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公園から自宅まで - (2007/06/26 (火) 23:18:50) の1つ前との変更点
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<p>「このバカキョン! アンタなんかもういいわよ!」<br>
あっ……走って行っちまいやがった、ハルヒは相変わらず理不尽だな。</p>
<p>
さてここは土曜日の公園、時刻は夕方だ。SOS団で長門の家に上がりこんで遊んだ帰り道、夕方で暗くなり始めていたために俺ーハルヒ、古泉-朝比奈さんという俺にとっては非常に不本意な組み合わせでそれぞれ女子を送っていく事になった。<br>
この組み合わせは別にくじ引きとかではなくターミナル駅のデパートで買い物をするという朝比奈さんとこれまた駅前に用事があるという古泉、両者の申告により自動的に決定された物だったりする。</p>
<p>
さてなんだか微妙にハイテンションなハルヒだったが、こいつがいう近道な公園に差し掛かったところで些細な事から売り言葉に買い言葉、ハルヒは怒り出し走っていってしまったという訳だ。<br>
俺もハルヒじゃなく朝比奈さんを送って行きたかったね……、仕方がない帰るとするかね。</p>
<p>「きゃっ!」</p>
<p>んっ? あの悲鳴は……ハルヒか、一体なにが? 声は確かこっちのトイレの方から……<br>
俺は音がした方へと足を進めた、暗くて良く見えないがトイレの裏でなにやら物音がするようだな……<br>
……っ!、覆面の男がハルヒらしき女の子をを組み敷いて揉みあっている!</p>
<p>……気が付いたら俺はその暴漢にタックルしていた、無我夢中だった。なにか訳のわからん事もさけんでいたと思う。<br>
突然の背後からの攻撃に驚いたのか暴漢はそのまま逃げ出した。</p>
<p>女の子はやはりハルヒだった。おいハルヒ大丈夫か?<br>
「……キョン、こんなの平気よ……どうってことないわ!」<br>
そっか……無事でよかったな……。暗くて表情からは読み取れないが声は震えている、強気な言葉とは裏腹にショックを受けているようだった。<br>
「いきなり……抱きつかれただけよ、ちょっとびっくりしただけ……」<br>
そうかハルヒ、帰ろうな。今度こそ何があっても送ってくから。<br>
俺はそういいながら倒れこんでいるハルヒに腕を差し出し起き上がるのを手助けした。<br>
「キョン、ありがと……」<br>
怪我は無いかハルヒ?<br>
「大丈夫よ倒れたのは芝生の上だったし」<br>
そうか……、帰るぞ。<br>
「うん、…………キョン……」<br>
んっハルヒ、どうした?…・・・。<br>
「キョン……あたし……あたし怖かったの……」<br>
ハルヒは泣いていた、気丈そうに振舞っていたがやはり大ショックだったようだ。こいつもやっぱり普通の女子高生なんだよな。<br>
「キョンがいなかったら……あたし……」<br>
泣くなハルヒ、お前は今無事なんだ、もう気にするな。</p>
<p>
普段の強気一辺倒のハルヒからは今の泣きじゃくるハルヒは想像もつかないだろう、しかし俺の目の前には泣きじゃくるハルヒが現実に存在している、このハルヒといつものハルヒ……どちらも本当のハルヒだ。<br>
ハルヒはまだ泣き続けている。よほどの衝撃だったのだろうか?</p>
<p>気が付いたら俺は嗚咽し続けるハルヒを抱きしめて『もう大丈夫だから』などと間抜けな慰めの言葉をかけ続けていた。<br>
今ほどハルヒの力になりたいと思ったことはなかった、そしてハルヒに笑顔を取り戻せない自分の無力さが情けなかった。<br>
どのくらい時間が経ったのだろうか?、泣き疲れたのかハルヒはようやくは泣きやんでいた、周囲の暗さからすると数分どころでは済まない感じだ。</p>
<p>とりあえず俺とハルヒは公園のベンチに腰を下ろした。<br>
