涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「スノースマイル・バースデイ 最終話」で検索した結果

検索 :
  • スノースマイル・バースデイ
    スノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイスノースマイル・バースデイ最終話 (完結)
  • スノースマイル・バースデイ 最終話
    高低入乱れた音が、一つの歌を丹念に唄いあげる。 ハッピーバースデイトューユー、ポピュラーでシンプルながら、想い響き合う、長門に捧げられた祝詞の歌。 文芸部室は閉め切られ、暗がりにぼんやりと浮かぶのは不安定だが暖かい蝋燭の火だ。 曲が終わったらそれを区切りにケーキの上の蝋燭の火を吹き消すように言われていた長門有希は、いつもの面子が円陣となり見守る中、微弱な吐息を送り込んだ。カラフルな四本の柱に揺れていた小さな火がふっと消えると、控えていたクラッカーが出番とばかりに大きく弾け、花火のような色とりどりの紙吹雪を撒き散らした。 頃合を見計らってタイミング良く押された電灯のスイッチに部室の様相は明るく早変わりし、光浴びた全員の表情が露になる。 例外なく、皆、零れんばかりの笑顔が輝いていた。彼等の大きな大きな、深呼吸の後の大合唱。 「「―――誕生日おめでとうっ!」」 高らかな歓待の声が響き、室内...
  • スノーホワイト・レクイエム 
    スノーホワイト・レクイエム スノーホワイト・レクイエム2 スノーホワイト・レクイエム3 スノーホワイト・レクイエム4 スノーホワイト・レクイエム5 スノーホワイト・レクイエム6 スノーホワイト・レクイエム7 スノーホワイト・レクイエム8 スノーホワイト・レクイエム最終話
  • Close Ties(クロース・タイズ) 最終話
    Close Ties(クロース・タイズ) 最終話     「お待たせしました長門さん」 「ま、ま、待って…ない」  いつもの公園のベンチは、いくら寒い日であっても、私のお気に入りの場所だ。街には雪が積り、いつもとはまるで違う趣を見せていた。気温は三度しかないのに、私の体は沸騰するのではないかと思うくらい上気していた。  どこかで皆が私達二人を観察しているのは分かっているのだが、視界には入って来ない。  私はもう大丈夫だ、とははっきり請け合えないからなのだろうか。  古泉君(朝比奈さんには申し訳無いが、この呼称が今の私には限界だ)の大きな手が、私の黒い手袋をつけた手を包み込んで、一緒にゆっくりと歩き出す。  もうこうして出かけるのは何回目かも覚えていない。  だから、今日こそ皆に見せつける。私はもうみんなに心配されるような人間ではないんだと。  古泉君が嫌だと言わないのなら、私は彼の、ええ...
  • スノーホワイト・レクイエム最終話
    気まぐれに打ち始めた物語は佳境に入った。そこで、指が止まる。プロットなんてない、展開も決めていない。無心でただ、場面場面を繋ぐように文を補足していけば、どうしたって、ラストに近付くにつれ進捗は下がっていった。とにかく先へ進める為にキーを押そうとしても、指は思う様に軽快に動いてはくれない。至って当然の話だ。だってわたしは白雪姫がどうなるのかをまだ、決めかねている。毒林檎を食べて伏せてしまった哀れな白雪姫が、王子様に出遭えず仕舞いで、どんな結末を迎えるのか。 「愛しいひと」にも巡り合えぬままに、生涯を閉じようとする、薄幸の少女。 ――ハッピーエンドに、してあげたいのに。 「長門さんどうしたの?こんな時間まで居残りなんて、珍しいわね」 「あ……」 部室の扉を開けて、堂々と踏み込んできたのは、朝倉涼子――朝倉さん。セミロングの綺麗な髪。優等生らしく背筋の伸びた、頼れる女性を思わせる温和な微笑...
  • Close Ties(クロース・タイズ)
    Close Ties(クロース・タイズ)     プロローグ   第一話   第二話   第三話   第四話   第五話   第六話   最終話
  • バランス感覚
     事態が起こった時、最初に咄嗟に抱いた感想は「軽い」であり、  次に、冷静な思考を取り戻した際に思った事は「小さい」であった。  いきなり意味の分からん事を言うなとか思っているだろう。  だがしかし当の俺自身にも全くもって訳が分からんのだ。  いや、この事態の原因と結果について語れ、と言う事ならば  それは小学1年生の使う作文用紙のような少ないマス目でも3行使わない位に  簡潔に説明できるであろう事は明らかな単純な事態だ。  それこそ俺がこの1年弱の間体験してきた事に比べれば取るに足らん単純な出来事さ。    しかしだな。  事態の説明が簡単であるからと言って、それに対して単純な感想しか抱かないかと言えば、  それは雲一つ無い空に見える太陽ぐらいにはっきり言わせてもらうが、答えはノーだ。  客観的に見れば小学生の算数並のこの事態も、  当事者の俺にとっちゃフェルマーの最終定理並に凶悪なんだ...
  • 箱入り娘 第3話
    …。 …。 チュンチュン …。 ……ん…朝か…。 …。 …。 時間は…7時前ですか。 …。 隣を見ると…居ない? …。 「おはよう、古泉一樹」 …。 おや、もう起きていましたか。 …。 「おはようございます、長門さん」 …。 長門さんはすでに起きて朝食の準備をしていた。 …。 …。 「さて、今日は不思議探索ですね」 「モグモグ…コクン」 …。 朝食、僕も長門さんもパンを食べています。 ただし、僕はバタートーストを、長門さんはイチゴジャムを乗っけて……一斤丸かじりしています。 …。 「さて、どうしますかね?」 「モグモグ、また…行く?」 …。 長門さん? …。 「モグモグ、世界移動」 …。 世界移動ですか? …。 「良いですね。是非とも行きましょう」 「モグモグ、了解した」 …。 さてさて、今回はどんな世界に行けるのでしょうか。 …あ…一応確認しておかないと。 …。 「長門さん?」 「モグ...
