涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「スノースマイル・バースデイ1」で検索した結果

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  • スノースマイル・バースデイ
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  • スノースマイル・バースデイ1
    闇。一面の。 ひたりと沈ませた脚の先に、蜿蜒と伸びる道。振り返るも同じだった。進む先も、同じ。 永劫に終わらないのかもしれないと、思いながらわたしは行く果てを目指している。 上がり下がり、曲折し、歪曲し、相乗する。記憶が霞むほど永い旅路だった。 やがて小さな一室に辿り着いたとき、わたしは途方もない刻を経ていた。混迷に導かれた様に、意識が覚束なくなっている。四角に切り取られた暗黒が入室を促して、ぽっかりと口を開けていた。 かつり。 踏み込んだ先に、目に入ったものはそう多くなかった。室そのものは、全体的に薄暗く判然としない。 中央に据え置かれた黒塗りの光沢ある棺桶、腰掛けた男。其処に在ったのはそれがすべてだった。 長い足を交差させ、腕を組んでいたその男は、此方に気付き笑ったようだった。 「こんにちは」 「――こんにちは」 「お待ちしていました」 手を広げ、歓迎の合図を示し、楽しげな男。けれ...
  • スノースマイル・バースデイ 最終話
    高低入乱れた音が、一つの歌を丹念に唄いあげる。 ハッピーバースデイトューユー、ポピュラーでシンプルながら、想い響き合う、長門に捧げられた祝詞の歌。 文芸部室は閉め切られ、暗がりにぼんやりと浮かぶのは不安定だが暖かい蝋燭の火だ。 曲が終わったらそれを区切りにケーキの上の蝋燭の火を吹き消すように言われていた長門有希は、いつもの面子が円陣となり見守る中、微弱な吐息を送り込んだ。カラフルな四本の柱に揺れていた小さな火がふっと消えると、控えていたクラッカーが出番とばかりに大きく弾け、花火のような色とりどりの紙吹雪を撒き散らした。 頃合を見計らってタイミング良く押された電灯のスイッチに部室の様相は明るく早変わりし、光浴びた全員の表情が露になる。 例外なく、皆、零れんばかりの笑顔が輝いていた。彼等の大きな大きな、深呼吸の後の大合唱。 「「―――誕生日おめでとうっ!」」 高らかな歓待の声が響き、室内...
  • スノースマイル・バースデイ4
    古泉一樹だった。 長門の前に立つ――世の男子生徒からすれば嫌味な程にすらりと伸びた体躯、やや日本人離れした整った目鼻立ち。古泉を古泉足らしめる優美な微笑みは、馴染みのブレザーの制服姿で、夕火を背景に溶け込ませても一枚絵のように様になる。どれ一つとして変わりなく其処に、生きて、其処にあった。 古泉は長門の微細な表情の転換を見守り、確信を得たように、その笑みに儚さを付加していた。己が幽霊であることにひっそりと、得心が入ったというように。 「正直半信半疑だったのですが……あなたのその様子を見る限り、やはり、僕は今この時には既に生きてはいないようですね」 「――あなたは」 長門は、呟いた。今は単体としての力しかないとはいえ、長門の能力を以ってすれば察知は容易だった。 空間転移による、通常の人間なら感知できない身体の変質。 「昨日の、あなた」 「はい。――流石、長門さんですね」 古泉は笑みを...
  • スノースマイル・バースデイ6
    「――到着です」 軽やかなみくるの声が合図となり、長門はフローリングの床に降り立った。結んでいた手を解く。 放課後の無人の文芸部部室。PCが鎮座し、書棚がひとつ隅に固定され、多種の衣服がハンガーに掛けられたクローゼットに大きなテーブルが全体を占める。昨日活動を早々に終了した後の、団員が居ない事を除けば変わりのない物寂しい一室だった。 今日この日も、賑やかに彼等は笑い合っていたのだ。誕生日パーティーの段取りを打ち合わせ、帰って行った彼らに影が落ちることなど誰が想像しただろう。 「私が手伝いを許されているのは、長門さんをこの時間平面に連れてくることだけです」 申し訳なさそうに俯くみくるは、ぎゅっとスーツを引っ張って口惜しげだった。彼女は未来の指示に従ってしか基本的な事柄に接触することも許されない、自由なようで誰よりも不自由な立場にある。――これらの総てが未来人の思惑の内としても、長門は彼女...
  • スノースマイル・バースデイ8
    ―――ひとひら春の日に舞い降りる、それは、雪のように。 奇蹟はありふれて此の世に降り立つ。 綺麗に晴れた水色の空が、世界に被さる様に続いている。吹き寄せる優しい風には、寒さを抜け切れない冷たさをも和らげる、柔和な春の光が溢れている。 見知らぬ僻地、見知らぬ定刻。 向き合う少女と少女が、出遭った。一人はまだ彼女自身の名を獲得する以前、一人は幽霊を自称していた為に、名を明かしはしなかったのだけれど。 「どこへでも行くことはできます。あなたの行きたい場所はどこですか?」 天使と見紛う、清純で愛らしい笑顔を、幽霊の少女は表情を作る機能のない少女に与えた。少女は生み出されて間もなくであり、人との直接的な接触は初めてのことだった。無機物の如く、彫像のように立ち尽くす彼女を諭すように幽霊の少女は告げる。何もかもを終えて遣り切った事に対する誇らしげな瞳が、長らく共闘し触れ合い、歩んで来た者に対し...
