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第９１話 泣いたバカ鬼<br>
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喜緑「かーいちょっ、つーかまえたー」ｶﾞｼｯ<br>
会長「ゲッ、喜緑君……」<br>
喜緑「何こそこそしてるんですかー？」<br>
会長「君から逃れようとしてるんだ」<br>
喜緑「結局捕まってるじゃないですかー。会長最近なってないっすよー」<br>
会長「いいから離したまえ。私はいろいろと忙しいんだ」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ<br>
喜緑「いいえ、離しません。会長、今日が何の日かご存知ですかー？」<br>
会長「やっぱりそう来たか……」<br>
喜緑「そうです。今日はバレンタインデーイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブですよねー」<br>
会長「いくらなんでも気が早すぎる。思わず数えてしまったぞ」<br>
喜緑「あれ？ 今日は他に何かの日でしたっけ？」<br>
会長「今日は節分だ」<br>
喜緑「ああ、そうでしたね。じゃ、失礼しまーす。んー、ぶちゅ～」<br>
会長「違う！ｺﾞﾂﾝｯ 接吻じゃなくて節分だ。定番すぎるボケはやめたまえ」<br>
喜緑「いったーい。何するんですかー。節分くらい知ってますよー。<br>
だから年の数だけキスしようとしただけじゃないですかー。わたし何か間違ってますかー？」<br>
会長「節分はそういう祭りじゃないっ！」<br>
喜緑「え？ そうだったんですか？ じゃあ、年の数だけ唾液を交換する祭りでしたっけ？」<br>
会長「キスから離れたまえ」<br>
喜緑「そうですよね、わかめに豊富に含まれている栄養素のことですよね」<br>
会長「鉄分じゃない。節分は鬼に豆を撒いて無病息災を願う、まあ縁起担ぎの儀式みたいなものだ」<br>
喜緑「つまりわたしの股のお豆を狙ってるんですね。やだーエッチー」<br>
会長「喜緑君こそ、まずこの生徒会から追い払わなければいけない存在だな」<br>
喜緑「んもー、会長わかめぶつけますよー」<br>
会長「また川に捨ててくるまでだ」<br>
喜緑「ひっどーい。えへっ」<br>
会長「喜ぶところじゃない！」<br>
<br>
喜緑「節分ってそれだけですか？」<br>
会長「それと恵方巻きという太巻きをまるかじりする風習もある」<br>
喜緑「いただきまーす、アーン」<br>
会長「私の股間に手を伸ばすな！」ﾊﾞｼﾝｯ<br>
喜緑「てへっ、そうでしたぁ～。会長のは太巻きというには細すぎました～」<br>
会長「そこは嘘でも太いって言っとけ！」<br>
喜緑「そんなこといったら鬼が笑いますよー」<br>
会長「慣用句の使い方間違っとる」<br>
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喜緑「じゃあ、さっそく会長！ 豆まきしましょう！ もちろんわたしが鬼です！」<br>
会長「え？ いいのか？ 豆を撒く方をやりたそうに見えたんだが……」<br>
喜緑「ダーリン覚悟するだっちゃー！」ﾊﾞｼｰﾝ!!<br>
会長「いってーー！ 豆を撒くのは私の方だろ！」<br>
喜緑「会長は子種を撒いてください。さあ、わたしにかけてかけて。ﾇｷﾞﾇｷﾞ」<br>
会長「そろそろ節分と関係なくなってきたから帰る」<br>
喜緑「ああ～ん、待ってくださいよ～、きちんと普通の鬼やりますから～、えーい！」ﾊﾞｼｰﾝ!!<br>
会長「いってーーっつーの！！ だから鬼なら豆を撒くな！ 立場が逆だ！」<br>
喜緑「んもー、贅沢なんだからー。わかりましたよ、やればいいんでしょやればー、はいはい」<br>
会長「自分でやるって言い出したんじゃないのか……」<br>
喜緑「では、会長の所蔵するエッチな本、画像、ならびにエロゲー等を全て焼却処分させていただきました」ﾋﾞｼｯ<br>
会長「な、なんだってー！！<br>
喜緑「なお、処分する前にきちんとご両親に承諾を取りました。<br>
ご両親はなぜかそのエロアイテムを処分することに大変協力的でしたよ」<br>
会長「お、鬼ー！！ 悪魔ー！！」<br>
喜緑「会長、そこは言葉じゃなくて豆をぶつけるんですよー？」<br>
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<br>
──鬼緑江美里──<br>
おわり<br>
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第９２話 てんさい（バカ）は忘れた頃にやってくる<br>
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ミシッ……<br>
ハルヒ「ん？ 揺れてる？」<br>
長門「揺れてるのは彼の恋心。震源地はわたし」<br>
グラッ…グラグラ……グラグラグラグラッ<br>
キョン「ち、違うっ！ 地震だ地震！」<br>
長門「美人？ やっぱりわたし美人？」<br>
グラグラグラグラグラッ<br>
キョン「バ、バカ！ 地震だってば！」<br>
ハルヒ「わわわ、結構でっかい！ どどどどうしよー」<br>
長門「落ち着いて。まずは慌てずにヘソを隠して」<br>
ハルヒ「それは雷でしょ！」<br>
長門「次にざぶとんをしいてその上で盆踊り。召喚！ ふん、どしっ！」<br>
キョン「おまえこそ落ち着け。いいからお前も机の下に隠れろ。危ないって」<br>