  • Am I father ? 最終章-朝ごはん・バタートースト-
    結局俺たちが起きたのは目覚ましをかけた時刻を過ぎた十時のことであった。 二人そろって寝ぼけ眼のままリビングを出る。 「………」 「お、おはよう…」「ふわぁ・・・おはよー」 「………」 そこには無表情の長門がちょこんと椅子に座っていた。その目はいつもより冷たい。 もしかして長門さん、怒ってます? そう尋ねたところで長門は何も答えない。今日が最終日だというのにこんな遅くまで寝てたのがまずかったのか?いや、そうとしか考えられん。ひとまず謝っておこう。 「長門、すまん」 俺がそう言うとどこかで何かがチンと鳴った。まあ俺はそれどころではなかったので気にも留めなかったのだが、 「…それは後。今は朝食が先」 と本人にとってはそれが合図だったようで、とりあえず長門は俺たちが食卓につくことを許してくれた。 良かった・・・。とりあえず今は朝ごはんのことだけを考えることにしよう。後でどうなるか分からんからな。 ...
  • 遠距離恋愛 第十九章 誤解
    第十九章 誤解   佐々木の乗った飛行機が西に空に消えていったのを確認した俺は、市街地に向かうリムジンバス乗り場へと向かった。大きな荷物を抱えた客がごった返すリムジンバス乗り場の片隅に、見慣れた人影が二つあった。 スマイルを顔に貼り付けた優男と、アッシュブロンドの小柄な女性。 古泉と長門だった。   「お待ちしてました」 「……」 懐かしい古泉のスマイルと、長門の三点リーダ。だが俺は、それを無視してバスの昇降口へに向かった。 やっと最近、あの時の事を思い出さなくなってきたんだ。 長門には悪いが、当事者である古泉と今更話すことは何もないからな。 突然、体が動かなくなる。振り向くと、いつの間にそこに移動したのか、長門が俺の服の裾を掴んでいた。 漆黒の闇に似た瞳が、俺の目を捕らえる。 「……一緒に来て欲しい」   古泉はともかく、長門にそう言われたら言うことを聞かないわけにはいかないか。 俺は...
  • 朝比奈みくるのなんちゃって時間解釈
    このページの本日の公演スケジュール    その1「ぱらどっくす?」「どっぺるさん」 その2「笹の葉と消えた世界のお話だそうです」 その3「なんとか言語で概念を表現してみました」 最終話「だからわたしはここにいる」 おまけ「番外編らしいなにか」    みくる「あ。あ。マイクのテスト中」   みくる「本日はこのページにお立ち寄りいただきありがとうございます」 みくる「また、本SSをご覧頂きありがとうございます」   長門「時間連続体の移動プロセスには様々な理論がある」   ハルヒ「じゃあ、さっそく本日の公演をはじめるわ」   第五話へつづく   古泉「ところで僕の口上はないのですか?」 キョン「すきなだけ原作で語ってるだろうが。自重しろ」       (落書き1) キョン「そういえば、この突込みがありました」 みくる(大)「言わなくていいです」 キョン「ハルヒちゃん3巻の3...
  • スイング・スコア(目次)
    スイング・スコア(目次) あなたも自由な音楽の世界へ… 人物紹介! リード・キョン※1 第一楽章(前奏) 第二楽章(バース)※2 第三楽章(コーラス) 第四楽章(ブリッジ) リード・涼宮ハルヒ 第五楽章(コーラス) 第六楽章(バース) 第七楽章(ブリッジ) 第八楽章(リフレイン) リード・長門有希 第九楽章(バース)※3 第十楽章(チェイス) 第十一楽章(ブレイク) 第十二楽章(オブリガード) 発表会 最終楽章(コーダ) フィーネ(終止) 闇/常識 矛盾/光 ※1 リード...
  • 長門有希の報告 あとがき
    あとがき この作品は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の舞台が兵庫県西宮市であることを知った時に着想を得ました。 舞台が西宮ということで、キャラクターの台詞をいわゆる「関西弁」にしたSSはないかと思い、色々とSSを読んでいましたが、単発の雑談ネタで原作の一場面を「関西弁」に訳した例があるくらい。二次創作で「関西弁」を使ったものはありませんでした。 「ないんだったら作ればいいのよ!」とは原作のハルヒの弁ですが、ちょうど担当者は大阪府出身で、兵庫県下にある西宮の近くの街に住んでいた時期もあるし、北口駅のモデルとなった阪急西宮北口駅も行ったことはある。加えて、身近には西宮市出身の友人もいる。条件は揃っていました。 もっとも、後に「関西弁」を使ったSSが皆無な理由を痛感することになりますが。 また、当時職場で大量の文書を校正する必要に迫られていて、校正の練習にもなって趣味と実益を兼ねられるかもと、軽い気...
  • おねえさんなんです。 長門編
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        穏やかな午後の昼下がり。 いつもよりほんの少し早く授業が終わってルンルン気分で向った文芸部部室。  今日は新しいお茶っ葉を用意してきたのです!  黙っていつもどおりに出したとして、一体誰が最初に気がつくのだろうかと考えただけでワクワクします。  勢いよく飲んですぐ真っ先に感想をくれる涼宮さんでしょうか?  対照的にゆっくりと味わって飲んでくれるキョンくんでしょうか?  知識が豊富な古泉くんならじっくり吟味した後に銘柄まで当ててくれるかもしれません。 ああ、でもやっぱり一番最初に気がつくのは……    そこまで考えてから、目の前の文芸部部室と言う名のSOS団本部へと繋がるドアノブに手をかけます。 すると――   「朝比奈みくる。 待っていた。 相談がある。 聞いてもらいたい。」  部室のドアをあけると、長門さんが、あの長門さんが、...
