涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「卑屈超能力者と傷心宇宙人の話」で検索した結果

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  • 長編・古泉一樹
    ...pearのシリーズ 卑屈超能力者と傷心宇宙人の話 ハリネズミな僕たち
  • 卑屈超能力者と傷心宇宙人の話
    「あれは……」  それは一人学校から伸びる下り坂を歩いている時だった。  今日の気温は季節に反してひどく低く、本当に地球温暖化なんて現象が存在しているのだろうか? そう思えるような寒さだった。その原因といえば、朝から音もなく地面を打ち続けている雨にある。  教室にいるだけでも寒かったと云うのに、暗くなって今朝の登校時よりも一層冷たさを増した外気に触れ、身体はどんどん温度を失っていく。暗い中を一人で歩いているだけにその冷気は一層強く感じられて、僕は胸の奥まで冷やされていくような気持ちがした。  そんな帰り道。  傘をさして狭くなった視界に、彼女は姿を現した。  いや、それは現した、というより、僕がたまたま通りがかった。きっと、ただそれだけのことなんだろう。  その姿を認めると、はっとすると同時に、冷え切った胸の内がわずかに温度を取り戻す。そんな自分に気づいて、まだそんなことを考えている...
  • 乙女な神様と平凡少年の話
    ※これは『卑屈超能力者と傷心宇宙人の話』の続きですがどちらからでも読めます。 「ねえ、キョン」 授業の合間の休み時間、喧騒に包まれた教室。外はしとしとと雨が降り続き、暖房などないこの教室は寒々としていて、さらにその上湿気もある。少しは前触れを見せてくれたっていいのに、いきなり寒くなったせいで防寒対策などろくにできていない。寒い。 「なんだよ」 振り返ると、ハルヒは頬杖をつき、窓の向こうの景色から目線を外さずに言った。 「今日は寒いわね」 「そうだな」 ……そのまま沈黙。こいつまさか、それを言うためだけに話しかけたのか? 「雨、帰るまでに止まないかしら?」 「さあな。今んとこ止みそうにないが」 ハルヒはまだ視線を窓に固定していた。 「あたし、今日傘持ってくるの忘れちゃったのよ」 「そりゃあ災難だな」 するとハルヒはきっと前を向き、 「帰り、傘を貸しなさい」 と言って俺を睨みつけ...
  • 7月未明の超能力者と宇宙人の主な動向
    「長門さん?」 「……」 「長門さん、聞いてますか?」 「……」 「お~い。」 「……」 三点リーダ連続の長門さんはさておき、昨日の回想をしましょう。 昨日は大変でした。 部活中――いえ、正確には僕が部室に到着した時――涼宮さんが、もう何度目かと思う彼との大喧嘩を繰り広げていました。 時すでに遅く、涼宮さんは廊下に響き渡る大声で何らかを叫び、彼は苦虫を噛み潰した表情で、また言い返します。 その脇で、朝比奈さんは、しゃがみ込んでお気に入りの湯飲みに涙を集めてしまっているし、長門さんは本を広げる事もなく、顔を上げ、その大きな黒瞳で涼宮さんの姿を観察していた。 絶望宣言。 今夜の僕とその仲間たちの睡眠時間は恐らく皆無です。 いえ、これからしばらく仮眠もままならないでしょう。 怒り肩をしながら廊下を大股で歩いてみせる彼女の背中は、すごくその後ろ髪を部室に引かれているように思えました。 ...
  • とある超能力者の動機
     橘も古泉もらしくないですが、話の中で原作の彼等へ近づく仕様になっています。 ――――――――――  ただ、なんとなく過ぎていく毎日の時間の流れは酷く単調で、あたしはこんな毎日が大嫌いだった。 毎日、毎日歯を磨くことも、お母さんの作った朝ごはんを食べることも、隣の家に住む幼馴染と肩を並べて学校へ向うことも、教室でクラスメイトに挨拶をして、授業が始まれば教科書を広げ黒板を睨むことも、隣の席の子と机を合わせて給食を食べることも、午後の授業が苦痛なほどに眠気を誘うと言うことも、帰りのHRでの先生の無駄話も、週に一回回ってくる掃除の当番も、下校すら同じ道の幼馴染の可哀相なほど背の低さも、帰ってきたあたしを出迎えるお母さんのお帰りなさいのイントネーションも、全てが昨日とも一昨日とも、下手をすれば去年とも変わらないと言う事実に、あたしは正直、飽き飽きしていたのだ。    明日、目が覚めると同時に超...
  • 超能力者を訪ねて
    お客様は宇宙人の続き 関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        いつもは持ち帰らずにロッカーに保存している日本史の教科書を持ち帰り、なぜかしら迂闊にも世界史のそれと間違えて登校し、 教科は違えど同一の教科書を使用しているであろう〝彼〟や涼宮ハルヒがいる隣のクラスではなく、 教室2つ分の距離を隔てた先にある9組に足を運んだのは、この星の有機生命体が言うところの〝なんとなく〟である。  なぜ、〝彼〟や涼宮ハルヒではなく、古泉一樹を選んだのか。  そもそも、何故、日本史の教科書を持ち帰ろうと思い立ったのか。  それを説明する術を、私は持ち合わせていない。 古泉一樹が手渡してくれた教科書が高い価値を持っているように感じ、自分が属するクラスの教室まで抱きかかえるように持ち帰った理由も、上手く言語化できない。  それだけではない。 1組から9組まであるとはいえ、一般的な公立高校の廊...
