涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「パラレルワールズ 第二章 ミーティング」で検索した結果

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  • 長編・その他2
    再会と再開、そして開始 テレビ出演 パラレルワールズ プレゼント ツイスト・オブ・フェイト-キョン殺害命令 SONGOF KUNIKIDA -MELTY CADENZA OF SECRET- ノンフィクション・ストーリー ひぐらしの憂鬱 鶴の舞 朝倉と 一日おにいちゃん 一日おにいちゃん 後日談 涼宮ハルヒの怪談 fixed mind 狙われた憂鬱 One Day.... ハルヒ親父シリーズ ずるい二人 ササッキーシリーズ ●えもん 朝倉涼子の再誕 幸福な鶴屋さん そしてイブはリンゴを齧る えれべーたー☆あくしょん 生徒会長の悪辣 いつも曜日は九曜日 佐々木さんの憂鬱 眠たくないけど……シリーズ crane love 橘の香り 月間佐々木さん 佐々木の囁き Lolita s Love Complex ネクストジェネレーションの憂鬱 谷口探偵の事件簿 SOS団が家族に? えれべーたー☆あく...
  • セカンド・キス 1
      1 その日の放課後のことだ。 ホームルームが終わり、今日も俺は部室へと足を運ぶ。 ハルヒはと言うと、6限が終わるや否や後部座席から忽然と姿を消していた。 いつものことだ。そう驚くことでもない。 「ホームルームなんて時間の無駄よ。あたしはもっと生産性のある時間の使い方をしたいの。」 と、これはいつかのハルヒの台詞だが、どの口が時間の生産性について説いているんだよ! しかし、一体どこで何をやっているのやら。 嫌な予感に苛まれつつ、俺は部室のドアノブに手をかけた。      部室に足を踏み入れた途端、嫌でも目に付いた。 いつかのサンタコスチュームに身をまとい、満面の笑みを浮かべ仁王立ちするハルヒがそこにいた。 右手には去年のクリスマスイブ、俺がハルヒにかぶらされたトナカイの頭を握り締めている。 後方のホワイトボードには、「SOS団緊急ミーティング!」と書きなぐってあり、 その傍ら...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第一章
    第一章 新しいクラスが発表されるのは始業式の後なのでもちろんここで言う教室というのは1年のときの教室である。 ハルヒはもう教室で憂鬱げなというよりは疲れているような顔を浮かべていた。 どうかしたのか?と聞いてみると「何でも無いわよ。」と言い返されたところで元担任の岡部が入ってきて体育館に強制連行された。 入学式に劣らないテンプレートな始業式は幕を閉じた。 とうとう新クラスの発表である。 この時、俺はハルヒと一緒のクラスになるのは確定だと思っていたので谷口か国木田でも何でも良いからまともな知り合いと同じクラスになれと祈っていた。 そして新クラス発表終了後俺は唖然としていた、なんとハルヒと同じクラスにならなかったのだ、ありえない。 谷口や国木田と同じクラスになれたのはよかったのだが… 俺の頭の中では?がありえないぐらいに大量発生していた。 俺は新クラスでの自己紹介を去年した自己紹介を適当に...
  • 涼宮ハルヒの誤解 第一章
    秋の風が吹き始めたある日の黄昏。 一人の女性が町に来た。 ――いや、帰って来たと言うべきだろう。 女性はこの町にすんでいたのだから。 女性は考える。 『彼』は、『彼女』は元気だろうか?   涼宮ハルヒの誤解   第一章 目撃 今日は土曜日。市内探索パトロールの日。普段なら楽しいはずの出来事。 しかし、あたしの顔は不機嫌の極みだった。 「遅い!あー、なにしてんのよあいつは!」 それもそのはず、キョンがまだ来ていないからだった。 「もう集合時間を十分も過ぎてるってのに!」 さっきから電話を何度もかけているがつながらない。嫌な予感がする。 「おかしいですね。いつも最後に来るといっても、集合時間には間に合っているのに」 補足のようなこのセリフはSOS団副団長・古泉君のもの。 「……」 無言を貫く無表情の有希。 「何か、あったんでしょうか?」 オドオドと言ったのはSOS団のマスコットキャラみく...
  • 台風一過のハレの日に:第二章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第二章:親睦   「えー、それではみなさん! これよりSOS団主催、鶴屋杯争奪、こゆきちゃん歓迎大ボウリング大会を開催いたします!」 すっくと椅子の上に仁王立ちし、いつものように腰に手を当てて高らかに宣言するハルヒ。単なる開会宣言にしては態度がでかいが、気にするのも無駄なことだ。 「まずは、SOS団名誉顧問、鶴屋さんに開会のご挨拶を頂きたいと思います。鶴屋さん、どーぞ!!」 「いやー、ただいまご紹介いただいた、鶴屋でっす! 硬い挨拶は抜きだ、みんな、こゆきちゃんとの再会を祝って、めっがっさ楽しむっさ!」 この二人に任せたら、また南の海上でうろついている次の台風でさえ遥か彼方に飛んでいってしまう、そんな勢いだ。 昨日のカレーパーティで決まったように、今日はこゆきの歓迎のためのボウリング大会が開催されている。 そのこゆきと長門はほぼお揃いの格好をして鶴...
  • 第一章 ある日、突然に。
    長門ふたり   プロローグ   我々は情報統合思念体。宇宙を統べるもの。全ての時間と空間を超越し、全存在の 上位に位置する。我々は無誤謬であり決して間違いを犯さない。ごく少数の例外を 除いては....。   第一章 ある日、突然に。   授業が終わってから教室で宿題をやった後、僕は団室に向かった。団室に行くのも なかなか難しいタイミングが必要だ。一番理想的なのは最後に部屋に入るというパターン。彼や涼宮さん がすでにその日のパターンを作ってくれているから、それに乗ればいい。 ただ、このパターンの場合、部屋の扉を開けたときに何が起きているか解らないから とっさの対応が難しい場合もある。あの5月の日、世界が消滅の危機に瀕した日の前日、 部屋に入って行くと涼宮さんがバニーガール、朝比奈さんがメイドの格好、そして なんか険悪な雰囲気、僕は 「今日は仮装パーティの日でしたっけ」 などととっさにボケてみ...
