涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「すれ違う想い」で検索した結果

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  • すれ違う想い
    俺がハルヒと出会ってもうすぐ1年が経とうとしていた3月の話だ。 春休みを目前にして北高生徒たちはほんのり余裕のある毎日を送っていた。 だが俺にとっては一生悔いの残る春だった。   今日は10日。あと一週間ほどで春休みだ。 短縮授業が始まったことにより、部活動に所属していないほとんどの生徒は午前中の授業が終わると足早に下校を始める。 部活動には所属していない俺だが生徒会非公認の部活(部活と呼べるものでもないが)SOS団に所属していたため授業後は下校せずに部室に向かった。 部室と言っても正確には文芸部なのだがハルヒによって乗っ取られ、今となってはSOS団の根城となっている。 部室のドアを開けるとそこにはやはり椅子に座って本を読んでいる長門がいた。 「よう、長門。」 長門は俺を一瞥すると再び本に目を落とす。 これが長門流のあいさつ。いつもの光景だ。 俺はパイプ椅子を引き寄せ、腰掛けた。 時間は1...
  • 長編・キョン4
    ...転(キョンの消失) すれ違う想い 家出少女 Love Letter from …? 好感日記 好感日記Ⅱ アルバム巡り 「涼宮ハルヒの憂鬱」改 (欝エンド) Park Golf in Summer !! 北高生の告白ラッシュ 二人、夕立、遊具にて やりすぎた嘘 儚い想い出  where Justice... 裏切り者 涼宮ハルヒの再会 神が手にした力のリスク まとめ 涼宮ハルヒの時駆 雛見沢・SOS (クロスオーバー) ツインズパニック! キョンは別れを惜しむようです キョンがアンケートから情緒不安定になりました 扇子 涼宮ハルヒの盗賊 キョンのその後 (MGS4とのクロス) トナカイからのプレゼント Am I father? ロマンティックが止められない(※ホモ・百合ネタ注意) 情報統合思念体と機関が総力を上げて俺を潰そうとしている件(キョン) 新・孤島症候群 北高生人気投票 ラジ...
  • すれ違いの恋
    ~キョン視点~   本日は晴天なり。今は午後の市内探索だ。 俺はハルヒと二人きりで街を練り歩いている。 今日のハルヒはやけにご機嫌のようだ。草むらの中、河原、住宅街辺りをくまなく歩き回り俺の足を棒へと変えようとしている。 だが、俺はこいつといるそんな日常が大好きだ。 「キョン。少し休むわよ、そこに公園あるし!」 やれやれ、やっと休めるぜ……。 「あたしは先に休んでるからあんたは何か飲み物買って来なさいよ!」 ……こんな事を言ってくるが、俺はそんな傍若無人なハルヒが好きだった。 「おっそいわよ!あたしはこっちね!!」 と言って、俺の手にあるウーロン茶を奪った。 「おいおい、そりゃ俺のだ。お前のはこっち……」 言い終わる前に栓を開けて、口を付けていた。 「うんっ!冷たくておいしっ!……なんか言った?」 俺はしょうがなく、手に残ったオレンジジュースの栓を開けて、飲むことにした。 冷たいが、渇いた...
  • すれ違いの心中
    一 俺がそれについて認識する以前より、実際の所は俺以外の人間はみなそうだと認識していたようだ。 俺はその事について確たる証拠は持っていなかった。自信だけが先走って、思い込みに走っていただけにすぎないのだ。 若さゆえの過ちではすまさない。罪である。罰を伴う罪である。 その事を説明するにあたって、遠回りな言い回しや、小難しい形容詞などは必要無いはずだ。 無いのは自信だけだ。 今の透き通った視界なら、見えないものはない。盲目だったのだ。 砕かれた自信が再び治る事は無い。安易な過信が自信を崩し、崩れた自信が俺を崩した。 盲目の人間が突っ走り、自ら硬い壁に突き当たり怪我をしたというだけだ。 ああ、馬鹿ものさ。涙も涸れるほどの、馬鹿ものさ。 「もう、だめだな」 こうしている間にも時は流れ続け、傷口は開いてゆく。時も見放した癒えぬ傷だ。 自己憐憫に陥った事による自己嫌悪さえもわかない。末期だ。 するりと...
  • a Re-Birth in the Best Dream
    第1話 a Re-Birth in the Best Dream    四月。  先だっての学年末テストにおいて、ハルヒ大先生のお力で何とかそれなりの好成績を修めた俺は、クラス分けを発表する張り紙で同じクラス内に俺とハルヒ、そして何と長門の名までもを発見して愕然とし、とりあえず退屈だけはしないだろうと半ば現実逃避をしながら教室へ向かっていた。  やっぱりこれはハルヒの変態的パワーによるものなのか、それとも長門が情報操作でもしたのだろうかと考えを巡らせていると、 「…ん?」  職員室の前、見知らぬ女子生徒とすれ違う。…いや、違うな。知り合い…だったのか? 「…まぁ、考えても仕方ないか」  とりあえず、教室へ急ぐ。新学期からいきなり遅刻したら目も当てられないからな。 「ちょっとキョン、遅いじゃないの! 新学期からいきなり遅刻したら目も当てられないわよ!」  開口一番、相も変わらず俺の真後ろ...
  • その他短編置場
    他の短編ページに含まれないジャンル、その他の人たち、オリキャラが出てくる短編   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73     『涼宮ハルヒの怪談』 情報統合思念体の観察日誌 涼宮ハルヒの歌集 灼眼の古泉 天災 君のいない部室 グラップラーハルヒ 鶴屋さんの奮闘 黒鶴屋さんの陰謀 最強の異世界人 長門の戦い~熱戦!激戦!超決戦! 1000取り合戦 谷口の日常 涼宮セルヒの憂鬱 谷川流の暴走 神聖モテ...