  • スノースマイル・バースデイ2
    長門有希は、疑っていなかった。どれだけ人が脆弱であるか、どれだけ人が宇宙の知性から育まれたヒューマノイドインターフェースとは根本から異なっていることを知っていても。 また明日に、と微笑んだ古泉一樹の微笑を。 誕生日。欣快の至りとなるであろう、愛すべき時間が訪れるだろうことを、少しも。 「……『転校』……?」 ハルヒの、呆然とした呟きが、文芸部室に反響する。無理もない、凡そ信じられないような出来事が、感知しないところで巻き起こっていたことをたった今、知らされたばかりなのだから。――それでも、ハルヒの立ち直りはまだ早かったと言えただろう。自失が怒りに取って代わるのは言葉を理解した上での反抗だ。認めない、という一心の感情。 「馬鹿言ってんじゃないわよキョン!古泉くんがそんな急に転校なんかする訳ないじゃない!古泉くんはSOS団副団長なのよ!?」 「俺にも詳しい話は分からん!ただ、あい...
  • スノースマイル・バースデイ7
    朝倉涼子が輪郭線を完全に喪い、跡形も残さず消滅する。 長門の与えた彼女へのラストワードが、消え失せ乖離してゆく彼女の鼓膜にまで届いたかどうか、確かめる術は最早ない。己の力で滅した元同胞に対し長門が覚えた感情は、単純な勝利への喜びに満ちて終われるものではなかった。 他に選びようがなかったとはいえ、後味の悪さは付随する。葬った彼女に対し、寂寞と羨望を抱いていたかつての己を長門は思った。 言うなれば彼女は模範だったのだ。 後退して行く未来を憂いて、思念体の意向に反した行動を取った。ヒューマノイドインターフェースとしては欠落しているようでいて、其の実どの情報端末より活き活きと「人間」の感情を、それは主に負に傾いたものではあったけれども、自前のものとして持ち合わせていた。朝倉当人は、その事実を自覚しきらぬままに。 朝倉によって改変されていた空間情報は、スノードーム内に組まれていたプログラムによ...
  • スノースマイル・バースデイ3
    泣き喚いて森に掴み掛かるように、その言葉を即座に現実のものとして当て嵌め、喪失への激情を露にすることのできた者はいなかった。――彼等は放心していた。長門有希までもが、そうだった。 「私は皆様に、謝罪しなければなりません」 森の声はあくまで起伏のない、義務を読み上げる事務員のような代物だったが、其処にどんな感情が眠っているのか、少年には読み取ることができなかった。泣き腫らした痕跡でもあれば、分かり易く彼女の悲しみを察せられたのかもしれない。けれど、保護対象としてきた彼等の前でそんな醜態を晒すような愚を犯す森園生ではなく、また彼女が機関のプロフェッショナルであることを彼らはよく知っていた。 「昨夜のことです。機関内部で、大規模なクーデターが発生しました」 「クー、デター……?」 みくるの鸚鵡返しに、森は肯定を返す。 「我等も長い時をかける間に、一枚岩ではなくなっていました。派閥が絡み合っ...
  • スノースマイル・バースデイ5
    わたしには行く充てがなかった。 わたしには名がなかった。 名のないわたしは虚無であり、其処に在ることも認められない異端だった。 ――名前がないから幽霊なのだと、少女は告げた。微笑んだ少女はわたしを知っているようだ。銀河系に分布する闇の様にくっきりとした黒い瞳が瞬いて、星屑の発光の様に極小の瞳孔が同意を求めわたしに迫った。 「あなたも同じでしょう」 そうかもしれない。わたしは確かに幽霊だった。幽霊と会話する幽霊は、わたししかいなかった。 「どこへでも行くことはできます。あなたの行きたい場所はどこですか?」 義務。役割。意味。存在の証明。第一に掲げねばならぬもの。持っていた筈の答えを、少女が明かす。わたしに彼女が翳してみせる。 風が温かく、日差しは柔らかだった。わたしは微睡みに落ち掛けていた眼を覚まされた。美しい水色の空に、銀色の光を少女は与えてくれたのだ。 「××××へ行こうと思って...
  • 長編・長門有希2
    長門有希の憂鬱Ⅰ ユキ×ムネ 『Hirundo rustica』 恋する?いちご練乳 すき焼きミッドナイト 長門有希の憂鬱II 長門有希の些細な願望 雪、無音、窓辺にて。 長門有希の憂鬱III 3つの選択肢 長門有希 銀河を超えた戦い(スターウォーズクロス) 文芸部室の幽霊 もうこんなのいやだ 長門有希の変化 もう一つの12月18日 スノースマイル・バースデイ 白有希姫 Different World s Inhabitants YUKI 長門有希の雨雫 長門有希への復讐  ※微オリキャラ注意 幻惑小説 Close Ties(クロース・タイズ) センター前日 涼宮ハルヒの経営I 射手座の日、再び 寡黙大騒動 「こわれもの」(陰謀でのフラクラが許せず) 想い出は、雪とともに 春先の風物詩 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱 長門有希の再会 長門有希の三日間 おかえり、ただいま。 長門有希の失踪...
  • 一樹ちゃん☆スマイル
    一樹ちゃん☆スマイル ぷろろーぐ 一樹ちゃん☆スマイル すまいりーがーる
  • デスノート谷口
    谷口「国木田、帰ろうぜ」 国木田「ごめん、ちょっと用事があるから先に帰ってて」 谷口「おう、じゃあな」 俺の名は谷口。 今日は一人で帰る事になった俺。 なんか面白いことないかね と、思っていたら・・・・ なんだこのノート DEATH・・・・NOTE・・・・ デスノート!? あのデスノートか? 本物かな?ラッキー! 意気揚々と俺は家に帰っていった・・・・・・ デスノート・・・・・ 名前を書くと死んでしまう死神のノートか・・・・ でも悪戯かもしんないしなぁ・・・・ まぁいいや、誰かの名前書いてみっか・・・・ できるだけ、俺とは関係ない人物・・・・ しかも死んでもいい人間 『大好きだった野球だけど止めるよ・・・・・・ 山本ぉ、球団なくなっちゃったよぉ やっぱりやる!』 こいつだ! 翌日・・・・・・ 俺はテレビを見て驚嘆した。 『萩本欽一氏死亡!』 マジで?うっわー、あのノート本...
