涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「失って気づく幸せ(後編)」で検索した結果

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  • 失って気づく幸せ
    失って気づく幸せ(前編) 失って気づく幸せ(後編)
  • 失って気づく幸せ(後編)
    「キョン、話の途中で居眠りするなんて、君は失礼だと思わないのかい」 目を開けると、俺はいつもSOS団のメンバーが集う喫茶店の一席に座っていた。そして目の前には佐々木がいた。 唖然としてあたりを見回す俺を、佐々木は怪訝そうな目で見つめている。 「どうしたんだい、キョン。悪夢でも見たのかい。もしそうなら僕に話してくれないか。夢からその人の心理がわかるらしい。僕は君のことをもっとよく知りたいと思っているからね」 まるで当然のことのように、ごく自然に話し掛けてくる佐々木に、俺はいま自分の持っている疑問をぶつけた。 「佐々木、ここはいったいどこなんだ。いや、それ以前に、なんでお前がここにいるんだ。いまはいったい何時だ。なにより俺はどうしてこんなところにいるんだ」 混乱して何を聞けばよいのかわからない。とりあえず、頭に浮かんだ疑問を片っ端から佐々木に尋ねた。 佐々木はそんな俺を見て、最初はキョトンと...
  • 失って気づく幸せ(前編)
    俺はいま、SOS団ご用達の、いつもの喫茶店にいる。 だが、いつものように長門や朝比奈さん、古泉、そしてハルヒの姿はここには無い。 目の前のテーブルには、冷めてしまったコーヒーと、向かいで彼女が飲んでいた冷めたアールグレイティーが残されていた。 つい数日前までは、いつものようにSOS団のメンバーがここに集まり、ハルヒ団長の号令の下に不思議探索を行っていた。 それが今では遠い過去の出来事のように思える。 窓越しに外を眺めると、光陽園学院の女子生徒や北高の学生が、卒業証書の入った筒を手に、帰宅の途についている。 その光景が、俺に今日が自分の卒業式であることを思い出させる。 窓の外の景色から目を逸らし、手前にあるテーブルの上に視線を移すと、テーブルの上には銀色の安っぽい指輪がひとつ無造作に置かれていた。 この指輪は、俺がハルヒの誕生日に贈った最初の、そしておそらく、最後のプレゼントだ。 俺は指輪を...
  • 永遠を誓うまで
      ※この作品は失って気づく幸せの続編に当たる作品です。 ※関連する作品に初恋の人があります。       永遠を誓うまで(本編) 永遠を誓うまで(エピローグ)
  • 長編・キョン3
    スリーウィーク 鈍感な二人と、その幸せを願う人達の話 白銀の残雪 夏色 メタ・ラブコメディ ROLE PLAY あなたを守りたい(BadEnd) バカップル日記 夏風のコンチェルト タイムリミット some day in the rain another story 明日晴れかな 女の子 移りかわる時間、いつかの記憶 mirror 涼宮ハルヒのロバ ヒーロー クラスメイト キョンの選択(Bad End注意) ポニーテールの秘密 エイリアンズ 未完? カエル男 ホワイトデー前後の物語 人生最悪の三日間 バミューダの外側 結末は空港で 人生最悪の四日間 一年前からの気持ち 夢のような世界? パンフレット ウソがホントになる世界で 遊園地に行こう! 二年前のValentine(佐々キョン) 冗談まみれの勉強会 涼宮ハルヒの放課 涼宮ハルヒのひなた荘 開花予想(旧題:桜) 動物園に行こう! デート...
  • 涼宮ハルヒの軌跡
    涼宮ハルヒの軌跡 プロローグ 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(前編)  涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ            -----下記のものは別の方がご厚意により作ってくれたものです-----    涼宮ハルヒの軌跡 動画(PC版)  ※Divxコーデック必須 
  • 古畑任三郎 VS SOS団
    古畑任三郎 VS SOS団 プロローグ 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(前編) 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(後編) 古畑任三郎 VS SOS団 捜査編(前編) 古畑任三郎 VS SOS団 捜査編(後編) 古畑任三郎 VS SOS団 解決編   今泉慎太郎 VS? 谷口
  • 長門有希の報告
    はじめに  この作品は、キャラクターの台詞を一部『現地語』で表記してあります。その場合は、“【 】”で囲まれた斜体の部分が、対応する台詞の共通語訳(字幕)です。 もしも涼宮ハルヒたちの会話を、舞台のモデルとなった兵庫県西宮市の言葉で表現したら? そんなifの世界をのぞいてみてください。  字幕付きPDF版はこちら(PDF/610ページ/3.43MB)又はこちら 注意事項  この作品には、オリジナルキャラクター、暴力シーン及び女性同士による性的な表現が含まれています。 作品構成 Report.01 単独の序。以降の話とのつながりはありません。 Report.02~09 ある出来事と、それにまつわる涼宮ハルヒと長門有希の交流記です。 Report.10 もしも彼女が、こんな性格だったら? Report.11 もしも彼らが、こんな人物と出会ったら? Report.12~25 SOS団全員+...
