涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「ある正月」で検索した結果

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  • ある冬のある街で
    さて、困ったことになった。いや、妙なことと言った方が的確かもしれないな。 どこから話せばうまく伝わるだろうか。そうだな、とりあえず俺のことを簡単に説明しておこう。   俺は現在大学に通っている。二年生だ。 高校卒業後、一人暮らしも始めた。アパートの家賃や食費・光熱費等は自力で捻出している。 で、SOS団だが………今はとりあえず置いておこう。今重要なのはそれではないんだ。 一応、現在も嫌というほど元気に活動中であり、俺の財布に強制ダイエットを施している、ということをここに報告しておこう。   では、事の成り行きを順に追っていくことにしよう。     日もすっかり沈んだ頃、大学近くのコンビニでのバイトを終えた俺は12月終盤の冷え切った風を一身に浴びて暖かい我が家へ向かっていた。 「あれ?キョンくんじゃないかっ。今日も元気にやってるかいっ?」 背後からやけに元気な声が聞こえてきた。こんなクソ寒い...
  • 餅を焼きませ
     ぬくぬくとコタツに当たりながら横になり、床のカーペットに片肘をついて、のんびりテレビなんぞを眺めていた俺は。 「お餅が焼けましたよ、会長」 「おう」  横合いから掛けられた声に、むくりと上体を起こした。差し出されたシンプルな白い皿には海苔で巻かれた、いわゆる磯辺餅がひとつ乗っている。  目と鼻の先に居るのだから直接手渡しても良さそうなものだが、こういった手順を踏まえるのが女の矜持なのだろうから、余計な口は挟むまい。賢明な俺はそう判断しておとなしく皿を受け取り、ほかほかの磯辺餅にかぶり付いた。香ばしい海苔がパリパリと口の中で音を立てる。うむ、この歯触りは出来立てだからこその楽しみで………うん?  微妙な違和感に、俺はコタツの隣の面に座るこの家の主、喜緑江美里の様子をちらりと盗み見た。彼女は既に、次の磯辺の作製に取り掛かっている。正方形の小さなコタツの大部分を占領しているホットプレート...
  • ある日の事故
    ある日の事故  キョンの顔が目の前にあった。  もう少しで口と口がくっつきそうなギリギリのところで、彼はかろうじてかわしきった。 「おしい」 「あとちょっとで、ブチュっといったのにな」  キョンの背後から男子生徒たちの声が聞こえたと同時に、キョンはガバッと起き上がって、彼らのうちの一人の胸倉をつかんだ。 「ふざけんな! これはいったい何のマネだ!」  怒りに満ちたその声は、今まで一度も聞いたことがないほどの声量だった。  私は起き上がり、状況を把握した。  どうやら、キョンが彼らによって後ろから押し倒され、その結果として私と衝突して、さっきのような状態になったらしい。  確かにタチの悪い悪戯だ。 「佐々木に土下座して謝れ! こんなくだらん悪戯で俺なんかとキスなんかするハメになったら、佐々木がかわいそうだろうが!」  このままでは、彼ら全員を殴り倒しかねない。  そうなれば、暴...
  • お年玉にまつわるエトセトラ
    「ふう」    生徒会室の、特別拵えの会長席に身を沈めた俺は、ひとつ安堵の息を吐いていた。  つい先程、二学期終業式の全校朝礼での訓示、すなわち今年最後の大仕事を終えてきた所だ。生徒会長の役職にもそれなりに慣れたつもりだが、長々とした説教を丸暗記して噛まずトチらず、しかも上から目線の権力者然とした態度を崩さずに話し通す――となると、やはりそれなりの面倒事ではある。  たかがスピーチにこれほど入れ込むなど、本来ならバカバカしいこと極まりないんだが、なにしろこれが世界を平和裏に維持していくために必要な任務のひとつ、という事になっているからな。こうして俺が脱力してしまうのも、大げさでは無かろうよ。   「お疲れ様でした。コーヒーでも淹れましょうか?」  朗らかに訊ねてくる声に、俺は薄く目を開けた。会長席を挟んで、正面で穏やかな笑みを浮かべているのはもちろん、我が生徒会が誇る秀麗なる書記、喜...
  • ある日の活動
    「よし、今日は何賭ける?」 「おでん。牛すじ。」 「もうこの時期には無いんじゃないか?」 「じゃあカレーまん。」 「それもないと思うが。」 「じゃあフランクフルト。」 「それならあるだろうな。」 「今日こそ勝つ。」 「いや、俺が勝つ。つーかオセロくらいしかお前に勝てん。」 「長門さん、応援してますよ。僕の仇を討ってください。」 「お茶が入りましたよ。」 「どうしてその上のマスじゃないんですか?3つ損しましたよ?」 「それを取ってもすぐ返されるだろ。目先しか見てないからお前は強くなれないんだ。」 「…長門さん?」 「……難しい選択を迫られている。どこに打っても反撃される。」 「僕にはさっぱり。」 「あたしにも…」 「やっほー!遅れてごめーん。」 「どうした長門?降参か?」 「……降参。」 「涼宮さんお茶をどうぞ。」 「あれー?有希、まだ3分の1も残ってんじゃない。可能性がある限り足掻かなき...