  • 15498のはじめの1
     彼女の部屋はいつも暗い。 部屋が暗いのは、彼女は人間でないから電気の光を必要としなくても支障なく生活出来るからだ。  その部屋に電気を付ける必要があるのは、人間である『彼ら』が訪れに来た時だけだ。    …その日も彼女は暗い部屋の窓を眺めていた   ―― 夏休みも早いもので残り2週間。 我らが団長様は憂い無き夏休みにしようと、たかが2週間では到底消化出来そうもない課題を立てやがった。 事は、市民プール直後の、俺奢りの喫茶店にて…… 意味もなく張り切るハルヒはA4サイズの紙にこれからの予定を、それはもうびっしりと書き綴った。   「私は金魚すくいがしたいです~」 朝比奈さんは可愛いらしくハルヒに希望する。 金魚すくいなどあの方らしい可愛いらしい提案だ。 ぜひとも俺もその場に居合わせたいね。 しかしながら出来ればこれ以上課題を増やしてもらいたくないのも本音ではある。   課題を終えずに夏休み...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その三)~
      「・・・やっと会えた・・・・。」   私は、彼の顔を見た瞬間、そうつぶやいていた。   眼鏡をかけていないのになぜか彼の顔がはっきりと見えることや、今、自分はあのおかしな空間ではなく、喫茶店のトイレにいることなど、この時の私は気にもしていなかった。   彼に会えた。   ただ、それだけで頭がいっぱいだった。   しかし、彼はなぜかきょとんとした顔から、とても驚いた顔になり、私の顔を凝視していた。 何?私、何かおかしなことでもしたのだろうか?   ・・・そんなに、見ないで・・・。   私の頬が熱くなっていくのを感じる。そういや、一昨年も部室で同じようなことがあったっけ・・・。   彼はしばらく私を見つめ続けていた。私はおそらく顔を真っ赤にしてずっとうつむいていただろう。この時のことはよく覚えていない・・・・・・。         「・・・ョン・・・キョン・・...
  • 素直になれたら
      あの二人がついに結婚か・・・ タクシーで移動中、俺はふと横に目をやる。 肩にもたれかかるようにして長門が寝息を立てている。 俺と長門は今幸せだ。 長門は思念体からハルヒ観察の功績を称えられ、人間と変わらない体にしてもらった。 そして、俺らは結婚した。 今日はあの日々を共に過ごした男―古泉の結婚式の日だ。 相手は対立していた機関の橘。こいつらが和解したのは最後の閉鎖空間が消滅した後の事 俺たちが、高校を卒業する間際。ハルヒが大規模な閉鎖空間を発生させた。 原因は俺だった。またくだらないことで口論となり、つい手が出てしまった。 ハルヒはその時泣きながら部室を出て行った。 急いで朝比奈さんと長門がなだめに行ったが遅かった。 口論理由はコーヒーは豆から挽くか、インスタントか。 ミルクを入れるか牛乳を入れるか・・・こんな話だった気がする   古泉「閉鎖空間が発生しました。すでに機関の仲間が数...
  • 涼宮ハルヒの異変 上
    今日のハルヒは少し変だ。 どいつよりも一番長くハルヒと付き合ってきた俺が言うのだから間違いない。 いつもは蝉のようにうるさいハルヒが、今日は何故か静かだし、 顔もなんだか考え事をしているような顔だ。       「どうしたハルヒ。」 俺は休み時間になってからずっと窓の外を眺めているハルヒに話しかけた。 「なにがよ。」 「元気ないじゃないか。」 俺がそう言うと、ハルヒは眉と眉のあいだにしわをつくって、 「私はいつでも元気よ。」 「そうかね。そうは見えないんだがな。」 ハルヒは俺の言葉を無視し、窓の外に目をやり、 「今日も来るんでしょうね」 「どこにだ。」 「SOS団部室によ。」 いちいち聞くこともないだろうよ。 「ああ、行くよ。」 ハルヒは窓のそとにやっていた視線を俺の目に向け言った。 「絶対よ。」               今日の授業も全て終わり、俺はいつものようにSOS団部室―実際は文...
  • 涼宮ハルヒの団結 プロローグ
    「没ね」  団長机からひらりと紙がなびき、段ボール箱へと落下する。 「ふええ……」  それを見て、貴重な制服姿の朝比奈さんが嘆きの声を漏らす。  学校で制服を着ているのが珍しく思えるなんて我ながらオカシイと思うが、普通じゃないのはこの空間であって、俺の精神はいたって正常だ。 「みくるちゃん。これじゃダメなの。まるで小学校の卒業文集じゃない。未来の話がテーマなんだから、世界の様相くらいは描写しなきゃね」  ハルヒの言葉に朝比奈さんが思わずびくりと反射するが、ハルヒは構わず、 「流線形のエレクトリックスカイカーが上空をヒュンヒュン飛び交ってるとか、鉄分たっぷりの街並みに未来人とグレイとタコとイカが入り混じってるとか。そーいうのがどんな感じで成り立っているのかをドラマチックに想像するの。将来の夢なんかどうでもいいのよ。それにドジを直したいだなんてあたしが許可しないわ。よってそれも却下」  グレ...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―最終試練(中編)―
    「さて、続いては僕たちの番ですね」 国木田との勝負終了後、古泉が語りかけてきた。…僕たち、とはどうゆう意味だ?タイマン勝負じゃなかったのかよ? 「実は、僕を除いた参加者の残り三人のうち、二人は機関の雇ったサクラでしてね。時間的な都合もありまして、三人同時に勝負を仕掛けようと思います。あまり長くダラダラとやりすぎて、涼宮さんが退屈するのを恐れているんです」 なるほど、いい判断だ。太陽はもうすぐ水平線に着地し始めている。ハルヒのこともそうだが、俺も早く帰りたいんだ。それで、何で勝負するんだ? 「今はまだ秘密です。そうそう、涼宮さんから『古泉君も真剣にやってちょうだい!キョンを鍛え直さなきゃいけないから!』と言われましたのでね。恐れながら、本気で勝負させてもらいますよ」 古泉は笑みの中に、冷たく、鋭い視線を混入して俺に差し向けて来た。 …古泉が真剣にするということは、こっちも真剣に勝負し...