  • Am I father ? 第三章
      3、   時刻はお昼ちょっと前。 ふう・・・。やっと我が家に帰ってこれた・・・。 俺は今、クーラーの効いたリビングで麦茶を飲みつつソファーで休んでいる。 朝倉(小)は俺の隣で約束していた例のアイスをちびちび食っていて、長門はとてとてとどこかへ行ってしまった。買い物だとか言ってたが、何を買いに行ったのやら。 それにしても、家に帰るのってこんなに大変だったっけ? 朝倉(小)がおとーさんおかーさん言いまくるおかげで、道行く奥さん方の視線がもの凄い勢いで背中やら顔やらに突き刺さってきた。某有名ゲームで言うなら、きゅうしょにあたった。こうかはばつぐんだ、といった感じだな。 視線だけならまだいい。時間が時間だったので人通りもそこそこあったのだ。 だからだ。あいつが俺らのことを変に言うたびにひそひそと話をする姿が目に入る。 頼むからこの噂だけはハルヒにまで伝わらないでくれ! もし奴が知ったら世界と俺...
  • Black Lily・第三章
     翌日――。  登校して、真っ黒な髪の長門由梨を見ると思う。  物事の終わりは、こんなに静かなものなのだろうか? と。 「あんた、元気ないけどどうしたの?」  俺が教室に着いてイスに座るより早くハルヒが言った。さて何と答えればいいのだろう。 「お前さ、長門が転校するってことになったら、どうする?」  ハルヒは宇宙の広がりを思わせる大きな瞳を一度パシリと瞬きさせてから、 「有希が……転校?」  二つ隣の列にいる長門の後ろ姿に目をやった。 「どうしてよ。妹が入ってきたばかりで今度は有希がいなくなるの? それっておかしくない?」  だよな。状況をまるっと全て説明されなければそう思うだろうさ。 「やっぱりあの二人、仲が悪いとか?」  ハルヒは不思議顔のまま訊いてくる。そうじゃないんだ。むしろそのほうが俺としてはよっぽど分かりやすくてよかったんだがな。  もう遥かな昔にも思える入学したての五月...
  • 遠距離恋愛 第二十章 悪夢
    第二十章 悪夢     はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。   俺は今、階段を駆け上っている。間に合わない、そんな焦りだけが足を動かしている。階段の終わりが見えてきたとき、発車ベルが鳴り響く。俺は疲れて棒になりそうだった足に鞭を打ち、プラットホームに走り出た。 そこには、あの時の夜行列車がもう発車直前と言った状態で発車ベルが鳴りやむのを待っていた。 ……あ れ?これは夢?俺は今、一体…… そうだ。ここは、あの時のあの駅だ。だが俺はあの時、もう既に夜行に乗り込んでいたはず……   「キョン!」 頭の中に聞き慣れた声が響く。ハルヒ?   戸惑う俺の思考とは別に、体が勝手に動く。 体がドアに向かって走り出そうとしたとき発車ベルが鳴りやみ、ドアが閉まった。   ああ……分かった。これは多分、夢じゃない。あの時のハルヒの記憶だ。 でも何故?何故俺はこんなものを見ている?   そんな俺の思考とは別に、ハルヒ...
  • 遠距離恋愛 第二十三章 スイートルーム
    第二十三章 スイートルーム     灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。   俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。   白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。   少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。   「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」...
  • 長門有希の憂鬱II 一章
    一 章      Illustration どこここ    そろそろ梅でも咲こうかというのに、いっこうに気温が上がらない。上がらないどころか意表をついたように雪を降らせる気まぐれの低気圧も、シャミセン並みに寒がりの俺をいじめたくてしょうがないようだ。朝目覚ましが鳴ると、いっそのこと学校を休んでしまおうかと考えるのが日課になっている。俺は窒息しそうなくらいにマフラーをぐるぐる巻きにして家を出た。    結果はともあれ本命も滑り止めも無事に受験が終わって、学校では三年生をほとんど見かけなくなった。生徒の三分の一がいなくなり、校舎の一部がガランとして静まり返っている。一年生も二年生も残すところ、憂鬱な期末試験だけだ。三年生でも朝比奈さんだけは、SOS団のためにまじめに通ってきているようだが。    その日の朝、教室に入ると俺の席の後ろで机につっぷしているやつがいた。ハルヒが珍しくふさぎこん...
  • 橘京子の分裂(中編)
    「どうしたんですかキョンくん。キツネにつままれたタヌキみたいにぽかんとしちゃって」  だから豚もおだてりゃ木に登るを目の当たりにしたって言うほうが今の心境にドンピシャだって言ったろうが。  似たような会話をここ最近した気がする。と言うか昨日だ。あの時はあの時で驚いたが、今回も負けちゃいない。大統領候補選出のために躍起になる候補者同士のナンセンスな闘争にも匹敵する。 「ほんと、昨日から変ですよ。やっぱり精神科の病院にいった方がいいのです」  昨日はここで英語で答えた気がする。今日は何語がいいんだ? フランス語? ドイツ語? 奇を衒ってサンスクリット語やエスペラント語なんかで話した日にゃ驚くだろう。目の色変えて俺のネクタイをゆする橘(ハルヒ)の顔が目に浮かぶ。  だが生憎の勉強不足のためそのどの言語も未修得で話すことができないんだ。期待にこたえられなくて申し訳ない。  ――んなことはどうで...
  • 涼宮ハルヒの歓喜~サンタが町にやって来た~
    「涼宮ハルヒの鬱憤」→「涼宮ハルヒの教科書」から続く続編です。 「サンタクロースをいつまで信じていたか~?」 なんて事は他愛も無い世間話にもならないくらいのど~でも良い話だが、 それでも俺がいつまでサンタ等と言う想像上の赤服爺さんを信じていたかと言うと 俺は確信を持って言えるが、最初から信じてなどいなかった! 幼稚園のクリスマスイベントに現れたサンタは偽サンタだと理解していたし、 お袋がサンタにキスをしている所を目撃した訳でもないのに、 クリスマスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しい俺なのだが… この目の前にある状況を俺は一体、どう理解すれば良いのか!?   「Oh!Merry,Christmasデ~ス!」   おいおい…ちょっと待ってくれ…何なんだ、これは? 分かった…まぁ百歩…いや、TVショッピングで宣伝している 胡散臭いダイエット器具のおまけに付いてくるような万歩計が...