  • 夜行性の超能力者とインターフェイスのブギー
    ※このSSは「I don t choose, but decide.」の後日談的SSです※ 「……ではここに、おや?」 「わたしの勝ち」 「参りましたね、ダブルリーチでしたか」 「……そう。ダブルリーチだった」 何をしているかと言うと、えぇとこれは何て言うんだろう?立体五目ならべのようなゲームだ。どこでかと言うと、長門さんのマンション。 カレーパーティーのあとすることがないので僕が持参したこれをやっていたのだけど、長門さんが強すぎる。 ……あの一件で僕達はお互いの間に残っていた壁-薄皮と言ってもいいかもしれない-を破り、彼いわく『本当の仲間』になった。 思ったよりすんなり涼宮さんが僕達の告白を信じ、受け入れてくれたのには少し驚いた。数々の証拠と過去の例があったから当然と言えば当然かもしれないけれど。 そう考えると彼の方こそよく信じてくれたなぁ。あんなに唐突だったのに……。北高の木製の...
  • 普通の短編置場
    ここには普通の日常系とかのSSを置いてください。   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75   【題名付き・短編保管庫】 1 2   小説 Please tell a final lie こわれてしまった少女のはなし 五月の風、ふぁいなる 艦長ハルヒ保守 寝ぐせ byキョン 長門有希のカラオケ 谷口と国木田の恋 長門有希の密度 ある日の活動 スタンド・バイ・ミー うちゅうせんそう ...
  • 宇宙人じゃない長門シリーズ(?)
    目次 ・宇宙人じゃない長門1 ・宇宙人じゃない長門2 ・宇宙人じゃない長門3(朝倉も宇宙人じゃない) ・宇宙人じゃない(?)長門4 ・宇宙人じゃない(??)長門5 ・宇宙人じゃない(???)長門6 ・宇宙人じゃない(?×4)長門7 ・宇宙人じゃない(?×5)長門8 ・宇宙人じゃない(?×6)長門9 ・宇宙人じゃない(?×7)長門10 ・宇宙人じゃない(?×8)長門11 ・宇宙人じゃない長門12 ・宇宙人の長門13 ・宇宙人の長門14END ・オマケ,後日団(談)
  • 結婚記念日
    レストランの入り口-   今日は5回目の結婚記念日である。 高校卒業と共に籍を入れて俺もハルヒも23歳だ。 いやはや時が経つのは真に早いものである。 しかし高校では美人と名高いのと同時に、 問題児としての名声を欲しいままにしていた ハルヒと結婚したのは幸か不幸か誰か俺にご教授願いたい。 だが、今のハルヒを見る限り幸のようである。 タクシーから降りたハルヒが早足で駆けてきた   ハルヒ「あっごめんキョンッ!待った?」 キョン「いや、俺も今来たとこだ」   黒のドレスに身を包んだハルヒは、俺が言うのもアレだがそりゃあもう綺麗だった   キョン「入ろうか」 ハルヒ「うん♪」   まぁ何がハルヒを変えたかは、俺にも分からないがこの通り随分丸くなったものである。 今のハルヒを谷口や国木田あたりに見せたらどんな顔をするか見物だな そんな妄想しつつ俺たちはレストランに入った ちなみにレストランは、ハル...
  • クラスメイト 序章
    プロローグ 俺はSOS団に入って、 まあハルヒはもちろんの事宇宙人未来人超能力者に振り回された事はある訳だが、 何でもないクラスメイトに振り回された覚えはないね。 朝倉・・・あいつの正体は長門と同じ宇宙人製アンドロイドだったし、 喜緑さん・・・あの人もやっぱり同じだ。あっ、そもそも上級生だったか。 鶴屋さんも大きな力を持ってるらしいが、振り回されてるというよりも見守ってくれている立場だ。 コンピ妍の面々や谷口国木田だって当然そうだ。むしろこちらから迷惑を掛けてると言った方が正しかろう。 唯一の例外は生徒会会長だが、あのお偉そうなお方にも古泉の息が掛かっていたので、 純粋な意味で振り回された訳じゃないだろう。大体俺は当人の本心も知ってるしな。 まさかこれで今更谷口辺りがハルヒの世界改変に絡んだりしたら、 俺はいよいよ持って自分の首にロープを巻き付けるに違いない。 少なくともあいつが宇宙人未来...
  • Starry Sentimental Venus 2
    目次     さて、七夕当日。あるいは世界改変までのカウントダウン最終日。 俺達は授業も終えて部室でそれぞれ短冊を相手に云々唸っていた。 とは言え、台風が今まさにその片足を校舎に乗っけているそんな中である。正直、短冊を書く手も鈍る……と思いきや。 意外や意外。ハルヒと俺を除く三名は楽しそうに(長門はよく分からんが)短冊へと向かっていた。 「今日は晴れそうに無いわね……」 窓際に立ってハルヒが呟く。そりゃそう思うのも無理は無い。 「台風直撃だそうだからな。仕方ないさ」 心にも無い事を呟く。窓は今にも吹き飛びそうな頼り無さで、叩き付けられる雨粒に必死で耐えていた。室内にデスメタルのドラムみたいに雨音が響く。 「はぁ……折角、鶴屋さんに頼んで笹も用意したって言うのに」 ハルヒが手元に飾ってある笹を揺らした。そこには既に書き終えた赤い短冊が三枚吊ってある。言うまでも無く全てハルヒのものな。曰く、...
  • 橘京子の憂鬱(エピローグ)
     全員が全員、何かをやり遂げたかのようにスッキリ爽やかな気分になった四月初旬の午後。  これから始まるであろうキャンパスライフに期待を膨らませているのか、或いはSOS団の新天地に希望を託しているのか。  個々のフィーリングはこれ以上ないくらいハッピーで、閉鎖空間の頻発で病んでた心も落ち着きを取り戻し。  宇宙人未来人為世界人超能力者、そしてただの人間も全員巻き込んで大円団を迎え――ようとした、その時。  事件の元凶は、もの凄く意外な方面から走ってやってきた。 「おや、皆さんおそろいで。どうしたんですか?」  突然聞こえてきた声に、俺たちは一斉に振り向いた。 「誰? あんた」  ぶっきらぼうなハルヒの声に、 「ぱ、パパっ!」  橘の声が入り混じった。 「ああ、これは申し遅れました。私は橘京子の父親です。娘がいつもお世話になっております」  ああ、どうもと頭を垂れる一同。彼とは初めて顔を合...
