涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「まぞ☆もり ある日のお話」で検索した結果

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  • エッチな短編置場
    ...がっさいただきます まぞ☆もり まぞ☆もりまぞ☆もり ある日のお話 一日団長権
  • 長編・古泉一樹
    古泉一樹無題1 ウィザード オブ サムデイ ウィザード オブ レニーデイ 古泉一樹 EP.0 古泉一樹 EP.0.5 墓地にて 晴れのち快晴 ある日の出来事 古泉一樹の結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の...
  • 規定事項の流れ星
    もくじ 「えっと、このお話にはあるアーティストさんの歌詞の表現を借りたものが一章ごとにひとつ入っているっさ」 「うーん…気にならない程度に入れたつもりですが、嫌な人はスルーして下さい」 「まぁ何のアーティストさんかは物語の最後に記載するかもしれないにょろ。それと、この話はハルにゃんとキョン君の話じゃないのだよ」 「詳しくは禁則事項とういうかネタバレになってしまうので……」 「まぁ原作ファンの方は注意して欲しいっさ!ところでみくる!私の出番は!?」 「…禁則事項です☆」 「にょろーん…」 プロローグ 「始まりのお話」 第一章 「気付かない気付けない」 第二章 「本当はりんご飴」 第三章 「喜劇役者でいよう」 第四章 「気まぐれな切り札」 第五章 「忘れないで欲しい」 最終章 「約束」 エピローグ 「お話の始まり」 番外章 「誰も知らない2日間」
  • 悪くない人生
    無事、大学受験も乗り切り、高校生活も残り一週間をきったある日のこと、いまだ律儀にも部室に足を運んでいた。 なんの因果かハルヒに長門に古泉、それにおれも、去年朝比奈さんが進んだした大学に進学が決まっているためか 高校の卒業に対してそれほどの感慨もなく、ハルヒはネットサーフィン、長門は読書、俺と古泉はボードゲーム そして卒業してからもちょくちょく部室に姿を現す朝比奈さんが給仕と、卒業間近とは思えないようにいつも通りの光景のなか、 ハルヒが発した言葉が事の起こりだった。 ハ「ねえ、キョン、この三年間楽しかった?」 キ「なんだ、突然、まあ退屈だけはしなかったな。」 ハ「あんた、高校生活の最後にもっとほかに言いようはないの?」 キ「そういうおまえはどうなんだ?」 ハ「あたしは楽しかったわよ。相変わらず素直じゃないわね。楽しかったならそう言えばいいのに。」 キ「いつもそこそこ素直なつもりだ...
  • 花言葉シリーズ?
       本スレの保守目的で書いているシリーズなので、不定期。  ちなみに、本スレへのUP日の誕生花で書いてますが、本によって誕生花は違うのでご注意を。     ・ 6月6日  ジギタリス     ・ 6月6日 ペンステモン      ・ 6月7日 ストケシア&ホワイトレースフラワー       ・ 6月8日 サンダーソニア     ・ 6月15日 野薔薇(ノバラ)       ----------------------------------------------       ・ 6月6日 ジギタリス    「恋なんて精神病の一種なのよ。」  誰の言葉だったけ・・・まったく無責任よね。  最近では精神病にもいろいろと薬ができてるっていうのに、「恋」への薬なんて誰も開発しようとしてない。  あたしは、自分が恋なんてしないと思ってた。  それなのに・・・気づくといつもあいつのことを考えてたり...
  • エッチな短編14
    鶴「長門にゃん長門にゃん」 長「何?」 鶴「キョンくんのことをどう思ってるにょろ?」 長「家畜」 鶴「ひっ・・」 長「毎朝ご主人様と呼ばせて我が聖水を浴びせている」 鶴「め・・・めがっさハードだねっ!!」 長「そして寝起きに1発 学校で1発 自宅で1発」 鶴「せ・・・性交・・・かな?」 長「キョンは1日3発が限界」 鶴「・・・」 長「家へ帰ると首輪着用を義務化している 忘れると夕食はうな重」 鶴「こ・・・こってりだね・・・」 長「そして翌日+5発加算」 鶴「そろそろ・・・キョンくん許してあげたら?」 長「そうする 新しいペット見つけたから しかも2匹」 鶴「それって・・・もしかして・・・」 長「鶴屋と朝比奈」 俺の計画はうまくいった。 古泉は女体化し、今までやられてた分をきっちりやり返すチャンスが来た。 「さて・・・覚悟はいいか、古泉」 俺の視線の先には、可愛い女の子が居た。 ど...
  • かわいい一日お茶だし係
    ある日の放課後のSOS団もとい文芸部室― すやすやと眠るキョン するとキョンをつっつき起こそうとする長門 「…起きて」 クークー… キョンに起きる気配はない。 「…起きないとキスする」 彼女は彼の耳元にそっと囁く。 ガバッ! チュッ♪ 「~~~?!な~が~と~!!お前!俺ちゃんと起きただろ?なんでするんだよ!」 俺は顔を真っ赤にして叫ぶ。 「…したかったから」 そんなあっさりと言うな! けど俺だけが分かる程度に頬が少し赤いぞ。 「~~!長門…ホント頼むからさぁ、その癖は治してくれよ…」 長門は二人きりの時は何故か俺に事あるごとにキスを迫ってくるのだ。 長門ってキス魔だったんだなぁと今では半ば諦めの境地に入ってしまっている。 いつからこんな事になっていたかは思い出せないが、たぶん以前の自分がこの長門と会っていたら間違いなくまた世界が改変されてしまったのかと必死に栞を探し回っていることだろう...
  • 涼宮ハルヒの切望―side H―
    涼宮ハルヒの切望―side H―   どうも『涼宮ハルヒの異界』の作者です。 こちらのTOP絵でランダム表示される中の一つ、とあるシリーズの妹達コスプレ長門を描いたのも私です。 さて、今回は前回の『涼宮ハルヒの異界』の続編でございます。 ハルヒサイドとキョンサイド分けして、マルチサイドっぽく仕立てたつもりですが、あんまりうまく行っていませんので生暖かい目で見守ってください。 本当は、どちらのお話も読まないと、ハッピーエンディングに辿り着けない、という風に細工したかったんですけど、知識がなくて断念しました。 なので、どちらか一方を読み進めていっても大丈夫ですけど、たぶん片方だけだと話が見えなくなるんじゃないかなと。 注意事項は今回も前回と同じです。 一応、まだ続編がありますので。     こちらはハルヒサイドです。 では、どうぞ。     涼宮ハルヒの切望Ⅰ―side H― 涼宮ハルヒの切望...
