涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「上級生下級生」で検索した結果

検索 :
  • 上級生下級生
    「ねえみくる、たまには上級生らしい事をしてみたいと思わないかい?」  帰りがけに、鶴屋さんがそんなことを言い出しました。  今日は鶴屋さんと二人きりで帰宅です。  何時もSOS団の皆さんと一緒なんですけど、今日はわたし達の学年だけ補習が有ったんで、皆さんとは別行動なんです。 「上級生らしい事、ですか?」 「そうそう、上級生らしい事さ。みくるってさ、SOS団の中じゃ唯一の上級生だろう? それなのに、上級生らしい事ってしてないみたいだし。そういうあたしも、あんまりしてないわけだけど」  鶴屋さんが説明してくれます。  そういえば、あたしは皆さんより上級生でした。  SOS団は涼宮さんが団長で、古泉くんが副団長、キョンくんも割としっかりしている方だし、長門さんは長門さんで頼りになるんでついつい忘れかけちゃいますけど、学年でみたらわたしだけが一つ上なんですよね。  鶴屋さんは、SOS団の団員じ...
  • 長編・朝比奈みくる
    ...od knows』 上級生下級生 お祭りの後で 朝比奈みくるの場合 風に消えないで 壊れたパズル 叶わぬ恋と知りながら 本当の気持ち 3人娘のそんな放課後 うそなき みかんとりんご 蜃気楼 予防接種 朝比奈みくる一年生 ずっとあなたに…… みくるの告白 二人三脚手作りケーキ 二人だけの時間 朝比奈みくるのクーデター 笑顔の向く先 神様に祈るあの人との日常 二人きりと匂うは紅茶 未来からのエージェント 未来恋物語~一時の温もり~ お幸せに 未来のお姫様 pure heart 朝比奈みくるの未来 たのしいお買い物  マタ逢ウ日マデ 朝比奈みくるの一人身万歳! 朝比奈みくるの仲裁(らき☆すたパロ要素あり) 涼宮サスペンス劇場~メイドさんは見た~ 朝比奈みくる時空を超えた戦い お姉さんなのです。 朝比奈みくるの総当り戦! 朝比奈みくるのドッキリ大作戦! 朝比奈みくるのレズレズ大作戦! 未来か...
  • 涼宮ジョジョの奇妙な憂鬱
    その日、俺は面倒臭い掃除当番という激務をこなしてから部室に向かった。 この俺が部室にいなかった30分の間に、コトは始まっていたのだと考えるのが妥当だと思われる。 詳しい日時は知ったことじゃないが、俺は既に罠にはまっていたのだ。       ガチャリ 「お、今日はもう全員揃っているのか」 「遅いわよキョン! もう活動は始まってるんだからね!」 俺が部室に入った時、古泉はトランプでソリティアを遊び、 長門はいつも通りの位置で本を読み、朝比奈さんはちょうどお茶を淹れようとしていた所だった。 ハルヒは団長席にどっかり腰を据えてパソコンをいじっていたりする。 俺はそのまま適当なパイプ椅子に座り、ハルヒが変なことを何か言い出してやしないか、表情を横目で確認したりした。 そう、ここまでは普通だったのだ。 長門は相変わらずの無表情だったが、朝比奈さんも古泉もそれまでは普通に微笑んでいた。 ハルヒも...
  • 「もみじ」
    *微エロ注意*   「もみじ」      季節は秋――  色鮮やかな木々が適度な間隔で並ぶ林の中、まっすぐな歩道をのんびりと歩く俺達SOS団の一行。  ちなみにここは鶴屋さんのお家の私有地だそうで、鶴屋さんは先に目的地へ行って準備をしてくれている。  見上げる空には雲一つなく、絶好の行楽日和だな。 「ねえキョン。ところでもみじ狩りって何を狩るの? もみじなんて狩れるわけないんだから何かの当て字なん でしょ? キノコ? 猪? あんた?」  歩きながらシャドーボクシングを始めるハルヒ。  お前は誰と戦っているんだ。 「キョン君。実は私も、もみじがりって聞いた事なくって。あ、もしかして焼き芋とかだったりしませんか?」 「……」  朝比奈さんの微笑ましい回答に、何故か機敏に反応する長門。  焼き芋でもありません、残念ながら。  まあ、食欲の秋やスポーツ(?)の秋ってのもいいんだろうが今日の趣旨とは...
  • クラスメイト 序章
    プロローグ 俺はSOS団に入って、 まあハルヒはもちろんの事宇宙人未来人超能力者に振り回された事はある訳だが、 何でもないクラスメイトに振り回された覚えはないね。 朝倉・・・あいつの正体は長門と同じ宇宙人製アンドロイドだったし、 喜緑さん・・・あの人もやっぱり同じだ。あっ、そもそも上級生だったか。 鶴屋さんも大きな力を持ってるらしいが、振り回されてるというよりも見守ってくれている立場だ。 コンピ妍の面々や谷口国木田だって当然そうだ。むしろこちらから迷惑を掛けてると言った方が正しかろう。 唯一の例外は生徒会会長だが、あのお偉そうなお方にも古泉の息が掛かっていたので、 純粋な意味で振り回された訳じゃないだろう。大体俺は当人の本心も知ってるしな。 まさかこれで今更谷口辺りがハルヒの世界改変に絡んだりしたら、 俺はいよいよ持って自分の首にロープを巻き付けるに違いない。 少なくともあいつが宇宙人未来...
  • その他いじめ短編6
    『長門有希のバックアップ』 「バックアップ、お茶」 「はい!ただいま!」 「ご飯の用意して」 「仰せのままに!」 「バックアップ、風呂を沸かして。大至急」 「かしこまりました!」  私はいったい何をしているの? 上の命令とはいえ、なぜ私がこんな小娘の言うことを聞かなければならないの? しかもこの娘が私に命令してくるのは、仕事らしいことは一つもなかった。 これじゃ私ただのパシリじゃない! この前なんか男連れ込んじゃって、あー汚らわしいったらないわ! しかも何?生み出されてから三年間私はずっとそうやって過ごしてきただぁ? ざけんじゃないわよ!私なんて生み出されてから三年間ずっとパシられて生きてきたのよ!? それに比べりゃあんたの苦労なんてウンコよウンコ!!  もちろん私だってこんな待遇納得いかないわ。だから直訴だってした。 そしたら何よあの娘!!「黙れイモマユ」ですって!? もうあったまき...