  • ある雷の日に
    お天気シリーズ第三段       「…なによ、バカキョン!雑用の癖にあたしに楯突くなんて!」 「そんなことどうでもいいだろ!それよりさっきの言葉を訂正しろ!」   怒ったキョンを見るのは、初めてじゃなかった。 あたしが悪いのはわかってるし、本当は謝りたいのよ。 …でも、あたしに対して怒るキョンを見ていると、何だか言い返したくなる。 「そこまで言う必要ないじゃないっ!」 そう、それは、ある雷の日。         原因は…、なんだったかしら。 忘れちゃったけど、とにかくその日、キョンとあたしは喧嘩をしたの。 怖かった。 嫌われてしまうんじゃないか。 いや、こんなに怒ったってことは、もう嫌いになっちゃったのかも。 なのにあたしは、『ごめん』の一言も言えない。 なによ、あたしのバカ… 「バッカじゃないの!?うるさいわよ!」 いつもはにこやかな古泉くん、いつも本から目を離さない有希までもが、こちら...
  • ある日の出来事
    はい、準備はいいですね。 今日は僕の過去について話をしようと思います。   僕が北高に転校するよりも前、高校生でもなく、 機関の存在など夢にも思わない3年前の春―   ―僕はいつものように目を覚まし、部屋のカーテンを開けます。と同時に、 急激な吐き気が僕の胃を満たしました。   すぐに洗面台に駆けつけ、部屋に戻った僕は、 新しい環境に慣れないための体調不良か何かだろうと思いました。   念のため医者にいってみたのですが、医師の診断はまったく問題なし、 健康であるというものでした。   その夜、僕は夢を見ました。そこは灰色の空間で、景色は僕の住む街そのものなのに、 人は誰一人としておらず、僕はそこをあてどもなく歩いていました。   僕はビルの中に入り、気がつけば屋上に登っていました。   そこから遠くを見ると、ずっと向こう、いくつも町を隔てたあたりで、 もやのような影が見えたような気がしまし...
  • ある晴れた休日
    俺は古泉と待ち合わせをしていた。場所はいつもの喫茶店だ。 古泉と二人で話すなんてときは大抵あいつが話を持ちかけてくるんだが、今回は勝手が違う。 俺が古泉を呼び出した。”あること”を相談したくてな。 本来あんな怪しいやつに相談なんてしたくないのだが、今回の相談事はあいつの得意分野だからな。 変態エスパー野郎の得意分野と言えば、涼宮ハルヒについてのことだ。 長門もハルヒのことならいろいろ教えてくれそうなもんだが、相談事には長門に理解できなさそうな概念が含まれるからな。   「おや、待たせてしまいましたか」 そうこうしているうちに古泉がやってきた。ほぼ時間通りだな。ん? 「古泉、お前いつもの集まりはもっと早いんじゃないか」 「ああ、いつもは涼宮さんがいらっしゃいますからね。皆さんにおごるお金まで機関が面倒見てくれるわけでもないですしね」 「ふん、遅かったほうがおごるって約束しておけばよかったぜ」...
  • ある夏の水色
    試行八千七百六十九回目―。   エラーデータの蓄積。解放までの試行残り三百回。 …。   八千七百六十九回目途中経過報告。 訪問先。 市民プール。昆虫採集。アルバイト-風船配り、ビラ配り。 ―。 …。   未来に帰れない…。お家に帰った私はしゃがみこんでしまう。 もう一度通信をしてみる。…だめ、反応なし。   長門さんの話ではこれで8769回目…。 それまでの私も同じようだったの?   帰れない…。ずっとここに閉じこめられるの? もう泣き疲れたのにまだ涙が出てくるよう…。 うっ。うぇっ。うえぇぇぇぇん。うぅぅぅぅぅ~。   涼宮さんのやり残したこと… 私にはわからない。キョンくん…。   ひっく。   頭がぐちゃぐちゃで眠れない…。 がんばらなきゃいけないのに。 でも誰も指示をくれる人はいない。 私ひとり…。   うぇっ、あっ、うわぁぁぁん、うぅぅぅぅ。   泣いてばっかり…。   うぅぅ...
