涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「日常じゃない日常」で検索した結果

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  • 日常じゃない日常
    日常じゃない日常 古泉サイド 長門サイド
  • 日常じゃない日常―古泉サイド
         一人で詰め将棋をしていた僕の手からこぼれ落ちた駒が小さな音を立てて、床に落ちました。  今は涼宮さんも彼も朝比奈さんもいない、僕と長門さんだけがいる静かな部室。  正直なところ、退屈な時間です。長門さんは自分からは話し掛けてきてくれませんし。  そんな事を考えていたせいだったのでしょう、駒を床に落としてしまったのは。  特に急いで拾い上げる理由もありません。ゆったりとした動作で駒を拾おうとした僕ですが、  その駒を拾ったのは僕ではありませんでした。    誰が拾ったかなどと言う事はそれこそ小学一年生の宿題並に簡単な事なのですが、  僕はその人のその行動が信じられませんでした。    SOS団員その2にして宇宙人である長門有希さんが、見慣れた無表情で僕に拾った駒を差し出していました。   「…あの、長門さん?」 「落とした」    簡潔な会話です。しかし僕は動揺を隠し通す事が出来ま...
  • 「日常じゃない日常」 長門サイド
       わたしが本のページを捲る音と、古泉一樹が時折将棋の駒を打つ音のみがある部室に突然他の音が響いた。  古泉一樹が将棋の駒を床に落とした。    今ここにはわたしと古泉一樹しかいない。とても静か。本を読むには最適の環境。  そのはずなのに、わたしは少し退屈を感じている。他の三人がいないのと何か関係があるのだろうか。    駒を落とした古泉一樹は中々駒を拾い上げようとしない。何を考えているのだろうか。  そんな事を考えながらわたしは、なぜか古泉一樹より先に駒を拾い上げ、差し出していた。   「…あの、長門さん?」  …わたしは何をしているのだろうか。  落とした、と一言告げて、古泉一樹の顔に拾い上げた駒を近付ける。少し困惑しているよう。  なぜだろうか。駒を拾い上げる動作自体に問題はないはず。わたしは少し首を傾げる。    5秒ほどその状態が続き、突如わたしの手から駒を取った古泉一樹は、 ...
  • 題名付き・あま~い短編
    ... アル雨ノ日ノコト 日常じゃない日常 4月1日の長門 結婚後の橘キョン アフター ザ ナイトメア ミッドナイト・コーリング アニマル涼宮(旧題動物シリーズ) バカップル保守 胸焼けプリン 朝倉涼子のグサデレ 魅惑の王様ゲーム 最後の王様ゲーム 喜緑さんinハワイ 頑張って朝倉さん 喜緑さんその3 喜緑さんその2 喜緑さんその1 犬を飼ってみた喜緑さん アホな会長さん Sな喜緑さん 森園生の電子手紙(森さんと国木田) 霊なのか夢なのか 霊なのか夢なのか現実なのか あついたたかい キョンの病欠 涼宮ハルヒの病欠 絆創膏(ハルキョン) 柔い痛みに絆創膏 待たせたな。 お待たせしました。 有希化粧 きみろりさん 素直になれたら ハカセ君の愛妻 時々夏、ところにより冬。そして… 涼宮ハルヒの回転式機関砲 (ハルキョン) キョンの欲望 (ハルキョン微エロ) ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 月曜...
  • 宇宙人じゃない長門
    『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』 栞に導かれて、今、長門のマンションの一室にいる。 学校では話せないことがあるらしいのだが……長門はなかなか話を切り出そうとしない。 部屋に通され最初の茶に手をつけてから、長門はずっと俺を見ている。なんだか観察されている気分だ…。 興味深そうに向けられる長門の視線に耐えきれず、俺から「学校では話せない話」とやらを引き出すことにした。 「お茶はいいから、俺をここまで連れてきた理由を教えてくれないか」 ………答えない。 「学校ではできないような話って何だ?」 水を向ける。ようやく長門は薄い唇を開いた。 「あなたのこと」 俺? 「あなたの正体」 俺の…正体…?何が言いたいんだ? 「あなたは普通の人間じゃない」 …いきなり失礼だな。 「そういう意味じゃない。性格に普遍的な性質を持っていないという意味ではなく、文字通り純粋な意味で、あなたはわたしのような大多数の人...
  • 普通の短編置場
    ここには普通の日常系とかのSSを置いてください。   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75   【題名付き・短編保管庫】 1 2   小説 Please tell a final lie こわれてしまった少女のはなし 五月の風、ふぁいなる 艦長ハルヒ保守 寝ぐせ byキョン 長門有希のカラオケ 谷口と国木田の恋 長門有希の密度 ある日の活動 スタンド・バイ・ミー うちゅうせんそう ...
  • 長門じゃない長門
    長門じゃない長門      俺がいつものように部室へ行くと、見知らぬ人物がいた。 名前を訊くことにした。 俺「お前は誰だ」 ?「………長…」 俺「え?」 ?「…長門」 長門ぉぉぉぉぉぉ!?どう見てもあの知ってる長門じゃない。髪の色が血のような真っ赤な色で、長さは長門ぐらいか。そして眼が違う。  某アニメの死体みたいな感じだ。 有希「どうしてあなたがここにいるの」 古泉「いきなりいまして、びっくりですよ」 長門「逃げてきた」 古泉「ほう、それはなぜ?」 長門「僕は戦争が嫌い。たくさんの犠牲者を生み出す」 俺「でもよ、ここも危険だぜ。ハルヒという危険人物がいる」 ハルヒ「ちょ、それどういう意味!?」 俺「彼女は危険だ。だから、朝比奈さん、長門、古泉が側で観察してるんだ。いろいろあってね」 ハルヒ「あ、あたしはちがうわよ」 長門「ハルヒ……?それに、」 朝比奈さん「朝比奈でしゅ」 古泉「古泉一樹...
