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涼宮ハルヒの願望 - (2007/01/13 (土) 04:40:12) のソース

<div class="main">
<div>暖かいまどろみの中<br>
聞き慣れない目覚ましの音が鳴り響く<br>
キョン「ん・・・う、うるせ・・・」<br>
ジリリリリリリ<br>
キョン「・・・・ん?クソ・・・この」<br>
毎朝の習慣。右手を軽く伸ばす。しかし、いつもあるはずの場所に目覚まし時計がない<br>

キョン<br>
「な、なんだ?・・・」<br>
軽く目を開ける。目覚まし時計は、枕元の見慣れない小棚の上にあった<br>

カチッ<br>
キョン「んー?・・・・・・ぁ?」<br>
違和感。おかしい。あきらかに。ベッドがデカいし・・・部屋も見慣れない・・・枕も2つある<br>

キョン「ここどこだ・・・」<br>
少なくとも俺の部屋ではないことはわかる。いや、俺はいま起きるまでは何をしてたんだっけか<br>

いや、いま起きたんだから寝たんだよな・・・どこで?たしかに俺の部屋で寝たよな・・・キャトルミューティレーション?<br>

ガチャ<br>
キョン「・・・!」<br>
ハルヒ「あ、起きた?キョン」<br>
キョン「・・・誰ですかあなたは・・・」<br>
いや、みりゃわかる。ハルヒだ。どう見てもハルヒ。・・・しかし、ハルヒではない。<br>

ハルヒは・・・こんなに胸もないし・・・エプロンなんて・・・<br>

キョン「おわわわ・・・近づくな」<br></div>
<br>
<div>ハルヒ「?」<br>
俺の知ってるハルヒの目だ。ちょっと吊り目がちな目で見つめてくる・・・て、おい、こいつはハルヒだぞ。<br>

ちょっとドキドキしてしまう<br>
キョン「なにを俺は」<br>
ハルヒ「なーにぶつぶつ言ってんのよ。仕事遅れるでしょーが」<br>

キョン「ほあ?」<br>
ハルヒ「ほあ?じゃないでしょ。さっさと朝ごはん食べて会社行きなさい!」<br>

か・・・かいしゃ?・・・学校じゃねーのか・・・てか、・・・これは<br>

ハルヒ「・・・・・・」<br>
キョン「な・・・んだよ」<br>
ハルヒ「・・・・・んー」<br>
んんーーーーーーーーーー??これは!これはあああ!見たことあるぞ!漫画で!ドラマで!映画で!そう!キスのおねだりだ!!<br>

キョン「お、おい・・・!おまえな・・・悪ふざけも大概に」<br>

ハルヒ「あ!パン焦げちゃう!」<br>
ドタドタドタ<br>
ハルヒ似の人妻は、ハルヒそっくりな騒音を立てながら階段を降りていった<br>

いや、わかった。あれは、ハルヒ似でも人妻でもない。いや・・・現実を見ようか・・・あれはたしかに『人妻』のハルヒだ<br>
</div>
<br>
<div>
暑苦しい部室だ・・・もうこれが高校時代最後の夏か・・・<br>

キョン「・・・ふー」<br>
古泉「キョンさん。いままで僕たちは防戦一方でした」<br>
キョン「なんだいきなり。俺は疲れてるんだ・・・そっとしておいて・・・許可なく隣に座るな」<br>

古泉「ははは、キョンさんの隣は涼宮さん専用でしたね失敬」<br>

キョン「もうなにもいわん」<br>
古泉「そうですか、助かります。では、本題に入ります」<br>

思えば三年間。こいつはずっとこうゆう話の展開の仕方だったな<br>

古泉「話は簡単です。キョンさんに涼宮さんの『願望』の中に入ってもらうんです」<br>

キョン「・・・大丈夫。驚かない。」<br>
古泉「もう、慣れたものですね。ははは」<br>
キョン「まず、言おう。俺をハルヒの願望の中。つまり宇宙人や未来人、超能力者。いや、それだけじゃないだろ。恐竜や怪獣。スーパーヒーローにスーパーロボット<br>

