涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「二人で、校舎にて」で検索した結果

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  • 題名付き・普通短編
    ... 長門さんとギター 二人で、校舎にて 携帯電話 コミケにて 長門有希の体温 ある雨の日のこと 遺書 気のせい・・・? 感情 1.35倍 俺・・・実はポニテ萌えなんだ(憂鬱後記) 俺・・・実はポニテ萌えなんだ 涼宮ハルヒのエロゲー 朝比奈みくるとポケモン 憎悪、拒絶、少女 長門有希の虐待 日常 大切な君達へ……… 長門さんと白雪姫 えいえんのせかい だーれだ? 『きっかけ』 忘れな草 『涼宮ハルヒのコミケ』 涼宮ハルヒのカラオケ 涙 オセロ三番勝負 焼いた芋 酒と桜と…… 海の家のラーメン キッドナップ・テレフォン のれん 遊○王 赤服親父捕獲戦線 プリン作戦 カッコイイキョン君 くじびき妙バランス 未だ来ない日の一頁 鬼編集長の期待 妄想が…妄想が…蔓延る! 暮れの演奏会 古泉一樹の戯言 半年と4日目の憂鬱 CALLED(kyon side) CALLED(haruhi side) ...
  • 二人で…
    夏の暑さもすっかり弱くなって過ごしやすくなった今日この頃。 涼しげな気持ちのいい風が並んだ木々の葉を揺らした。葉の触れ合う音とちょうど良い気温が秋の訪れを感じさせる。   今あたしはキョンと一緒に部室から帰ってるところ。 今日は珍しく有希もみくるちゃんも古泉君もみんな用事があるって言って帰っちゃった。 なんかこんなことが前にもあった気がするわね。もしかして何か企んでるんじゃないかしら。 …まあいいや。そのおかげでこうしてキョンと二人で帰れるんだから感謝しないとね。 キョンは「そうだな」とか「それは止めといた方がいいんじゃないか?」とか言ってあたしの話に相づちを打って、どんな突拍子もない事を言ってもちゃんと返事してくれる。 呆れたような気の抜けたような、でもそれでいて優しい笑顔で。   ねえキョン、こんなに近くにいるのに…こんなに好きなのに…どうしてただの友達なの?どうして好きって言ってく...
  • 壊れたパズル
    小春日和の一日が終わり、校舎の影がこの部室の一番奥まで届いています。 彼岸花のように燃える夕日がとても綺麗な、秋の夕暮れ。 私は一人この部室に佇んで、彼がやってくるのを待ち続けています。 今日も彼は、影をもとめて、この学校内をさまよい続け、 傷ついた小鳥が巣に帰るように、最後にこの部室へとやって来るのです。 そして、ひび割れたガラス細工が壊れないようそっと彼を包み込み、 彼を見守るのが今の私の役目。 廊下から響く足音が私に、彼の帰りを知らせます。 願わくば、いつも通りの彼でありますように―― コンコンと短く響くドアの音。 よかった……いつもの彼のみたいです…… 「はぁいどうぞ」 ドアを開ける彼。いつもの微笑みを私に見せてくれました。 「あ、あれ?朝比奈さんだけですか?長門と古泉は?」 「ええ、長門さんと古泉君はもう先に帰っちゃいました。私だけじゃ不満でしたか?」 ...
  • お茶会へようこそ!
    それは、卒業式を翌日に控えた夜のことだった。ふと、夜中に目を覚まし、布団の中で天井を見つめている自分に気づく。どれくらいの時間こうしていたのだろう。時間の感覚がいつもと違う気がした。 あまり物事に執着心など持たない人間だと思っていた自分にも、卒業式を迎えるにあたって、やはり何か思うところがあるのだろうか。思えば、あの日涼宮ハルヒと出会って以来、俺の高校生活は予想を大きく裏切る非日常の連続だった。 当時は怒ったり呆れたりの連続で、自分の不運を恨んだこともあったが、いまではそのことも含めて大切な思い出だと思っている。きっと大学に行っても、これ以上のサプライズに満ちた日々は送れないだろう。 そう思うと、高校生活が終わってしまうことが少し惜しい気がする。もっと、たくさんの何かができたであろうのに…… 目を閉じると、SOS団で過ごした日々が走馬灯のように目頭に浮かんでくる。ハルヒの怒った顔、長...
  • I am teacher
    1月のとある日、この日は朝から寒い日だった。 涼宮ハルヒが非合法で活動しているSOS団も何とか無事に年を越すことができた。 この日もいつもと同じように金曜日の1時限目は英語の授業行なわれるはずだったが……少しばかりおかしな事態になっていた。 ひとつは俺が座る、窓際後方2番目には俺ではなく国木田が座っているということ。 もうひとつは俺が学生服ではなく、濃いグレーのスーツに赤いネクタイの組み合わせで教壇に立っていることだ。 ホワイ? なぜ俺は教師になっているんだ。     英語の授業をしながら、今日の朝の記憶を辿ってみた。 まず朝起きて、顔を洗って鏡を覗いくと少し顔が老けていることに気づいた。 寝ぼけているのかと思いながら、部屋へ戻ってみると学生服の掛けてあるはずのハンガーにはスーツが掛かっており、学生服が見当たらなかった。 とりあえず、スーツに着替えるとスーツの胸ポケットに教員証が入っていた...
  • お悩みハルヒ~3部・不思議な返答編~
    朝、目が覚めるとやっぱりあたしのイライラは消えていた。なんでなのかしら?  あたしの体内に何かそういう物質が入ってるのかも。今度、解剖して見てもらうのもいいかもしれないわ。  それにしても……『午前4時』。昨日、早く寝たぶんだけ早く起きちゃったのね。  どうしようかな……早く行って、部室でダラダラしとくのがベストかも。鞄も取りに行かなきゃいけないし。  ……決まり! 7時くらいからずっと部室でパソコンでもいじっとくわよ!  そうと決まれば学校に行く支度をしなくちゃね。  朝ご飯もたまには自分で作って、身だしなみを整えて、ちゃんと財布を持って、着替えて……。  それでも余裕で時間が余りすぎた。さすがに早起きしすぎちゃったわ。  まぁ、いいわよね。ゆっくり歩いて行けばいい時間よ。コンビニとかに寄ってもいいし。  あたしは家を出て、ゆっくりと歩き出した。そういえばあたし、キョンに告白したのよね…...
  • She loves him.