  • どうって事ない日常「偏屈ね 、」
    その日部室には俺、ハルヒ、朝比奈さん、長門がいて、自称超能力者以外は皆揃っていた。古泉は掃除当番で遅くなるらしい。 ついでにそのまま学校中を清掃してくれればありがたいね。   ハルヒは近頃はネットサーフィンで電子世界を泳ぐのも飽きたのか、今はオセロで俺を相手に暇をつぶしており、朝比奈さんは可憐過ぎるほどのメイド姿で団長席に座ってパソコンを何やらせっせといじくり回し、長門は普段通り言うまでもない。   ま、現在の部室内は至極平和な、俺にとっては至福の一時が流れているわけだ。ああなんてお茶の美味いことか。 しかし、そんな俺の 心の平穏を忌み嫌い、否応なしに崩壊させるのはやはり涼宮ハルヒその人なのである。   「アンタってなんでそんな偏屈なワケ?」 向かいで俺の黒石を4つの白石に変えたヤツが突然そう真顔で言いやがった。 聞いた瞬間、自分の左下まぶたがヒクヒクと痙攣するのを感じてすぐさま俺は反射...
  • 宇宙人じゃない長門シリーズ(?)
    目次 ・宇宙人じゃない長門1 ・宇宙人じゃない長門2 ・宇宙人じゃない長門3(朝倉も宇宙人じゃない) ・宇宙人じゃない(?)長門4 ・宇宙人じゃない(??)長門5 ・宇宙人じゃない(???)長門6 ・宇宙人じゃない(?×4)長門7 ・宇宙人じゃない(?×5)長門8 ・宇宙人じゃない(?×6)長門9 ・宇宙人じゃない(?×7)長門10 ・宇宙人じゃない(?×8)長門11 ・宇宙人じゃない長門12 ・宇宙人の長門13 ・宇宙人の長門14END ・オマケ,後日団(談)
  • 隣にいる日常
        いつもの放課後。いつもの部室。 いつもの団員。いつもの団長。 この上なくいつも通りで ハッキリ言ってしまえば昨日や一昨日となんら代わり映えのしないそんな中、唯一いつも通りじゃないものがあった。 いつもは感じない違和感。場所なんて特定できやしないが、それは確実に自分の体のどこかの場所から湧き出ていた。 体調が悪いわけでもないのに感じるこの倦怠感。どれだけ体を楽な状態にしても良くならないだるさ。 そしてなにより…胸の奥を締め付けられるかのような、根拠のない不安。 俺は今日、近年稀に見る巨大な憂鬱に支配されていた。 なにかショッキングなことがあった。とか、鬱になるような本や映画を見た。とか、別にそういうのじゃない。 このありふれた日常の1ページを、なんとなく、ほんとになんとなーく指でなぞってみただけだ。 そこで出会ったちょっとした違和感が、疑惑に変わり、恐怖に変わる。 最初のなにげない疑...
  • それって迷信じゃないのか?
      プロローグ    ある冬の日の出来事。時刻は朝の九時。曜日は土曜。場所は俺の部屋。   「なあ、……何でお前がここにいるんだ?」  俺は何故だか知らんがそこに居るそいつに尋ねた。 「何でって、そりゃ団員の世話をするのは団長の務めだからよ。それ以上でも以下でもないわ!」 「俺が訊きたかったのはそういうことじゃないんだが……まあいい、団長の務めね。俺としては 素直に『心配してた』とか言ってくれたほうが少しは体調も回復する気がするんだがな」 「そんだけ減らず口が叩けるんなら心配される必要なんてないでしょ?」 「いや、実は喋るのさえつらい状態なんだ」 「だったら黙って寝てたらいいじゃない」 「ああそうするとしよう」  そこにおわすはSOS団団長こと涼宮ハルヒであった。      さて、何がどう巡り合わさってこんなけったいな状況が生み出されたのか、わざわざ説明 するのもすばらしく面倒なことではあ...
  • 涼宮ハルヒの逃亡
     ●序  あたしはいつだって退屈していた。  クソみたいな学校と家の往復、腐って潰れて、枯れたような乾いた生活。繰り返す現実。  SOS団も(自分で作っといて何だけど)最近微妙。パターン化される日常に何を見る?  どっちにせよ終わってる、そう気づいたら走っていた。どこに向かう? 知ったこっちゃない。  あたしの脳内広辞苑を全力で捲ったけど、「逃亡」って言葉しか見当たらなかった。  うん、じゃあそれで。ああ、そうそう。あんたも来るのよ?  ねえキョン。 涼宮ハルヒの逃亡  ●第一部  時間ってのはどうしたって非情なもんで、黙ってても進んでても同じだけ経つ――それならできる限り遠くへ行こう。  それがハルヒの弁だった。俺はあくびが出た。 「真面目に聞きなさい! いい? 不思議なことを見つけるまでどこにも帰らない!」  どこへも? 家にも、学校にもか。親御さんが心配するんじゃなかろうか。...
  • 朝倉涼子と長門有希の日常
    暮れてゆく年 去年よりものの増えた部屋 窓から見える変わらぬ景色 空から降り行く無数の粉雪 あの人から、あの人たちからもらったたくさんの大切なもの 言葉にはできないけど、とても大切なもの 私は私の部屋でゆっくりと感じていた - ピンポーン - 突如鳴り響く来訪者のベル 私はゆっくり席を立ち、来訪者を迎え入れた 「おでんできたから一緒に食べましょ?晩御飯はまだだよね?」 「まだ」 前のような偽りではない笑顔 紺色の長い髪 朝倉涼子を、部屋に招きいれる             If Story - 朝倉涼子と長門有希の日常 - ……… …… … 「相変わらず、殺風景な部屋ね」 「そう」 朝倉涼子は部屋を見渡し、呆れる様に語る 「ま、キョン君が来てから多少物は増えたかな」 クスクスと笑ってコタツの上におでんの入った鍋を置いた 私は台所から二人分の食器を運んでく...
