◇◇    翌日、のんびりと一人で早朝ハイキングコースを上っていく。  前日のごたごたのおかげで少し緊張感がぼやけてしまっていたが、朝の職員会議が始まっていることを考えたとたんに、 それなりに緊張感が復活してきていた。    そんなそわそわ感を引きずりつつ、自分の教室まで行き席に座る。ハルヒはすでに俺の席の後ろでぼんやりと外を眺めていた。  ふと、俺のほうに視線だけを向けると、 「今日で良いんだっけ。文芸部の存続について話し合われているのは」 「そうだよ。今頃職員会議で話し合われているはずだ」  そんな話をするだけで俺はつい貧乏ゆすりを始めてしまう。  だがふと気がつく。俺も相当文芸部に思い入れができていることにだ。以前の俺ではとても考えられないようなのめりこみぶり。 変わったのは長門だけかと思っていたが、俺も実のところ相当...
  • 長編
    涼宮ハルヒ系 涼宮ハルヒの軌跡 長門有希系 長門有希の憂鬱 罪と罰※R18 SOS団系 涼宮ハルヒの覚醒 幸せの連鎖 キョン系 涼宮ハルヒの微笑 ループ・タイム※R18 もう一人の秘された神 長門ユキの牢獄※R18 TFEI、機関、その他 機械知性体たちの輪舞曲
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(前編)
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡   「つまり、こんな感じになる訳よね」  ハルヒがどこからともなく作り出したホワイトボード上に相関図を書き終えた。  その内容はこうなる。  機関は情報統合思念体の思惑によって、その目的を変更する。ハルヒが自覚しない限りは主流派は基本平穏なハルヒの人生を望む。 しかし、自覚した場合は情報統合思念体の意思に従い、人類滅亡を回避しつつも、ハルヒとその影響下の人間の抹殺に走る。  未来人はハルヒの保全に全力を尽くす。目的がハルヒの排除に変更になる可能性がある機関とは敵対関係――抹殺対象。 ただし、機関が超能力者を保持している場合は、閉鎖空間と神人の対処のため、手を出せなくなる。 これにより、機関と未来人は対立しつつも均衡状態になる。  あと、未来人がいると言うことは、情報統合思念体による排除行動は発生しない未来が存在していると言える。 そ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡  翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。  とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。    北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、 「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」 「キョンくん、おはようございます」  鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。 何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう?    靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。 「よう、今日も元気か?」 「問題ない」  声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り 今日の朝は気分はそこそこみたいだな。  ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 プロローグ
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの軌跡 「今日はこれで終わり! みんな解散よ!」  窓から入ってくる夕焼けに染められたわけではないだろうが、ハルヒの黄色く元気の良い声が部室内に轟く。  この一言で、今日も変わったこともなく、俺は古泉とボードゲームに興じ、朝比奈さんはメイドコスプレで居眠り、 長門は部屋の隅で考える人読書バージョン状態を貫き、年中無休のSOS団の一日が終わった。 正直ここ最近は平凡すぎる日常で拍子抜け以上に退屈感すら感じてしまっているのだが、まあ実際に事件が起これば 二度とご免だと思うことは確実であるからして、とりあえずこの凡庸な今日という一日の終了に感謝しておくべき事だろう。  俺たちは着替えをするからと朝比奈さんを残しつつ、ハルヒを先頭に部室から出ていく。どのみち、朝比奈さんとは 昇降口で合流し、SOS団で赤く染まったハイキング下校をするけどな。  下駄...