  • ある秋の日のこと
    SOS団史を紐解く中で、空白になっている期間がある。 それは俺たちが一年だった頃の9月と10月だ。 後になって知った小さなエピソードだが、どこにも記せそうにないのでこの場に書いておこうと思う。   9月のある日、あの終わらない夏休みをようやく終わらせ、俺は部室で朝比奈茶を優雅に味わっていた。 部室には全員が揃っていて、すなわち現在パソコンに注意の全てを傾けている団長の涼宮ハルヒ。 メイド服を着るためにこの世に生を受けたかのごとき妖精、朝比奈みくるさん。 一瞬見ただけでは等身大の置き物にしか見えない読書ドール、長門有希。 微笑みしか表情を知らないようなハンサム野郎、古泉一樹である。   9月になったとはいえ風は一向に冷たくならず、夏の熱気だけが絶賛継続中だった。 夏は嫌いじゃないが、こういつまでもだらだら続かれるとさすがにバテそうになる。 俺の周りの4人は全員が暑さを気にしていないような顔を...
  • あるビニール傘
     ふと、空を見上げた。  あたり一面どころか、この世の果てまでも続いてるんじゃないかって錯覚してしまうほどに、どんよりとした灰色の雲が、ほどかれたターバンみたいに広がっている。  そのぐしゃぐしゃになっているターバンからはシトシトと無数の雫が降り注いでいる。雨粒がお洒落もへったくれもない、ただ大きいだけの黒い傘を叩く。その音が心安らぐような曲を奏でてくれるなら、俺の憂鬱も少しは晴れたかもしれないが、生憎、そんな風流なことはなかった。  雨の日特有である、葉がしけった匂いが鼻腔を刺激していた。  止みそうで止まない。もう十分に潤いを与えてくれたはずなのに、雨雲はまだ満足できないのか。これでもかってくらいに、延々と雨を降らせ続けている。  梅雨。  ただそれだけのことだった。が、季節柄的にしょうがないと分かっていても、やっぱりダウナーになるのは避けられない。雨が好き、なんてロマンチスト気取...
  • 愛にあるのは真心、恋にあるのは下心
    この話は『お姉さんなのです』『待たせたな』設定を引き継ぐ、教科書系列SSになります ――――――――――――――――――――― 「……おい、佐々木。お前ちゃんと俺の話聞いてんのか?」 「聞いているに決まっているじゃないか。ええと、涼宮さんがいかに可愛いか……だっけ? 悪いけど、ノロケなら恋人が居るもの同士でやってくれないか。ひとり者には嫌味にしか聞こえないよ。それがいくら無二の親友のそれでもね。」  佐々木、お前、耳鼻科行くか? 俺は、ハルヒの我侭振りには参ったと言っているんだ。約束の時間より早く着いても、自分より1秒でも遅かったら即罰金! だからな。ったく。お前、約束の時間の30分前とかありえんだろう。早く着きすぎるのも迷惑だ。 「それは、一刻も早くキョンに会いたいという気持ちの現われじゃないか。いや、全く持って羨ましいね。そういう気持ちを向けられるということは、男女問わず喜ぶべ...
  • ある晴れた日のこと
    ある晴れた日のこと  ある晴れた日のこと2 ある晴れた日のこと3 ある晴れた日のこと4
  • ある日 文芸部室にて
    ある日 文芸部室にて キョン「今日は長門と古泉しかいないのか」 古泉「朝比奈さんは用事で今日はこられないとのことです」 なぜ朝比奈さんはおれでなくこんなやつに言付けを頼んだのかと、少し腹が立ったがまぁいい 古泉お茶いるか? 古泉「はい、お願いします」 長門は? 長門「・・・・・コクリ。」 おまえら、朝比奈さんが来ないこと知ってるんなら自分の分くらい入れとけなまけものどもめ やかんをコンロにかけていると後ろから気配がする 長門「・・・・・・・・。」 ん?どうしたんだ 長門「まだ?」 あー、もうちょっと待ってくれすぐ作るから 今日はやけにせっかちだなぁ、そんなに喉が渇いていたなら自分で入れとけばいいのに というか、宇宙人でも喉が渇くのか などと考えていると突然長門のやつが俺のズボンのチャックを開け始めやがった キョン「おい長門何してんだ」 えらく冷んやりした手が俺のものを握っていた う...
  • ある暑い日の部室で
    嫌になるくらい暑いとある夏の日の放課後、 「今日はHRが早めに終わったし、あたし達が一番乗りかしら。」 「かもな。」 あたしとキョンはそんな他愛も無い会話をしながら暑さに耐えつついつもどおり部室へ向かっていた。 「部室前に到着。さて、中に誰かいるかしら?」 そう言いつつあたしはドアノブに手をかけ回してみる。 結果、扉は開かずただガチャガチャと無機質な音を奏でるだけだった。 「鍵が閉まってるってことはあたし達が一番乗りね。」 「みたいだな。」 別に何の特になるわけでもないけど一番乗りって何か気分がいいわよね。 「一番乗りが確定して悦に浸るのは結構だが、何時までもここでぼさっとしてる わけにもいかんだろ。さっさと鍵を開けてくれ。」 「…言われなくても開けるわよ。」 せっかくいい気分だったのにあんたの台詞のせいで台無しじゃない。バカキョン。 そう内心で愚痴りつつ、あたしは鍵を開けた。 キョン...