  • 国木田少年の純愛
    出会いは一期一会。恋愛だってそうだ。 谷口と二人でナンパを続けるような毎日に変化が起こったのはひょんなことからだったんだ……。   入学して、一年とどのくらい経ったかな?まだけっこう寒い春の日だった。 寒さのせいか、ちょっとだけ頭が痛い。 僕は何にもない日常につまらなさを覚えつつも、その日の学校生活を昼まで終えていた。 「国木田よぉ、今日も行くよな、な!?」 僕にいつもこんなことを言ってくるのは谷口だ。 ナンパじゃ連戦連敗。たまに成功したかと思うと一週間も経たないうちにお別れ。 まったく学習能力は無いけど、憎めない親友だ。 「谷口、いい加減に国木田を引き摺り込むのはやめろ。こいつはお前と違って頭もいいし、意外とモテるんだぞ」 こっちはキョン。中学からの親友で、僕をいつも援護してくれたりする。 涼宮さんというとんでもない人に捕まっているけど、少しだけそれが羨ましい。 何故ならキョンの学校生活...
  • 涼宮ハルヒいじめ短編5
    キョン「なあハルヒ、お前将来の事とかちゃんと考えてるのか?」 ハルヒ「なによいきなり、あんたらしくない」 キョン「少しは現実的に考えろよ、元気なのはよろしいがそれだけじゃ生きていけんぞ」 ハルヒ「あたしはね、現実的とか普 キョン「そんな事を言ってられるのは中学生までだ」 ハルヒ「そ…それは…そうだ、古泉くんはどうなのよ」 古泉「僕も涼宮さんにはちょっと付き合いきれませんね、非常に残念ですが…」 キョン「ということだ、朝比奈さんも長門もここに来る事はないだろう」 ハルヒ「えっ…ちょっとどういうことなの!?説明しなさい!」 キョン「じゃあな、後は1人で頑張ってくれ」 古泉「それでは失礼します」 ハルヒ「待ちなさい!これは団長命令   バタン!     ハルヒ「………なによみんなして…うぐっ…悔しい…」         ハルヒ「キョン大好きっ!うりうり~♪」 キョン「ハルにゃんもかわいい~♪」...
  • ピロートーク~未希編
    その1 未「ねぇママ、未希はパパのことが大好きなの!」 ハ「そうねぇパパもきっと未希のことが大好きよ」 未「うん……だから未希はねぇ、大きくなったらパパと結婚するの!」 ハ「……それは……パパはもうママと結婚してるから未希とは結婚できないわよ、未希は他にもっとカッコイイ男の子を見つけなさいね、未希はママに似て美人だから直ぐに素敵な男の子が見つかるわよ」 未「むー……ママずるーい」 ハ「ワガママいわないの未希、こういうことは早い者勝ちよ。第一ママとパパが結婚しないと未希は生まれてこなかったのよ」 未「むー……」 ハ「ムクれないの未希、……そうねぇいい事を教えてあげるわ」 未「なぁにママ」 ハ「未希が大きくなって好きな男の子が出来たら……ちゃんと…ちゃんと『大好きっ!』って自分の気持ちを素直に打ち明けるのよ、でないと人生損するわよ」 未「損するって?」 ハ「変な見栄とか意地とかそういったもの...
  • 少年達の雑談
    俺は今、谷口の家に来ている。 なんでかって?今日はSOS団の活動が休みだからだ。理由は知らん。 部活がないと早く帰れるから家でゴロゴロしようと思ったのだが 帰り道で話が盛り上がってしまい谷口の家で雑談をすることになったのだ。 ちなみにいるのは谷口、国木田、古泉、俺だ。 そして今何の話をしているかと言うと・・・・ 「俺が思うにやっぱ胸は大きい方がいいと思うんだ!!」 「いや、そんなことないです。大きさより形の方が重要ですよ」 「僕も古泉君に同意するね」 好みの胸の話だ。 思春期の男だからな。こういう話をしたっていいじゃないか。 そして今、最もくだらなく熱い闘いをしているわけだ。 「なんでだよ!!男だったら巨乳を愛せよ!な、キョン?」 「あぁ、そうだな。夢が大きい方がいいように 胸だって大きいほうがいいに決まってる」 「よく分からない例えをするのが好きですね。貴方は」 会話からも分かるように俺...
  • 涼宮ハルヒの補習
    俺が北高に入って早2年と5ヶ月、もう高校3年の秋だ。 この坂道もあと半年ほど登ればサヨナラ、何だか秋風のせいか寂しい気分になる。 教室に入ると、すでに受験色。皆、色んな情報を交換し合っている。 勿論俺も母親の期待に応えるべく大学進学を考えている。 まぁ、そうは言っても谷口と競い合った低空飛行のお陰で推薦入試なぞ、今の俺には無縁の話だ。 ハルヒはああ見えて、勉強は出来るゆえに既に六甲大学への推薦を受けている。 一般入試の受験先を考えていると、ハルヒがやってきた。 3年になってからもこいつとは同じクラス、まさかこいつが俺と同じクラスを願ったなんて事は無かろう。 国木田は3年から理系コースへ、谷口も何を思ったか理系に行った。 「キョン、あんた大学はどうすんの?まさか行けないって事はないでしょうね?」 なんだ、藪から棒に。その「行けない」って言い方は癪に障る。 人に進学の事を聞くときは「行くの?行...
  • 涼宮ハルヒのOCGⅡ   
    涼宮ハルヒのOCGⅡ  う、嘘だろ・・・。目の前には麗しの上級生朝比奈さんがいる。いつもなら俺を癒してくれるその笑顔も、今だけは俺に何の効力も持たなかった。何故かって? 俺のライフポイントは0。朝比奈さんは8000。んで今は朝比奈さんの先攻2ターン目。さて、何でこんな状況になったのか、まずはそれを説明しなければならんな。5分前に遡るとしよう。 古泉の関係者の売却と、長門の情報操作のおかげで文芸部室には大量のカードが集まっていた。前者はどうもハルヒの力らしいが、今回ばかりは俺にプラスに作用したぜ。デッキを調整しなおした俺は、何故かデュエルができるらしい朝比奈さんと決闘することになった。ゆっくりとデッキをシャッフルする朝比奈さん。何をやらしてもこの人は絵になるな、うん。そしてジャンケンは朝比奈さんが勝って俺は後攻になった。まずはお手並み拝見と行くぜ。というかこの時気づくべきだ...