「キョン、ごめんね」<br>
気にするな、それよりハンカチだ、これで顔を……、その……なんだ……可愛い顔が台無しだぞ。<br>
「……ありがと」<br>
疲れたろもうちょっと休んでいくか?<br>
「……キョンあたしね、……今まで男なんか平気だって思ってたの、なにかあってもすぐに逃げ出せるって……、でもそれは違うって今日わかったの……」<br>
そうか……でも今日はもう大丈夫だぞ、俺が付いてるからな……、ハルヒには指一本だって触れさせやしないぞ。<br>
「うん……ありがとキョン」</p>
<p>俺はハルヒを促して公園を出ることにした。</p>
<p>公園の出口には新川さんらしき車が待っていた、いえば送ってくれるのだろうがハルヒの泣き顔を他の人には見られたくなかったので俺はスルーした。<br>
機関は一日中ハルヒに張り付いているのだろうか? おそらくさっきの暴漢は機関が身柄を確保して色々調査中なのだろうか?<br>
などという考えが一瞬頭をよぎるが余計な考えを振り払い俺はハルヒに集中した。<br>
帰宅する間中ハルヒの口数はすくなかった、初め俺はハルヒの気を引き立てようと色々と話題を振ってみた、ハルヒも二言三言返事はするがすぐに会話は途切れる。<br>
そんなハルヒの姿を見るに付け俺の心は痛んだ。</p>
<p>そして俺は今ハルヒ宅のリビングに腰掛けている。<br>
控え目に上目遣いで上がってお茶でもと誘ういつもとは違うハルヒはもの凄く反則的だったので、思わず俺は一も二もなく承諾していたのだ。<br>
但しお茶の前に家の中に不審者がいないかどうか一緒に確認するというオプションがついた訳だが。<br>
しかしハルヒの部屋はともかく便所や風呂場、両親の寝室や全部の押入れまで見せられるだなんて一体どんな住宅探訪だ?<br>
まぁ当然だがなにもなかったんだが、ハルヒの部屋が女の子らしかったのにはちょっと意外だったな。</p>
<p>ハルヒは台所でお茶の用意をしている、時々こちらを振り返っては俺の様子を確かめているが一体なんだろうか?<br>
あぁハルヒ、その……何か用なのか? 目が合った時に俺はハルヒに聞いてみた<br>
「……別になんでもないわ……、ただ……キョンが黙って帰っちゃわないか……心配で……」<br>
ホントに今日のハルヒはショックを受けたんだな、まるで別人だ。<br>
ハルヒ安心しろ俺はここにいるから、……ところでハルヒ、家の人は……その……?<br>
と俺はさっきから気になっていたことを聞いてみた。<br>
「……みんな出かけてるの、はいお茶よ」<br>
えっじゃぁ今ここは俺とハルヒの二人っきり……って。<br>
「冷めたら美味しくないから早くのんで……」</p>
<p>いや確かにこんな状態のハルヒをほっとく訳にもいかんが……<br>
だからといって二人っきりってのはどうなんだ? 色々とまずい気がするな……<br>
さっきのハルヒは反則的なまでに可愛かったし……その……</p>
<p>お茶を飲みながら俺はハルヒと暫く話をしたが会話はあまり弾まなかった。<br>
ハルヒの状態があまり回復していないのと俺が二人っきりと意識してしまったせいもあるだろう。<br>
当たり障りの無い会話のタネも付き始めた頃、俺は『じゃぁそろそろ』と帰り支度を始めた。</p>
<p>俺が帰るというとハルヒは不安気な表情を見せ、暫くためらったのち口を開いた。<br>
「キョン……怖いの……ひとりにしないで……帰らないで…」<br>
えっ……そっそうだ朝比奈さんか長門にでも……来て貰うか? 電話で頼んで……<br>
「キョンじゃなきゃ……キョンじゃなきゃ駄目なの! あたしをひとりにしないで……」</p>
<p>-- 今回はここで終わりです。続きは書くかもしれないです。</p>
<p>「このバカキョン! アンタなんかもういいわよ!」<br>
あっ……走って行っちまいやがった、ハルヒは相変わらず理不尽だな。</p>