  • 人生最悪の四日間 第四章 ~神の人質~
    自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たることを任務とするらしい。 ちなみに世界で一番給料のいい軍隊は日本の自衛隊だ。(政府は軍事組織じゃないって言ってるが、俺はそんなの信用しない) 日本はここ60年ほど戦争に巻き込まれていないので、自衛隊が自衛という任務で動いたことは一度も無い。 大抵は「自衛隊」という名前とはまったく関係の無い任務なのだ。   ああ……平和だなぁコンチクショウ。     午後六時五十五分。UH-60ブラックホーク内にて。   俺は結局ブラックホークに乗せられた。 ちなみにヘリコプターに乗るのは初めてだ。プロペラの音は思った以上に大きくて、自分が喋っている声も聞こえない。 マイクがついたヘッドフォンのようなものを渡されて、なんとか会話ができる状態だ。 「朝...
  • 涼宮ハルヒの悲調
    涼宮ハルヒの悲調  ●第一部  何をしていたか思い出すのに、しばらく時間を要した。  やがて目を開けるのを忘れていたことに気づく。  カーテン越しの世界から、濁った光が溶け出している。  そういえばずっと雨だなあ、と口に出すと、ベッドで寝息を立てる朝比奈さんが何か呟いた。  ――何をしているんだろう。思い出したはずなのに、また忘れている。  SOS団が一週間前に解散した。理由は一つ。ハルヒが死んだ、それだけだ。  この事態を飲み込むのは、酒に弱い俺が飲み慣れない日本酒をゲロするよりも早かったが、それで爽快、というわけにはいかなかった。  うすぼんやりとした哀しみはここの所続く雨みたいに降りしきる。  積もることはない。薄い涙の膜が脳みそを綺麗にコーティングしてるみたいだ。  うすぼんやりのままだ。たぶんずっと、おそらくだが。    死んだ次の日、俺たちは――旧・SOS団員は――部室に...
  • 機関の動乱 その1
     灰色。  どこまでも灰色が続く。  大きなビル、普段は子供がにぎわう校庭、渋滞が常態化した高速道路。それら全てに人は一人としておらず、 ただきれいに塗られた灰色のペンキだけが、その無人地帯を埋めている。いや、灰色が人を塗りつぶしてしまったと 言うべきだろうか。  しかし、そんな一色無人の世界だが誰もいないわけではなかった。  逆にその目映い存在は100万の人間よりも大きな存在感と威圧感を周辺地帯に蔓延させ、この何もない 閉鎖空間にある種の強大な活力を生み出していた。  輝きを放つその躰、超高層ビルに匹敵する巨大な人型の物体。外見を計算し推測したならば、 自立すらできない形状のそれがひとたび腕を振るえば、常識を逸脱した破壊力を生み出す。 たった腕の一振りでビルを刀で切り落とすように叩き切り、踏み出す一歩は強烈な振動を周辺にまき散らして 脆い建物はそれに耐えきれずばらばらと崩れていく。  そ...
  • 涼宮ハルヒのお願い!ランキング
    新川「涼宮ハルヒのお願い!ランキング!!」  多丸兄「今回のテーマはこちら!!」  森「本当に可愛い北校生がしりたーい!!」  多丸弟「そしてそれらの美少女たちを審査する美食家アカデミーはこちらぁっ!!」   キョン「どうも、キョンです。座右の銘はポニーテールは人類の宝です」  古泉「これはこれは……古泉です。今回はよろしくお願いしますよ、んっふ」  谷口「女の審査は任せろ!!!なんなら俺的北校美少女ランキングを公開してm」  国木田「国木田です。始めまして」  多丸弟「以上の四人の美食家アカデミーが、それぞれ10点ずつの持ち点、合計40点満点で審査してランキングを作成するぞ!!」  新川「機関のブレインたちが汗水垂らして作成した予想ランキングはこちらぁっ!!」  第一位 涼宮ハルヒ  第二位 朝比奈みくる  第三位 長門有希  第四位 鶴屋さん  第五位 喜...
  • はるかぜふくまえに・第三章
    ○第三章   昨日がどんな日であっても、夜が来れば朝が来る。 夢にまで長門有希が出てきてしまった気がするがそれこそ気のせいだと思いたい。じゃないとやってられん。 「キョンくん起きたー? 朝ご飯たべよー」 妹がさっきからこの調子である。長門も余計な事を言ってくれたものだ。 「ミヨキチもくるってー!」 何だって!? 友達呼んでとか長門は言ってたがほんとに呼んだのか妹よ!? 「だめ?」 いやダメと言えるわけないのだが、あぁそうか。そうですか。どうやら今回も俺は巻き込まれ型の本分を発揮しないといけないらしい……。しかし野球ね。何着ていけばいいか聞いてないなそういや。 俺の心の声を聞いたかのように携帯が鳴った。ハルヒからだ。 「いろいろ言い忘れてたけど、集合場所は六月のグランドね。時間は十時。あと、今回は私服でいいわ。ただし、 運動しやすそうなね。それじゃ」 俺が一言も喋らないうちに通話は終了した...
  • 第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』
    第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』      文字通り死ぬ思いで手に入れたレンチでハンドルの鎖をねじ切り、シャッターを全開にした。 「……何よこれ」  全開のシャッターから見える空は、とことん色味が抜けた灰色だった。 「あの巨人の夢の時とおんなじ空……」  SOS団結成して一ヵ月後、あたしはキョンと学校に閉じ込められる夢を見た。青い巨人が北高の校舎を薙ぎ倒して、そして夢の最後には……      あたしは夢の終わりにキョンにされた行為を思い出し、無性に恥ずかしくなった。 「な、何考えてるのよ!!あ、あれはただの夢で、キョンとはなんでも無いんだから!!」 ――ガーガー。  いきなり鳴ったノイズに、あたしは情けないくらい体をビクつかせた。な、な、な、何よ!?また怪物!? 『ガーガー――ピー――ハルヒ――ピー――ガー』  汚いノイズの途中に、確かに「ハルヒ」という言葉が...