  • やさしい嘘(後編)
    その日、わたしは涼宮さんを見送るために駅へと向かう高架下の道を走っていました。普段から人通りの少ない道で、この日も周囲にはまったく人影が無く、わたしの息を切らした音だけが聞こえていました。 「もしかしたらわたしが一番最後になってしまうかもしれない。涼宮さんに罰ゲームを与えられるかも」 そんな考えがふと頭に思い浮かびました。同時に、涼宮さんが嬉々としてキョンくんに罰ゲームの内容を告げる高校時代の情景が頭の中に思い浮かびます。まるで、昨日の出来事であるかのように。 高校時代、罰ゲームを受けるのはいつもキョンくんでした。涼宮さんがそれを望んでいたし、キョンくんも心のどこかではそうなることを望んでいたから。 でも、キョンくんはもうこの世にはいない。そのことを考えると、わたしだけがこの世界に取り残されたような、そんな気持ちに苛まれてしまいます。 そんな思いに少し気持ちが落ち込んだものの、涼宮さん...
  • 恋は盲目 プロローグ
    プロローグ たとえどのような平凡な人生を送っている人であろうとも、長い人生の中で、必ず一度や二度は人生を 左右するほどの決断を迫られる時が来る。 そして、あたしたちは自らが下した決断に責任を負い、それがどのような結果をもたらそうとも、その すべてを受け入れていかなければならない。 こういった人生の分岐点は、予期し得るものばかりではなく、時には唐突訪れ、あたしたちに決断を迫 ることがある。 ある日、それは何の前触れも無くあたしのもとに訪れ、平凡ではあるが退屈しないSOS団での日常が ずっと続いていくと信じていたあたしに残酷な決断を迫った。今から思い返せば、あのSOS団での何 気ない日常こそが、あたしにとって人生で最も幸せなときであったことを、失ってはじめて気づくこと ができた。 聞いて欲しい。その日あたしが下した決断を。 事件が訪れたのは、あたしがいつものように食堂で学食を食べている時だ...
  • 長門有希の資料
    長門有希の資料 ~『長門有希の報告』別冊資料~ この報告は、かつて別の名前、別の文言で存在していた。それらをまとめた、いわゆる『初出リスト』。 ■本編 Report.01 長門有希の流血 原題 『長門有希の報告』 初出 2006/09/05 51スレ目 754 Report.02 涼宮ハルヒの認識(前編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(前編) 初出 2006/09/09 53スレ目 70 Report.03 涼宮ハルヒの認識(中編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(中編) 初出 2006/09/13 54スレ目 85 Report.04 涼宮ハルヒの認識(後編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(後編) 初出 2006/09/15 54スレ目 407 Report.05 涼宮ハルヒの困惑 原題 同じ 初出...