    世間には、姿が無くとも確かに存在するものがある。などと言われているが、 本日はそういった目に見えぬ事柄に甘ったるい物で形を与え、 そしてとある条件下に置かれた男女にとっては殆ど例外無く その甘ったるいものを互いに確認し、そして見つめ合うであろう事が 想像するに難くない…2月14日。つまり、バレンタインデーである。 そしてもう一つ。ここに人類が存在しているなんてのは、 瓶詰めにされた時計の部品が振り乱される事によって偶然完成をみる事のような、 摩訶不思議的かつ天文学的な確立の数値で表される程の現象であるらしいのだが、 俺は、実は意外とそんな事は多発的に起こり得るんじゃなかろうかと感じている。 北高という限定された空間の中で振り乱されてきた俺達の中にもまた、 一体この世の誰が想像出来たのであろうかという物が組み上げられてしまったのだから。   早朝、北高へ臨む坂道を普段よりも軽快に感じな...
  • 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(後編)
    SIDE 長門   以前撮影した映画の衣装を着て、朝比奈みくる、古泉一樹と共に寸劇をしていると、 舞台袖に涼宮ハルヒ、そして彼が戻ってきた 彼の方を向くと彼と目が合った。 すると彼は頷いた。……成功したようだ。 生徒会長を殺害したのならば、もうこのイベントを続けることに意味はない。 涼宮ハルヒもそう考えたのか、早々に結果発表へと移った。 結果は、寸劇で見事に演じたということで私が優勝。……何故? 参加者は文句を言っていたが、朝比奈みくるが私の頬に接吻をするのを見ると、何故か満足そうに引き上げていった。 イベントも終了し、後片付けをすましたら、ここからは私の役目となる。   ハルヒ「じゃあ、一旦解散ね。そして夜の9時、またここに来ましょう。」 キョン「長門、一人で大丈夫か?」 長門「……大丈夫。」 古泉「警備員などに見つからないようにしてくださいね?    まあ長門さんならばそんな心配はい...
  • 二人の3月末日
     唐突に吹きつけてきた風は、肌を刺すように冷たかった。  朝、9時30分。  私は、いつもの待ち合わせ場所でキョンを待っていた。  今日は寒かった。明日から4月だっていうのに、理不尽だわ。    しばらく待っていると、キョンが間抜け面をさらしてやってきた。   「遅刻! 罰金!」  私はいつものように、右手の人差し指をつきつけてそう宣告する。 「約束の時間には遅れてねぇよ」 「女を待たせてる時点で遅刻なのよ!」 「それは、どこの世界の法律だ?」    たわいもないやりとりのあと、二人連れ立って歩き出す。  私が寒がっているのに気づいたキョンは、自分の上着を脱いで羽織わせてくれた。  やっぱりキョンは優しい。    そうやって歩いていると、前方から嘘っぽい微笑みを浮かべているイケメンっぽい男の子と、人形みたいに無表情な女の子が歩いてきた。女の子は北高の制服を着ている。  北高の生徒? どっ...
  • 墓地にて
    我がSOS団の団長様の気まぐれは、今に始まったことじゃない。 この1年を振り返れば、SOS団設立から始まり野球大会、映画撮影、文芸部の機関誌作りなどなど、ハルヒのわがままで振り回された出来事ばかりが脳裏を過ぎる。 そのためか、ある程度の暴走なら寛容に受け入れる心の余裕ってのがオレにもできた。だから「花見を決行するわ!」と言われても、その程度ならこれまでの出来事に比べれば軽いもんだ。無感情に「はいはい」と答えたわけだ。   もうちょっと考えりゃよかったよ。   よく考えてくれ。相手はハルヒだ。ハルヒはどんなヤツだ? 宇宙人・未来人、超能力者どんとこい、ってヤツだ。 そんなヤツが真面目に花見なんてするわけがない。 オレは呆れて時計を見る。午後8時。すっかり日も暮れた時間だ。 周囲を見渡す。キレイに切りそろえられた石が並び、オレには読めない文字が書かれた木の板も立っている。 「こここここここで、...
  • 古泉一樹の動揺
    おれはベッドで眠りふけっていたはずだ・・・。 少なくとも学校の校庭なんかで寝ちまうほどのマヌケでもないつもりだ。 灰色の空、灰色の風景、どこかで見たことがある風景だ。 ここは・・・・・閉鎖空間だ。 何故か隣には古泉が寝ている。またこいつがおれをここに連れてきたのか? 「おい起きろ古泉。」 古泉の頬を何度かペチペチと叩く。 「ん・・・・?ここは・・・?」 とぼけてないでさっさと事情を説明しろ。 「これは・・・どういうことでしょう・・・僕の能力は今・・・完全に消えています」 「何?ここにおれを連れてきたのはお前じゃないのか?」 おれは少しばかり動揺していた。しかしそれは古泉にも同じだったらしい。 「いいえ。今回のことは僕にも全くわかりません・・・なぜ貴方と僕がここにいるのか、そしてなぜ僕の能力が消えてしまったのか・・・。」 ふいに昨日朝比奈さん(大)に言われた言葉を思い出した。 ...
  • クリスマスイブ、独り身の女二人
    クリスマスイブ、独り身の女二人  川沿いの桜並木。  朝比奈みくるは、ベンチに座って、空を眺めていた。  空からは、ふわふわと雪が舞い降りてくる。  この時間平面はいわゆるクリスマスイブ。  そんな日の夜に、こんなところにいる人間は多くない。一般的にいえば、桜は春に愛でるものだ。  彼女がここに来たのは、特に理由があるわけでもなかった。この時代に遡行したときは、許される限りは、ここに来ることが習慣化している。ただ、それだけのこと。  あえて理由をつけるなら、ここがとても思い出深い場所だから、とでもいうべきだろうか。  彼女の今回の任務は既に完了している。部下たちは、原時間平面に帰還させた。  彼女がこの時間平面に無駄に滞在することが許されているのは、組織内での彼女の地位が確固たるものであり、多少のわがままが通るからにほかならない。  ふと見ると、人影が見えた。徐々に近づいてくる。  ...