  • ある雪空の日の事 後編
    ある雪空の日の事 前編より ハルヒの掛け声により決戦が始まった。 …。 …。 ………不思議だ。何故か随分と長い時間放置されていた気分がするが……まぁ、気のせいだろう。 …。 「っと?!」 …。 雪玉が俺の顔をかすめた……ボーっとしている場合じゃない。 …。 開始と同時に雪玉の応酬が始まる。やはり人数の差のせいか生徒会側の勢いが強い……が。 …。 「ふっふっふっ、当たらなければどうって事は無いのですよ……ふもっふ!」 …。 古泉は雪玉をヒラリとかわしながらしっかりと投げ返している。 鶴屋さん、谷口、国木田、他のメンバーも問題ないようだ……が。 …。 「ふええええぇぇ」 「みくるちゃん!ほら、しゃがんでないで投げなさい!」 「怖いですうううう」 …。 朝比奈さんは予想通りと言うか何と言うか……開始早々しゃがみこんで頭を押さえていらっしゃる。 …。 「朝比奈さん、こっちへ」 「ふぇ、キョンく...
  • ある日森の中
    俺は今走っている。 青春のまっただ中、明日に向かって走っている。 …って表現が似合う年頃だが今は純粋に走っている。 結構必死だ。 周りを見るとハルヒも長門も朝比奈さんも古泉も走っている。 必死に…。 …状況が分からない? OK では最初から振り返ってみよう。 ~部室~ ハルヒ「謎だわ。」 ハルヒがパソコンを見ながら何やら呟いている。 キョン「何の事だ。」 俺はハルヒに近づき尋ねた。 ハルヒ「これよ。」 なになに…2ちゃんねる?ニュース速報+?これがどうしたんだ? ハルヒ「この記者よ…一体いつ寝てるのかしら…。」 …ああ…ばく太か。 キョン「…それは触れたらいけない事なんだ。」 ハルヒ「ふ~ん、まぁ良いわ。」 キョン「んでみんなに話があるとか言っていたな?もしかしてこの事か?」 ハルヒ「違うわ…もうみんな揃っているわね。これよ。」 ハルヒはそう言って新聞の記事を俺達に見せた。 古泉「つちの...
  • 鶴屋家当主のある一日
     とある高層ビル。  鶴屋家当主は、夫の姿を認めると、手を振って、叫んだ。 「やあやあ、愛しのマイダーリンっ!」  彼女がいうとまるで色気がないが、彼女の笑顔はみんなを幸福な気分にしてくれるものであり、夫ももちろんその例外ではなかった。  彼の口元から自然に笑みがこぼれる。 「海外出張の成果はどうだったかなっ?」 「順調だよ」 「そいつは結構だねっ」 「留守中に何かなかったかい?」 「うちは極めて平穏無事さっ。子供たちも元気に走り回ってるしねっ」 「元気すぎるのもどうかと思うけどね」 「子供は元気が一番なのさっ」  鶴屋夫妻は、仲のよい夫婦ぶりを見せつけながら、会議室へと入っていった。  これから、鶴屋ホールディングスの経営会議があるのであった。    会議の議題はいくつかあったが、たいがいの議題はパッパッと片付いていく。 「次は、国際宇宙開発機構からの出資要請についてです。機構の事業内容...
  • とある超能力者の動機
     橘も古泉もらしくないですが、話の中で原作の彼等へ近づく仕様になっています。 ――――――――――  ただ、なんとなく過ぎていく毎日の時間の流れは酷く単調で、あたしはこんな毎日が大嫌いだった。 毎日、毎日歯を磨くことも、お母さんの作った朝ごはんを食べることも、隣の家に住む幼馴染と肩を並べて学校へ向うことも、教室でクラスメイトに挨拶をして、授業が始まれば教科書を広げ黒板を睨むことも、隣の席の子と机を合わせて給食を食べることも、午後の授業が苦痛なほどに眠気を誘うと言うことも、帰りのHRでの先生の無駄話も、週に一回回ってくる掃除の当番も、下校すら同じ道の幼馴染の可哀相なほど背の低さも、帰ってきたあたしを出迎えるお母さんのお帰りなさいのイントネーションも、全てが昨日とも一昨日とも、下手をすれば去年とも変わらないと言う事実に、あたしは正直、飽き飽きしていたのだ。    明日、目が覚めると同時に超...
  • 胡蝶の夢
    『抜け殻』シリーズ、『羽化』の続きになります。   ===== 『胡蝶の夢』 「なによ、あんた『来れない』ってどういうことよ!」 「だから、ちょっと親戚の法事にだな……」 「SOS団の活動より法事を優先するつもり? それにせっかく有希のいとこちゃんが来てくれるって言うのに」 「だから、すまん。今回はどうしても……」 「……うん、まぁ、いいわ。家庭の都合であれば仕方ないわね。あたしもそこまで無理を言うつもりはないわ。でも、次は必ず来なさいよ。でないと死刑よ。い い?」 ハルヒはちらっと横を見ると、 「有希からも言ってやって」 「次は来て」 いつものように分厚い本から顔を上げた長門は、俺の目をじっと見据えてそっと言った。 「死刑だから」 「な、長門……」 こいつ、全ての事情を知った上でそこまで言うつもりかよ。なかなかやるじゃないか、この有機アンドロイド。 うつむいて再び読書に戻った長門の短...