  • ループ・タイム―涼宮ハルヒの陰謀―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   例えば、ひとりで留守番しているときだ。 一人きりの家で、ふと、何かの気配を感じて、不安になることってないか? 誰もいるはずもないのに、鏡を覗いていると、鏡の端を何かが横切ったような気がしたり、風呂に入っているときに、部屋で「ガタン」と音がして、「誰?」と間抜けな声を出してしまったり。 大抵の場合は、まず間違いなく気のせいで終わる。まあ、よくある事ってやつだ。 だが、SOS団の部室に、たまたま一人でいたとき、部屋のどこかから「ガタッ」と音がしたら、人はどうするだろう? 俺の場合は非常に簡単だ。 俺は読みかけの本を机に置き、そのままつかつかと部屋の隅にある掃除用具入れに近づき、バタンと扉を開けた。 「…………」 掃除用具入れの中には、制服を着たヒューマノイド・インターフェイスが、時期外れの贈り物のように、箒の間にちんまりと立っていた...
  • 第七章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   「珍しいですね。 朝比奈さんからお誘いをいただくとは」 「呼び出したりしてごめんなさい。 でも、古泉君にも知っておいてもらった方がいいと思ったから」 「一人で気がついて、パニックになってもかわいそうだし」 うふっ えーと、今のは笑うところだったでしょうか? 「長門さんはもう、気がついているんですよね?」 長門さんの頭が僅かに動いて、肯定の意を示す。 「この三人ということは、やはり涼宮さんがらみなのでしょうか?」 すると、意外なことに朝比奈さんは首を振った。 「キョン君のことなんです」 彼がどうかしたのだろうか? あれ以来、確かに変わったと言えば、あのお二人は呆れるほど変わりましたが。 「その前に、少しお話ししておきたいことがあります。 古泉君も薄々気づいていると思いますが、私は現代で言うニンゲンではありません」 いきなり何を...
  • 涼宮ハルヒの覚醒本編
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの覚醒   「おはよう。」 「おはようキョン。」 いつもの朝、教室に入った俺は友人の国木田、谷口と朝の挨拶を交わした。 「なぁ、今日の放課後だけどな、ナンパ行こうぜ!」 「…谷口、朝っぱらからそれかよ、一昨日も行っただろうがよ…もういい加減にしようぜ?大体うまくいった事無いだろうが…。」 「馬鹿!失敗を恐れてどうなるってんだ!挑戦無くして成功は無しだ!」 …朝から拳を握りしめて力説している谷口…はぁ…。 こいつとは入学からの付き合いでちょくちょく放課後や休みの日にナンパに付き合わされている。 結果は…言うまでも無いだろう…。 「悪いが今日はゲーセンに行くと国木田と話がついているんだ。またの機会にしよう。」 「…チッ。」 谷口は不満気に舌打ちした後自分の席に戻った。 …北高に入学してそろそろ一年経とうとしている。 この一年特に大きな出来事も無...
  • ループ・タイム―涼宮ハルヒの憂鬱―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   「東中学出身、涼宮ハルヒ」 おいおい、やめてくれ。 「ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 俺は垂直にすれば月まで届きそうな深い深い溜息をついた。 最初にこのセリフを聞いてから、間違いなく一年が経つはずだ。 なのに、なんで俺の後ろにいる長い髪の不機嫌そうな美少女は、同じセリフを繰り返す? OK、認めよう。 ここは一年前だ。同じ一年を繰り返している。 おそらく、俺だけが。 『ループ・タイム――涼宮ハルヒの憂鬱――』 なにかを後悔したとき、人は必ず、「ああ、時間が戻ってくれたらなあ」なんて溜息を漏らすものである。 もちろん、時間が戻ってしまったとすれば、本人の記憶も失われ、結局は、同じ行動をとることになってしまうはずであり、「いや、自分の記憶だけ残して云...
  • 第二章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   いろいろとセキュリティの手続きなんかがあったが、俺たちは研究室へ通された。 紹介された新しいマンマシンインターフェイスとやらは二台あり、椅子のような形、 というか見た目には電気屋に置いてある肩もみ椅子そのままだった。 始めに古泉が座った。 傍目には何が起きているのかわからないが、古泉の神経系は機械とフィードバック関係にあって、五感のすべてが仮想情報で置き換わっているらい。 よくわからんが、現実と区別できない仮想現実の中にいるんだそうだ。 5分ほどで古泉は起き上がり、しきりに自分の体や周囲をなで回して確認しながら俺たちに視線を移して言った。 「すみませんが、ここは現実ですか?」 次はハルヒだ。 さっきの古泉の一言が何か変なツボにはまったようで、やたら乗り気になっている。 「あたしが寝てる間に落書きなんかするんじゃないわよ」 し...