  • beyond of SuzumiyaHaruhi(後編)
     夜。キョンはベッドに寝っ転がり、ぼーっと考え事をしていた。  みくる・鶴屋さん・古泉が行方不明になり、岡部が何者かに殺害された。そして、あの唐突な首つり自殺。 もはや訳のわからないを通り越していた。 「……くそっ!」  彼は何かが起こっているということしかわからず、何もできない無力感にいらだった。 ただおかしくなっていく世界をただ黙って見ていくことしかできないのだから。 「キョンくーん。荷物が届いているよー」  彼の妹がノックなしで部屋に現れ、大きさ30センチぐらいの小包を持ってきた。 それを受け取り送り主を見てみると、古泉一樹と書かれている。  キョンは妹を合図が入るまで絶対に部屋にはいるなと念を押してから外に追い出すと、小包をあけてみる。 「……なんだってんだ」  キョンは驚きの声を上げて、その中身を取り出す。黒々と光るそれは拳銃と弾が込められたマガジンだった。 ご丁寧に使用説明書ま...
  • 涼宮ハルヒの停学
    放課後の教室。 谷口が慌てた様子で話し掛けてきた。 「キョ、キョン…ちょっと耳貸せ…!」 なんだコイツはいきなり。 俺は壷でも売りつけられるのか。 「……い、今、涼宮を出せってヤツが来て…」 俺の耳に近寄ると小声で谷口はそう言った。 何故、俺にその話をする。 俺はハルヒ宛の伝言板じゃないぞ。 「…本人に言え、直接」 「い、いや…それが…」   谷口が指差した方向を見やる。   …そこには明らかにガラの悪そうな二人組が居た。 ……あんな奴等、北高に居たんだな。 谷口が躊躇したのも分かる。 …ハルヒと会わせた日には、間違いなく問題が起こりそうだ。     俺がどうしたものかと迷っていると後ろからハルヒが声を掛けてきた。     「あんた達、なにヒソヒソと人の名前呼んでるのよ?」 「す…涼宮…!」 どうでもいいがビビりすぎだぞ、谷口。 「何? あたしに用事があったんじゃないの?」 「いや…そ、そ...
  • 開花予想(旧題 桜)
    桜 そろそろ桜のつぼみも膨らみ、どこそこ公園で開花したなどとTVが言っている。 今年は開花遅くなって入学式以降だと誰かに聞いたような気がしなくもないのだな。あやふやな記憶ですまん。 朝のHR前に行われる雑談でも、桜が話題になった。 「今年は開花遅くなるとか言ってなかったっけ?」 ハルヒは頬杖ついて、窓の下の桜を眺めながら言った。一年前は満開だったよな、確か。これまたあやふやな記憶でしかないが。 「春休み中には咲いちまうかもな」 俺はすこし不満げなハルヒの横顔を見ながら言う。 「入学式には満開の桜ってのが定番でしょう?桜も空気読めってのよね」 桜に空気読めっていっても通じんだろうと思うが、こいつは秋真っ盛りなのに桜の花を満開にさせた過去があった事を思い出した。 「まだわからんぞ。入学式にはきれいな桜が出迎えてくれる。そう信じてればそうなるかもしれんぞ?」 「まあそうかもね」 ため息をついたハ...
  • 光、残響、聖夜にて。
    暖冬らしく、耳朶を掠める風も穏やかなものに感じられました。勿論僕の心象を加味しての感想であることは、否定しません。過ごす時の流れが夢のように優しくて、心が洗われるような理想的な聖夜でした。イルミネーションに彩られた夜景の美しさは、この時節ならではと言えるでしょう。 輝く星にあかるい空を、掴めるのではないかと思うくらい近くに触れたのは、何時の日だったろうかと。感傷に浸る僕に、彼女は沈黙したまま付き添ってくれていました。 「……あなたに、この光景を見せたいと、ずっと思っていたんです」 やや街の中心地からは外れ、山沿いの勾配を登った先に、まだ開発中の繁華街を望むことの出来るビルの屋上。 遠望が利く此処は、まだ数年幼いころの、僕のお気に入りの基地のようなものでした。 「神人退治に駆り出されるようになってから、見つけた場所です。閉鎖空間が罅割れ元の色彩を取り戻すその瞬間に、朝焼けの光と共に...
  • ハカセ君の愛妻
     とある研究所の社宅(という言い方もおかしいけど、他に言い方がないので、こう呼ぶことにする)の一室が、今の僕の住居だった。 「ただいま」  僕がそういうと、即座に妻の挨拶が返ってきた。 「おかえりなさぁい」  妻の顔を見るのは、三日ぶりだ。ある実験で、三日間ほど研究所にこもりっきりだったから。  僕と同い年だから二十代半ばを過ぎているはずなのだが、今でも高校生だといったら通じるんじゃないかと思うほどの童顔で、可愛らしい愛妻だ。  思わず抱きしめたくなるほど……むっ……。  駆け寄ってきた妻が、飛びついてキスしてきたため、結局、抱きしめてしまった。        妻が夕食を食卓に並べている間に、普段着に着替える。  三日ぶりに妻の顔を見たためか、ふと昔のことを思い出した。  学校が異なる二人の高校一年生のときの出会い。高校卒業間際に僕の方から告白したこと。大学・大学院時代を通じての遠距離恋愛...
  • 消えない雪
    土曜日の早朝、いつもの集合場所へと向かう。薄く汗を滲ませながらたどり着くと、貴重な私服姿の長門がすでに到着していた。 しかもダッフルコートに白いニット帽のおまけつきだ。 うむ、小柄な長門にはぴったりな服装だな。そんなことを考えつつ近づいていく。 ちなみに他の団員はいない。 「すまん、待ったか?」 「平気。」 平気ってことは待ったってことだよな。長門の小さな手を取るとやはり冷えきっていた。こりゃ宇宙人とはいえまずいな。 「とりあえず暖かい場所に行くか?いつもの喫茶店にでも。」 「いい。それよりも早く駅へ。」 そういうと長門はさっさと歩き始めた。待ちきれないみたいだな。苦笑しながら俺はあとに続いた。さて状況を説明するとだな… 「消えない雪」 ~回想~ 「今日も汗が滲んできたか。」上り坂の中ほどで俺はそうぼやいた。 今年はまれに見る暖冬で、冬の寒さに凍えながらシャミセンとコタツで丸くなるよ...
