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ながとぅーみー 第三話「あれなんて大王」 - (2007/02/15 (木) 02:32:24) の1つ前との変更点

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「早く走れ!!捕まるぞ!!」<br> 「うわぁぁあああ!!離せぇぇぇぁぁあああああ!!」<br> 「ククク・・・会長ノ[禁則事項]ヲイタダクゼ・・・・・」<br> 「や、やめろ!![禁則事項]だけは[禁則事項]だけは・・・[禁則事項]!!」<br> 「会長ぉぉぉぉぉおおおおっっ!!」<br> あっちの世界とこっちの世界ではジャンルの違いがあるから禁則事項だらけという結果で申し訳ない。<br> 一応、謝ろう。すまない。<br> それよりも、最初はこっちの世界向けだったのにあっちの世界向けになっているのは気のせいだろうか?<br> ・・・っと、俺は一体誰に話しているんだ?<br> 気を取り直して、とりあえず今の状態を説明する。<br> <br> <br> ながとぅーみー 第三話「あれなんて大王」<br> <br> それは、今から数十分前。<br> 改変に巻き込まれなかった輩と合流して何とか逃げていた俺達は生徒会室を出てハルヒと合流した。<br> その目の前に、あいつが現れたんだ。<br> 「ハンドボールをしよう・・・」<br> そう、岡部だ。現・Hom-Okabe(命名:喜緑さん)の。<br> 「結構です!」<br> 生徒会長は断った。すると、にやりと相手は笑う。嫌な予感がする。<br> 案の定、突然あいつは服を脱ぎ捨てたのだ。その下は・・・全身タイツ。<br> 股の部分に何故かゾウさんの絵が描かれている。<br> 「なら・・・[禁則事項]?」<br> 「あっちの世界に投下しろって言われるようなセリフだぞ、それ!!」<br> それ故、回想シーンであれどんなシーンであれ様々な部分で[禁則事項]に置き換えられているわけだ。<br> こっちの世界で始まったからにはあっちの世界の言葉は伏せなければならないわけだからな。<br> やれやれ。<br> 「ゲヘヘ・・・ゲヘヘ・・・[禁則事項]・・・」<br> 「[禁則事項]ですねぇ・・・じゃあ、Hom-Okabeなんて名前どうでしょう?」<br> 「賛成」<br> 「そんなんどうでも良いから逃げるぞ!!」<br> で、今に至る。後ろで遠くなっていく生徒会長の叫び声を背に俺達は走る。<br> Hom-Okabeは現状では敵味方関係なく男を連れ去っていくただの変態、もとい化け物だ。<br> 連れ去られた奴らは体育教官室内に連れ込まれるという。何をされるかは解らない。<br> とりあえず、絶叫だけが轟く。ここ数十分だけでも反俺の奴らの絶叫もいくつか聞こえている。<br> バイオハザードで言えば・・・ゾンビも人間も食うGという感じか。<br> いずれにせよ、どうしようもない強大な敵だ。撃破は夢物語の中の夢物語だ。<br> 長門や喜緑さんの魔法的な技を使って身動きを封じても数分で復活する。<br> 今はハルヒが居るからそれさえ出来ない。数分でも足止めが出来ればとは思うが。<br> おのれ、ハルヒよ。どうして岡部をこんな奴にした。いや、どうしてこんな化け物に作り変えた。<br> そしてどうしてこっちの世界で物語が始まった。・・・見切り発車って怖いな。<br> <br> 「前方から生徒数人確認した」<br> 長門がぼそりと呟く。<br> 「やり過ごせるか!?喜緑さん、どうですか?」<br> 「可能です。そこの曲がり角をすぐに右へ曲がってください」<br> 俺達は曲がり角を右に曲がると身を隠した。<br> 廊下を反キョンの旗を掲げた男子が数人駆け抜けていく。<br> 「キョンをぶっ殺せー!!長門ラァァアアアブッ!!!」<br> なんつう言葉を叫んでやがる、あいつらは。<br> 「ここの階段を上るしかないわね」<br> 後ろでハルヒが呟く。言われて初めて気づいた。現状では逃げ場が後ろの階段しかないことに。<br> 「大丈夫。上には誰も居ない」<br> 長門がそう言ったから俺達は階段を上る。そんな中で朝比奈さんが物凄くビクビクしている。<br> 「朝比奈さん、大丈夫ですよ。頼りになる鶴屋さんも居ますし」<br> 「そ、そうですよね・・・」<br> 「頼りにされてるのは嬉しいっさー!」<br> 「あ、屋上」<br> 逃げ回ってる間にどうやら最上階に来ていたらしい。<br> まだ一つ上の階があると思い込んでいたせいで結構焦った。<br> 「鍵ないですねぇ・・・どうしますか?戻ると危険ですが・・・」<br> 「私がピッキングする」<br> 長門はヘアピンを無造作に折り曲げると鍵穴に差し込んだ。