  • 長編・古泉一樹
    古泉一樹無題1 ウィザード オブ サムデイ ウィザード オブ レニーデイ 古泉一樹 EP.0 古泉一樹 EP.0.5 墓地にて 晴れのち快晴 ある日の出来事 古泉一樹の結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の...
  • スノーホワイト・レクイエム 
    スノーホワイト・レクイエム スノーホワイト・レクイエム2 スノーホワイト・レクイエム3 スノーホワイト・レクイエム4 スノーホワイト・レクイエム5 スノーホワイト・レクイエム6 スノーホワイト・レクイエム7 スノーホワイト・レクイエム8 スノーホワイト・レクイエム最終話
  • スノーネイムド・マーメイド
      ※『人魚姫』を基にしたパロディです 片思い連鎖をテーマにしています。苦手な方は御注意ください。 (また、中盤以降に古長描写を含む予定です) スノーネイムド・マーメイド 序 スノーネイムド・マーメイド 1 スノーネイムド・マーメイド 2 スノーネイムド・マーメイド 3
  • ~涼宮ハルヒがデスノートを拾ったら~
    「あら、なにかしらこれ。」 私が下校の途中、道端に一冊の黒塗りのノートが落ちていた。 「デス・・・ノート?」 ノートの表面にはそう書かれていた。 「日記帳に使ってたノートも無くなっちゃたし、これ新品みたい  だからこれ使おっと♪」 私はとりあえずノートをカバンの中に入れ帰宅した。   自宅でノートを開いてみると、1ページ目に英語が書かれていたわ。 でもやたら読みづらそうな字体だし、第一こんなもの読んだ所で 何がいいのか分からなかったから、読まなかった。   切れた前の日記帳の続きから書き込んでみた。 ○月×日 古臭い、つまらない毎日!おもしろい事って 泉みたいに湧いて出てこないの? 一つぐらいあったっていいじゃない!不思議のなる 樹ってないの?ま、そんなのあったらそれこそ不思議だけど。 ---次の日--- ハルヒ「やっほー。あら、今日は古泉君休み?」 キョン「聞いてないのかハルヒ・・・...
  • 幻惑小説 エピローグ
      ◆◆◆◆◆    長門がこの空間の消去を承諾してくれ、俺たちは光に包まれながら元の世界へ戻った。 「……! キョンくん!」 「長門さんも……!」 「皆さん……待っていてくれたんですか。」 「もちろんです。」 「キョンくん、長門さん……戻ってきてくれてありがとう。」 「長門さん……無事で、本当に良かった……」 「……喜緑江美里……」  喜緑さんが無言で長門を抱きしめる。涙腺の崩壊を誘いそうなツーショットだ。 「やはりあなたなら、大丈夫だと思っていましたよ。」 「なんとか……だったがな。」 「我々は一度ならず二度までもあなたにこの世界を助けてもらいました。本当に感謝しています。」  俺はこのまま閉鎖空間が増え続けると世界は全て閉鎖空間に侵されてしまうことを説明された。またそんな大層なことをやってのけちまったのか。 「……さあ、涼宮さんがお目覚めになる前にわたしたちは帰りましょう、新川。」 ...
  • アンチ・アナル・レジスタンス
     もううんざりだ。  何がうんざりかって? このケツの穴がひりひりする毎日のことだ。 原因は狂気に染まった目で俺を狙い隙あらばアナルめがけて襲いかかってくるあのホモ古泉。 大体超能力者じゃなかったのかあいつは。いつのまにあんな暴走変態野郎に成り下がったんだ。 ハルヒもかすむほどの行動力で、もはや主役交代といってもいい。  そもそも今のこの世界は明らかに狂っている。朝比奈さんは何か黒いし、鶴屋さんはあれだし、 長門も明らかにおかしい。ハルヒだってそうだ。今までズルズルとつきあわされちまったが、もう我慢ならねえ。  だから俺はここに宣言する。今こそ抵抗活動――レジスタンスとして俺は立ち上がるんだ。 この狂った世界を元の平和な世界に作り直すための抵抗運動なのだ。まず最初の標的は古泉。 おかしくなった奴の中でもっとも苛烈な変化を遂げている。奴をどうにかしなければ、正常化なんて絶対無理無理カタツムリ...
  • バンプ·狂
    先日、ゴールデンウィークをハルヒに無理難題な予定にされる前に予め〝機関〟に提供された某バンドのライブチケットを受け取った俺たちだったが… みんなで福岡公演を観に行った帰りまでに、俺を含め、SOS団全員が見事にハマってしまった。 キョン「やっぱり、天体観測じゃないのか?」 ハルヒ「何言ってんのよ、 グローリアスレボリューションに決まってるじゃないッ!!」 古泉「…お言葉ですが涼宮さん、彼らの集大成はオログ以外考えられないかと」 みくる「私は、とっておきの唄が一番だとおもいましゅ…」 長門「アルエに決まっている。藤くんは私の嫁」 長い休日を終えた後でも、放課後の文芸部室はそのバンドのライブに行って以来、こんなかんじで、いつも同じ話題で口論を繰り広げている。 何がそんなに面白いのかって?…まぁ、聴いてみれば分かるさ。とにかく歌詞の良さがはんぱじ...
  • サムデイ イン ザ サニー
          「あーづーいー・・・ああもうっ、キョン!あんた雑用でしょ、何とかしなさいよ!」 「うるさい、俺だって暑くて死にそうなんだよ。それに雑用って何の関係があるんだ」   ・・・・・・夏。 ・・・・・・暑い。 ・・・・・・死んでしまう。 その日を一言で表すなら、そんな言葉しか浮かばないような日だった。     ~サムデイ イン ザ サニー~ 「あー、死ぬー」 そんな事をブツブツ言いながら机に突っ伏しているのは何を隠そう我らが団長・涼宮ハルヒである。 地球の気温が年々上昇し続けているというのは今やごく当たり前の話だがそれはこの県立北高文芸部室も例外ではないらしく、太陽は暖かいを通り越してもう灼熱地獄でしかない日差しやら紫外線やらその他いらない放射線やらを無慈悲に俺たちに浴びせていた。 「確かに、流石にこれは・・・堪えますね」 オセロのボードを挟んで俺の正面に座っている古泉も、石を...