  • 第三章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   ――涼宮ハルヒは有頂天だった。 全てのカメラは彼女の眼だった。 ヒトの目に見えない光を見た。 全てのマイクは彼女の耳だった。 ヒトの耳に聞こえない音を聞いた。 物理空間の制限は無意味だった。 壁を突き抜け、空を飛び、丸い地球をみおろす。 彼女はこれは仮想現実、エンターテイメントだと信じ込んでいた。  何処まで行けるんだろう。 銀河の中心?アンドロメダ?  さすがに無理ね。 未踏の地のデータなんて無いだろうし。  なら…… 一番遠いところまで! 彼女はボイジャー1号を追いかけようとして、知らず空間情報を塗り替えた。 ※※※※※※※※ 「ハルヒは何をやった? 地球圏外ったって、そんなところにネットなんて無いだろ」 長門は、情報フレアの観測を告げてからずっと見上げたまま沈黙していた。 やがて彼に視線を向けたが、その瞳には微かな感情...
  • 第五章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   消えた。 緊張 恐れ 悲しみ 温もり いろんな感情がないまぜになった何かを最期に、さっきまで感じられたキョンの気配の、一切が喪失した。 今、何があったの? 状況がつかめない。 突然すぎて、現実味がない。 キョンは先に帰るって言ったのよね? でも、寄り道するかもって。 って、どこに? だってここは現実じゃなくて、ただの仮想空間で…… ──現実じゃない── そうよ、ここは現実じゃない。 だからキョンは帰った。 現実の世界に。 そうよ、他にあり得ないじゃない。 あたしも帰らなくちゃ。 だって、現実のあたしはきっとお腹がすいてる。 ──現実じゃない── 帰ろう。 帰ったらみんなでお昼を食べよう。 人を恥ずかしい妄想に使ったキョンにはさんざんおごらせてやらなきゃ…… 現実に帰れば、こんな寂しくて不安なこともきっとなくなる。 「有希? ...
  • 第四章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   『土星軌道に到達』 「ここにハルヒがいるのか?」 『いる。 現在、相互反応可能な情報伝達概念を探索中』 「?? どういうことだ?」 『……有機生命体の情報伝達手段は、その存在規模によって規定される。 小規模においては化学物質が使用されるが、人サイズでは主として音波が使用される。 現在の涼宮ハルヒの存在規模は、有機生命体としては過去に例が無いほど巨大」 「なるほど、おまえのパトロンが人類と情報伝達できないのも、そのあたりに理由があるのか?」 『そう。 人類は情報統合思念体の情報伝達手段を、概念としても理解できない』 「ハルヒと話すには、どうすればいいんだ?」 『私が情報概念を変換して中継する。 あなたは普通に会話可能』 長門がそういった途端、ハルヒの声が聞こえてきた。 「速度差でリングが分かれるのはわかるけど、リングに幅がある...
  • 第一章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神   夏休みを間近に控えた七月某日。 「すみません。 夏休み最初の週の活動は欠席したいのですが」 「え?どうしたの古泉君?」 SOS団の活動より優先するものがお前にあるとは、知らなかったな。 「実は、某大学で予定されている興味深い実験に参加したいと思いまして」 「へえ? なんだか古泉君らしいわね。 どこかの誰かとは大~違い」 こっちみんな。 「で、なんの実験なの?」 「研究中のマン=マシンインターフェイスです」 「公式発表に先立って、予備知識の無い一般人に実験機を使ってもらい最終的な調整を行うのだそうです」 マン=マシンインターフェイスってなんだ? 「もうっ、そのくらい一般常識レベルよ?」 「古泉君、説明して」 「キーボードやマウス、コンピュータのモニタは一般的なマン=マシンインターフェイスのひとつです」 「高度なものでは、神経の...