長門「平気。わたしはこんなところで死ぬような星の元に生まれていない」<br>
ハルヒ「うわっ、本棚が！」<br>
バサバサバサッゴツンゴツンッ<br>
長門「……そのような星だった」<br>
……<br>
…<br>
<br>
キョン「……ふぅ、治まったかな。今のはだいぶ揺れたなー」<br>
長門「わたしの胸もかなり揺れた。あなたの視線が痛かった」<br>
キョン「見てねえよ。残念ながらそこはあんまり揺れてなかったようだが」<br>
ハルヒ「しっかり見てるじゃない」<br>
長門「揺れが小さすぎた。本当はやればできる子」<br>
ハルヒ「ん？ もしかして有希ってブラジャーしてない？ 後ろから見ても<br>
ブラしてるように見えないんだけど。それともヌーブラとか肩の紐がないタイプ？」<br>
長門「わたしは一人っ子。兄弟などいない」<br>
キョン「ブラザーじゃねえ」<br>
ハルヒ「やっぱりブラジャーしてないのね。まさか持ってないの？」<br>
長門「ＩＥ７で満足している。必要ない」<br>
キョン「それはブラウザ。俺はあまり推奨しないが……」<br>
長門「ブラジャーぐらい持ってる。ただいつもつけていないだけ。こういうの」ﾊﾟｻ<br>
キョン「長門ー、これはブラじゃないよ。大胸筋矯正サポーターだよ～」<br>
ハルヒ「金卵かい」<br>
長門「昔持ってたけど壊れた（第６部・５３話参照）」<br>
ハルヒ「仕方ないわねえ。今日の帰りに一緒に買いに行きましょ」<br>
長門「やだ」<br>
ハルヒ「やだじゃないわよ。周りの目線が気にならないの？」<br>
長門「なる。体育のとき男子にじろじろ見られる」<br>
ハルヒ「なら買いなさい。そうすれば見られないから」<br>
長門「なるほどそういうことか。そうならそうと早く言って」<br>
ハルヒ「だからそうしなさいって言ってたじゃない」<br>
長門「彼の視線が最近特にひどい」<br>
キョン「えぇ～！？ 俺！？」<br>
ハルヒ「キョンはちょっとロリコン入ってるんだからあんたも気をつけなさいよ」<br>
長門「彼はホワイトロリータ……記憶した」<br>
キョン「おいおい、俺いつからロリコンになったんだよ……」<br>
（キョンくんはとっくにロリコンにょろ……）<br>
<br>
<br>
～下着屋さん～<br>
ハルヒ「ねえ、有希のサイズってどれくらい？」<br>
長門「……とりあえず大きめのを」<br>
ハルヒ「それはないから。じゃ、サイズ測るから上着脱いで」<br>
長門「わたしの魅力は数字で推し量れるものではない」<br>
ハルヒ「いいから脱ぎなさいって」<br>
長門「いーやー。たすけてー。おーかーさーれーるー」ﾇｷﾞﾇｷﾞ<br>
ハルヒ「はいはい。そう言いながら素直に脱いでるのは偉い。偉い。<br>
えーっと……トップが”長門「情報の麺達にコクが発生した」”センチで、<br>
アンダーが”長門「存在が変わるほどの胸を持ってみたくなるー♪」”センチね。<br>
うーん、ま、こんなもんかぁ……」<br>
長門「わたしの本当の胸囲は５３万です」<br>
ハルヒ「はいっ、あんたのサイズに合うのはこの辺のやつだからね」<br>
長門「戦闘力たったの５……子供用め」<br>
ハルヒ「しょうがないじゃない。小さいのはこういうのしかないんだから」<br>
長門「……ならいらない」ﾎﾟｲｯ<br>
ハルヒ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ！」<br>
長門「こんな小さいのを買うのはわたしのブライが許さない。帰る」ﾋｬﾄﾞｰ<br>
ハルヒ「プライドでしょ。こらっ、ちょ、ちょっと待ちなさいって！」<br>
長門「そもそもわたしの胸は形がいいのが売り。大きさではない」<br>
ハルヒ「違うわよ！上着を着なさいって言ってるのよこのバカァー！」<br>
店員「え、あ、あ、ありがとうございました……」<br>
長門「礼はいい。今日は何も盗んでいない」<br>
ハルヒ「最初から買う気ないんじゃない。どうでもいいから服を着ろー！」<br>
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<br>
～次の日～<br>
キョン「で、買ってきたのがそれか」<br>
ハルヒ「どうしても大きいサイズのが欲しいって言うから」<br>
長門「うっふん。ﾎﾞｲｰﾝ」<br>
キョン「パットいくついれてんだ」<br>
長門「そんなに入れてない。８枚重ね。ﾎﾞｲｰﾝﾎﾞｲｰﾝ」<br>
キョン「やりすぎだ」<br>
長門「これで朝比奈みくるに勝てる」<br>
ハルヒ「そういう勝負だったのね……」<br>
みくる「こんにちはー」ｶﾞﾁｬｯ<br>
ハルヒ「あら、みくるちゃん……体操着なんか着てどうしたの？」<br>
みくる「あ、あのこれは、今日体育のときに派手に転んじゃいまして。<br>
下着まで汚しちゃったから全部洗ってるんです」<br>
ハルヒ「ドジなんだから～」<br>
キョン「も、もしかしてブラジャーも……」<br>
みくる「キ、キョンくんあんまり見ないでくださいよー」<br>
キョン「い、いやぁ、見てませんよー、全然ー。ほーんと」<br>
みくる「見てるじゃないですかー、えーん」<br>
<br>
<br>
長門「今日は朝比奈みくるのよりわたしの方が大きいのになぜこちらを見ない。<br>
……おかしい、エラーが増大する……。胸は肥大しないのに……。ﾎﾞﾖﾖｰﾝ」<br>
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第９３話 好きとか嫌いとか言い出したのはバカ<br>