  • 一樹ちゃん☆スマイル ぷろろーぐ
     わたしの名前は古泉一樹。  どこにでもいる、普通の、って言ったら語弊があるけれど、有る特殊能力を除けば、そんなに変わったところの無い15歳の女の子かな。  わたしの持っている特殊能力は二つ  一つは『涼宮ハルヒ』が閉鎖空間を発生させた時に表れる神人を退治する能力。  もう一つは、自分の外見の性別を変える能力。  前者はともかく、後者の能力がどういう意味を持つのかは、わたしもよく知らない。  わたしは別に男の子になりたいというわけでもないし、男の子の姿になってやりたいことがあるわけでもないし……、それに、性別を変えられると言っても特定の外見になれるだけだから、あんまりメリットも無い。  まあ、それを言ったら前者の能力にもわたし自身に対するメリットなんて殆ど無いんだけど。……でも、こっちは一応、その能力が存在すること自体の意味とか関連性って物を見出すことは出来るんだよね。でも、後者について...
  • 題名付き・普通短編2
    ある晴れた休日(キョン&古泉) 「LOVE」 お客様は宇宙人 ドライブ セリフ九割で展開してみた~こいずみくんはガチじゃない~ エンドレス・エラー 蝉しぐれ Kへの挽歌 カミングアウト・パニック スマイル 台風の溜息 涼宮ハルヒの創世秘話 一万年と二千年前から キョンの評価 普通?の高校生の会話 長門さんはロッテに興味を持ったようです。 コーヒーシリーズ 機関の事情 酒乱女 前兆 キョンの子育て奮闘記 彼は団の緩衝材 『ビール×月見酒×オールスター球技大会ポロリもあるよ』(喜緑さん×生徒会長) 生徒会長の不良3人の倒し方 古泉一樹の苦笑 燃えろ!球技大会! やや黒古泉 切ない同窓会 白雪姫の真相 彼岸花……その花言葉は…… ちょっとみくる救済保守 ある曇った日のこと 無限輪舞 マッガーレで保守 古泉一樹のピロートーク もしくは、長門有希と古泉一樹の作戦会議 早すぎるリハーサル。 恋ってな...
  • 古泉一樹の欲望
    時は放課後。場は文芸部室。もとい、SOS団室。 今、俺と古泉はオセロでまさに一進一退の均衡のとれた試合を展開している・・・・。 というのは嘘だ、騙してスマン。俺の独壇場だ。 窓際にはいつものように本を静かに読んでいる長門がいる。 朝比奈さんはまだ来てない。早く来ておいしいお茶をください。 ・・・・・・というわけで、SOS団室はとても静かだ。 ハルヒ?あぁ、あいつならさっきランダエダに勝つ!とか高らかに宣言してボクシング部に挑みにいったよ。 なぜかは知らんが。たぶんランダエダっていう名前が宇宙人っぽかったからだろう。 ボクシング部なんてあったか?それに、うちのボクシング部にはランダエダなんかいねぇぞ。 …………まぁ、いい。 俺は視点をマス目の盤上に戻した。 「ところで古泉。さっきの賭け、忘れてないだろうな」 「はい、もちろん忘れてなんかいませんよ。」 古泉はそう言っていつものスマイル...
  • 虫歯と歯医者 
    昼休み急に歯が痛くなった俺は谷口と国木田に別れをつげ気分転換に校内をぶらつくことにした 屋上にあがると古泉が相変わらずのスマイルで俺を出迎えた 「こんにちは、浮かない顔ですがどうかされましたか」 あぁ実は歯が痛くてな、この前の歯科検診では問題なかったのに急に痛み出したんだ 「それは災難ですね、よろしければ知り合いの歯科医を紹介しましょうか?」 どうせ機関御用達なんだろ遠慮しておく、それに今日は保険証持ってきてないしな ところでそういうお前も心なしか疲れているように見えるぞ 古泉のいつものスマイルもいささか曇りがちにみえた 「ええまぁこのところ断続的に閉鎖空間が発生してまして」 確かにハルヒはこのところ時々黙り込んでいるときがあるが、で今度は何が原因なんだ? 「原因は虫歯です、この前の歯科検診で見つかったとか」 あぁそういえばハルヒがそんな話をしていたな、虫歯が痛くて閉鎖空間とはね 俺もそ...
  • 長編・涼宮ハルヒ
    涼宮ハルヒ無題1 涼宮ハルヒ無題3 涼宮ハルヒの停学 涼宮ハルヒの改竄 涼宮ハルヒの入学 涼宮ハルヒの異変 涼宮ハルヒの悲調 花嫁消失 ハルヒの想い 世界の終わりに 涼宮ハルヒの赤面 ‐ 涼宮ハルヒの羨望 ‐ ハルヒの実験 涼宮ハルヒの秘密 プリンとケーキ 星に願いを 涼宮ハルヒの猛暑 涼宮ハルヒの結婚前夜 涼宮ハルヒの泥酔 長すぎる10分間 涼宮ハルヒの願望 涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆 10月8日、曇りのち雨 閃光のハルヒ 涼宮ハルヒの預かり物 涼宮ハルヒのデート騒ぎ? それは誤解で勘違い 何よりも宝物 超能力 涼宮ハルヒの計算  涼宮ハルヒの嫉妬 ミニチュアハルヒ ベル 3点セット 涼宮ハルヒのネコ にわか雨の訪問者 ハルヒの寝言 涼宮ハルヒの独善(シュール・BadEnd?) 涼宮ハルヒの情熱  涼宮ハルヒの出産 あの日からの願い Amemorywithouttheend 涼宮...
  • Welcome to the beutiful world!