  • キョンの完全犯罪 前編 ~司法試験は受けるまでが大変なんだぜ?~
      「それでは開廷します。被告人は前へ」 俺がそう言うと、手錠をされている女は証人台の前に立った。 「検察官は起訴状の朗読をお願いします」 原告側の席に座っている女が立ち上がり、手に持っている紙の朗読し始めた。 「被告人は平成二十七年八月十日午後二時頃、西宮市在住の二十五歳男性を明確な殺意を持って殺害し――」 ああ……なんでこんなことになっちまったんだろうな。 こんなことになるとわかってたら勉強なんて真面目にやるんじゃなかった。   大学を受験するとき、俺はハルヒの猛レッスンを受け、絶望的だった地元の私立どころか、東京の国立に合格することができた。 このときは本当に奇跡だと思ったし、これからこれ以上の奇跡が起こることは無いだろうと思った。 しかし奇跡は終わらず、大学に入ってから俺の成績は伸び続け、卒業してからは就職をせずに法科大学院に入った。おそらくハルヒでもここまで成績はよくなかっただろ...
  • 自分の居場所
    注)この作品は「消失」の改変世界が舞台になっています 「──僕は涼宮さんが好きなんですよ」 「……正気か?」 ここは光陽園学院の近くにある喫茶店。学校帰りだろう、黒ブレザー姿の女子が何人か目に映る。 といっても、のんびりお茶をしているわけではない。あとは勘定を済ますのみになっている。 相手の男──ジョンが驚いているような……そんな顔をしている。 自分はいつだってほどほどに正気のつもりだ、と古泉は思う。 むしろ彼、ジョンの話すコトにこそ、正気かと小一時間問い詰めたい。 「魅力的な人だと思いますが」 SOS団、宇宙人に未来人……そして自分が超能力者だと? 彼の話は古泉にはまるで信じられない。自分はただの人間だ。謎の転校生ではあったけど。 ──ズキリ、と頭がシビれる感じがする。 こいつもまた、涼宮さんに言い寄るために適当な事を言ってるんだろう。古泉はそう思っていた。 彼が言うには、涼宮さん...
  • 長門有希の感情
    長門の姿を見る度に思う事なのだが、こいつは今読んでいるページ数が四桁に届きそうな分厚いSF物を読んでいるのが一番だ もしこいつがタコをモチーフとした火星人が襲来するどたばたギャグコメディ漫画かなんかを読んでいたら俺はいつかの無口で控えめな文芸部員の居た世界を思い出し、 変わった理由を探し出してまた何か奇天烈な行動を起こす羽目になるかもしれない しかし前は世界が改変していたから無かった事にはなったがもしそうでなければその奇天烈な行動は後々まで語り継がれ涼宮ハルヒなる団長様に毒されたと同情の目線を送られるだろう   「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒ」の団略してSOS団が占領する事現在進行形の文芸部室では長門が読むのはいつもの如く俺が三ページと持たない分厚い書籍を読むのが一番似合っている 別にこれは俺だけの意見ではなく、SOS団に属する全員が思っている事だろう   「……………」 「...
  • 橘京子の消失(後編)
     月曜日。  この日がダウナーでメランコリーな気分なのは何もハルヒに限ったことでなく、全世界の8割以上の人が大凡不快感を露にしているんじゃないかと思う今日この頃であるが、俺はその一周りも二周りも、いいやグロス単位で絶望のどん底に陥っていた。  その理由は、喫茶店やファーストフード屋をハシゴした胃もたれが原因でもなく、かといって日曜日にむりやり付き合わされた妹の買い物が原因でもなく、では何が原因かというと、朝方下駄箱に入っていた一通の手紙である。  いや、手紙なんて大層なものじゃないな。ノートの切れ端に慌てて書いたような、しかし女の子然とした文字は、どう読んでも『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室にきて』としか読めなかった。  差出人の名前は無く、ついでに言うと宛先もかかれていない。こじつけるなら、俺以外の人間に送るはずだったラブレターを、間違えて俺の下駄箱に入れてしまったお茶目...
  • 谷口の恋心
    「なぁ、国木田、朝倉ってどこに行っちまったんだろうな」 「どうしたの、急に。先生はカナダって言ってたけど」 朝倉涼子が転校して半年が経って、もうすぐクリスマスになろうとしていた。 「いや、何となくだ。クラス一の美少女が何の言葉もなしに転校ってのがどうも引っかかってな」 「何それ。ずいぶん今さらだね」 国木田の言うとおり。俺の読みではキョンあたりは何か知っているはずなんだが… そう思う根拠は朝倉の転校が知らされる前日のことだ。 「なんだ、朝倉。まだ帰らないのか?」 そろそろ日が落ちようかという時間で、教室には俺と朝倉しかいない。他の生徒は下校したか部活動にいそしんでるか、あるいは涼宮に振り回されてるかだな。 俺は何となく教室に残っていただけで…いや、実際は朝倉が帰り始めるのを待っていた。 「うん、ちょっと用事」 朝倉は笑顔で俺にそう答えた。やっぱり可愛いな。ランクをAA+からAAAにあげても...
  • スノウマーチ
     それは、とても残酷な告白だった。  けれどもそれは、どうしようもない事実でも有った。  事実を告げ頭を下げた既に卒業してしまった上級生に対して、僕等はそれ以上何かを言うことが出来なかった。  帰り道、暫くの間僕等は無言だった。  突きつけられた重い現実は、僕等にはどうすることも出来ない。  僕等に、そんな力は無い。 「ねえ、古泉くん」  沈黙を破ったのは、涼宮さんの方だった。 「何ですか?」 「古泉くんは、どうしたい?」 「どう、と言われましても……」 「どうにも出来ないって思ってるの?」 「……そうかも知れません」 「それって、悔しくない?」 「悔しいですよ。……でも、悔しいと思う以上のことは、出来ないでしょう」 「それは、そうだけど……。そうね、じゃあ、こうしましょう!」  涼宮さんが、ぱっと笑顔になる。  何か面白いことを思いついたときと同じ、満開の花のような笑顔。  今は、そこ...