  • 笑顔の向く先
     えっと……ど、どうしよう……。  わたしは今、涼宮さんに押し倒された状態で部室にいます。もちろん、二人きり。 「もう、いや……」  そして、涼宮さんは泣いてます。どうしたらいいのか、わたしはわからない。  ……なんでこんなことになっちゃったのかなぁ?  わたしの知ってる未来は、SOS団はみんな幸せそうに暮らしていた。  キョンくんは涼宮さんと、わたし達3人はそれぞれ幸せを見つけていた。  ……でも、それが変わっちゃったのが三日前だった。 「悪い、ハルヒ。お前とは付き合えない」  嫌だけど監視・盗聴をしてた涼宮さんの告白シーンで、キョンくんはそう言った。 「そ、そう。……なんで? あたしのこと、嫌い?」 「嫌いじゃないけどな。好きでもない……って訳じゃないが、俺が中途半端な気持ちじゃ付き合いたくないんだ」 ――つまり、友達のままで――  それがキョンくんの出した結論だった。  もちろん...
  • 【誤作動~部室にて~】
    【誤作動~部室にて~】   コンコン。 ………彼が来た。 「は~い、どうぞぉ!」 朝比奈みくるが返事をすると、彼が笑顔で入ってくる。 「こんにちは、朝比奈さん。」 わたしは普段通りを維持して、本に目を傾けている。 「こんにちは、長門。」 彼がわたしに挨拶をする。 わたしは少し頷いて、それに答える。 ……ここまでは、いつもの日常だった。   彼は、朝比奈みくると喋っている。 ずっと、楽しそうに…。 その様子を見ていると、わたしの体に異変が起こった。 正確に言うと、《心》に異変が起こった。   感情が抑えられない、コントロール出来ない。 誤作動が起こる。   「………お茶を。」 「ふぇっ!?」 「…………お茶を…ください。」 喋り方までおかしくなった。 自分のやっていることが、わからない。 「め、珍しいな長門。お前が茶のおかわりなんてな。」 彼が笑いながら近付いて来る。 何故? いつもは彼が笑...
  • 人生最悪の三日間 第一章 ~オレ殺人事件~
      一日目   午後五時。部室前にて。 『三名欠席により 今日の活動は休みです。 by古泉』 という貼り紙を見たのは放課後のことだった。 ハルヒが風邪で欠席しているのは知っていたが、長門まで風邪か? 怪しいな。 インターフェースはインフルエンザウイルスも倒せるんじゃないか? もしかしたら、また何か巻き込まれるかもしれないな。 少しでも変わったことがあったら、俺が厄介ごとに巻き込まれる前兆だ。 このドアに貼られた貼り紙を剥がして、そのままさっさと帰ろうとしたときだった。 部室の中から人の気配を感じた。気配だけだが、明らかにドアの向こうには誰かがいるのだ。 それに物音もする。足音のような音。おそらく一人だ。 団員以外にこんな部屋に入るような物好きな人間はこの世どころかあの世にも存在しないので、おそらく古泉だろう。 それにしても一人でなにやってるんだ? オセロか? 一人で? 寂しいな。 本来二...
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.A.「笑顔」
    些細なこと   そう、それはとても些細なこと   誰しもが感じること   誰しもが思うこと   そして誰しもが乗り越えてきたこと   それが、当然のこと             - 鶴屋少女の孤独 -   ……… …… …   SOS団が立ち上がってもうどれぐらい立つっけ 唐突にそんな疑問が頭をよぎった 一年生のときに立ち上げたSOS団   涼宮ハルヒによって作られ、そしてオレを未知の世界へとひきずりこんだSOS団   万能で完璧かと思いきやたまに弱みがちらつく無口で無垢な宇宙人 守ってあげたくなるような言動と意外としっかりした芯を持つ未来人 いけすかない笑顔と共にいつだってそこにいてくれた超能力者   そして世界をわがままに変えてしまう手のかかるお嬢様   暑い季節が迫る オレ達が出会ってから、一年以上の月日が流れていた   窓から差し込む陽の光を背中に浴び、オレは長門し...
  • 夢の中なら
        トンネルを抜けるとそこは雪国だった。 という有名な一説をご存知だろうか。これは川端康成が1937年に出版した「雪国」の冒頭部分である。 いや、今はそんなことを話している場合じゃなかった。 雪国やら川端康成やらはどうでもいいんだ。ひとまず俺が話さなきゃいけないのは今自分が置かれている身の上についてだ。 そう。 まぶたを開くとそこは閉鎖空間だった。 上半身をガバッと起こす。俺は地面にそのまま寝ていたらしく、身体の節々が痛い。 ・・・・・・待て待て。この状況はなんだ?どうして俺はまたこんなところにいるんだ。ホワイ、なぜ? 「もしかして昨日俺なんかやっちまったか?」 だが必死に頭をフル回転させて考えてみたが、思い当たる節何もは無かった。 学校に行って、つまらん授業を受けて、文芸部室に行って、古泉とボードゲームに興じる。 夜には飯だの風呂だの明日の英語で当てられそうなところの予習だのを...
  • 有希、無音、教室にて。
    冬休みも明けて、数週間が経った。 実力テストという忌ま忌ましい魔物から命からがら逃れた俺は、久々に平凡なる毎日を送っていた。 今日という日も、その例外に漏れずこれといった事件や異変などは起こらなかった。 空はすっかり夕時にさしかかっていて、少し積もった雪が茜色に染まっている。 あの急な坂道をここから上りきったら、赤い屋根が目印の我が家に到着するであろう。 ほとんど淀みない動作で靴箱から靴を取り出す俺の足元に、一通の手紙が落ちてきた。 「  今日の放課後 1年5組教室にて待つ                     長門有希  」 特徴のない、機械的な文字でそれは書かれていた。 ……おかしい。いつもの長門なら、まずこんなことはしないだろう。 4月のあの日のように、あいつは本に挟んだ栞を使うはずだからだ。 といって、ほかに誰がこの手紙を書いたのかと問われると、とんと考え付かない。 以前朝倉...
  • 涼宮ハルヒの分身 Ⅴ
      Ⅴ   「‥‥‥誰、ってどういう意味かしら」 「そのまんまの意味だ。お前は誰だ。本物のハルヒはどこやった?」 そのハルヒはこちらにニヤリと笑った口下だけが見えるよう少しだけ振り返り、またもハルヒとおんなじ声色で俺へと返事をした。 「なあに、キョン。本物のハルヒ、なんて意味ありげな言葉言って。まるであたしが偽物みたいじゃない」 その通りだよ偽ハルヒめ。 「だって忘れちゃったんだから仕方ないじゃない。それとも何、そんなに大事な思い出だったのかしら?」 白々しいことを。どういう過程でこいつが全くハルヒと同じ容姿と声と性格を得たかは不明だが、本当のハルヒではないということが確かになった。となると、こいつが閉鎖空間を発生させたということか。畜生、よりによってハルヒの姿になりやがって。 「じゃあ教えてよ。もしかしたら思い出すかもしれないわ。どうやってあたし達はここから出たんだっけ?...