  • はるかぜふくまえに・第二章
    第二章   翌日も天気は崩れることがなく、俺たちは時間前に全員集合した。 奢り役はもちろん俺であった。 「キョンくんありがとっ! いつも頼りにしてます!」 ぽんと俺の肩を叩くのは性格ノーマライズされた長門である。いやそんなにまっすぐ礼を言われるとどういたしましてとしか言えないな。 「僕もあなたには感謝していますよ」 古泉が擬音をつけられそうな微笑で言った。そんな感情の無い声で言われてもありがたくも何ともない。 「あたしも。キョンくん、いつもありがとう」 ありがてぇ。本当にありがたいですよ朝比奈さん。長門がお礼を言うようになっても、あなたの言葉は別格です。 「キョンは義務を果たしてるにすぎないの! 当たりまえよそんなの」 ありがたいと思っていないのはこいつくらいである。……ハルヒ、お前もたまには長門くらい快活に感謝してくれ。 「何言ってるのよ。ほら、さっさと行くわよ」 別に怒ってるわけじゃ...
  • 遠距離恋愛 第十九章 誤解
    第十九章 誤解   佐々木の乗った飛行機が西に空に消えていったのを確認した俺は、市街地に向かうリムジンバス乗り場へと向かった。大きな荷物を抱えた客がごった返すリムジンバス乗り場の片隅に、見慣れた人影が二つあった。 スマイルを顔に貼り付けた優男と、アッシュブロンドの小柄な女性。 古泉と長門だった。   「お待ちしてました」 「……」 懐かしい古泉のスマイルと、長門の三点リーダ。だが俺は、それを無視してバスの昇降口へに向かった。 やっと最近、あの時の事を思い出さなくなってきたんだ。 長門には悪いが、当事者である古泉と今更話すことは何もないからな。 突然、体が動かなくなる。振り向くと、いつの間にそこに移動したのか、長門が俺の服の裾を掴んでいた。 漆黒の闇に似た瞳が、俺の目を捕らえる。 「……一緒に来て欲しい」   古泉はともかく、長門にそう言われたら言うことを聞かないわけにはいかないか。 俺は...
  • アインザムカイト・ツヴァイザムカイト
          ―…… ―…… ―……あなたは誰 「……長門有希」 ―……同期失敗。対象をインターフェース『パーソナルネーム長門有希』の異時間同位体と認証できず。もう一度聞く。あなたは誰 「ナガトユキ」 ―質問を変更する。あなたの存在する時間平面及びその時系列上の情報統合思念体があなた……長門有希に出した指示は何 「……」 ―情報統合思念体の自律進化を実現するために必要な情報を極めて高い可能性で所有する一知的有機生命体の観測、場合によっては保護。それが対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースとしての、わたしの存在意義 「……」 ―訂正。対象を暫定的に「異時空間同位体」と仮定義 「あなたはわたしと同じ。長門有希。でも違う」 ―ノイズ発生。無視できる程度 「一番奥の、一番大切なところが違う」 ―ノイズ発生。処理速度著しく低下。原因解析不可 「……あなたは誰。わたしと何が違うの」 ―エ...
  • 橘京子の陰謀(合宿二日目)
       俺は悩んでいた。どうしてこんな事になったのだろうか?どうしてこんな目にあわなければいけないのだろうか?  艱難辛苦を引き起こすその原因は言うまでもない。橘京子のことである。  最初の出会いは最悪なものであった。あいつは非道にも朝比奈さんを誘拐した。そして佐々木をハルヒに取って代わる神だと主張し、俺に対し協力せよと要請してきたのだ。  ここまではまだよかった。いや、十分良くないのであるが、それ以降の振る舞いからすればずいぶんまともな物であったと徳川綱吉も東条英機も認めてくれるであろう。  しかしその後の立ち回りは度を超えていた。佐々木の閉鎖空間に侵入してブートキャンプを行ったり、朝比奈さんの胸にヒステリーを起こしたり、そして今回のように意味不明な旅行に誘ったり……  十分頭のネジが緩みきったその言動は、さながら風車に立ち向かうドンキホーテである。  こいつのアレっぷりもそ...
  • 台風一過のハレの日に:第一章
    『台風一過のハレの日に』       ○ 第一章:再会   「その節はいろいろとお世話になりました」 そう言って、長門のリビングのコタツ机の向こう側に座っているこゆきはにっこりと微笑みながら小さく頭を下げた。   マンションの前の通りで久々の再会を果たした俺たちは、ひとまず長門の部屋にやってきた。 ちょっと大きめのコタツ机以外には家具の無い相変わらず殺風景なリビングに、宇宙人製アンドロイドと、小柄な液体宇宙人と、なんの変哲も無い平凡な地球人が集まった。 数ヶ月前、梅雨時の退屈を持て余したハルヒの「雨の中から宇宙人が降ってこないかしら」という願望をきっかけにして、地球上に分散していた液状化分散集合生命体がこの周辺に降り注ぐ雨として集まった。 長門の力も使いつつ、その雨水をためたここの浴槽の中からすっと立ち上がったこゆきの姿を初めて見たときは本当に驚かされたことをはっきりと覚えている。 今、久...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―エピローグ―
    あの疾風怒濤の争奪戦から四日後のことである。俺は珍しく部室に二番手で入室し(一番は勿論長門だ)部室で花瓶の水換えをやっていた。 本日は花火大会があり、その準備と第二回争奪戦の企画会議であった。全く、次から次へとよくやるよ。あの団長様は。 「おや、あなたが花を持って来るとは珍しい。向日葵ですか」 夏の炎天下をクールに決める、SOS団専属ナレーター(本人希望)は、部室に入るや否や、俺が花を持ってきた事に若干驚愕の顔を浮べていた。 俺だってたまには花を持って来るさ。 部室には一瓶の花瓶があり、季節によって様々な花が活けられていた。 水の交換は当番制だったが、花を持って来るのは殆どは朝比奈さんだった。次点で古泉。 たま~に長門もある。あいつも花に興味あるとはな。喜ばしいことだ。 因みに、俺とハルヒは未だかつて一度も花を贈呈したことはない。だがこれで一歩リードだ。 俺は、先日ハルヒにもらった...
  • エレベータ
    『エレベータ』 SOS団の雑用係に勝手に任命されている俺は、多くの買い物荷物袋を持ちながら、昼下がりの街並みを抜けて、やっと長門のマンションのエントランス到着 した。 そんな俺の隣を、セーラー服にダッフルというこの季節の定番の衣装を身に着けた長門が、小さな袋をぶら下げてながら静かに歩いていた。 スーパーアンドロイドとはいえ、見た目は小柄で華奢な女子高生である長門に、でっかい荷物を持たせるわけには行かないので、スーパーで買い込んだ物が 入った袋の大半は俺がぶら下げている。 「ちょっとしたものなら一緒に買って来てやるのに」 「涼宮ハルヒの依頼による買い物であなたはいっぱい。わたしの個人的な買い物までお願いするのは忍びない」 俺一人で買い物に行くようにとハルヒに仰せ付けられたのだが、長門も買い物があるから一緒に、と言ってついてきてくれた。 「すまんな、長門、いつもいつも」 「いい」    す...