  • ホースで保ー守(橘キョン)
    朝、俺は目を覚ますと隣に寝ている京子の姿を確認し短い口付けを交わしベッドから降りた。 連日の仕事疲れから久しぶりの休日である今日はまだ寝ていようとも思った。 でも、朝の日差しを浴びるのも健康的だろ? そう思い立った俺は早速庭へ出てみることにした。 京子にはもう暫くばかり休んでいてもらおう。 「ああ、くそっ」 めちゃめちゃ気持ち良いじゃねえか。この気持ち良さは癖になるぜ。今は夏であり少々暑いがな。 庭を眺めてみる。すると京子の家庭菜園が目に入った 「たまには俺が水やりでもしてやるか…」 なんて誰にも聞こえない一人言をもらしてみるが正直虚しい。 ホースを手に取り蛇口を捻ろうかとしたその時に階段をドタドタと降りてくる音が聞こえたのでその相手を出迎えることにした。 「んんっ……!もうっ!どうしてわたしより先に起きるのですか!あなたの寝顔を見るのが密かな楽しみなんです!」 「すまんな。今朝は俺が京...
  • 鶴の舞 第六幕
    今俺は、鶴屋さんと夜の庭を散歩している。 心地よい風と、春を感じさせる木の葉の茂みが心を透き通らせる。 俺の手には、鶴屋さんの滑らかな手が握られている。 鶴屋さんは俺の腕をぶんぶん振り回しては、夜の散歩を楽しんでいるようだ。 痛い腕なんぞ、鶴屋さんのパワーが大きすぎてまるで塵のようだ。まったく気にしない。 いや、いちいち気にする必要も無いと言ったほうが明確であろう。 俺もこの雰囲気が気に入っているからだ。 遡る事30分前。 温泉からあがって一息ついた頃、鶴屋さんから 「庭に・・・出ようかっ」 夜の散歩に誘われた。当然断る理由もなく、 (鶴屋家の庭というのもどうなのか気になるなという興味心もあるが)、 そのお誘いを承諾した。まあ、鶴屋さんの願いを断れるやつなんて見たことないがな。 こうして今俺たちは、夜の庭を散歩しているわけだ。 手を繋いでいるのは何故かって? では逆に聞くが、もしお前...
  • 普通短編41
    雫が落ちる音がする。 どうやら、雨が降っているらしい。 そういや、あの日も雨だったな。ハルヒ。 ゴロゴロ そう、こんなふうに雷も鳴っていた。 あの時の俺はどんな顔をしていたんだろうな? 暗闇の中、稲妻によって照らされた俺の顔は・・・ ゴロゴロ この場所は暗いんだ。ハルヒのあの笑顔みたいに明るくはないんだよ。 さっきから、稲妻の光しか明かりがねー。 こんなに雷がこえーって思ったことなんてねーよ。 ハルヒ。俺はあと何年、この狭い暗闇で一人で暮さなきゃならないんだろうな? なあ、俺が悪いのか? お前のためとかいうのはいいわけにしかならないのか? 俺は、朝倉みたいに、ナイフで人を・・・ やっちまった 『涼宮ハルヒの亡失』 これ以上ネタが思いつかないため製作中止   古泉「俺のこの手が真っ赤に燃える、勝利をつかめと轟き叫ぶ!!」            「ふもっふ!!」   ...
  • ピロートーク~未希編
    その1 未「ねぇママ、未希はパパのことが大好きなの!」 ハ「そうねぇパパもきっと未希のことが大好きよ」 未「うん……だから未希はねぇ、大きくなったらパパと結婚するの!」 ハ「……それは……パパはもうママと結婚してるから未希とは結婚できないわよ、未希は他にもっとカッコイイ男の子を見つけなさいね、未希はママに似て美人だから直ぐに素敵な男の子が見つかるわよ」 未「むー……ママずるーい」 ハ「ワガママいわないの未希、こういうことは早い者勝ちよ。第一ママとパパが結婚しないと未希は生まれてこなかったのよ」 未「むー……」 ハ「ムクれないの未希、……そうねぇいい事を教えてあげるわ」 未「なぁにママ」 ハ「未希が大きくなって好きな男の子が出来たら……ちゃんと…ちゃんと『大好きっ!』って自分の気持ちを素直に打ち明けるのよ、でないと人生損するわよ」 未「損するって?」 ハ「変な見栄とか意地とかそういったもの...
  • キョンの病欠
     季節が秋から冬に変わろうとしている、とある日曜日。俺は結構なピンチに陥っていた。 「…あぁ、今日の探索は無理だ…ハルヒには上手く伝えといてくれ、じゃあ…」  携帯電話を切ると、わきの下の体温計が検温終了の電子音を鳴らした。 ピピピ  さて今の体温は……。  ……大丈夫、人間が死ぬと言われている温度まで、あと2℃もある。  その他の症状は頭痛、関節痛、鼻づまり…。  要するに俺は風邪をひいてしまっている。しかも検温結果を見るに結構酷いらしい。更に家には明日まで誰もいない。  もう一度言う、結構ピンチだ。  ……若いんだからきっと寝てたら治るだろ、と現実逃避をしながら俺は布団に潜り込んだ。   「……おわっ!?」  意識が覚醒しかけてる所に誰かのプレッシャーを感じて目を開けると、そこには無表情少女の顔のドアップがあった。 「な、長門?あ、朝比奈さんも…」 「すいません、インターホン鳴らしても...