  • 長門有希の報告Report.9
    Report.09 涼宮ハルヒの復活  土曜日はわたしと彼女で、衣服等を買いに行った。もちろん彼女は、行く時は北高の『女子』制服を着て行った。わたしの私服は、彼女には小さい。 「二人で、行った先で買った服に着替えよ!」 【二人で、行った先で買った服に着替えましょ!】  という彼女の発案で、わたしも同じく制服で出掛けた。  マンションから外に出た時、彼女は潜伏者の存在など、最初から気にしていなかった。 「有希が大丈夫って言(ゆ)うたんやから、間違いないやん!」 【有希が大丈夫って言ったんだから、間違いないじゃん!】  彼女は完全に、わたしのことを信用している。素直に『嬉しい』と思った。  西宮北口駅前のショッピングモールに向かう道すがら、彼女は終始楽しそうな表情をしていた。それは、『SOS団団長』涼宮ハルヒが、何か面白いことを考え付いた時のような、何かを企んでいる表情ではなかった。彼女は純...
  • 二人、夕立、遊具にて
    今年の秋は暑い、と思っていたのも束の間、いつの間にか寒さに震えるような気候になってしまった。 特に理由はないのだが、最近団活が終わると俺とハルヒは一緒に帰るようになっている、本当に何でだろう。 そして今日も俺達は肩を並べて長い長い下り坂を下っていた、途中の焼き芋屋で焼き芋を買わされるのはもはや規定事項となっている。 一度なぜ買わなきゃならないのか聞いてみたところ、秋だからに決まってるじゃないと言われた、そのときは妙に納得してしまったな。 そんなに食うと太るぞ、と思う奴もいるかもしれないがそんなことは全くない。 これはただの蘊蓄だが坂は登りより下りの方が肉体的にはきついらしい、俺はそうは思わんが全然太らないところを見ると実際に正しいのだろう。 結局は気持ちの持ちようってことだな。 「さっきから、なーにブツブツつぶやいてんのよ、それ引きこもりっぽいわね」 失礼な奴だ、本当に引きこもるぞこの...
  • お弁当
    直列ネタ、ネタバレ注意  しんと静まり返ったマンションの一室。必要最低限の家具だけが置かれた部屋は酷く殺風景だ。  その家具ですら使われた形跡は無く、人の住んでいる気配を感じさせなかった。  部屋の中央には小柄な少女が一人。正座をしたままぴくりとも動かない身体は、精巧な人形のようだ。  それは長い長い夏休みが終わり、少女――長門有希が膨大な量となった記憶を整理している最中だった。  情報の取捨選択。溜まりに溜まった記憶の中の、不必要と判断された情報を隔離していく。  とある夏の記録に差し掛かると、滞りなく行われていた作業が急に止まった。  その夏はとびきりのイレギュラーで、他のシークエンスでは見られなかった様々な出来事が起こった。  希少なケースではあったが今となっては重要性は限りなく低い。特別、記憶しておかなければならない事象は何も無い。  学校での合宿。七不思議探し。それを記憶してい...
  • 「涼宮ハルヒの憂鬱」改
    *注意:欝エンドです   1.断章───遠ざかる超常    学校を案内してあげると言って涼宮が古泉を連れ出し、朝比奈さんが用事があるからと帰ってしまったので、部室には俺と長門有希だけが残された。  今更オセロをする気にもなれず、長門の読書シーンを観察していても面白くも何ともなく、だから俺はさっさと帰ることにした。鞄を提げる。長門に一声、 「じゃあな」 「本読んだ?」  足が止まる。長門有希の暗闇色をした目が俺を射抜いていた。  本。というと、いつぞや俺に貸した異様に厚いハードカバーのことか? 「そう」 「いや、まだだけど……返した方がいいか?」 「返さなくていい」  長門のセリフはいつも端的だ。一文節内で収まる。 「今日読んで」  長門はどうでもよさそうに言った。 「帰ったらすぐ」  どうでもよさそうなのに命令調である。  ここんとこ国語の教科書に載っている以外の小説なんて読んでもいないけ...
  • 蜃気楼
    「あ、こんにちは、キョンくん」 俺の愛しの天使様、朝比奈みくるさんが今日も部室で出迎えてくれた。 俺はいつも言い過ぎとも言える表現で朝比奈さんを比喩するが、あながち言い過ぎとは言えない。 何故なら……俺は、完全に心奪われていたからだ。 あれは先週だったか?SOS団全員が俺の家に来たときだった。 ゲームに夢中になってる奴等から少し離れて、シャミセンと戯れる朝比奈さんの笑顔を見た時に俺は恋に落ちた。 穏やかで、かわいくて、それでいて守りたくなるような笑顔に俺は完全に惹かれたのさ。 ともかく、俺はいつものようにお茶をもらった。 今まではそんなに気にしていなかった距離、今じゃお茶を受け渡す距離でさえ俺の鼓動は早くなる。 本気で恋に落ちたのは初めてだ……。それを悟られないようにするのも一苦労なんだな。片思いの奴の気持ちがよくわかるぜ。 「あの……お茶、美味しくなかったですか?」 とても不安げな表情で...
  • 星に願いを
    「……寒い」 冬真っ只中の2月、俺は日付も変わろうかとしている時間に、あの地獄の坂道を上っていた。 なぜそんなバカみたいなことをしているかって? そんなことはあのバカな団長様に聞いてもらいたいね。 「あ、キョン?その…、今から学校の屋上に来れる?む、無理ならいいんだけどね。」 今からって、何時だと思ってんだ?とも思ったが、いつもと違って控えめに頼まれると断れなかった。 まぁいつも調子でも俺は断らなかっただろうがな。 それにしてもこんな時間に学校の屋上って、一体何の用だ? 学校に着くと、俺はハルヒがあらかじめ用意していた抜け道から学校へ入った。 こんな時間に正面から堂々と進入する気にはなれないしな。 さて、さっさと屋上に行くか。 俺は、ハルヒが開けておいた窓から校舎に入ろうとした、その時だった。 「キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますようにっ!...