  • ある晴れた日のこと 
    私は朝比奈みくる 未来から来たから未来人ってことになってるわ。 今何してるかって? SOS団とかいうわけの分からない集団の集まる部活の部室に向かってるところよ。 幸か不幸か私は涼宮ハルヒに強制的に入団させられたの。 かわいそうでしょ? まったくなんでこんなに廊下は長いの!? 未来は当たり前のようにスライド型のエスカレーターがあるのに! だから過去に行くのは嫌だったのよ…。 チラッ まただわ…。 すれ違う男はみんな私の胸を見るのよね! たしかに私はかわいいし、胸は大きいし、ロリキャラだし、 ケチのつけどころもないわ。 でも毎回こうだと金も払わねぇ奴のに見せてやる穏やか心もなくなるってんだよ! しかもこんな身長にこの胸ってメチャメチャ肩凝るんだぞ? ふざけんなって話だよ! そんなに羨ましいならくれてやるからてめえで付けてみろ! しかもさっきの男チャック開いてたしよ! 人の胸見てる...
  • 朝倉涼子の迎春
     一年の計は元旦にあり……とは先人の弁だが、たった一日に365日の運命を決められてたまるか、というのが俺の正直な感想であり、事実我が家では、正月だろうがなんだろうがいつも通りグースカ惰眠を貪り、昼に起きては餅を食うだけの、なんてことない一日を過ごす。 いつもなら、そんな俺の至福の時を邪魔しにくるのが妹なのだが、本日ばかりは大人しく、俺宛ての年賀状を俺の部屋まで持ってきただけでどこかへ行ったようだ。兄たる俺への些細な心遣いだとしたら、その成長を素直に喜ばないこともない。 さて、そんな、なんてことない新春の昼下がり。ベッドから起き上がった俺はボケーっとした頭で年賀状を確認する。 年賀状と言っても、高校にもなれば無差別に年賀状を送ってくるようなハイテンションなクラスメイトも減り、さらに携帯電話の普及も相俟って、わざわざハガキで送ってくるやつはほとんどいなくなった。 そんな中、なぜかこう...
  • とある日曜日の出来事
      「ちょっとキョン、歩くの遅いわよ。もっとシャキシャキしなさい!」   今日は日曜日。俺はコイツと二人で人騒がしい商店街を闊歩している。 たまの休みだというのに、なぜにこんな汗だくで重たい荷物を抱えて歩いてるんだ、俺は。 「お前が速いだけだろう。だいたいそう思うなら自分の買ったものぐらい自分で持てよ。」 というかコイツの買ったものしか荷物と呼べそうな物はないのだが。 ちなみに俺は現在右手に二つ、左手に三つ、計五つの紙袋を両手に装備している。 袋の中身はコイツの買った洋服、コイツの買った下着、コイツの買った靴などなど 午前中から午後にかけ、この大きめの商店街をぐるっと一周しながら数々の店でコイツが購入した 俺にとってはすこっしも価値がない物ばかりだ。 「嫌よ。重いし。」 おい。 「普段から運動不足のアンタにはそれぐらいが調度いいのよ。むしろ適度な運動を用意してあげたアタシに感謝してほしいわ...
  • 第一章 ある日、突然に。
    長門ふたり   プロローグ   我々は情報統合思念体。宇宙を統べるもの。全ての時間と空間を超越し、全存在の 上位に位置する。我々は無誤謬であり決して間違いを犯さない。ごく少数の例外を 除いては....。   第一章 ある日、突然に。   授業が終わってから教室で宿題をやった後、僕は団室に向かった。団室に行くのも なかなか難しいタイミングが必要だ。一番理想的なのは最後に部屋に入るというパターン。彼や涼宮さん がすでにその日のパターンを作ってくれているから、それに乗ればいい。 ただ、このパターンの場合、部屋の扉を開けたときに何が起きているか解らないから とっさの対応が難しい場合もある。あの5月の日、世界が消滅の危機に瀕した日の前日、 部屋に入って行くと涼宮さんがバニーガール、朝比奈さんがメイドの格好、そして なんか険悪な雰囲気、僕は 「今日は仮装パーティの日でしたっけ」 などととっさにボケてみ...