  • 世界の終わりに
    みくる「キョン君、私こういうの苦手で」 キョン「ゲームだから適当に遊んどけばいいんですよ」 ハルヒ「適当なんてとんでもないわ敗北主義者は角刈りの刑よ」 古泉「ゲームが始まりますよ」 キョン「ハルヒの元気を少し分けてほしいよ」 ハルヒ「ジー…」 キョン「何やってんの?」 ハルヒ「パワーを送ってんのよ、この勝負に勝つためにね」 キョン・ハルヒ「…」 キョン「Chu」 ハルヒ「!?」 その瞬間、ハルヒの激烈な平手打ちが、俺の左頬にクリーンヒットした。 正直、意識が飛ぶかと思ったねあれは。 ハルヒ「ちょっと!あんたいきなり何すんのよ!?」 キョン「いきなりおかしなことしてきたのはお前のほうだろ?それに今のは体勢が崩れたからなっただけだ。不可抗力だよ」 言うまでもなく嘘っぱちである。正直俺は、自分のとった行動に驚いていた。以前閉鎖空間で経験したせいなのかもしれない…俺は何も考えずハルヒにキ...
  • 驚愕後の断章
    *涼宮ハルヒの驚愕に関する独自の解釈を含みます。     驚愕後の断章   北高文芸部室。  長門有希は、いつもどおり、本を読んでいた。  今日は団活はなく、ここには誰も来ないはずだった。  しかし、それは、突如として姿を現した。光陽園学園の制服に身を包んだ天蓋領域製のインターフェース、パーソナルネーム周防九曜。  あのときは、渡橋ヤスミを名乗る涼宮ハルヒのインターフェースが「病み上がりの長門先輩は休んでいてください」といって、事態が収束するまで閉鎖空間内に入れてくれなかったが、もし入れていれば彼女との戦闘に至っていた可能性は高い。  でも、少なくても今のこの場所においては、彼女は敵性ではない。  SOS団構成員に危害を及ぼすなら戦闘も辞さないつもりではあるが、そうでないならコミュニケーション任務が優先されるべきであった。  天蓋領域と情報統合思念体との間の高度コミュニケーションの中...
  • 古泉一樹の災難
    「なぁ古泉」 「はい、なんでしょうか?」 「放課後に4階の空き教室きてくんないかな?」 ある日僕に2、3人のクラスメートが話しかけてきた。 放課後、4階の空き教室にこい、それだけ言うと彼らは去っていった。 普段から不祥事ばかり起こしている問題児に呼び出されたため、僕は無視もできないまま放課後に彼らに呼ばれて空き教室にきた。 もちろんキョンくんに「涼宮さんに部活を休むかもしれないと伝えておいてください」と頼んでおいた。 空き教室の扉の前で僕は少しだけ迷った。本当にきても大丈夫だったのだろうか。 機関で肉弾戦のときの場合にそなえて訓練をしてはいるけれども、僕の存在はあまり表にでてほしくないのでなるべく穏便にすませたかった。 面倒なことにならないといいんだけど、と思いつつ教室のドアを開けた。 彼らが窓際あたりで座っているのが見えたと同時に、僕のお腹に鈍痛が走った。 「ぐっ…!!」 ひざをつ...
  • 番外章「誰も知らない2日間」
    目次 やぁ。 自己満と言う名の作品補足用SSへようこそ。 とりあえずこのSSを読もうという気があるなら上の目次から戻って本編を先に見ることを強くオススメする。 まぁこのアップルジュースはハルヒが俺に買わせたものなので気にせずに飲んで落ち着いてほしい。 「…ちょっとキョン」 「冗談だ」 とりあえず病人は大人しく寝てろ。 「わかったわよ…」 と、渋々ベッドに横たわるハルヒ。 …まぁここまでの文章では何が何だかわからないだろうからこうなったまでの経緯でも話そうか。 時は遡って8月28日の解散直後。 …まぁついさっきのことなんだが。 詳しい流れは本編の第四章を読んでもらえるとありがたい。 「…なぁハルヒ?」 「ん?どーしたの?」 いや…そんなに笑顔で訪ねられても困るんだが… 「いつまでついてくるつもりなんだ?お前の家は反対側だろう?」 「いや...
  • ハルヒがニート略してハルヒニートその1
      キョン「ただいま」    西暦20XX年、俺は高校を卒業してそこそこのレベルの大学に受かり、卒業してから就職、現在は毎日定時に会社に行って働く毎日だ。  まあ普通社会人ってのはすべからくそうしてこの日本経済の歯車的活動の一環を担って生きていくものだが、ここにその例から外れた存在がいた。   ハルヒ「おかえり、今日の晩御飯なに?」    普通、家にずっといて、しかも働いて帰ってきた奴に対して言う台詞じゃあない。「おかえりなさい。ご飯にする? お風呂にする?」というのが相場だろう。  だがこいつがいまだかつて俺の帰宅を暖かい風呂や飯をこしらえて待っていたことなど一度としてない。   ハルヒ「あ、レベル上がった!」    おそらく今日もまた一日中ずっと座りっぱなしだったと思われるパソコンデスクに腰を下ろしたままハルヒが言った。  画面に映し出されているのはオンラインのRPGゲー...
  • あま~い短編8
    「おっす、今日は寒いな」 「……」 「待ってた?」 「わりと」 「そっか、ごめんな」 「別に」 「適当にそこらのファミレス行くか」 「わかった」 ───カラカラカラ 「ふぅ、二名で」 「かしこまりました、こちらの席で」 「有希、こっちだ」 「……」テトテトテト 「何か喰いたい?俺がおごるぞ」 「コレ」 「ジャンボサイズか」 「そう」 「んじゃ俺は……コレだな」 「お客様、ご注文はお決まりですか」 「コレと、コレ」 「ご注文承りました、しばらくお待ちくださいませ」   「今日は雲が濃くて余計寒いな」 「……」コクッ 「有希」 「なに?」 「これ、お前に」 「……これ」 「お前に似合うと思ってさ」 「……」 「雪の結晶のブローチ、気に入って、くれたか?」 「わりと」 「そっか、メリークリスマス」 「ありがとう」 「あ、有希、外見ろよ」 「ぁ」   肌刺す寒さと温かココア 窓の外を除き見る ...
  • しあわせⅡ
     さて、次の日である。  いつものように早朝ハイキングを済ませ登校した俺であったが、妙に気分が優れなかった。  授業中も授業に集中できず(これはいつものことでもあるのだが)、後ろの席から繰り出されるシャーペン攻撃にも一切反応を示すことは無かった。  ……訂正する。気分が優れないのではない。ある一つの事柄に気をとられっぱなしだっただけだった。  そいつはいつもの休息の時間である弁当の時間にまで俺の脳内を支配し続けていた。  「キョン、なんか今日は元気がないね。どうしたの?」  と国木田が心配してくれたが、なんと答えたのかあまり記憶にはない。谷口に至っては存在したのかどうかさえ忘れてしまった。  午後の授業もそんな具合に過ぎて行き、俺は誰に促されるともなく部室へと足を運んでいた。  当然、あのことを考えながら――――  その日の団活は散々だった。当然小説なんぞ思いつかず、俺はずっとあのことば...