  • 橘京子の驚愕
    ※ 橘京子の暴走の続編です   橘京子の驚愕(前編) 橘京子の驚愕(中編) 橘京子の驚愕(後編)
  • 橘京子の――
    ※橘京子の憂鬱の続編です   橘京子の――(前編) 橘京子の――(後編)   橘京子の――(中編)
  • やさしい嘘
      やさしい嘘(前編) やさしい嘘(後編)    
  • 橘京子の分裂
    ※ 橘京子の退屈の続編です     橘京子の分裂(プロローグ) 橘京子の分裂(前編) 橘京子の分裂(中編) 橘京子の分裂(後編)
  • 橘京子の暴走
    ※ 橘京子の分裂の続編です     橘京子の暴走(前編) 橘京子の暴走(後編)
  • 『未来を紡ぐ絆』の歌
    『未来を紡ぐ絆』の歌(前編) 『未来を紡ぐ絆』の歌(後編)
  • 橘京子の消失
    ※ 橘京子の驚愕の続編です   橘京子の消失(プロローグ) 橘京子の消失(前編) 橘京子の消失(中編) 橘京子の消失(後編) 橘京子の消失(エピローグ)
  • 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー
      涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(前編) 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(後編)    
  • 橘京子の退屈
    ※ 橘京子の陰謀の続編です     橘京子の退屈(プロローグ) 橘京子の退屈(前編) 橘京子の退屈(後編)
  • 橘京子の憂鬱
    ※橘京子の動揺の続編です   橘京子の憂鬱(プロローグ) 橘京子の憂鬱(前編) 橘京子の憂鬱(後編) 橘京子の憂鬱(エピローグ)
  • 未練はあれども後悔はせず
    未練はあれども後悔はせず(前編) 未練はあれども後悔はせず(後編)   ※ アニメ版の長門VS朝倉レベルの描写がありますのでご注意ください。
  • 橘京子の溜息
    橘京子の溜息(前編) 橘京子の溜息(後編) ○<シリーズ一覧なのです!(時系列順) 橘京子の溜息 橘京子の―― 橘京子の憤慨 橘京子の陰謀 橘京子の消失 橘京子の退屈 橘京子の分裂 周防九曜の溜息 橘京子の暴走 橘京子の驚愕 橘京子の動揺 藤原くんの溜息 橘京子の憂鬱
  • ヤンキョーン
    キョンがヤンキー略してヤンキョーン   キョンがヤンキー略してヤンキョーン 第一章 キョンがヤンキー略してヤンキョーン 第二章 キョンがヤンキー略してヤンキョーン 第三章(前編) キョンがヤンキー略してヤンキョーン 第三章(後編) キョンがヤンキー略してヤンキョーン 最終章(前編)
  • SOS団プレゼンツ 第一回 涼宮ハルヒ争奪戦
    プロローグ 二年目の七夕 二年目の勉強会 争奪戦当日~開会式・適性検査~ 争奪戦当日~試練その1 その2~ 争奪戦当日~試練その3~ 争奪戦当日~試練その4~ 争奪戦当日~試練その5~ 争奪戦当日~最終試練発表~ 争奪戦当日~最終試練(前編) 争奪戦当日~最終試練(中編) 争奪戦当日~最終試練(後編) 争奪戦当日~キョンの最終試練~ エピローグ
  • クロトス星域会戦記(銀河英雄伝説外伝クロスオーバー)
     このSSは、涼宮ハルヒの憂鬱と銀河英雄伝説外伝『ダゴン星域会戦記』のクロスオーバーです。  でも、銀河英雄伝説を知らなくても読めるようにつくったつもりです。  同盟側に関しては、『射手座の日』に敬意を表し、射手座(人馬宮)に関わる言葉で固有名詞を決めました。  クロトスもギリシア神話に出てくるケンタウロスの名前だったりします。      クロトス星域会戦記(前編)    クロトス星域会戦記(後編)
  • 橘京子の――(後編)
     なお、橘の記憶についてだが、なんのかんのあって元の記憶を取り戻すことができた。  といっても、彼女自身が全てを思い出したわけじゃない。それどころか彼女自身どうしてよいか分からない状態だった。もちろん俺の力ではどうする事も出来ず、お手上げ。  こうなっては誰かの手を借りて修復するしかない。誰の手を借りるかといえば――お分かりの通り、超絶万能スキル文芸部長、長門有希の力によるものである。  しかし、その長門も当初「許可が下りない」との理由で橘の脳内情報操作を施すことが出来なかった。曰く『涼宮ハルヒに関わる全ての人間に対しては原則観察のみ行う。それ以上の行動は禁止されている』とのことである。  だが、何とかして情報を蘇らせたかった俺は長門に懇願し、三秒ほど俺の顔を眺めつづけた結果、首を縦に振ってくれたのだ。  とは言え、ヒトの記憶を操作することが出来ない以上、別の方法で記憶を蘇らせるしかな...
  • 橘京子の消失(後編)
     月曜日。  この日がダウナーでメランコリーな気分なのは何もハルヒに限ったことでなく、全世界の8割以上の人が大凡不快感を露にしているんじゃないかと思う今日この頃であるが、俺はその一周りも二周りも、いいやグロス単位で絶望のどん底に陥っていた。  その理由は、喫茶店やファーストフード屋をハシゴした胃もたれが原因でもなく、かといって日曜日にむりやり付き合わされた妹の買い物が原因でもなく、では何が原因かというと、朝方下駄箱に入っていた一通の手紙である。  いや、手紙なんて大層なものじゃないな。ノートの切れ端に慌てて書いたような、しかし女の子然とした文字は、どう読んでも『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室にきて』としか読めなかった。  差出人の名前は無く、ついでに言うと宛先もかかれていない。こじつけるなら、俺以外の人間に送るはずだったラブレターを、間違えて俺の下駄箱に入れてしまったお茶目...