  • 二人だけの時間
       わたしは今、先生に頼まれて、下級生の教室まで向かっています。  えっと、プリントを届けないと行けないんですよね。  一年九組、うん、ここですね。 「あのう……」  扉の外から呼びかけてみましたけど、返事はありません。  おかしいなあと思いながら、わたしは空いている方の手で扉を開きました。  そうしたら、教室には誰もいませんでした。 「あれ……」  ううん、何ででしょう。休み時間とはいえ午前中ですから、誰もいないなんてことは……、そう思って教室中を見渡したわたしは、黒板の横にかかっていた時間割を見てその理由に気づきました。ちょうど今、このクラスは、二時限連続での授業の途中みたいです。  そっかあ、だから誰も居なかったんですね。 「えっと、これで良いですよね」  プリントを置いて、わたしは教室を立ち去ろうとしました。  ちょうど、そのときのことです。  教室のどこからか、音楽が聞こえて...
  • 分裂、或いはSのモノドラマ
     ◆ 0 ◆      目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。  ただ、ここがどんな場所かということは未だ半覚醒状態の脳であっても、なんとか判断することが出来た。  なぜならば、俺が突っ伏していたのはどこにでもある一人用机であり、座っていたのは、それに付随するスチールと木で出来た椅子だ。加えて足下は木製のタイル。  そして周囲には同じような机と椅子のセットが並び――顔を上げた先には、俺の日常生活において、平日の1/4以上の時間、視界を占拠するもの――つまり黒板があったからだ。  つまり、ここはどこかの教室ということだ。  どこか、というのは風景に全く見覚えがなかったからだ。小・中・高、どの教室の記憶にも該当しない風景。一体全体なんで俺はこんな所にいるんだろうか。    自分の四肢身体を確認すれば、どうやら俺は制服を着ているらしい。だが、その制服も見覚えのないものだった。  頭...
  • 叶わぬ恋と知りながら
    「いま、お茶淹れますねっ!」 俺が部室に入ると、聞こえてくる声。SOS団唯一の2年生で、俺が淡い恋心を抱く先輩、朝比奈みくるさんの声だ。 学校で一番かわいいと言っても良い。男にも、女にも愛されるかわいらしい顔と性格の持ち主である。 そんな人間がメイド服でお茶を淹れてくれる、見とれてしまっても仕方ないだろう? 「ど、どうしたんですか?わたしの顔、な、何かついてます?」 顔をペタペタとする動作もかわいらしい。 「大丈夫ですよ。ちょっと、俺がボーッとしてただけです」 俺はそう言うと、朝比奈さんが淹れてくれたお茶に口をつけた。…いつも通り、とても美味い。 そういえば、今週の土曜。つまり明日の探索はいろいろあって中止である。 俺はそれを思い出すと、ハルヒに見えない位置で紙とペンを取り出し、スラスラとペンを走らせた。 《部活終わったら、少し話しましょう?着替えたら残っててください》 お茶のおかわりを頼...
  • LOST 3話
    -長門有希自室にて- パタン ドアが閉まる音。 きわめて殺風景なマンションの一室、必要最小限の生活道具。 対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースは帰ってきた。 彼女は今日一日の涼宮ハルヒの行動と時間平面状の変化。位相空間の変化などを逐一監視し それを統合情報思念体に送るのがここにいる『理由』なのである。 そして今日も、彼女は監視内容を送信し一日の行動内容を終了しようとしていた。 「…涼宮ハルヒと彼の交際を確認」 「………。」 「……エラー自動修正プログラム起動」 「…………」 「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」 「修正を終了。現時刻をもって同期を完了。」 「引き続き涼宮ハルヒの行動を監視する。」 -月曜日- 朝から妹の朝ごはんソングを聴きながら毎度の様にエルボードロップで起こされた。 妹の元気は俺の朝のテンションの低さの逆二乗則で、...
  • お姉ちゃん
    冬の寒い日。 わたしは自宅の近くの公園で一人、本を読んでいた。たまに、こうして外で本を読む。寒いけど空気が気持ちよく、気分を入れ替えることができるから。 「あっれー!?そこにいるのは有希っこかい?」 「あ……鶴屋さん」 長い髪の綺麗な女性が立っていた。鶴屋さん、とても明るくてかわいい性格をしていて、少し憧れてしまう。 「なにしてるんだい?こんなに寒い中で読書かい?相変わらずの本の虫っぷりだねぇ!!」 ゆったりとした空気の寒い冬に、ほんのりとあたたかい陽が射したような感じ。鶴屋さんと喋ると世界に明るい色がつくような感覚を覚える。 「一緒に読む?」 わたしは尋ねた。たぶん返ってくる返事はNO。だけど聞いておくのが人間の礼儀。 「いやいや!あたしは遠慮しとくっさ!それより有希っこ、一緒にご飯食べにいかないかい?あたしが奢るからさ!」 わたしは少し考えた。確かに昼食はまだ食べていない。でも、わたし...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編)
    「――伏せてっ!」  最初に叫んだのはハルヒだった。しかし、教室にいる誰もその意味を悟ることができず、それに従ったのは俺だけだった。  次の瞬間、教室の窓ガラスが吹き飛び、多数の赤い光球が教室中に撃ち込まれる。悲鳴すら上げる暇もなく、 呆然と突如教室目の前に現れたヘリに呆然としていたクラスメイトたちにそれが浴びせられた。  しかし、俺は床に伏せたままそれを避けるべくダンゴムシのように縮まっていたため、その先教室内がどうなったのか、 激しい判別しようのない轟音と熱気の篭もった爆風でしか俺は知ることができなかった。時折、鉄を砕いたような臭いが 鼻から肺や胃に流れ込み、猛烈な嘔吐感を誘ってくる。 「キョン!」  誰かが俺の襟首をつかみ、俺の身体を引きずり始めた。俺は轟音の中、何がどうなっているのか確認しようと 目を開けようとして、 「目は閉じて! いい!? 絶対に開けるんじゃないわよ!」  耳元...
  • ハルヒの湯
    姉妹編『長門の湯』『鶴屋の湯』『一樹の湯』『みくるの湯』もあります。     ====== 『ハルヒの湯』 「何よ、ホントに当たり入っているの? 全部はずればっかりじゃないでしょうね!」 商店街の福引のガラポンのハンドルを無意味に力いっぱい握り締めたハルヒは、苦笑いをするしかない係りのおっちゃんに文句を垂れている。 「大丈夫だよ、お嬢ちゃん。まだ、特賞も一等賞も出てないから、安心しな」 「ふん、ホントかしら」 そのとき、コロンと出た玉は、また白、つまり今度もはずれだった。 「ほらーー」 「ほい、またティッシュ。あと一回だよ」 ハルヒ連れられた俺たちSOS団の面々は、映画の撮影でお世話になった商店街の大売出し協賛の福引コーナーに来ている。どこで手に入れたのかはあえて聞かないようにしているが、ハルヒは十枚もの福引券を持って、ガラポンに戦いを臨み、そして九連敗中だった。 特賞は五十インチ...
