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第二章 顔合わせ 1」を以下のとおり復元します。
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<p>長門のマンションに行く間、俺はケロロに聞きたいことが山ほどあったため、到着するまでいくらか質問してみた。</p>
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<p>「ケロロ、まず聞くがお前どこから来たんだ?」</p>
<p>「どこから・・・でありますか?出身地の方?それとも・・・」</p>
<p>「ああ、まあその・・・聞き方が曖昧だったか。んじゃ、質問を変える。地球に来るのは初めてか?」</p>
<p>「ずっと前から潜伏していたのであります!」</p>
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<p>ずっと前って・・・まさか俺たちが知らない間に、実は宇宙人の地球移住計画なんてのが存在したって言うのか?</p>
<p>それは気付かなかった。</p>
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<p>「じゃ、それを踏まえてもう一度聞こう。どこから来たんだ?」</p>
<p>「東京の奥東京市からであります!」</p>
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<p>奥東京市?何かあまり馴染みがないな。たまに旅番組とかで紹介されるぐらいの俺にとっては超マイナーな場所だ。</p>
<p>あ、そういやこの間の胡散臭そうな特番のロケも奥東京市って所が紹介されてたな。</p>
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<p>「で、その奥東京市っていうのがお前の潜伏先で、理由はあえて聞かないがそこから飛び出してここにやって来たということか」</p>
<p>「まあ、そんなところでありますよ」</p>
<p>「そこには不思議がいっぱいあるってか?」</p>
<p>「それは来てみてのお楽しみっつーことでありますよ」</p>
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<p>来てみてのお楽しみ・・・ね。もしかしたらハルヒが、</p>
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<p>「SOS団出張不思議探索ツアー in 奥東京市をやるわよっ!」</p>
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<p>なんて言い出すかもな。</p>
<p>まあ、ハルヒが興味を持てばの話だが。</p>
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<p>しばらく移動していたら、もう長門のマンションだ。</p>
<p>というか、ここまで俺は変な目で見られていただろうな。なぜなら見えるはずのない宇宙人と思いっきり会話していたからな。</p>
<p>幸い、ハルヒには見つからなかったが。</p>
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<p>「悪いが、ちょっとここから鞄の中に入ってくれるか?」</p>
<p>「モチのロンであります!」</p>
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<p>今日で通算3回目の敬礼が決まる。俺は別に上官でも何でもないがな・・・。</p>
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<p>「なあ、いちいち敬礼しなくてもいいんじゃないか?」</p>
<p>「いやいや、親しき仲にも礼儀ありというでありますから、気にする事ないでありますよ!」</p>
<p>「はぁ・・・。じゃあ良いぞ、許可する」</p>
<p>「有難きお言葉であります!」</p>
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<p>やれやれ。</p>
<p>って今日はこの言葉がよく出てくるよな・・・。</p>
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<p>そんなわけで、ケロロを鞄に押し込みマンションの玄関口のインターホンで呼び出しをしてから、俺はエレベーターで長門のいる708号室に向かった。</p>
<p>そして、ドアの前まで行き、ベルを鳴らす。</p>
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<p>ガチャ</p>
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<p>「よう、長門。待ったか?」</p>
<p>「・・・(コクッ)」</p>
<p>「お前にいろいろ話さなきゃならなくてな。いいか?」</p>
<p>「構わない」</p>
<p>「よし、お邪魔するぜ」</p>
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<p>俺は長門の部屋に上がった。相変わらず無機質な部屋だ。</p>
<p>長門はお茶を入れた。そして俺のところへ置いた。</p>
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<p>そして、お茶を啜っていると、</p>
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<p>「話は何?」</p>
<p>「ん?ああ、実はこいつのことなんだがな」</p>
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<p>俺はケロロを鞄から出して、長門に見せる。</p>
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<p>「・・・」</p>
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<p>長門は相変わらず無表情だ。いや、若干驚いている。</p>
<p>そして、こう聞いてきた。</p>
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<p>「・・・いったいどこで?」</p>
<p>「いつもの不思議探索の集合場所でだ。ちょっと寄り道してたらいたんでな」</p>
<p>「・・・情報統合思念体も私も、この生き物は初めて見る」</p>
<p>「あ・・・あのぅ・・・どちら様で?」</p>
<p>「私の名は長門有希。情報統合思念体のインターフェース、すなわち宇宙人」</p>
<p>「ゲロッ!?マ、マジですかっ!?」</p>
<p>「本気と書いてマジ」</p>
<p>「ゲ・・・ゲロォ・・・」</p>
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<p>そりゃ驚くよな。なんせ、どう見ても人間だぜ?しかもケロロと同じ宇宙人扱いだからな。</p>
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<p>「名前は?」</p>
<p>「わ、我輩はガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長 ケロロ軍曹であります!」</p>
<p>「理解した」</p>
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<p>おい、長門。</p>
<p>何でお前はあっさり理解できる。</p>
<p>あと肩書きは省略したほうがいいぞ、ケロロ。</p>
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<p>「なあ、長門」</p>
<p>「何?」</p>
<p>「これもハルヒが望んだのか?」</p>