  • キョンいじめ短編
    キョンいじめ短編集 1 2 3 絶望の丘 青の世界 赤の世界 すれ違いの心中
  • 一夏の恋 エンドロール1
    Many times I ve been alone and many times I ve cried. Anyway you ll never know the many ways I ve tried. 夜そのものに溶け込むように、公園の中央に聳える時計台の前。長門さんは佇んでいた。 「……お待たせ、しました」 全力疾走の分、息が切れた。湿った夜気が咽喉に絡む。長門さんは僕を認めると小さく頷き、僕の前に完成された姿勢にて立ち、細い顎を上向かせた。繊細な面がひたりと此方に据えられる。澄んだ瞳に、深淵の銀河を覗き込むようなイメージに囚われる。 彼女は無言だった。僕の詞を、待っていた。その為の呼び出しであろうことも薄々察知していたから、まるで予想外ということもなかった。 これは彼女が、どんな心境でかは分からない――この時間軸の僕にくれた、文字通り最後の機会なのだろう。だから。   ...
  • ハルヒの想い 
    ハルヒに頼まれて、この糞寒い中しぶしぶストーブを取りに行ったわけだが、途中で激しい雨に会い、俺はびしょ濡れで部室に帰ってきたのである。 自分で言うのもおかしな話だが、相当疲れていたのだろう…ストーブをつけて、そのまま机に伏して熟睡してしまった。 どれくらい時間が経ったのだろうか…目を覚ますとそこには、驚いた顔をしているハルヒがいた。どうやら俺が起きるのを待っていたらしい。 とりあえず俺も目が覚めたので、立ち上がって身支度をしようとした…その時だった。   頭がクラクラして目の前がだんだん暗くなっていくのがわかった。強烈な立ちくらみだと思ったのだが、 そうではなかったらしく、俺はそのまま床にバタっと倒れてしまった。   ハルヒ「ちょっと…キョン?」   俺は何か言おう言葉を探したのだが、それよりも意識を失うことのほうが速かった。   ハルヒ「キョン…キョン!?どうしたの!?目を覚まして!!」...
  • 長編・涼宮ハルヒ
    涼宮ハルヒ無題1 涼宮ハルヒ無題3 涼宮ハルヒの停学 涼宮ハルヒの改竄 涼宮ハルヒの入学 涼宮ハルヒの異変 涼宮ハルヒの悲調 花嫁消失 ハルヒの想い 世界の終わりに 涼宮ハルヒの赤面 ‐ 涼宮ハルヒの羨望 ‐ ハルヒの実験 涼宮ハルヒの秘密 プリンとケーキ 星に願いを 涼宮ハルヒの猛暑 涼宮ハルヒの結婚前夜 涼宮ハルヒの泥酔 長すぎる10分間 涼宮ハルヒの願望 涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆 10月8日、曇りのち雨 閃光のハルヒ 涼宮ハルヒの預かり物 涼宮ハルヒのデート騒ぎ? それは誤解で勘違い 何よりも宝物 超能力 涼宮ハルヒの計算  涼宮ハルヒの嫉妬 ミニチュアハルヒ ベル 3点セット 涼宮ハルヒのネコ にわか雨の訪問者 ハルヒの寝言 涼宮ハルヒの独善(シュール・BadEnd?) 涼宮ハルヒの情熱  涼宮ハルヒの出産 あの日からの願い Amemorywithouttheend 涼宮...
  • ひとりぼっち
    週末になるたび、私はあの場所へ行っていた。 桶に入った水と花。これを持ってあの場所に向かうのもどれだけ続けたことだろうか。 「あら、長門ちゃん。精が出るね」 すれ違うお婆さんに会釈を返す。 彼女は痴呆が進んでいるため気づいていない。私が何十年この行動を繰り返しているのかを。   先週変えたばかりの花をまた変え、桶の水で墓石を洗う。 このあたりでは一番清掃が行き届いていると自負している。 この行動を、何十年となく繰り返してきたから。 横にある墓碑に刻まれた名前。 『涼宮ハルヒ 20××年×月×日』 『涼宮○○  20□□年□月□日』 涼宮ハルヒと、そしてキョンと呼ばれていた彼が入っている墓。 少し離れた位置には古泉一樹のものもあった。 何度となく私は墓参りを繰り返す。 「久しぶり……元気にしていた?」 すでに生きていないものに元気かと問う私は滑稽。 有機生命体は死んでしまえば、その体に何の情...
  • 遠距離恋愛 第四章 想い
    第四章 想い   『もう少しましな伝え様は無かったのですか?』 心底疲れたといった声で、携帯の向こうの古泉が呟く。   『今日の1時限目の授業中に、突然閉鎖空間が複数発生しました。一つ一つの規模や速度はそれほど大きくないのですが、一つを崩壊させるとまたすぐに別の空間が発生するというイタチごっこでして……現在、機関総出で対応していますが、この発生ペースだといずれはまずいことになりそうです』 そうか、本当にすまんな……しかし、あいつの不思議パワーは減少しているんじゃなかったのか?   『確かに、我々の調査結果を見る限り、最近では最盛期の半分程度まで落ちていました。閉鎖空間発生も希な状態になってきていましたしね。しかし、今回のこの閉鎖空間の数は過去最大です。涼宮さんには、まだこれほどの力が残っていたんですね、驚きです』 あいつの力が復活したと言うことなのか?   『それは分かりませんが、今は...
  • 想い出の場所で
      「はい、どうぞ」 にっこりと朝比奈さん。 「・・・受け取って」 少し上目使いで長門。 「ほら、さっさと取りなさいよっ」 ニヤニヤとハルヒ。 「僕からもです」 いっぺん死ぬか?古泉。 「いやいや、冗談ですよ」 お前の場合冗談で済みそうにないところが怖い。お前は少し黙ってろ。 「・・・はい」 最後のほうに少し変なものが混じっていたが、俺は今、我らが文芸部室で女子団員三人からチョコレートを突きつけられている。 そう、今日は二月十四日。バレンタインデーだ。 ほほう、これがかの有名な“修羅場”というやつか。この歳でそれを体験することになるとは夢にも思わなかったぜ。ついに俺にも春がやってきたかぁ~。 ・・・・・・というのは残念ながら嘘であり、実際は団活の終了間際に部室で去年同様、義理チョコを受け取っているだけである。 ハルヒいわく、本当は今年も何かしらイベントをしたかったそうなのだが、幸か不幸かこ...