  • 森のくまさん
    森のくまさん =============   ある日森の中 くまさんに 出会った   花咲く森の道 くまさんに 出会った 私は、くま。   くまさんの 言うことにゃ お嬢さん おにげなさい   スタコラ サッササノサ スタコラ サッササノサ 狩人さん、近づかないで。 私はあなたを傷つけてしまうから。   ところが くまさんが あとから ついてくる   トコトコ トコトコと トコトコ トコトコと 待って・・・、待って。   お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物   白い貝がらの 小さな イヤリング ほら、お届けもの。   あら くまさん ありがとう お礼に うたいましょう   ラララ ララララ ラララ ララララ そして今日も、私は一人。       *         The other day I met a bear   Out in the...
  • チェンジ・マイ・ヒーロー
    6月。 梅雨時だというのに快晴で、照りつける日差しのせいで日陰にいても熱さを感じるという季節感先取りのその日、『俺』はど田舎の駅の改札口に一人で立っていた。 観光地でもなんでも無いローカル線の終点駅、一時間どころか二時間に一本しか電車が来ないようなところで地元人同士ではない人間同士で待ち合わせなんて狂気の沙汰としか思えないが、これからここにやって来る人間は多分、それを狂気だなんて思っていないんだろう。 これからやって来る二人の内一人の名前を、俺は既に知っている。 毎日元気に騒いでいるあの女の名前を忘れられるわけがない。 もう一人については教えられていなかったが「会えば分かります」と言われたので追及は辞めておいた。追求しても教えてくれるとも思えなかったしな。 ちなみに口調で分かるだろうがこの待ち合わせを考えたのはハルヒではない。勿論俺でも無いわけだが……、いや、『俺』ということになるのだろ...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―試練その5―
    …起きてください。 …ぁあ?古泉か? 探し物は自分自身と言う、RPGゲームの主人公にありがちな試練を何とかクリアした俺は、午前中の疲れもあってか少々寝ていたようだ。 「お疲れのところ申し訳ありません。少し話をしておきたいことがありまして、起こさせてもらいました」 起こしてもらうなら男にではなく、朝比奈さんか長門にしてもらいたいぜ。補欠でハルヒもいれてやってもいい。 「これは失礼しました。ですが、お三方は次の試練の準備のため、ご不在にしております」 …次の試練があるのか…。あの試練をクリアしたのはそれほど多くないんじゃないのか? 「あなたが正解の第一号ですが、それ以降は全員正解です」 何だと…!?あんな答えを俺以降の全員が全員とも出したと言うのか? 「ええ、ですがここで報告しなければいけない事があります。あなた以降の参加者が全員正解したのは、答えがリークしたからです。ですから、参加者全員...
  • 涼宮ハルヒの憂鬱-アナザーストーリー-
    朝倉との夢見たいな出来事があった後のことである。 長門はその小さな手で自分の顔をぺたぺたと触り 「眼鏡の再構成を忘れた」 眼鏡はないほうがいいぞ。俺に眼鏡属性はないしな。 「眼鏡属性って何?」 なんでもない。ただの妄言だ。 俺はここでむらむら~っとしてしまったんだろう。 若気のいたりって奴かな。 自分で気づいた瞬間長門に唇を重ねていた。 「wa、wa、wa 忘れ物~。」 俺が唇を重ねたまま上を見ると谷口が目をひん剥いて立っていた。 俺が谷口に対して誤解をとこうと思ったのだが、誤解も何も、やってしまっているものは仕方ないと思って諦めた。 泣きながら谷口が去って言ったのは言うまでもない。 どうすっかなぁ・・・。 「大丈夫。情報操作は得意。朝倉涼子は転校したことにする。」  そっちかよ・・・。俺は落胆の表情になったと同時に自分のした重大な事に気づいた。 「いまの・・・なに・・・。」 キスだよ...
  • 悩みの種~悩みの種の潰えた世界~
    <悩みの種の潰えた世界> 病院に着き、病室を目指し歩いた。さすがになれたものだ。二年間毎日通ったんだ。 病室に着くと…なんだみんな揃ってるじゃない。でも何故かみんな病室の前で立ったままだ。 みんなどうしたの?中入らないの? 「あっ…あの…まだ診察中らしいのですよ…終わるまで入れないそうです。一度外へ…」 ?いやいいわよ。ここのが涼しいし、ここで待ちましょう。 何故か古泉君の表情がおかしい。いつも爽やかスマイルを決めているのに… 私は待った…けどしばらくしても診察が終わった様子が見られなかった。 すると…突然みくるちゃんが泣き出した。大声で。 どうしたのみくるちゃん? 「キョンくんが…キョンくんが…!」 …ものすごい嫌な予感を感じた。 私は病室に入ろうとしたが、 「涼宮さん!まだ診察が…」 無理やり制止を振り切り、病室に入った。 そこで見た光景…そこには紛れもないキョンの姿だ...
  • 教科書文通1
         長門さんが、9組に教科書を借りに来てから二日たった。 今日の1時間目はあれから初めての日本史である。 僕の机の上には、一昨日の放課後、部室で長門さんに返していただいたそのままの日本史の教科書が。 やっぱり、長門さんは僕の落書きを見てしまったのだろうか。  僕がした落書き。 それは、戦国時代末期の歴史が記されたページの隅にいつも使っているシャープペンで長門有希、情報統合思念体、TFEI端末と書いたものを同じシャープペンで塗りつぶして消したものの斜め下に、〝長門さん〟と、書き残してしまったもの。 ああ、勘違いを招きそうだ。 激しく勘違いを招きそうだ。 長門さんが気を悪くしないといいのだけれど……。  あの落書きは、元はと言えば、歴史オタクで時代小説オタクの日本史教師のせいだ。 いや、全てを先生のするつもりはないのだけれど……。 しかし、トリガーになったのは、確実にあの日本史...