  • 戦慄の肉じゃが
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 涼宮ハルヒの覚醒   俺達(俺、朝比奈さん、古泉)は今、長門の部屋に居る。 俺達は長門の手料理を振る舞われる事になった。 …状況が飲み込めない? OK、説明しよう。少し長くなるが勘弁してもらいたい。 今日は日曜日。午前中からSOS団恒例の不思議探索があった。 ただいつもと違うのはハルヒが弁当を持って来てみんなに振る舞ったという事だ。 本人いわく 「団員の日頃の苦労を労うため」 との事。 みんなからの賞賛の声を聞き調子にのったハルヒの言葉によりこの事態が起こった。 「料理の出来ない女は駄目。」 「缶入りのカレーを温めただけで料理した気になっている馬鹿女が居る。」 …このような事を言い出したのだ。 ハルヒが言っているのは俺達のクラスの女の事であり、俺も実際耳にしている。 だがハルヒは知らなかった。 今この場にもそれに当てはまる人物が居る事を…。 長門有希...
  • ループ・タイム―涼宮ハルヒの消失―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   今日も地球は凍えそうに寒い。 アリのように勤勉なシベリア寒気団によって、日本列島は寒さに震えていた、というのが言いすぎだとしても、俺が寒さに震えていたのは間違いようもなく事実だ。 「……寒いね。キョン、手、つないでもいい?」 ああ。俺はハルヒの冷たい手をとると、自分の手と一緒に、コートのポケットの中に突っ込んだ。 「ふふ、キョンのポケットの中、あったかいっ」 ハルヒは、にっこりと笑うと、ポニーテールを揺らして、俺に体をぴったりとつけた。反対の手には大荷物を抱えているが、ハルヒは嬉しそうにそれをブンブン振り回している。 俺は、その上にセリフが書き込めそうなほど、真っ白な息を空中に吐き出した。 「いっやあ、いつ見ても、おあついなぁ、お二人さんよぉ!」 後ろからアホの声がすると思ったら谷口だ。ハルヒは、停止を示す信号のようにパッと顔を...
  • 長門ユキの牢獄第二章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 長門ユキの牢獄   「カミソリシュートッ!」 天と地に響けと力いっぱい叫びつつ、ビーチボールをアタックするのは我らがSOS団部長、涼宮ハルヒ 小生意気にもハルヒは桜色のビキニ、健康的に見えるのはあいつの精神年齢の低さのせいかな?  10mくらい離れていれば、青い空と海の似合う美少女に見えなくもない。 「あわわわっ」  飛んだボールをトスしようと水を掻き分ける、が転ぶ朝比奈さん  フリルのついたワンピースタイプ水玉模様使用だ、可愛いという言葉を正しく使いたいなら彼女に用いれば間違いはないだろう  わが精神安定剤にしてカンフル剤。 「ふむ」  朝比奈さんが取り損ねたボールを絶妙の力加減で返す古泉  海パン  こいつはどうもでいい。  俺はSOS団の高水準さ(野郎を除いて)に頬を緩めた。  と、尻に何かが触れる感触  ぎゅう  あぁ長門、お前もかわいいよ...
