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『God knows』 3章 - (2007/01/14 (日) 22:22:03) のソース

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<div>『God knows』<br></div>
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<div>~3章~<br></div>
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<div>コンコン。<br>
俺は部室のドアをノックする。<br>
隣りにはハルヒ……は、いない、掃除当番らしい。<br>
「は~い!どうぞ!」<br>
朝比奈さんの声だ。<br>
メチャクチャ安らぐなあ…。<br>
「こんちは~。」<br>
と言い、俺は入った。<br>
……………長門がいない。<br>
古泉も掃除当番らしく、2人きりらしいな。<br>
神は面白い展開が好きなんだろう。<br>
それなら古泉の《ハルヒ・神様説》も立証出来るな。<br>
「こんにちは、キョンくん!」<br>
朝比奈さんは満面の笑みだった。<br>
ヤバい、クラッと来る。が、こらえて、俺は椅子に座った。<br>
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朝比奈さんがお茶を淹れて持って来て、俺の横に座った。<br>

ここからは、俺達の会話だけでお楽しみください。……って何を言ってる、俺。<br>
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「も、もの凄く機嫌良さそうですね?安心しました。」<br>
「んふふふ~、わかっちゃいますか?」<br>
「メチャクチャ良い顔してますよ。」<br>
「え、えぇ!?は、恥ずかしいです……そ、そんなに顔にでで、出てますか?」<br>

「はい。何か思い付いた時のハルヒみたいですよ。」<br>
「うふふふ。……わたしですね、昨日のキョンくんの『よかったですね!』って所の話を長門さんの家で、考えてたんです。」<br>
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「そうなんですか?わざわざ長門の家で、ですか。」<br>
「うん……、長門さんがね、『落ち着くまで、わたしの家で考えていい。』って言ってくれたんです。わたし、嬉しくて、でも…不安で……長門さんに抱きついて泣いちゃいました。」<br>

「長門が……。」<br>
「そしたらね、スッキリしちゃったんです。全部受け入れて、これから《現代のわたし》を作ろうって。キョンくんの言った通り、新しい《わたし》を作ろう!って。」<br>

「そうですか……。俺も一安心ですよ。」<br>
「そ、そ、それでキョンくん!あ、あの…そのぉ……デート、なんですけど……。」<br>
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<div>さて、ここからはいつもの調子で説明して行こう。<br>
……俺、正気に戻れ。<br></div>
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「日曜の、朝から行きましょう?せっかくのデートなんだし、一日中楽しみたいですっ!」<br>

朝比奈さんが……積極的になってるな。<br>
俺としては正直、嬉しかった。<br>
今まで、微妙な壁を作ってた感があった朝比奈さんが変わっている事にとても嬉しいと感じる。<br>

「オーケーですよ。俺も、いまから楽しみです。」<br>
と微笑んで返した。<br>
「ふぁ……、あ!ど、どこに行きましょうか!?ぜ、全然考えてなかったですぅ……。」<br>

朝比奈さんは顔を赤らめて、慌てたように答えた。<br></div>
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<div>……俺、何かしたか?<br>
「俺は場所にはこだわりませんよ。朝比奈さんが行ってみたい場所に行きましょうよ。」<br>

よし、男らしいぜ、俺。<br>
「そ、そうですかぁ…。わ、わたしはキョ、キョンくんと一緒ならどこでも……。」<br>

と、上目遣いで言ってきた。<br>
かわいい。危うく抱き締めそうになったね。<br>
むしろ抱き締めてしまっても正当化出来るくらいだ。<br>
「う~ん…でも、せっかくキョンくんがそう言ってくれてるんだし……うん!決めました!」<br>

「どこですか?」<br>
「ゆ、遊園地と水族館に行きましょ「ごっめーん!遅れちゃったわ!!」<br>
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<div>「「……………………」」<br>
さすがはハルヒ。<br>
絶妙のタイミングだぜ。<br>
他の二人も同時に来てるし。<br>
「ありゃっ?お邪魔だったかな……ごめんね?二人とも。」<br>

「……いいですぅ。お茶、淹れてきますね?」<br>
ちょっと膨れている朝比奈さん、かわいいですよ。<br>
「ね、ねぇ!みくるちゃん、ゴメンって!許して!なんならまたちょっと出てくからさ?ね?」<br>

「う~ん……はいっ!いいですよ!その代わり、涼宮さん?」<br>

「な、なぁ~に?み、みくるちゃん。」<br>
…まさか朝比奈さんがこんなことを言うとはね。<br></div>
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「今日は涼宮さんがメイドの格好してくださいっ!わたしはウェイトレスで我慢します♪」<br>

あくまでも笑顔で、朝比奈さんはそう言い放った。<br></div>
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「い、一生の不覚だわ……ってか、これ、意外に恥ずかしい……。」<br>

ハルヒ、似合ってるぞ。<br>
「くっ……、うるさい!エロキョン、あんまりジロジロ見るなっ!まった……『パシャッ』……古泉くん、何してるのかしら?」<br>

「いえいえ、我らが団長の麗しいお姿を保管しておこうかと思いましてね。」<br>

「む~、男性陣!覚えてなさいよっ!!」<br></div>
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俺と古泉が肩をすくめると、笑いが部室に広がった。<br>
長門も、奥で笑いを噛み殺している顔をしている。<br>
誰が見ても堪えているとわかる顔だ。<br></div>
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<div>そんな感じで、部活を終えた。<br>
部室を出る前に、朝比奈さんがこっそりと話しかけて来た。<br>

「あ、あの……デートのことなんですけどぉ…聞こえましたか?」<br>

「バッチリですよ、遊園地と、水族館。楽しみにしてます。」<br>

この小声の会話が、まさかこんな展開になろうとはな。<br></div>
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<div>「………涼宮、さん。」<br>
「な~に、有希。《ハルヒ》でいいわよ?どうせなら《ちゃん》でも付けてちょうだいっ?《ハルちゃん》とかさっ!」<br>

「………ハルちゃん。」<br>
な、長門!?マジでその呼び方かっ!?<br>
「よしっ!で、何かあったの?有希っ!」<br>
この発言で、俺と朝比奈さんは凍り付いた。<br></div>
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<div>「二人の日曜の行き先は、遊園地と水族館。」<br>
ハルヒはこっちを見て、ニヤリと笑った。<br></div>
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<div>~3章・終~<br></div>
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<ul>
<li>4章</li>
</ul>
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