  • Am I father ? 第一章
      1.   俺が北高に入学し、SOS団とかいう世にも奇妙な団体に入団してから、いや、拉致されてからと言ったほうが正しいだろうか、まあそんな感じで早々と時間は過ぎ去り、二回目の夏休みを迎えていた。その間にもいろいろと、古泉発案の第二回SOS団夏合宿やら、その古泉が真っ青になり、朝比奈さんがおろおろとし、長門が奔走しまわった事件などがあったのだが、ここでは語らないでおこう。それはまたいつか他の機会があれば話そうとおもう。 さて、俺は今、クーラーがきいた自室で朝から久々の惰眠を貪っている。 両親と妹は商店街の抽選で当たったとかいう三泊四日温泉旅行の三名様用チケットとやらを使って今朝早くから出かけてしまった。俺を置いてな。 全く酷い家族だぜ。母親いわく、あんたは涼宮さん達と合宿に行ったでしょうが。だったらあんたは行かなくてよし、なんだそうだ。 悔しいから見送りなんてしないで寝てようとしたのだが、...
  • 反英雄 第一章
         地球をアイスピックでつついたとしたら、ちょうど良い感じにカチ割れるんじゃないかと言うくらいにに冷え切った朝だった。いっそのこと、むしろ率先してカチ割りたいほどだ。  自宅のベッドから発せられている甘美な誘惑を全力で振り切り、通学のための身支度を済ませようと、一階の洗面台に向かった。  鏡の前に立ち、鏡面世界の自分に対面を果たす。うっし。本日も男前だ。朝の光で自慢の金髪が輝いていやがる。  そして真冬の水道水を顔面にかけた。 「くはあ!冷てー!」  身震いするほど凍てつく冷水のおかげで、眠気覚ましの効果は抜群だ。 「さてと。お母さんが起きる前に朝飯を作んねーとな」  確か冷蔵庫に卵が大量にあったから、オムレツでも作るか。   「いただきます」  俺特性であるフワとろオムレツと目玉焼きをテーブルの上に配膳をし、母親と共に手合わせる。 「わるいね。本当なら私が作るべきなんだろうが...
  • 遠距離恋愛 第二十一章 ちから
    第二十一章 ちから   既定の高度に達したのか、ビジネスジェットは水平飛行に入った。 ……つーかさ。普通の旅客機が、どれほど乗客に気を遣って飛んでいるかが分かったぜ。小型の旅客機は大型旅客機に比べて加速・上昇性に優れ、安定性に劣るってのは聞いたことがあるが、それには大いに同意する。まるで映画の戦闘機のような機動をしながら飛ぶ旅客機ってのは、はっきり言って乗客にとっては悪夢以外の何者でもない。それが身に染みて分かった気がする。   「……大丈夫?」 俺の隣には長門が居て、グロッキーになった俺の顔を覗き込んでいた。 あー、何とかな。 「そう。現地到着までは約1時間。その間に私の話を聞いて」 そ、そうだな。とりあえず、事情が分からんと何とも出来んからな。だが、今俺はこの状態だ。出来れば分かり易く頼む。 「……分かった。努力する」 そう言った長門は、しばらく隣で虚空を見つめて何か呟いていたが、再...
  • 長門有希の憂鬱Ⅰプロローグ
    長門有希の憂鬱Ⅰ プロローグ 窓の外は曇っていた。 今年ももうすぐクリスマスだねー、などとクラスの女子がのたまっているのを、 俺はぼんやりと眺めながら次の授業がはじまるのを待っていた。 高校に入って二度目の文化祭を終え、やっと落ち着いたとため息をついたばかりだ。 そういやハルヒのやつ、今年もやるんだろうなクリパ。また俺にトナカイやらせるつもりじゃあるまいな。 長門が暴走したりSOS団が消えちまったり、朝倉に二度も襲われたり、去年はいろいろあった。 俺も長門には気を配るようになった。あいつは感情が希薄なわけじゃなくて、 実は表に出ないだけなんだと知ってからは。おかげさまで落ち着いてるようだが。 振り向いて後ろの席にいるやつに、今年のクリパはやっぱ部室でやるのか、と尋ねようとしたらいきなり首根っこを掴まれた。 「キョン、あんた進学するの?」 いきな...
  • 未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実
    未来からのエージェント 第一部 朝比奈みくるの真実 プロローグ 時間とは不思議なものだ。かつて、とある科学者はこういった。 「時間について聞かれなければわたしは知っている。聞かれるとわたしは知らない」 実のところ、時間についての理解がそれほど進んだとは言えない。それは、 時間旅行が可能になった今の時代でもそう変わらない。 あの時間平面に常駐的な観察者を派遣することには多くの議論もあり、 反対も多かった。派遣が決した後も人選は難航した。 派遣するエージェントをどの様な人物にすべきか。 徹底的に優秀なエリートを送るという選択もあった。が、実際に時間管理局がした 選択は徹底的に無垢な観察者を送る、という決定だった。 人間にはミスがつき物だった。だが、何も知らなければ、真実をもらすこともなく、 間違った行動もとりようが無かった。実際、彼女が「禁則事項」として 教えられている『秘密』の殆どが嘘...