  • 悪くない家族計画
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 幸せの連鎖   さて、本日は暖かい陽射しの中晴天に恵まれめでたくも高校卒業となったわけだが、 高校の卒業というめでたくも特別な日を涼宮ハルヒ率いるSOS団団員その一であり雑用係である おれが何事もなく過ごそうなどとやはり甘かったわけで、 ハルヒによるおれの親まで抱きこんだ手際良い策略により おれの知らないところで完璧に作成された婚姻届を市役所に提出して 晴れておれとハルヒは世間で言う夫婦関係となった。 まあ、簡単にいまの状況を説明してみたわけだが、市役所では突如制服姿で訪れ、婚姻届を提出しようと する俺たち二人に向けられる窓口のオヤジの好奇の視線に耐えたり、 その後の双方の親を交えた食事会で当事者であるおれより高いテンションで 孫は男がいい、いや女だ、だのたまごクラブだの子供の名付け辞典だのと 気が早すぎる親たちが騒いでいたり、妹がさっそくハルヒを...
  • 繋がる絆、絶ちがたい想い
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 幸せの連鎖   高校とは違うベクトルに慌ただしかった大学を無事卒業してから四年あまりの月日が経った現在おれたち家族は騒がしくも楽しく平穏な日々を過ごしていた。 それなりに色々あったわけだが、高校卒業から一年して生まれたハルカとハルキのヨチヨチ歩きの可愛さに打ちのめされていたおれが、うっかり やっぱり子供はたくさんいたほうが賑やかでいいな なんて口にしてしまったからかはわからんが次に生まれた子供もまたしても男女の双子だったりとか、普通の会社勤めを望んでいたおれに対し、ハルヒの 普通の会社勤めなんてつまらない なんて一言で会社を立ち上げるハメになり、ハルヒや有希の人知を越えた万能さを見込んだ鶴屋さんの資金面や仕事の斡旋などの全面支援でうまく立ち上がり、その後鶴屋家の全面支援という信用からか仕事が途絶えることもなく、この歳では破格の収入を得るまでになってい...
  • 長門ユキの牢獄第四章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 長門ユキの牢獄    よし、まずは落ち着こう。孔明の罠かもしれないから  俺は目を閉じて大きく息を吸い込み、そしてゆっくりと吐き出した。  いわゆる深呼吸というものだ、これを行うことで人間は新鮮な空気を肺に送り込み  新鮮な空気は肺より血液に染み込み、そして脳や心臓に浸透する。  簡単にいうとリフレッシュすることができる。  物事を考える前にするととても効果的だ。    よし、落ち着いた。  頭の中で深呼吸の解説を3時間ぐらいできそうなぐらい落ち着いた  俺はゆっくりと眼を開き、 「どうかしたのキョンおじちゃん?」  どう見ても小学校低学年の容姿をした長門を見て  少し、泣いた。        長門ユキの牢獄4  俺はねぇねぇとすがりつく長門を無視して、とりあえず今日一日のことを思い出し始めた。  一日の始まりはこのごろでは珍しく、自分の家から  ...
  • ループ・タイム―涼宮ハルヒの溜息―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   「ねえ、キョン、学校生活において、もっとも重要なスーパーイベントって、なんだと思う?」 授業中、ハルヒがシャーペンで俺の背中をブスブスとつつきながら話しかけてきた。 「もし当たったら、何でも言うこと聞いたげるわよっ!ホラ、答えなさい!!」 「ハルヒ、確実に当ててやるから、前払いで言うことを聞いてくれ。シャーペンで突っつくな」 「あら、あたしが言うことを聞くっていったのは、ベッドでの話よっ。緊縛プレイだっけ、キョンがやりたがっていたのって?」 言ってねえよ、そんなこと!! うう、クラス中から突き刺さる視線が痛い。睨むな、谷口。笑うな、国木田。特に、涙を堪えるように、悲しげに俺を見つめる朝倉涼子の視線が、心の柔らかい部分を突き刺してくる。 やれやれ、お前が何を言いたいのかは分かってるさ、ハルヒ。およそ一年前からお見通しだ。 ちょうど...