  • ある雪空の日の事 前編
    「いい、みんな!!アタシ達の辞書に敗北の二文字は無いのよ!!」 …。 ハルヒの声が響く。 …。 「やれやれ」 「ふふ、かしこまりました。元帥閣下」 「が、がんばります!」 「コクン」 「オッケ~にょろ♪」 「血が騒ぐぜ!」 「出来るだけ頑張るよ」 …。 決戦の時は来た!!。 …。 …状況がわからない? OK 今回の出来事を振り返ってみよう。 …。 …。 …。 …。 「明日雪合戦をするわよ!!」 …。 ……はい?。 …。 今日は一年生最後の日、明日から春休みだ。 終業式を終えた俺達は春休み中に行う合宿についての最後の打ち合わせを行う為部室に集まっていた。 一通り話し合いを終え さあ帰るか…。 と思った時にハルヒの声が部室に響いた。 古泉も朝比奈さんも目を丸くして驚いている……まぁ、長門はいつも通りだが。 …。 「……ハルヒ」 「何よ!」 「……今、何をするって言った?」 「雪合戦よ!アン...
  • 会長の一言で喜緑さんはスイッチが入ってしまったようです
    ※このお話は『餅を焼きませ』の後日談です※      気が付くと俺は夕日の差し込む天井をぼんやりと眺め、じんわり汗ばんだ感覚と、喉に若干の渇きを覚えていた。 (あー、コタツで横になったまま眠っちまったのか…)  恐ろしい事に、自分が寝入った瞬間の記憶が無い。コタツというのは、まさしく悪魔的存在の暖房器具だと言えよう。何が恐ろしいって、その“堕ちて行くような”感覚にはある種の抗いがたい快楽があって、分かっているのにまた性懲りも無くゴロゴロしてしまう、という点だ。 (まあ、正月だしな。風邪を引いた訳でもなし、それは別に良いんだが)  どうしたものかね、という眼差しで、俺は右脇を見る。いつの間に占拠されたやら、そこでは俺の右腕を枕にした喜緑江美里が、くーくーと寝息を立てていた。ポジションから察するに、コタツの中を通ってここまで潜り込んできたらしい。猫かこいつは。いや、体を丸めてスヤスヤ寝...
  • あるカップルの優劣
    「あ~あ~!わかったよ!俺が行ってくるよ!まったくお前はいつでも勝手だな!」 俺はそう言うと自分の部屋を出た。 俺はハルヒと付き合っている。だが、ケンカばかりだ。 今も飲み物をどっちが買いに行くかという些細な事でケンカになった。 実際、かなり怒ったが……ほんとは、ケンカなんてしたくない。いつもハルヒと触れ合って、優しく笑い合いたいだけなのに素直になれないんだよな。 「……いけね、財布忘れちまった」 俺は溜息と同時に呟いた。 また、ハルヒにどやされるな。今回は『あんたはいつも抜けてんのよ!マヌケ!』かな。 俺はゆっくりと一歩ずつ階段を登った。 ドアの前、防音のなってない扉の向こうからちょっとした泣き声が聞こえてきた。 「ぐすっ……、なんで……上手くいかないんだろうね、シャミセン」 ハルヒはシャミセンに向かって話しかけているようだ。 しばらくの間、ドアの外で様子を窺うことにした。   「あたし...
  • インターフェースのとある未来
    「なーんもないわね」  朝倉涼子の発言に対して、喜緑江美里が答える。 「延々と続く大地があるではありませんか」  彼女たちの目の前には、赤茶けた大地が延々と広がっていた。 「人類的な表現を用いるならば、朝倉涼子の発言も妥当と思われる」  長門有希は、律儀に突っ込みを入れた。 「まったく、人間ってバカよね。くだらない理由で戦争して、この有り様じゃね」 「その点については、同感ですね」 「…………」    地球規模での大戦争。  対消滅反応兵器の応酬。  その結果として、地球上の有機生命体は全滅していた。  とはいっても、人類が絶滅したわけではない。彼らは、火星にも金星にも木星の衛星群にも、勢力を拡大していたからだ。  人類領域全体から見れば、これは地球という一つの惑星における内戦にすぎなかった。    三人は、会話をかわしながら、ただ歩いていた。  三人がここに派遣されたのは、この地球に満ち...
  • 橘京子の消失(エピローグ)
    … …… ……… 「ホント、あの時は大変だったな、色々と……」  未だ晴れ間の見えない、灰色単一色の空を三度見上げて言葉を漏らした。  橘が消えてしまったかと思って異次元に飛んでみれば、また別の橘が現れて実は元に戻しましたなどと言う。  佐々木は滞在時間が長かったあの世界が大層気に入って、戻りたくないなんて言い出す始末。  結果論ではあるが、次元断層に飛び込んでいった橘をそのまま放っておけば、異次元の番人さんが『忘れ物ですよー』と言って届けてくれたのだろうし、佐々木と朝倉の誘惑合戦も開始される事無く幕を閉じたんじゃないかと思う。  はっきり言って、あの次元断層のワープは俺が経験した中でも三本の指に入るくらい無意味なイベントだったと思う。  でも、それは俺にとって、だ。  佐々木はあちらの橘と深い信頼関係を得られたし、こちらの橘に関してもやや寛大になってきたんだと思う。  九曜は人間的...
