朝比奈みくるの一人身万歳！
<p><br> どうもこんばんは。朝比奈みくるです。<br> 実は最近、悩みがあるんです。<br> 最近の部室でのことなんですけど、右を見れば……</p> <p> </p> <p>「キョン！ちょっと来なさい！」<br> 「まったく、なんだよ……。」<br> 「キスしなさい！これは命令よ！」<br> 「わかったよ。団長様。ほら、目を閉じろ」ﾁｭｯ…</p> <p> </p> <p>うわぁ……<br> あまりの熱々っぷりに見ていられなくなって、左を見れば……</p> <p><br> 「……古泉一樹。」<br> 「どうかしましたか？長門さん。」<br> 「あなたは私の頭を撫でるべき。」<br> 「はいはい。長門さんは甘えん坊ですね。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ……</p> <p> </p> <p>……もうお分かりですね？<br> 私だけ一人身なんだよコンチクショウ！！！！<br> 居づらいですよぉ～居場所無いですよぉ～。助けてくださ～い…</p> <p> </p> <p>――――――――――――――――――――――――――――</p> <p> </p> <p>今日は不思議探索です。<br> さて午前中のペアは……</p> <p> </p> <p>「キョン！今日はこの前のデートで回りきれなかった場所に行くわよ！」<br> 「へいへい。どうせ俺のおごりなんだろ？」<br> 「分かってるじゃない！さあ行くわよ！」</p> <p> </p> <p>さっそく熱々っぷりを見せつけてくれているこの二人とペアです。<br> というか、お二人の目に私は写っているのでしょうか？<br> 早速二人の世界に入っちゃってますか。エアーですか！私はエアーですか！</p> <p> </p> <p>「キョン～♪はいアーン。」<br> 「やめろよ恥ずかしい。」<br> 「今更恥ずかしいも何も無いでしょ？いつもやってるんだから！」</p> <p> </p> <p>いつも、ですか……</p> <p> </p> <p>「しかしだなあ、今日は朝比奈さんがいるわけだし……」</p> <p> </p> <p>キョン君……やっぱり私のことも気にかけていてくれたんですね……！<br> 今始めて私の存在に触れられたことについては不問にしますね♪</p> <p> </p> <p>「いいじゃない！構いやしないわよ！ほらアーン♪」<br> 「やれやれ……あーん。」ﾊﾟｸｯ</p> <p> </p> <p>結局やりやがった！うらやま……もとい恥ずかしいですよぉ！<br> ああ、このまま二人といっしょに午後まで時間移動しちゃいたいです…</p> <p> </p> <p>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――</p> <p> </p> <p>午後になりました。くじの結果、今度のペアは……</p> <p> </p> <p>「おや、長門さんと朝比奈さんとの組み合わせですか。」<br> 「そうですね～。久しぶりですね～。」<br> 「……」</p> <p> </p> <p>古泉くんと長門さんとのペアです。ああ、またカップルとその他一名ですか……</p> <p> </p> <p>「朝比奈さんは、どこかご希望の場所はありますか？」<br> 「いえ、今日は特には……」<br> 「でしたら長門さんのご希望で図書館に行くことになりますが、構いませんか？」<br> 「ええ。大丈夫です。」</p> <p> </p> <p>今回は普通に会話が成立します！流石古泉くんです。<br> ああ、会話ってこんなに楽しいものなんだ……</p> <p> </p> <p>でもその……手を繋ぎながら歩くのはやめてもらえませんか？<br> 私が……すっごくみじめな気分になります……<br> 仕方が無いのでバックを両手で持って手がふさがってることをアピールします。<br> ええ、無駄な抵抗だってことぐらいわかってます……</p> <p> </p> <p>図書館に着きました。長門さんは早速本を探しに行きましたね。<br> 私も、何か料理関係の本でも読もうかと探しに行きます。<br> そして目当ての本を手に取り、古泉くんが座っていたソファーに戻ると……</p> <p> </p> <p>なっ……！</p> <p>二人が肩を寄せ合って本を読んでいるうううううううううううう！！！</p> <p> </p> <p>これは……無理です。とてもじゃないけどあそこに入ることは出来ません。<br> 万が一入りこんだら……古泉くんはともかく長門さんにどんな目で睨まれるか……<br> そうでなくとも完全に二人の空間。私が入る余地はありません……</p> <p> </p> <p>そして私は一人離れた場所で料理の本を読んで時間をつぶしました。<br> あ、この料理とかいいんじゃないでしょうか？塩味がきいてて……今みたいに……うふふふふ……<br> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――</p> <p>今日も今日とて部室にいます一人身の朝比奈みくるです。<br> でも今は古泉くんとキョンくんはまだ来てません。いるのは私と涼宮さんと長門さんの3人だけ。<br> だから今はまだ私もエアーじゃありません、会話に参加できますよぉ♪</p> <p> </p> <p>「聞いてよみくるちゃん！キョンったらね、相合傘は恥ずかしいからって走って逃げたのよ！」<br> 「へぇ～、そうなんですかぁ～！」<br> 「古泉一樹は、私の分の傘まで持ってきてくれた。嬉しいけど、相合傘できなくて残念。」