  • 朝倉涼子迷走記
    もくじ 「私の出番はまだにょろか!?」 「落ちついて下さい鶴屋さん。恐らく今回は僕の出番も殆ど無いかと…」 「でもモブとして出てくることはできてるじゃないっさ!」 「まぁ落ちついて下さいって…みんな見てますよ?」 「むー…このSSはグータラなSOS団を中心とした何の変哲も無い日常を描いたものになるっさ」 「特に過度な期待はしないでもらえると嬉しいですね」 「また要所に私のちっこいバージョンが存在するかもしれないけどすり潰して構わないにょろ」 「鶴屋さんそれはNGです…なおこの作品は「多分SOS団設立時」という作品のその後の話になります」 「というか前回の連載物ですら出番ゼロなんだよ!?」 「というかその連載のせいででこのシリーズに二ヶ月くらい空きましたからね」 「話の流れがわからない、もしくは忘れた人は前の作品も読んでもらえるとうれしいっさ!…私はでてないけどね…」 「…では本編開...
  • 『lakeside love story』 0日目
    『lakeside love story』   《0日目》 7月。学校もあと1週間で終わるところだ。 加えて今年は何故か暑い日が続いている。 「キョン。暑いわ」 「今に始まったことじゃないだろ」 「どうにかしなさいよ」 そりゃ無茶だ。 むしろお前の力でこの暑さを吹っ飛ばしてくれと言いたい。 が、言うわけにもいかないので俺はスルーした。     授業も終わりハルヒと並んで部室に向かう。 クーラーもない部室にな。 「暑いし退屈ね……。今日は夏休みの予定についてミーティングしましょ!」 「暑いし退屈だとミーティングをするのか?」     俺は苦笑しながら言った。 「じゃあアンタは一人で校内探索ね。運動場を中心に……」 「俺が悪かった」 ハルヒが全て言い終わる前に謝った。 ハルヒは少し笑って言った。 「冗談よ。許したげるわ」     部室ではすでに全員が揃っていた。 汗一つかかずに本を読んでいる長...
  • 恋は盲目 プロローグ
    プロローグ たとえどのような平凡な人生を送っている人であろうとも、長い人生の中で、必ず一度や二度は人生を 左右するほどの決断を迫られる時が来る。 そして、あたしたちは自らが下した決断に責任を負い、それがどのような結果をもたらそうとも、その すべてを受け入れていかなければならない。 こういった人生の分岐点は、予期し得るものばかりではなく、時には唐突訪れ、あたしたちに決断を迫 ることがある。 ある日、それは何の前触れも無くあたしのもとに訪れ、平凡ではあるが退屈しないSOS団での日常が ずっと続いていくと信じていたあたしに残酷な決断を迫った。今から思い返せば、あのSOS団での何 気ない日常こそが、あたしにとって人生で最も幸せなときであったことを、失ってはじめて気づくこと ができた。 聞いて欲しい。その日あたしが下した決断を。 事件が訪れたのは、あたしがいつものように食堂で学食を食べている時だ...
  • 眠れない夜とイタズラ電話
    「あ~あ、退屈で眠れないわ……」 なぜ退屈で眠れないと言うセリフが出るのかがわからない人もいるはず。 ここ3日、あたしは何も起きない日常にストレスを感じ、深く眠れなかった。 ストレスを感じるのはそれだけが理由じゃない。 どっかのキョンっていう鈍感バカがあたしの気持ちに全然気付いてくれないことも、ストレスが溜まる。 ストレスさえどうにかなれば眠れそうなんだけど……。 あたしは視界の端に、携帯電話を見つけた。現在時刻は夜中の1時半。 みんなに電話かけたら違ったみんなが見られるんじゃないかしら……。 あたしは携帯を手に取り、アドレス帳を開いた。その中からSOS団のみんなの名前を見て、考えた。 「誰からかけようかしら……」 まず、キョンは最後。最後の方が邪魔になるから。 あたしが一番気になるのは……。 あたしはその番号を押した。1コール……2コール…………6コール…ピッ。 「………なに」 うっわ...
  • 酒と思い出
    「ねぇ。カシスオレンジ」  みんな。いきなりですまない。しかしこいつに空気を読むなんてことは出来ないから仕方がないんだ。 「空気嫁」なんて言った日には「空気は読む物じゃなくて吸うものよ」と返されるに違いないくらいに空気が読めないやつなんだ。こいつは。  高校。大学。社会人となぜか全く同じ道を歩んでいる女。涼宮ハルヒ。今日も仕事帰りにいつもの店で飲んでいるわけだ。 「早く頼みなさいよ。今日は飲みたい気分なの」  この台詞は店に来たときに言う台詞のはずだ。もうこの店には数時間滞在している。きっと店を出る頃には俺の財布は高校時代の姿に戻っているに違いないだろう。  なぁハルヒ。お前それで15杯目だぞ。飲みすぎじゃないか? 「うっさいわね。今日は飲みたい気分だって言ってるじゃない」  ちなみにこの言葉を朝からずっと俺は聞いている。仕事中も、休憩中も。きっと睡眠時か朝に何かこいつを苛つかせるようなこ...
