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しあわせⅠ - (2011/08/27 (土) 20:48:12) の1つ前との変更点

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<p> <span class="Apple-style-span" style="color:rgb(0,0,0);font-family:'MS PGothic';background-color:rgb(239,239,239);">「……と、これが条件だ。これが出来なければ文芸部室は生徒会のものとする」 <br /><br /> 「ふんっ!1回負けてるくせにまだ勝負する気?片腹痛いわ!」 <br /><br /> 「これは勝負などではない。勧告だ。別にせずに明け渡しといった流れでも私は一向に構わないのだが」 <br /><br /> 「臨むところよ……見てなさい!生徒会!!」 <br /><br /> 「言われなくとも監視はするつもりだがね」 <br /><br /> はあ、やれやれだ <br /><br /> 生徒会長がわざとらしく俺と長門を呼び出したと思えば、「おい、涼宮ハルヒにこれを渡しとけ。新しい企画考えんのもめんどくさいからまた同じお題にしてやったんだから感謝しろよ」とのたまりやがった。 <br /> 「これ」というのは一枚の藁半紙に印刷された書類(プリントといった方が適切かもしれん)であり、 <br /> そこには「文芸部の活動として、今年度中にも機関紙を発行すること。但し、学内文科系部活動推進活動(こんなめんどくさいもんまでやってやがったぞ機関もとい生徒会とやらは)による部費拡張に伴い、機関紙を夏季と冬季の二度に渡って発行すること。 <br /> 尚、発行部数は300部とし、発行できなかった場合や発行部数分が配布できなかった場合には即座に文芸部室を生徒会に明け渡すこと」といった旨のことがあの生徒会長の仮の姿らしい嫌味な文体で書かれていたのである。 <br /><br /> それを見た団長様は、案の定「今年もやってきたのね生徒会!!」とおほざきになり、生徒会室へ俺のネクタイを掴んでインターハイ出場クラスの速度で猛ダッシュし、上述のやり取りが繰り広げられたわけである <br /><br /> もう一度言おう。 <br /> ……はあ、やれやれだぜ <br /><br /> ところでハルヒ、俺は今年も恋愛小説を書けばいいのか? <br /><br /> 「前回と一緒なんてもってのほかよ!ほら、ここにクジを用意したわ!!一部を除き前回とは趣旨を変更してあるからさっさと引きなさい!!」 <br /><br /> なんとまあ。 <br /></span></p> <p> </p> <p><span class="Apple-style-span" style="color:rgb(0,0,0);font-family:'MS PGothic';background-color:rgb(239,239,239);"> ハルヒから近い順に長門、朝比奈さん、古泉、そして俺と団長……もとい、編集長特製のクジを引いていくらしい。 <br /><br /> 長門が引いたのは……恋愛小説か。ふむ、ここは鉄板でクジの変更もなかったと見える。 <br /> それにしても長門は恋愛小説なんてかけるのか?一抹の不安が胸をよぎる <br /><br /> 朝比奈さんは……SFか。前回はあえて入れなかったと言っていたな <br /> それにしても朝比奈さんの書くSFとは……とてもSFとは言えないようなメルヘンなものかいや待てあの人のことだうっかり未来のことなど書きかねんぞむむむ…… <br /><br /> 思考を走らせているうちに古泉の番らしい。古泉がひいたのはなんぞや? <br /><br /><br /><br /> 同性愛………だと? <br /><br /> おい待て微笑むな。こちらを見るな。頬を赤く染めるなああああ!! <br /><br /> 「最後はキョンね、さっさと引きなさい!!」 <br /><br /> へいへい言われなくても分かってますよっと <br /><br /> ん?残りクジは一枚じゃないのか。複数枚あるってことは……なるほど、またもや鶴屋さん谷口国木田にも手を借りる気なのか <br /> 鶴屋さん、お手数かけますホントに……国木田も大変だな。谷口?あんなやつは知らん <br /><br /><br /> さて。考えるのはこのくらいにして、クジを引くとしようかね <br /> 俺は一番最初に手に当たったクジを引き抜いていた。こいつはなんだ? <br /><br /> 幻想ホラー……か <br /><br /> 「あら、あんたがそれを引き当てちゃったのね。あたしは古泉くんか国木田あたりが引き当てるのを待ってたんだけど……まあ、仕方ないわよね、クジだもん」 <br /><br /> おい待てハルヒ。俺は幻想ホラーと言われてもなにを書けばいいのかなんてさっぱり分からんぞ <br /><br /> 「それを考えるのがあんたの仕事じゃない。〆切は今から一週間後!!一秒でも遅れたら死刑だから!それじゃあ、作業始め!!」 <br /></span></p> <p> </p> <p><span class="Apple-style-span" style="color:rgb(0,0,0);font-family:'MS PGothic';background-color:rgb(239,239,239);"> ぬぬう <br /><br /><br /><br /> 結局その日一日考えても幻想ホラー小説の原稿の「げ」の字も浮かばなかった俺は、前回ぴーぴー言いながら妹の友人の恋愛小説(断じてロリコンではない) <br /> を書き上げたことを省みて、1ページでも進めておこうと考えてノートパソコンを自宅にお持ち帰りしていた。 <br /><br /> 「全く……どうしたものかね…」 <br /><br /> そういえば去年の機関紙があったな…… <br /><br /> 幻想ホラーは……おっと、長門のアレだったか。参考にならんな <br /> 去年の同じテーマの小説をパクrゲフンゲフン参考にするつもりでいたのだが、どうやらその望みも絶たれたらしい。 <br /> それならば猫の手も借りたいとばかりにシャミセンをゆすってみてもネタのネの字も出てくるわけも無く、藁にもすがる思いで妹に聞いてみても <br /> 「しらなぁい。キョンくんが自分で考えなきゃダメだよ?それよりもお風呂出たら宿題教えてね。さんすう~どりーる~ん!」と言われただけであった。 <br /> つーか。俺に自分でやれって言うならお前も自分でやれよな算数ドリル <br /><br /> 「……ん?」 <br /><br /> なんだろう、この違和感は。 <br /> 過去に味わったような……そうだ、雪山での長門襲撃事件のときにもこんな感覚に陥ったんだ。 <br /> あのときはなにが引っかかったんだ?たしか……古泉が竪琴を……まあ、そのことはいい。今はなにが引っかかった? <br /><br /> 「そうだ…」 <br /><br /> 今年の春先、その台詞の後に電話を掛けてきたやつのことを、俺は思い出していた。 <br /></span></p> <p> </p> <p> </p>

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