    This page was created at 2009.01.28 by ◆9yT4z0C2E6 Welcome to the beutiful world! 「無事の出産おめでとう、ハルヒさん」  ドアを開けて入ってきたのは佐々木だった。 「わざわざ来てくれたのか。 ありがとう、佐々木」 「わざわざってほどのことでもないでしょ、ほんのご近所じゃない」  ベッド脇の丸いすを勧めると、佐々木はそこに腰掛けて 「大仕事、お疲れ様でした」 「ありがとう、佐々木さん。 赤ちゃん見てくれた?」 「それがまだ。 キョンの弛みきった貌とセットで見ようと思ってね、このあと少しキョンを借りるわね」  頷くハルヒに、佐々木は手に持っていた紙バッグを掲げて、 「これがリクエストされていたもの。 それとオマケ」 「すまんな」  そう言うと、佐々木はこちらへ振り返って 「できれば、素直にありがとうと言って欲...
  • 遠距離恋愛 プロローグ
    プロローグ   季節は初春、3月中旬。先週行われた期末試験明けの球技大会も、我ら2年5組は男子サッカー・一回戦敗退/女子バスケットボール・優勝と、旧1年5組と全く同じ結果となってしまったのは、昨年と競技種目が違うとはいえ、なんとなく想定内ではあった。これで高校2年生としての行事は全て消化し、あとは来るべき春休みまで短縮授業という、来年は受験戦争という監獄に放り込まれること確定な我々の学校では最後のオアシスたる怠惰な時間を満喫することになる……はずなのだが、残念ながら、現在の俺はそのような穏やかな心境ではない。 何が何でも今日は部室に行き、おそらく、今日もそこに勢揃いしているであろう非日常的存在に、折り入って相談しなければならないことがあったからだ。 ああ、ちなみにハルヒは用事があるとかで本日は部室には来ない。   一応ノックをする。先月末に卒業してしまわれたとはいえ、それ以降も健気に毎日...
  • 喜緑さんその2
    喜緑「会長、タバコは少し控えたほうがいいと思います」 会長「な!?どうしてわかったんだ?ファブリーズしたのに・・」 [バリバリバリ] 会長「お、お前は!?」 ??「わたしは、コスの天使!!あと月の戦士!!あと、あと・・」 会長「思いつかないならもういい、あまり無理するな喜緑くん」 喜緑「・・・うるさいうるさいうるさい」 喜緑「最近わたしのことデコだのワカメだのいってる人がいるみたいですけど       わたしが本気をだしたらこんな星すぐに潰せるんですよ?一回本気出しましょうか?」 会長「どうした喜緑君、なにかあったのか?」 喜緑「いえ、先日コンサートにいったんですけど、ふざけたガンダムオタクのせいで時間がなくて、    なんのために行ったのかわからないまま帰らされたんです」 会長「それじゃあ俺だけのために歌ってくれるか?」 喜緑「198000円になります」 会長「カードで」 喜緑「ほら...
  • バランス感覚
     事態が起こった時、最初に咄嗟に抱いた感想は「軽い」であり、  次に、冷静な思考を取り戻した際に思った事は「小さい」であった。  いきなり意味の分からん事を言うなとか思っているだろう。  だがしかし当の俺自身にも全くもって訳が分からんのだ。  いや、この事態の原因と結果について語れ、と言う事ならば  それは小学1年生の使う作文用紙のような少ないマス目でも3行使わない位に  簡潔に説明できるであろう事は明らかな単純な事態だ。  それこそ俺がこの1年弱の間体験してきた事に比べれば取るに足らん単純な出来事さ。    しかしだな。  事態の説明が簡単であるからと言って、それに対して単純な感想しか抱かないかと言えば、  それは雲一つ無い空に見える太陽ぐらいにはっきり言わせてもらうが、答えはノーだ。  客観的に見れば小学生の算数並のこの事態も、  当事者の俺にとっちゃフェルマーの最終定理並に凶悪なんだ...
  • 長門有希の1日
    【07 12】 朝倉涼子の笑い声で起床。まだ眠い。     顔を洗う。   【07 22】 朝からカレーを食べる。     胃が重い。イヤになる。     「学校に行っておいで」     主流派の言葉だ。     うるさいんだよ。わたしは人間じゃないただのインターフェイスなんだよ。     「気を付けて!」     うるせぇんだよ、この穏健派が。   【07 35】 ダルい学校へ出発。     庭ではうるせぇ急進派がわめいている。殺すぞ。   【07 43】 「助けて~!」     朝比奈みくるが叫んでいる。     わたしにどうしろっていうんだよ。   【07 50】 みくる救出。     痴漢に襲われたらしい。     うだつの上がらない奴だ。   【08 03】 今日は曇りだ。     気分が盛り上がらない。     早くマンションへ帰りたい。   【08 14】 朝倉がニヤニヤして...
  • >>DEAR. 1
    僕は、あなたが好きで好きで仕方がありませんでした。 でも、今のあなたは……   と、ここまで書いて携帯を閉じる。 ふうっと深い溜め息が出る。 脳裏に浮かんだのは僕では無く 彼 に向けられた笑顔で。 何ですか?彼にあって僕には無いもの。     『 DEAR.』   10分間のまどろみを捨てきれず妹にボディプレスで起こされ、遅刻ギリギリに教室に滑り込む。 今日もまた変わらない一日が始まるんだな。 あの黄色いカチューシャを見つけて疲労感が朝から募る。今日は何を言い出すのか。想像するだけで俺の背中は自然と丸まる。 この生活に満足しているんだろう、とか言ったら負けだ。ハルヒに振り回されるのも慣れたもんだが、それでも毎日となるとうんざりするってもんだ。 まあ、だからと言ってこの生活を手放すのも嫌なんだがな。   と、こんなことを思いながら席に着く。悲しいかな、体を90度横に傾けてハルヒの不機嫌顔...