  • 紅い日
    今日なんてものは事無く過ぎていく物だと思っていた。 普通に朝妹に起こされて準備。妹と家を出て、別れた後はもうすっかり慣れた道を行った。 キツい坂で更に朝からキツい谷口と会って、教室に入ってハルヒと適当に話してホームルーム。 元からあまり勉強する気のない俺は、ひたすら窓の外を眺めて授業をやりこなした。 それを三時間過ごした頃だ。なんて事無いはずの日常は、奇しくも非日常へと流れていた。 四時間目が始まる前の休み時間に、ハルヒは携帯を確認したと思えば、大きく目を見開いて、血相を変えて教室から飛び出した。 俺はどことなく危ない予感はしていたのだが、その時は深くは考えはしなかった。 四時間目が始まってもハルヒは教室に戻って来なかった。またよからぬ事を考えているのは間違えなさそうだ。 あまり俺の身に降り懸かってくるような事である事を願いつつも、まぁ無理だろうか、と諦めを付けていた。 何事も無...
  • あま~い短編8
    「おっす、今日は寒いな」 「……」 「待ってた?」 「わりと」 「そっか、ごめんな」 「別に」 「適当にそこらのファミレス行くか」 「わかった」 ───カラカラカラ 「ふぅ、二名で」 「かしこまりました、こちらの席で」 「有希、こっちだ」 「……」テトテトテト 「何か喰いたい?俺がおごるぞ」 「コレ」 「ジャンボサイズか」 「そう」 「んじゃ俺は……コレだな」 「お客様、ご注文はお決まりですか」 「コレと、コレ」 「ご注文承りました、しばらくお待ちくださいませ」   「今日は雲が濃くて余計寒いな」 「……」コクッ 「有希」 「なに?」 「これ、お前に」 「……これ」 「お前に似合うと思ってさ」 「……」 「雪の結晶のブローチ、気に入って、くれたか?」 「わりと」 「そっか、メリークリスマス」 「ありがとう」 「あ、有希、外見ろよ」 「ぁ」   肌刺す寒さと温かココア 窓の外を除き見る ...
  • 第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』
    第二章『何言ってるの?キョンは三年前に死んじゃったじゃない』      文字通り死ぬ思いで手に入れたレンチでハンドルの鎖をねじ切り、シャッターを全開にした。 「……何よこれ」  全開のシャッターから見える空は、とことん色味が抜けた灰色だった。 「あの巨人の夢の時とおんなじ空……」  SOS団結成して一ヵ月後、あたしはキョンと学校に閉じ込められる夢を見た。青い巨人が北高の校舎を薙ぎ倒して、そして夢の最後には……      あたしは夢の終わりにキョンにされた行為を思い出し、無性に恥ずかしくなった。 「な、何考えてるのよ!!あ、あれはただの夢で、キョンとはなんでも無いんだから!!」 ――ガーガー。  いきなり鳴ったノイズに、あたしは情けないくらい体をビクつかせた。な、な、な、何よ!?また怪物!? 『ガーガー――ピー――ハルヒ――ピー――ガー』  汚いノイズの途中に、確かに「ハルヒ」という言葉が...
  • A Jewel Snow (キョンVer)前編
    高校生活も早いものでもうすぐ2年が経とうとしていた。 ハルヒの無限地獄に付き合わされながらも悪くないと思うようになり、 いろんな活動をしている内に12月に入ってしまっていた。 なんでも今年は学校側の都合で休みが早まるそうだ。どうせ終わるのも早くなるのだし、 休みになったからと言ってハルヒが活動を休止するはずもないだろう。 その話をしたら冬でも元気いっぱいの団長様は案の定こう言いやがった。 「休みの間もSOS団の活動はもちろん継続よ!絶対不思議を見つけるんだから!」 そう言うならハルヒ、土曜の不思議探索だけすればいいじゃないか。 「何言ってるの!団員皆の団結は普段の活動無くしては得られないわ!」 はぁ…普段の活動にそんな効力があるとは知らなかったな… 「いいから!明日も朝10時に部室集合よ!」 へいへい… ささやかな日常と言える会話だった。 しかし、この「ささやかの日常」の脆さを、この一週間...
  • あるビニール傘
     ふと、空を見上げた。  あたり一面どころか、この世の果てまでも続いてるんじゃないかって錯覚してしまうほどに、どんよりとした灰色の雲が、ほどかれたターバンみたいに広がっている。  そのぐしゃぐしゃになっているターバンからはシトシトと無数の雫が降り注いでいる。雨粒がお洒落もへったくれもない、ただ大きいだけの黒い傘を叩く。その音が心安らぐような曲を奏でてくれるなら、俺の憂鬱も少しは晴れたかもしれないが、生憎、そんな風流なことはなかった。  雨の日特有である、葉がしけった匂いが鼻腔を刺激していた。  止みそうで止まない。もう十分に潤いを与えてくれたはずなのに、雨雲はまだ満足できないのか。これでもかってくらいに、延々と雨を降らせ続けている。  梅雨。  ただそれだけのことだった。が、季節柄的にしょうがないと分かっていても、やっぱりダウナーになるのは避けられない。雨が好き、なんてロマンチスト気取...
  • 消えない雪
    土曜日の早朝、いつもの集合場所へと向かう。薄く汗を滲ませながらたどり着くと、貴重な私服姿の長門がすでに到着していた。 しかもダッフルコートに白いニット帽のおまけつきだ。 うむ、小柄な長門にはぴったりな服装だな。そんなことを考えつつ近づいていく。 ちなみに他の団員はいない。 「すまん、待ったか?」 「平気。」 平気ってことは待ったってことだよな。長門の小さな手を取るとやはり冷えきっていた。こりゃ宇宙人とはいえまずいな。 「とりあえず暖かい場所に行くか?いつもの喫茶店にでも。」 「いい。それよりも早く駅へ。」 そういうと長門はさっさと歩き始めた。待ちきれないみたいだな。苦笑しながら俺はあとに続いた。さて状況を説明するとだな… 「消えない雪」 ~回想~ 「今日も汗が滲んできたか。」上り坂の中ほどで俺はそうぼやいた。 今年はまれに見る暖冬で、冬の寒さに凍えながらシャミセンとコタツで丸くなるよ...