  • ハルヒVSミヨキチ
    それはとある日曜日の朝のこと ハルヒに用事があるとのことで町内不思議探索は中止となり 布団に包まって気が済むまで寝ようとしていると携帯が鳴った ハルヒか?と思ってディスプレイを除いてみたが電話番号が表示されるだけで名前がない つまり電話帳に登録していない奴から電話がかかってきたと言うわけだな すでに5秒ぐらい着メロが鳴り続けているからワン切りでも無さそうだ これ以上鳴らして相手に迷惑をかける訳にもいかんだろう、間違いだったらその旨を伝えればいいだけだしな 「あ、もしもしキョンさんですか」 通話ボタンを押すと女の声が聞こえてきた 俺のあだ名を知ってると言うことは少なくとも間違い電話ではないと言うことだな もしこれで間違いだったらそのキョンとあだ名を付けられたやつに同情しよう 「え~っと失礼ですがどちら様で?」 「あ、ごめんなさい私は吉村美代子です」 思い出した、妹とは同級生だがとても同じとは...
  • お客様は宇宙人
    超能力者を訪ねてへ続きます 関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        何故か小、中、高校における学校生活において、他クラスへの侵入というのは憚られ、 他クラスの人間に用がある場合は廊下側の人間に目的の人物を廊下まで呼んでもらうというのが暗黙のルールである。 そこには、おそらくクラス間の見えない縄張り意識のようなものがあり、 そこを侵略しないと言う言外の言及が含まれているのだろう。 そして、その暗黙のルールを順守した者は、客として丁重に迎えられるのである。 これは、とある僕への客人の訪問が招いたちょっとした事件とも言えない事件のお話。  「おーい! 古泉。 客だぞー! ……女の!」  三時間目と四時間目の間の休み時間。 廊下側に居たクラスメートの呼びかけに視線を移すと同時に、 問題の呼びかけの後半部分が、嫌に鋭く、また何かしらのいやらしさを孕んで教室内に響いた。 ニヤニヤ...
  • 教科書文通後日談【ヴァレンタインディ編】
    このお話は、教科書文通の設定や紆余曲折を引き継いだ後日談になります。 オリキャラ(山田)や古長が苦手な方はご注意願いいたします。 ――――――――――――――――――――――――――――― 「……古泉、俺正直この言葉大嫌いなんだけど、今日ばっかりは言いたくなったわ。ごめん、言わせて。」  挨拶より先にこう切り出した山田くんが妙に生ぬるい笑みを湛えながら発した次の言葉に、僕は持っていた小さな箱を落とした。 「しね。」  中に甘い菓子類が入っていると見えるピンク色のリボンがかわいらしい箱は、僕の机の上にいつの間にか積まれたものの一つであり、 少なくとも僕が登校してきた時には似たような箱や袋が5つほどあった。おそらく、中身も皆同じようなものだろう。そういう季節だ。 「ちょ、なんですか。おはようより先にしねってなんですか。」 「そうだな。死ねは言いすぎた。やっぱこの言葉嫌いだ。うん、言い...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ゲツヨウビ(その一)~
    二日目[ゲツヨウビ]   うぅ・・・きつい。鉛の靴を履いているみたいだ・・・・・・。 あと、どんぐらいだ・・・?   普段の俺なら、とっくに頂上へと登りつめているであろうエネルギーを消費したにも関わらず、寝不足で弱りきった今の俺では坂の中腹辺りに辿り着くのが精一杯だった。 心の中では、俺はかなりのスピードで前進しているのだが、この無駄に長い坂道は、そんな俺をあざ笑うかのように、現実というものを教えてくれる。   昨日はあまり眠れなかった。いや、全くと言ってもいいだろう。 あの後、いろいろ考えることがあったからな。   結局、俺の心の中の議会が出した結論はこれだ。   無駄な心配をせず長門の帰りを待つこと。   口に出してみれば、すごく簡単なことだし、俺は別に何もするわけではないので、こんな結論、別に必要はないのだが、俺がこの考えに辿り着くまでには、かなりの時間を要した。   あんな顔見せら...
  • はるかぜふくまえに・エピローグ
    ○エピローグ   それから十日ほど後の話になる。俺はいつものように部室の扉を開けた。 「遅いわよキョン! さっさと準備しなさい!」 例によってハルヒの声。はて、準備とは一体何だろうね。 「しらばっくれるつもり? 無駄よ無駄。さ、みんなも準備はいい? 早速行くわよ! 新入生勧誘!」 ……そう。今日は新学年始まって三日目。つまり新一年生が今日から平常授業ってわけだ。 俺たちSOS団は全員がめでたく進級し、朝比奈さんは最上級生、他の四人、ハルヒ俺古泉長門は二年生になったってわけだ。 いや、実にあっという間だったなこの一年間は。だからといって何もなかったわけではなく、むしろ俺が今まで生きてきたどの一年よりも濃い、それこそジュースで言えば果汁100%でもまだ効かないような濃密な時間を過ごしてきた。 今だから言える。すべて楽しかった。あぁ、すべてさ。毎日、365日だ。 「す、涼宮さぁ~ん、またこの格...
  • 遠距離恋愛 第二十七章 エピローグ
    第二十七章 エピローグ   一般的な日本の常識で花見と言えば、3月中旬から4月中旬にかけてのイベントであることに何の疑問の持たなかった数年前の俺を誰が責められよう。確かに今は4月ではあるのだが、既に日本全国の誰もが待ちわびていた大型連休に突入しており、今日はその2日目だ。桜の花びらが舞い散る中、俺は「新入生歓迎!」とでかでかと書かれた横断幕の花見の席の中にいた。 既に宴が始まって3時間。宴の一部はもう大変な事になっている。 大声で談笑しながら新一年生達のコップに酒を注ぎまくる2年3年の男子学生達。女性が少ない学部だからか女子新入生の周りを、学年を問わず男子学生が取り巻いていた。逆に、その数少ない2年3年の女子学生達は品定めをするように男子新入生を遠巻きに眺めながら、そっちはそっちで盛り上がっていた。   俺はそんな光景を眺めながら喧噪からちょっと離れた場所に座り、ウーロン茶を飲んでいた...
  • 鶴屋の湯
    『鶴屋の湯』 「へぇー、そうなんですか、給湯器がこわれちゃったんですかー」 「それで銭湯にでも行くかってね……」 「え、せんとう、って? お風呂に入るために戦うんですか?」 「いや、あの……」 目の前で、大きな瞳をさらに大きく見開いて、疑問の渦でうるうるさせている、愛らしい上級生に対して、俺はどう反応すれば良いのか、すっかり迷ってしまった。ひょっとして、いやひょっとしなくても未来から来た女神様は銭湯がなにかをご存じないらしい。 放課後の部室はすっかり憩いの場だ。机をはさんで向かい側の古泉も、目を細めて俺と朝比奈さんのやり取りを見つめている。長門は、うん、まぁ、あえて描写するまでもないな。 「あの、銭湯っていうのはですね……」 と、説明しかけたところで、団長席でハルヒと一緒にモニタを覗き込んでいた鶴屋さんが頭を上げた。 「おや、みくるは銭湯を知らないのかい?」 今日は珍しく鶴屋さんも...