  • スノーホワイト・レクイエム4
      かたかた、かた。 単調なタイプの音。ブラインドタッチが出来るほど、慣れているわけでもなかった。手慰みに始めて、今はほんの少しだけ上達した。旧式のデスクトップパソコンだからそれほど機能があるわけでもない。インターネットにも繋がっていない、開いて使えるのはペイントソフトやワードソフトや、それくらいのものだ。 わたしは人気のない部室で、文章を打っている。何の気なしに初めて、それから誰もいないときに、密かに少しずつ打つようになった。単語が並ぶ、接続詞がつながる、変換キーを押す。途切れ途切れに書き始めた、拙いなりの物語。誰も知らない、わたしだけの作品。完成の目処も立ってはいないし、ほとんど勢いで始めたものだから起承転結もぐちゃぐちゃで、とても人に見せられたものじゃない。それでも。  ――着想は、とても単純。  以前、改めて読み直してみたグリム童話に、子供だましと思っていてもいつのまにか引...
  • 赤の世界
    赤の世界 キョン いやあ、今ほど明日を楽しみに待つ日々は初めてだろうねぇ。 明日行うことはだいたい整理した。 まず教室に入って、真正面に常に俺よりも早く登校してくるあいつに、 今回はグーで殴るか。パーだとあいつの汗がこびり付いて汚いことありゃしない。 いつものとおりに椅子ごと後ろに倒れたあいつに、 俺様特性の先端に鉄をしこませた上履きで蹴りを、そうだな、 今回は耳にやろうか。さすがに眼球とかだと後々面倒くさい。 そんなんでも抵抗しない涼宮が不思議でたまらない。 ヤクでも打ってんのかね。 そうすれば、あのうざったい演説も精神病としてみられて即隔離だな。 うむ、我ながらすばらしいアイデアだ。 そんなこんなでも、クラスからは誰からも参加者が来ない。 相当のビビリだ。情けない、嗚呼情けない。 ああいう奴はさっさと転校してもらうほうがいいだろ? お昼時には涼宮にお似合いなトッピングを弁当にのせる...
  • ママはTFEI 端末
    「起きなさい」 ある朝、その声で俺は目を覚ました。母親と思わしき人物が下の階に下りていく足音が聞こえてくる。 んん・・・? 何か違和感を覚えるが、寝惚け頭では何も考えられない。 そういや妹が珍しく来なかったな。風邪でも引いてるのか。 とりあえず顔を洗おうと思い下の階に行く。そこで俺は度肝を抜かれた。 エプロンを着けた長門が台所に立っていたのだ。・・・どういうことだ。 「お、おい。長門」とりあえず声を掛けてみる。 「お早う」 「あ、ああ、お早う・・・じゃなくて! ここで何してるんだ!」 「・・・? 寝惚けているの?」 駄目だ、頭がおかしくなりそうだ。何故長門が俺の家で味噌汁を作っているんだ。 「いやいやいや、何で長門がここに・・・」 「母親を旧姓で呼ぶのは好ましくない。顔を洗う事を勧める」 棘のある声で言われたので、とりあえず頭を覚醒させるため洗面所に行く。 洗面所には既に妹が居たので、何故...
  • 俺が古泉で古泉が俺で…
    皆の衆は今日の夕方に起きた我がSOS団の団長様、天使、置物による人格入れ替わり事件を覚えているだろうか? 俺がその一件で不幸なことにしかならなかったのは言うまでもないだろう。いや、一つだけ覚えておきたいことがあったな。 あの長門のオドオドしている姿(中身は朝比奈さんなのだが)は俺の頬を緩ませるには十分な力をもっていた。また見てみたいものだ。 などと、回想をしている場合ではない。もしかしたら今のは現実逃避なのかもしれない。それほどまでに俺を困惑させる事態が起こっているのだから。 そう。俺は古泉と入れ替わってしまっていた。 なんだこれは。 キ?「人格の入れ替わりでしょう。ちょっとしたスペクタクルですよ。」 そんなことを言ってるんじゃない。どうしてお前は冷静でいられるんだ。 自分に向かって言い放つ。正直気持ち悪くてしょうがない。 なぜなら目の前にニヤケスマイルを放つ俺がいるのだから。忌々しい。...
  • 続々・花嫁修行危機一髪
     枕元に置いた携帯が着信音を奏で、僕は手を伸ばしてそれを開いた。 普段、5時という早朝に着信があれば、閉鎖空間発生か、と飛び起きるのだが、 今回はおそらくあの人からだろうな、と見当がついていたのでベッドに潜ったままだ。 表示された名前はやはり。 通話ボタンを押す。 「もひ…もしもし、古泉です」 ぼんやりした頭で、なんとか呂律を回す。 『おはよう。 今からそちらに向かう』 ピンポーン 「…ん?」 『着いた』 「え……」 一秒も間を開けずにインターホンが鳴り、長門さんが携帯の向こうでそう言った。 始めから扉の前から電話していた…という訳でも無いのだろうな、彼女なら瞬間移動だってやりかねない。 通話の繋がりが、向こうから先に切れた。 目覚めて一番にこれだと、なかなか疲れる。 ピッキングだか情報操作だかで、僕が玄関に行かずとも彼女は入れるだろうと思い、 余りに眠いので掛け布団の下で丸くなっていると...
  • スノーホワイト・レクイエム5
    小人はようよう、識りました。 白雪姫が「或る者」に殺され掛かっていること。 小人は護りを、誓いました。 己が命を賭しても、護るに値するものを望みました。 ---------------------------                    古泉は、沈着を旨とする己の本分すら忘れ、ただ止め処ない血の毒々しい赤を目の当たりにしていた。携えていた手紙は緋色の液体を吸って、端はよれ、血に塗れた櫛と同様に落ちてべたりと床に張り付く。 仕込み刃だ。 櫛に、触れたら刃が突き刺さるタイプの仕掛けがしてある。しゃがみ込んだ古泉は、咄嗟に傷口を押さえたために血で汚れた左手で、同じく赤くなった手紙の便箋を床から拾い上げ、中を覗き込んだ。メッセージが記されているような類の紙はないことを確かめ、苦々しさに唇を噛み締める。衝動のまま封筒を握り潰しかけたが、ぎりぎりで思い留まり、震わせながら左腕を降ろ...