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さてここは土曜日の公園、時刻は夕方だ。SOS団で長門の家に上がりこんで遊んだ帰り道、夕方で暗くなり始めていたために俺ーハルヒ、古泉-朝比奈さんという俺にとっては非常に不本意な組み合わせでそれぞれ女子を送っていく事になった。<br>
この組み合わせは別にくじ引きとかではなくターミナル駅のデパートで買い物をするという朝比奈さんとこれまた駅前に用事があるという古泉、両者の申告により自動的に決定された物だったりする。</p>
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さてなんだか微妙にハイテンションなハルヒだったが、こいつがいう近道な公園に差し掛かったところで些細な事から売り言葉に買い言葉、ハルヒは怒り出し走っていってしまったという訳だ。<br>
俺もハルヒじゃなく朝比奈さんを送って行きたかったね……、仕方がない帰るとするかね。</p>
<p>「きゃっ!」</p>
<p>んっ? あの悲鳴は……ハルヒか、一体なにが? 声は確かこっちのトイレの方から……<br>
俺は音がした方へと足を進めた、暗くて良く見えないがトイレの裏でなにやら物音がするようだな……<br>
……っ!、覆面の男がハルヒらしき女の子をを組み敷いて揉みあっている!</p>
<p>……気が付いたら俺はその暴漢にタックルしていた、無我夢中だった。なにか訳のわからん事もさけんでいたと思う。<br>
突然の背後からの攻撃に驚いたのか暴漢はそのまま逃げ出した。</p>
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女の子はやはりハルヒだった。おいハルヒ大丈夫か?<br>
「……キョン、こんなの平気よ……どうってことないわ!」<br>
そっか……無事でよかったな……。暗くて表情からは読み取れないが声は震えている、強気な言葉とは裏腹にショックを受けているようだった。<br>
「いきなり……抱きつかれただけよ、ちょっとびっくりしただけ……」<br>
そうかハルヒ、帰ろうな。今度こそ何があっても送ってくから。<br>
俺はそういいながら倒れこんでいるハルヒに腕を差し出し起き上がるのを手助けした。<br>
「キョン、ありがと……」<br>
怪我は無いかハルヒ?<br>
「大丈夫よ倒れたのは芝生の上だったし」<br>
そうか……、帰るぞ。<br>
「うん、…………キョン……」<br>
んっハルヒ、どうした?…・・・。<br>
「キョン……あたし……あたし怖かったの……」<br>
ハルヒは泣いていた、気丈そうに振舞っていたがやはり大ショックだったようだ。こいつもやっぱり普通の女子高生なんだよな。<br>
「キョンがいなかったら……あたし……」<br>
泣くなハルヒ、お前は今無事なんだ、もう気にするな。</p>
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普段の強気一辺倒のハルヒからは今の泣きじゃくるハルヒは想像もつかないだろう、しかし俺の目の前には泣きじゃくるハルヒが現実に存在している、このハルヒといつものハルヒ……どちらも本当のハルヒだ。<br>
ハルヒはまだ泣き続けている。よほどの衝撃だったのだろうか?</p>
<p>気が付いたら俺は嗚咽し続けるハルヒを抱きしめて『もう大丈夫だから』などと間抜けな慰めの言葉をかけ続けていた。<br>
今ほどハルヒの力になりたいと思ったことはなかった、そしてハルヒに笑顔を取り戻せない自分の無力さが情けなかった。<br>
どのくらい時間が経ったのだろうか?、泣き疲れたのかハルヒはようやくは泣きやんでいた、周囲の暗さからすると数分どころでは済まない感じだ。</p>
<p>とりあえず俺とハルヒは公園のベンチに腰を下ろした。<br>
「キョン、ごめんね」<br>
気にするな、それよりハンカチだ、これで顔を……、その……なんだ……可愛い顔が台無しだぞ。<br>