  • LOST 最終話
    最終話   「このバカキョンがぁぁぁ!!」   ハルヒの口からは悲鳴など出ずに怒号が飛び出した。そりゃもう戦国武将顔負けだ。 てっきり泣き叫ぶかと思っていた俺&長門は呆気に取られていたが、次に何かを考えようと 思ったときには俺の体は後ろに吹っ飛び黒板にぶち当たった。体の制御を受けていたので 痛みはなかったが逆にそれが心配だ。   「アンタねぇ、アタシに嘘ついたらどうなるかこないだ決めたばっかりよね?!」 あ…えぁ??…あ…喋れる   ネクタイを思いっきり掴まれる、まさに鬼の形相といった顔だ。逃げ出したいぜ。   「わけわかんないコト言ってんじゃないわよ。ちょっと待ってなさい。」 「有希。アタシは別にアンタのしたことが悪いことだとは思っていないのよ どっちが先に手を出したにしろ、アタシには関係ないもの。確かにキョンは今アタシと付き合ってる でも、そこに有希が割り込んでもアタシは別に嫌じゃない...
  • 涼宮ハルヒの我侭
    ここは文芸部部室こと我らがSOS団の溜まり場だ 朝比奈さんは今日もあられもない姿で奉仕活動に励み、長門は窓際の特等席で人を殺せそうな厚さのハードカバーを読んでいる。 俺はというと古泉と最近お気に入りのMTGを楽しんでいた――ちなみに俺のデッキは緑単の煙突主軸のコントロール、古泉は青単のリシャーダの海賊を主軸にしたコントロールだ――ここ最近は特に目立った動きもなく静かな毎日を送っていた。 ……少なくとも表面上は。だがな。 何故こんな言い回しをするかって?正直に言おう。オレ達は疲れていたんだ。ハルヒの我が侭に振り回される毎日に。 そりゃ最初のうちは楽しかったさ。宇宙人、未来人、超能力者と一緒になって事件を解決する。そんな夢物語のような日常になんだかんだ言いながらも俺は胸を踊らせたりもした。 だって、そうだろ?宇宙人と友達になれるだけでもすごいのに未来人や超能力者までもが現実に目の前に現れ...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第六話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第六話     「よ、よう長門。気分はどうだ?」  朝比奈さんが出て行ってから、数分程眠っていたのだろうか。私の額に濡れタオルを置き直してくれている彼の挨拶はいつも『よう』だ。 「…よう、キョン」 「え?あ、おう…」  なんだか彼は辟易しているようだ。いきなり彼の挨拶を真似るのは難易度が高かったようだ。  普段から制服を着崩している彼だが、今の彼は上着もネクタイも着用せず、腕も足もまくり上げるという随分寒そうな格好をして私の傍にあぐらをかいている。 「玄関マット洗うのにベランダ使わせてもらったぞ。ああ、寝たままで構わんから。お前には一生感謝してもしきれない程世話になってるんだからな。玄関マット如き何百枚でも洗ってやるさ。だから起き上がらんでいいぞ」  寝転がったままで言うのは気が引けるが、仕方ない。 「ありがとう」  玄関マットは何百枚も所有して...
  • 涼宮ハルヒのX-FILES <クリスマス・イブ>
    ストーリー参考:X-FILESシーズン6「クリスマス・イブの過ごし方」 早いもので今年ももうクリスマス・イブである。 ハルヒとX-FILE課を設置してから色々な事件があった・・・ それらの嫌なことをすべて雪が洗い流してくれると思いたい。 さて、俺のクリスマス・イブの予定だがあいにくハルヒとの 約束は無い。 なぜなら成長し朝比奈さんに似るようになった妹がクリスマス頃に 遊びに来る予定だからだ。 成長した妹との再開が楽しみであり、毎日のように顔をあわせている ハルヒから逃れるのもいいだろう・・・と、考えたのが甘かった。 クリスマス・イブの昼、ハルヒからメリーランド州のある屋敷の 前に夜来るように電話が来た。 もちろん『来なければスキナー副長官のカツラ用にあんたの髪の毛 刈るからね!』ときたもんだ。 しかし、あいかわらず上司のことを無礼に言うな、こいつ。 ~メリーランド州 古い洋館前 PM...
  • ナガト
    ナガト ~彼方から来た天才~   季節は秋。と言うのは名ばかりの、九月上旬。   未だに聞こえてくる蝉の鳴き声が、俺たちが必死に忘れようとしている残暑を、嫌でも思い出させる忌々しいスパイスとなっている。   永遠に続いて欲しかった夏休みも遂に終わってしまい、健全な高校生ならば誰しも、 また今年もこの忌々しいまでの暑さが忌々しいまでの寒さに変わるまでの、 とても今の状態からでは想像も出来ない長い長い道のりを、一日一歩ずつ、しかも勉学と言う名の向かい風を受けながら、歩いていかなければならないということに絶望を感じずにはいられないはずのこの時期に、俺たちは、学校に嬉々として登校していた。   Why?なぜかって?   OK,そう急ぐなって。まずは俺の薀蓄に耳を少しばかり傾けてくれ。   死亡遊戯と言うものを、皆さんはご存知だろうか? 昔々、どのくらい昔かって言うと、中国がまだ何十もの国...
  • カミングアウト・パニック
    ※この話は「Kへの挽歌」の設定を引き継いでます  そろそろ日課と言っても過言ではなくなってきた、俺と古泉のゲーム勝負。本日のゲームはこちらも定番になりつつある将棋である。 「ん~…と」   パチン    さて、勝負の内容はと言うと、俺の二連勝で迎えた三戦目。今回は珍しく古泉優勢のまま進んでいた。   パチン   「王手」 「むぅ…」 「しかし…静かですね」 「そうだな」  それもそのはず、ハルヒたちは女の子の買い物と言って三人で出掛けていた。  …いいことなのか、悪いことなのか…例の合コン以来、三人娘の結び付きが固くなった気がする。  お陰で男たちの肩身は狭くなるばかりだ。 「ところで…」 「なんだ?」  適当に相槌を打ちながら、すっかり冷えてしまったお茶をすする。  クソ、朝比奈さんがいないからお茶もイマイチだ。 「涼宮さんに愛の告白をしてみる気はありませんか?」 ブフゥゥゥゥゥゥゥ...