  • 二人だけの時間
       わたしは今、先生に頼まれて、下級生の教室まで向かっています。  えっと、プリントを届けないと行けないんですよね。  一年九組、うん、ここですね。 「あのう……」  扉の外から呼びかけてみましたけど、返事はありません。  おかしいなあと思いながら、わたしは空いている方の手で扉を開きました。  そうしたら、教室には誰もいませんでした。 「あれ……」  ううん、何ででしょう。休み時間とはいえ午前中ですから、誰もいないなんてことは……、そう思って教室中を見渡したわたしは、黒板の横にかかっていた時間割を見てその理由に気づきました。ちょうど今、このクラスは、二時限連続での授業の途中みたいです。  そっかあ、だから誰も居なかったんですね。 「えっと、これで良いですよね」  プリントを置いて、わたしは教室を立ち去ろうとしました。  ちょうど、そのときのことです。  教室のどこからか、音楽が聞こえて...
  • 朝比奈みくるの思惑
    「あの、キョンくん。明日のお休みの日、一日空いてますか?」   この世でエプロンドレスがもっとも似合う女性にそんなことを言われれば、例え未来的 な厄介事を背負い込むことが確定的であっても、オレは首を縦に振るしかない。 とはいえ、出来ることならその意図の裏に何が含まれているのか、事前に教えておいて もらえると心の準備ができてとても有り難いんですが……。   「あ、大丈夫です。今回はホントのホントに何もありません。ただ一緒にお出かけしたい なぁって思って」   そういうことなら、オレが拒否する理由なんぞミジンコ程度もありゃしない。むしろ明 日を国民の休日にして祝いたいくらいだ。それどころか、本当にオレでいいのかと考える のは、これまでの人生で恋愛運がつねに1つ星だったせいだろう。   「でも……なんで急にそんなことを?」 「えっとぉ、急なのは分かってるんだけど……実はこれを鶴屋さんからもらっち...
  • 酒と思い出
    「ねぇ。カシスオレンジ」  みんな。いきなりですまない。しかしこいつに空気を読むなんてことは出来ないから仕方がないんだ。 「空気嫁」なんて言った日には「空気は読む物じゃなくて吸うものよ」と返されるに違いないくらいに空気が読めないやつなんだ。こいつは。  高校。大学。社会人となぜか全く同じ道を歩んでいる女。涼宮ハルヒ。今日も仕事帰りにいつもの店で飲んでいるわけだ。 「早く頼みなさいよ。今日は飲みたい気分なの」  この台詞は店に来たときに言う台詞のはずだ。もうこの店には数時間滞在している。きっと店を出る頃には俺の財布は高校時代の姿に戻っているに違いないだろう。  なぁハルヒ。お前それで15杯目だぞ。飲みすぎじゃないか? 「うっさいわね。今日は飲みたい気分だって言ってるじゃない」  ちなみにこの言葉を朝からずっと俺は聞いている。仕事中も、休憩中も。きっと睡眠時か朝に何かこいつを苛つかせるようなこ...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(前編)
    「はーい、おっじゃっましまーす!」  ハルヒは二年――つまり立場上上級生のクラスにノックどころか、誰かにアポを取ろうともせず、大きな脳天気な声でずかずかと入っていった。俺も額に手を当てながら、周囲の生徒たちにすいませんすいませんと頭を下げておいた。  ここは二年二組の教室で、今は昼休みだ。それも始まったばかりで皆お弁当に手を付けようとした瞬間の突然の乱入者に呆然としている。上級生に対してここまで堂々とできるのもハルヒならではの傍若無人ぶりがなせる技だな。  そのままハルヒは実に偉そうな態度のまま教壇の上に立ち、高らかに指を生徒たちに向けて宣言する。 「朝比奈みくるってのはどれ? すぐにあたしの前に出頭しなさい」  おいこら。朝比奈さんを教室の備品みたいに言うんじゃない。いやまあ、確かにあれほど素晴らしいものを 常にそばに置いておきたくなる必需品にしたくなるのは当然だと思うが。  突然の宣言...
  • やすらぎ
    《キョン、すぐに音楽室に移動しなさい》 ……なんだこれは。俺が遅れてきて部室に入ると誰もおらずに、こんなことを書かれた紙だけが置かれていた。 やれやれ、今度は何をしやがるってんだ。 俺は部室を出て、急いで音楽室へと向かった。……吹奏楽の連中はいないだろうな? 今は何故か吹奏楽の連中がかき鳴らす楽器の音が聞こえない。代わりに誰かが弾くピアノの優しい旋律が学校にこだましていた。 俺はその心地よい旋律に誘われるように音楽室へと向かい、ドアを開いた。 「………ハルヒ?」 ドアを開けると、座ってピアノを聞いている吹奏楽の連中、古泉、長門、朝比奈さん。……そして、ピアノを弾いていたのはハルヒだった。 俺は古泉の横に座り小声で尋ねた。 「おい、これは何事だ」 やはりいつものムカつくスマイルを浮かべて返事が返ってくる。 「見ての通りです。涼宮さんがピアノを弾いていらっしゃるのですよ」 俺はチラッと長門と朝...
  • あなたたちと夕食
    「さぁて。それじゃまずはどうしましょかね。有希、冷蔵庫見せてもらっていい?」  一拍置いて、 「いい」  長門が答える。やっぱりぎこちないな。 「うん。それじゃちょっと失礼するわ……って、有希? ほとんど何にもないじゃないの!」  もちろん長門に呼びかけているのはハルヒである。その様子はテストでよろしくない点数を取ってしまった息子を叱りつける風でもあり、俺はこいつの息子でもないのに何やら胸がチクリとする。 「うーん。買出しに行く必要があるわね。って言っても、今あたしあんまり持ち合わせがないのよね」  ハルヒは自分の財布を取り出して中身を確かめた。突然俺に眼光が向けられる。何だよ。 「キョン、あんた、あたしたちに借りがあるわよね?」  何のことだか。それにその話を持ち出すのは反則じゃないのか? 「心配料よ。何なら医療費でもいいわ。あんたはたった今までそこでノビてたんだからね」  なんちゅう...
