「第4章前編-4 Dark spring + Light summer = Day」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
第4章前編-4 Dark spring + Light summer = Day」を以下のとおり復元します。
<p> だが、涼宮は一筋縄でいく奴じゃなかった。いきなり俺の腕をつかみ<br /><br />
「尾行するわよ」<br /><br />
意味がわからないことをいう。こいつは何を言っているんだ?尾行してどうしようってんだよ。デートだぞ、デート。邪魔するのは、ルール違反ってもんだ。<br /><br />
「邪魔はしないわ。尾行するだけ。あんた気にならないの?キョンがあんたの幼なじみに手を出そうとしているのよ」<br /><br />
「まあ、気にならないと言えば嘘になるが、あいつは本当にただの幼なじみで……」<br /><br />
「さっさと、歩く!」<br /><br />
聞いちゃいない。こうなった涼宮を止めることができないってのは、数週間の付き合いでわかってるさ。頼むから、疲れることだけはしないでくれ。<br />
 </p>
<p>
 午前中、2人は映画館に入っていった。どうやら、今流行の恋愛映画を見るらしい。そういえば、ナツキがCMが流れているときに、見たいとかなんとか言ってたな。<br /><br />
「なんで、みんな似たようなデートばっかりするのかしら?退屈でしょうがないわ」<br /><br />
「ということは、涼宮は彼氏がいたことがあるのか?」<br /><br />
「まあね、中学の時だけど。みんな同じ事の繰り返し。駅前で待ち合わせて、映画館に行ったり、街でぶらぶらしたり。何が楽しいのか、全然っ、わからないわ!」<br /><br />
「涼宮にとって楽しいことってなんだ?」<br /><br />
「宇宙人とUFOに乗ったり、超能力者にスプーン曲げを教わったり、未来人とタイムスリップすることよ!」<br /><br />
 ほんとネジが何本飛んでるんだ。んなこと、普通の人間ができるわけないだろ?まあ、俺が望んでいないにも関わらず、涼宮の願いに似た体験をしてるってのは皮肉なもんだと思う。ん?待てよ。<br /><br />
「そういえば、異世界人とは何をしたいんだ?」<br /><br />
「そうね……。異世界で、異世界人とデートしたいかな」<br /><br />
「そいつは止めたほうがいいな。今の状況と対して差はないから退屈するぞ」<br /><br />
「異世界を知っているような口ぶりね」<br /><br />
しまった。古泉から余計なことを言わないように釘を刺されていたんだった。<br />
 </p>
<p>「そ、それで、今までのデートは退屈だったと?」<br /><br />
「そうよ」<br /><br />
「相手は好きな男だったのか?」<br /><br />
「違うわ。あたしに告白してきた男で、あたしにとってはどうでもいい男ばっかりよ」<br /><br />
なるほど、そういうことか。<br /><br />
「好きな相手だったら、楽しいデートになるじゃないか?一緒にいるだけで楽しい相手なら、どこに行こうが関係ないだろ?」<br /><br />
「わかったような言い方するけど、あんたはそんな人いるの?」<br /><br />
 うぐっ、痛いところをつく。俺は今まで彼女なんてできたことがない。想像で話しているだけだったりする。もてない男ってのは、かなりつらいんだぞ。</p>
<p> </p>
<p>
 だけど、涼宮よ、お前は黙っていれば男が寄ってくるんだから、もったいない。自分の長所というものを有効に使いたまえ。宇宙人や超能力者と遊ぶより、恋愛した方が楽しいはずだぞ。たぶん……<br /><br />
「うるさいわね。恋愛感情なんて一種の精神病。全く興味ないわ。映画、始まるから黙りなさい」<br /><br />
涼宮がさらっと、とんでもないことを言った。しかも、ますます不機嫌になったようだ。こりゃ、古泉の出番が近そうだ。</p>
<p> </p>
<p>次へ</p>
<p> </p>

復元してよろしいですか?