  • 言いたい事は言えない話
         言いたい事は言えない話      道行く人が着る上着と同じ様に、外吹く風もその色を変えてきた――今は十一月。  週末恒例となっているこの市内散策も、ただ目的も無く歩くだけでは凍えてしまう季節がや ってきていた。  日に日に寒さが強くなるにつれ、どうせ何も見つかりっこない不思議探索などはこの際止め て、長門か俺の部屋でのんびりゲームでもしていればいいんじゃないかと俺はかなり本気で思 っているのだが、 「みんな~いい? 今日こそ宇宙人を見つけてくるのよ! ノルマは一人宇宙人一匹、未来人 でも超能力者でもいいからね!」  乾いた大気を震わせるハルヒの声。  人で溢れる駅前で高らかに妄言を叫んで見せたハルヒには、状況に合わせて行動内容を改め る等といった考えは、そもそも存在していない様だ。  それでもまあ、物は試し、百聞は一見に如かず。 「なあ、ハルヒ」 「え、何」 「今日の活動について...
  • 教科書文通
    教科書系列は、古長SS教科書文通を中心とした同作者の関連作品になります。 SS内に捏造設定(古と橘が幼馴染等)や、オリジナルキャラの登場があります。 苦手な方は、ご注意下さい。 4年前~分裂時 「とある超能力者の動機」      9~10月  『お客様は宇宙人』『超能力者を訪ねて』                『教科書文通1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(前/後)』                「お姉さんなのです(ハ/キ/長/古)」『待たせたな』         10月末   『Please wait for someday in the rain.』                 『水族館へ出発!』『水族館へ到着!』『水族館のその後に』            11~12月 『お待たせしました』「愛にあるのは真心、恋にあるのは下心」 以下、後日談            ...
  • 涼宮ハルヒの幽鬱
    「東中学出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
  • 涼宮ハルヒの交流 第一章
    「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい。以上」    宇宙人?長門のことか?  未来人?朝比奈さんか?  超能力者?これは古泉か?  異世界人?……それは見たことないぞ。   「あんた宇宙人なの?」  いや、違う。 「じゃあ話かけないで。時間の無駄だから」  ちょ、ちょっと待てよ。 「普通の人間の相手をしている暇はないの」  じゃあ俺はなんなんだ。お前にとって俺は、普通の人間は必要じゃないのか? でも、俺は……それでもお前が――。       『涼宮ハルヒの交流』  ―第一章―        放課後の誰もいない教室で目覚める。  あれ、授業は?もう終わってたのか。くそっ、ハルヒも起こしてくれればいいだろうに。  ……あぁ、そういえば昼間けんかしちまったもんな。  冷静になってみると確かに俺が悪かった...
  • お客様は宇宙人
    超能力者を訪ねてへ続きます 関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        何故か小、中、高校における学校生活において、他クラスへの侵入というのは憚られ、 他クラスの人間に用がある場合は廊下側の人間に目的の人物を廊下まで呼んでもらうというのが暗黙のルールである。 そこには、おそらくクラス間の見えない縄張り意識のようなものがあり、 そこを侵略しないと言う言外の言及が含まれているのだろう。 そして、その暗黙のルールを順守した者は、客として丁重に迎えられるのである。 これは、とある僕への客人の訪問が招いたちょっとした事件とも言えない事件のお話。  「おーい! 古泉。 客だぞー! ……女の!」  三時間目と四時間目の間の休み時間。 廊下側に居たクラスメートの呼びかけに視線を移すと同時に、 問題の呼びかけの後半部分が、嫌に鋭く、また何かしらのいやらしさを孕んで教室内に響いた。 ニヤニヤ...
  • 超能力
    「バカヤロウ!無闇に出すなって言ったばかりだろうが。」 昼食に寄ったレストランで気がつけば俺は叫んでいた。SOS団の面々 と周りの客の視線が俺に集中する。 「な、なによ。いきなり大声出して。あんたには見えないんでしょう。 だったら黙っときなさいよ。」 俺の語気に押され気味にハルヒが答える。実は今ハルヒは超能力を得て それを俺達に見せたくてしょうがないのだ。 長門によると炎を操る情報生命体とやらと融合したらしい。 だが問題はそいつがそれ以外に宿主を乗っ取る能力を備えてるって事だ。 ハルヒが炎の力を使えば使うほど精神を乗っ取られていく………。 しかも長門の親玉が静観を決め込んだ為、長門は動けない。古泉も 通常空間では役立たず。宇宙的事件は朝比奈さんの専門外だ。 結局俺達はハルヒに能力を使わないようにさせ、かつそれが錯覚か 何かだったと思い込ませてハルヒの力で情報生命体とやらを消...
  • 神様とサンタクロース
       赤や緑や白色が町中を飾り付け、クリスマス定番の賛美歌が何処からともなく響いてくる、何となく楽しい気分になるそんな季節。偶然、二人きりになった学校の帰り道に、あたしは歩きながら何気なくキョンに聞いてみた。   「ねえキョン。あんた神様っていると思う?」 「野球の神様とか、サッカーの神様とか言われる人なら居るだろ」    と、いつものようにとぼけた風にキョンは答える。   「あたしが聞いているのはそんな例えられた神様じゃなくて、この世界を造った創造主とか何でも願い事を叶えてくれる全知全能の神とか、そんなの神様の事よ。あんたはいると思う?いないと思う?」    きっとキョンは「居るわけ無いだろ」なんて答えると思ったのに珍しく考え込んでいるような素振りを見せた後、少し間があってポツリと漏らすように言った。   「お前がいると思うなら、居るんじゃないのか?」 「何でそう思うわけ?理由も答え...