  • 長編・その他
    ここはSOS団以外のキャラやオリキャラの長編を置くところです。例)鶴屋さん、朝倉、谷口etc   その他無題1その他無題2その他無題4その他無題6 ある少年の日記 罪滅ぼし 最後の最後 髪プレイ 阪中から見たSOS団員 谷口の歓喜 リトルラヴァー 鶴屋さんとキョン ブーン 涼宮ハルヒと異世界人 谷口の恋愛 谷口の思い出 ハルヒVS朝倉 激突 朝倉涼子の逆襲 鶴屋さんの困惑 不機嫌な朝倉たん 鶴屋さんと笑顔とお茶 ビツパの1日 キョン×鶴屋さん 以下、名無しにかわりまして朝倉がお送りします 鶴屋さんと古泉 デスノート谷口 偽SOS団結成 LAST 鶴屋さん姉妹 朝倉涼子の終焉 アホの谷口冒険記 やさしい人 舞台裏 プロジェクトT 喜緑さんのお料理教室 非凡なる凡人 風鈴 谷口のおかげ キョン妹の憂鬱 喜緑さんと家事と旅行 谷口×朝倉の恋愛革命 コンピ男 僕とみくるとメイドさん~狂気の弾...
  • 甘いのは飴かそれとも…
    彼が買ってきた飴の袋が机の上に置いてあります。なんでも、涼宮さんが遅刻常習犯である彼へ与えた罰だそうです。今日は来るのが遅いとは思っていましたが、パシリだったんですか。 彼がくたびれた様子で買ってきた飴を机の上に広げた瞬間に涼宮さんが鷲掴みにして持って行きました。 「おいこら」 「あたしだけその机から遠いんだから当然でしょ!」 「にしても取りすぎだ」 「うるさいわね…」   飴はまだ沢山あるので、そう簡単には減らないと僕も思っていました。 しかし、みんなが手を伸ばし、口の中が空になればまた…。 そのお陰で誰も喋ることなく個々の作業に集中していたのので部室内は静かです。物音を立てるのが憚られる程です。   …と、気付けばもう残り一つになっていました。5人もいれば、一袋はあっという間です。   「最後の一つだが」 「ええ構いませんよ」 「いい」 「どうぞ」 皆からの了承を得てからその最後の一...
  • クールの誕生
    クールの誕生(目次) 『自分の音楽をジャズとは呼ぶな』              …マイルス・デイビス 人物紹介! 光 ロング・グッバイ 闇 ナイトメア・フラッシュ 前作
  • 遠距離恋愛 第十九章 誤解
    第十九章 誤解   佐々木の乗った飛行機が西に空に消えていったのを確認した俺は、市街地に向かうリムジンバス乗り場へと向かった。大きな荷物を抱えた客がごった返すリムジンバス乗り場の片隅に、見慣れた人影が二つあった。 スマイルを顔に貼り付けた優男と、アッシュブロンドの小柄な女性。 古泉と長門だった。   「お待ちしてました」 「……」 懐かしい古泉のスマイルと、長門の三点リーダ。だが俺は、それを無視してバスの昇降口へに向かった。 やっと最近、あの時の事を思い出さなくなってきたんだ。 長門には悪いが、当事者である古泉と今更話すことは何もないからな。 突然、体が動かなくなる。振り向くと、いつの間にそこに移動したのか、長門が俺の服の裾を掴んでいた。 漆黒の闇に似た瞳が、俺の目を捕らえる。 「……一緒に来て欲しい」   古泉はともかく、長門にそう言われたら言うことを聞かないわけにはいかないか。 俺は...
  • 雪色マフラー
      「有希、17回目の誕生日おめでとーっ!!!」  もうお馴染みの高級マンションの708号室、すなわち長門の部屋に集結した一同の歓喜の声援が飛び交う。良かったな、長門。  しかしハルヒ、17回目というのは大幅に間違っているぞ。長門の歳は余裕で3桁代に突入しているぜ、あの無限ループオブ8月によってな。ん? 8月オブ無限ループの方が正しいのか? どっちでもいいや。 「……ありがとう。」  頬にポツンと可愛らしい朱の色を浮かべて照れくさそうに話す長門は、正直ヤバかった。こんな長門を創造した情報ナントカも捨てたもんじゃないな。いや、尊敬の位に値するぜ!  いつもは殺風景なこの部屋も、今日はハルヒよろしく数々のドがつくほど派手な装飾品で飾られている。目がチカチカするぞ。  ああ、説明が遅れたが今日は11月18日。長門の誕生日……ってことらしい。有機アンドロイド――正直長門をアンドロイド扱いになん...
  • 甘甘甘
    文字サイズ小で上手く表示されると思います     カカオより     「お茶が入りました~」  極上のスマイルを浮かべた朝比奈さんによって、俺の前に置かれる湯飲み――が二つ。  どうも。  ひとつは俺の湯のみで間違いない、そしてもう一つは 「ありがと、みくるちゃん」  少し赤い目をしたハルヒが湯飲みを手に取り、いつもの様に一気に飲み干してしまう。  その様子をじっと見ていた俺はあえて口を挟んだ。  言わねばならんだろ、これは。  なあ、ハルヒ。 「何よ、お茶の飲み方なんて人それぞれでしょ? ……それとも、気に入らない?」  強気な姿勢を途中で弱めながら聞いてくるハルヒに俺は頭を抱える。  俺が言いたいのはお茶の飲み方じゃない、飲む場所だ。   まったく、肩をすくめるスペースすらありゃしないぜ。なんせハルヒは俺の膝の上に 座っているんだ。 「お、重いの?」  振り向いたハルヒが驚いた顔をす...