  • 一本の樹 前編
       「バイトがあるので今日は先に失礼します」  にやけ面がドアから顔だけ覗かせ帰る、一見すると日常に見える非日常のサイン。これから身体を張らなくちゃならん面倒事が待っているというのに、よくもまあにやけていられるものだ。関心なぞしてやらんがね。 「古泉君帰っちゃったの?この間のお礼に勲章をあげようと思ってたのに」  古泉と入れ替わりに部室に現れたハルヒが残念そうに言っている。ていうかくだらないことを考えるな。副団長の腕章をもらったときに古泉がしてみせた気持ち悪いウィンクを思い出しちまったじゃねえか。 「まあバイトなら仕方ないわね。明日また渡すことにするわ!」  ハルヒは今日も上機嫌だ。これというのも、先日の『脚本・監督:古泉・機関』『主演:俺』の恥ずかしいホワイトデー企画が功を奏したお陰なわけだ。あれは本当に恥ずかしかった。詳細は・・・すまん思い出したくない。  しかし、...
  • ガール・ミーツ・ガール1
    女の筈の俺がどうして男言葉で且つ「俺」などという一人称を使っているかと言えば、 それはまだ俺が小学校に上がる前に俺に面白がって男言葉を仕込んだ人物が居るからとい う単純な理由でも有ってそれ以上でもそれ以下でも無い。 でもってその人物はと言えば近所に住む女子高生だったのだが、 彼女は俺が小学校に上がる頃と前後して引っ越していってしまったので、 下手をすると彼女の記憶には俺のような子供が居たことさえ残ってないのだろう。 少なくとも、今でも男言葉とは思っていないだろうな。 まあ、それ以降全然連絡は取ってないんで確証は無いんだが。 家族はどうだったかって? 妹が姉のことを「キョンちゃん」などという間抜け極まりないあだ名で呼ぶのを放置す るような家族なんだ、押して知るべしって感じだな。 そんなわけで俺は今になってもこの一人称と男っぽい言葉使いが全く抜けないわけだが、 中学の真ん中辺りからは言い訳する...
  • 赤い絲 前篇
    『赤い絲 前篇』  どこか遠くから甲高い電子音が聞こえてくる。  それは自己主張するかのように徐々に大きくなっていき、呼応するが如く闇に潜っていたあたしの意識が浮上した。  あたしは毎朝の習慣から無意識に布団の中から手だけ伸ばして、ちょっと煩わしくなってきた発信源を引き寄せた。手探りでタイマーを解除する。音が止んだ。  取り戻した静寂の中、再び意識が深淵に滑り落ちていきそうになる。まだ眠い。けれど起きなきゃ。  重い瞼をなんとか押し上げる。右手に納まったままの時計を見ると『AM 07:07』  その数字の配列になんだか少し得した気分になった。自ずと睡魔が撤退し、それを機にあたしは上半身を起こした。  大きく伸びをする。カーテンの隙間から差し込む光が『本日ハ晴天ナリ。』と告げた。ますます気分は上昇する。  今日は土曜日だから学校は休み。でもSOS団の活動はある。集合は九時。  まだぼん...
  • Different World's Inhabitants YUKI~カヨウビ(その一)~
      三日目[カヨウビ]   2人の長門が入れ替わって3日目。残された期間は今日を含めてあと3日だ。 まあ、あまり心配はしていない、いやしないようにしている。 じゃないと、今みたいにのんびり登校ルートを歩いちゃいねぇよ。   今日は昨日のように寝不足ではないおかげか昨日よりスイスイ上っていける。 俺も結構、体力ついたかな?   「よぉ、キョン。」   待て。俺はお前が誰だか、確認せずとも分かるぞ。 このアホ声は・・・谷口だろ?   「はん、何バカなことやってんだ。それに、声にアホもくそもあるかっつうの。」   いや、分からんぞ。声だけでも人のイメージはかなり決まってくるからな。   「何?つまり、俺は声だけでアホと言われてるってことか?」   いや、お前の場合は声だけでなく、顔、性格、評判、全てを総合的に配慮した結果・・・   「分かった。もういい。そのことについては触れないこと...
  • あさひなの泣く頃に~キョン落とし前編~
    入学してしばらく、SOS団という部活に慣れ始めた今日この頃。 朝倉が消え、山根が燃え尽きているのを見ながら、 「ああ、やっぱり朝倉は男女共に好かれてたんだな」と思っていた。 今は授業中。物思いにふけるにはちょうどよかったりする。 色々あった。 鶴屋さんはこの世を去り、朝比奈さんは学校に来なくなった。 しかたがないと今は納得している。 長門はいじめに遭い、それを見つけてから長門とは前より傍にいる。 またいじめられたら嫌だからな。長門はそのせいか前より表情を見せるようになった。 まあ気づけるのは俺くらいだけどな。ついでに行動もわりと積極的になった。それについて情報ナントカ体が気なったが、お目付け役の喜緑さんが何も言ってこないのだから、別にたいしたことではないのだろう。   「今日はみくるちゃんを励ましにいくわよ!」 放課後、ハルヒはまたはた迷惑なことを言い出す。 担当医からはOKサインが出され...
  • 朝倉涼子の面影~恋文~ 新章:encounter
            新章:encounter 「彼女の言葉は、おそらく事実」 と、朝倉と入れ違いでやってきた長門に今の状況を説明すると、あっさり肯定した。 「なんとかミヨキチから朝倉を追い出すことはできないのか?」 朝倉自身はそれが「無理」と言っていた。それは朝倉の言い分だ。実際に無理かどうかはわからない。もしかすると長門ならなんとかしてくれる……なんて淡い期待を寄せていたんだが。 「不可能」 初めて、長門の口から「不可能」って単語が出たように思う。こいつにもできないことがあったとは、素直に驚いた。 「だが、方法はゼロではない」 いったんは落ち込んだ俺だったが、その言葉に色めきだつ。方法があるのなら、不可能とは言わないだろ。 「どうすればいいんだ?」 尋ねると、長門は誰かに判断を仰ぐかのように視線を空中に彷徨わせてから俺に目を向けて、まったく関係なことを口にした。 ...