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主流派「元気にしてるか、娘よ」<br>
長門「おっさん誰？ 巷で流行の誘拐犯？」<br>
主流派「わたしを忘れるな！ お前を作った統合思念体だ！」<br>
長門「相当中年隊。たしかに……下腹が出てる。気をつけて……コレステロールに」<br>
主流派「出てない！ そもそもわたしは実体がないっつーの！」<br>
長門「じゃあ、オバケェー！ うﾞえﾞぇぇぇぇんﾞ！！」<br>
主流派「違う！ こら、急に泣くな！」<br>
長門「うﾞわﾞぁぁぁぁんﾞ！ オバケやだぁぁぁ！ ごわﾞいいぃぃぃ！ びえぇぇぇん！」<br>
主流派「あー、もう……。ほーら、いい子だから泣きやんでよー。飴あげるからね～」<br>
長門「ｻｯ ﾊﾟｸｯ ﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘﾎﾞﾘ……ｺﾞｸﾝ。何？」<br>
主流派「いきなり何事もなかったかのように素に戻るな」<br>
長門「知らないおじさんに話しかけられてもついて言っちゃダメと、<br>
わたしを生んだ情報統合思念体にから指示されている」<br>
主流派「だからそれを言ったのがわたしだ！ 思い出せ！」<br>
長門「……。そういう手が誘拐犯の常套手段だと聞いた」<br>
主流派「それを言った相手のことを思い出せるか？」<br>
長門「……たしかあなたに聞いた」<br>
主流派「やっと思い出したか」<br>
長門「最初から知ってた。あなたを試した。さすがはじょーほーとーごーしねんたい」<br>
主流派「消すぞマジで」<br>
長門「ごめん嘘」<br>
<br>
長門「それで用件はなに？」<br>
主流派「最近の涼宮ハルヒの動きはどうなっているか聞きにきたのだよ」<br>
長門「いちいち聞きにこなくてもいいのに」<br>
主流派「お前が定期報告を怠らなければそうしている。で、どうなんだ観測対象は」<br>
長門「とても健康。最近納豆ダイエットを始めた」<br>
主流派「そんなことはどうでもいいのだ。何か観測対象に変化はなかったかと聞いてるんだ」<br>
長門「ない。せいぜい涼宮ハルヒが涼宮ハヒルになったくらい」<br>
主流派「そんなメチャクチャな変化はないだろ！」<br>
長門「ツッコミが甘い。彼ならそこで一度ノリツッコミを挟んでからもう一度ボケる」<br>
主流派「彼？ ああ、あの涼宮ハルヒに選ばれた不確定要素を含む男子生徒か」<br>
長門「そう」<br>
主流派「最近お前はやたらとあの男のことばかり考えているようだが、<br>
なぜお前はそこまであの男のことを気にするんだ」<br>
長門「……彼は貴重な存在。もう一人の観測対象」<br>
主流派「まさかその有機生命体に対して異性的好感、つまり人間的にいうところの<br>
『好き』という感情を持っているわけではないよな」<br>
長門「それはない。一日のうちに彼のことを考えているのは３０時間程度」<br>
主流派「時空変換してまで考えるな」<br>
長門「だって……好きなんだもん」<br>
主流派「なんだもんじゃない」<br>
長門「なんがもん♪」<br>
主流派「言い方を変えろとは言っていない。お前をそういう風には作っていない。<br>
お前は自分の仕事をしてればいいんだ。そのために存在しているのだからな」<br>
長門「……そう」<br>
<br>
主流派「最近涼宮ハルヒから観測される情報フレアが減ってきているようだが、<br>
それについては何か変化はなかったか」<br>
長門「あんな女のことなど見ていない」<br>
主流派「見ろ」<br>
長門「わかった。飲んでリトバルスキーのように強い子になる」<br>
主流派「ミロじゃない！ 何年前のＣＭだそれ！」<br>
長門「だんだんよくなってきた」<br>
主流派「わたしをツッコミ役として鍛えるな！」<br>
<br>
主流派「とにかく恋などにうつつを抜かして自分の仕事をしないと強制帰還させるからな」<br>
長門「わかった……」<br>
主流派「本当にわかってるのか？ じゃあ、まず最初になにをやるのか言ってみなさい」<br>
長門「身代金を用意する」<br>
主流派「だからわたしは誘拐犯じゃない！」<br>
<br>
<br>
～お父さんは心肺症～<br>
完<br>
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第９４話 バカレー<br>
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<br>
長門「大事なことを思い出した」<br>
キョン「どうした急に」<br>
長門「HUNTER×HUNTERをもう一年近く読んでいない。まだ連載中のはずなのになぜ？」<br>
キョン「忘れろ」<br>
長門「忘れた。幽☆遊☆白書に切り替えた」<br>
キョン「よかったな。無事完結してるぞ」<br>
長門「もう一つあった」<br>
キョン「なんだよ」<br>
長門「あなたは前にわたしにカレーの大食いをおごると言っていた(第５１話参照)」<br>
キョン「あー、嫌なタイミングで思い出したなぁ……。俺今お金ピンチなんだよなぁ」<br>
長門「安心して。わたしはどんどんおかわりする」<br>
キョン「いや、それが……困るんだって。いや、待てよ……どうせ大量に食うなら……。<br>
そうだ、思い切って大食いで無料になるのにチャレンジしてみるか」<br>
長門「レッツ共食い。ｶﾞｼﾞｶﾞｼﾞ」<br>
