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凉宮ハルヒの奮闘@コーヒーふたつ - (2007/01/13 (土) 07:29:32) の1つ前との変更点

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<div class="main">では、行かせて頂きます。<br> 今日はハルヒ視点で!なんとか15レス程に収まればいいんだけど・・・<br> <br> <br> ━━━━━突然だけど・・・とにかくアタシは授業が嫌いだ。<br> <br> だから、なにかしら暇潰しのネタを見付けては、放課後まで一日をやりすごす。<br> 前に座ってるキョンの背中をペンで突っついたり、背中にムフフな言葉を書いて困らせたり・・・も、いいんだけどね?<br> あんまりヤリ過ぎると、本気で怒るのよ!<br> だから何か他の事を・・・<br> そうね、最近は漫画にハマッてる。<br> なんてったって、読書の秋だし!<br> 今日も五時間目から教科書でカモフラージュしながら「花男」を読みっぱなし!<br> まさか、道明寺がニューヨークへ行っちゃうとは思わなかったわよ!<br> つくしちゃんとの関係は、どうなるのかしら・・・<br> <br> って、あれ?<br> <br> <br> 気が付くと、授業はとっくに終わっていて、アタシ以外のクラスのみんなは居なくなっていた・・・。<br> <br> 不覚だわっ!早く部室に行かなくちゃ!━━━━━<br> <br> <br> 【凉宮ハルヒの奮闘@コーヒーふたつ】<br> <br> <br> <br> アタシは急ぎ足で、午後になって少し冷え込んできた廊下を、部室棟へと歩いた。<br> ちなみに、我がSOS団の本日の活動内容は未定。<br> 歩きながら、今日は何をしてやろうか少し考えてみるけど、これといって名案が浮かばない。<br> まあ、いいわ!部室で、ゆっくりお茶でも飲みながら考えるとしよう!<br> 部室に近付くと、楽しそうな話し声がドアの向こうから聞こえてきた。<br> <br> (みんな、もう来てるな・・・)<br> <br> なんだか楽しい気分になって、アタシは勢い良くドアを開けた。<br> <br> -みんな、揃ってるわねっ?・・・て、あれ?何を食べてるの?<br> <br> 「おう、ハルヒか!朝比奈さんが、クッキーを焼いて来てくれたんだ!」<br> <br> キョンが口をモゴモゴさせながら、嬉しそうにしている。<br> <br> <br> 「いやぁ、実に美味いですね!商業的価値すら感じさせる味わいですよ?」<br> 「・・・・学習により疲労した脳には糖分の摂取を推奨する。」<br> <br> 古泉君もユキも夢中で食べてる・・・。<br> みくるちゃんに、こんな特技があったとはね・・・。<br> <br> 「いやぁ、朝比奈さん!本当に美味いですよ!」<br> 「やだ・・・ふふっ、キョン君たら!じゃあ・・・また何か作りましょうか?」<br> 「ええ、是非!」<br> <br> くっ・・・馬鹿キョンの奴!甘いものは苦手だって言ってた癖にっ!<br> デレデレしちゃって何よっ!<br> <br> 「おい、ハルヒも食ってみろ?美味いぞっ!」<br> -いらない。<br> 「なにムクれてるんだ?」<br> -・・・ムクれてなんかないわよっ!<br> 「ハルヒ?」<br> -今日は先に帰るっ!<br> <br> なんだかものすごく頭に来て、アタシは部室を飛び出した。<br> <br> <br> <br> <br> 学校を離れてしばらくたっても、アタシの腹の虫は治まらなかった。<br> まったく・・・馬鹿キョンの奴・・・<br> あんなに嬉しそうにする事ないじゃない・・・<br> <br> 大体・・・お菓子作りくらいアタシだって出来るわよ・・・<br> <br> あ!<br> <br> そうだっ!良い事思い付いたっ!<br> 明日のSOS団のオヤツをアタシが作れば良いのよっ!<br> そうね・・・クッキーとかじゃなくて、ゴージャスにショートケーキなんかどうかしらっ!<br> お菓子作りなんてやった事ないけど、『萌え系ドジっ娘』の代名詞のみくるちゃんが出来るんですもの!<br> やってやれない事は無いわ!<br> とりあえず作り方さえ解れば、後は材料を買って楽勝よっ!<br> <br> アタシはとりあえず、商店街へと向かった。<br> <br> <br> 買い物を済ませて家に帰ったアタシは、早々と夕食を済ませるとキッチンに立って準備を始めた。<br> 一通り道具を揃えて、材料を並べるアタシを見て、母さんが驚いてる。<br> <br> 「ハルヒ・・・あんた、何やってるの?」<br> -ん~?ケーキ作るのっ!<br> 「ええっ?あんた、カレーさえマトモに作れないのにっ?ケーキって難しいのよ?」<br> -煩いわね!人間、やる気になれば、なんでも出来るのよっ!