  • お揃い
    何かが変だ・・・ そう気付いたのは放課後いつも通り部室に向かっている最中だった。 すれ違う奴がみんな笑っている。 なんとなく俺を見て笑っている気がする。 それが何となく気になりつつもいつものように部室のドアをノックした。 「はぁ~い」 舌ったらずな朝比奈ボイスを聞き俺はドアを開けた。 「ちわーっす」 今日は珍しく俺以外の全員が揃っているなと思いながらいつもの席に着いた俺は団員の微妙な態度に気が付いた。 朝比奈さんはプリティフェイスを真っ赤にして口元を押さえ、古泉はいつものハンサムスマイルをいつつも口元がピクピクしている。 長門に関してはさっきから全くこちらを見ようとしない。 そんな中、我等が団長様はというと何やらいつもよりご機嫌な様子だった。 「何かあったのか?」 そう古泉に尋ねると必死に笑いを堪えながら鏡を渡してきた。 何なんだ一体? そう思いつつ俺は鏡を覗き込んだ俺は言葉を失った・・・...
  • 涼宮ハルヒの追憶 chapter.5
    涼宮ハルヒの追憶 chapter.5 ――age 25 「じゃあ、行ってくるな長門」 俺は長門に出がけの挨拶を済ませ、ドアを開けた。 いつもなら、彼女が「いってらっしゃい」って笑顔で送ってくれるんだがな。 でも、無言で送ってくれるのも嬉しいぞ、長門。 花はもう飾ってあるから。 鍵を閉め、言われたとおりに郵便受けに鍵を入れておく。 じゃあ、学校にでも向かうか。 マンションを出るとき、センサーが反応しないので、人が来るのを待った。 その時、人とすれ違ったが、見えていないようなので安心した。 そういえば、これからあの坂を上るのか。 車で行きてえな、最近ろくに運動もしてないし、疲れるだろ。 まあ、過去の俺の為に頑張ってやるか。 坂を上るぐらい、あの時の苦しさに比較にもならんからな。 学校へと向かう。 その間、いろいろな人とすれ違ったが、やはり誰も気付かないようだった。 なんか悪戯したく...
  • ユキは好き?
    その日は今年一番の寒波が到来しているとかで、学校創立以来の古さを誇る旧館、つま りSOS団が間借りしている文芸部の部室は、電気ストーブの弱々しい熱風では太刀打ち できないほどの寒さに覆われていた。 朝比奈さんが淹れてくれたお茶も、すぐに冷めてしうほどの寒さ。窓の外を見れば、雪 こそ降っていないものの、分厚い雲に覆われている。 そんな日に限って、今日は特にやることがない。平和と言えば平和な、暇を持て余 して行くところもない学生が、部室でぼんやりしている風景が広がっていた。   「どうかしましたか?」 窓の外に目を向けていたキョンに、チェスの対戦相手をしていた古泉一樹が声をかけた。 「いんや、そろそろ降ってきそうだなと思ってな」   チェス盤に視線を戻し、ルークをE-5に移動。今度は古泉が長考に入り、それを見計ら ってお茶に手を伸ばす。部室に入ってきたときに朝比奈みくるに煎れてもらったが、すっ...
  • ある晴れた日のこと 
    私は朝比奈みくる 未来から来たから未来人ってことになってるわ。 今何してるかって? SOS団とかいうわけの分からない集団の集まる部活の部室に向かってるところよ。 幸か不幸か私は涼宮ハルヒに強制的に入団させられたの。 かわいそうでしょ? まったくなんでこんなに廊下は長いの!? 未来は当たり前のようにスライド型のエスカレーターがあるのに! だから過去に行くのは嫌だったのよ…。 チラッ まただわ…。 すれ違う男はみんな私の胸を見るのよね! たしかに私はかわいいし、胸は大きいし、ロリキャラだし、 ケチのつけどころもないわ。 でも毎回こうだと金も払わねぇ奴のに見せてやる穏やか心もなくなるってんだよ! しかもこんな身長にこの胸ってメチャメチャ肩凝るんだぞ? ふざけんなって話だよ! そんなに羨ましいならくれてやるからてめえで付けてみろ! しかもさっきの男チャック開いてたしよ! 人の胸見てる...
  • 雪解けの想い
     『わたし』は今、高校三年間通い慣れた通学路を一人で登っている。  『わたし』の内面はあの頃の延長線上に存在すると言えるけれども、今の『わたし』の外見は、あの頃とは違う。  これは『わたし』がこの世界にもう一度存在するために必要な、訓練の時間。  『わたし』が『わたし』の外見を持ってこの世界に再構成されるには、もう少しだけ、時間がかかる。  そう『わたし』は一度、この世界から消滅している。  同一個体としての連続性を保つ限界が来てしまったから、それは、仕方の無いことだった。  不可避の運命を受け入れることしか出来なかったわたしは、最後の最後に、自分の心に降り積もった感情の全てを凝縮し、たった一言だけ、彼に、想いを伝えることが出来た。  それは前へは続かない、未来を築かない、誰かを縛ることさえ許されない、そのとき限りの、愛の言葉。  そう、なるはずだった。  運命は、変えられないはずだった...
  • 初めての恋が終わる時
    このSSはニコニコ動画のボーかロイドオリジナル曲「初めての恋が終わる時」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方や、ニコニコ動画が嫌いな方は読まない方がいいです   ガタン…ガタン…キョンを乗せた列車が走っていく。 あたしの初恋は今…終わりを告げた。     駅をでると雪が降ってきた。季節は冬、街はクリスマス一色だ。 こんな日に初恋の人とわかれることになるなんて、神様は相当意地悪らしい。 ふとすれ違った一組のカップルが楽しげに話していた。 「ほらみて!初雪だよ!」 「ああ、もしかしたら今年はホワイトクリスマスかもな」 胸がチクリと痛む、もしかしたら、あたしがもっと早く告白出来ていたなら…今頃二人であんな会話も出来ただろうか。   かじかむ両手に息を吹きかけ、空を見上げる。 来年の今頃、あたし達はどんな風に過ごしているだろうか。 -初めての恋が終わる時-       キョン...