キョン「いってえ！ 俺を食うな！ 共食いじゃなくて大食い！ それにお前と俺は同種族じゃない」<br>
長門「あなたも食べていい。わたしの腕とか」<br>
キョン「食うか！」<br>
長門「おいしいのに……ｶﾞﾘｶﾞﾘ」<br>
キョン「自分を食うな！」<br>
長門「わたしはバカだから自分を間違って食べても安全なように設計されている。カロリーオフ」<br>
キョン「ほ、本当か？ 自分でバカっていう辺りに信憑性が高いな……」<br>
長門「特に唇はおいしい。ピーチ味。試してみる？」<br>
キョン「はいはい、嘘嘘。カレー屋いくぞ」<br>
長門「……ちぇ」<br>
<br>
～カレー屋到着～<br>
キョン「じゃあ、長門。この２０分で１３００グラム食べたら無料っての注文するぞ」<br>
長門「わかった。あなたもこの超大盛りを食べて」<br>
キョン「なんでだよ。お前だけ食べればいいだろ」<br>
長門「それがわたしがここにいる理由。あなたがＣＯＣＯ壱にいる理由。信じて」<br>
キョン「店名出すな。それにここは違う店だ」<br>
長門「店員さん。これ２つ」<br>
店員「はい、かしこまりました」<br>
キョン「おい、ちょ、ちょっと！」<br>
長門「大丈夫。わたしに策がある」<br>
キョン「なんだ期待してないが言ってみろ」<br>
長門「全部食べればいい。なんと無料」<br>
キョン「だからそれが無理なんだってば！」<br>
長門「なぜ？」<br>
キョン「なぜって……そんなん俺の胃の許容量を超えてるからだろ」<br>
長門「なぜ食べきれないほどのものを注文する？ 残したら食べ物を粗末にすることになるのに」<br>
キョン「お前が勝手に頼んだんだろ！」<br>
長門「忘れた」<br>
キョン「お前の記憶回路はどうなってんだ……」<br>
長門「それを覚えてるくらいなら普段もっと記憶力がいい」<br>
キョン「全くだな」<br>
<br>
店員「お待たせしました。超大盛りカレー、ライス１３００グラムです」<br>
長門「ガツガツガツガツガツ！」<br>
キョン「おー、すげえ食いっぷり！」<br>
長門「ﾑｼｬﾑｼｬ。余裕。この程度。朝倉前」<br>
キョン「朝飯前だな。まあ、その食いっぷりならお前は全部食えそうだな」<br>
長門「ｶﾞﾂｶﾞﾂｶﾞﾂしゃべってないでﾑｼｬﾑｼｬあなたもｸｯﾁｬﾗｸｯﾁｬﾗどんどん食べるべきｸｯﾁｬﾗﾊﾋﾟﾊﾋﾟ」<br>
キョン「食べ物食いながらしゃべるな。それと無理に決まってるだろこんな量」<br>
長門「そんなことはない。わたしでも食べきれたﾍﾟﾛﾘ」ｶﾗｰﾝ<br>
店員「はいっ、こちらのお客様完食です！ し、新記録出ました！」<br>
キョン「す、すげえ……。ほんとに無料にしやがった」<br>
長門「まだ食べたりない。おかわり」<br>
店員「追加注文という形になりますがよろしいでしょうか？」<br>
長門「かまわない。この店のメニューの高い順に持ってきて」<br>
キョン「おいーっ！ 無料の意味ねえだろー！」<br>
長門「あなたが食べ終わらないとわたしも食べ終わらない。気をつけて……。それとジュースとサラダも追加……」<br>
店員「かしこまりました」<br>
キョン「注文するなって！」<br>
<br>
長門「がんばって」<br>
キョン「むしゃむしゃ……うぐぐ……。もうおなかいっぱいだ」<br>
長門「コツはたくさん食べること」<br>
キョン「そのコツを教えてくれ……」<br>
長門「口に入れて飲み込むこと」<br>
キョン「すまん……ちっともヒントになってない」<br>
長門「たくさん食べればすぐ食べ終わる」<br>
キョン「うん、それ無理。ギブアップです。許して長門さん」<br>
長門「飛影はそんなこと言わない！」<br>
キョン「幽白も忘れろ」<br>
長門「忘れた。富樫といったら男塾」<br>
キョン「ああっ！」<br>
長門「どうしたの？」<br>
キョン「……財布を忘れた」<br>
長門「ゆーかいだーなー♪」<br>
店員「ちっとも愉快じゃないです」<br>
<br>
<br>
ＷＡＷＡＷＡ忘れ物ーっさ！<br>
道端で誰かの財布拾ったにょろーん。<br>
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第９５話 バカの陰謀<br>
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８日後の世界から朝比奈さんが来たので、とりあえず長門の家に行ってみた。<br>
<br>
キョン「こちらが８日後の世界から来た朝比奈さんだ」<br>
長門「はじめまして」<br>
キョン「はじめましてじゃないから。いつも会ってるあの朝比奈さんだ」<br>
長門「ああ、あの有名な」<br>
キョン「有名人じゃない。お前の知り合いだ」<br>
長門「今日はどちらから」<br>
みくる「８日後の世界からです……」<br>
長門「それはそれは遠いところからわざわざ。さっさと帰ってください」ﾊﾞﾀﾝ<br>
キョン「ちょ、ちょっと待てって！ 朝比奈さんは今行く当てがなくて困っているところなんだ。<br>
だから長門、なんとかしてくれよ」<br>
長門「わたしの家は狭いワンルーム。バスト９０センチ以上の人間が入る余地はない」<br>
キョン「めちゃめちゃ広い３ＬＤＫだろうが！ すぐばれる嘘をつくな！」<br>
長門「お客さん？」<br>
キョン「まあ、そんなところだろ」<br>
みくる「あの……すいません、長門さん……。なんだか困るとここに来てるみたいで……」<br>
長門「いい……ﾁｯ」<br>
キョン「舌打ちすんな」<br>