<br> 何回か動かす。すると、かちゃりと音を立てて開錠された。そして、扉を開く。<br> 俺達は屋上へ出ると、急いで鍵を閉めた。どうして中からは鍵式で外からはターン式なんだ。<br> 屋上から泥棒が学校に侵入してきても知らないぞ。<br> 「ふぅ・・・」<br> にしても流石に疲れた。屋上まで来ればもう大丈夫だろう、多分。<br> 古泉までもが疲労を隠せていない。そりゃ、全校生徒を相手に鬼ごっこを繰り出せば疲れるな。<br> <br> 「・・・キョン」<br> 「どうした、長門」<br> 「疲れた?大丈夫?」<br> 「あぁ・・・なんとかな・・・・・おっと」<br> ぎゅっ。ふらふらな演技をして長門を抱きしめる。長門も俺を抱きしめてくる。強く、強く。<br> しばらくして、どちらからという事もなく離れる。<br> 少しでも、離れるのが嫌だった。だから、俺はそっと長門の手を掴んだ。<br> 「・・・この手だけは、離さないからな」<br> 「・・・そう」<br> 上を見上げれば、空で紅と蒼が滲み始めている。時刻は夕暮れだ。<br> 「それにしても困ったな・・・」<br> 「うん、困った」<br> 「困ってるわね」<br> 「んーそうだな・・・ん?」<br> 今、一つ困ったが多くなかったか?しかも、後ろから聞こえた。<br> 俺はゆっくりと振り返った。そして、驚愕する。<br> 「あ、朝倉・・・!?」<br> 「どうも、久しぶり」<br> 変わらない笑顔がそこにあった。・・・いや、少しだけ眉毛が細くなったか?<br> 「朝倉涼子。よく来てくれた。ありがとう」<br> 「え?うふふ・・・貴女の口からそんな言葉が聞こえるとは思わなかったわ、長門さん」<br> 「どういうことだ?」<br> 「私が呼んだ。喜緑江美里と私でこの現状。やっぱり応援は必要」<br> 「だから朝倉、か・・・」<br> 「今、彼女は穏健派に居る。気にすることは無い」<br> 「そ。なら良いんだがね・・・」<br> その時、グラウンドから悲鳴が聞こえた。見ればHom-Okabeが暴れまわっている。<br> どうして近所の住民の誰もが警察を呼ばないのか。訳が解らん。<br> これもハルヒの力か?それとも関連皆無を押し通す気か?<br> 後者ならいじめを見て見ぬふりするのはカッコワルイ。・・・いじめではないけどさ。<br> <br> 「ねぇ、あれなんて大王?」<br> 「元・岡部。現在はHom-Okabeと呼ばれている」<br> 長門が説明する。<br> 「故・岡部の方が似合ってると思いませんか?」<br> そこで喜緑さんがひょっこりと話に参加をしてくる。<br> しかも何と唐突な話題だ、それは。<br> 「何故?」<br> 「今のあの人の中に岡部なんて居ませんし」<br> 「岡部という人格は確かに廃人や死んでると呼んでも過言ではない状態にある」<br> 「でも殺したら可哀想よ?私が言う事じゃないけど」<br> 「まぁ、あれはあれで岡部だからな」<br> 「でしょ?」<br> 「では、どういう表記が似合う?」<br> 「う~ん・・・難しいな」<br> 「そうですねぇ・・・」<br> 「前・岡部ってどうかしら?」<br> 「それ」「それですね」「それだ」<br> こんな下らない事で学校内命掛け鬼ごっこなんて事も忘れて俺達は談笑していた。<br> その間に、学校内に異変が起こっているとも知らず。<br> そのせいで、冗談抜きで命がけになる破目になるのも知らず。<br> 知っているのは、ただ失せかける夕焼けのみ。<br> 「そういえば」<br> 「ん?どうした長門」<br> 長門はポケットをがさがさと手を入れて探り始めた。そして、無言で俺に取り出した包みを渡してきた。<br> 「今日はバレンタインデー・・・」<br> 「・・・チョコか?」<br> こくり、と少しだけ頬を染めて頷く。あぁ、もう可愛いな。<br> 「ありがたく頂くよ」<br> 「ちなみに・・・ミルクチョコ、ビター、カレーの三種類」<br> 「そうか・・・ん?すまん、なんだって?」<br> <br> 《!WARNING!》次回予告《!WARNING!》<br> 俺達が気づかない間に学校内で出来上がっていた訳の解らない軍団。<br> テーマソングに発狂ちゃんねるが似合いそうなボロボロの生徒会長の復活。<br> 負けられない鬼ごっこはいつも間にか、正真正銘の学校内の内乱になっていた。<br> 心に正義を抱いて、其々がぶつかり合う。プリンとアナルの狭間を彷徨う物語はようやく軌道修正を開始する。<br> 次回、ながとぅーみー第四話「夕焼けより血液色な」<br> 「どうして・・・どうして、こうなるんだよ!!」

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