  • 橘京子の驚愕(後編)
     夏のような酷暑に見舞われた秋から一転、ここ数日で厳寒な秋へと変貌していった今日この頃だが、こんな時は夜と夕暮れと努めて、一体どの時間帯がいとをかしなのか某少納言様にお聞きしたいね。あとついでに努めてって何時だよ、ってこともな。  気候は瞬く間に変化していったのだが、それに対して俺のライフワークには全く変動が見られないのもこれまた事実であり、平日は学校に行って黙々と授業をこなし、受験勉強に追われるしがない受験生を演じていたりもする。  放課後になれば部室でゲームをしたり、現役大学生メイドが淹れたお茶を飲んだり、ハルヒの思いつきに横槍を入れては文句をいわれたり、寡黙な読書少女にチラリと目をやったり……こちらもここ数年変わりないスタイルを築きあげている。  あと半年もしないうちに大学受験が身構えているという十字架を一身に背負いながら、この時期になってもいつもの生活は変わらなかった。この生...
  • 橘京子の溜息(後編)
    そうか…そんなことがあったのか。なかなかハードだったな。 「…怖かったです。トイレットペーパーでできた命綱でバンジージャンプを強制されるくらい怖かったです」  次の日、橘は俺に昨日の事を話してくれた。ハルヒと佐々木が、俺と橘の関係を暴こうと躍起になっていたようだ。  しかし、なぜあいつらはそんなにお前のことを気にするんだ?  あ、もしかしてあれか?お前が二人にとっての『鍵』なんじゃないのか? 「……うわぁ………」  橘は感嘆の声を上げていた。何だ、図星だったのか? 「……いいえ、今時こんな天然記念物並みの旗折りがいたなんて……」 「機織り?それは天然記念物じゃなくて重要文化財とかじゃないのか?どこにあるんだ?」 「……………」  橘は黙ってしまった。そういや、まだ何か用事があるんじゃなかったのか? 「…ええ…実は佐々木さんの能力についてです。佐々木さんが涼宮さんと同じく、神...
  • 橘京子の憂鬱(後編)
     ”――橘京子とは?”  それは、涼宮ハルヒに備わった力――自分が願ったことを実現・具現させる力――を、本来の持ち主である佐々木に還元し、そして彼女に帰結しようと企む『組織』の一員にして、一介の少女。  愛嬌のある、かつ幼げの残る顔立ちとは裏腹に、『組織』内での地位はかなりのもの。  事実、朝比奈さんをかっさらったあの一件では自分よりも年上の男共に指令を下していたし、『機関』の一員である古泉――言い換えれば敵対勢力――に近しい俺に対し、しれっと協力要請をしたのも、それなりの力を見込んでのことだと思う。  そう言った意味では、下働きばかりが目立つ『機関』の若手構成員、古泉一樹よりかは格が上なのかもしれない。  ”――彼女の目的は?”  先にも言った通り、ハルヒに宿っている力を佐々木に移すこと。彼女ら『組織』は、その方が安全だと主張する。  彼女の主張はこう。 『ややもすれば世界をへんて...
  • 橘京子の暴走(後編)
    「いったーい!! 何するんですかぁ!!」  聞きたいのはこっちだ! 何やってるんだお前わぁここでぇ!! 「見て分からないですか? 高校の進路相談会のパーソナリティですよ」  そうじゃなくて何でお前が……いや、やめた。理由を聞いたところで俺のメリットになるモンは何もないし。大人しく流そう。そうだ、それがいい。 「えー。そんな事言わずに聞いて下さいよ。減るもんじゃないんだし。実はですね、組織が壊滅の危機に立たされてお給金すら配給の目処が立たなくなって、だからこうしてアウトソーシング的な仕事もこなさないとあたしのバイト代が……」  嫌だぁぁぁ! 聞きたくないぃぃー!! 「そんな我が儘許しません! これもそれもみんなキョンくんのせいですからね! いわゆる一つの『責任、取って下さい』ってやつですからよろしく!」  よろしくされる筋合いはねぇ! 全部お前が悪いんだろうが!! 「えー、だって……」 「...
