<p> <br /> なんでこんなことになっちまったのか、今はもうわからない。わかりたくもない。<br /> <br /> ハルヒはこういった。<br /> 「面白そうだから」<br /> <br /> 古泉はこういった。<br /> 「涼宮さんがそう望んだので」<br /> <br /> 長門はこういった。<br /> 「私はこの件に介入しない。だからあなたを助けることもしない」<br /> <br /> 朝比奈さんはこういった。<br /> 「私の観察対象はあくまで涼宮さんです」<br /> <br /> 鶴屋さんも谷口も国木田も…家族でさえもはや俺にとっちゃ敵だった。<br /> 四面楚歌の意味の本質を初めて理解し、同時にハルヒの力の怖さもよくわかった。<br /> まさかこんなことになるなんて、初めは誰も思っちゃいなかっただろう。<br /> 気づいたらそうなってて、それはやり直しがきかないことだった。それだけのことだ。<br /> 仮にやり直しがきくならば、前の俺はそのために動いたことだろう。<br /> だが今の俺はそんなことは望んじゃいない。そんなことはもうどうでもいいことだ。<br /> 頭に浮かぶのは復讐、復讐、復讐…それだけだった。<br /> 奴らに地獄の苦しみを与えてやりたい、それだけを望んだ。<br /> 味方が誰一人いない恐怖、そんな境地にたたされたやつは沈んでいくしかないのだろう。<br /> <br /> だがそんなことは絶対に認めない。<br /> 口から出て行く煙草の煙を見つめながら俺は決めたんだ、好きに生きてやると。<br /> そう決めたとき、俺は友達という掛け替えのないものを失い…強さを得た。<br /> <br /> </p> <ul><li><a title="失ったもの・得たもの プロローグ (2m)" href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5765.html">プロローグ</a></li> <li><a title="失ったもの・得たもの 第一話「幸福からの転落」 (9m)" href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5764.html">第一話「幸福からの転落」</a></li> </ul><p> </p> <p> </p>