<p>みくる「キョン君・・・私と付き合ってください」<br /> キョン「え・・・」<br /><br /> 俺は耳を疑った。<br /> まさかあの朝比奈さんが俺のような間抜けなあだ名で<br /> 呼ばれているような奴に告白をする訳が・・・<br /><br /> キョン「あの・・・今何て?」<br /> みくる「ですから・・・私と付き合ってもらえませんか?」<br /><br /> 間違いなんかじゃ無かった。今まさに朝比奈さんに愛の告白をされているのだ。</p> <p> </p> <p>キョン「ほ、本気ですか?」<br /> みくる「はい」<br /> キョン「でもこの時代の人間と付き合うわけにはいかないって・・・」<br /> みくる「はい・・・でもキョン君への気持ちが抑えきれないんです」<br /> キョン「・・・考えさせてもらえませんか?」</p> <p> </p> <p>俺は考えていた<br /> 確かに朝比奈さんは好きだ<br /> かわいくて憧れの先輩だ<br /> とにかくそれは恋愛対象と好きなのか?<br /><br /> 午前中、俺は授業を軽く聞き流した<br /> というか頭に入ってこなかった<br /><br /> 昼休みになって俺は部室に向かった<br /> 長門がいた。いつものように分厚いハードカバーを読んでいる<br /><br /> キョン「なぁ長門」<br /> 長門「・・・」<br /> キョン「俺どうしたらいいと思う?」</p> <p>長門「何が」<br /> キョン「俺自分の気持ちがわからないんだ」<br /> 長門「どういう事」<br /> キョン「はは・・・だよな」<br /> キョン「何でもない」<br /> 長門「そう」<br /><br /> 俺は机にうつぶせて考えた<br /> 朝比奈さんといるときが一番安らぐ・・・が<br /> ハルヒといるときの方が楽しい気がするのは気のせいか・・・?</p> <p> </p> <p>そして放課後<br /> 部室に行くと長門と古泉がいた<br /><br /> 古泉「どうですかチェスでも」<br /> キョン「すまんが後にしてくれ」</p> <p>考え事がしたいからな<br /><br /> ハルヒといるとなんだか楽しい。実際あいつは性格除けばけっこうかわいいのだ<br /> でもハルヒは俺に恋愛感情など抱いてないだろう<br /> それに比べ朝比奈さんは俺の事を好きと言ってくれるのだ<br /> だったら・・・</p> <p> </p> <p>朝比奈さんが部室に入ってきた<br /><br /> キョン「あっ」<br /> みくる「あの・・・返事を聞かせてもらえますか」<br /> キョン「・・・はい、朝比奈さん、俺もあなたが好きです」<br /> みくる「えっ・・・、じゃあ」<br /> キョン「はい、よろしくお願いします」<br /> みくる「うれしい・・・」<br /> 長門「・・・」<br /> 古泉「・・・」<br /><br /> こうして俺と朝比奈さんは恋人同士になった</p> <p> </p> <p>帰り道<br /> 朝比奈さんと下校したかったが用事があるようでどっか行ってしまった<br /> 一人歩いていると後ろから古泉がやってきた<br /><br /> 古泉「今よろしいですか?」<br /> キョン「何だ?あぁさっきチェス出来なかったな」<br /> 古泉「いえ、その事ではなく」<br /> キョン「わかってる。俺と朝比奈さんの事だろう?」</p> <p>古泉「ええ、この事を涼宮さんが知ったら・・・」<br /> キョン「問題あるか?あいつは俺に恋愛感情を抱いてるわけじゃないだろ?」<br /> 古泉「・・・いや、ですが」<br /> キョン「それにあいつは人の恋愛に口を出さないと言っていた。問題ないだろ」<br /> 古泉「・・・わかりました。そこまで言うなら仕方ないですね」<br /><br /> 俺にはわかっていた<br /> 古泉が全く納得してないことに</p> <p> </p> <p>古泉「では」<br /><br /> 古泉は去っていった<br /><br /> 次の日の放課後<br /> 部室で朝比奈さんと話していた<br /><br /> キョン「そうだ、今度の日曜にデートでもしませんか」<br /> みくる「いいですね!行きましょう!」<br /><br /> そこにハルヒがやってきた</p> <p> </p> <p>ハルヒ「何?デート?あんたら付き合ってるわけ?」<br /><br /> そう言いながらハルヒは団長席に座った<br /><br /> キョン「い、いや」<br /> みくる「あ、えと・・・」<br /><br /> 沈黙が続いた<br /><br /> ハルヒ「え・・・、まさか本当に付き合ってるの?」<br /><br /> もう限界だった<br /><br /> キョン「あ、ああ・・・」<br /> ハルヒ「えっ」<br /> 裏返ったような声を出した</p> <p> </p> <p>ハルヒ「い、いつからよ」<br /> キョン「昨日からだ」<br /> ハルヒ「へ、へぇよかったじゃない。みくるちゃんみたいなかわいい彼女が出来て」<br /> キョン「あ、ああ・・・」<br /><br /> また沈黙が続いた<br /><br /> ハルヒ「あっそうだ用事思い出したわ!ごめんみんな先帰るね」<br /><br /> ハルヒはそう言って部室から出て行った<br /> その直後古泉が入ってきた</p> <p> </p> <p>古泉「知られてしまいましたか」<br /> キョン「なぜわかる」<br /> 古泉「すれ違い様に泣いておられました」<br /> キョン「なっ」<br /><br /> 言う言葉が無かった<br /> 突然古泉の携帯がなった<br /><br /> 古泉「はい、わかりました、はい、では」<br /> 古泉「緊急事態です。たった今閉鎖空間が発生しました」<br /> キョン「・・・」<br /> 古泉「それもかなりのスピードで拡大が進んでいます。僕もすぐ向かわなければいけません」<br /> 古泉「そしてあなたの協力も必要です」</p> <p>キョン「・・・」<br /> 古泉「このままだと世界が・・・」<br /> キョン「・・・あいつ中心の世界はもういやなんだ」<br /> キョン「疲れたんだよ、あいつのご機嫌とりに」<br /> キョン「この世界が終わっても朝比奈さんといれればそれでいい」<br /> 古泉「そうですか・・・世界が消えるのは残念です・・・ですがあなたがそれでいいなら仕方ないですね」<br /><br /> 今度は本当の気持ちみたいだ<br /> キョン「ありがとな」<br /> 古泉「いえ、またいつかチェスできるといいですね」</p> <p> </p> <p>古泉は出ていき朝比奈さんと二人きりになった<br /> 長門はいつの間にかいなくなっていた<br /><br /> みくる「わ、わたしとんでもないことを・・・」<br /> キョン「もういいじゃないですか」<br /> みくる「でも・・・」<br /> キョン「いいんですよ、こうして二人でいられるんですから」<br /> みくる「・・・はい」<br /> キョン「もうあまり時間がありませんけどゆっくりしましょう」<br /><br /> 俺たちは寄り添って世界の最後まで笑って話をしていた</p> <p> </p> <p> </p> <p>ハルヒ「わかったわ!」<br /> キョン「何が」<br /> ハルヒ「無いんだったら作ればいいのよ!」<br /> キョン「何を」<br /> ハルヒ「部活よ!」<br /> ハルヒ「まずはメンバーよねぇ・・・、まずあんたと私でしょ」<br /> キョン「なんで俺が・・・」<br /> ハルヒ「後は・・・、あんたの彼女も連れて来なさいっ!」<br /><br /> Fin</p> <p> </p> <p><font color="#228B22"><strong>1</strong>◆lo0Ni729yM</font></p>