<br> 「まったく・・・やれやれだわね・・・」<br> <br> 母さんは呆れた顔で茶の間へと戻って行った。<br> まったく・・・大きなお世話よね!<br> おおっと、母さんに構ってる暇なんて無いわっ!早く作らなきゃ。<br> えーと・・・小麦粉にベーキングパウダー・・・無塩バターに砂糖に卵っと・・・。<br> 卵は黄身と白身に分けるのか・・・。<br> そして、先に黄身にバターと砂糖を入れてかきまぜる・・・あれっ?<br> <br> 砂糖が溶けないじゃないっ!どうするのよ、これっ!<br> <br> 「ちょっとハルヒ!お砂糖は少しづつ入れるのよっ!」<br> -あれ?母さん・・・居たの?<br> 「まったく、おちおちテレビも視てられないわね!いいから全力でかきまぜて、溶かしてしまいなさい!」<br> -う、うん。<br> 「そしたら白身を泡立ててっ!モコモコになるまでやるのよっ!」<br> -でええっ?全然モコモコになんかならないわよ?<br> 「パワーとスピードが足りないのよっ!ココで気合いを入れないと、スポンジが膨らまないんだから!」<br> -わ、わかってるわよ!どぉぉりゃああああああああっ!<br> 「そう!そしてそれにさっきの黄身を混ぜて、最後に粉を混ぜるっ!」<br> -うん!・・・それっ!<br> <br> アタシは用意しておいた小麦粉を全部、勢い良くボールに入れた。<br> <br> 「・・・やっちゃったわね?」<br> -えっ?何?<br> 「・・・小麦粉もフルイにかけながら少しづつ入れるんだけど?」<br> -あ・・・!ねえ、母さんっ!どうしよう・・・・<br> 「うーん・・・とりあえず、粉がダマにならないように良く混ぜなさい。もしかしたら上手に焼きあがらないかもしれないけど・・・まあ、初めは誰でもそんなもんよっ!」<br> <br> とりあえずアタシは、母さんに言われた通りに良く混ぜた後、型にそれを流し込んだ。<br> <br> <br> そして、オーブンに入れて焼けるまで待つ・・・・けど、なんだか全然膨らまない。<br> <br> -母さん、どうしよう・・・。<br> 「やっぱり駄目か。ねえ、ハルヒ?ケーキ作りは勢い良くやっちゃ駄目よ?地味に、丁寧にやらなくちゃね。」<br> -うん・・・。これ、失敗?<br> 「・・・大丈夫よ。焼き上がったら上下半分に切って、フルーツとクリームを多目に挟めばいいわ。それに・・・アンタの選んだ彼は、少しくらい美味しく無くたって喜んでくれるわよ!」<br> -っ!母さんっ?<br> <br> な、なんでっ?母さんにはキョンの事なんか話した事ない筈なのにっ!<br> <br> 「なに赤くなってるのよ?ふふっ・・・アンタは本当に母さんの若い頃にそっくりね。」<br> <br> <br> それから少し後・・・<br> アタシのショートケーキは完成した。<br> ちょっと生地が固くなっちゃったけど、中々の出来栄えねっ!<br> 明日の放課後に、みんなの驚く顔が目に浮かぶわっ!<br> そして、夢中で食べるキョンの顔もねっ!<br> さてさて、疲れたからもう寝ようっと!<br> <br> 次の日・・・<br> アタシは、朝起きてすぐにキョンにメールした。<br> 『今日は電車で行く』っと・・・これで、良し!<br> 一緒に行くとケーキの存在がバレちゃうじゃない?<br> 放課後に驚いてもらわなきゃ、意味ないのよ!<br> <br> そして、アタシは急いで着替えて学校へと向かった。<br> <br> 学校に着くと、誰にもバレないように部室に寄って、冷蔵庫に持って来たケーキを隠す。<br> ふふっ、完璧だわっ!<br> そして、何事も無かった様にアタシは教室へと向かった。そう、何事も無かった・・様に・・・<br> <br> 「おい、ハルヒ!何ニヤけてるんだ?」<br> -へっ?なななななんでも無いわよっ!<br> 「また、妙な事考えてるんじゃないだろうな?」<br> -なによっ!「妙」とは失礼ね!<br> <br> まったく、キョンは解ってないんだから。<br> まあ、いいわっ!とにかく放課後、放課後っ!<br> <br> <br> そして放課後・・・<br> <br> 不覚だった・・・。<br> また授業中に漫画を読んでたら、知らない内に授業が終ってた・・・<br> 何やってるんだろ、アタシ・・・<br> <br> ま、いいか。<br> 少し遅れたけど、部室に行ってケーキのお披露目といきますかっ!<br> <br> 部室に近付くと、楽しそうな話し声がドアの向こうから聞こえてきた。<br> <br> (みんな、待ってなさいよっ・・・)<br> <br> いよいよ、みんなにアタシのケーキを・・・!<br> 味はイマイチ自信が無いけど、クリームとフルーツのボリュームなら負けないわっ!<br> <br> アタシは勢い良くドアを開けた。<br> <br> -みんな、揃ってるわねっ?・・・て、あれ?・・・何を・・・食べてるの?<br> <br> 「おう、ハルヒか!