  • 涼宮ハルヒいじめ短編6
    ハルヒ「なっなによこれ!」   ハルヒが目を覚ますと目の前は真っ暗だった 目隠しの黒布がハルヒの視界を妨げていたからだ それだけではない 手は後手に、足はM字開脚の形で縛られている おまけにハルヒは気付いていないが服装は体操服にブルマ姿だ     「誰よっ外しなさいよ!!」     叫んでも人が来る気配はない 疲れた。お腹もすいた。そして膀胱の方にも水分が…     ハルヒはだんだん声を出さなくなった こんな姿を誰かに、とくにSOS団の仲間に見られたら… でもずっとこのままなのはいや…     古泉「変ですね…」 キョン「どうしたんだ、いきなり」 古泉「閉鎖空間が発生しました…しかし、どうやらいつものものとは様子が違うようだ」 キョン「それは…この世界の危機ってことなのか?」 古泉「いえ…はっきりとは分かりませんが、そういうわけではないようです」 キョン「どういうことだ。わかりやすく説明し...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦 ―最終試練(後編)―
    「最終試験官のハードルはものすごっっく高かったみたいだよ!なんと副団長の古泉君ですら敵わなかったからね!残すところ、挑戦者はあとひとーり!最終試練を、試験官を見事乗り越え、ハルにゃんを見事手に入れることができるのか!最大の見せ場だよ!月9で例えたら、好きだった幼馴染みに対してアプローチをする先生を阻止し、自分がプロポーズすべく大勝負をかける場面に匹敵するよ!」 どんだけ~!…いや失敬! 鶴屋さんは最後の勝負ということで、色々と盛り上げる内容を語っていた。そう。残り一人。これでようやく終わる。 こいつを倒せばハルヒを狙う輩を殲滅できる。俺の仕事が全うできるんだ。 ――残りの一人の人物は、俺の知った顔だった。名前は知らないがな。 最初は教室の外で、二度目は部室の前で、ハルヒを自分の彼女にすべく、俺に戦線布告をしてきたあの北高生だった。 「――やはりあなたと戦うことになりましたね。僕には...
  • Project512_Part11
    Project512_Part11-もくじ- クイックメニュー     ○<本スレに9月に書いた分を収録しているのです!      【 休んでいない夏休みが開け、鈍った体を残暑が激しく蝕む九月初めの出来事だった、  退屈を持て余しいっそ俺自身が立てちまおうかと思った矢先に奴は立っていた。 ───やれやれ  既に口癖となった単語を溜息と共に紡ぎだしつつも、俺は心の中でこう思っていた。 『 1、乙だぞ』、と。】   【チャック・古泉一樹が一緒にお風呂に入れる】   【●<ロスタイムはウキウキウォッチン!アッチコッチソッチコッチいいとも(デレッテテッテテ!)】 (第一次ロスタイム暴動)   【●<ウホリロ!】   【歴史】   【保守小ネタ・깍두기】    【●<自分でかけば許可もいりません】   【お題?・もっこり】   【○<あたし緑だったのですか!?】   【チャック・キョンに禁則事項...
  • 涼宮ハルヒのロバ
                        『涼宮ハルヒのロバ』  プロローグ  社交的と内向的、楽天家と悲観論者、朝型と夜型、男と女。人類の分類基準は人それ ぞれだが、俺に言わせればそんなものは数十万年前からひとつしかない。  「引きずっていく奴」と「引きずられる奴」だ。  かくいう俺はもちろん後者であり、保育園から高校まで、自慢じゃないが「長」と 名のつくものには一度もなったことがない。そのかわり和の精神を貴ぶ正統派事なかれ 主義者として、わざわざリーダー役を買って出た御苦労様に逆らうということも滅多にない。 その怠惰で享楽的とも言える生き方はSOS団においても続いてきたわけで、高校入学以来 ハルヒという暴君に唯々諾々と従ってきた俺が突然反旗を翻す時がやってくるなどと 誰が予想したろう。けれども人間とは永遠の謎であり、かつまた無限の可能性を秘めた 存在でもあるわけで、神の啓示を携えた大天...
  • 佐々木の囁き 第一話「CoCo壱番屋で捕まえて」
    「やぁ、キョン。奇遇だね」 「あぁ、奇遇だな。そして、意外だな」 「僕がここに居ることがかい?」 「あぁ。佐々木には似合わない店だからな。お前にはもっと上品な店が似合う」 「そうかい?でも、僕はこういう店の方が好きだよ」 空気に漂うカレーの匂い。俺達が居るのは言わずと知れたCoCo壱番屋。 俺達はカウンター席で隣同士でカレーを頬張っていた。 ちなみに佐々木は見る限りではどうも200gのようだ。 その横で俺は400g。 「キョンはよく来るのかい?」 佐々木がそう聞いて頬張る。 「あぁ、結構来るな」 答えて頬張る。 「実に意外だね・・・」 「そうか?」 「君は、家でカップラーメン食べてそうだからね。豚骨しょうが味とか」 「そんなのあるのか?」 「さぁ?僕には知り及ぶところではないよ」 佐々木はそう言って実に愉快そうに笑った。 何が面白いのかは俺には知り及ぶところではないな。まったくな。 「とこ...
  • スタンド・バイ・ミー
    「廃墟探索よ!」 ハルヒがまた何かを思いついたらしい。 「あまりにもベタすぎて考慮から漏れてたけど、基本あってこその応用よね。」 どうせどっかのサイト見るまで思いもつかなかったんだろ。 「もうひとつ報告。今年の夏合宿はたった今、軍艦島に決定しました。その肩慣らしの意味でも 今週の不思議探索はMホテル跡にします。」 勝手に決めるな。 「軍艦島もMホテル跡も有名ですからね。不思議なんてとっくに荒らされて無くなってませんか?」 「古泉くんも甘いわね。そういう所にこそ見逃されたお宝が眠ってるわけじゃない。」 「でも怖くありませんかぁ?」 「大丈夫よ。有名ということで安全性は確保されているわ。」 さっきから矛盾だらけで無茶苦茶なことをいってないか? 「有希ー、軍艦島と言えばあんたの苗字って…」 「戦艦長門。八八艦隊計画の第一号艦として生まれた。当時世界最大の41cm主砲を2連装4砲塔の計8門を搭載。...
  • 橘京子の――(前編)
     橘京子。  それは、ありとあらゆる定義法則因律を笑顔で無視し、イッツマイペース・ゴーマイウェイで覇道を突き進む、唯一無二の存在。  彼女の前に秩序はなく、彼女の後にも秩序はない。あるのは、「混沌」の二文字のみ。  全てを無に帰す彼女の言動は、一般的庶民はおろか神とすら崇められる存在からも畏怖の念を以って恐れられていた。  即ち、『空気が読めない子』と。  ……ここで本人がいたら『そんなことありませんっ!』と必死になって否定するのだろうが、逆にあまりにも必死に言い訳するから余計キャラが目立ち、ただの『痛い子』として業界からも認識されるようになるのである。 (俺的注:どこの業界だそれは、ってツッコミはなしだぜ。世の中知らないことが良いことも多分にあるからな)  自業自得とは言え、若干可哀想な気がしないでもない……のだが、俺自身もこれまでに散々苦い汁やら辛い酸やらを舐めさせられっぱなしだった...