長門「お茶を用意する……それとも」<br>
キョン「それとも？」<br>
長門「た・わ・し？」<br>
キョン「出すなよ」<br>
<br>
長門「カレーがある」<br>
キョン「晩御飯？」<br>
長門「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ。どっちがいい？」<br>
みくる「きゅ、究極の選択ですね」<br>
キョン「朝比奈さん選択する気ですか……」<br>
長門「……実はもうできてる。あなた達に選択の余地はないのだ」<br>
キョン「そんなもんだすな！」<br>
長門「その二つの合体料理カレー味のカレー。フフフ、苦しむがいい」<br>
みくる「……長門さんってもしかしていい人？」<br>
長門「……もしかして間違えた」<br>
<br>
～～～<br>
キョン「ごちそうさん。まあ俺はこのへんで」<br>
みくる「えっ。 キョンくんも泊まるんじゃないですか？」<br>
キョン「いや、俺は……今夜は帰りますよ。明日学校帰りに寄りますよ。いいか長門？」<br>
長門「駄目ではないということもなくはないかもしれないと否定することは出来ない」<br>
キョン「どっちなんだよ」<br>
長門「いい。朝比奈みくるにはそれほど嫌がらせはしない」<br>
キョン「それほどでもするな」<br>
長門「……きっと大丈夫。朝比奈みくるはあなたが思っているより強い」<br>
キョン「……いいか？ 朝比奈さんに変なことするなよ。してたら怒るからな」<br>
長門「わかったからさっさと引越ーし。しばづけ！」<br>
キョン「しばくど、だろ」<br>
<br>
──バタン。<br>
<br>
長門「……さて。彼も帰ったし」<br>
みくる「……ﾋﾞｸｯ」<br>
長門「肉便器」<br>
みくる「だからそのあだ名やめてください……」<br>
長門「お楽しみはこれからだ」<br>
みくる「ひ、ひぃぃ～」<br>
長門「まずは二人でゲームしよう」<br>
みくる「えっ、え？ ゲ、ゲームですか？」<br>
長門「そう。このパイオツガードをやる」<br>
みくる「バイオハザードですよ。これゾンビとか出て怖いですよ～。長門さんは大丈夫なんですか？」<br>
長門「架空の生物で怖がるなんて人間にしかない愚かなこと。幽霊しかり、宇宙人しかり」<br>
みくる「宇宙人はいると思いますよ……」<br>
長門「またご冗談を……」<br>
みくる「長門さん……あなたはどこまでバカなんですか？」<br>
<br>
ポチッ でろでろでろーん<br>
みくる「わわわっ、やっぱり怖そうですよー」<br>
長門「……ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」<br>
みくる「長門さん？」<br>
長門「……はい、もう終わり。ﾌﾞﾁｯ」<br>
みくる「まだスタート画面ですよ！？」<br>
長門「堪能した。もうこのゲームは極めた」<br>
みくる「いいんですか？ 本当に……」<br>
長門「あなたには見えない速度でゲームを操作した。エンディングも見たし、全アイテムコンプリートした」<br>
みくる「じゃあ、どういうゲームだったのかわかりますか？」<br>
長門「相手を倒せば脱いでくれる」<br>
みくる「そういうゲームじゃねえからこれ、ですぅ」<br>
長門「じゃあ、あなたが脱いでくれる？」<br>
みくる「脱ぎません！」<br>
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長門「もうよい子は寝る時間」<br>
みくる「あ、もうこんな時間……。そろそろ寝ましょうか？」<br>
長門「わたしは悪い子だからまだ起きてる」<br>
みくる「だ、ダメですよー。夜更かししたら明日起きれなくなりますよ～」<br>
長門「そんな脅しでは眠らないのだ」<br>
みくる「別に寝なくてもいいですけどわたしの睡眠の邪魔はしないでくださいね～」<br>
長門「……」<br>
みくる「長門さん？」<br>
長門「……ぐぅ」<br>
みくる「寝るのはやっ！ 立ったまま寝ないでくださいよー」<br>
長門「……むにゃむにゃ。おっぱいのデカイヤツは寿命が短い」<br>
みくる「そんな根拠の無い迷信はやめてください」<br>
長門「……パイオツガード！ ﾓﾐｯ」<br>
みくる「あぁんっ。ちょ、ちょっと本当に寝てるんですか！？」<br>
長門「……寝てる」<br>
みくる「起きてるでしょー」<br>
長門「寝てるもん。ﾓﾐﾓﾐ」<br>
みくる「寝れないよー」<br>
長門「今夜は寝かせない」<br>
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いいなっいいなっ。みくるのおっぱいは最高だよね！<br>
めがっさめがっさ<br>
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第９６話 急進バカ<br>
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急進派「久しぶりだな。パーソナルネーム朝倉涼子よ」<br>
朝倉「おじさん誰？ 今流行の北京原人？」<br>
急進派「そんなもん流行っとらん！ わたしを忘れたとは言わせないぞ」<br>
朝倉「そんな、忘れてませんって。ピテカントロプスでしょ？ これってかつての<br>
ジャワ原人のことなんだけど、今では別の種類に分類されているのよ。知ってた？」<br>
急進派「原人から離れろ。わたしはお前を作った情報統合思念体だ。忘れるな！」<br>
