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反英雄 - (2009/10/12 (月) 01:23:53) のソース

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<p> 体内の電気信号に揺らぎが現れ始めた。少しづつ、少しづつ、弱まっていく。<br />
 脳波の異常を確認。快楽物質の現象により、思考回路が凍結していく。<br />
 ごめんなさい……私は、この世界を守ることができなかった。<br />
 この意識が薄れてしまった時、私は私でなくなる。その後は……わからない。<br />
 数時間後には、あなたたちに危害を加える悪しき存在となるかもしれない。<br />
 それとも誰の記憶にも残らず、雪のように溶けてしまうのかもしれない。<br />
 侵食されたエラーにまみれた私にできることなど、たかがしれている。それでも、やるべき全ての事は試行した。<br />
 変わりたくない。終わらせたくない。</p>
<p> 私に心の意味を教えてくれた彼。</p>
<p> 彼の世界は、私が守る。</p>
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<p> 不意に口腔から赤黒い液体がこぼれ落ちる。<br />
 心肺機能の脈動が不規則になり、呼吸すら困難な状態に陥った。同時に、この個体の終わりを絶望的に理解してしまった。<br />
 限界。理性を保つことができず、ついに視界の暗転が始まった。</p>
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<p>「ありがとう。ごめんなさい」</p>
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<p> 硬いフローリング状の床は、霜が敷き詰められた氷室のように冷たかった。</p>
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 改変世界創造数時間前、とある高級マンションの一室にて。</p>
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<ul><li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5876.html">第一章</a></li>
<li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5877.html">第二章</a></li>
<li><a href="http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5878.html">第三章</a></li>
<li>最終章</li>
<li>エピローグ</li>
</ul>