  • 涼宮ハルヒの幽霊
    「いやーすっかり遅くなっちゃったわね」 全くだ。現在時刻、午後9時半。部活にしては遅すぎるぜ。 朝比奈さんなんかさっきからあくびをかみ殺してばかりだ。ふぁあ。あくびうつった。 とりあえず、早く帰って休もうぜ。明日休みとは言え疲れをためるのは良くない。 「わかってるわよ!…キョン、古泉くん!」 何だ。 「何です?」 「女子をそれぞれの家に送りなさい!こんな時間に女の子が一人で歩いたら危険よ!」 あのなハルヒ、こんな時間になったのはお前が… 「わかりました。ここから一番近いのは長門さんの家ですね」 「じゃあみんなで有希の家へゴー!スパイダーマン♪スパイダーマン♪」   近所迷惑になるからスパイダーマンのテーマ(エアロスミス)歌うな。   「ぅう…暗いですね…」 すみません朝比奈さん、俺がついてますから…本当だったら真っ先にあなたを… 「…キョン」 何だよ…   --------- 何となく喋り...
  • 想い
    カチ…コチ…カチ…コチ… 時計の秒針動く度、聞き慣れた時計の音が部屋の中で響き渡る。 光も何も無い暗闇の空間に時計の音だけが鳴り響く 眠い。眠い。眠い… だけど眠れない…。 俺落ち着くんだ。 深呼吸をしてひとまず落ち着け我が心臓よ…。 ん?何でこんな落ち着きが無いのかって? それは明日の事を考えてたら眠れないんだよ。 明日…それはある黒い物を渡され一日中天国のような気分でいられるか、渡されず一日中ブルーな気分のままいるか… このどちらかが絶対に訪れる日だ。 ん? まだ分からないって?? バレンタインに決まっているだろう!! そう…明日はバレンタインデー 俺はその明日の心配をしている。 過去の自分ならこんな事で眠れないなどとそんな事になるはずが無かった。 しかし今年の俺は違った。 全ては アイツ のせいだ… SOS団団長!! 【涼宮ハルヒ!!】 そう… 俺がアイツに話しかけた事が全ての始まり...
  • 秘めてた想い
    この作品は基本的にキョンと谷口の視点を行ったり来たりなのですが、一回だけストーリーの都合上ハルヒ視点がありますがあまり気にしないでください。 これがいわゆるデビュー作なので、まだ実力がないので「これはダメかなぁ」とか思った人はすぐに読むのを中断しちゃってください。 また、いくつかのほかの作品の文章と似ている文や、ほとんど同じ文があるかもしれませんが、ご容赦ください。 あと、前半で「後藤」という名のオリキャラが出ますが朝比奈さんの中の人とは一切関係があるわけではありません。たまたま思いついた名前を使っただけですので気にしないでください。 それでも読むというお方はどうぞご覧ください。 秘めてた想い(前編) 秘めてた想い(後編)
  • 想い出は、雪とともに
      想い出は、雪とともに   目 次    想い出は、雪とともに 第一章  想い出は、雪とともに 第二章  想い出は、雪とともに 最終章
  • 届かぬ想い
     耳障りな着信音。僕のつかの間の眠りはそれによって破られた。 「神人」を退治するために機関に所属している以上、  緊急の呼び出しには慣れていたはずなのにスッキリと目が覚めていない事にちょっとした驚きを覚える。  ……でも、真夜中に閉鎖空間が出現――すなわち彼女が悪夢を見る――のは確かに久々だ。 「やれやれ」とは彼の口癖だが、ちょっとくらい拝借しても問題はないだろう。  携帯を手元に引き寄せ、相手をろくに確かめず通話を始める。 『あ、もしもし。古泉くん?』  受話器から流れる声は想像もしていなかった人の物だった。 「はい、古泉です。どうしました、涼宮さん?」  そう、相手は紛れもなく涼宮さんだった。電話を耳に当てたまま時計を確認する。  ……午前二時。ええ、あなたが望むのなら望遠鏡を担いで踏み切りまで行きますよ?  それが僕の『仕事』ですから。でもちょっと非常識な時間ですよね。 『うん、ごめ...
  • 想い出は、雪とともに 最終章
    あたしが公園へと駆けつけたとき、キョンはいつものようにベンチに座り、あたし達の住む街を見下ろしているように見えた。 その姿を見て、あたしだけでなく、家族やクラスメート、キョンを知るみんなが心配しているというのに、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、この公園にきて有希との思い出に耽っているキョンにイラつきを覚えた。 「キョン!」 少し怒り気味に声を荒げて、背後からキョンに向かって叫ぶ。しかし、キョンはあたしの声に全く反応しない。 その光景を見て、あたしの胸にますます怒りの感情がこみ上げてきた。いまから思えば、このときのあたしの怒りには多分に有希への嫉妬の感情も含まれていたのかもしれない。 あたしは、ツカツカとキョンへと近づき、キョンの背後から正面に回りながら、あたしが高校生だった頃と同じぐらいの激しい口調でキョンを指差しながら再び声をかける。 「キョン!! あんた何やってるのよ!」...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第四話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第四話      朝。体が異常に重たい。  そして眠い。なんとか立ち上がってはみたものの、睡眠が足りないと私の脳と四肢が訴えている。一体この状況はどういう事か。  横になりたいという気持ちに負けて布団を敷いてそこに潜り込み、そして昨日の出来事をずっと反芻していたのは覚えている。  私が有機生命になったという事をすぐ実感した。  生物特有の体臭が私から立ちこめていた上に、髪の毛はあらゆる方向へと自由に波打ってしまっていた。  シャワーを浴びるという行為が必要だと判断し、実行する。人間とはなんと煩わしい行為を、それこそ沢山毎日繰り返さねばならないのだろう。  足がふらつく上に、体は摂食を極端に拒む。思考速度が極めて低い。これが人間なのだろうか。  鏡に映った己の顔が濃い桃色をしている上に歪んで見える。人間になると私はこんな姿になるとは思いも寄らなかった...
