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畏怖・涼宮ハルヒの静寂2 第2周期 - (2009/05/21 (木) 23:38:45) の編集履歴(バックアップ)


 場面は転じて、夜の公園。しかも一人ベンチで寂しく……はないが座っている。。
 何故こんなところに居るかというと、此処で待つように指示するメモ書きが下駄箱にあったためである。
 で、それを見た俺は素直にその指示に従って此処で待っているということだ。飯は食ってきたから長時間待っても大丈夫である。
 まあ、この手段で呼び出しというのであれば、SOS団の緊急召集ではないことは皆さんもお分かりであろう。
「お久しぶりです」
 朝比奈さん(大)がやってきた。
「今日は、ハルナについてですよね」
「はい、そうです」
 取り敢えずベンチに座り、話を切り出した。
「今回のことで未来はどうなったんですか」
「不思議なことに、影響は少ないんです。確かに大きな変化が無かったとまでは言えませんが、私達が動く必要性はないとの見解です」
「そうなんだー」
「!!!!!!!!!」
 !!!!!!!!!

 何ということでしょう、そこにはニヤニヤしながらこちらを見ている団長の姿があるではありませんか。
 勿論、慌てるとかいうレベルではない俺と朝比奈さん(大)。
「は、ハルヒ!?」
「あ……えっと……」
 朝比奈さん、今更隠れようとしても無駄ですよ……。
「うーん、やっぱり大人になったみくるちゃんのもなかなか。これは揉みがいがありそうね…」
 何だその品定めするような視線は。そしてその怪しい手の動きを止めなさい。というかさっきからどこを見ているんだ。
「決まってるでしょ、みくるちゃんのその立派な」
「あー、それ以上は言わなくていい」
 駄目だ、あれは完全に獲物を見る目だ。
「例えおっきくなってもみくるちゃんはみくるちゃんよ!!」
「えっ、あ、ちょっと…! ぃゃ………………!!」
 ハルヒが朝比奈さん(大)に飛びかかった瞬間には俺は即座に後ろを向いて見ていないので何があったのかは分からない(ということにしておいて貰いたい)。
 背後から天使の悲鳴が聞こえるが俺にはどうにもできません、ごめんなさい……。

 しばらくして悲鳴は止んだ。どうやらハルヒが満足したらしい。嗚呼無力な自分が悔しい。
「いやーやっぱり気持ち良いわねー」
「ぅぅ……涼宮さん…」
 やはり泣いていらっしゃる。だがしかし俺にはどうすることも以下略


 こうやってこそこそしていたわけだし、ハルヒに見つかってしまうのは相当まずいことなのではないのだろうか?
「はい、以前まではそうでした。涼宮さんに見つかることだけは避けなければならなかったんです。でも、涼宮さんによるリセット以降、これは規定事項になってたんです」
 これ、とはつまり、ハルヒに見つかって……
「い、言わないで下さい……」
「なに? つまりあたしから逃げられなくなったってこと?」
「簡単にいえばそうなります。その原因は分かっていませんが、リセットされたことで私達の未来とはほんの少しではありますが方向が変わったのかもしれません」
「少しねえ。その『少し』の影響量が気になるわね」
「それについては調査中ですので何とも言えません」
「調べ終わったらまた報告してくるの?」
 朝比奈さんの言うことをしっかり聞いているのは、罪悪感などが残っているからなのだろうか。
「ここにおっきなみくるちゃんがいるってことはキョンに何か大事な話があるんでしょ?」
「え?」
 再び二人は仰天である。何でそこまで知ってるんだ。恐るべし、全能の涼宮ハルヒ。
「お邪魔しましたー、ごゆっくりー」
 ハルヒはそう言い残すと俺達に何も言わさぬままどこかへ行ってしまった。
 ぽつーんと残された二人は呆気にとられていた。
 あんなにあっさりしていたのは全くもって予想外であった。ハルヒがあれほど追い求めていた未来人に対面したのだから、もっと首を突っ込んでくると思ったのだが
「それにしても、なんかあの言い方はむかつくな」
「私があまり長時間この時間平面に留まれないことも知っているのかもしれません」
「あ、なるほど」
 しかしまさかハルヒが配慮するなんてな。『事件』とやらが与えた影響はかなり大きいのかもしれん。

 しばらくの沈黙ののち、本題へ戻った。
「リセットの影響はあるのにハルナの出現の影響はないというのはどういうことですか? ハルヒが二人になったも等しいというのに」
「そう思われたのですが、これが私たちの調査結果です」
「この先、何か重大なことが起こるんですか?」
「それはキョン君の結論次第です」
 朝比奈さん(大)は真っすぐ俺を見てそう言った。
 俺達がハルナを認めるか否か、それによって朝比奈さん(大)の時代で予測されているのとは異なる未来に向かうかもしれないのだ。
「では、そろそろ失礼します」
 朝比奈さん(大)がベンチから立った。
「最後に一つ聞いてもいいですか」
「何ですか?」
「朝比奈さんはハルナのことはどう思いますか?」
「そうですね」
 しばらく空を見上げていた。その後こちらを向いて微笑みながら言った。
「妹って、なんか羨ましいです」