  • 宇宙人じゃない長門
    『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 栞に導かれて、今、長門のマンションの一室にいる。 学校では話せないことがあるらしいのだが……長門はなかなか話を切り出そうとしない。 部屋に通され最初の茶に手をつけてから、長門はずっと俺を見ている。なんだか観察されている気分だ…。 興味深そうに向けられる長門の視線に耐えきれず、俺から「学校では話せない話」とやらを引き出すことにした。 「お茶はいいから、俺をここまで連れてきた理由を教えてくれないか」 ………答えない。 「学校ではできないような話って何だ?」 水を向ける。ようやく長門は薄い唇を開いた。 「あなたのこと」 俺? 「あなたの正体」 俺の…正体…?何が言いたいんだ? 「あなたは普通の人間じゃない」 …いきなり失礼だな。 「そういう意味じゃない。性格に普遍的な性質を持っていないという意味ではなく、文字通り純粋な意味で、あなたはわたしのような大多数の人...
  • 微睡の試練
    もくじ     中学生の時、私は独りだった 高校生になって暫く経った今、私は一人になった 戻らなきゃいけない いつもの日常に 古泉くんが頷いて みくるちゃんが驚いて 有希が静かにこっちを見て キョンが大げさにため息を吐いて 何の変哲もない SOS団の1ページ だから私は叫んだ 「こんな世界なんか――――」       春眠暁を覚えようが覚えまいが眠いものは眠い。 あー頭がボーっとする やかましく鳴り響く目覚ましを止めて、私は目を擦った。 今日は…あれ?月曜日? 日曜日じゃなかっけ? 時計の針は平日にいつも起きる時間を指している。 …まだ寝ぼけてるのかしら このままだと遅刻してしまう。 私は急いで身支度を整え、腰の当たりまで伸びる髪を黄色いリボンでポニーテールにした。 家を出てしばらく歩くと、5組の朝倉さんと会った。 確かクラスに馴染もうとしなかった私に気遣...
  • 機関の動乱 その3
     新川に連れられた超能力者たちは、機関の執拗な追跡をくぐり抜け、大小の建物が乱立している地域にある ワンルームマンションの隠れ家までたどり着いていた。脱出したときはまだ昼だったが、すでに日はすっかり沈み、 外は繁華街の明かりに包まれていた。  全員逃げ切ったという安堵感から、今までため込んだ疲労が噴出し、おのおのに疲れ切った表情で 床に力なく座り込んでいた。  一方新川は多丸圭一と電話で連絡を取っている。携帯電話では追跡される可能性があるので、 部屋に取り付けてあった固定電話を使用している。 『二人は機関に捕らえられたよ。拘束されて中央に連れて行かれたみたいだ。今のところ手荒な扱いは 受けていないようだけど、今後どうなるかは流動的だな。で、どうする? 二人を奪還するか?』 「いえ、あの二人は自分の意志であそこに残った以上、こちらからの手出しは余計なお世話というものでしょうな。 何らかの考え...
  • お姉さんなのです。
    みくるちゃんは、みんなのお姉さん。 と言うお話。   ハルヒ編 キョン編 長門編(このお話は「教科書文通8」へ微妙に繋がっています) 古泉編(このお話は「教科書文通10後編(最終話)」の翌日の設定になっています)    お姉さんシリーズ・待たせたシリーズ・教科書文通シリーズなどは繋がったお話で、時系列は以下の様になります。  お姉さん(ハ)→お客様は宇宙人→超能力者を訪ねて→待たせたな。→お姉さん(キ)→教科書1~7→お姉さん(長)→教科書8~10→お姉さん(古)→お待たせしました。  
  • 今泉慎太郎 VS? 谷口
    今泉「え~……あなたは超能力者の存在を信じていますか?それは僕のことです。    未来人、宇宙人はどうでしょう?それも僕のことです。    そう、僕は実は、宇宙人であり未来人であり超能力者でもあるのです。    今からこのスプーンを、未来の宇宙の力を使った超能力で曲げたいと思います。    ん~!んん~!マッガーレ!!マッガレェェェ!!!マッガ……」   今 泉 慎 太 郎 VS ? 谷 口   谷口は教室のドアを開けた   谷口「うぃーっす!WAWAWA忘れ物……うおぁ!!」   そこには、一人でいじけてるデコの広いおっさんがいた。   谷口「えーっと確かあんたは……古畑ってのと一緒に居た……」 今泉「今泉だよお!いまいずみ!みんなひどいよ……」 谷口「そ、そんでなんでそんないじけてるんだ?」 今泉「だってさ、せっかくハルヒスレにゲスト出演したってのにさ、    SOS団の誰一人として名...
  • 涼宮ハルヒの再会(1)
    ・・俺はただあいつに、笑っていてほしかっただけなのかもしれない。     涼宮ハルヒの再会   (1)  いろいろありすぎた一年を越え、俺の初々しく繊細だった精神は、図太くとてもタフなものになっていた。 今の俺ならば、隣の席に座っている女の子が、突然『私、実はこの世界とは違う世界からやって来ているんです』などと言いだしたとしても、決して驚かないだろう。 愛すべき未来人の先輩や無口で万能な宇宙人、そして限定的な爽やか超能力者たちとともにハルヒに振り回されて過ごしたこの一年間は、俺があと何十年生きようとも、生涯で最も濃密な一年になるはずだ。 と言うより、そうなってくれないと困るな。 これ以上のことは、さすがの俺も御免こうむりたい。 いくらなんでも毎年毎年、クラスメイトに殺されかけるような事態は起こらないはず・・・と、思いたいな、うん。    北高に入学してから丸一年がたち、SOS団の...