  • 長門有希の憂鬱IV 七章
      七 章   lustration どこここ     「お二人様、そろそろ披露宴会場に到着します」 俺と長門は寝ぼけ眼をして、よだれが垂れた口元を拭きつつ起き上がった。シートがふかふかであんまり気持ちがいいので二人とも眠っていたらしい。新川さんが気を利かせて景色のいいところを通ってくれてたようなのだがあいにくと夢すら見ていない。窓の外はそろそろ暮れはじめ夕日が差していた。 「ここどこですか」 「海岸沿いのリゾートホテルです」 リムジンは超高層ホテルのロータリーに止まっていた。ドアを開けて降りると潮のにおいがする。地理的には中央図書館から十五分くらいのところにあるらしい。    俺は花嫁衣裳のままの長門の手を取って車から降ろした。制服を着たドアボーイが胸に手を当てて深々とお辞儀をして俺たちを案内してくれた。長門は裾を引きずらないようにスカートをちまっとつかみ、いそいそと...
  • ナガえもん
    第一話~助けてナガえもん~   ハルヒ「あたしの言うこと聞かないなんてキョンのクセに生意気よ」 古泉「まったくその通りで」 みくる「そんなこと言ったらキョン君がかわいそうです」 キョン「いいんですよ…もう慣れましたから」 ハルヒ「罰としてジュース人数分買ってきなさい」 古泉「さすが涼宮さん、なかなかの名案かと」 キョン「やれやれ」 ハルヒ「やれやれは言うなって言ったでしょ(ポカ)」 キョン「…(グスン)(ガラガラ)(ダッ)」 みくる「…キョン君」 古泉「出て行ってしまいましたね…困ったものです」   キョン「うわーーーん」 ナガえもん「…哀れ」 キョン「ナガえもんハルヒが僕をいじめるんだ(グスン)」 ナガえもん「…そう」 キョン「『…そう』じゃなくて助けてよ」 ナガえもん「助けることはできる…しかし推奨はしない」 キョン「もういいよ…(ガラガラ)(ダッ)」   キョン「う...
  • 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(後編)
       手遅れだった。色々と。 「長門!?」 「大丈夫。情報統合思念体との連結が途切れているだけ」 どこら辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたいが、長門だから許そう。かわいいとは正義なのだ!なんて親馬鹿やってる場合じゃねえ。長門は団活時の四割り増しの無表情をしてちょこんと座席に座っていたが、俺の長門センサーはいつ倒れてもおかしくない状況だと大音量で警報を鳴らしている。これじゃあまるで雪山の再来だ。すぐにでもヒューマノイド・インターフェイス用の病院に担ぎ込みたいが、あいにくと住所が分からん。 「連結が途切れてるって、この空間のせいなのか?」 「そう。涼宮ハルヒの発生させた異空間は情報統合思念体からのいかなる干渉も一切受け付けない。原因は不明。情報統合思念体は自らの統制下にない空間が広がることに危機感を抱いている。よって主流派を含む大多数の派閥はあなたに事件解決の望みを託すことを決定した」 ヘ...
  • 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(前編)
    SIDE 古泉   僕は今、生徒会室の前に立っています。 今の時間は、生徒会長しかいないはずです。 もちろんその時間を狙って来ています。 他の生徒会メンバー……特に喜緑さんに聞かれてはまずいですからね。 コンコン   「どうぞ。」   ドアを開けると、そこにはしかめっ面の会長が一人で席に座っていました。 我々の計画の、ターゲットである存在です。   古泉「すいません。わざわざ人払いをして頂いて。」 会長「まったくだ。君達のようないかがわしい集団のために、わざわざこうして時間を割いてやっている。    私も自分の心の広さに驚いているよ。」 何を言っているのやら…… 元々はあくまで設定の上だけの敵であり、本来は私達の味方であるはず。 それなのに役に没頭しすぎて元々の立場を忘れ、本当に敵対心を持ってしまっている。 非常に愚かであると言わざるを得ません。 もっとも、ここでその感情を表に出してしま...
  • パジャマ☆パーティー
    文字サイズ小で上手く表示されると思います FRI 12:30  秋も終盤、寒さのあまり人気の無い昼休みの中庭――  えっ……本気ですか?  驚いた僕の声と、 「ああ、もしもお前が暇だったらな」  退屈そうな彼の顔。  急な呼び出しにも驚きましたが、この提案にはもっと驚かされました。  しかし――  魅力的なお誘いではありますが、恐らく涼宮さんは何か予定を立てている事でしょうし、 残念ですがお約束はできません。 「そうか、まあそうだよな」  つまらなそうな顔で立ち上がり、この場を去っていく彼を見送りつつ僕は温くなっていた ココアに手を伸ばす。  今のは冗談……にしても性質が悪いですね。  小さくなる彼の背中を見ていると、急に気持ちが焦りだす。  ……こんな事を言っても無意味だという事はわかっている。でも、無意味な事をする事に 罪は無いはずだ。  あの!  「ん」  僕の声にすぐさま振り返...
  • 普通短編20
    シュパーン!シュパーン! 「ちょ!長門いきなり何s痛っ!うわっ!」   長門の振り回すヨーヨーが俺をメッタ打ちにする。正直、かなり痛い。     「おい!一体どうしたんだ!うおっ!」     「本来、こんな形でヨーヨーを使いたくはなかった(ごめんなさい、私のファイヤーボー〇…)」     「……」 「……」     「ユニーク」 シュパーン! 「うわ!」     長門の顔は、楽しそうに微笑んでいた…         ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのみくるちゃん食べたでしょ!?」     キョン「食ったよ」     ハルヒ「じゃ、じゃあ有希は!?」     キョン「食った食った」     ハルヒ「じゃあ古泉君も冷蔵庫に入れておいたプリンも!?」     キョン「プリンは食ってねえけどな」     ハルヒ「・・・あんた妖怪だったの? ・・・あたしと付き合いなさい!//」       ...