  • 悪くない人生
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 幸せの連鎖   無事、大学受験も乗り切り、高校生活も残り一週間をきったある日のこと、いまだ律儀にも部室に足を運んでいた。 なんの因果かハルヒに長門に古泉、それにおれも、去年朝比奈さんが進んだした大学に進学が決まっているためか 高校の卒業に対してそれほどの感慨もなく、ハルヒはネットサーフィン、長門は読書、俺と古泉はボードゲーム そして卒業してからもちょくちょく部室に姿を現す朝比奈さんが給仕と、卒業間近とは思えないようにいつも通りの光景のなか、 ハルヒが発した言葉が事の起こりだった。 ハ「ねえ、キョン、この三年間楽しかった?」 キ「なんだ、突然、まあ退屈だけはしなかったな。」 ハ「あんた、高校生活の最後にもっとほかに言いようはないの?」 キ「そういうおまえはどうなんだ?」 ハ「あたしは楽しかったわよ。相変わらず素直じゃないわね。楽しかったならそう言えばい...
  • 第六章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 もう一人の秘された神     「おまえは、何」 「俺は俺だ。 おまえが知っているとおりの、俺だ」 長門は片手を上げ、手の平を俺に向けて突き出すようにして言った。 「警告する、彼の体から出て行け。 さもなくば強制排除を行う」 ありがとう、長門。 そうやって俺の体を守っていてくれたんだな。 あの日から、ずっと。 「長門、あの日を覚えているか? 昨日じゃない、最初の日だ」 長門の瞳に、青く怒りの炎が揺れた。 「彼を騙るなど、56億7千万年早い」 長門の示した強い感情の表れに、俺は正直驚いた。 長門はこれほどに強い感情を獲得していたのか。 化学的進化が知性的進化に変わるほどの時間を考えれば、当然かもしれないが。 「俺は本物だ。 お前に絶対帰ると約束した、あの日と同じ俺なんだよ」 「警告の効果は認められず。 敵性と判断、強制排除を実行する」 「よせ!」 長門の...
  • 家族の絆
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 幸せの連鎖   まだか……。ちくしょう。 なにも出来ない自分の無力さに苛立ち、腹が立ってくる。 くそっ、ハルヒはあんなにも苦しんでいるってのに……なにか出来ることはないのか……。   有「おとうさん。」   キ「…っと、すまん、なんだ?有希。」   有「…落ち着いて」   そこで、今、自分が意味もなくウロウロと歩き回っていることに気が付いた。 さっきまでそこの長椅子に座っていたばずだったがいつのまにか立って歩き回っていたらしい。 そんな自分の行動にも気が付かないほどおれは落ち着きを無くしていた。   今、おれと有希は病院にいる。そして目の前にある扉の向こうにいるハルヒのことを案じているわけだが、 別になにか大きな怪我をしたとか病気なわけではない。扉には分娩室と書いてある。 そう、おれと有希はハルヒとおれの子供が産まれてくるのを今か今かと待ちわびている...
  • 長門ユキの牢獄第一章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 長門ユキの牢獄   消えていく、リセットされていく、否定されていく また、だめだったのか? 経験が消えていく、肉体がリセットされる、記憶が否定される。 ・・・ちくしょう、・・・・・・・ちくしょうっ! 輪廻する世界に抵抗する俺は世界に侵されていた。 何がたりない!どうすれば満足する! 終わりが始まりになる、使い古された新世界が始まる。 ・・・ハルヒ!この宇宙一のわがまま女が! 理不尽の親玉に、無自覚の暴君に叫ぶ。 くっ・・・・・・長門、・・・・・・すまん。 次ぎに無表情な、一人ぼっちのあいつの事を思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・頼んだぜ、・・・・・・・・・・次の俺 そして、また新しい物語が始まる 長門ユキの牢獄1 何かがおかしい。 朝、予定も無いのになぜか目が覚めてしまった。 そして起きた瞬間、なにか違和感があった。 何かがおかし...