  • カレンダー(H-side)
    「カレンダー」(K-side)   「キョン、そこ間違ってる。」 「何処だ?」 「ここよ、ここ。」 「ああ、そこか。」   あたしは今、キョンの自宅でキョンに数学の勉強をさせている。 本当は部活の前に学校でやりたかったんだけど、あいつが教室でやるのは 勘弁してくれって言うから仕方が無くここにしてやった。 あくまでも仕方が無くであって、間違ってもキョンの部屋で二人っきりに なりたかったなんて事はないんだからねっ! って、あたしは何でモノローグで言い訳してるのかしら?まあ、いいわ。   「そろそろ終わった?」 「ああ…。よし、終わり。」 「どれどれっ…。」   あたしはキョンから自作の予想問題を取り上げ、採点を開始した。   「――まる、まる、まるっと。まあ、こんなもんね。今日はここまでにしましょ。 いい、出来れば次の中間までこのことを覚えてること。復習も忘れずにね。」 前にも言った気がす...
  • お姉ちゃんと一緒
     ある日のことだ。  SOS団の面子全員が俺の家で遊びまくっていたその一日、俺は籤引きにより長門を家に送っていくことになった。 「……わたしはあなた達が羨ましい」  歩く間中無言だった長門は、別れ際に唐突にそんなことを言い出した。 「は?」  長門に羨ましいと思われる心当たりなど一つも無いし、複数形だというのが余計に謎を深める。はて、あなた達とは俺と誰のことだ? 「あなたとあなたの妹」 「妹?」 「そう」 「何で妹、いや、俺と妹なんだ?」 「……兄弟姉妹といった人間同士の関係は、わたしには縁が無いもの」  長門は淡々と、しかしどこか寂しげな様子を纏いつつ答える。  そういや、長門は宇宙人製ヒューマノイドだからな。 「あー……」  さて、どう答えたものか。  長門が俺を羨ましがっているのは分かるんだが、俺はこういう時に有効に回答するスキルを持っていない。  俺の知り合いには天涯孤独なんて奴は...
  • 朝倉涼子迷走記 前編
    読む前にこのページにも目を通していただけると嬉しいです。 「キョーンくーん!!」 …その一声で目を覚ますと。 「あーさーだーよ!!」 妹が空中にいた。 ドスン!! 「ぐはっ!!」 「早く来ないとご飯食べちゃうよ!?」バチンバチン 頭を叩きながら話しかけてくる。 …こないだ家に置き去りにしたことをまだ根に持ってやがるな。 元気に部屋を出て行く妹を見ながらあと3分後に鳴る予定だった目覚ましを手に取る。 …あいついつの間にムーンサルトプレスなんか覚えたんだ? 「キョンくん早くー!」 「あぁ、今行く」 また平凡な1日の始まりだ。 身支度を整えて家をでると谷口がいた。 …お前の家は遥か彼方じゃないのか? 「そんなことどうでもいいんだよキョン!聞いて驚け!!なんと今日は転校生が来るらしいぞ!!」 「あぁそう」 「あれ!?反応薄い!?お前しかも女子だぞ女子!!」 というかこの...
  • ハルヒと長門の呼称
      「涼宮ハルヒ」  SOS団員2号にして読書好きの無口系キャラでこの銀河を統括するなんたらかんたらに作られた宇宙人、という  普通に書き並べても長文になってしまうまこと複雑なプロフィールを持った少女、長門有希が  同じく詳細に語ったりするとそれだけで文庫本1冊ぐらいにはなりそうなこれまた面倒くさいプロフィールを持つ  唯我独尊、傍若無人でSOS団団長の女、涼宮ハルヒに問い掛けたのは、  SOS団員全員が部室に揃っている、特に何も起きていない平和なとある日の事である。  その言葉を聞いた時、俺は「珍しい」と思った。  なんせこいつが自分から意思表明をすることなんか殆ど無いからな。  明日は家を出る前に傘を持っていった方がいいかもしれん。    にしても何を言うつもりなんだろうな。あまりハルヒにヘタな事を言ってほしくはないのだが、  長門がこうやって自主的な意思表明を行うことなど、今で...
  • 彼がバイトを始めた理由 前編
    もくじ   「…あんた何してんの?」 「見りゃわかるだろ?」 …ある晴れた日の昼下がり、駅前の喫茶店にてハルヒとばったり出くわした。 「ここのバイトしてるの?」 「あぁ」 「ふーん…」 …これだけじゃバイト始めた経緯が全くわからんな。 …とりあえず少しだけ時間を遡ってみようか。 朝倉迷走事件から数ヶ月後、俺は絶望的なまでに金欠をこじらせていた。 勘の良い人ならピンときたであろうが、俺は毎週開催される不思議探索とやらの罰ゲームで激しく金を浪費しているのだ。 だったら罰ゲームなんざ受けないように早く集合場所に行けって? そうしたいのは山々なんだが、ハルヒと2人っきりの探索以来どんなに早く行っても俺がビリになっちまうんだ。 『ふふっ、それも涼宮さんが望んだことかもしれませんよ?』 うるさいぞ古泉。 人の脳内にまで勝手にでてくるな。 まぁ生活...
  • シュール短編42
    「ねー聞いてよー」 「いきなりだな」 「もう雨でびしょ濡れよ。どうしてくれんのこれ」 「今どこにいるんだ?」 「部屋よ部屋」 「おいおい大丈夫か?何で電話してくれなかったんだ」 「電源が無くなってたの!」 「公衆電話とかでもよかったじゃないか」 「それがいくら探してもなかったのよ。まったく、現代人はもう少し臨機応変に頭を回してくれないと」 「あー、ストップだハルヒ」 「なによ」 「長くなるか?」 「・・・もういいわよ」 「とりあえず着替えたのか?風邪ひくぞ」 「んーん、今から着替えようとしたところ」 「そうか」 「そうよ」 「・・・・・・」 「・・・もしもーし?」 「ん、なんだ」 「なにいきなり黙ってんのよ」 「いや、着替えるんだろ?」 「いいわよ話してて。もう上着は脱いでるから」 「そうか」 「そうよ」 「・・・」 「・・・キョン?」 「なんだ」 「怒るわよ?」 「いや、服を脱いでるハ...
