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きみろりさん - (2007/09/13 (木) 22:03:43) の編集履歴(バックアップ)


会長「暦の上ではとっくに秋だというのに、今朝もまた変に暑いな。昨晩の雨のせいで、空気もやたらベタベタしているし。まったく、これからあの坂を上って登校しなけりゃならんと思うと、心底うんざりする」
??「かいちょー」
会長「いっそ強権を発動して、生徒会室にだけでもエアコンを設置してやろうか…?」
??「かいちょー」
会長「しかし、あからさまな使い込みをしてもすぐにバレるしな。古泉にねちねち小言を言われるのも癪に障るし。ううむ…」
??「かいちょーってば!」

会長「うおっ、足元から声が!?
    って、女の子か。どうしたお嬢ちゃん、迷子にでもなったかね?」
??「ちがいまちゅ、かいちょー! わたしでちゅ、わたぁし!」

会長「わたしと言われてもな。あいにく俺に幼稚園児の知り合いなどは…」
??「もう、これならわかりまちゅか? えいっ!チュッ」
会長「き、キミっ、いきなり何を…むっ!? この味、この唇の感触…。まさか、キミは喜緑くんか!?」

㌔㍉「よーやくわかってくれまちたか、かいちょー」
会長「しかし、どうしてそんな幼稚園児のような姿に…?」
㌔㍉「わかりまちぇん、あさおきたらこーなってまちた。

    じょーほーとーごーしねんたいともこんたくとできないでちゅし…。かいちょー、わたしこれからどーちたらいーんでしょーか?」
会長「いや、俺にそう訊かれてもなあ」


近所の奥様方「ちょっとアレ…白昼堂々変質者じゃ…( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」

 


 

会長「ワケが分からんが、とにかく状況を整理しよう。わざわざ俺を訪ねてきたという事は、例の情報操作能力とやらも使えなくなっているんだな?」
㌔㍉「ええ、おさっしのとーりでちゅ」
会長「同じマンションの長門くん、彼女の助力は仰げないのか」
㌔㍉「いちおーへやはたずねてみまちたけど、けさはもうがっこーにむかってしまったあとみたいで」
会長「携帯で連絡を取れば良かろう」
㌔㍉「それが…わたしたちはそのきになれば、けーたいでんわをかいさなくてもかいわができるので、ながとさんのばんごーはとーろくちてなかったんでちゅ」
会長「で、いざ情報操作が出来なくなったら困り果ててしまった訳か。まるで停電時のオール電化の家のような有様だな」
㌔㍉「すみません、いまのわたしはほんとーにやくたたずで…」


会長「………デコピン」
㌔㍉「あいたっ!」
会長「くだらない事をぬかすな。お前が情報操作だの何だのの宇宙人パワーを持っていたから、だから俺はお前と付き合っていたとでも思っているのか」
㌔㍉「か、かいちょー?」
会長「たとえ見た目が幼稚園児でも、お前は確かに喜緑江美里なのだろう。ならばそれだけで、俺にはお前を助ける理由足りえる。
    分かったな。つまらん卑下など口にしている暇があったら、お前も現状打破のために、もっと建設的な対処法を考えてみせろ」
㌔㍉「………おおせのとーり、どりょくしまちゅ。それと、かいちょー」
会長「ん、何だ?」
㌔㍉「いまのかいちょーのおことば、とってもうれちかったでちゅよ。チュッ」
会長「…のん気にじゃれ合っている場合ではないだろうに」
㌔㍉「うふふ、たよりにちてますからね☆」


近所の奥様方「本物、本物よアレは! 警察呼びましょう警察…( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」

 


 

会長「ともかく、その容姿では学校にも行けまい。急病とでも連絡しておくべきだな」
㌔㍉「はい、でも…」
会長「どうした、北高の番号も登録していないのか?」
㌔㍉「いえ、そーじゃなくて。いまのわたしのこえでは、きっとれんらくちても、きみどりえみりほんにんだとりかいちてもらえないんじゃないかと」
会長「むう、確かに。子供のイタズラと思われるのがオチか」
㌔㍉「わたし、ひとりぐらしでちゅし…じょーほーそーさにたよってまちたから、おとなのしりあいもとくにいまちぇん。どうしまちょう」


会長「………ピッポッパッ」
㌔㍉「かいちょー?」
会長「先生ですか。ええ、私です。朝方から突然のお電話申し訳ありません。
    実は隣のクラスの喜緑くん、はい生徒会書記の彼女ですが、急な発熱を患ったとの事なので担任の先生にその旨ご連絡を願います」
㌔㍉「…………」
会長「そうです、本人は電話に出るのもつらい様子ですので。…なぜ私がその状況を知っているのか、ですって? ハッ、これはまた教師とも思えない愚昧な質問を。我々が互いに信頼を寄せ合う間柄だから、に決まっているでしょう」
㌔㍉「…………」
会長「時間も有りませんので、込み入った話はまた後ほど。では。ピッ」