  • 長門ユキの牢獄第三章
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 長門ユキの牢獄     「ほれ」  俺は屋台のおっちゃんから受け取ったものを長門の頭にかぶせた。   「?」    長門は相変わらずの無表情で抵抗はしなかった、俺はそっとソイツを落ち着く位置に直した。  今、長門のショートヘアの上には光の国からわざわざ地球に来たという宇宙人のお面があった。  ぶらぶらと長門と祭りを歩いているうちに発見したお面屋で見つけた物を俺が冗談半分で買ってやったのだ。  同じ宇宙人として気が合うのか違和感なく長門の頭に落ち着いている。  うむ、怪獣とハルヒという迷惑極まりないものを相手にしてる所も似てるかな。  ふと、長門は光の国の戦士とやりあっても勝てるんじゃないか?などと妄想してみるがやめておこう そのとき俺の呼び名は「ウルトラマンより強い女を抱いた男」となってしまう。  一度でも特撮に心奪われたものとしてはあまり呼ばれた...
  • ループ・タイム番外編―雪山症候群―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   「まいったわね……全然前が見えないわ」 ハルヒが本心を吐露するように呟く。確かに、眼前は完全に真っ白い雪しか見えない、いわゆるホワイトアウトの状況だ。 「おかしいですね……距離感から言って、とっくに麓についているはずですが」 最後尾から聞こえる、いつになく真剣な古泉の声。そう、その通り、着いているはずなんだよ、本来なら。 だが、着かないのはなぜか? ……俺がそう望んでいるからだ。 「うう、冷たい……」 後ろで、スキーウェアに身を包んだ朝倉涼子が、寒さに身をすくめている。なんだか、自分のことを言われたような気がして、俺はギクリとする。もちろん、気温のことを言っているんだろうが―― ……俺の身勝手な都合で、団員たちを遭難に巻き込んでいる俺は、SOS団の団長として、ドーピングを行った陸上選手のように、完全に失格だろうな。 それも、分か...
  • 繋がる絆、変わりゆくもの
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 幸せの連鎖   太陽が本領発揮し過ぎ感が否めない茹だるような暑さの8月、 自宅から10分ほど離れたビルの一室にある仕事場で夏の休暇を前におれは一人黙々と仕事に励んでいた。 時刻は昼前、本来ならハルヒや有希も一緒なのだか子供達が夏休みであるためハルヒは自宅に、朝は一緒だった有希は一時間ほどで自らの仕事を全て片付け早々に自宅に戻り、今はハルヒと共に昼食の支度でもしているのだろう。 仕事といっても休暇前の残務処理が残っている程度であり、まぁ、幾分のんびりとした気分で残りの仕事を片付けていたわけだが、そんなのんびりした雰囲気も一本の電話で脆くも崩れさることになる。   昼を少し回った頃そろそろ自宅に戻り昼食にしようかと思い始めたとき唐突に携帯がなりだした。 着信はハルヒからで飯が出来たから早く戻れ!なんて催促だと思い出てみると、いきなり耳元に大音量か響き渡っ...
  • ループ・タイム番外編―エンドレス・エイト―
    涼宮ハルヒのSS 厳選名作集 長編 ループ・タイム   コンピ研部室を乗っ取り、夏休みの間に行った工事でつなげて、小型のヤクザの事務所くらいに広くなったSOS団部室で、長門有希と俺は、SOS団活動方針秘密会議を開いていた。 俺はいつもの団長席で、パソコンに向かいながら、深海にひっそりと住む、静かなチョウチンアンコウのごとく、黙々と本を読んでいる長門に声をかける。 「なあ、長門、ハルヒがまたこの八月を繰り返しちまうってことはないか?」 「ない」 お気に入りの、ふかふかの椅子に深く腰掛けた長門有希は、読んでいる本から目を上げずに即答した。今日読んでいるのは、ハインラインのSF小説のようだ。有名な、猫の登場するやつである。 「現在、涼宮ハルヒの精神状態は、非常に安定している……あとは、私たちが適切なイベントを用意すればよいだけ」 そうだな。そう願いたいもんだ。 俺は、再びパソコンとの不毛な...
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