  • 10月8日、曇りのち雨 後編3
    人の口に戸は立てられないとはよく言ったもんだ。 膝枕事件の翌日には既に俺とハルヒは学校公式に付き合っている扱いになっていた。   新聞部にはインタビューされるわ、クラスからは祝福を受けるわ。 仕舞いには見ず知らずの上級生からまで、 「ほら…あの人が…」「あぁ…あの涼宮の…」「普通そうなのに…すげぇよな…」 などとヒソヒソ囁かれる始末。   俺はその噂を沈静化するのを諦めていた。 どーせすぐ飽きるだろう。 …いたたまれないのは確かだが。   そんな俺だったが…最近、ハルヒの夢をよく見る。…むやみやたらと。 …その意味はあまり深く考えないようにしていた。   膝枕事件の事は耳に入っているハズだろうに、古泉と長門は何も言わなかった。 長門はともかくとして、古泉は何か言ってくるかと思ったがそれも無し。 ただ朝比奈さんには「頑張ってくださいねっ」と極上笑顔で言われてしまった。 …何を頑張れってんだ...
  • 尾行大作戦?
    それは俺の誕生日も近いある日の出来事。 朝、いつも通りに妹に叩き起こされ、いつもと同じ音痴な歌を聴き、 いつも通りにたるい坂を上りながら、いつも通りの教室に入った俺が見たのは、 いつも以上に上機嫌なハルヒだった。 「よう」 「あ、キョン。おはよー!」 そんなに朗らかに言われても違和感ありまくりなんだが。 「今日は機嫌がいいな。なんかあったのか?」 「あったじゃなくてあるのよ。これから」 これから?それで、ハルヒが上機嫌。 ……はあ。またひと騒動もふた騒動もあるのか。 「今度はなにすんだ。できれば、あんまり疲れないやつがいいんだが」 「あ、あんたはいいわ。何もやらなくて」 はい?なんて言った?俺は何もやらなくていい? まてまて、余計に不安だ。こいつが俺を巻き込まないでやることとはなんだ? どうせよからぬことを企んでるに相違ない。 「何よ、その目は?」 「お前のことだ、また厄介ご……もとい、面...
  • 巡りゆく秋の日
    『巡りゆく秋の日』 「あたしはね、神様や仏様よりもね、SOS団の仲間を信じるの! だから絶対に人前式!」 「いや、わかってる、俺も同じ気持ちさ。一応言ってみただけ」 「もう、つまんないこといわないの。古泉くんとみくるちゃんと有希が立会人! これは絶対!」 「うん、そうだな。その通りだ」 ハルヒの言う通り。宇宙人と未来人と超能力者だなんて、これほど確実な立会人の下で結婚を誓い合うカップルなんてこの世にはいないさ。 俺たちの結婚式の詳細を考える中で、俺は念のためにハルヒに確認してみたわけだ。ひょっとして実は常識人でもあるハルヒは、普通にキリスト様や日本固有の神様の前で誓いを立てたいと考えているかもしれないと思ったからだ。たとえ自分自身が神だとしても、ね。 しかし、予想通りそんなことはなかった。もちろん、俺が考えていたことと一緒だ。俺とハルヒの結婚式の立会人はSOS団のメンバ以外にはない。...
  • 許婚と最愛の人
    うだるような暑さが続くある日のこと、オレの携帯に電話がかかってきた。 着信を見れば、相手はハルヒということになる。夏バテ寸前のオレは、その名前を見た だけで気力を根こそぎ奪い取られた。このままシカトしたほうがいい気もするが、しかし 今の気分だけでスルーしちまうと、あとの処理が大変だ。 これは出るしかあるまい。   『遅い』 もうちょいマシな挨拶はないのか? 『うっさいわね。明日14時にいつもの公園に来なさい。それと、格好はラフなものじゃ ダメよ。フォーマルな格好できなさい』   言うだけ言って切っちまいやがった。アイツは電話が嫌いなのかね? そういや中学時 代の告白は全部電話だったと憤慨してたが、それで電話嫌いになったのか? それにした って必要最小限のマナーがあるだろうが。 だいたい、明日14時に集合ってなんだよ。急に言われても、オレにだって予定が…… ないけどさ。 それよりも、フォーマ...
  • 誰も知らない二人のためのフィルム
      二人のために用意されたステージは、雪の中に浮き出た木造りの円形の踏み台だった。粉雪は、公園内の遊具の殆どを穢れのない白に沈めてしまっていた。浅い雪が絨毯のように敷かれた土台の上に、古泉は真っ先に足を掛けてよじ登り、次いで長門を引き上げた。 すっくと台の上で立ち上がり、地上よりも一段上となった場所から見渡した世界にあったものは、穏やかに降り積もり続ける氷の結晶と、白濁した空模様と、冷たさを湛えすぎたためにこの上ない無色である鋭利な寒風。それがすべてだった。 薄い雪を踏みしめた足を動かすと、シャーベットをスプーンで掬い取ったときのような、心地いい音が耳に跳ね返る。 一歩を踏み出したところで立ち止まり、古泉は綺麗に靴を模写した、白い下地にかたどられた己の足跡を振り返って眺めた。長門は動かず、やはり無言で、古泉の靴跡を眺めていた。 この広場から突き出たような円い壇の上で、ちょっとした...
  • 放課後屋上放談
    ※このお話は『江美里の一番黒い夏』の後日談です※  秋というのは、いい季節だ。暑すぎもせず寒すぎもしない。それは春も同様だが、俺には陽気に夏へと向かう春より、穏やかに暮れていく秋の方がどうやら性分に合っている。  そんな益体もない事を考えつつ、両手をポケットに突っ込んで壁にもたれ、街並みに遠く沈んでいく夕日を眺めながらタバコを燻らせていると。横合いからギギッと金属製の扉の軋む音がした。 「おや、いつになくアンニュイな面立ちで。落日に詩心でも動かされましたか?」  何気ない風で、そのくせやたら鼻につくセリフだ。確か去年の文化祭ではクラスで演劇の出し物なんぞをやっていたと思ったが、普段からして演技じみているんだよなこいつの言動は。 「風流を愛でるのは結構ですけれど。学校での喫煙行為は感心しませんね。誰かに見咎められでもしたらどうするつもりです?」 「ふん。施錠されている屋上に、わざ...