  • 涼宮ハルヒのX-FILES <序章>
    涼宮ハルヒのX-FILES <序章>   高校生活も終わり皆それぞれの道を歩むことになった。 朝比奈さんは未来へ帰り、古泉は未だ「機関」に属して仕事をしているらしい。 長門は「次の任務がある」といい俺たちの前から姿を消した。 で、俺とハルヒはというと・・・アメリカの大学を出てワシントンのFBIに勤めている。 そもそもの発端はというと・・・   高校卒業間近の時期、いきなりハルヒが話し始めたことから始まった。 「私思うのよね。」 「なんだよ。」 「宇宙人も未来人も超能力者も実は政府が隠しているから見つからないんじゃないかって。」 宇宙人も未来人も超能力者もすぐ目の前にいるし別に政府が隠しているわけではないのだが。 「だから、日本なんて狭い国よりアメリカよアメリカ!」 「アメリカ行ったって当てもあるわけじゃなかろう。」 「だ~か~ら~、FBIに入って探しまくるのよ!もちろんあんたも来なさい。来...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第五章
     引き続き、市内パトロール後半戦である。 「どこに行きましょうかね」  俺と朝比奈さんはファーストフードを出た後、どこへともなく歩を進めている。はたから見ればじらしい男女カップルのはずであり、まさか夢世界の存在を探してさまよい歩いているとはそれこそ夢にも思わないだろう。 「そうですねえ。お買い物は午前中に古泉くんとしちゃいましたしねえ」  古泉で思い出した。 「そういえば古泉は何か言ってましたかね。あいつに昨日生徒会室で見つけたメッセージのコピーを渡したんですけど」 「いろいろ訊かれましたよ。昨日の学校の様子とか、未来がどうなっているかについても。未来のほうは解りませんとしか答えられなかったけど。まだねじれが元に戻る気配がまったくなくて先が見渡せないんです」  そりゃ、長門が戻ってこない限り時空間のねじれも収まることはないだろう。というより、戻ってもらっては困る。そ...
  • 機関の動乱 その2
     明かり一つつけない暗闇の中、長門はじっと喜緑江美里と正座のまま対峙していた。キョンたちが来て以降、 この状態のまま四日にらみ合っている。  窓からたまに飛んでいくヘリコプターのライトが見えた。  と、ここで喜緑江美里が閉じていた目を開けて、 「どうやら始まったようですね」 「状況を」  長門が確認を求める。  現在彼女は情報操作能力を封じられている。情報統合思念体との通信も喜緑江美里によって完全に封じられ、 ただの人の形をしたものに情報だけが封じられた状態にされていた。そのため、外部で何が起きているのか 全く把握することができていない。 「この星の有機生命体には我々では理解できない矛盾した行動を取ることをご存じですか?」 「…………」 「わたしたちにとってはそれは単なるエラーに過ぎません。ですが、実に興味深いことですが、彼らはそれから 目的を達成しようと試みます。そして、場合によってはそ...
  • 涼宮ハルヒの憂鬱ってタイトルか・・・
    中3の冬     受験勉強の息抜きにふと書店に寄ってみた。そこで一冊の本をみつけた   「『涼宮ハルヒの憂鬱』・・・?」   なぜこの本が気になったのかというと、この本の主人公と俺は同じあだ名だったからだ。妙な近親感ってやつ?しかも国木田って苗字のヤツも出てるし・・・   感想はというとなかなかおもしろかった。そしてこの本は気晴らしに読んだ一冊で終わるはずだった。   おめでたいことに高校に合格した。国木田も合格した。これからどんな高校生活が始まるのかという期待と不安に俺も例外なく襲われる。   入学式が終わってクラスでのホームルーム、担任の岡部は顧問をつとめるハンドボール部について語った。そして出席番号順に自己紹介。俺はあたりさわりのないことを言ってすぐに自己紹介を終えた。そして俺の後ろの女子の番。   ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありま...
  • こわれてしまった少女のはなし
    少女たちとその観察対象は、高校を卒業した。   同時に、平凡な毎日はつまらないと嘆いていた神は力を失う。 彼女は彼の隣で笑い、時には怒り、時には泣き、退屈というものを忘れていった。   少女と彼女を監視していた未来人は本来自分が居るべき場所へと帰る。 彼女は泣きながら怒り、未来人を引き留まらせようと考えたが、もうその能力は消え去っていた。 彼女と同じく、超能力者であった男は力をなくす。 男は彼に礼を言い、それを最後に消息不明となった。     少女は彼と彼女が結ばれるために尽くしたが、ある日始めて気がつく。   わたし、も、彼、が、す・き?   少女は宇宙人である。 そのような感情など、持つはずが無い。   それでも少女は、納得がいかなかった。     わたしは彼のことがすきなのかもしれない     それを聞いた少女の創り主は酷く驚き、処分しようと考えた。 しかし彼は、少女が一度時空改...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(前編)
    「で、最初は誰から接触すればいいわけ?」  ハルヒは机の上に座ったまま、俺に言う。  さて、誰からにしたものか。本来であれば、俺の世界と全く同じようにしたいところだが、このハルヒはそれを却下したし、 そもそもこいつが力を自覚している時点で、どうやってもおなじようにはならんおかげで、正直それで大丈夫なのかという 不安があるのも事実だ。  だが、ここでふと思いつく。  とにかく、3人に接触して平穏かつ良好な関係が築けると証明してやればいい。それだけなら、何も3人同時に 一緒である必要はないはずだ。その後、ハルヒに納得させた上でもう一度最初から――今度は3人同時に接触して、 SOS団を結成すればいい。  そう考えると、まず一番接触しやすい奴から選ぶべきだな。宇宙人は、あのハルヒの情報統合思念体に対する警戒心から考えて、 一番最後にすべきだろう。未来人ははっきり言って知らないことも多いことを考える...