  • 言葉にできない
       「私には正しさが必要なのよ」  朝倉涼子は、たびたびその言葉を口にしていた。    「それはあやふやであり、感情的であり、我々には不要なもの」    そのたびに長門有希はそう返答した。朝倉は長門の顔を恨めしそうに見つめたあとで    「長門さんには分からないことなのよ」    そう、恨み言のように呟く。  それは彼女たちの間で幾度となく繰り返された、儀式のようなやりとりだった。  その短いやり取りを繰り返すことが、二人が二人であることを忘れずに有り続けるために  絶対に欠かしてはならない、おまじないのようなものだったのだ。  朝倉涼子は、毎日決まった時間に買い物に行き、毎日決まった時間に台所に立ち  毎日決まった時間に、長門有希を食卓に呼んだ。  それは世界が二人を必要とした    「私にはこれが必要なことなのよ」    長門には朝倉の言う『必要』であるということが、どういったもの...
  • SOS団の非日常
      SOS団の非日常 序章,SOS団の非日常的日常 一章,古泉一樹の能力
  • セカンド・キス プロローグ
    プロローグ 運命の赤い糸、なんてもんは、所詮少女漫画か月9ドラマあるいは恋愛映画の中の話だ。 俺は高校生活において、登校中に食パンを口にぶら下げた美少女と曲がり角で正面衝突したり、 幼稚園の頃に結婚を約束したままどこかへ引っ越してしまった幼馴染のこれまた美少女が突然転校してきたり、 または電車で酔っ払いに絡まれているやっぱり美少女を助けてそこからウンヌンしてみたり・・・ なんていう、思わず「それなんてエロゲ?」と突っ込みたくなるようなベタベタなシチュエーションから始まる運命的な恋なんてものは、はなから期待しちゃいなかった。 ドラマみたいな恋がしたい!などという声をクラスメートの女子からよく聞くが、俺は声を大にして言いたい。 ドラマみたいな恋?はあ?お前ら、現実を見ろ!   言っておくがこれはひがみではない。 俺はなにも恋愛自体を否定するわけじゃない。 俺だって健全な男子学生だしな。 彼...
  • 日常の中のサプライズ
    日常の中のサプライズ  すずしい春の日々はあっという間にすぎ、暑い夏の真っ只中。  ずっしりと重い荷物を持ち、俺はうんざりしながら歩いていた。  みあげれば、今日も太陽が元気いっぱいに輝いている。  やれやれ。  ハレるのはかまわないが、気温だけはあげてくれるな。  ルパン三世が、太陽を盗んでくれないだろうか。  ヒートした頭で、そんなとりとめもないことを考えてみる。  のろのろと、ただ歩く。  きれいに晴れわたった空。  よるには、まだ遠い。  うだるような暑さは、まだまだ続く。  がくがくと足が崩れていきそうだ。  くちていく、俺の足……。 「こらぁ! シャキッとしなさい!」  俺の煮え立った思考を、こんな中でも元気いっぱいな団長様がさえぎった。  誰のせいでこうなったと思ってるんだ。  おまえも少しは荷物を持ってくれ。 「何言ってるの? 荷物持ちは、雑用係の仕事でしょ」 ...
  • テディベア
    「すぐ戻ってくるから、ちょっと座って待っててくれる」 そう言い残して、ハルヒは先ほど俺たちが登ってきた階段を降りて行った。一人部屋の中に残された俺は動揺している心を落ち着かせるために小さく深呼吸をする。 胸の鼓動が速くなっているのが分かる。別に今日何かをしようという気があるわけではないし、ハルヒに自分の家に来るように誘われた、ただそれだけなのだが、妙に緊張する。何せ妹以外の女の子の部屋に入るのは初めてだからな。 おそらく谷口あたりも最初はそうだったんじゃないだろうか。いや、あいつは今でもそうかも知れない。それ以前に女の子の部屋に招かれたことが無いかもな。国木田は……なんだかんだで要領良さそうだから大丈夫なのかも知れないが…… 目をつむって心を落ち着かせるように自分に言い聞かせる。しばらくそうしていると、胸の鼓動も通常に戻り、若干落ち着きを取り戻したように思えた。少し安堵の感がわいてくる...
  • くたばっちまえ
    どこまでも澄み渡る青空、心地よい風が吹き、空には雲ひとつない六月のある日。 いつもは梅雨のため、じめじめとして鬱陶しい季節であるが、この日はからっとした晴天に恵まれ、日差しのわりに暑くもなく過ごし易い一日だった。 いま、僕は教会にいる。そして、目の前では僕が中学生だったあの日から夢にまで見た幸せな光景が広がっている。 教会の窓から差し込む陽光は穏やかで、まるでふたりの幸せを祝福しているように見えた。 どこからともなくオルガンの音が聞こえてきて、その音色は僕の心の奥へと溶け込んでくるようであった。 僕の足元から続くバージンロードの向こうには白いタキシードに身を包んだキョンの姿がある。 いつのころからだっただろうか、僕がキョンに淡い恋心を抱いたのは。いつだったかははっきりと思い出せないが、確かにそれは中学生だった僕の心の中に存在していた。       中学生だった頃、僕は学習塾が終わると、キ...