  • 規定事項の流れ星 第二章「本当はりんご飴」
    もくじ及び注意事項 「長門さんは恋をしたりはしないんですか?」   2人っきりの部室で朝比奈みくるが話しかけてくる。   「…そういう概念が無いわけではない。ただ…」 「ただ…?」 「…それは嬉しくて悲しいこと」 「…そうですよね」     ……朝ですか。   眠気がまだ残った目をこすり体を伸ばす。   …朝ご飯なに食べましょうかね。 お金もおろさなきゃいけないですし、コンビニにでも行きますか。   身支度をして外に出ると、刺すような大陽の光が痛かった。 …今日もいい天気ですね。   コンビニでお金をおろし、弁当に手を伸ばす。 カレー弁当が残り一つなのでそれにしようとしたら   「あ」   隣にいた人と手が重なった。   「すみません。どうぞお取りください…って」 「…」   長門さんがそこにいた。   「長門さんも朝食を?」 「…そう」 「そうでしたか。なら一緒に近くのファストフ...
  • 繋ぎとめる想い
    『A Jewel Snow』の後日談的話です。   時は12月の24日。世間がクリスマスイヴだと賑やかになり、 幸福に過ごす者、それに嫉妬する者、働くことに追われる者。 様々な人たちがいる。そして今、俺は珍しく昼から街に出ている。 つい1週間と少し前、晴れて恋人となった人と歩いているからだ。 俺と腕を組んで満面の笑顔を浮かべている美少女、涼宮ハルヒである。   「繋ぎとめる想い」   「ねぇ、キョン。次はどこ行こうか?」 満面の笑顔を浮かべながらハルヒが聞いてくる。 昼に会ってからこの調子でずっと連れまわされている。 「あ、ちょっと見てキョン!あれ面白そうじゃない?」 とハルヒが指差したのは置時計だ。中からサンタが出てくる仕掛けらしい。 随分と期間限定でしか使えない感じの時計だが、売れるのだろうか。 しかし、腕を組みながらあっちこっち歩き回るその様は目立つカップルである。 ついでに女の方...
  • Am I father ? 最終章-探索・川辺にて-
      家を出た俺たちはひとまずいつもSOS団で待ち合わせをしている駅前へと向かうことにする。 町を探索すると言うのならやはり始まりはそこに行くべきであるとなぜか思ってしまったのだ。悲しいかな、これも慣れてしまったと言うことなのだろうか。 駅前はやはり駅前なだけあっていくら暑いとは言えども、毎度のことながら多くの人通りがあった。全くこんな暑い日に何やってるんだか。ま、俺たちも人のことは言えないんだけどな。 いつもならここで喫茶店に入って一息つくところなのだが、さっき朝ごはんを食べたばかりだし、喫茶店でのんびりなどしちまったら最後までだらけてしまうような気がするので今日はパスをさせてもらうことにする。これでこの喫茶店は今週の収入が減ったに違いない。そして俺の財布の重さの下り坂にブレーキが多少かかったのも事実である。 「これからどうする?お前らどこか行きたい所でもあるか?」 このままここに立ってい...
  • 雨がすべてを
    ※この作品はそれぞれの愛のかたちの続編に当たる作品です。 北高を卒業してから二度目の夏を迎えたその日、あたしは集合場所の光陽園駅前の公園へと急いでいた。 今日は、あたし達が卒業してから、初めてのSOS団の再活動の日である。本当であれば大学一年の夏か冬に帰って来る予定だったのだが、あたしの思うところがあって、帰って来れなかった。 大学生活も一年と四ヶ月が過ぎ、大学生活にもなれてきたため、みんなの近況が知りたくなって今回のSOS団の再会を思いついたのだ。 副団長の古泉くんに連絡をとると「わかりました、みんなとの連絡や手はずのほうは僕のほうでやっておきます」との返答が帰ってきて、あたしが帰ってくるときには、準備はすべて整っているとの連絡があった。 さすがに古泉くんは頼りになるわね。副団長に選任したあたしの目にくるいは無かったわ。 あたしが集合場所に着いた時、有希とみくるちゃ...
  • 涼宮ハルヒの共学 エピローグ
    SOS団に平和な空気が広がり 長門と古泉は膝を突き合わせてヒソヒソ話し合っている 今日はハルヒも来ないし つまらないので帰ろうかなと思っていた するとドアに小さなノックがあった 長門も古泉も立ち上がろうとしないので、仕方なく俺が立ってドアを開けた そこには俺の精神安定剤的頭痛不安イライラ解消お人形さんが立っていた 「あの…あのぅ…わわわわたし…」 どうしたんですか朝比奈さん? ご無事で何よりです とても大活躍だったそうで、まあいろいろありました こんな所に立ってないで、さあ中にどうぞ 「あのっ、わたし、ここに入ってもいいんでしょうか?」 朝比奈さん? どうしたんですか? 朝比奈さんはカバンを胸に抱え、内股に閉じたかわいい膝小僧をカクカクさせている この姿はまさに、最初にハルヒに拉致されてきた時と同じだ 「何か全然覚えてな...