  • 古畑任三郎 VS SOS団 捜査編(後編)
    SIDE キョン   事件から二日後の朝、俺は妹という目覚ましで爽やかとは言えない目覚しで起きて、 いつも通りのハイキングコースを昇っていた。 いつもならここらへんで谷口に声をかけられるな……と考えていたが、 今日はまったく別の人物から声をかけられた。   古畑「んふふふ……キョンさん、おはようございます~。」 キョン「古畑さん……!」   そう、昨日俺達の部室にやってきた、あの怪しげな刑事だった。   キョン「で、何の用ですか?」 古畑「用?いーえー違いますよ、たまたま見つけたんで声をかけさせて頂いただけでして……」   それにしては待ち伏せしてたようにしか思えない。 完全に俺にターゲットを絞っていたんじゃないか?と思うほどだ。   古畑「えー昨日尋ねさせて頂きましたが、なかなかよい部活ですねー。    普段はどのようなことを?」 キョン「活動らしい活動なんてしてないですよ。てきとーに暇...
  • 橘京子の退屈(後編)
    「全く……九曜さんのおかげで偉く恥をかいちゃいましたよ。頼みますからあまり変なことはしないで下さい」 「――――」  宴会で、受けると思ってやった一発ギャグが案外受けなくて、しんみりと席上を後にしたしがないサラリーマンのような顔を浮かべながら、あたし達はデパートを逃げるかのように出て行きました。  今はデパートから少し離れた、桜並木を歩いています。 「はあ……」  九曜さんのおかげで被害が被りまくりです。あたしへの精神的ダメージは、ボス戦で8回逃げた後に発生する改心の一撃ラッシュ1ターン分に相当します。  今日の九曜さん、ツッコミ具合が滅茶苦茶です。ひどすぎます。何でここまでキワどいことをするのかしら? 「あなたも――彼に――対しては――迷惑を――かけ過ぎ―ー」  え……? あたしが、彼に迷惑をかけてるですって? 根も葉もないことを言わないで下さい! 「根も葉も――ある……――あなたは―...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編)
      ◇◇◇◇    終業式の翌日、俺たちは孤島in古泉プランへ出発することになった。  とりあえずフェリーに乗って、途中で森さんと新川さんと合流し、クルーザーで孤島までGO。 全く問題はなく順調に目的地までたどり着くことが出来た。  あとは多丸兄弟を加えて、これでもかと言うほど昼は海水浴、夜は花火&肝試し、さらに二日目は何か変わったものがないか 島中の探索に出かけた。特に何も見つからなかったが、ハルヒはそれなりに楽しんだらしい。 あと、古泉たちによるでっち上げ殺人事件のサプライズイベントはなかった。まあハルヒは名探偵になりたいとか そんなことは全く考えていなかったからあえて用意しなかったのだろう。今のあいつは、みんなで遊べりゃそれで良いんだからな。  さてさて。  そんなこんなで孤島で過ごす最終日の夜を迎えていた。翌日の昼にはここを去ることになっている。  何事も無く終わってくれれば良かっ...
  • 未練はあれども後悔はせず(後編)
      ◇◇◇◇    俺は長門の部屋に上がり、カーテンの引かれていない窓から外を眺めていた。たまに上空を赤いランプ―― 低空で飛んでいく飛行機が見える。そういやこの部屋に二人っきりってのも久しぶりだな。 「できた」  振り返ってみるとカレーライス山盛りの皿を持った長門が立っている。しかし、 「一人分しかないが、お前は食べないのか?」 「必要ない」  そう言いつつ長門はテーブルの上に皿を置く。  俺は溜息をつきつつ、テーブル前にあぐらをかいて座った。一方の長門は先に用意していたお茶を注いでいる。 カレーとは違ってこちらは二人分だった。 「すまないな、わがまま言っちまって」 「わたしは構わない」  長門の言葉。俺はじっくりと手を合わせてから、スプーンを取りカレーを口に運ぶ。  オフクロとケンカ云々は長門のそばにいるためのでっち上げだから、夜飯はきちんと取っていたため満腹ではないものの 腹に何かを...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編)
    「――伏せてっ!」  最初に叫んだのはハルヒだった。しかし、教室にいる誰もその意味を悟ることができず、それに従ったのは俺だけだった。  次の瞬間、教室の窓ガラスが吹き飛び、多数の赤い光球が教室中に撃ち込まれる。悲鳴すら上げる暇もなく、 呆然と突如教室目の前に現れたヘリに呆然としていたクラスメイトたちにそれが浴びせられた。  しかし、俺は床に伏せたままそれを避けるべくダンゴムシのように縮まっていたため、その先教室内がどうなったのか、 激しい判別しようのない轟音と熱気の篭もった爆風でしか俺は知ることができなかった。時折、鉄を砕いたような臭いが 鼻から肺や胃に流れ込み、猛烈な嘔吐感を誘ってくる。 「キョン!」  誰かが俺の襟首をつかみ、俺の身体を引きずり始めた。俺は轟音の中、何がどうなっているのか確認しようと 目を開けようとして、 「目は閉じて! いい!? 絶対に開けるんじゃないわよ!」  耳元...