  • 涼宮ハルヒの交流 エピローグおまけ
     ―同日、同時刻―    どうも、みなさん。古泉一樹です。  僕は今、自分の家でくつろいでいるところです。  日曜日の朝、天気もいいですし、今日は楽しい一日になりそうだ。  これからの時間を思うと胸が高鳴ってきます。  ピンポーン!  おや、少し早いようですが、どうやら来たようですね。       『涼宮ハルヒの交流』 ―エピローグおまけ 古泉一樹の場合―       「ちょっと早かったね。おはよう、みーちゃん(※朝比奈みくるのこと)」 「あなたに早く会いたかったの。おはよう、いっちゃん(※古泉一樹のこと)」 「嬉しいよ。とりあえず上がって」 「はぁい、お邪魔しまぁす」  とりあえず家に入ったみーちゃんと、テレビの前のソファーに腰掛ける。 「今日いい天気で良かったね。家にずっといるのはもったいないかも」 「そうだね。じゃあ朝はのんびりして、昼くらいから出かけよっか?」 「うん。私もそれでい...
  • ゆずれない
    「有希とキョンと一緒か……なかなかない組み合わせよね」 くそう、古泉の奴め。朝比奈さんと二人きりとは実に羨ましい。 こっちは宇宙人とトンデモ団長との三人旅だってのに。 「さ、行くわよ!二人とも早くするっ!」 俺はとりあえず会計を済ませ、先を歩く二人の背中を追いかけた。 「どっちに行こうかしら。西側?それとも東側?二人ともどっちがいい?」 どうせどっちに行っても何も見つかりゃしないんだ。楽な道が多い方を選ぶか。 そう思って俺が口を開こうとした時だった。 意外な人物がハルヒを怒らすような台詞を吐いたのだ。 「図書館」 長門よ……頼むからゴタゴタだけはやめてくれ。 「ほほーう、有希。あんたいい度胸してるじゃない。図書館にどんな不思議があるのか今すぐ言いなさい」 ハルヒは少し怒っているようだ。そういえばハルヒが長門に怒ることは珍しいな。 「不思議はない。だけど読書で知識を得ることと、心の平穏を得る...
  • 涼宮ハルヒの終焉 第七章
    第七章     俺たちは30分ほどで学校に着いた。 そしてやっぱり神人が暴れていて校舎もめちゃくちゃだったし、校庭には神人に投げ飛ばされたと見られる校舎の残骸が投げ捨てられていてこの世の風景とは思えないようだった。 ハルヒはもうどうしていいのかわからないようにこう言った。 「ねえ、キョン。いったい学校に来てどうするつもりなの?」 「わからん。とりあえず校庭のど真ん中に行こうと思う。」 ど真ん中とはお察しの通り俺とハルヒが昔キスをした場所だ。 そこに着けば恐らく何らかのアクションが起きるはずなのだ、そうでなければあの未来人や朝比奈さんが止めるはずである。 俺はハルヒを半分無理やりど真ん中に連れて行った。 そのとき、ポケットに入っていた金属棒が金色に柱のように光りだし、ハルヒと俺を光の中に入れた。何がどうなってるんだ。 俺は慌ててポケットから金属棒を取り出した。 これでハルヒが普通の人間に戻...
  • 『God knows』 9章
    『God knows』 ~9章~ 歩いて帰る俺。 家に着く頃には24時を回るだろうな。 言い訳を考えつつ歩く、歩く。 決めた、もうごり押しだ。 ヤケクソになって決めた俺の作戦を発表しよう。 帰宅→叱られる際に彼女の家に行っていたことカミングアウト→みくるさんの住む場所が無くなるとでっち上げる 完璧だろ?…………笑ってくれ。 家に…着いた。 正直、入りたくねぇ。 だがそういうわけにもいかず、心を決めて家に入る。 「ただい……「キョン!こっちに来なさい!!」 鬼の声が聞こえる……。 みくるさん、《あなたのキョン》は、生きて帰れないかもしれません……。 え~、ここからは母親とのやり取りをダイジェストでどうぞ。 ……一人言増えたな、俺。 「キョン!あなたこんな時間まで何処に言ってたの!?」 「まぁ……、あれだ。俺の彼女の家だ。」 「あら、あんたいつの間に彼女なんて……なら、仕方無いわね...
  • Break the World 第三話
      第三話 ― 悲愴 ―    待て待て、とりあえず考えろ、俺。  大体こんな極端な二択しかないってのがバカげてる。  ハルヒのとんでもパワーだったら少しどころか大いに我が侭を通せるはずだろ。  自分達の住んでいた世界をハルヒが否定でもしない限り……  そこまで考えて思い当たった。そうだ。こいつは否定する奴だ。  かつて閉鎖空間に閉じこもったのは、自分の望まない世界を否定した結果らしいし、  その中で俺だけは一緒にいたいと願われたからあの場所に呼ばれた。   俺と自分以外の世界は「要らない」って深層心理では思っていたって事だ。  つまり、ハルヒと力は今繋がりが無くなりかけていて、  力の暴走の結果もまた、ハルヒの願望なのだ。俺と二人で生きるという願望。 「なあ、ハルヒ」 「なに」 「世界を壊してまで、お前は俺を選ぶのか……?」 「…………」ハルヒは黙ってる。 「……答えてくれよ。俺にそこま...
  • クリスマスプレゼント
    今日は12月24日、いわゆるクリスマスイヴだ。 今年は諸事情により、SOS団のパーティーは26日になるらしい。 そして、何故か俺の家にはハルヒが来ているわけだ。 「かわいい妹ちゃんのためにプレゼント持ってきたげたのよ。悪い?」 いや、悪くはない。むしろ助かる。……だが、それだけが目的じゃないんだろ? 「よくわかってるじゃない。明日、期待してるわよ?どうしても欲しい物があるの。それを当てて、あたしにくれたらお返しは期待していいわよ」 ハルヒの期待出来るお返しか……少し真面目に考えてプレゼントしてみるかな。 「……今日も明日も一人だから、暇潰しに来たのよ。ほんとは……ね」 唐突にうちに来た理由みたいなものを語り出した。 「なんで一人なんだ?」 俺は、なんとなく聞かないといけないような気がして尋ねてみた。 「……ママ達は二人とも仕事の関係のパーティーなの。ほんとは今だって家で留守番してなきゃいけ...