  • Am I father ? 第五章中半
    電車を乗り継ぐ事約一時間半。俺たちは今、入園ゲートの前にいる。 涼子はもちろんのこと、長門も楽しみなようだ。その証拠にさっきからちらちらとゲートの方ばかり見ている。そういう俺も久々の遊園地で結構楽しみにしている。 自転車に乗ったおかげで何とか予定の電車に乗ることができたので、まずはなかなかの好スタートと言えるだろう。 「ねぇおとーさん。どーしてなかにはいんないの?」 確かに涼子の言うとおりである。ではなぜ未だゲートにいるのか。その理由は簡単だ。 「そりゃな、まだ遊園地が開いてないからだ」 「じゃあじゃあ、あとどのくらいでひらくの?」 時間的にはもう開く頃合なのだが・・・。 ピンポンパンポーン 「大変長らくお待たせいたしました。これより開園です」 とアナウンスが流れる。 「お、もう入れるみたいだぞ」 開園アナウンスを聞いた俺は、長門と涼子を連れてチケット販売ブースまで行って「一日乗り物乗り放...
  • SS企画ページ用・感想所
    Short Summer Vacationで泣きそうです -- 禁則事項 (2006-09-12 21 44 23) 本スレで意見するのもなんでしたので、こちらで。良作品の数々、各作者さんにGJ! -- 名無しさん (2006-09-13 09 10 54) Short Summer Vacationで泣いてしまいました・・・書いた人は神!良作サンクスwww -- 名無しさん (2006-09-13 18 36 11) Short Summer Vacation を間違えてエピローグから読んだ俺は負け組。でも良かった -- 名無しさん (2006-09-14 01 38 24) Short Summer Vacationの作者GJ!ただ、キーワードが意味なくね「夏」って単語が入ってればそればいいの? -- 名無しさん (2006-09-15 00 46 39...
  • 無限の結論
    もう見慣れてしまったこの風景。 無限の剣。 無限の荒野。 そこに、 「うわっ!」 「ふえぇぇぇ!?」 見慣れない、三つの影。 「な!?朝比奈さん!長門!何でここに!?」 うむむ、おかしいな。ちゃんと回りは確認したのに。…ああ、そうか。長門が不可視フィールドを展開してたのか。 「あの…無視しないでいただけますか?」 いや、まあ、何となく閉鎖空間に近いからお前はいても驚かなかっただけなんだよ。何となく入り込めそうな気がするし。 「それは無理ですね。ここは閉鎖空間と似てますが根本は違うものみたいですし。どちらかと言えば…そうですね、コンピュータ研の部長氏のときのものに近いですね」 そうなのか…って心を勝手に読むな。俺は口に出してないぞ、そんなこと。 「まあ、とにかく…ここは何なんですか?」 「…簡単に言えば、俺の閉鎖空間だ」 俺の言葉に、古泉はわざとらしくほう、と呟いた。 「ええと…つまり、ここ...
  • 団活、事件、図書館にて
       現状を説明しよう。  今、俺のわき腹―ちょうど肋骨の下辺り、すなわち肝臓だろう―部分にナイフが刺さっている。  は? 何だそれ?  んなことを思ってるのはわかるが、俺からするとかなり切実な状況だ。何より黄昏の教室と某同級生兼委員長兼対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースを思い出しちまう。ヤダね。  とりあえず俺からすると1ミリ秒の余裕もないが、物語を進めるためだ、仕方ない。回想スタート。その前に一旦、タイトルコール入りま~す。                     【団活、事件、図書館にて】                       「図書館へ行きましょう!」   「は?」    放課後、俺がSOS団団室―正確には文芸部部室だが―へ到着し、入室した最初の会話がこれだ。  ドアを開けると、そこにはいつもであれば居ないか、団長席にどかっと座っているのが常のSOS団団長...
  • 一日団長権
    放課後。いつも通りに団活『で』精を出すべく文芸部室のドアを開けると、やや頬を赤らめた仁王立ちの団長様がビシッと人差し指を突きつけてきた。 「遅いっ!罰金っ!」 同じクラスで一緒に終礼したのに、なんでお前はそんなに早く着いてるんだよ。 なんにせよ、今日も体で罰金を払わされるらしい。やれやれ。   ・・・・・・・・・・・・   さてさて、わが青春の団活が性春の団活へと変わってしまった原因は、俺が完勝を収めてしまった先日の『一日団長権争奪オセロ大会』にまで遡る。 言うまでもないが、いくら日ごろ古泉と不毛な特訓を重ねているとはいえ、 一般人代表たる俺が瞬時に∞通りの手を読み切るはずの宇宙人にも圧勝してしまったのは、ひとえに、どこぞの神様の無意識がなせる業であろう。 それはともかく、トーナメント戦、勝ち抜き戦、総当たり戦のすべてに勝利した俺は、 アヒル口でブーたれる団長様から、しぶしぶ翌日の放課後を...
  • サイレント・ホスピタル
    「そこにもう一つ、ソファーが欲しいわね」 それは、ハルヒのそんな一言から始まった惨事だった。 ハルヒのその一言のせいで、俺は古泉と二人でこのソファーを部室まで運ぶことになった。 学校に余ってるソファーがあったのは不幸中の幸いだ。ここに無ければハルヒは外まで探しに行かせるか、悪ければ新品を買わされることになったかも知れん。俺の自腹で。 しかし、こんなくそ重いソファーを持たされてよくそんな顔してられるな、古泉。仏の顔も三度までと言うが、こいつは何度何をやってもスマイル顔のままだろう。少々薄気味悪いが。 「遅い!何やってるの二人共!ちゃっちゃと運んじゃって!」 やっとの思いで部室棟の階段を半分上ると、ハルヒが上の階から怒鳴ってきた。やかましい。 相手は女というだけに「交代しろ」とも言い難い。忌々しい。 「はいはい・・・」 そう言うことしか出来ない自分を非常に情けなく思うね。 そして、事件が起...
  • H・M・N 三つ巴戦争?