  • いじっぱりの本音
    「帰ってしまっていいのですか?」 隣のニヤケ顔が覗き込んできた。なんと返していいものか何故か言葉が見つからず、 しらばっくれるというよりも視線から逃れるように顔をそむける。 三月に入ったとはいってもまだそれなりに寒く、しかも日が沈んでから下る北高から 駅までの坂道はどことなく寂寥感を煽る。隣を歩く長門に一言ふたこと話しかけては みるものの、会話が続かなくて困り顔を浮かべた朝比奈さんと、どこ吹く風で 無機質な表情のまま規則的な足音を響かせる長門が前を歩いているのが見るとも なしに視界に入った。ハルヒはいない。本人の申告通りなら、部室で機関誌に載せる 論文を執筆しているはずである。なんでも筆がのってきたとかで、中断したくない らしい。先に帰ってていいわよ! というありがたい団長のお言葉どおりに、俺たち 四人は肩を並べて下校中、という訳である。 「駅まで一本道、街灯があるとはいえ暗い。若い女性が...
  • スノーホワイト・レクイエム7
          小人が駆けつけたとき、 ――総ては、終わったあとでした。       ---------------------------                人気のない校舎の片隅、保健室前の廊下通りで、古泉は朝倉と対峙する。 「……それは、どういう意味ですか」 古泉は、退路のない袋小路に行き詰ったように、苦渋の声を返した。想像し得る最悪の結末が、目の前にちらついて離れなかった。払い除ける余裕も、取り繕い毅然と笑ってみせる駆け引きも浮かばずに。 古泉の行く手を阻むように朝倉は扉前に立ち塞がり、桜色の唇をゆるく持ち上げて、淡く微笑んでいる。美しいと幾らでも形容されるだろう面を、けれども憂鬱に翳らせながら。 それは総てを理解し、また、諦めた者の眼差しだった。意思を投擲し、手ぶらになった両腕に、抱きすくめるものを失くしてしまった母親のような哀しい瞳。 「言葉通りの意味よ。……分...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第二話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第二話      午前の授業時間はあっと言う間に過ぎた。  私の中にはエラーが蓄積していた。明日のこの時間には、私は人間になってしまっているのだ。有機生命体であれば、このエラーを不安と表現するだろう。有機生命…いや、人間になればエラーに悩まされる事も無いのだろうか。  無くなるとすれば、それは素晴らしい事だ。  置換プロセスが開始されてから、私の表現の中に形容詞や抽象的な言葉が増えてきた。確かに、私は変化している。 「ゆーきーちゃんっ!」  昼休みを告げるチャイムとほぼ同時に教室へと入ってきたのは、朝比奈さんと鶴屋氏だった。  どうやら朝比奈さん自身も私の呼称を再設定したらしい。  昼休みはいつも部室で本を読むのだが、朝比奈さんと鶴屋さん(朝比奈さんに合わせて自主的に再設定した)は私を屋上へと連行し、本にありつく事が出来なかった。  真冬にも関...
  • Break the World 第一話
       きっかけ、なんて物は大抵はどうってことがない。  俺がハルヒの巻き起こすゴタゴタに巻き込まれた理由も些細な会話が始まりだった。  だが、そんな日々の終わりは突然にやってきた。  何の予兆も見せること無く。警告を与えられる時間も無く。  始まりが些細な事だったように、終わりもまた些細なことがきっかけで訪れた。  それは、いつもと同じ日々での事だった。     「Break the World」  第一話 ― 発端 ―    相変わらず学校の授業は面白くない。何故かって言えば、内容がわからないのである。  俺の後ろに座ってるハルヒはちょくちょくを俺をペンで突いて来るし、  集中力削がれる事この上ない。元々無いようなもんだけど。  やっとの思いで授業が終わると、俺は朝比奈さんの癒しを求めて部室に向かった。  ハルヒも一緒だった。特に何も話はしなかったんだが。  部室棟に着き、ドアをノックし...
  • スノーホワイト・レクイエム2
    お妃様は、美しい鏡に己の顔を映し、艶然と唱えました。 「鏡よ鏡、わたくしの問いに答えておくれ」 はい、お妃様、と鏡は愛する妃に恭しく答えました。 ---------------- 温く哀しい夢を、見ていたような気がした。 古泉はうつ伏せていた身をそっと起こす。何時の間に眠っていたのだろう、と懲り固まった肩を微かに鳴らす。机に突っ伏して眠を取るなんて、随分、久し振りの行為であるような気がしたのだ。名残惜しさも相まって、霞がかった意識をどうにか覚醒させようと瞼を掌で軽くさする。 睡魔から解放されるのを待っているうちに、日は大きな傾きを見せていた。窓から降り注ぐ落陽の光は、オレンジ色に夜の闇を混ぜたような陰のある色彩を帯びている。 何という事もない、見慣れた文芸部室だ。 転寝をしていた古泉は、間近に開きっぱなしに伏せられていたハードカバーを、寝起きで回らない頭をどうにか動かそう...
  • 橘京子の陰謀(合宿二日目)
       俺は悩んでいた。どうしてこんな事になったのだろうか?どうしてこんな目にあわなければいけないのだろうか?  艱難辛苦を引き起こすその原因は言うまでもない。橘京子のことである。  最初の出会いは最悪なものであった。あいつは非道にも朝比奈さんを誘拐した。そして佐々木をハルヒに取って代わる神だと主張し、俺に対し協力せよと要請してきたのだ。  ここまではまだよかった。いや、十分良くないのであるが、それ以降の振る舞いからすればずいぶんまともな物であったと徳川綱吉も東条英機も認めてくれるであろう。  しかしその後の立ち回りは度を超えていた。佐々木の閉鎖空間に侵入してブートキャンプを行ったり、朝比奈さんの胸にヒステリーを起こしたり、そして今回のように意味不明な旅行に誘ったり……  十分頭のネジが緩みきったその言動は、さながら風車に立ち向かうドンキホーテである。  こいつのアレっぷりもそ...
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