「……ありがと」<br>
疲れたろもうちょっと休んでいくか?<br>
「……キョンあたしね、……今まで男なんか平気だって思ってたの、なにかあってもすぐに逃げ出せるって……、でもそれは違うって今日わかったの……」<br>
そうか……でも今日はもう大丈夫だぞ、俺が付いてるからな……、ハルヒには指一本だって触れさせやしないぞ。<br>
「うん……ありがとキョン」</p>
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俺はハルヒを促して公園を出ることにした。</p>
<p>公園の出口には新川さんらしき車が待っていた、いえば送ってくれるのだろうがハルヒの泣き顔を他の人には見られたくなかったので俺はスルーした。<br>
機関は一日中ハルヒに張り付いているのだろうか? おそらくさっきの暴漢は機関が身柄を確保して色々調査中なのだろうか?<br>
などという考えが一瞬頭をよぎるが余計な考えを振り払い俺はハルヒに集中した。<br>
帰宅する間中ハルヒの口数はすくなかった、初め俺はハルヒの気を引き立てようと色々と話題を振ってみた、ハルヒも二言三言返事はするがすぐに会話は途切れる。<br>
そんなハルヒの姿を見るに付け俺の心は痛んだ。</p>
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そして俺は今ハルヒ宅のリビングに腰掛けている。<br>
控え目に上目遣いで上がってお茶でもと誘ういつもとは違うハルヒはもの凄く反則的だったので、思わず俺は一も二もなく承諾していたのだ。<br>
但しお茶の前に家の中に不審者がいないかどうか一緒に確認するというオプションがついた訳だが。<br>
しかしハルヒの部屋はともかく便所や風呂場、両親の寝室や全部の押入れまで見せられるだなんて一体どんな住宅探訪だ?<br>
まぁ当然だがなにもなかったんだが、ハルヒの部屋が女の子らしかったのにはちょっと意外だったな。</p>
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ハルヒは台所でお茶の用意をしている、時々こちらを振り返っては俺の様子を確かめているが一体なんだろうか?<br>
あぁハルヒ、その……何か用なのか? 目が合った時に俺はハルヒに聞いてみた<br>
「……別になんでもないわ……、ただ……キョンが黙って帰っちゃわないか……心配で……」<br>
ホントに今日のハルヒはショックを受けたんだな、まるで別人だ。<br>
ハルヒ安心しろ俺はここにいるから、……ところでハルヒ、家の人は……その……?<br>
と俺はさっきから気になっていたことを聞いてみた。<br>
「……みんな出かけてるの、はいお茶よ」<br>
えっじゃぁ今ここは俺とハルヒの二人っきり……って。<br>
「冷めたら美味しくないから早くのんで……」</p>
<p>いや確かにこんな状態のハルヒをほっとく訳にもいかんが……<br>
だからといって二人っきりってのはどうなんだ? 色々とまずい気がするな……<br>
さっきのハルヒは反則的なまでに可愛かったし……その……</p>
<p>お茶を飲みながら俺はハルヒと暫く話をしたが会話はあまり弾まなかった。<br>
ハルヒの状態があまり回復していないのと俺が二人っきりと意識してしまったせいもあるだろう。<br>
当たり障りの無い会話のタネも付き始めた頃、俺は『じゃぁそろそろ』と帰り支度を始めた。</p>
<p>俺が帰るというとハルヒは不安気な表情を見せ、暫くためらったのち口を開いた。<br>
「キョン……怖いの……ひとりにしないで……帰らないで…」<br>
えっ……そっそうだ朝比奈さんか長門にでも……来て貰うか? 電話で頼んで……<br>
「キョンじゃなきゃ……キョンじゃなきゃ駄目なの! あたしをひとりにしないで……」</p>
<p>-- 今回はここで終わりです。続きは書くかもしれないです。</p>