  • 涼宮ハルヒの奮闘 ~しっと団の野望~ 第1話
    SOS団結成から一年半が経過し、冬の到来を予感させる11月のある日に、 紆余曲折を経て、ようやく俺はハルヒと付き合いだした。 それからの1ヶ月間は、はっきりいって天国だったね。 二人きりだと甘えてくるハルヒのかわいさったら無いぜ? 最初はどうなることかと思ったが、こんなにも楽しいもんなんだな、恋愛ってヤツは。 そして12月下旬となった今、俺達二人は公園のベンチで肩を寄せ合って座っている。   「ねえねえ、もうすぐアレじゃない?」 「アレってなんだよ。」 「クリスマスに決まってるじゃない!」 「ああ、もうそんな季節か……楽しみだな。」 「でしょ!?あのね、行くところはもう決めてあるの!」   そう言うとハルヒは、一枚のチラシを取り出した。   「なになに?『セントラルタワー、クリスマスの日は恋人達だけの夢の楽園に!』……なんじゃこりゃ。」   セントラルタワー。二つほど隣の駅にある人気スポッ...
  • ハジメテノヒト
    世界中の大多数の人間が翌日から待っているだろう休日に浮かれているだろう週末の金曜日の事である。 俺はいつものようにだらだらと先生の声を右から左に聞き流してようやくたどり着いた放課後SOS団が 占領している文芸部の部室で朝比奈さんの入れてくれたお茶を飲みつつ古泉とボードゲームをして時間をつぶしていた。 明日市内探索が無かったら妹と遊んでやるか、なにして遊んでやろうなどと考えていたら いつものように凄まじい轟音と共にドアを勢い良く空けて登場したのはハルヒに他ならない。 「みくるちゃんお茶」と言ってドカッと団長席に腰掛け「今日はちょっとみんなに聞きたい事があるの。」と言った。 古泉はニヤケ面のまま、おや?っと言った表情を見せた。朝比奈さんは怯えの表情の中に好奇の表情が少し、ほんの少しだけ浮かんでる。 長門は・・・俺にもどういった表情なのか理解できない、と言うより聞いてなかったんじゃないかという...
  • 『未来を紡ぐ絆』の歌(前編)
     季節は新春。といってもまだまだ冬と言った方がちょうど良い季候であり、シャミセンも夜中に俺の布団に 潜り込んでくるのを辞めない時期である。学校生活的な表現をすれば、ちょうど三学期に突入したばかりだ。  一年の入学式、ハルヒの奇っ怪な自己紹介から始まった非現実的な日常生活も二年に進級してからも延々と続きつつ、 それをいつの間にやら満喫していた俺ではあったわけだが、さてさて、そんな非日常生活も二学期中に 文化大革命を赤ん坊に理解させるほどに困難で面倒で複雑な事件で大きな山場を迎えたようで、 冬休みから三学期は現在のところぼちぼち落ち着いた生活が続いている。  もちろん俺たちSOS団は今日も変わらずに通常運営中であり、ハルヒはぼけーっとネットの海にダイブ中、 朝比奈さんは買ってきた新しいお茶をいかに美味しく作るかポットに温度計を突っ込んだりして熱心に研究中、 長門は相変わらず読書していて、俺と古...
  • ハルヒ&真紅『キョン、紅茶を入れて頂戴』
    放課後の部室、無人の室内。 他の団員は爆睡していたらしい俺を置いて帰ってしまったようだ。 キョン「…なんて薄情な奴らだ。」 口ではそう呟きながら、おそらく起こすのを躊躇う程の幸せな寝顔をしていたのだろう、そう納得していた。 体を起こした俺の目に止まったのは1冊の本。   キョン「…漫画?」   『RozenMaiden』、そう銘打たれた本の表紙には赤いドレスを着たかわいらしい女の子が写っている。   誰がこんなもんを? と言いつつも俺は即理解していた。 ハルヒは不思議と混乱を、朝比奈さんは癒しとお茶を、長門は本と安心を、古泉は要不要問わずの知識を、そして三井はとっておきの飛び道具を、 ならばこれは、   キョン「…長門が漫画?」   イメージが違うな、一瞬そう思ったが長門の事だ、何か重要な意味があるのかもしれない。 キョン「帰ったら読んでみるか。」 本を鞄にしまい込み俺は部室を後にした。 ...
  • しっと団の野望 ~エピソード1~
    ※恋愛相談と時間軸がリンクしています みなさん、こんばんは。朝比奈みくるです。 今日もSOS団のマスコットとして活動しています!毎日が楽しいですよぉ。 なんでって?SOS団には、かっこいい男子が二人もいるからです!   一人目はキョン君。涼宮さんに連れてこられた平凡な男子高校生です。 でも彼の見せる優しさに、私はもうメロメロです。 残念ながら彼は涼宮さんとほぼ相思相愛と言っていい状態にあり、もう付き合うのも時間の問題。 でも彼はよく私(特に胸)に視線を向けてくれます。まだ望みはあるんです!   もう一人は古泉君。キョン君とは違ったベクトルのカッコ良さです。 はっきり言えば、完全に狙い目です!長門さんはキョン君しか目に入っていません。 つまりフリーなワケです。 うふふふ、バラ色の恋愛生活ももう少しですよ! え?この時代の人と付き合えない?そんなのは【禁則事項】を【禁則事項】しちゃえばいいん...
  • 「カレンダー」
    カレンダー(H-side)   「キョン、そこ間違ってる。」 「何処だ?」 「ここよ、ここ。」 「ああ、そこか。」   俺は今、自宅の自分の部屋でハルヒの監視の下、数学の小テストの勉強を させられている。もちろんハルヒの命令である。因みに何故場所が俺の家 なのかというと、ハルヒが前回同様ホームルーム終了後に教室でやろうとしたのを、 クラスのやつらの視線が痛いからそれだけは勘弁してくれと説得したら、 「しかたないわね、だったら団活終了後あんたの家ね。」 とハルヒが言い出しやがったからであり、間違っても俺が勉強を口実に ハルヒを家に呼んだわけではない。断じて。   「そろそろ終わった?」 「ああ…。よし、終わり。」 「どれどれっ…。」 ハルヒは俺から自作の予想問題を取り上げると採点に移った。   「――まる、まる、まるっと。まあ、こんなもんね。今日はここまでにしましょ。 いい、出来れば次の...