<br> 「へぇ～、そうなんですかぁ～！」<br> 「キョンにも古泉くんみたいな気配りさが必要よね！<br> この前なんて、キスしたらギョウザ臭いとか言ったのよ！」<br> 「へぇ～、そうなんですかぁ～！」<br> 「古泉一樹には彼のような大胆さが足りない。気遣うのもいいけど、もっといろいろしてほしい。」<br> 「へぇ～、そうなんですかぁ～！」</p> <p> </p> <p>……って、私相槌しかしてねぇぇぇぇ！！！！<br> 結局ノロケですか！会話に参加してるようで実は蚊帳の外ですか！<br> あ、だったら私もそういう話題を出せばいいんですね！ありませんけどね！</p> <p> </p> <p>そしてドアが開いてキョンくんと古泉くんが一緒にやってきました。<br> さて私は、空気と一体化しますか……いつものように……</p> <p> </p> <p>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――</p> <p> </p> <p>今日は何も無い休みの日なので一人で街をぶらついています。<br> え？なんで何も無いかって？<br> それは、涼宮さんはキョンくんとデート、長門さんは古泉くんとデートしてるからです。<br> ふふふ……みなさん楽しそうでいいですね……ふふふ……</p> <p>まあいいです。たまには一人でショッピングを楽しみます。やけ買いです。</p> <p> </p> <p>「あれ？朝比奈さん！」</p> <p> </p> <p>私の名前を呼ばれたので、びっくりして振りかえるとそこには……<br> そこには……えっと……誰でしたっけ？</p> <p> </p> <p>「谷口です！」<br> 「あ、キョンくんのお友達の方ですよね！」<br> 「はい！今日はお一人ですか？」<br> 「ええ……私以外のメンバーはみんなデートなんで……うふふふ……」<br> 「だったら！俺とデートしませんか！？」<br> 「へ？」</p> <p> </p> <p>えっとこれって……ナンパ、ってヤツですよね？</p> <p> </p> <p>「どうですか？」</p> <p> </p> <p>……この人のことは良く知らないけど、<br> 遊ぶぐらいなら、大丈夫ですよね？</p> <p> </p> <p>「はい……少しぐらいなら……」<br> 「やったぜ！！今日はよろしくお願いします！」</p> <p><br> その後、エスコートされるままに1日彼に付き合いました。<br> 正直……彼に彼女ができない理由がわかった気がします。<br> 少なくとも、私に合う人じゃないと思います……</p> <p> </p> <p>そして……</p> <p> </p> <p>「今日はありがとうございましたぁ。」<br> 「……朝比奈さん！！」<br> 「ひぇ！？」</p> <p> </p> <p>いきなり叫んだので、びっくりして変な声出しちゃいました。</p> <p> </p> <p>「あの……あの……おおおお俺と、結婚を前提に付き合ってください！！！！」</p> <p> </p> <p>……えええええええええええ！！？？？<br> ちょ、結婚って……いきなり！？流石にそれはどうかと……</p> <p><br> ……でも、私、一人身なんですよね。<br> もう、みじめな思いをするのは、嫌です。<br> 彼のことはよく知らないけど、いっそのこと……！</p> <p> </p> <p>「私は……」</p> <p>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――</p> <p> </p> <p>「だめぇ！！」</p> <p> </p> <p>私はいきなり横から抱き付かれました。え？……涼宮さん！？<br> あれ、よく見るとキョンくんも長門さんも古泉くんも全員います。</p> <p> </p> <p>「み、みなさん、なんでここに！？」<br> 「キョンとデートしてたら谷口と歩いてるみくるちゃんを見かけて、<br> こっそりつけてたのよ。」<br> 「そして僕と長門さんもお二人にばったり会いまして、失礼ながらお二人の後を……」<br> 「そう。あなたが心配だった。」</p> <p> </p> <p>そうだったんですか……</p> <p> </p> <p>「みくるちゃん！私達が悪かったわ！ごめんね！！」<br> 「谷口になびいてしまうほど、追い詰められて居たんですね……」<br> 「……私達の配慮が足りなかった。」<br> 「僕達もこれからはあなたのことを考えた上で行動します。」<br> 「そうよ！みくるちゃんも大事なSOS団の一員なんだから！<br> だから！早まった真似しないで！！」</p> <p> </p> <p>みなさん……ありがとうございます。もう少しで、道を踏み外してしまうところでした。<br> みんながこんなに私のことを見てくれるなんて、いつぶりだろう……</p> <p> </p> <p>「……ごめんなさい。私が間違ってました。そして……ありがとうございます！」</p> <p> </p> <p>私の目にはいつの間にか涙が浮かんでいました。でも、みんなの言葉があたたかい……</p> <p> </p> <p>「さあ！今日は有希の家でパーティーやるわよ！！もちろん主役はみくるちゃん！いいわね！？」<br> 「……はい！」</p> <p> </p> <p>私は力強く返事をしました。やっぱり、私の居場所はＳＯＳ団しかありません！</p> <p> </p> <p>HAＰＰＹ ＥＮＤ！</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>「……ＷＡＷＡＷＡ忘れもの～……」</p>