  • 『未来を紡ぐ絆』の歌(後編)
      ◇◇◇◇    翌日から決意も新たに卒業歌制作が続けられていたわけだが、その作業は難航を極めていた。最大の障害は朝比奈さん自身である。 「ちがーう! ダメよ、こんなんじゃ! 全然何も感じられないわ。まるで無理矢理書かされた読書感想文みたいじゃない。 いい? これはみくるちゃんの卒業を歌ったものになるのよ? それが全く感じられなくてどうするのよ」 「で、でもぉ……」  もう何日も同じやりとりが続いている。歌詞については俺もチラ見させてもらったが、確かにハルヒのいうとおり、 なんつーかやる気が全く感じられなかった。大体何度かこなしていけば要領もつかめてくると思うんだが、 まるっきり進歩がないのはどういうことだろうか。朝比奈さんにそこまで学習能力がないとは思えない。  一つ考えられる可能性は―― 「ねえみくるちゃん。まさかと思うけど、わざと落選しようとか思っていないわよね?」  ハルヒの言葉...
  • 古畑任三郎 VS SOS団 事件編(後編)
    SIDE 長門   以前撮影した映画の衣装を着て、朝比奈みくる、古泉一樹と共に寸劇をしていると、 舞台袖に涼宮ハルヒ、そして彼が戻ってきた 彼の方を向くと彼と目が合った。 すると彼は頷いた。……成功したようだ。 生徒会長を殺害したのならば、もうこのイベントを続けることに意味はない。 涼宮ハルヒもそう考えたのか、早々に結果発表へと移った。 結果は、寸劇で見事に演じたということで私が優勝。……何故? 参加者は文句を言っていたが、朝比奈みくるが私の頬に接吻をするのを見ると、何故か満足そうに引き上げていった。 イベントも終了し、後片付けをすましたら、ここからは私の役目となる。   ハルヒ「じゃあ、一旦解散ね。そして夜の9時、またここに来ましょう。」 キョン「長門、一人で大丈夫か?」 長門「……大丈夫。」 古泉「警備員などに見つからないようにしてくださいね?    まあ長門さんならばそんな心配はい...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(後編)
      ◇◇◇◇    土曜日、明日になれば自動車事故から一週間になろうとしている。  幸いなことに月曜日以降、誰も死ぬどころか危険な目にあっていなかった。  今日、俺はハルヒと一緒に、先週の事故発生現場を廻っていた。歩くと時間がかかるので、タクシーを使って移動している。 いろいろ確認したいこともあるらしい。  まず看板に潰された男子生徒の現場に立っていた。  倒れてきた速度規制の看板はすでに新しい頑丈なものに直されていた。商店の上にあった看板は撤去されたままである。 あの事件を思い出す要因を残しておきたくないかもしれない。 「すっかり現場が変わっちゃっててこれじゃ調べようがないわね」  何も見つからずにその場を去り、続いて野球ボールのせいで死んだ女子部員の現場、火事が原因で死んだ女子部員と顧問の現場と 廻っていったが、やはり何も見つからなかった。まあ、目で見つけられる問題があるならとっくに警...
  • 幸せの大きさ
      学校から帰宅している時の事だった。   一ヶ月程前から、毎週火曜日になると長門が他の面々よりも早く帰宅するようになった長門に   夕暮れの中、籐で編んだバッグを肩にかけた私服姿の長門に出会ったんだ──   舞台は同日の放課後、いつもの部室にさかのぼる。 あいつの定期的な行動に、といってもあいつに定期的という言葉がどこまで適切なのかはわからんが うんうん、あいつも自発的な行動を取るようになったんだなと安心していたのもつかの間 俺の知らない長門がいる事寂しさを覚えるようになった。 本人に聞けばいいのだが、行動にでようとする俺に周りは「まぁまぁ」と言って静止を促してきた。 やきもきする心が少し暴走したのか俺はポツリと言葉を漏らした。   「最近長門はコンピ研、学校の図書室と行動的になったなぁ」   長門が帰った部室で残りの面子は、さも楽しげに噛み付いてきた。ハルヒは 「ふふーん、...