  • 雲を食むもの
    目次       ぶち上げろ、たった一人の少女がその心に持つ夢の為に。   ぶち撒けろ、神様が夢を否定する世界を全力で否定する為に。   でっち上げろ、テメェの我が侭は我が侭なんかじゃ決して俺達が終わらせない事を、ソイツの心に刻み付けろ!   打ち上げろ、盛大に。夢に掛かった分厚い雲を!   吹き飛ばせ、只の人間のその両の手で!!     「放てっ! 雲をその腹の内から食い破っちまえっ!!」     瞬間、世界の総意が夜の空に轟音と光を振り撒いて弾けた。 無数の星を伴って、人の作り出した一秒の奇跡が暗い世界に大輪の華を咲かせた。 俺の隣で神様が震えたのが、俺にはしっかりと分かった。見なくても分かった。 だって、俺も震えていたんだから。   たった一人の少女の為に。優しい世界は後から後から夜天に星を散らせた。 涙が、零れた。自分で計画しておきながら。それでも。 俺の居るココは、たった一人の...
  • I don't choose, but decide.
    chapter01 chapter02 chapter03 chapter04 chapter05 chapter06 chapter07 chapter08 chapter09 chapter10,Finale S.O.S      ―Sidestory Of Sidestory― 新しい過去から君への招待状 夜行性の超能力者とインターフェイスのブギー
  • 悲嘆
      ジョン、ジョン・スミス。あんたはどこにいるの? あんたのせいよ。あの時、あたしの最後のつもりだった悪あがき。 始める前にとびきり変なことが起きたじゃないの! 結局宇宙人は現れなかったし、未来人は来ないし、超能力者はいないし。 今のところジョンだけが異世界人って感じかしら? あんたの影を追って北高に入学したけど不思議はないわねぇ。 意外と刺激に満ちた日々は送ってるけど。うん、充実はしてる。 何といっても共に不思議を追及する仲間がいることかしら。 変わってるけど頼りになる娘、かっこよく頼りになる男子に、 まさに可愛さの塊の娘、それとジョンっぽい男子。 キョン。あたし、あんたにジョンを見てる。重ねてる。 ううん、あんたも実のところ結構気に入ってるわよ? そうね、……好きといっていい。 でもね、キョン。駄目なの。まだ駄目。 あたしはジョンを諦めてないの。 あたし予感がするの。またジョンに...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 6
    12,セカイ系青春ウォーカー  支払いを終えた古泉と一緒に外に出ると、タイミングを見計らったかのように俺たちの前でリムジンが静かに停車した。古泉が呼んだお迎えとやらなのは容易く察しが付いたが、駅前の雑居ビルでごった返す一角にリムジンは不釣合い過ぎて軽くファンタジイ入ってるよな、これ。客観的に見て。 「乗って下さい」  古泉が後部座席のドアを開けて俺を車内に促す。断る理由も躊躇う理由もさっきの古泉の一言で木っ端微塵にぶち壊されていた。  長門が? 危ない?  理由はまだ説明されちゃいないが、しかしてこういった類で嘘を吐くような男では古泉はないのを――一年半の付き合いなんだ、俺はよく知っている。だとすれば信じて全乗っかりする以外に道は無い訳で。  リムジンを運転していたのは老齢の紳士、いつぞやSOS団全員でお世話になった新川さんだった。去年の五月を思い起こさせるようなスーツ姿は本職...
  • 涼宮ハルヒの出会い プロローグ
    涼宮ハルヒの出会い 『アイツノソンザイ』プロローグ   私はただの人間だった………… そう自覚してから何年がたったのかしら? もう3年もたったのね… 明日は入学式か~   『…つまんない』   平凡な入学式、ホントつっまんない そしてこのクラスもホント見るからに平凡、なんでなの? なんで私だけ… そんなこと考えてるうちに自己紹介とかいう平凡な行為の時間になったらしい たんたんと終わっていく、前の奴の自己紹介なんて頭に入ってなかった 別に目立ちたいとかじゃない、けど気がついたら私はこういっていた   『東中学出身、涼宮ハルヒ』 『ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者 がいたら、あたしのところに来なさい、以上』   涼宮ハルヒの出会い 『アイツノソンザイ』エピローグ02   別にどう思われてもいい、でももしかしたら、って思うと… だからって別に後悔なんか...
  • 涼宮ハルヒの分身 Ⅴ
      Ⅴ   「‥‥‥誰、ってどういう意味かしら」 「そのまんまの意味だ。お前は誰だ。本物のハルヒはどこやった?」 そのハルヒはこちらにニヤリと笑った口下だけが見えるよう少しだけ振り返り、またもハルヒとおんなじ声色で俺へと返事をした。 「なあに、キョン。本物のハルヒ、なんて意味ありげな言葉言って。まるであたしが偽物みたいじゃない」 その通りだよ偽ハルヒめ。 「だって忘れちゃったんだから仕方ないじゃない。それとも何、そんなに大事な思い出だったのかしら?」 白々しいことを。どういう過程でこいつが全くハルヒと同じ容姿と声と性格を得たかは不明だが、本当のハルヒではないということが確かになった。となると、こいつが閉鎖空間を発生させたということか。畜生、よりによってハルヒの姿になりやがって。 「じゃあ教えてよ。もしかしたら思い出すかもしれないわ。どうやってあたし達はここから出たんだっけ?...
  • 涼宮ハルヒの終焉 最終章
    最終章     その後、朝比奈さんとハルヒには妹のお守りを頼み俺はその間に校庭の隅に穴を掘り、朝比奈さん(大)と長門の遺体を埋めた、古泉の遺体は見つからなかった。 恐らく閉鎖空間の消滅とともに消滅してしまったのだろう。   それから五日間、俺とハルヒと朝比奈さんは学校にも行かずに家に引きこもっていた。 長門の必殺技のおかげで世界は大混乱していた。北向きに放たれた衝撃波は一瞬にして中国、韓国、北朝鮮、モンゴル、ロシアとその方向にある大体の国を新地に戻してしまっていた。 当然学校も休みである。日本に土地的に被害はなかったのだが経済は混乱中であった。しかし働かずに飯は食えないのでほとんどの店は大体四日後には通常通り営業していた。   六日目、布団の中で蹲っていたら携帯がなった。朝比奈さんであった。 「あのぅー、実は未来から指令が来ていたんです。七日前に。今気づいたんですけど。 実はそれによる...