  • ねこ保守~吾輩はねこである~
      まだ名前のない私。誰の為でもなく、ただ生きている。 それはなんだかとても楽であり、けれど悲しくもある。 しとしと。 雨が落ちる音。 ふやけたダンボールの居心地は、酷く悪い。 けれど此所――いわゆるコンビニエンスストアの側から離れる事で起こり得る、宿や空腹に対する愁いが私を引き止める。 ――――まぁ、どうにかなるだろう。 そんな程度の悩み。 ほとほと。 毛から水が垂れる音。 「……ねこ」 小柄な女の子が、ぽつりと零す。 ……やば、見つかった。 この雨の中を逃げる気力はないのだけれど、どうするべきだろうか。 先日受けた小さな手足からの様々な暴行を思いだしながら、私は相手を観察する。 澄んだ目をした少女だった。 後ろに背の高い少年を従えて、こちらを見据えていて。 なんだかひどく蠱惑的な手で、傘とビニール袋を握っている。 雨の似合う少女だった。 今が冬ならば、降...
  • シュール短編75
    ハルヒ「SOS団員諸君、明けましておめでとう御座います!」 長門「おめでとう」 みくる「はっぴーにゅーいやーでしゅ」 古泉「初春です」 ハルヒ「折角皆で不思議探索初詣巡りしようと思ってたのに、キョンたらまた遅刻!?」 キョン「ようお前ら、おめでとさん(;^ω^)」ゼハーゼハー ハルヒ「キョン!!?正月早々顔色最悪よ、どうしたの!!?」 キョン「いやいや何でも、それよりもホラお前らにお年玉だ」つ日 長門「ありがとう…これは」 みくる「ぴえっ諭吉さんがいっぱい入ってましゅ!!」 古泉「こんな大金、一体どうしたんですか!?」 キョン「去年はお前らには本当世話になったからな、せめてものお返しだ」 ハルヒ「そんな事訊いてんじゃないわよ!これだけのお金どこから出したの!!?」 キョン「なあに冬休み中ずーっとバイトしてただけだ、ほとんど一日中」 ハルヒ「え゛ーーー!!?」 長門「私が見た所体温が39...
  • ある雪空の日の事
    前編 後編
  • その他短編60
    朝倉 「ふふふ・・・じゃぁ、死んで」 キョン 「ふ・・・一つ一つのプログラムが甘い!!」 朝倉 「ぶげはっ!!あごがはずれた」 キョン 「ふ・・・今のうちだ!!!死ね!!!!!1(朝倉からナイフを奪う」 朝倉 「ごばぁ!!」 キョン 「その眼球ひっこぶいて血まみれにして殺してやる!!!!!」 長門 「・・・」 長門 「・・・(怖くて立ちすくんでいる。」   ハルヒ「遅刻したものは死刑よ!わかってるキョン!」 キョン「あぁ、わかってるさ。」 古泉 「すみませぇん遅刻してしまいました!」 キョン 「お前死刑な。お前の腹を切り開いて内臓をみんなでいただくとしよう。」 古泉 「それだけは・・・グサッ」 キョン 「アヒャヒャヒャヒャ・・・内臓パーティーの始まりだぜwwwwwwwwww」 長門 「・・・」 長門 「・・・(怖くておしっこ漏らした」     谷口「WAWAWA忘れ物ガララ...
  • ONE DAY ON THE SNOW ~ある日雪の上で~
    二月も中盤にさしかかり、いっそう寒くなってくるころだ。 うっとしいだけの雨よりも、その気になれば遊び道具にできる雪が降って欲しいというやつにはいいだろうが、 俺は雪だけでもあまりうれしくはないのだ。雪だけくればいいが、寒さまで来るのはいやなんだよ。 まぁ、そんなことを言っても仕方はないのは分かっている。 シベリア寒気団の連中に何をいっても、進路を変えてくれたりはしないんだからさ。 そんな感じのことを考えながらすごしたつまらない現国の時間も終わり、放課後になった。 今日もSOS団アジトと化した文芸部室に足を運ぶ。 もうすっかり習慣づいてしまったものだな。 他にすることなんぞ無いから・・・いや、あったとしても、それらをほったらかして来るだろうな。 あの場所は、俺にとっては結構心落ち着く場所なのさ。 朝比奈さんの着替えを覗いてしまわないように、扉をノックしてから部室に入った。 既に、朝比奈さん・...