  • 朝倉涼子のグサデレ・日常編
    ~日常編~     第1話   キョン「世間では試験シーズン真っ只中だな」 朝倉「そうね、いつかはあたしたちにも来ることなのよね…ふぅ」 キョン「朝倉は進学先をもう考えてるのか?」 朝倉「うーん……そうね、だいたい確定してるって言ってもいいかもね」 キョン「将来のことなんかもう考えてるのか?」 朝倉「大体ね」 キョン「ちなみに何がやりたいんだ?」 朝倉「それは…」 キョン「それは?」 朝倉「ひ・み・つ♪」 キョン「なんだよ、教えてくれてもいいだろ?」 朝倉「そうね、ヒントはあたしにしかできないことね」 キョン「朝倉にしかできないこと?」 朝倉「ふふ♪」 キョン「う~ん……殺し屋?」 朝倉「……どうして?」 キョン「いや、朝倉っていっつもナイフ持ってるからさ」 朝倉「キョン君はあたしにそんなイメージしか持ってなかったの?あたしをなんだと思ってるの?そんなキョン君にはこれね、じゃ死んで♪」 キ...
  • My little Yandere Sister Another Epilogue「もしものエンディング~How to Tell You Farewell~」
      ・ご注意  この最終章アナザーはある作品を心の底から本気でリスペクトして書かれてます。 そこそこ暗い作品ですので、暗いのが苦手な人は控えてください。  なお、個人的に正史はあくまでも本編のエピローグで、こちらは 「ミヨキチの独り勝ちみたいじゃないか」 という意見を元に書いたifのエピローグでございます。  あくまでもこんな可能性もあるかな、っていう。   ===============    ここは学校。放課後の学校。今日も妹ちゃんが笑っている。平穏がここにはある。  ちょっと前までの物騒な時代は過ぎて、それはまるで凪のように。 「おはよう、ミヨちゃん。もう帰りの会終わったよ」 「あ、ごめんね。いつの間にか寝てたみたい」  私は妹ちゃんの手を取って今日も遊ぶ。誰も居ない教室で響く、楽しそうな笑い声。  私達は、一杯いろんな人を殺したけど、でも大丈夫。何だかんだで上手くいった...
  • 星色パノラマ 後編
    目次 …痛い。 いや、別に怪我はしてないんだ。 なんていうか、こう、身体的なそれじゃなくて。 とりあえず今俺はハルヒの手を引っ張って歩いているわけで。そのハルヒは「ちょっと!どこ行くの!?」とか喚いているわけで。 …周りの視線がめちゃめちゃ痛いわけで。 やっぱり小学生って言ったって男女が手を繋いで歩いてたら興味をもつような年頃なんだな。 ハルヒも騒いでるから目立ちやすい。 「キョン!聞いてるの!?」 「あぁ、とりあえず静かにしてくれ…お、いたいた」 谷口達がドッジボールをしてるとこにたどり着いた。 「お、キョンと…涼宮?」 「いきなりいなくなってスマンな。とりあえず再開するよ。ハルヒも」 「え!?ちょっとキョン!」 「まぁとりあえず一緒なやろうぜ。つまんなかったら何でもいい、罰ゲーム受けるからさ」 「…私は別にいいけど…」 そういってハルヒはみんなを見る。 「………」...
  • 涼宮ハルヒの決心
    最近キョンの様子がおかしい。 何だろう、私に隠しごとがあるような。特に理由があるわけではないけど、なんとなくそんな気がするの。こういう時は直接聞くに限る。 「ねえ、キョン。私に隠しごとしているでしょ」 キョンは一ノ谷から駆け下りる源義経を見た平家のように動揺している。 「いきなり何を言い出すんだ。別に何もねえよ。」 「正直に言いなさい」 「母が次の中間テストで成績が悪かったら予備校に行けってうるさくてな。成績が悪かったらどうしようかと思い、憂鬱なのさ。」 「ふうん。あんたは勉強の仕方が効率悪いのよ。そう言えば来週数学の小テストがあったわね。今度、私が指導してあげるわ。」 「ああ、頼む。」 「ところでキョン。最近どう。元気にしてるの。」 どうもこうも、授業中も放課後もいっつもおまえの前にいるだろ。俺が元気かどうかなんて言わんでもわかるだろ」 「私の知らないところで変わった経験をしたとか、宇宙...
  • 寝ぐせ byキョン
    *「寝ぐせ」のキョン視点です。 「じゃあねキョンくん、行ってきま~す!」 「おう、車に気をつけるんだぞ」 「は~~い!」  こういう所は素直なくせに、なぜ朝の目覚ましプロレスと”キョンくん”は素直にやめてくれないのだ妹よ。  そんな妹も、来年は中学生。 未だに想像出来んな、こいつの中学生姿は。 制服姿をどう想像しても、やはり小学生にしか見えない。 本当に中学生になれるんだろうか?  だがああ見えて、物怖じしない所がある。 初めてハルヒ達と会った時もすぐに打ち解けてたし、妹なりにうまくやっていけるだろう。 あいつの美点の一つだ。  でも中学に上がると、部活やらなんやらで時間が不規則になるな。 そうなるとこうして途中まで一緒に登校するのも出来なくなるか。 同じ屋根の下にいながら顔を合わす時間も減るだろうし、 普段はうるさい位にまとわりついてきてたのが無くなるとなると、 それはそれで一抹の寂し...
  • Different World's Inhabitants YUKI~ゲツヨウビ(その一)~
    二日目[ゲツヨウビ]   うぅ・・・きつい。鉛の靴を履いているみたいだ・・・・・・。 あと、どんぐらいだ・・・?   普段の俺なら、とっくに頂上へと登りつめているであろうエネルギーを消費したにも関わらず、寝不足で弱りきった今の俺では坂の中腹辺りに辿り着くのが精一杯だった。 心の中では、俺はかなりのスピードで前進しているのだが、この無駄に長い坂道は、そんな俺をあざ笑うかのように、現実というものを教えてくれる。   昨日はあまり眠れなかった。いや、全くと言ってもいいだろう。 あの後、いろいろ考えることがあったからな。   結局、俺の心の中の議会が出した結論はこれだ。   無駄な心配をせず長門の帰りを待つこと。   口に出してみれば、すごく簡単なことだし、俺は別に何もするわけではないので、こんな結論、別に必要はないのだが、俺がこの考えに辿り着くまでには、かなりの時間を要した。   あんな顔見せら...