  • 超能力テスト
    なんだこれは どうすればいいんだ   俺が7日の内、2日かしかない休日をぐうたら過ごしていると 突然ハルヒが俺の家にやってきて薄型長方形の箱を渡すとトンボ帰りしていった     中には手紙が入っており何々、       「キョン、感謝しなさい これは超能力試験よ SOS団の皆でチョコレートを作ったわ それでアンタがどのチョコレートを誰が作ったか当てるってわけ 簡単でしょ、もし当てることが出来たら魔剣士に任命してあげるわ 再度感謝しなさい!」       忌々しい、っていうか何だ魔剣士って 中には内容どおり4つのチョコレートが入っていた     まあ丁度空腹だったし食べてやるか     1つ目 明らかに他のチョコレートと違う これだけホワイトチョコレートだ しかも御丁寧に「キョン君へ」とまで書いてる 少しかじってみる 味はビターか?少々苦いような まあそういう味なんだろう チョコレートに文字...
  • LOST 5話
    -放課後-   あの後俺とハルヒは部室でハルヒ特性弁当を食しまったりとした午後のひと時を過ごしていた。 もちろんハルヒの作った弁当の味は見た目、味共に文句なく上出来だった。コイツは本当に何でもできるんだな。 しかし、頭の中は今朝のことでいっぱいでしゅうしハルヒには怒られていたが そのたびに何度となく「お詫び」としてキスをせがまれた。   そんなあまっちょろい生活を守るべく俺は孤軍奮闘せねばならんのだ、いや…孤軍ではないか。 ニヤケ超能力者だが時と場所においてはそれ相応に役に立つ古泉がいるし 朝比奈さんもきっと何か手立てを教えてくれるはずだ、たぶんだが。 きっと力になってくれるハズだ。   未来人と超能力者+一般高校生でなんとか宇宙人に太刀打ちできるだろうか。午後の授業からは まるでRPGゲームのボスに倒せるかどうかわからないギリギリのレベルで挑もうかどうか迷っている主人公の様な心境だった。...
  • ある晴れた休日
    俺は古泉と待ち合わせをしていた。場所はいつもの喫茶店だ。 古泉と二人で話すなんてときは大抵あいつが話を持ちかけてくるんだが、今回は勝手が違う。 俺が古泉を呼び出した。”あること”を相談したくてな。 本来あんな怪しいやつに相談なんてしたくないのだが、今回の相談事はあいつの得意分野だからな。 変態エスパー野郎の得意分野と言えば、涼宮ハルヒについてのことだ。 長門もハルヒのことならいろいろ教えてくれそうなもんだが、相談事には長門に理解できなさそうな概念が含まれるからな。   「おや、待たせてしまいましたか」 そうこうしているうちに古泉がやってきた。ほぼ時間通りだな。ん? 「古泉、お前いつもの集まりはもっと早いんじゃないか」 「ああ、いつもは涼宮さんがいらっしゃいますからね。皆さんにおごるお金まで機関が面倒見てくれるわけでもないですしね」 「ふん、遅かったほうがおごるって約束しておけばよかったぜ」...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 5
    10,時空管理者の憂鬱  あれよあれよと時間は流れ、期末テスト準備期間が始まった。テストが終わればすぐそこにクリスマスが待っている。  クリスマス、か。いやはや、どうするべきだろうな。去年に倣うならもうそろそろハルヒが騒ぎ出すはずだ。しかし、今年は俺に「予定」が有る、らしい。本人の意思がそこに介在しないのがこの場合の悩みであり。もしもその予定をぶん投げてSOS団主催のクリスマスパーティに出たとしたら、どうだ?  世界はそれで呆気無く本当に終わってしまうのだろうか? はあ、真面目に考えるのも阿呆らしい話だが、しかし俺が真摯に向き合わなければ他の誰がこの不条理な超時空的現実に向き合うっていうんだ。古泉は早々に楽観論者に成り下がっちまってたしな。全く、肝心な時に使えない。  ドイツもコイツも俺の都合なんかちっとも考えちゃくれないのは、世界に蔓延る悪癖だ。  ま、今更って話だけどさ。 ...
  • 寝ぐせ byキョン
    *「寝ぐせ」のキョン視点です。 「じゃあねキョンくん、行ってきま~す!」 「おう、車に気をつけるんだぞ」 「は~~い!」  こういう所は素直なくせに、なぜ朝の目覚ましプロレスと”キョンくん”は素直にやめてくれないのだ妹よ。  そんな妹も、来年は中学生。 未だに想像出来んな、こいつの中学生姿は。 制服姿をどう想像しても、やはり小学生にしか見えない。 本当に中学生になれるんだろうか?  だがああ見えて、物怖じしない所がある。 初めてハルヒ達と会った時もすぐに打ち解けてたし、妹なりにうまくやっていけるだろう。 あいつの美点の一つだ。  でも中学に上がると、部活やらなんやらで時間が不規則になるな。 そうなるとこうして途中まで一緒に登校するのも出来なくなるか。 同じ屋根の下にいながら顔を合わす時間も減るだろうし、 普段はうるさい位にまとわりついてきてたのが無くなるとなると、 それはそれで一抹の寂し...