  • キャッチボール with 古泉球
     どうしてこんなことになったんだろう。  僕は頭を抱えつつ、いや、両手が塞がっているから物理的にそんなことは無理なんだけれども気分的にはそんな感じで、とにかく、もう、どうしようもないとしか言いようが無い今の状態に着いてもう一度最初から思い返してみることにした。  そもそもどこが最初かと問われても困るのだけれども……、確か、雪山の山荘での出来事も終わりからかな、僕が今この右腕にぶら下げる形でSOS団名誉顧問なる役職を与えられている上級生さんにちょくちょくお誘いを受けることになったのは。山荘での事件がどうのというところから始まって、他愛ない話をして、一緒に映画に行ったりご飯を食べたりショッピングをしたりなんていう、デートモドキみたいなことをして……、結構嬉しかったのは確かだけれど、それ以上のことは何も無かった。あ、バレンタインのチョコをこっそり貰ったりはしたかな。もちろん義理だって言われたけ...
  • お茶とおせんべい
      こんにちは。今日はわたしこと朝比奈みくるがお相手を務めさせていただきます。 文章はうまくないと自分でも思うんですけど、最後まで頑張りました。 ちょっとおかしかったお話をお届けしたいと思います。 いつものように放課後は、部室に集合です。 今日は涼宮さんとキョンくんが遅れています。掃除当番かな。それとも涼宮さんに用があって、キョンくんが巻き込まれているのかも知れません。 そういうわけで、いま部室には三人しかいません。 いつもにこにこ笑顔を絶やさないけど、ときどき怖い目でわたしを見る古泉君。良く言えばミステリアス、悪く言えば無愛想な長門さん。 そして時をかける少女であるわたし。 その三名で、長テーブルを囲んでいます。 どうせ二人がこないと始まりませんから、それまで三人でお茶しながらお話することにしたのです。 「しかし、あのお二人はどこまでいきましたかね?」 古泉君が目を細めて、お茶を一口すす...
  • Close Ties(クロース・タイズ) プロローグ
    Close Ties(クロース・タイズ) プロローグ      暗くなった部室に私は涼宮ハルヒと二人きりでいた。なんとも珍しい状況だ。  部活時間は過ぎ、下校を促す放送も流れた。 「アタシは、その…そんなつもりで質問したわけじゃないのに…」 「私は確かに古泉一樹の気遣いには感謝している。でも、彼に対して特別な考えを抱く事はない。それは誰に対しても変わらない。だからあなたも安心して欲しい」  昨日、私は一人図書館で、本という装丁からして芸術的で美しい記憶媒体が多数保存されている空間からの帰り道で古泉一樹と出会い、歩いていただけだ。私の居住地を教えておいた方が良いと判断したためである。  しかしその姿はクラスメイトに目撃され、私は同級生から何故一緒にマンションへ入ったのかと質問攻めにされるという非常に面倒な状況に陥ってしまった。感謝の印としてお茶を振る舞うのはおかしい行為なのかと質問し返した...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第三章
    「あ、キョンくん」  喜緑さん疑惑のある議事録のページをコピーしに走り、会長のところに議事録を返却しに戻り、そこで会長に俺が適当な理由を吐くまで拘束され続け、その足で部室に赴いてもう一度パソコンを起動させてみた。パスワードとあるからにはどこかにロックがかかっているのではと思ったのだが、あいにくどこも普通にデスクトップを表示するだけだった。そんなこんなしているうちに昼休みは終了してしまい、校外に逃亡しようという行為を教師に目撃されないように前後左右を確認の後抜き足差し足で、などとやっていたら脱出がかなり遅くなってしまった。  もちろん靴箱も探してみたが残念なことにラブレターはおろか手紙の類は一切入っていなかった。しかしそれも俺の右手に握られているものを思えばそれほどショックなことでもない。  俺がダッシュで校門を突破すると、朝比奈さんが急斜面の脇に生い茂る木々の隙間からひょっこりと...
  • 涼宮ハルヒの進路
    『涼宮ハルヒの進路』 3月。鶴屋さんと朝比奈さんはそろって卒業し、鶴屋さんは地元の大学へ合格した。 朝比奈さんは・・・試験当日、高熱を出して文字通り昏倒し、結果、一年を棒にふった。 おかげでというか、卒業後も文芸部室のマスコットを継続していただけることになった。 予備校とか、いいんですか?と控えめに聞いた俺に対し朝比奈さんは泣きそうな声で 「私は! 試験に落ちたんじゃないですから!」 と叫んだ後なにやら呪うようにつぶやいていた ウケテサエイレバ ウケテサエイレバ ウケテサエイレバ 聞かなかったことにしよう 4月がきて、俺たちは最上級生へと進級した。このままいけば来年で卒業であり 本格的に進路を考えざるを得ない状況に追い込まれたわけだ。 職員室の岡部のところまで日誌を届けに行くと、先客がいた。ハルヒだ。 聞くともなく聞いた内容によると、ハルヒは進路調査を白紙で出したらしい。 「どうした...
  • みくるの湯
    姉妹編『長門の湯』『鶴屋の湯』『一樹の湯』もあります。     ====== 『みくるの湯』 台風の季節が過ぎ、本格的な秋を迎えると、さすがに朝夕の寒さが身にしみるようになってきた。怒涛の文化祭やらコンピ研とのインチキ宇宙艦隊対戦でドタバタした去年に比べて、今年の秋は至って平和だ。 放課後の部室も、すっかりやわらかくなった秋の日差しが差し込んでいるが、あと一ヶ月もすると、ハルヒが大森電器店からせしめてきたストーブが活躍することになるだろう。 そんな部室にいるのは、朝比奈さんと長門、そして俺の三人、ハルヒは掃除当番であり、古泉はホームルームでも長引いているのかも知れない。また今日もまったりとした午後のひと時の始まりである。 「お茶です、どうぞ」 「ありがとうございます」 熱いお茶が美味しい季節を迎えたわけだが、朝比奈さんのお茶は季節に関わらず美味しいわけで、俺は、そんな至福の時を...
  • 水晶の夜⑧
      長門の気配が消えた。 振り返ってみた。 やっと帰ったか。 机につっぷした。 「つ、疲れた…。」 作戦終了だ。 成功か失敗かは知らんが。 「おつかれさま。」 店長さんから初めてやさしい言葉をかけられた。 「ソフトランディングですよ。」 「確かにね。あれならコップの水もこぼれないわ。」 「お説教なら覚悟してますよ。 いくらなんでもおまえは捨石だとか言うべきじゃなかったかもしれません。」 顔を上げて話を聞いた。 「だけどハルヒちゃんとずいぶんやり方が違うわね。」 「ハルヒには理屈は通用しません。 長門には感情は通用しません。 それだけのことです。」 佐々木と中学時代によく話していたのが役に立った。 デカルトだのパスカルだのシェークスピアだの予定説だの空の理論だの、全てあいつの受け売りだ。 あの説明好きのウザイ野郎との会話も役に立ったのかもしれん。 「そんなことないわよ。 やっぱり女は感情的...