   はたまた・・・・とにかく、そんな中に俺をぶちこんで」<br>

古泉「ええ・・・・それなんですがね。どうやら、最近の涼宮さんの願望に大きな変化があるようなのです」<br>

キョン「変化・・・それ3年前も言ってただろ・・・悪い風に変化してるって」<br>

古泉「違うみたいなんですよ、それが。涼宮さんを変えた決定的なのが」<br>

キョン「おまえがなんでそれを知っている」<br>
古泉「やだなぁ。僕はまだなにも言ってませんよ」<br>
俺とハルヒが去年の冬に・・・あの日からハルヒが俺にあまり突っかかってこなくなった<br>

古泉「で、ですね。その変化を見に行ってもらいたいんです。あ、キョンさんは、いつもどおり夜に自室で寝てるだけでいいんです<br>

   私たちが飛ばしますから」<br>
キョン「超能力も便利になったものだな」<br>
古泉「ははは。ええ、我々も進化してますからね」<br>
キョン「進化じゃなくて、進歩といえ。おまえに進化されるとなんか怖い」<br>

古泉「ははは」<br></div>
<br>
<div>ハルヒ「はい、それじゃ鞄持ったわね」<br>
キョン「ん、ああ」<br>
ハルヒの作った朝食は、ごく一般的とはいえ、俺には十分満足できるものだった<br>

鞄を持ち、玄関まで行く。ハルヒは・・・マンションより一軒家がいいのか・・・それに結構大きめだな。ハルヒらしといえばハルヒらしいか<br>

俺は心の中で笑ってしまう<br>
ハルヒ「はい、お弁当」<br>
キョン「おう、あんがとな」<br>
靴を履き終え、玄関のドアに手をかける<br>
ハルヒ「・・・・・」<br>
例といえば例のごとくだが・・・<br>
キョン「・・・・・・」<br>
ハルヒが軽く俺のスーツを掴む<br>
キョン「・・・・・・ん」<br>
ハルヒ「・・・ん・・あ」<br>
長いキスだ。こんな長いキスを毎朝すんのか<br>
ハルヒ「・・・・ん・・・ん」<br>
いや、まあ・・・決して悪い気分では・・・<br>
キョン「・・・・んあ・・・・ん」<br>
俺はやっぱハルヒが好きなのか<br>
ハルヒ「はい!終わりね!いつまでキスしてんの!」<br>
キョン「う・・・」<br>
いきなり口を離され、なんだか不憫な気持ちになってしまう<br>

ハルヒ「本当にキョンはスケベな<br>
    結婚したら少しは落ち着くかと思ったんだけどね」<br>

キョン「あ・・・あのなぁ」<br></div>
<br>
<div>俺は玄関のドアを開け、外に足を出す<br>
ここどこなんだろうなぁ・・・<br>
玄関の外も見慣れない景色だ<br>
キョン「じゃ、行って来る」<br>
ハルヒ「さっさと行きなさい!」<br>
いってらっしゃいませご主人様とか言え・・・いや、普通はないか<br>

キョン「・・・ふー、これがハルヒの『願望』なのか」<br>
しばらく歩くと後ろからタタタタと足音が聞こえる<br>
キョン「あ・・・弁当」<br>
キスして忘れたよ・・・<br>
ハルヒが弁当片手に駆けてくる<br>
右手の人差し指を下まぶたにつけて<br>
舌を出して・・・ベーっとしながら<br>
ハルヒ「キョン!あんたってほんとーにあたしがいなきゃダメね!アハハハ」<br>

それは本当に楽しそうなハルヒの笑顔。無垢な子供のような、それでいて女性の優しさが溢れている<br>

この笑顔を俺は・・・叶えたい。いや、叶えられる・・・俺は、そう確信を持ったんだ<br>
</div>
<br>
<div>暑い・・・寝苦しい・・・<br>
ジリリリリリリリリリリリジリリリリリリリリリリリ<br>

キョン「・・・あ・・つい・・・う、うるせ」<br>
カチッ<br>
俺はいつもどおりの部屋で、いつもどおりの位置の目覚ましを止めた<br>

キョン「・・・今日から夏休みだ」<br>
プルルルルルルルルルル<br>
ピッ<br>
キョン「んあ」<br>
ハルヒ「キョン!おきてるー!?SOS団発進よ!すぐに学校に来るように!以上」<br>
</div>
<br>
<br>
<div>おわり<br></div>
</div>
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