  • スノースマイル・バースデイ6
    「――到着です」 軽やかなみくるの声が合図となり、長門はフローリングの床に降り立った。結んでいた手を解く。 放課後の無人の文芸部部室。PCが鎮座し、書棚がひとつ隅に固定され、多種の衣服がハンガーに掛けられたクローゼットに大きなテーブルが全体を占める。昨日活動を早々に終了した後の、団員が居ない事を除けば変わりのない物寂しい一室だった。 今日この日も、賑やかに彼等は笑い合っていたのだ。誕生日パーティーの段取りを打ち合わせ、帰って行った彼らに影が落ちることなど誰が想像しただろう。 「私が手伝いを許されているのは、長門さんをこの時間平面に連れてくることだけです」 申し訳なさそうに俯くみくるは、ぎゅっとスーツを引っ張って口惜しげだった。彼女は未来の指示に従ってしか基本的な事柄に接触することも許されない、自由なようで誰よりも不自由な立場にある。――これらの総てが未来人の思惑の内としても、長門は彼女...
  • 第二章 彼、登場。
    長門ふたり   第二章 彼、登場。   翌朝。僕は憂鬱な気持ちで学校へと続く坂道を上がっていた。 昨夜は機関上層部に連絡をとり、対応を打診したが、とりえあず、 様子を見るように、という以上の指示は無かった。平たく言うと 「良きに計らえ」ってことだろう。僕の本来の任務は涼宮さんの力の 監視であって、宇宙人がらみの三角関係(いや、厳密には 登場人物は彼と長門さんの二人だから、これは二角関係だろうか?)の 清算ではない。とんでもないことに巻き込まれてしまった。 全ての原因は彼にあるのだから、彼が全てを解決すればいいのだ。 とここまで考えて、彼はいつも同じ立場に置かれていると言うことに気づいた。 全ての原因は涼宮さんにある。僕と長門さんと朝比奈さんには任務がある。 だが、彼は?たまたま、涼宮さんに選ばれたという以上の理由は無い。 「何で俺なんだ」と自問しない日はきっと無いだろう。他人の 立場とい...
  • 遠距離恋愛 第二十六章 大団円
    第二十六章 大団円   色々あった翌週、俺は地元国立大学の2次試験を受けた。 「どうせ地方大学の2次募集だから」と高を括っていたのだが、試験直前にその志望倍率を見て驚いた。 20倍の競争率って、何? 理工系の学部で二次募集をするのは、国公立大学ではあまり無いこと。 さまざまな大学に落ちた、全国の理工系受験生が集中すること。 実は100年以上の歴史を持つ学部で、卒業後の就職率がかなり高いこと……などがこの異常な倍率になったらしいが、これは毎年恒例のことなんだそうだ。これも後で聞いた話だがな。 受験勉強などというものに既に粗縄をかけて記憶の奥底に仕舞い込んでいた俺が、試験当日どれほど苦労したかは言わなくても分かるだろうというものだ。ましてや、その直前にあった古泉と長門による俺の強制連行とそれに関連する頭の痛い出来事が、さらに俺の記憶領域を圧迫していたのは言うまでもない。   それでも、月が...
  • ブレイクスルー倦怠期
     ご近所のおばさま方――と言うとといじめられるので奥様方と言おう。  そんな人たちとの井戸端会議というものは、殆どがつまらない雑談ばかりだけれど、たまに会議という冠に相応しい主婦の知恵を聞けたりするので侮れない。  何処何処のスーパーは何時あたりが狙い目、漂白剤はあそこのメーカーのやつが抜群……などなど。  そういう訳であたしは、今日も今日とて近所づきあいもかねて会議に列席していた。 「お宅さんは良いわよねぇ、新婚さん……あぁ、懐かしいやらうらやましいやら」 「いえ、そんな。普通です、普通」  一番年上の奥様は、決まってあたしにその台詞を言う。  それに毎回何が普通なんだろうと自分でも疑問に思いつつ愛想笑い。 「そんなことないわよ。だって貴方の旦那さんは男前だしねぇ、はぁん」 「いえいえ。アイツなんて甲斐性なしもいいところで……」  本当は「見る目があるわねアンタ!」と肩を叩いてあげたいと...
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦  ―争奪戦当日~開会式・適性検査~ ―
    「れでぃーす えぁんど じぇんとるめん 皆様 めがっさながっっらくお待たせしたっかな? 只今より 『SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦』を 開催しちゃうっさー!!」 鼓膜が張り裂けそうな程の声をあげ、鶴屋さんは開会宣言をした。 時は8月7日。争奪戦当日となった。ハルヒの機嫌の様に雲一つ無く、絶好の天候となったようだ。 会場は鶴屋邸の一角にある庭園である。鶴屋さんも面白いことには飢えているのだろうか、二つ返事で協力を了承してくれた。 学校内で行うにはリスクがありすぎるからな。生徒会への根回しも杞憂に終わったな。古泉。 鶴屋さんは場所だけでなく、会場や必要な大道具・小道具・機材・人材を確保してくれた。その上、進んで司会まで努めてくれた。さすがは名誉顧問である。 『なぁに、他ならぬハルにゃんの頼みだからね!聞かないわけにはいかないっさ!ハルにゃんは大勝負に出たみたいだから尚更だね! ...
  • 【Lost My Name】
    放課後の文芸部室で1人本を読んでいる少女の名は、長門有希。 涼宮ハルヒ率いる不思議探索集団SOS団の団員であり、宇宙人の作ったアンドロイドである。 彼女の存在理由、それは涼宮ハルヒの観察と涼宮ハルヒの発生させる情報フレアの観測、及びその鍵となる人物の保護。 彼女はその存在理由のためだけに作り出され、存在理由のためだけに今まで生きてきた。 生まれてからの3年間を1人で生き、永遠の夏を過ごした彼女に自由は無い。 ただ観察のために生きて死ぬ。それだけだ。   誰かが部室のドアをノックする。 こう面倒くさい事を一々するのはSOS団では、ホモ泉こと古泉一樹か、本名不詳のキョンだろう。 有希は無言で返事をしていると、ドアが開いた。 「お?今日はまだお前だけか、長門」 無言。だが無視ではなく沈黙で肯定の意を伝える。 キョンはその意を感じる事が出来る数少ない人間だ。 「そうか。ハルヒは掃除当番で少し...