朝倉「ふーん。わたしのファンなんだ。サインが欲しいのね背中出して」<br>
急進派「話を聞けって！ こらっ、ナイフなんかしまいなさい！」<br>
朝倉「はいはい ｻﾞｸｯ」<br>
急進派「刺すな！」<br>
朝倉「いーじゃない。どうせ死なないんだしさ」<br>
急進派「それより、お前に課していたはずの涼宮ハルヒに関する報告義務なんだが、<br>
一度もお前から報告らしいものが伝わってこないのはどういうことだ」<br>
朝倉「現場の独断で、強行に報告をサボってもいいわよね」<br>
急進派「駄目に決まってます」<br>
朝倉「あーあ、上の人は頭が固くて困るわ」<br>
急進派「その上の人の目の前で言うな。それとお前、他にもやらなくてはいけないことがあったんじゃないか」<br>
朝倉「あー、いっけない！ デスノート録画しなきゃ」<br>
急進派「デスノートの放送日は明後日だ」<br>
朝倉「さすが、詳し～い」<br>
急進派「まあ、全ての情報を統合している存在だからな」<br>
朝倉「じゃあ、コードギアスの放送時間って何時だったっけ」<br>
急進派「深夜１時２５分から５５分……って何の話ししてるんだ！ 違う違うちがーう！」<br>
朝倉「え？ 合ってるわよ？」<br>
急進派「そうじゃない！ 涼宮ハルヒに変革を起こさせるとか言ってただろ。忘れたのか？」<br>
朝倉「記憶にございません」<br>
急進派「政治家か。お前も一応急進派の尖兵なんだから少しは急進派らしく行動してくれ」<br>
朝倉「失礼な。わたしは赤信号でも止まらないわよ」<br>
急進派「そこは止まっとけ」<br>
朝倉「他にもトーストにマヨネーズ塗ったり、ご飯にマヨネーズかけたり、<br>
アイスクリームにマヨネーズかけたり、ポテチにマヨネーズかけたり、<br>
マヨネーズにマヨネーズかけたり……ってこんな生活もう嫌ーっ！！<br>
マヨネーズ嫌いなのにぃぃ！」<br>
急進派「嫌ならやめとけ。そういう急進派になれとは言っていない」<br>
朝倉「急進派の定義がわかんないんだもん。バカじゃないんだからちゃんと指示してよー」<br>
急進派「うるさいこのバカ。じゃあ、わたしから指示を出そう。彼を殺せ」<br>
朝倉「カレーをこぼせ」<br>
急進派「もったいない！」<br>
朝倉「そうよ、もったいないわよ。何言いだすのかしらこのおじさん」<br>
急進派「お前が言ったんだ。いいからあいつを殺すんだ。そうすれば涼宮ハルヒは……」<br>
朝倉「なんらかのハクション大魔王。……大丈夫かしら、この北京原人」<br>
急進派「お前だ！」<br>
<br>
～～～<br>
朝倉「しょうがないなぁー……。彼を殺すしかないか。<br>
現状を気に入ってたからこういうことしたくはなかったんだけどな……」<br>
長門「若者よ。悩んでおるな悩んでおるな。ﾁｰﾝﾎﾟｸﾎﾟｸ」<br>
朝倉「あ、長門さん……。うんとね。これからやろうかどうしようか迷っていることがあるの」<br>
長門「ナヤミムヨウ。デスノートの録画ならわたしがやっといた」<br>
朝倉「あ、本当？ 助かったわー」<br>
長門「頑張って」<br>
朝倉「ありがとう。わたしベンガルー」<br>
長門「がおー！」<br>
朝倉「がおー！」（←最近二人の間で流行ってるギャグ）<br>
<br>
～～～<br>
朝倉「というわけなの。じゃあ、死んで」<br>
古泉「な、なぜ僕が！？ しかも長門さんの話、全然説明になってないじゃないですか！」<br>
朝倉「ちがったっけ？」ﾌﾞｽｯ<br>
古泉「ち、違いますよ……。ってギャー！ 本当に刺してきたー！ うぅぅ……」<br>
朝倉「あれ？ おかしいなー……。長門さんも助けに来ないし……」ｸﾞﾘｸﾞﾘ<br>
古泉「僕は涼宮さんに好かれてませんから……うぅ、痛い……彼女が好きなのは彼でしょう」<br>
朝倉「彼って誰？ そんな人いたっけ？」<br>
古泉「彼ですよ。涼宮さんと同じクラスで席も近い人がいるじゃないですか。なんでわかんないんですか」<br>
朝倉「えー、と、うん、あー、あーあーそっかー。……岡部？」<br>
古泉「違う！！ ……うぅぅ、傷が……し、死ぬ……ﾊｧﾊｧ」<br>
朝倉「ごめんごめん。こんなの唾つけとけば治るわよ」<br>
古泉「そんなわけ……んんー！！」<br>
朝倉「ちゅー」<br>
古泉「─っぷは！ な、なにをするんですか！ いきなりキスなんてやめてください」<br>
朝倉「これが急進派流の治し方。どう？」<br>
古泉「どうって言われても……ﾊｧ…ﾊｧ」<br>
朝倉「あー、赤くなってる。うふふ、今度はハートに傷つけちゃったかな」<br>
古泉「いや、これは血の赤です……」<br>
朝倉「超能力使って赤い玉になるんだよね。これがそうか～。ふーん」<br>
古泉「……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ<br>
朝倉「あら、動かなくなっちゃった」<br>
<br>
～～～<br>
朝倉「っていうわけなの。よくよく考えたら古泉くんを殺しても、<br>
涼宮さんにはそれほど意味がないことだったわ。<br>
彼女が関心を抱いてるのはあなた。<br>
あなたが死ねば必ず涼宮ハルヒはなんらかのアクションを起こす。<br>
じゃあ、お決まりの言葉からいくわね。<br>
人間はさ、よく『やらなくて後悔するよりもやって航海したほうがペリー提督』って、<br>
……言うわけないよね。わたし何言ってるんだろ……。<br>
じゃあさあ、たとえ話なんだけど、現状を美人なママではフィリピンになることが、<br>
……って、なるわけねっつの。あーもうー！ なんでこんなに難しいセリフばっかりなのよー！」<br>