  • この想い伝えたくて
    このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「この想い伝えたくて~ココロノ花ビラ~」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は無理して読まないでいいです   「思ったんだけど、涼宮さんてキョン君のこと好きなんじゃないかと思うんだけど」 「「…はっ?」」 いつもの日常の何気ない休み時間。唐突な坂中の発言に、俺とハルヒの声がはもる。 「そっそんなわk」 「いきなりなにを言い出すんだ坂中、そんなわけないだろ」 何か言おうとしたハルヒの声を遮りつつ、坂中の発言を否定する。 「実際に涼宮さんに聞いてみたらいいのね」 まぁ、論より証拠ってことか。 「ハルヒ、どうなんだ?」 「えっ?あっ…」 なぜそこで言葉につまる。だいたい坂中、なにをそんなにニヤニヤしてるんだ。 「どうなんだよ」 「っ…すっ好きなわけないじゃない!」 「あんたなんか、だいっきらいよ!」  ...
  • 違う!恐くない!
    (この作品には、あるホラー映画のネタばれ要素が含まれます) 「珍しいですね。今日は長門さんだけですか」 いつも通り文芸部室に来てみると、部室には長門さんしかいませんでした。 「涼宮ハルヒは罰ゲームと称して彼と駅前のファミリーレストランに行った。朝比奈みくるは今年の受験に備えた進路指導を受けている」 「デートに進路指導ですか。それは残念ですね。今日はお土産があったのですが………」 僕はその「お土産」を机の上に出しました。 「……何?」 長門さんは読書をやめ、興味深げに身を乗り出して、それを覗き込んできました 「映画のDVDです。みんなで楽しめれば良いかと思い、自宅から持ってきました」 その映画のタイトルは「サイレントヒル」 同名のゲームを映画化したホラー映画です。えぇ、実は僕はホラー物が大好きなんです。力の限り叫ぶとすっきりしますからね。 「……そう」 とだけ...
  • 想い出は、雪とともに 第一章
    俺はいま小高い丘の上にある公園のベンチに腰掛けて、眼下にある街を見下ろしている。公園とはいっても遊具はひとつもなく、ベンチと自動販売機、そして一本の大きな桜の木があるだけの寂れた場所だ。 だが、ここは俺にとって思い出深く、大切な場所。俺が最愛の人と一年間を過ごし、そして最後に別れた場所。 いまでも、俺はこうやって待ち続けている。彼女がいつか俺のもとに帰ってくることを。もう二度と戻ってくることはないことを知っていながら。 彼女との別れは避けられない運命のようなものだったのだろうか。それとも、あのとき何か俺にもできることがあったのだろうか。 聞いて欲しい。俺の高校時代の最愛の人との一幕を、そしてその結末を。あれは、朝比奈さんが北高を卒業し、俺が高校三年生になったころのことだった。         俺は北高に入学し、涼宮ハルヒに出会った。そして、涼宮ハルヒの監視役としてそれぞれの勢力から派遣さ...
  • 絡まった糸、繋がっている想い
    絡まった糸、繋がっている想い   第一章 第二章 第三章
  • ハルヒの想い
    『ハルヒの想い』 放課後 いつも通りSOS団部員は部室へ向かった ハルヒ「よし!みんな集まったわね!会議を始めるわ」 当然この日が会議の日など決まっていない ハルヒ「いい?明日は休日なんだから町に行くわよ!」 キョン「なにしに行くんだ?」 予想はついてるが聞いてみる ハルヒ「決まってんでしょうが、明日は思いっきり遊ぶのよ」 え・・・ 宇宙人や未来人探索ではないのか? キョン「宇宙人や・・・」 ここで口を止めた 余計なこと言わない方がいいな。 古泉は俺を見ている。 いつみても憎いほど笑ってやがる 朝比奈さんは少し残念そうな顔をしていた 未来から来たから起きる事はわかってるのか? 長門は読書。 ハルヒ「・・・・とにかく明日は絶対遅刻しないように 特にキョンっ!あんたはいつも遅刻するんだから気をつけなさいよ」 …時間は遅れてないんだがな ハルヒの解散と言う声と共に俺た...
  • 微睡の試練
    もくじ     中学生の時、私は独りだった 高校生になって暫く経った今、私は一人になった 戻らなきゃいけない いつもの日常に 古泉くんが頷いて みくるちゃんが驚いて 有希が静かにこっちを見て キョンが大げさにため息を吐いて 何の変哲もない SOS団の1ページ だから私は叫んだ 「こんな世界なんか――――」       春眠暁を覚えようが覚えまいが眠いものは眠い。 あー頭がボーっとする やかましく鳴り響く目覚ましを止めて、私は目を擦った。 今日は…あれ?月曜日? 日曜日じゃなかっけ? 時計の針は平日にいつも起きる時間を指している。 …まだ寝ぼけてるのかしら このままだと遅刻してしまう。 私は急いで身支度を整え、腰の当たりまで伸びる髪を黄色いリボンでポニーテールにした。 家を出てしばらく歩くと、5組の朝倉さんと会った。 確かクラスに馴染もうとしなかった私に気遣...
  • 長門の日々 第7話『淡い想い』
    第7話『淡い想い』   ……ユサユサと、俺の体が揺さぶられる。 昨日は早く寝たとはいえ、疲れていたのでまだ眠い。 そんな俺の気持ちを察さずに、誰かが俺の体を揺さぶり続ける。   ん?…休みの日ぐらい……もうちょっとだけ……。 「……きて……起きて……」 ん?長門か……? 「……有希」 そうか……じゃあもう少し、寝かせてくれ……。 「起きないのなら……こうする」   ん?なんかズボンがもぞもぞ、と…… ってやめろ!有希!   とっさに左手で右手を掴む。 「……だめ?」 何がしたいのかはよく分からんが、駄目だ。 「……けち」 俺はけち、と言われるような行動はしていないがな。 「……起きた」 ……それが狙いだったのか? 「そう」   なんか後付けみたいな気がしないでもないが、 そんな細かいことを気にしないのが俺の特徴だ。許す。 とりあえず、起こしてくれたことには感謝しておこう。   起こしてくれ...