  • 桜風
    「キョン、桜よ、桜!」  何の因果か不思議探索でハルヒとペアになってしまった俺であるが、 「今年は何時もより早いんじゃない? やっぱりあれかしら、地球温暖化?」  ハルヒに引っ張られつつ来たのはこの桜舞う何時かの川辺であり、 「あたし、思うんだけどさ、地球温暖化って宇宙人の陰謀っぽいのよ!」  この異常に高いテンションに振り回された俺に風流を解する心なぞ一片も残っておらず、 「海水面の上昇で人の住める場所が少なくなるでしょ、そしたら人は無限の宇宙に目を向け始めるの」  必然的に目の前に咲き誇る桜の花は単なるピンクと茶色と緑の混合物にしか見えないわけで、 「で、ついに宇宙へ飛びだした地球人にこう言うのよ」  視覚がダメなら次は聴覚なわけだが、聞いての通り延々とハルヒが自説をぶちまけてだな、 「『ようこそ、宇宙へ。我々は貴方たちを歓迎します』って何食わぬ顔してね」  味覚は論外、触覚なぞこの眠...
  • 長門さんと敵インターフェース
    放課後の部室。 いつものように朝比奈さんが淹れてくれたお茶を啜る。 これのためだけに部室に足を運んでいると言っても過言ではない。   ハルヒのヤツは掃除当番で来るのが遅れると言っていた。 小泉のヤツは知らん。   朝比奈さんとボードゲームでもして暇を潰そうか、そう思った矢先長門が立ち上がった。 スタスタと機械のような正確な歩幅で俺の隣まで来る。   どうした、長門よ。     「今日の夜、貴方の家に行く許可を」     なぜ?     「貴方の部屋で花火をする」   おい、情報統合思念体。 長門にエラーが蓄積しまくって意味不明になってるぞ。     「現在、軽度のエラーは発生しているが無視できるレベル。任せて」     何を任せればいいのだ。 いつもと変わらない無表情な顔で訳のわからないことを言い出す無敵宇宙人。 もしや、これは長門流のギャグで、俺は「やっちまえ」と言えばギャグが成立するの...
  • キョン子の憂鬱 (TS)
    「只今より第一回SOS団2時間耐久鬼ごっこを開始するっ!」 「はあっ?」 放課後の文芸部室。SOS団団長のハルヒコの奴がまたくだらん事を言いはじめた。 「よしっ!みんなジャンケンしようっ!鬼はキョンだけどなっ」 じゃあ一体なんの為のジャンケンだというんだ。そして私はジャンケンもしないし鬼もやらん。 というかまずそのゲームに参加拒否の意思を表明するね。 「じゃっ、早速ルール説明に入るっ!鬼はくちびるを奪われたら負け!以上っ!」 人の話をまったく聞いてな……って、 「ちょっと待て。言ってる意味がわからん。説明しろハルヒコ」 ハルヒコはニンマリと、 「だから、さっき説明したろ?お前が逃げて、俺達が捕まえる。そしてくちびるを奪う」 「いや全部まるっきり分かりかねるが、そしてに続く言葉の意味がとくに分からん」 ガタン、ガタン、ガタン。 「お……おいっ?どうしたお前等?」 何故か長門ゆうきと朝比奈先輩...
  • 自分の居場所
    注)この作品は「消失」の改変世界が舞台になっています 「──僕は涼宮さんが好きなんですよ」 「……正気か?」 ここは光陽園学院の近くにある喫茶店。学校帰りだろう、黒ブレザー姿の女子が何人か目に映る。 といっても、のんびりお茶をしているわけではない。あとは勘定を済ますのみになっている。 相手の男──ジョンが驚いているような……そんな顔をしている。 自分はいつだってほどほどに正気のつもりだ、と古泉は思う。 むしろ彼、ジョンの話すコトにこそ、正気かと小一時間問い詰めたい。 「魅力的な人だと思いますが」 SOS団、宇宙人に未来人……そして自分が超能力者だと? 彼の話は古泉にはまるで信じられない。自分はただの人間だ。謎の転校生ではあったけど。 ──ズキリ、と頭がシビれる感じがする。 こいつもまた、涼宮さんに言い寄るために適当な事を言ってるんだろう。古泉はそう思っていた。 彼が言うには、涼宮さん...
  • Starry Sentimental Venus 1
    目次     未来ってーのは柑橘系の香りがするらしい。 きっと纏めてしまえばそれだけの話。     六月三十日、茹だる様な暑さは夏の到来をこれでもかと声高に俺へ教えてくれる。 季節は初夏。とは言いながらも一週間の内に日本列島のあちこちでは真夏日がちらほら見掛けられたりと中々に季節感溢れる今日この頃である。最近よく耳にする地球温暖化とやらの影響だろうか。 冬の頃こそもっと温暖化を全世界的に進めるべきだなどと下らない事を内心思わないでもなかった俺だが、そのツケとでも言うべきか俺の疚(ヤマ)しい考えに天罰を下そうと空の上の何かが考えたのかは知らないが……シャツが肌に張り付くのは気持ち悪い事この上ないぞ。 ああ、馬鹿な考えは今日を限りで悔い改めますのでどうか太陽さんよ、ここらでのんびり長期休暇でも取ってみたらどうだい? 窓際後方二番目というポジションは、頼んでもいないのに日焼けサロンに通って...
  • 長門の真実
    お約束のように、古泉が最後にやってきたのは、いつもながらの変わり映えのしない、団活の真最中だった。どうせなら、不思議体験ツアーだけじゃなくて、毎日の団活でも最後に来たら、おごり、を励行して欲しいものだ。入って来るなり古泉は俺のそばに来て 「ちょっとお話が」 などと、ほざきやがった。顔が近いぞ、古泉。なんだ、言ってみろ。 「ここではちょっと」 とささやく古泉の視線の向こうには、いつものごとくハルヒが....、ん、 なんだ、長門の前じゃいえない話か? 「はい」 「何、古泉君?キョンと内緒話とは聞き捨てなら無いわね。」 「いえ、御婦人方にお聞かせするような内容では」 「あー、いやらしいわね。そういう話はどっかでさっさと済ませて来て頂戴」 「はい、それでは」 古泉は 「中庭へ行きましょう」 といつものテーブルへ俺を誘った。 「今度はなんの話だ?」 ハルヒ、お前はまた、特大級の閉鎖空間でも生成した...
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