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プロローグ - (2011/01/14 (金) 20:04:45) の1つ前との変更点

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<p> 突然だが、まずは俺のことを話そうと思う。あまり聞きたくないだろうが、少しの間、我慢して聞いてくれ。<br /><br />  俺は県立北高校2年4組、身長175センチメートル、体重63キロ、帰宅部の一人っ子。至って普通の高校生で、現在2階建ての一軒家に一人暮らし中だ。</p> <p> </p> <p>  なぜ16歳で、一人暮らしなのか。それは、1年ほど前に父親が海外出張することになったことが発端だった。息子よりも夫が大切な薄情な母親は、俺を放置して海外に飛んでいきやがったのだ。</p> <p> </p> <p>  小さい頃からずっとそうだった。とにかく干渉せず、自分の事は自分でやらせる。放任主義を突き通した結果、不覚にも炊事、洗濯掃除、とりあえず一通りはできるようになってしまった。まあ他にも、安心できる環境が整っているってのも、俺を1人にした理由としてあるのだろう。俺にとっては、逆に面倒な環境なんだけどね。</p> <p> </p> <p>  俺が住んでいる街は、人口5万人ほどの小さな街だ。若者が遊ぶ所なんかまるでなく、コンビニすらまともにない田舎町。高校に行くにはバスで20分ほどかかるだけでなく、本数が少ないため、バスを乗り過ごすと遅刻するかどうかの瀬戸際に立たされてしまう。そんなわけで、バスに乗り遅れないよう、学校に行こうと思うのだが……<br /><br /> 「おまたせー、さっさと行くわよ!」<br /><br /> 近所迷惑な大声を出す女が、リビングのドアを豪快に開け、ずかずかと入って来やがった。</p> <p> </p> <p> この騒がしい女は、宇都宮ナツキ。家が隣という典型的な幼なじみで、高校のクラスも一緒である。<br /><br />  ナツキは、肩より少し長いセミロングの黒髪で、大きな目に、薄いピンクの唇、引き締まりつつ出るところは出ていて、初めてこいつを見た男は、かわいいだの、芸能人みたいだの、好き勝手なことを言うだろう。<br /><br />  だが、見た目に騙されてはいけない。長年付き合った俺は知っているのだが、実は性格がひん曲がったあばずれ女なのだ。<br /><br />  思い出すだけで寒気がするほど、俺はひどい目にあっている。<br /><br />  まあそれはおいおい話すことになるだろし、こいつとのやりとりを見ればわかってもらえるだろうから、今は話さないでおこう。<br /><br />  知らぬが仏というやつだ。</p>

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