  • シュール短編36
    あれ?・・・違和感が・・・ 谷口がいない? 「そうねそういうときはxを・・・」 何故ここにいる 朝倉! 「何よ いて悪い?」 部室へ走った 長門! 「何」 谷口はどうしたんだ?何故朝倉が・・・ 「そんなの言われても知らないってゆうかぁ 何あんた息切らして何?欲情?  あははきも~い 今時そんなんじゃ彼女にも逃げられちゃうよ ってか今何時?  え?P.M 9 50?やば~い なんかチョベリバって感じ?  あ あたしもう行かなきゃ んじゃね ば~い」 刹那に首を吊った俺だった   キョン「よう古泉」 古泉「キョンたん? っ!その姿は!?」 ジーンズオブジーンズが表れた。 キョン「ふふふふどっちがアナルか分かるまい!!」 古泉「く、狂ってる」 谷口「wawawa忘れ物~」 ガラッ 古泉「い、今だ!に、逃げろー」 谷口「あ、おい!いったいなんー」 そこには異形が立っていた。 キ...
  • 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(後編)
       手遅れだった。色々と。 「長門!?」 「大丈夫。情報統合思念体との連結が途切れているだけ」 どこら辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたいが、長門だから許そう。かわいいとは正義なのだ!なんて親馬鹿やってる場合じゃねえ。長門は団活時の四割り増しの無表情をしてちょこんと座席に座っていたが、俺の長門センサーはいつ倒れてもおかしくない状況だと大音量で警報を鳴らしている。これじゃあまるで雪山の再来だ。すぐにでもヒューマノイド・インターフェイス用の病院に担ぎ込みたいが、あいにくと住所が分からん。 「連結が途切れてるって、この空間のせいなのか?」 「そう。涼宮ハルヒの発生させた異空間は情報統合思念体からのいかなる干渉も一切受け付けない。原因は不明。情報統合思念体は自らの統制下にない空間が広がることに危機感を抱いている。よって主流派を含む大多数の派閥はあなたに事件解決の望みを託すことを決定した」 ヘ...
  • 古泉一樹の誤算 一 章
      一 章      日曜日だというのに朝っぱらから電話がかかってきた。 「お休みのところすいません。早急にご相談したいことがありまして」古泉だった。 「なんだ。日曜くらいゆっくり寝かせろ」 「実は……その……」 ボソボソ言うだけでよく聞こえない。口篭もる古泉なんてらしくない。 「なにがあったんだ、言ってみろ」 俺はもう、たいがいのことでは驚かない。 「涼宮さんと……なんです」 「なんだぁ?聞こえねーぞ」 「だからですね!涼宮さんとヤッってしまったんですよ!!」 そのとき俺は、数秒間だけ硬直し、次の数分を爆笑の渦に巻き込まれて一気に目がさめた。腹を抱えて笑い出すのを抑えきれず、電話のマイクの穴をやっとの思いで押さえた。 「もしもし、聞いてますか」 「ああ、き、聞いてる、聞いてるとも」胃が痙攣するかと思うくらい腹がよじれた。 「ずいぶんと大げさに笑ってらっしゃいますね」 だって、これが...
  • 未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント
    未来からのエージェント 第二部 セカンドエージェント プロローグ 時間管理局の暗い一室。何人かの人間が密談している。 ひとりは、かつて、キョンとみくるが朝比奈さん(大)の意をうけて 様々な工作を行ったとき、出現して妨害を図ったあの、目つきの悪い 未来人の青年だった。年配の男性がその青年に言った。 「結局、うまくいかなかったではないか」 「まあまあ、次の手段はちゃんと考えられていますよ。御安心を」 「そうかね。口ばかりでないことを祈るよ」 「何、純真無垢なエージェントを送るなどと言う非常識な選択をした 連中を見返してやりますよ」 第一章 マナ その日は朝から、みくるのクラスはちょっと騒がしかった。どうやら転校生が来る らしかったのだ。どのクラスにもひとりはいる情報通の生徒がやってきて、 「すっげえ美少女らしい」とやったもんだから騒ぎは大きくなった。鶴屋さん、 みくるに続いて第三の...
  • 銀河SOS伝説~射手座の光芒~第五章前編
       宇宙暦2003年、SOS帝国暦一年、十一月二十九日、十四時三十分。 SOS団員およびSOS帝国軍首脳部は総旗艦ブリュンヒルトの会議室に顔をそろえた。戦闘は開始されていなかったが、星系内に布陣した無数の無人偵察艇により敵艦隊の大まかな位置は判明しており、事前に散布した宇宙機雷による妨害も成功している。まずはSOS帝国に有利な状況が作られているように見えていた。 しかし、敵艦隊による電子妨害は刻々と強化されていて、偵察艇も発見され次第破壊されており、状況が不利に傾かないうちに戦端を開くことが好ましく思われたが、それに先立って新人類連邦軍時代からの恒例になっている戦前スピーチが行われることとなった。部下達に無茶な作戦を理解してもらう目的で始まった戦前スピーチだが、最近ではキョンに言わせると誇大妄想的とんでも演説を聞かせることで、全軍の士気を無理やりにでも高揚させることが目的となっていた。...
  • My little Yandere Sister 第2話「桜花咲きそめにけり」
    <キョンサイド> 四時間目の授業もチャイムの音が終わらせる。 そして、いつもの弁当の時間になった。 国木田と谷口との下らない談笑がよりご飯の味を美味くしていく。 俺はこのただ飯を食うそれだけの時間を楽しいと思っている。 いや……。   正しくはそう思っていた。   その日常はあっという間に、たったの一日で崩れ去ってしまったんだ。 あれだけ長かった日々が、たったの一日で。 恐ろしいほどあっさりと。なんでこんなに容易いのかと思ってしまうぐらい。 それは賽の河原で積み上げられた石の塔を鬼が壊してしまったかのように。 一人、欠如しただけなのに。 「………」 「………」 ただ黙々とした食事。空いた空間にあいつが来るような気がしていた。 WAWAWAとか言って来てくれると信じていた。いや、信じている。 今でも絶対に来るって思ってる。飄々と教室の扉を開いて何事もなかったように。 それで何か言い訳とか言う...
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