  • 朝比奈みくるの日常
    「きょ、今日は皆さん、遅い…ですね」   「…そう」   困った。今日は部室に行ったら私と有希ちゃんの二人だった。 いつも明るくて、騒がしいって思ってた部室だけど、私と有希ちゃんの二人だと本当に静か。 …いつも騒がしいのは涼宮さん…だからかな。 あ、いけないいけない。こんなこと思ってたら怒られちゃう。   「…ふふっ」   そう考えたら自然と笑みがこぼれてしまった。   「………」   あ、有希ちゃんが見てる。   「………」   かと思ったらまた本に視線を戻してしまった。 うぅ…こんなんじゃ変な人だと思われちゃうよね。   有希ちゃんは苦手っていうんじゃないけど… 二人だと何を話していいのか分からなくなる。   うー…どうしたらいいんだろ………あ、そうだ!   「ねぇ、有希ちゃん、今は何を読んでるの?」   有希ちゃんの手に持っている本の事を聞いてみた。 うん、我ながらいい考えかもしれな...
  • 遠距離恋愛 プロローグ
    プロローグ   季節は初春、3月中旬。先週行われた期末試験明けの球技大会も、我ら2年5組は男子サッカー・一回戦敗退/女子バスケットボール・優勝と、旧1年5組と全く同じ結果となってしまったのは、昨年と競技種目が違うとはいえ、なんとなく想定内ではあった。これで高校2年生としての行事は全て消化し、あとは来るべき春休みまで短縮授業という、来年は受験戦争という監獄に放り込まれること確定な我々の学校では最後のオアシスたる怠惰な時間を満喫することになる……はずなのだが、残念ながら、現在の俺はそのような穏やかな心境ではない。 何が何でも今日は部室に行き、おそらく、今日もそこに勢揃いしているであろう非日常的存在に、折り入って相談しなければならないことがあったからだ。 ああ、ちなみにハルヒは用事があるとかで本日は部室には来ない。   一応ノックをする。先月末に卒業してしまわれたとはいえ、それ以降も健気に毎日...
  • ある晴れた休日
    俺は古泉と待ち合わせをしていた。場所はいつもの喫茶店だ。 古泉と二人で話すなんてときは大抵あいつが話を持ちかけてくるんだが、今回は勝手が違う。 俺が古泉を呼び出した。”あること”を相談したくてな。 本来あんな怪しいやつに相談なんてしたくないのだが、今回の相談事はあいつの得意分野だからな。 変態エスパー野郎の得意分野と言えば、涼宮ハルヒについてのことだ。 長門もハルヒのことならいろいろ教えてくれそうなもんだが、相談事には長門に理解できなさそうな概念が含まれるからな。   「おや、待たせてしまいましたか」 そうこうしているうちに古泉がやってきた。ほぼ時間通りだな。ん? 「古泉、お前いつもの集まりはもっと早いんじゃないか」 「ああ、いつもは涼宮さんがいらっしゃいますからね。皆さんにおごるお金まで機関が面倒見てくれるわけでもないですしね」 「ふん、遅かったほうがおごるって約束しておけばよかったぜ」...
  • パレット
    『デッサン』の続編です。 画板に絵の具やその他などのある文芸部室。 俺は部室でコンクールに出品するための作品を描くことにした。学校内で一番落ち着く場所、ここ以外で作業するのは何かと気が重いからな。 しかしながら何を描こうか。テーマは《光》だそうだ。 ……なんだよ《光》って。何を描けってんだ。太陽か?それとも電球でも描くか? などとおどけてみたが、描くものは決めていた。 俺にとっての《光》、ハルヒを描くと。窓際に座らせて陽光に照らされるハルヒというイメージができている。 そんなわけでいい感じに陽が降り注いでいるこの時間に終わらせることにした。 準備を終えた部室にハルヒが入ってくる。ちなみに今日は他の連中は気を使ってくれたのか、部室に来ないと言っていた。 「なんか……いつもの部室と違うわね」 いろんな物を移動させてるから当然だ。いつもと変わらないのは長門の定位置くらいか? 「まぁいいわ。あ...
  • 普通短編9
    ハルヒ「さあて、キョン!あたしたちで伝説つくるわよ!!」 キョン「都市伝説なら作れそうだな」 ハルヒ「初めて宇宙人や未来人とのコンタクトをとった人として、教科書にのるのよ」 キョン「アホか…。おい長門どう思う?」 長門「…私にふるな」 キョン「……はい」 キョン「あっやべ! お前んちに財布忘れた」 ハルヒ「え」 キョン「鍵貸してくれ」 ハルヒ「うん」 キョン「……あれ?鍵あわねーぞ?」 ハルヒ「ごめーん! それ鶴屋さんに借りた「レンタル調教室」の鍵だったー!」 キョン「Σ」 私は何故彼を――キョンを――選んだのだろう? 私が高校生活に求めていたもの、それは決して普遍的ではない非日常の世界。 それを求めてSOS団を創ったし、無口キャラに萌えキャラ、謎の転校生もつれて来た。 私としては私の望む非日常を見つけるための、理想の団を創り上げているつもり。 でもその中の不純物...