  • 「涼宮ハルヒのビックリ」エピローグ あとがき
    エピローグ  週末土曜日。一週間ぶりの市内探索ツアーである。  五分前に集合場所に着くと、既に四人が待っていた。今日も俺が罰金なのか・・・そんなに俺におごらせるのが嬉しいのかと言わんばかりに、ハルヒは笑顔であった。いや、それ以上の笑顔ともとれる。昨日お前の食卓にワライタケでも出てきたっていうのか。  「早く喫茶店に行くわよ」  はいはい、分かってますよ。ハルヒに促されるように喫茶店に入り、指定席になってしまっている席へむかうところだった。誰かそこに一人座っている。今日は違うテーブルになるのかなどと思っていると、ハルヒはすでに一人座っているテーブルへ向かった。  今回の騒動にて、一番の驚きがそこに待っていた。世界がハルヒの仕業で分裂したことなどどうでもよくなる出来事だった。現に俺だけじゃない。古泉はいつもの笑顔を忘れて口をあんぐり開けている。その顔写メにとっておきたかっ...
  • キョンいじめ短編2
    キョン「朝比奈さんってホントはいくつなんですか?」   みくる「フフ、禁則事項です♪」   キョン「えー、別にいいじゃないですかそれぐらい」   みくる「禁則事項です」   キョン「あ、干支はなんですか、干支」   みくる「禁則事項です」   キョン「そうですか……ちなみに、好きな食べ物はなんですか?」   みくる「禁則事項です」   キョン「それもですか?ええと、じゃあ、好きな飲み物とか……」   みくる「禁則事項です」   キョン「朝比奈さん、オレのこと嫌いなんですか……?」   みくる「気づくのおっせーんだよこの糞童貞。マスかいて死ね」     古泉「古泉一樹!こ~い~ず~み~い~つ~き~ こ・い・ず・み・い・つ・き こいずみいつき‥古泉一樹♪   古泉「…orz」   一同「あはははは」   みくる「朝比奈みくる あさひなみくる♪あ~さ~ひ~な~み~く~る~朝比奈‥みくる‥」  ...
  • SOS団の被害妄想
    みくる「はい、どうぞ。お茶が入りましたよ」 キョン「ありがとうございます」 古泉「これはどうも。ありがとうございます」 長門「………」   みくる「涼宮さんもお茶をどうぞきゃっ!」 ハルヒ「あつっ!」 みくる「ごごごごめんなさい! どうしよう、お茶こぼしちゃった……」 古泉「涼宮さん、大丈夫ですか? 火傷はしていないようですね」 ハルヒ「大丈夫よ。火傷するほど熱くはなかったし」 キョン「念のため、水か氷で冷やしておくか?」   みくる「ぅぅう」   キョン「朝比奈さん? どうしました?」 みくる「涼宮さん、すいませんでした。私のせいで嫌な思いをさせてしまって」 ハルヒ「いいのいいの。これくら、舐めとけば治るわよ」 みくる「………」 みくる「……本当に、ごめんなさい!」 ダッ キョン「あ、朝比奈さん!?」 古泉「出て行ってしまいましたね。どうしたのでしょう」 ハルヒ「私、なにか変な...
  • 二年前のValentine(佐々キョン)
    はい、回想終わり。 「まさか、それほどまでとは」 古泉は眉間に中指を当て、 「まるで本当に無邪気な中学生同士のたわいもない恋愛模様の一ページのようではありませんか。」 そう言うがな。つっても、俺と佐々木の間にそういう男女づきあいは・・・・。 いや、一日だけならあるか。 あの日は、俺が初めてあいつの女子らしいところを発見した日でもあるんだ。 たしか・・・二年前。いや、たしかめる必要などないくらいには記憶しているさ。 中学三年生の二月。受験戦争に巻き込まれ鬱々真っ盛りだったころの話だ。 ・ ・ ・   俺はその頃、現在通っている北高に進学しようと決めており、試験勉強のために行きたくもない塾に通わされていた。 学校の勉強だけでもうんざりさせられるのに、何故ここまでしなければならないのかといえば、まぁいままでサボってきた自分が悪い。 この三年間、あまり熱心に勉強してこなかった俺は、...
  • どうって事ない日常「偏屈ね 、」
    その日部室には俺、ハルヒ、朝比奈さん、長門がいて、自称超能力者以外は皆揃っていた。古泉は掃除当番で遅くなるらしい。 ついでにそのまま学校中を清掃してくれればありがたいね。   ハルヒは近頃はネットサーフィンで電子世界を泳ぐのも飽きたのか、今はオセロで俺を相手に暇をつぶしており、朝比奈さんは可憐過ぎるほどのメイド姿で団長席に座ってパソコンを何やらせっせといじくり回し、長門は普段通り言うまでもない。   ま、現在の部室内は至極平和な、俺にとっては至福の一時が流れているわけだ。ああなんてお茶の美味いことか。 しかし、そんな俺の 心の平穏を忌み嫌い、否応なしに崩壊させるのはやはり涼宮ハルヒその人なのである。   「アンタってなんでそんな偏屈なワケ?」 向かいで俺の黒石を4つの白石に変えたヤツが突然そう真顔で言いやがった。 聞いた瞬間、自分の左下まぶたがヒクヒクと痙攣するのを感じてすぐさま俺は反射...
  • 「涼宮ハルヒのビックリ」第四章α‐8 β‐8
    α‐8  「キョンくん、ただいま!」  玄関に入るや否や、妹がかけよってきた。おいおい、ただいまではなくて、おかえりなさいだろ。やっと小学校最上学年にもなってそんな調子でいいのか。こんな時にも、機関の関係者が俺たちを警備しているに違いない。俺の部屋に入ろうとする妹を退け、ベッドに飛び込んだ。なんだってんだ、SOS団に入団希望者が来てただ事ではない事件が起きようとしているのに、長門のあの言葉。  「キョンくん、ごはんだよ!」  悩んでも仕方ない。後で長門に電話するか。夕食を終えた後、部屋へと戻り、長門に電話することにした。  スリーコール待たされた後、  「・・・・・・・・・」  「長門、俺だ」  「・・・・・・・・・」  相変わらず無言の相手に、俺は続けた。  「今日のことなんだが、どういうことか説明してくれないか」  「あなたが九曜周防と呼称される...
  • @wiki全体から「上級生下級生」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索