㌔㍉「だめじゃないでちゅか、かいちょー。せんせーにあんなくちのききかたをちて」
会長「こういう場合は、こちらのペースで強引に話を押し進めるに限る。無理が通れば道理が引っ込むという奴だ」
㌔㍉「でもあれではきっと、せんせーはわたしたちのことを…ないしんてんにひびきまちゅよ?」
会長「まったく、困った事だ。だが物事には優先順位という物がある。いま第一に考えるべきは内申点では無いのだから、この損失も致し方あるまい。
    まあキミの姿と力が元に戻ったなら、せいぜいフォローでもしておいて貰おう」
㌔㍉「………かいちょーったら。ギュッ」

 



会長「どうあれ、連絡は済んだ。今日一日は大手を振って休むがいい。では、家まで送って行こう」
㌔㍉「そんな、ひとりでだいじょうぶでちゅよ」
会長「馬鹿を言え。服も靴もぶかぶかだし、とても大丈夫そうには見えん」
㌔㍉「でも、いまからわたしをマンションまでおくっていったら、かいちょーがちこくしちゃいま…」
会長「お前のペースで一緒に歩いていったなら、確かに遅刻するだろうな。だったら、こうすればいいだけの話だ。ヒョイ」
㌔㍉「きゃっ!?」
会長「少し揺れるが、我慢しろよ」
㌔㍉「は、はい。あっ、でもかいちょー…」
会長「何だ?」
㌔㍉「どうせならかたにかつぐより、おひめさまだっこでおねがいしまちゅ。ポッ」
会長「だから、じゃれ合っている場合ではないというのに…。仕様のない奴だな、行くぞ」
㌔㍉「うふふ、えみりはしあわせものでちゅ☆」


近所の奥様方「ああっ、ついに実力行使に!? 幼女をさらって逃げたわ! 警察はまだなの警察は!( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」



会長「よし、マンションが見えてきたな」
㌔㍉「…………」
会長「どうした、喜緑くん。具合でも悪いのか?」
㌔㍉「そうじゃありまちぇん。ただ、かいちょーが…」
会長「俺が?」
㌔㍉「かいちょーが、このままわたしをどこかへさらってくれたらいいのにとおもって」

会長「まさか、本当に熱を出したんじゃあるまいな。まるで風邪を引いた子供のような事を言う」
㌔㍉「ぷぅ。わるかったでちゅね、どーせいまのわたしはこどもでちゅよっ」
会長「拗ねるなよ。お前もいろいろと不安なのだろうが、今はおとなしく待っている事だ。放課後になったらプリンでも買って来てやるから」
㌔㍉「…ふあんなんてありまちぇん。だってはくばのおーじさまが、きっとわたしをもとのすがたにもどしてくれまちゅもの。チュッ」
会長「喜緑くん?」
㌔㍉「うふふ、いまのはいってらっちゃいのきすでちゅ。ここからはもうわたしひとりでだいじょーぶでちゅから、かいちょーはどうぞがっこーへ…」
??「ぬわーっ! き、き、貴様ーっ!」


会長「なんだ? 警官が俺たちに一体何の用…」
警官「貴様だなッ、通報にあった幼女誘拐犯というのは!? 真っ昼間っから幼気なおにゃのことチッスなんぞしやがって、許さんっ! 許さんぞ貴様! っていうか俺と代わりやがれ!スチャッ」
会長「なっ、いきなり銃を!?」
㌔㍉「きゃ!?」




警官「ぐへへ、もう安心だよそこのぷりちーお嬢ちゃん! いまこのカッコいい口谷巡査が助けてあげまちゅからねぇー! 
    そのあと派出所でケガが無いかじっくり取り調べ…いや、いっそ家までお持ち帰りぃ!」
㌔㍉「ひゃああああ!」
会長「ふざけるなこのペド野郎!ゲシッ」
口谷「ほげえー!?」
会長「喜緑くんが怯えているだろうがっ! まったく、こんな奴が警官とは世も末だ」
㌔㍉「まもってくださってありがとーございまちゅ、かいちょー。でも…」
会長「ん?」
㌔㍉「だいじょーぶでちょーか、このひと。しろめむいちゃってまちゅけど」
会長「うーむ、つい本気で顔面にシャイニング・ケンカキックを叩き込んでしまったからな。まあそれは自業自得だから同情の余地なしとして、そういえばこの警官、さっき誘拐犯がどうのこうの言っていたようだが…?」

??「もう、口谷ったらどこ行っちゃったのかな。30年間ナンパ成功率0%だからって歪んだ方向に先走ってなきゃいいんだけど…あっ!?」
会長「むっ、言ってるそばから警官がもう一人」


警官2「く、口谷!? 大変だ、こちら田木国巡査部長、口谷巡査が道端でのびています! 至急応援の手配を…」
㌔㍉「かいちょー、なんだかまずいふんいきじゃありまちぇん?」
会長「そのようだな。とにかく、逃げるぞ!ダッ」
田木国「あっ、待ちなさいそこの学生、こらーっ!」



㌔㍉「まだまだつづく、みたいでちゅ」