朝比奈さんが、マドレーヌを焼いて来てくれたんだ!」<br> キョンが口をモゴモゴさせながら、嬉しそうに・・・している。<br> 「いやぁ、実に美味いですね!昨日のクッキーも美味しく頂きましたけど、今日のマドレーヌもまた素晴らしい!」<br> 「・・・・。(ムシャムシャモグモグモグモグ)」<br> 古泉君もユキも夢中で食べてる・・・。<br> <br> 「おい、ハルヒも食ってみろ?フワフワで美味いぞっ!」<br> -いらない。<br> 「なに怒ってるんだ?」<br> -・・・怒ってなんかないわよっ!<br> 「おい、ハルヒ?」<br> <br> <br> なんだかものすごく悲しくなって、アタシは部室を飛び出した。<br> <br> そして・・・<br> とりあえず屋上に来てみた。<br> もう、西の空は微かにオレンジ色になりかけていて、それを見てるとなんだか益々切なくなってくる。<br> <br> -なにやってんだろうな・・・アタシ。<br> <br> しばらくぼんやりしていると、微かなオレンジ色はみるみる朱色に変わり、やがて淡い紫色を連れて来た。<br> <br> 少し寒いな・・・もう、帰ろう。<br> <br> アタシはとりあえず、食べてくれる相手を失ったケーキを取りに部室に戻る。<br> <br> 部室には、もう誰も居なかった。<br> <br> 冷蔵庫を開けると、今朝のままの姿でケーキが置いてあるのが見えた。<br> アタシは、そっとそれを取り出すと、机の上に置いてみる。<br> <br> どうしようかしらね、これ・・・<br> <br> その時!突然、ドアが開く音がした!<br> <br> 「ハルヒっ、ここに居たのか!探したんだぞ?」<br> <br> ドアの方を見ると、キョンが呆れた様子で立っていた。<br> <br> -な、なによ!キョンこそ何やってんのよ?<br> 「お前を待ってたんだろうが!今日は一人で帰るともなんとも言ってなかったし!」<br> -そう・・・だっけ?<br> 「そうだ!・・・ところで、それは何だ?ケーキか?」<br> <br> キョンは、アタシが机の上に置いたケーキの箱に気付いたみたい。<br> でも・・・もう、遅いわね・・・。<br> <br> -なんでも・・・ないわよ・・・。<br> 「そうか・・・。」<br> <br> そう言うと、キョンは何か考える素振りを見せた。<br> <br> そして「なるほど」って顔をしたと思ったら、突然ケーキの箱を開け始めた。<br> <br> -ち、ちょっと!何するのよっ?<br> 「ん?ああ、食べようぜ?」<br> -えっ・・・?<br> 「駄目か?」<br> -駄目じゃ・・・無いけど・・・。<br> 「ん。待ってろ?今、切り分けるから。」<br> <br> キョンは、流し台から包丁とお皿を取り出すと、手際よくケーキを切り始めた。<br> でも・・・やっぱり固そうだな。<br> さっきの、みくるちゃんのマドレーヌとは全然違う・・・。<br> <br> 「おい、食べないのか?」<br> -え?ああ、食べるわよ。<br> 「それじゃあ、いただきます!ん・・・おお!美味いな、これ!ハルヒが作ったんだろ?」<br> -そうだけど・・・。<br> 「んん!美味い!」<br> -そ、そんなことないわよ・・・。<br> 「いや、本当に美味いぞ?」<br> -っ!そんな事ないって言ってるでしょっ!<br> <br> 何だか、見え見えのお世辞を言われてる気がして、アタシはだんだんイラついてきた。<br> だって・・・どう考えても、みくるちゃんの作るお菓子には及ばない・・・<br> アタシは夢中で食べているキョンに、思わず声を張り上げてしまう。<br> <br> -そんなに『美味い美味い』って言うんだったら、どんなふうに『美味い』んだか説明してみなさいよっ!<br> <br> ふと、キョンのケーキを食べる手が止まった。<br> そして・・・顔を上げてアタシをじっと見つめてる・・・。<br> <br> 「ハルヒの・・・一生懸命な味がして、美味いぞ。」<br> <br> -・・・バカ。キョンの・・・バカ。<br> <br> 何だか嬉しくて照れ臭くて、アタシは夢中でケーキを食べて誤魔化した。<br> そして、やっぱり少し固いな・・・と思う。<br> <br> ごめんね、キョン。<br> 次は、とびっきりのヤツを作ってあげるからね!<br> <br> <br> おしまい<br> <br> <br> と、見せかけて・・・<br> <br> <br> <br> <br> <br> 「おい、ハルヒ。口の周りがクリームだらけだぞ?」<br> -え?ああ、本当だ・・・<br> 「・・・とってやるよ」<br> -え?ち、ちょっと!キョ・・・ン・・・<br> んっ・・・<br> <br> <br> <br> 本当におしまいっ!</div> <!-- ad -->

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