    -SOS団部室前- キョン「チィーッス……おや?誰もおらんでは無いか」 と俺の鞄を机の上に置いて、椅子に座った。 キョン「しかし、まぁ…暇だな」 やる事が無いので寝る事にしよう 一時間後 ハルヒ「やぁっほー!って、あれ?キョンだけ?」 よくよく見れば寝てるじゃないの…可愛い寝顔d… はっ!何考えてるのかしら、あたしは! でも、何かやる事無いのよね… と、そこに、デジカメ見つけた。 これで、キョンの寝顔撮ろうかしら…また寝顔コレクション増えちゃうわね… と思いながらも何度も撮ってるあたしがいる さて、飽きたわね…そういえば、あの夢の事思い出したな… そう、キスした夢を …誰もいないし、キョンが寝てるからしようかな… と、あたしは、キョンの顔へ近づく… すると! みくる「そこまでです!」 長門「…ストップ」 !?…いつから、そこに!? みくる「涼宮さんが、撮って飽きた所です」 ...
  • 橘京子の動揺(捜査編)
    「あふ……ふあ…………おはようごらいますぅ…………んんっ……こころほれすかぁ?」  会長宅の、とある客室。  食前酒で泥酔状態になると言う不祥事を起こした橘京子。彼女が次に意識を取り戻したのは、そのベッドの上だった。 「起きたか。ようやく」  やれやれと呟きながら、俺は座っていた椅子から腰を上げ、ベッドでもぞもぞしている彼女の元へと立ち寄った。  俺だけではない。心配そうな顔で彼女の様子を見守る藤原、そして無表情ながらもどこか彼女を気にかけたような態度を見せる九曜、そして何時に無く真剣な顔をする古泉も一緒である。 「気分はどうですか、橘さん」 「ひああ……ちょっと頭がクラクラしますぅ……」  そらまあそうだろう。何でかと言えば、 「食前酒とはいえコアントローを原酒のまま飲むなんて、無謀にも程があります」 「うう……だって良い匂いがしてたから……」 「良い匂いがしようと口当たりが良くて...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦  ―争奪戦当日~開会式・適性検査~ ―
    「れでぃーす えぁんど じぇんとるめん 皆様 めがっさながっっらくお待たせしたっかな? 只今より 『SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦』を 開催しちゃうっさー!!」 鼓膜が張り裂けそうな程の声をあげ、鶴屋さんは開会宣言をした。 時は8月7日。争奪戦当日となった。ハルヒの機嫌の様に雲一つ無く、絶好の天候となったようだ。 会場は鶴屋邸の一角にある庭園である。鶴屋さんも面白いことには飢えているのだろうか、二つ返事で協力を了承してくれた。 学校内で行うにはリスクがありすぎるからな。生徒会への根回しも杞憂に終わったな。古泉。 鶴屋さんは場所だけでなく、会場や必要な大道具・小道具・機材・人材を確保してくれた。その上、進んで司会まで努めてくれた。さすがは名誉顧問である。 『なぁに、他ならぬハルにゃんの頼みだからね!聞かないわけにはいかないっさ!ハルにゃんは大勝負に出たみたいだから尚更だね! ...
  • 長門有希の報告Report.18
    Report.18 長門有希の憂鬱 その7 ~朝比奈みくるの報告(後編)~  あたしの照準でたらめな『みくるビーム』は、それでも開戦を告げる合図にはなったようです。  あたしが視線を巡らせた辺りには、焦げ目の付いた人型が多数現れました。……自分で撃っといて何ですけど、すごい威力です。こんなものを無意識に撃てるよう改造しちゃうんだから、やっぱり涼宮さんはすごいとしか言いようがないです。  空中では、古泉くんの赤い軌跡が幾つもの緑色の軌跡と激しくぶつかり合っていました。あまりにも速過ぎて、目で追うのは無理です。  敵航空戦力はとりあえず古泉くんにまかせることとし、あたし達地上部隊は敵地上戦力を叩くことに集中します。戦法は、あたしと喜緑さんの砲撃で姿を表した近距離の敵を、キョンくんが短機関銃のフルオート射撃で片っ端から倒すだけ。単純明快です。 「弾切れせえへん銃って、ゲームに出てくる隠し武...
  • 間違いだらけの文化祭 Scene4
     ぐったりした俺にひきかえ、佐々木は通常モードだ。  なんだか、散歩したくないのに飼い主によって我侭放題あちこち引きずり回された犬の気分だぜ。  まあ佐々木は別に暴君ではないのだが。  俺はガラステーブルに乗っているお茶を掴んで残りを飲み干した。  佐々木が途中で持ってきてくれたやつだ。馴染みのない味だが、嫌いではない。  ちょうどよく差し出された手にグラスを渡す。  受け取った佐々木は、お盆に空のグラスを2つ乗せた。    佐々木に促されるまま階下に降りてダイニングに移る。  佐々木の部屋よりさらに広い。  大きいテーブルにあわせて椅子がいくつもあるが、人がいないせいか寂しく感じられた。 「適当に座って。何か食べたいものはある?」 「任せる」 「嫌いな物は?」  俺は食べたくない物をいくつか挙げた。 「じゃあ、そのフルコースにするよ」 「おいおい」 「キミは任せると言った。早くも前言撤回...
  • 幻惑小説 第三頁
      ◇◇◇◇◇    小説内での十二月二日が休みだったから、わたしはなんとなく予測出来ていた。午前七時五十五分、涼宮ハルヒからの連絡。  やはり今日の不思議探索は中止になった。理由はメンバーのみんなが疲労しているから。でもこれで、今日一日は読書に集中出来る。   ********************************************************************************************************************************    彼女は今日、彼を駅前に誘った。他の誰にも内緒で。  理由は何でも良かった。この行動は彼女がただ、彼と二人っきりで会いたいと思ってしたこと。   ***************************************************************...