  • 涼宮ハルヒのユカイなハンバーガー(後編)
       手遅れだった。色々と。 「長門!?」 「大丈夫。情報統合思念体との連結が途切れているだけ」 どこら辺が大丈夫なのか小一時間問い詰めたいが、長門だから許そう。かわいいとは正義なのだ!なんて親馬鹿やってる場合じゃねえ。長門は団活時の四割り増しの無表情をしてちょこんと座席に座っていたが、俺の長門センサーはいつ倒れてもおかしくない状況だと大音量で警報を鳴らしている。これじゃあまるで雪山の再来だ。すぐにでもヒューマノイド・インターフェイス用の病院に担ぎ込みたいが、あいにくと住所が分からん。 「連結が途切れてるって、この空間のせいなのか?」 「そう。涼宮ハルヒの発生させた異空間は情報統合思念体からのいかなる干渉も一切受け付けない。原因は不明。情報統合思念体は自らの統制下にない空間が広がることに危機感を抱いている。よって主流派を含む大多数の派閥はあなたに事件解決の望みを託すことを決定した」 ヘ...
  • 初恋の人
    ※この作品は失って気づく幸せの続編に当たる作品です。     気がつくと、僕は光陽園駅前の喫茶店にひとりで座っていた。 ここが現実の世界ではなく、異世界であることは容易に想像がついた。なぜなら、喫茶店には誰一人として人がいなかったからだ。 どうして僕はこんなところにいるのだろうか。考えてみても答えは出なかった。ただ、いまの僕には、そんなことはどうでもいいことのように思えた。 なぜなら、僕は生きる意味を見失っていたからだ。人ひとりいないこの世界が、むしろ僕には相応しいのではないかとさえ思えるほど、僕は絶望に打ちひしがれていた。 しばらくそのまま席に座っていたが、何もすることがなかったので、僕は席を立つと、現実世界でするのと同じように、自動ドアをくぐりぬけ、喫茶店の外に出た。 見上げると、空には雲ひとつ無く、全体が淡い光を放っている。 ボンヤリとした光に満ちたこの世界は、一見暖かく、穏やかな...
  • 古泉一樹の独白
    SOS団ですか……。 懐かしい響きです。 はじまりは僕が中学一年生だった『あの日』ですね。 朝起きたときに自分の世界観が昨日までと180度違っていたのです。 灰色の世界 青い巨人赤い火の玉 そして、涼宮ハルヒ もう、半狂乱でしたね。 しかし、両親は思春期にありがちな行動ととらえていたようです。 そんな僕を落ち着かせるため、気晴らしをさせるためにあるとき小旅行にいったんです。 きれいな場所でした。しばらくその景色に見とれていました。 そこにはもう一人観光客がいました。 最初は気にしていなかったんです。 僕は、なにげなしに彼の方を向きました。 彼もこちらを見ていました。 温和そうな老紳士でした。 でも、僕は気づいてしまいました。 彼も気づいてしまったのでしょう。深い悲しみが彼の目にありました。 それと同時に安堵も。 僕も同じような顔をしていたでしょう。 『あの日』以来感じ...
  • 悩みの種2
    お前昼間からおかしいぞ?なんか体の調子でもおかしいのか? 俺はハルヒに尋ねた。だがこれからが問題になってしまったのだ。 「えっ、だっ、大丈夫よ!なんでもないわよ!そんな心配そうにしないでよ…」 『そんなこと言ったって私…いろいろ考え過ぎて胸が苦しくて何も喉が受け付けないぐらいなのに… 昼間だって、これからが不安で何も受け付けなかったのに…』 そんなこと言ったってだな。お前がなにか食べないなんておかしいじゃないか?あんなに食欲旺盛なお前が? 「なんでもないって言ってるでしょう!!」 『…またやっちゃった。なんで私ってこう素直になれないんだろう…出来ることなら~を伝えたい。だけど素直になれない…なんで?』 『相手がキョンだから?…違う。それは私の弱さ。今まで絶対に他人に見せなかった自分の弱さ。見せなかったからこそ、もう後戻りは出来ない。』 『でもキョンはいつも付いてきてくれた。...
  • 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編)
      ◇◇◇◇    翌日、のんびりと一人で早朝ハイキングコースを上っていく。  前日のごたごたのおかげで少し緊張感がぼやけてしまっていたが、朝の職員会議が始まっていることを考えたとたんに、 それなりに緊張感が復活してきていた。    そんなそわそわ感を引きずりつつ、自分の教室まで行き席に座る。ハルヒはすでに俺の席の後ろでぼんやりと外を眺めていた。  ふと、俺のほうに視線だけを向けると、 「今日で良いんだっけ。文芸部の存続について話し合われているのは」 「そうだよ。今頃職員会議で話し合われているはずだ」  そんな話をするだけで俺はつい貧乏ゆすりを始めてしまう。  だがふと気がつく。俺も相当文芸部に思い入れができていることにだ。以前の俺ではとても考えられないようなのめりこみぶり。 変わったのは長門だけかと思っていたが、俺も実のところ相当変化しているんじゃないか? 自分からではよくわからんが。 ...