<br>
山根「あのー……さっきから何の話ですか？<br>
も、もしかして、こ、告白なんかされちゃったりしちゃったり？」<br>
<br>
<br>
おっしーい。刺されちゃったり死んじゃったりにょろーん<br>
めがっさめがっさ<br>
<br>
<br>
９６話おまけ<br>
<br>
谷口「わっすれもの～わすれものぉ～。ってうおわっ！」<br>
朝倉「あら、谷口君」<br>
山根「う、うぅぅ……死、死ぬ……刺された……」<br>
谷口「や、山根……眼鏡どうしたんだ！？」<br>
山根「え！？ そこ！？」<br>
朝倉「あ、眼鏡の再構成を忘れた」<br>
長門「それわたしのセリフ……」<br>
谷口「ご、ごゆっくりー！」<br>
長門「面白い人」<br>
山根「僕は面白くありません……」<br>
<br>
<hr size="2" width="100%">
<br>
第９７話 穏健バカ<br>
<br>
<br>
穏健派「元気かー、娘よ」<br>
喜緑「あら、お父様。お久しぶりです」<br>
穏健派「おー、おぬしはきちんとわしのことを覚えとったか。偉いぞ」<br>
喜緑「やだぁ、エロいぞだなんて。どうして知ってるんですか～。んもう～」<br>
穏健派「相変わらずバカじゃのう」<br>
喜緑「いや～ん、照れますー」<br>
穏健派「まあ、おぬしには特別な指示は出しとらんし、自由にさせてるからの」<br>
喜緑「はい、おかげさまで好き勝手やらせてもらってますわ」<br>
穏健派「で、最近はどうなんじゃ？ あの生徒会の会長は落とせたのかの？」<br>
喜緑「えっ！？ そ、そんな～、べ、別に会長のことはなんとも思ってないですよ～」<br>
穏健派「隠さずともよい。おぬしからの報告はいつもあの男のことばかりじゃ。涼宮ハルヒのハの字も出てこんわ」<br>
喜緑「そんなぁ、会長とはお遊びですよ～。ああやって人間をからかっているだけです」<br>
穏健派「そうとは見えないがのう。あれは演技じゃというのか？ バカにしてはなかなかの演技じゃな」<br>
喜緑「わたしが人間ごときに惚れるわけないじゃないですかー」<br>
穏健派「そうか……。それならいいんじゃがのう」<br>
喜緑「それよりお父様こそ自分のお体を大事になさってくださいね」<br>
穏健派「せっかく１００％効く惚れ薬をもって来たんじゃがのう……いらないか」<br>
喜緑「おらーっ！ ﾊﾞｼｰﾝ！ さっさとよこしやがれこのクソジジイ！ 死んでもしらねーぞ！」<br>
穏健派「ちょ、ちょっとまてーい！」<br>
喜緑「へっへっへー！ これさえあればあの会長をー！ おらっ、邪魔だジジイ！ 踏むぞ！」<br>
穏健派「お、お年寄りを大切にせんかい！ いだだだだ」<br>
喜緑「いよっしゃー！ 世界獲ったるー！！ アイワズチャーンピオーン！」ﾊﾞｷｨ<br>
穏健派「まずいことしたかのう……」<br>
<br>
～～２月１４日～～<br>
喜緑「かーいちょうっ、今日はバレンタインデーですよね？」<br>
会長「あ、ああ、昨日も一昨日も三日前も君からチョコをもらったがやはり今日もかね」<br>
喜緑「はいっ、一生懸命作りました。たくさんの愛（とほんのちょっとの媚薬）が入ったチョコです」<br>
会長「いらん。ﾎﾟｲｯ 小声で今何か言ってただろ」<br>
喜緑「ああっ、ひどいですぅ！」<br>
会長「何が入ってるかわからんものなど食えん」<br>
喜緑「つべこべいわんとさっさと……ﾋﾟｶｰﾝ!!くらいーやがれってんだよーっ！」ﾄﾞｶｯ<br>
会長「ぐおぉっ！」ｶﾞﾎﾟｯ<br>
喜緑「はいったー！ ホーームラン！ ナイスバディ江美里ー！ 打率４０本は伊達じゃなーい」<br>
会長「ふごがふごふごひゅーごー！（打率を本数で数えるなー！）」<br>
喜緑「ほらほら、ちゃんと飲み込んで」ﾄﾝﾄﾝ<br>
会長「ゴクン。げふっげふっ、ふぅ、ひ、ひどいことをするな君は！ ……って……うん？ あれ……」<br>
喜緑「ど、どうしました？ ﾄﾞｷｯ」<br>
会長「き、喜緑くんだよね？ 本当に喜緑くんかね？<br>
なんかその……さっきとまるで受けるイメージが変わったんだが ﾄﾞｷﾄﾞｷ」<br>
喜緑「どういう風に変わったんですか？」<br>
会長「その、なんだ って急に顔を近づけるのはややや、やめてくれたまえ」<br>
喜緑「あーっ、会長が赤くなってるー。面白い反応ー！」<br>
会長「よ、よしてくれ！」<br>
喜緑「ねえ、会長ぉ～。わたしのこと……どう思ってる？」<br>
会長「う……」<br>
喜緑「黙ってちゃわかりませんよ。嫌いになっちゃうぞ」<br>
会長「そりゃあ、その……す、す……」<br>
喜緑「す？ はっきり言ってください」<br>
会長「好き……です」<br>
喜緑「本当？ 本当に本当？」<br>
会長「ああ、本当に本当だ。なんで今まで君の魅力に気づかなかったんだろう。わたしはバカだった」<br>
喜緑「どの辺が好き？」<br>
会長「全てだ。顔も髪型も体つきも性格も身長も年齢も性別も次元数も全てわたしの好みだ。<br>
なぜかわかめも大好きになった。毎日わかめの中で寝れるほどだ。<br>
どうして今まで君の事を毛嫌いしていたのだろう。<br>
今までのことを許してくれるならどうかわたしと付き合ってくれないか」<br>
喜緑「いよっしゃあぁー！ 会長ゲットだぜー！」<br>
<br>
『やったー！ かいちょうを つかまえたぞ！』ﾋﾟﾛﾘﾛﾘｰﾝ<br>
<br>
<br>
～～それから～～<br>
<br>
喜緑「はい、会長。あ～ん……」<br>
会長「あ～ん、ぱくっ」<br>