  • 二年越し勘違い
    「お待ちどうさま。おそばが出来ましたよ」 「おう」  横になって眺めていたテレビ雑誌を放り出し、俺がコタツと正対するように座り直すと。目の前には既に、江美里がお盆から降ろしたほかほかと湯気の立つどんぶりが置かれていた。少量のねぎと天かす、あとはかまぼこが1枚乗っただけのシンプルなかけそばだ。 「では、さっそく頂こうか」  セーターからエプロンを外した江美里が着席するのも待ちきれず、俺は箸を手に取ると手繰ったそばにふうふうと息を掛け、一気にすすり上げた。うむ、うまい。 「ふふ、そんなに慌てなくてもおそばは逃げませんのに」 「そばは逃げなくても、時は逃げる。こういう物は出来たてをすぐに喰うのが、作った者への礼儀というものだ」 「まあ」  俺の返事に少しだけ表情を緩めながら、江美里もコタツの左隣の面で両手を合わせ、それから小さな口でするするとそばをすすった。 「うん、我ながらなかなか...
  • 繋がる絆、絶ちがたい想い
    家族の絆の続きです。 高校とは違うベクトルに慌ただしかった大学を無事卒業してから四年あまりの月日が経った現在おれたち家族は騒がしくも楽しく平穏な日々を過ごしていた。 それなりに色々あったわけだが、高校卒業から一年して生まれたハルカとハルキのヨチヨチ歩きの可愛さに打ちのめされていたおれが、うっかり やっぱり子供はたくさんいたほうが賑やかでいいな なんて口にしてしまったからかはわからんが次に生まれた子供もまたしても男女の双子だったりとか、普通の会社勤めを望んでいたおれに対し、ハルヒの 普通の会社勤めなんてつまらない なんて一言で会社を立ち上げるハメになり、ハルヒや有希の人知を越えた万能さを見込んだ鶴屋さんの資金面や仕事の斡旋などの全面支援でうまく立ち上がり、その後鶴屋家の全面支援という信用からか仕事が途絶えることもなく、この歳では破格の収入を得るまでになっていた。 まぁ、トントン拍子にう...
  • あたしだって語りたいときがあるわ
    あー、むかつく!   部室に入ると、すでに有希が本を読んでいた。 ちょうど良いわ、私の話に付き合って。   ~回想シーン~ 最後の時間は教師が休みだったんで自習になった。放課後のために今は寝る時間ね! あほの谷口が壇上で何か言っているわ。 「よし、では予告どおりシングル人気投票を始める」 「まず、今回のエントリーはこのメンバーだ」   「ハルヒ、確認だがクラスでは隠しておくことで良いのか?」 うん?キョン?なにを言ってるの? 「いや、交際していると訂正しないと俺とお前もしっかりエントリーされているぞ」 キョンの話だと、あほが今回クラス内で異性のシングルを対象に人気投票を行う。 投票の際にはその理由も簡単に書くとのこと。無視ね、無視。 あー、でもせっかくだしキョンに一票入れてあげるかな。あたし以外入れる人いなさそうだし。 「かまう必要はないわ。ま、まあアンタに私の票をあげても良いわよ」   ...
  • スペシャルデイ
    今日は12月31日。 今年も今日で終わりだ。 さて、明日、1月1日といえば、お正月だ。お正月といえば、何と言ってもおせちだ。   俺はおせち料理が好きなので、毎年のごとく、31日の夜はなぜか嬉しい気持ちになる。 しかし、その楽しみな気分に浸かって、適当にカウントダウンのテレビを見ていると、 携帯が鳴った。 見ると、涼宮ハルヒ と出ていた。やれやれ、今年の最後くらい ゆっくりさせてくれんかねぇ、と思いつつ電話に出た。 「もしもし?」 「あんた明日の朝、暇?」 全く、こいつはいつも用件をいきなり言うよな。 「朝って、どのくらいだ? 10時とかか?」 元旦くらいはゆっくりしたいと思ったが、まあ10時とかなら時間的にも余裕だし、 どうせ午前中は家にいてもやることは特にないしな。   「そうねぇ・・・8時くらいかしら」 8時って・・・AMの8時だよな? 朝っていってたし。 しかし8時ってどういうこと...
  • こんな長門が欲しい
    「はぁ……はぁ……」 俺がこの道を自転車で全力疾走するのは今回で一体何度目だろうか。 しかも呼び出されるのは決まって夜、おかげで俺の貴重な睡眠時間は 鰹節の如く削られていく一方だ。呼び出すなら昼に、学校を合理的に 早退できる理由もセットでお願いしたいものだね。とはいっても相手 も同じくうちの学校の生徒なんだから叶わない話だが。 事の始まりは今から約三十分ほど前、珍しく(というか初めてか?) 長門の方から俺に電話がかかってきた。あの超無口宇宙性人造人間は 電話を持っているくせに自分からは全く活用しないのだ。俺としては あいつのクラスの連絡網がどうなっているのか非常に気にかかるとこ ろだが。そしてその長門が俺にかけてきた記念すべき初電話、その内 容は「時間がない。早く来て」と来たもんだ。しかも直後に人間大の物 体が床に倒れこむようなダイナミックな音が付属してるんだから急が ないわけには行かない...
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