  • スノウマーチ
     それは、とても残酷な告白だった。  けれどもそれは、どうしようもない事実でも有った。  事実を告げ頭を下げた既に卒業してしまった上級生に対して、僕等はそれ以上何かを言うことが出来なかった。  帰り道、暫くの間僕等は無言だった。  突きつけられた重い現実は、僕等にはどうすることも出来ない。  僕等に、そんな力は無い。 「ねえ、古泉くん」  沈黙を破ったのは、涼宮さんの方だった。 「何ですか?」 「古泉くんは、どうしたい?」 「どう、と言われましても……」 「どうにも出来ないって思ってるの?」 「……そうかも知れません」 「それって、悔しくない?」 「悔しいですよ。……でも、悔しいと思う以上のことは、出来ないでしょう」 「それは、そうだけど……。そうね、じゃあ、こうしましょう!」  涼宮さんが、ぱっと笑顔になる。  何か面白いことを思いついたときと同じ、満開の花のような笑顔。  今は、そこ...
  • キョンは別れを惜しむようです
    ハルヒが部屋から出て行って、もう二ヶ月がたっていた。 その間、俺はいったいなにをして過ごしていたんだろう。 朝食を作り、ゴミ出しをして、会社に行って、ヘトヘトになって帰ってきて、晩飯を作って…… それで面白くも無いテレビをぼんやりと眺めながら酒を少しだけ飲んで、風呂入って寝る。 そういう生活を続けていたわけだ。 ハルヒは出て行くとき、自分の荷物の一切を持っていったから部屋には俺の荷物だけが残った。 思ったりよりも少ないな……なんて思ったのも、もう秋の始まりのころの話だ。 まったく、年は取りたくないね。 俺とあいつが知り合ったあの頃は、一日一日が長くて、楽しくて、輝いていたんだが。 今じゃ…日記に書く内容なんてまったく無くなっちまった。 そもそも日記なんてつけていなかったがね。 ハルヒが出て行ったあと、俺は押しつぶされそうな空虚感を紛らわすためただ働いた。 ただただ、上司に心配されても、同僚...
  • 『lakeside love story』 4日目
    『lakeside love story』   《4日目》     「………起きて。」 誰だよ、まだねみぃ。 「早く起きて。」 あと……10分だけ頼む。 「………………ガブッ」 ……いてぇ。 長門だったのか、おはよう。 「……ほはひょふ(おはよう)。」 とりあえず顔洗うから噛み付きをやめてくれ。 「………そう。」 いい加減慣れてきたな、嬉しくないが。     朝飯を食い終わるかどうかの時間に異変が起こった。 ……ザーザー 「この音……まさか雨なの?」 ハルヒが顔をしかめて言った。 「昨日はきれいに月が見えていたんですがねぇ……。」     古泉は肩をすくめ、珍しく本当に困ったような顔をして言っていた。 二人とも落ち着け。 しょうがない、天気ってのは人間の力じゃいじれないんだからな。 「でも……あと少しで合宿終わっちゃうのよ!?キョン!あんたはこれで終わっていいのっ!?」 正直、このままなら...
  • 『God knows』 7章
    『God knows』 ~7章~ 足取りが軽いぜ。 朝から坂道でも何のそのだ。 何があったかって? しょうがない、話してやろう。 昨日、帰宅後……と言うより、就寝前に《みくるさん》からメールがあった。 一方的に送られてきたメールだがな。 内容はこうだ。 『今日は、ありがとう。明日はわたしがお弁当作って来るから、涼宮さん達も連れて、みんなで部室に来てくださいね!!じゃあおやすみ、です。……大好きです。 あなたのみくるより』 ………《あなたのみくる》なんて言われたら、誰でもこうなるだろう? 朝、教室に入るとハルヒが机に突っ伏していた。 「……あ~、ハルヒ。おはよう?」 「おはよ、キョン。……昨日は疑ったり、つけたりして…ごめんね?」 「気にしてねぇよ。……お前まさか、昨日それで口数が少なかったのか?」 「っ!?バ、バカ!そんなわけないじゃない!!あ~もう!気にしてたのがバカみたい!...
  • ウィザード オブ サムデイ
    サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないぐらいのどうでもいいような話ですが、それでも僕がいつまでその夢のような老人の存在を信じていたのかと言うと、まぁ・・・5歳ごろまででしょうか。 そして宇宙人や未来人や・・・その他諸々が本当はこの世界に存在しないと気付いたのも、小学校にあがる前の話です。 特にそれらに居て欲しい、存在して欲しいと考えたことはありません。それになりたいと思ったことも。 しかし、そういうものは求めている人より、求めていない人のところへやってくるものなのかも知れません。 まぁいろいろあって僕は、なりたかった訳でも無いのに超能力者となり――、 涼宮ハルヒと出会いました。 これが偶然などでは無いことを、僕は知っています。 それは高校生活2回目の夏休みのことです。 この猛暑をかの松尾芭蕉ならどう形容するのか、気になるところですが現代にそれを知...
  • 缶コーヒー、ふたつ2
    ♪rururururu~ 朝、ベットの中・・・ 遥か彼方から聴こえる電子音・・・ それは、間違いなく「嫌いな音」であり「好きな音」ではない。いや、好きな音であってはいけない。 仮に「好きな音」であった場合、安らぎや心地良さを感じ、この音が本来持つ役割を果たせなくなるからだ。 そして、この音は俺に軽い頭痛と薄明るくも眩しい光を提供してくれる。 今、何時だ・・・っ?!? 本日の起床予定は六時!今は六時十分! どうやら先程の「嫌いな音」はスヌーズ機能の恩恵によるものだったらしい。 まったく、何やってるの俺! 大急ぎで髪型を整え、制服を着る。 (遅れたら死刑だからねっ!) いつものハルヒの口癖が、脳裏をかすめ俺の行動が加速する。 飛び起きて僅か十数分、俺は自転車に飛び乗るところまで目標を達成していた。 そう、今朝は昨日の約束通りハルヒを迎えに行くのだ。 昨日の「一見平坦に見える...
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