<p>「今回は涼宮ハルヒの願望一切関係なしに彼が現れた。つまり想定外」</p>
<p>「す、涼宮ハルヒというのは?」</p>
<p>「簡潔に言うと、彼女は普通の人間ではない。願望をかなえる力を持っている」</p>
<p>「じゃあ、例えばお菓子が欲しいって願ったら出てきたりするんでありますか?」</p>
<p>「彼女が本気で願ったなら実現可能」</p>
<p>「羨ましい能力でありますな・・・」</p>
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<p>俺もそう思う。</p>
<p>だがな、そう甘くはできてないんだぜ。</p>
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<p>「安易にそう考えるのは良くない。まず、彼女はその力を自覚してはいない」</p>
<p>「マ、マジで!?」</p>
<p>「本気と書いてマジ」</p>
<p>「何気に2回目!?」</p>
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<p>おい、ケロロと長門。</p>
<p>俺は空気か。</p>
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<p>「黙ってて」</p>
<p>「・・・すまん」</p>
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<p>俺、もう帰ろうかな・・・。</p>
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<p>「話を戻す。次に彼女はとんでもない願望を叶えるかもしれないという可能性もある」</p>
<p>「ま、まさか・・・誰かに死んでほしいとか・・・でありますか?」</p>
<p>「さすがに彼女はそれを望んでいない。そう信じてる」</p>
<p>「じゃ・・・じゃあ新世界の神になる的な?」</p>
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<p>どこの人気漫画だ。</p>
<p>言っとくが黒いノートなんざここに存在しないぞ。</p>
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<p>「強いて言うなら、彼女が世界を都合よく改変するかもしれない。これ以上はさすがにあまり言えない」</p>
<p>「な・・・なるへそ・・・」</p>
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<p>それを言うならなるほどな。</p>
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<p>「で、長門。こいつをどうすりゃいい?」</p>
<p>「あなたに任せる」</p>
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<p>おいおい、こいつを俺ん家で預かれってか?</p>
<p>家族にどう言えばいいんだよ。</p>
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<p>「そのための対策があるであります!」</p>
<p>「何だ?」</p>
<p>「じゃーん!」</p>
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<p>ケロロが取り出したのは、何やら首なしのでかい人形だ。</p>
<p>しかも人型の。</p>
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<p>「それは何だ?」</p>
<p>「地球(ペコポン)人スーツであります!」</p>
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<p>変なネーミングセンスだな、おい。しかも地球のことをペコポンって。</p>
<p>どうも馬鹿にされてる気分だぜ。</p>
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<p>「まあ、ケロン星独特の呼び方でありますから気にしないで欲しいであります」</p>
<p>「ケロン星?お前の出身地か?」</p>
<p>「そうであります!だから、我輩達はケロン人と呼ばれているのであります!」</p>
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<p>ケロン星に住んでるケロン人。まあ、カエルっぽいとは思ったが。</p>
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<p>「しかし、そのスーツで誤魔化せるの?」</p>
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<p>そうそう、それが問題なのよ。</p>
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<p>「じゃあ、さっそく実験であります!」</p>
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<p>そういうとケロロは地球人スーツとやらを着始めた。</p>
<p>何か絵になりそうだな。</p>
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<p>「どうでありますか!?」</p>
<p>「「・・・・・・・」」</p>
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<p>うん、予想通り。ヘンテコ人間確定。</p>
<p>どう見てもばればれでーす。</p>
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<p>「そんな・・・完璧な人間になっている・・・!」</p>
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<p>って長門!?何故お前は驚く!?</p>
<p>明らかに不自然じゃねえか!</p>
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<p>「さすがは地球人スーツ、それについて詳しく知りたい」</p>
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<p>ああ、そうか。</p>
<p>こいつら真性のアホ宇宙人コンビか。やれやれ。</p>
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<p>「おっと、そろそろ俺は帰る。で、こいつは俺が何とか言っとくよ」</p>
<p>「解った」</p>
<p>「よーし、ケロロ。帰るぞ」</p>
<p>「了解であります!」</p>
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<p>本日4回目の敬礼。</p>
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<p>「では、有希殿。お邪魔したであります!」</p>
<p>「また来て」</p>
<p>「また来るであります!」</p>
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<p>長門に敬礼するケロロ。これで5回目か。</p>
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<p>こうして、俺とケロロの居候生活は幕を開けたのであった。</p>
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<p>そしてそれが、これから起こることの始まりでもあった・・・。</p>
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<p>第三章へ続く</p>
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