  • 長門の日々 第7.5話『淡い想い』
    第7.5話『淡い想い』   今日、あたしは掃除当番だから、部室に行くのが遅れる。 それをキョンに伝えると、キョンはいつもの仏頂面で返事をする。 キョンは有希の方ばっかり見てる気がする。 なんで有希ばっかり。 あたしは無意識に、キョンにいつも言っているようなセリフを吐く。 すると、キョンは嫌そうな顔をして、「しねぇよ」と言ってきた。 有希も何か言っている。いつも思うんだけど、聞き取りにくいのよね。   キョンが教室から出て行く。有希も後を追っていく。 あぁもう、早くこの忌々しい掃除を終わらせて部室に行かなきゃ!   あたしはパパッと掃除を済ませた。 さてと、我がSOS団の部室に行かなきゃね! みんなはあたしがいないとものすごく寂しいみたいだから!   部室の前まで来た。 誰かが叫んでるみたいね。誰? まぁ、いいわ。とりあえず入ってみれば分かることよ。   「うきゃっ!」 やっほー!遅れちゃっ...
  • 『長門有希の遅刻』
    梅雨も明け、湿度の暑さから解放され、普通の猛暑に苛まれようとする現在。 今日も懲りずに俺は元・文芸部室、現・SOS団部室で古泉とお茶を啜りながらカードゲームをする。 現在、部室には俺、古泉、朝比奈さんが居る。 …珍しく長門が居ない。   「やっほー!ごめんごめん、遅れちゃった!全員――有希は?」 いつもの如く、スーパーハイテンションでドアをぶち破るかの様に登場するハルヒ。 長門が居ないコトにはすぐ気付いたようだ。 「長門さんなら……」 古泉が、カードを1枚山札から取りハルヒに会釈をし口を開けた。 「職員室ですよ。」 クスッと軽く笑いながら答えた。   「あらそう。珍しいわね。」 俺も思ったな。というか、古泉。俺達にも言わないか?普通。 何で知ってるんだ? 「今日は、日直でしてね。日誌を返しに言った時にすれ違いまして。   理由は聞いてませんが、長くなる、とのコトで。」 古泉は、弱々しい怪物...
  • 夢見ぬ蛙は終末に鳴く3
      「ねえ、古泉くん。もしかして、有希と付き合ってるの?」 授業終了後、まもなくの部室。 僕が部室を訪れての涼宮さんの第一声が好奇心に満ち満ちたそれだったのには、「彼」は「なんと露骨に…」と呆れたような顔をし、朝比奈さんは顔をうっすら赤らめて俯いている。 団員のプライベートに一々首を突っ込むような真似はしない、というのが涼宮さんの最低限の礼儀を踏まえた信条であったはずで、その彼女がこうも直接的に僕に事を問うというのは、疑問の形を呈しつつも殆ど確信の域にあるとみていいだろう。 長門さんは我関せずといったように読書を続けている。 涼宮さんが長門さんを問い詰め、納得いく回答が得られずに、矛先が此方を向いたといったところだろうか。 元々隠していたのは機関の命令から様子見をしていただけであり、一寸の露見もならない極秘情報というわけでもない。下手に繕うことはしない方がいいだろうと判断し...
  • 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(前編)
    SIDE 古泉   僕は今、生徒会室の前に立っています。 今の時間は、生徒会長しかいないはずです。 もちろんその時間を狙って来ています。 他の生徒会メンバー……特に喜緑さんに聞かれてはまずいですからね。 コンコン   「どうぞ。」   ドアを開けると、そこにはしかめっ面の会長が一人で席に座っていました。 我々の計画の、ターゲットである存在です。   古泉「すいません。わざわざ人払いをして頂いて。」 会長「まったくだ。君達のようないかがわしい集団のために、わざわざこうして時間を割いてやっている。    私も自分の心の広さに驚いているよ。」 何を言っているのやら…… 元々はあくまで設定の上だけの敵であり、本来は私達の味方であるはず。 それなのに役に没頭しすぎて元々の立場を忘れ、本当に敵対心を持ってしまっている。 非常に愚かであると言わざるを得ません。 もっとも、ここでその感情を表に出してしま...
  • 小指ハードヒット症候群
    (部室)   ガチャ   キョン「あれ、ハルヒ、お前しかいないのか」   ハルヒ「そうよ、みんな用事があるんですって」   キョン「ふーん」   ハルヒ「ふーん、で済む問題じゃないのよ?」   キョン「どうした? えらく不機嫌だな」   ハルヒ「当り前じゃない! SOS団の活動は何よりも最優先すべきものなのよ!」   キョン「それは個人個人の事情があるんだから仕方ないんじゃないのか?」   ハルヒ「仕方なく無いわよ、大体アンタはこのSOS団のt」ゴリッ   ハルヒ「ぁ、ぅ」バタ   キョン「お、おい大丈夫か」   ハルヒ「いだい……」       ハルヒ「うー……」ウルウル   キョン「大丈b」   ハルヒ「んなわけないでしょ! 無茶苦茶痛いわよ!」ポロポロ   キョン「小指を思い切り打ったな……痛そうな音もしたもんな」   ハルヒ「アンタの想像以上の痛さよ……」   キョン「とり...
  • 無限の輪舞(ロンド)Ⅰ
    (アンリミテッドブレイドワークスの一つです)       ―――、紅い荒野に人影三つ――― 「ぐっ―――!」 ―――、一人が人で二人が情報――― 「「防戦一方だね、お兄さん♪」」 ―――、一人の腕には双剣が――― 「っは、はぁはぁ…っだあ!」 ―――、二人はそれぞれ片手に太刀を――― 「「あはははは!息も絶え絶えじゃないか!」」 ―――、そして終焉は来たる―――     「「やあっ!」」 目の前から双子(という設定で今まで過ごしていた待機モードの)急進派兄弟は同時に振り下ろす形で白銀の刃を俺に振るった。 「っぐ!」 それを、愛双刀干将莫耶を顔の前で交差させて防ぐ。 カキーーーン! 「「もう終わりだよ、お兄さん。最初から二対一なんかで勝てるわけ無かったんだよ」」 まだ年端もいかないように見える容姿、しかし剣戟はとても重い。 「ったく、言うじゃないか…。うちの妹もこれくらい饒舌なら兄として文句...