  • dearest
    K×H  大学一年生のクリスマスの日、あたしはキョンから一つのペンダントをもらった。  それはキラキラと輝く宝石のついた、シンプルだけと可愛いペンダントだった。 「……ねえ、これってダイヤ?」 「天然じゃないけどな」 「そんなの分かっているわよ」  本物のダイヤモンドなんて、大学生が買えるはず無いじゃない。  けどダイヤかあ、嬉しいわね。  キョンが選んだにしてはセンス悪くないし……、あ、でも、これは後から聞いた話なんだけど、デザインをどうするか迷った挙句、古泉くんと鶴屋さんに相談して決めることになったんだって。  こういうことくらい一人で決められるようになりなさいよって言いたい気もするけど、何かまあ、キョンらしい気がしたから勘弁してあげたわ。  そんな風に誰かに相談しているキョンってのも、何だか可愛い気がするもの。  そう言えば、同じ日に鶴屋さんも古泉くんからダイヤモンドの指輪を貰っ...
  • 鶴屋少女の孤独 SIDE.B.「畏怖」
    恐れるもの   怖れるもの   自らを蝕む自らの鎖   誰しもが持ち、誰しもが嫌うもの   そしてそれゆえに、決して逃れられないもの              - 鶴屋少女の孤独 Side.B -   ……… …… …   静かに繋がれる手   二人で歩く夕焼けの道 互いに何も話さない 話さなくても、わかっている 俯いたまま、いつもと違う鶴屋さん   今更ながら恥ずかしくなってきた だけど、その手を離すことはできなかった 鶴屋さんが俯いててよかった 多分今俺の顔は真っ赤だろうから   「鶴屋さん、つきましたよ」   無情にも、時間は過ぎていった 昨日もここで別れた もうすぐ鶴屋邸だ 俺はその事実を俯いたままの鶴屋さんに告げる   残酷だろうか? そんなわけない 明日になったら皆と会える   だけど、鶴屋さんは手を離さずにじっと俯いたままだ むしろ、俺が声をかけたことにより...
  • 一本の樹 後編
    ・・・・・ ・・・ ・  月日は流れ、彼女と出会ってから僕の年輪は2つの輪を重ねている。中学卒業は間近だ。  僕は一度落ち着きを取り戻してからは、当初の臆病さの質が変わり、年齢に見合わない思慮深さと慎重さを備えた超能力者として、その立ち位置を明確にしていた。  周囲はこれを成長と言うが、これを成長と言うなら世の中には新しい辞書が必要だ。成長と妥協という語彙を再定義する必要がある。  理由も無いのにいつの間にか気にならなくなっていた自分の境遇や『彼女』への憎しみ、それに伴って変わった自分・・・これらは成長と言うよりただの妥協と言った方が的確だ。  自分は何も成長してなどいない。ただ考えるのを投げ出しただけだ。妥協を繰り返しただけだ。  一方で彼女はと言うと、こう言うと失礼かもしれないが、何も変わらない。  純粋に真直ぐで、許容性と弾力性に富んでいて剛胆、それらは出会った頃と変わら...
  • 涼宮ハルヒの死体 第一話
    第一話 「おはよう、涼宮さん。最近嫌な事件が続いてるのね」 あたしが朝教室に着くなり阪中さんが話しかけてきた。 「おはよ。なにそれ?どんな事件?」 そう返事すると少し驚いたような顔をして教えてくれた。 「知らないの?最近この辺りで女子高生が誘拐される事件が続いてるのね。犯人はまだ捕まってないし…怖いのね…」 えっ?そんな事件があったなんて全然知らなかったわ…これは気になるわね… 「涼宮さんも気をつけた方がいいのね。それじゃあまたなのね」 そう言い残し自分の席へと戻って行った。 それと入れ替わるようにキョンが教室に入ってきた。 「おう、ハルヒ。おはよう。…どうした?」 ボーッと考え事してたからだろうか、あたしの顔を覗きこむようにたずねてきた。 …って顔近いわよっ! 「キョン!大事件よ!」 さっき聞いたばかりの事件をキョンに話した。 「ああ、その事件なら俺も知ってる。昨日のニュースでもやって...
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