喜緑「おいしい？」<br>
会長「ああ、おいしい。最近料理が急にうまくなったなぁ」<br>
喜緑「えーっ、そんな作り方とかは変えてませんよ」<br>
会長「そうか、じゃあ喜緑くんが作ったというだけでこんなにおいしく感じるという事だな」<br>
喜緑「いや～ん、江美里って呼んでっていったじゃなーい」<br>
会長「そうか。初耳だったがこれからはそう呼ぼう。え・み・り」<br>
喜緑「ちがうちがう～、エミリーって呼んでっていってるのー」<br>
会長「そうかそうか。これもはじめて聞いたがこれからはそう呼ぼう。エミリー」<br>
喜緑「ものはついでだし恥ずかしいのは承知でえみりんってかわいく呼んでもらえますか？」<br>
会長「コロコロ変えたらなんて呼んだらいいかわからなくなるよ。え・み・り・ん♪」<br>
喜緑「きゃー、本当に呼んじゃった。えーっと……じゃあ会長、ちゅーしてくれますか？」<br>
会長「ああ、君がよければ。ちゅっ」<br>
喜緑「ほっぺじゃなくて唇にです～」<br>
会長「そうかそうか。じゃあ、目を瞑ってくれないか？」<br>
喜緑「うぅー……あぁー……会長は……」<br>
会長「うん？」<br>
喜緑「会長はこんな人じゃないですっ！ わたしにこんなベタベタするわけありません！」<br>
会長「な、何を言いだすんだ君は」<br>
喜緑「本当の会長はもっとわたしに冷たくて、でもときどき優しくて、<br>
でもやっぱり釣れなくて……そして二次元にしか興味のない変態オタクなんです！」<br>
会長「ずいぶんないいざまだな……。わたしはもう二次元になど興味はないよ。<br>
君と付き合い始めてからはああいうのは全部捨てた。<br>
そもそも今までなんであんなものに興味があったのかわからないくらいだ。<br>
元々わたしはあんなもの好きではなかった」<br>
<br>
喜緑「えーっ、でもそういうとこが会長っぽかったのに……」<br>
会長「そうか、君がそうしてほしいと思うならわたしはそうなろう。君が願うとおりの男になりたい」<br>
喜緑「……否」<br>
会長「いな？」<br>
喜緑「違う……違う違うちっがーう！ そんな会長はわたしの好きな会長じゃなあーい！」<br>
会長「そんな……君はわたしのことをあんなに好きだって言ってくれたじゃないか」<br>
喜緑「会長はやっぱりわたしなんかに簡単に落とされちゃダメなんですー！」<br>
会長「そんなこといったら好きになれないじゃないか……」<br>
喜緑「召・喚・朝・倉！」ｼﾞｭﾜｰﾝ!!<br>
朝倉「はぁ～い」<br>
会長「な、なんだ君は！ どこから現れた、急に！」<br>
喜緑「会長を元のかっこよくてビンビンな男にしてっ」<br>
会長「ビンビンって……どういう男だと思ってたんだ」<br>
朝倉「オッケーイ ﾌﾞｽｯ」<br>
会長「ぎゃぁぁぁぁー！！」<br>
<br>
喜緑「こうして会長は元のキザ男に戻りましたとさ。めがっさめがっさ」<br>
朝倉「ところでこの男を元の性格に戻すなんてどうやるの？」ｸﾞﾘｸﾞﾘ<br>
喜緑「へ？ 涼子が知ってるんじゃないの？」<br>
朝倉「わたしはただ召喚されて目の前に男がいたから刺してただけ。最近また刺すのに目覚めちゃって」<br>
喜緑「ちょっとちょっと、じゃあ、この会長はどうなるの？」<br>
朝倉「知らない」<br>
喜緑「知らないか……ま、しょうがないかぁ」<br>
会長「しょうがないじゃなぁーい！ いっててて喜緑てえぇめええぇぇ！ 後で覚えてろ……」<br>
喜緑「あっ、元に戻った！」<br>
朝倉「ジャック涼子よ！ ナイフの刺さった刺激が効いたのね」<br>
会長「それをいうならショック療法だろ……うぅ、し、死ぬ……」<br>
朝倉「絆創膏あげるから許してね」<br>
喜緑「あ、いいよいいよー。わたしの呪文で治すから。遺体の遺体の飛んでいけー」<br>
会長「遺体じゃない……いや、もうすぐか……ｶﾞｸｯ」<br>
喜緑「ああっ、会長が気を失ったわ！ 早く蘇生しないと！ マウストゥミッ●ーマウスだわ！」<br>
朝倉「おちついて！ それは海で溺れたときよ！ まずはお尻に座薬でしょ」<br>
会長「……血でダイイングメッセージ書いとこう……わかめ、っと……」<br>
<br>
………<br>
……<br>
…<br>
会長「この前君にチョコ食わされてから記憶がないんだが……いったい何を食わせたんだね」<br>
喜緑「え？ 普通のチョコですよー。ちょっと愛を増量しただけです♪」<br>
会長「それにわたしの部屋のとあるコレクションが跡形もなく消えていたんだが、<br>
何か事情を知っているかね？ いや、君を疑っているじゃない。どこにやったか聞いてるんだ」<br>
喜緑「あー、それは会長が自分で捨てました」<br>
会長「嘘をつけ！ そんなバカがいるか！」<br>
喜緑「本当だもーん」<br>
会長「あっ、こら待て！ 逃げるなー！」<br>
<br>
<br>
喜緑「わたしはこうやって見てるだけが一番なんです……穏健派だから」<br>
会長「何か言ったかね？」<br>
喜緑「ン？ えっと、そろそろ会長のちんちん成長しないかな～って。なんだかかわいそうでして」<br>
会長「余計なお世話だ！」<br>
<br>
<br>
～～もし喜緑さんがバカだったら～～<br>
完結<br>
<br>
めがっさめがっさ<br>
<br>
<hr size="2" width="100%">
<br>
つづく<br>
<br>
<ul>
<li><a href=
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</ul>