  • Starry Sentimental Venus 1
    目次     未来ってーのは柑橘系の香りがするらしい。 きっと纏めてしまえばそれだけの話。     六月三十日、茹だる様な暑さは夏の到来をこれでもかと声高に俺へ教えてくれる。 季節は初夏。とは言いながらも一週間の内に日本列島のあちこちでは真夏日がちらほら見掛けられたりと中々に季節感溢れる今日この頃である。最近よく耳にする地球温暖化とやらの影響だろうか。 冬の頃こそもっと温暖化を全世界的に進めるべきだなどと下らない事を内心思わないでもなかった俺だが、そのツケとでも言うべきか俺の疚(ヤマ)しい考えに天罰を下そうと空の上の何かが考えたのかは知らないが……シャツが肌に張り付くのは気持ち悪い事この上ないぞ。 ああ、馬鹿な考えは今日を限りで悔い改めますのでどうか太陽さんよ、ここらでのんびり長期休暇でも取ってみたらどうだい? 窓際後方二番目というポジションは、頼んでもいないのに日焼けサロンに通って...
  • 涼宮ハルヒが大学生になったんだってさ
    高校を卒業してから、はや1年。 あのうるさいハルヒと別の大学に行ったおかげで 俺はめでたく宇宙人も未来人も超能力者もいない普通の日々を手にいれた ハルヒいわく「SOS団は永久に不滅なのよ!」とのことだが、 活動の根城であった文芸部室では現在、北高の新1年生数名が文芸部として活動している。 あるべき姿に戻ったとも言うべきだが、いまの部室にはガスコンロや湯飲みはない。 朝比奈さんが着ていた華やかな衣装も、コンピ研からかっぱらってきたパソコンもない、 普通の部室になっている。 昔のハルヒなら「ここはSOS団のアジトなのよ!」と部室を強引に不法占拠しただろうが、 楽しそうに活動する現部員、つまり後輩の様子を見ているとそんな気にもならないらしい。 拠点を持たない現在のSOS団にはどこか勢いがないと言うか、ごく普通の仲良しグループとなっている。 いつもの喫茶店に集まり、みんなで市内探索をしたり、イベン...
  • アインザムカイト・ツヴァイザムカイト
          ―…… ―…… ―……あなたは誰 「……長門有希」 ―……同期失敗。対象をインターフェース『パーソナルネーム長門有希』の異時間同位体と認証できず。もう一度聞く。あなたは誰 「ナガトユキ」 ―質問を変更する。あなたの存在する時間平面及びその時系列上の情報統合思念体があなた……長門有希に出した指示は何 「……」 ―情報統合思念体の自律進化を実現するために必要な情報を極めて高い可能性で所有する一知的有機生命体の観測、場合によっては保護。それが対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースとしての、わたしの存在意義 「……」 ―訂正。対象を暫定的に「異時空間同位体」と仮定義 「あなたはわたしと同じ。長門有希。でも違う」 ―ノイズ発生。無視できる程度 「一番奥の、一番大切なところが違う」 ―ノイズ発生。処理速度著しく低下。原因解析不可 「……あなたは誰。わたしと何が違うの」 ―エ...
  • キョン100%(1)
    3学期も始まりそろそろ春も近くに感じ始めたある日のこと。 俺はまた新たな懸案事項を抱えていた。 この日は昼休みの何気ない谷口との会話から始まった。 「なぁキョン。おまえ深夜アニメとか最近観てるか?」 「いや、観てねえよ。夜は寝るのが一番だ。」 「俺は昨日観たんだがどうも最近のアニメは現実離れしすぎてる。俺が昨日観たやつなんて主人公の男が美女にモテモテって話でよぉ、しかも女が積極的ときたもんだ。」 「そうかい」 谷口のこんなどうでもいい話、この時谷口に詳しく聞いておけばこの日は平穏に過ごすことができたかもしれない。 谷口との何気ない会話を終えた俺は何故か無性に散歩がしたくなり校内を歩き始めた。 明日は土曜日だ。今日は夜更かしでもするか。などと連休のプランを考えながら歩いてると俺はいつの間にか部室の前に来ていた。 ふと長門のことを考えながら開けるとそこにはやはり椅子に腰かけ膝の上で分厚い...
  • 脇役サミット
    【1】サミット開幕   皆さん。初めての方は初めまして。初めてでない方はこんにちは。まあなんだ、初めての方が居られるとしたら原作をきちんと読め、といいたいところだけど、いまひとつ存在感のない僕がそんなことを言うと自意識過剰かそれとも負け組の僻み、皮肉か。それはさておいて。 あどけないベビーフェイスと闇より黒い腹、心でお馴染みの名脇役、国木田です。 フルネームは禁則事項なんだ。どうしても気になったら谷川流か京アニか、とにかく君の納得の行くまで調べてみたらいいんじゃないかな?どうせ答えは出ないけどね、ブツブツ…   今回は特別に僕の発案で『涼宮ハルヒの憂鬱・脇役サミット』略して脇役サミットを開催させていただこうと思う。全然略せていないような気がする、という意見は申し訳ないがスルーしよう。 僕を筆頭に、多くの脇役がこの物語で不遇の扱いを受けている。心象描写も台詞も登場シーンも少ないが故...
  • 涼宮ハルヒの邁進 その5
     ………………  …………  ……  俺は流れているのかも、止まっているのかもわからない気色の悪い浮遊感に身をゆだねていた。  この感覚がタイムスリップって奴なんだろうか? しかし、目の前が真っ暗、というより光を認識できないので 何も見えず何も感じられない。 『このままあなたの意識情報をあなたの有機生体に戻す』  長門の声に、孤独感が解消されたのを感じつつ、俺の置かれている状況が何となく理解できた。 俺の意識だけがどこかにとばされているらしい。幽体離脱って言うのはこういう感覚なのか。まだ三途の川は渡りたくないんだが。 しばらくこの状態が続くのか? 『長くはない。じきに移送が完了する』  そうか。ならちょうどいい。いい加減何が何だかさっぱりだから解説の一つもしてくれないか? このままだとまたパニックになっちまいそうだ。 『わかった』  長門の了承を確認した俺は、聞きたいことを整理しつつ、質問...
  • @wiki全体から「スノースマイル・バースデイ 最終話」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索