  • 幻惑小説 第三頁
      ◇◇◇◇◇    小説内での十二月二日が休みだったから、わたしはなんとなく予測出来ていた。午前七時五十五分、涼宮ハルヒからの連絡。  やはり今日の不思議探索は中止になった。理由はメンバーのみんなが疲労しているから。でもこれで、今日一日は読書に集中出来る。   ********************************************************************************************************************************    彼女は今日、彼を駅前に誘った。他の誰にも内緒で。  理由は何でも良かった。この行動は彼女がただ、彼と二人っきりで会いたいと思ってしたこと。   ***************************************************************...
  • 今夜はブギー・バック 笹mix
    鈴の音、響き渡る。 靴音。 近づいてくる。 この店は貸切。 ウェイタすらいない店で一人佇んでいた僕は侵入者に声を掛ける。 「お一人様かな?」 「知らん。後から誰か来るのかも知っているのは俺じゃない。お前だ」 僕は微笑む。君も苦笑い。 「注文は?」 「何が有るんだよ」 「何でも有るさ」 まるで手品の様に。 「望むなら、何だって。君の手に入るだろう?」 「そっか。そうだな。そんなつまらない生き方はお断りだが」 「相変わらず欲の無い人だね」 「俺が欲なんざ持ってたら、きっとお前は今でもあの制服を着てるかも知れんぜ」 「君も、ね」 とりあえず、と僕はグラスを差し出す。氷が揺れる。硬質の音を立てる。 「ロックでよかったかい?」 「尋ねるまでも無いよな。望むものが出て来るだろ?」 「それが、この店の売りだからね」 二つのグラスを打ち鳴らす。 「お帰り、キョン」 「遅いんだよ、連絡が」 君は微笑む。僕も...
  • 涼宮ハルヒの通夜編
    俺が北高で過ごした七転八倒の高校生活から9年が過ぎた。 我が青春のすべてを惜しみなく奪っていったあのSOS団も自然解散とあいなり、宇宙人・未来人・超能力者と連中にまつわる 頭の痛くなる事件の数々から晴れて解放された俺はあの頃希求してやまなかった健康で文化的な最低限度の生活ってやつを取り戻していたわけだ。 「つまらねぇ」 おいおい俺は何を考えている。 赤点ぎりぎりの成績にお似合いの大学へ進学し、大きくも小さくもない身の丈に合った企業に就職し…… 特別なことなんて何もない、まともな人間にふさわしい普通の生活だ。これ以上何を望むってんだ? 「まるで靄のかかったような……実感の湧かない生っ…!」 馬鹿馬鹿しい。 この俺が『特別な世界』でどんなに無力で場違いな存在かはあの頃散々思い知らされたじゃないか。 明日も早いんだ。こんなとりとめもないことを考えるくらいならさっさと寝ちまおう。 俺は自分に言い聞...
  • 夢見ぬ蛙は終末に鳴く5
    穏やかな終業のチャイム。 終礼後、何らかの部に所属しているのだろう生徒達は、鞄を引っ掴んで、我先にと教室を後にしていく。居残り組は班別の掃除当番にあたった週の担当者で、運悪く僕の班は今週に割り振られていた。 さすがにサボるという選択肢は取れそうにもない。僕は仮にも成績優良児としての信用を、「古泉一樹像」のために維持しているのだから。心は急いていたが、多少の遅刻で彼らが居なくなってしまうわけではないのだからと、己を納得させた。 今日は、彼と涼宮さんの両人から、「お付き合い」に関しての報告が予定されている。その後、長門さんを含め朝比奈さんや「彼」と話す機会を求めるには、涼宮さんの下校時刻まで待たねばならないだろう。 未来と連絡すら取れなくなっているという朝比奈さんの件もあることだし、悠長にしている暇はなかった。最低機関を巻き込むことになってでも、長門さんから事の詳細を聞き出さなければな...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第三章
    *7*   もう半分の理由…? ハルヒは語りだした。おれたちの知らない2ヶ月を…   「…あたしはみんなが怖かったの」 「怖かった?」 「そう…もっといえばみんなに嫌われていることをしるのが怖かった…」 ハルヒは顔を少しだけ上げて続けた。   「自分が傷つくのがいやだった。あたしって弱いわね…」 鼻で笑いながらいう。 「あたしこと嫌いなんでしょ?いつもやりたい放題やってみんな振り回して…本当のことをいえばそうなんでしょ?」 おれはひとつ言いたいことができたが我慢した。最後までハルヒの話を聞くことにしよう。 「有希もみくるちゃんも古泉くんも…あたしのこと嫌いに決まってる…」 「有希だって急に来たあたしに無理やり部室奪われていろんなもの置いて…休日まで呼び出して連れまわして… みくるちゃんもそう… 着たくもない服無理やり着せて、勝手にお茶くみさせて…ほんとは嫌なはずなのに… 古泉くんなんて、学...
  • 繋がる絆、絶ちがたい想い
    家族の絆の続きです。 高校とは違うベクトルに慌ただしかった大学を無事卒業してから四年あまりの月日が経った現在おれたち家族は騒がしくも楽しく平穏な日々を過ごしていた。 それなりに色々あったわけだが、高校卒業から一年して生まれたハルカとハルキのヨチヨチ歩きの可愛さに打ちのめされていたおれが、うっかり やっぱり子供はたくさんいたほうが賑やかでいいな なんて口にしてしまったからかはわからんが次に生まれた子供もまたしても男女の双子だったりとか、普通の会社勤めを望んでいたおれに対し、ハルヒの 普通の会社勤めなんてつまらない なんて一言で会社を立ち上げるハメになり、ハルヒや有希の人知を越えた万能さを見込んだ鶴屋さんの資金面や仕事の斡旋などの全面支援でうまく立ち上がり、その後鶴屋家の全面支援という信用からか仕事が途絶えることもなく、この歳では破格の収入を得るまでになっていた。 まぁ、トントン拍子にう...
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