「第一章 出会い」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

第一章 出会い - (2011/02/09 (水) 16:29:18) の編集履歴(バックアップ)


 

 

話は高校1年の9月。永遠の夏休み地獄から抜け出し、迎えた9月最初の日の放課後のことだった。

 

古泉からポーカーでボロ勝ちしたその日の放課後、学校を出た俺は、たまには寄り道したくなったので毎週土曜日の不思議探索の集合場所あたりに行ったわけだ。

 

全てはここから始まったんだよな。
あのループだらけの夏休みが。

 

まあ何をするってわけでもなく、本当にただあの夏休みを忘れてはならないとここに来ただけということだ。

そろそろ俺が帰ろうとしていたその時だった。

 

「・・・?」

 

そこにいたのは何やら変な緑色のカエルだった。
何故変なカエルかって?

 

まず、カエルのくせに二足歩行なのだ。

というか、二足歩行のカエルなんて普通この地球にいるわけあるか?

 

もしいたら、間違いなく世紀の大発見じゃねえか?

・・・って間違いなく今の俺なんだがな。

母さん、俺やったよ。たくさんの人からすばらしい大発見だって褒められたよ。

 

なんてことはどうでもいいので、次に変なところ。

それはこいつの持っている物だ。

 

まるで某ネコ型ロボットのしっぽのような形のアンテナが付いている丸い通信機器のような物。

・・・どう見ても携帯ショップや家電量販店には売ってないな。

 

あと、何か入ってそうなリュックサックだが、中身は当然知らん。

覗くわけにはいかんしな。ハルヒならお構いなしだろうが。

 

しかもこいつの特徴は、お腹のでっかい星だ。というか何故に?

さっぱり意味が解らん。誰か教えてくれ。千円くらいはやるぞ。

 

なんて考えても仕方がないので、俺はとりあえず声をかけることにした。

 

「よう、何してんだ?」

「ゲ、ゲロッ!?」

 

・・・まあ、さっきまで俺には気づかなかったんだからな。驚くのは当然か。

しかし、このカエル野郎は警戒心がないのか?人に見られたら大パニック間違いなしだろ。

 

「な、何故ばれたのでありますか・・・?」

 

だから、そんな姿でうろついてたら見つかるっての。

自覚してないのか? 

 

「アンチバリアで普通の人には見えないはずなのに、何故でありますか!?」

 

全く、だからな・・・ってアレ?

こいつは今何て?

 

 

 

「だからぁ!アンチバリアで人間には見えねえっつってるでしょ!?」

 

・・・。

 

何ですとおおおおおおおお!?

アンチバリア!?こいつは何ほざいちゃってくれてんの!?

 

しかし、これまで何度もトンデモ現象を経験した俺は、こいつが何者なのかがすぐに解った。

 

「単刀直入に聞く。お前宇宙人か?」

「ゲロォォォォッ!!何でそこまでばれちゃってんの!?」

 

やっぱりか。

 

まずこの容姿じゃ未来人・超能力者の可能性は限りなくゼロだ。

異世界人も・・・まあ可能性ゼロだな。

 

で、普通に消去法で宇宙人ってわけだ。

 

「ゲロ・・・まさかブラックメンでありますか・・・?」

 

ブラックメン?ああ、この間の胡散臭い特番でやってた宇宙人関連の諜報員とかってやつか。

 

「違うな。俺は普通の人間だ。まあ、キョンとでも呼んでくれ」

「キョン殿・・・でありますか?」

 

名前の後に殿はやめてくれ。そこまで俺は高尚じゃない。

せめて、さん付けでいい。

 

「いやいや、これが我輩なりの礼儀でありますから」

 

やれやれ。まあいいか。

俺はひとまずこいつをどうするべきか考える。どうせこいつが泊まるとこは今のところはなさそうだしな。

 

「ちょっと待ってろ。今ちょっと友達に電話しなけりゃならん用件ができた」

「了解であります!」

 

ビシッ!と敬礼が決まった。どうやらこいつの癖は敬礼らしい。

俺はとある奴に電話をかけた。

 

プルルルル・・・。

 

ガチャ

 

「・・・もしもし、長門か?」

「・・・何?」

 

電話をかけた相手は長門有希という、とても無口な読書少女だ。

正体は情報統合思念体のインターフェース、すなわち宇宙人なのだ。

 

まあ、あのカエルとは容姿が全く違うがな。

そんなことはいい。

 

「今すぐ、お前のところに行っていいか?重要な話があるんだ」

「・・・いい」

 

どうやら了承してくれたようだ。さて・・・

 

「そういやお前の名は?」

「我輩の名はガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長 ケロロ軍曹であります!」

 

肩書き長ぇな、おい。んでもって軍曹ってこいつ、宇宙の軍人なのか。

まあ、いい。時間がない。

 

「ちょっと俺についてきてくれ」

「了解であります!キョン殿!」

 

またもや敬礼が決まる。もうそれはいいよ・・・。

 

こうして、俺とケロロは長門のマンションへ向かうのであった・・・。

 

やれやれ・・・。