  • 嘘から出た松茸
    ※このお話は『渋皮やさしく剥いたなら』の後日談です※  女心と秋の空、とはよく言ったもので。妙に暑いなと思ってたら急に肌寒くなったり、はたまたジメジメとした小雨が長く続いたりもする、そんな季節の頃。  要するに秋の半ばだな。空を覆うように広がるいわし雲の下を、俺はハルヒ宅に向かって自転車を走らせていた。別に呼び付けられた訳でもなけりゃ、大した用事でもない。単なる気まぐれと言うか、たまにはちょっとしたプレゼントでもあいつにくれてやろうかと思ってね。お、見えてきた。  ハルヒの部屋の窓の端で、白いレースのカーテンが揺れている。日曜の昼下がりだし、もしかしたら家族で出掛けてるかも、なんて可能性も考えていたが、どうやら都合よく部屋に居るみたいだな。よしよし。  路傍に自転車を停めた俺は、そよ風にふわふわ揺れるカーテンを見上げながら、ピッと携帯のコールボタンを押した。 「あによ、キョン。何...
  • Am I father ? 後日談
    あの再開から数日が経ち、涼子もすっかりクラスに溶け込んだようで、二学期からだというのに涼子はまたもやクラス委員長の座にちゃっかり居座っている。なんでも前任のクラス委員長がその座を譲ったのだとか。確かにこいつが委員長をやっているっていうのは絵になるし頼りになるもんだから、譲りたくなる気も分からんでもないが。 でも心配事が一つ。ただでさえ涼子は誰にでも優しく笑顔で接していたので、男子からだけでなく女子からも人気があったというのに、再構成後はその笑顔にさらに磨きがかかったというか、惹きつけてやまない魅力というか、上手く表現できんのだが、そんなもんがあるもんだからもう既に大の人気者になってしまっていた。 この前なんて下級生から、 「お姉様と呼ばせてくださいっ!」 なんて言われていたくらいである。しかも相手は俺から見てもかなり可愛い分類に入る女の子。谷口いわくAランクマイナスらしい。ちなみに今の涼子...
  • 小さな、親切
    「隣、よろしいですか?」    僕が声を掛けるまで、彼はどこか呆けた様子で、こちらの存在にも全く気付いていなかったようでした。はてさて、何をそんなに真剣に考え込んでいたのでしょうね。     「梅の花も香り始める頃だとは言え、まだまだ外の風は冷たいと思いますが。どうして部室に行かないんです? 朝比奈さんが美味しいお茶で出迎えてくれるでしょうに」      自分で言うのも何ですが、少し芝居がかった僕の問い掛けに、彼はうさんくさい宗教勧誘でも見るようなジト目で答えます。     「たまには、こういうクドいのを飲みたい日もあるだろ」      そうして、彼は紙コップのココアに口を付けました。ふむ、見た所、もうだいぶ冷めてしまっているみたいですけどね。  同じテーブルに着いた僕も、自販機で購入したホットレモンを口に含みました。授業が終わってすぐですので、何人かの生徒が脇道を通り過ぎていきます。...
  • お弁当
    直列ネタ、ネタバレ注意  しんと静まり返ったマンションの一室。必要最低限の家具だけが置かれた部屋は酷く殺風景だ。  その家具ですら使われた形跡は無く、人の住んでいる気配を感じさせなかった。  部屋の中央には小柄な少女が一人。正座をしたままぴくりとも動かない身体は、精巧な人形のようだ。  それは長い長い夏休みが終わり、少女――長門有希が膨大な量となった記憶を整理している最中だった。  情報の取捨選択。溜まりに溜まった記憶の中の、不必要と判断された情報を隔離していく。  とある夏の記録に差し掛かると、滞りなく行われていた作業が急に止まった。  その夏はとびきりのイレギュラーで、他のシークエンスでは見られなかった様々な出来事が起こった。  希少なケースではあったが今となっては重要性は限りなく低い。特別、記憶しておかなければならない事象は何も無い。  学校での合宿。七不思議探し。それを記憶してい...
  • 遠距離恋愛 第二章 それぞれの思惑
    第二章 それぞれの思惑   一通りの説明を聞き終えた古泉は、いつもの0円スマイルを3割減の顔で首肯した。 「そうですか、家庭の事情というわけですね……貴方は宜しいのですか?」 「だから、ここで相談しているんじゃないか。お前らなら、何とかしてくれるんじゃないかと思ってな」 「なるほど、それは常識的な判断です……ふむ……分かりました。少し裏を当たってみましょう。貴方が『下宿できる』『格安な』物件の探査も含めて調べてみますよ」 「手間を掛けてすまない。俺も生まれ育ったこの町から、今更全く知らない土地に引っ越しなんかしたくないし、何よりSOS団を抜けたくはない」   ほう、という表情で古泉が感嘆の言葉を出す。 「……驚きました。貴方がそれほどこのSOS団に……いや、この環境に執着していたとは」 「この2年間色々あったし、おそらくこれからも一生忘れられないような事が起きるだろうしな。それが俺だけ抜...
  • My little Yandere Sister外伝 グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」
     クリック? クラック!  ある所に、貧乏な木こりが、奥さんと二人の子供と一緒に暮らしておりました。  子供二人のうち兄の名前はキョン。妹の名前はキョンの妹といいました。  木こりはとても貧乏で苦しい生活をしておりましたが、ずっと流行している飢饉のせいで日々のパンすら手に入らなくなりました。  このままでは一家四人が全員飢え死にしてしまうと考えました。 「古泉一樹。このままでは死んでしまう」 「解ってます…」 「やっぱり二人を捨てなくてはいけない」 「…むぅ…」  そう、口減らしです。  二人はそうやって話し合い、森の奥に連れて行って子供達を置いて帰ることにしました。  しかし、この話はお腹が減ってしまい眠れずにいた二人の子供達の耳にしっかりと聞こえていたのです。 「わたしたち捨てられちゃう。そして森の獣に食べられちゃうんだ」  と、心配そうにグスグスと泣く妹にキョンは、 「心配するなよ。...
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