  • 寡黙大騒動
    二月十四日、バレンタインデー。 自分は絶対もらえないと思いつつ、心のどこかで淡い期待を持ってしまうこの日。 去年の掘り出しイベントのような重労働は今年はやらないらしく、代わりに何故か団活は中止となり、 俺はハルヒ・朝比奈さん・長門それぞれから違う方法でチョコを渡された。いずれも手作りだ。 今は自分の部屋でそれらを感動の涙を目に浮かべながら賞味しているところだ。 その時――― ―――♪―――♪♪ 携帯の着信音が鳴った。電話か? 着信表示を見ると「涼宮ハルヒ」からだった。 期待に違わず、寧ろそれを見事に上回るチョコの味に対する賞賛の言葉を考えながら通話ボタンを押し、 「もしもし。ハルヒか?チョコありがとな、最高に美味かった」 当然返ってくるであろう大音量のハルヒボイスに備え携帯を少し耳から話すと、 「……そう」 …返ってきたのは確かにハルヒの声ではあった。 しかし、その返事は明らかに...
  • 「涼宮ハルヒの憂鬱」改
    *注意:欝エンドです   1.断章───遠ざかる超常    学校を案内してあげると言って涼宮が古泉を連れ出し、朝比奈さんが用事があるからと帰ってしまったので、部室には俺と長門有希だけが残された。  今更オセロをする気にもなれず、長門の読書シーンを観察していても面白くも何ともなく、だから俺はさっさと帰ることにした。鞄を提げる。長門に一声、 「じゃあな」 「本読んだ?」  足が止まる。長門有希の暗闇色をした目が俺を射抜いていた。  本。というと、いつぞや俺に貸した異様に厚いハードカバーのことか? 「そう」 「いや、まだだけど……返した方がいいか?」 「返さなくていい」  長門のセリフはいつも端的だ。一文節内で収まる。 「今日読んで」  長門はどうでもよさそうに言った。 「帰ったらすぐ」  どうでもよさそうなのに命令調である。  ここんとこ国語の教科書に載っている以外の小説なんて読んでもいないけ...
  • Truly and Happy dejavu
    今日も朝から平和だ。  妹に起こされ、飯を食い、家を出て、ハイキングコースのような通学路を登る。  何の変哲もない日常。……まぁ、学校についたら不思議な連中に会う事になるけどな。やれやれ。  教室に入ると、不思議な連中のボス、涼宮ハルヒはすでにいた。  よう、ハルヒ。元気か? 「……微妙ね。ちょっと嫌な夢を見ちゃったから」  嫌な夢だと? 俺は閉鎖空間なんか行ってないから普通に悪夢を見たのか。  そりゃ残念だったな。元気だせよ、夢は夢でしかないからな。  ハルヒはもう一度視線を窓の外に向けて返事をした。 「わかってるわよ」  触らぬ神に祟り無し、だな。今日は大人しくして、あまり喋りかけないどくか。  それから、ハルヒはペンでつついてくることも無く、ただただ窓の外を見続けて授業を消化していた。 「おい、キョン。夫婦喧嘩でもしたのか? 涼宮の奴、えらく機嫌が悪いぞ」  誰と誰が夫婦だ、バカ谷...
  • ハルヒの実験
    朝起きて登校し、途中で友達と会って喋りながら教室に入りいつも通り授業を終える。 健全な普通男子高校生はほとんどこんな日常だろう、もし違うとしても彼女と居るとか部活とかの+αが付くだけだ。 だが、俺の日常はそんなのじゃねえ 涼宮ハルヒ率いるSOS団に入っちまったせいで 俺の日常は+αどころか+zぐらいあるんじゃないのか?+zこれの読み方はしらないが。 俺の日常は意味の分らない同好会未満の変な集団活動をよぎなくされたり、 へんな空間に閉じ込められたり、俺以外が替わってる世界に来ていたりと+zどころじゃすまないような経験をしてきたんだが、 今回はありえないほどに普通で逆にそれが怪しい。 ん?待てよ、俺までハルヒのような考えになってるじゃねえか。とにかく俺は初めはこんな感じだった でも誰だって思うさ、あのハルヒがクラスのみんなと普通に接しているんだからな 「おはよう」 俺は信じられない光景を見...
  • BEVEL
    古泉「ふふふ、ほうじ茶っておいしいですね」 キョン「ん?あぁ確かにな、まぁ朝比奈さんがいれてくれたお茶ならオレは何でもおいしいけどな」 古泉「本当にそう思っているんですか…?」 キョン「お前何が言いたい」 古泉「いえ、ただ某週間雑誌に昔連載していた左手が異常な人が主人公の漫画を読んでいれば大体想像はつくとおもうのですが、フフ」 キョン「なんだ?地獄先生のことか?」 古泉「ご名答です、覚えていますか?いつかハマグリの精が恩返しにくる話を」 キョン「まっまさか!」 古泉「えぇ、ハマグリではないのですが●<アッワビー の精ですけどね」 キョン「すっするとあれか、お茶と思っていたあの黄金水は…」 古泉「そう、ご想像の通りですよ」 キョン「古泉、すまんが少し部室から出て行ってくれないか?気持ちの整理をつけたい」 古泉「えぇわかりました」 古泉(ふふ、少しはこれでキョン君もこちらの世界に目覚めてくれ...
  • そして、変わらぬ日常
    そして、変わらぬ日常 1.未来その1 「最高評議会の審決結果を伝達する」 「はい」 「賛成8、棄権1で、限定条件付死刑と決した。原状復帰命令に従わない場合は、死刑とする。死刑執行人には、あなたを任ずる」 「かしこまりました」 「これがおそらく私のあなたへの最後の命令になる。こんな結果になってしまって、非常に残念」 「致し方ありません。自分の不始末の責任は自分でとらなければなりませんから。たとえ、それが身に覚えのないことであっても」 「あなただけに責任を負わせるつもりはない。私も付き合う。私にも命令がくだった」 「……そうですか。後始末の方はどうするのですか? てっきり、あなたがするものと思っていましたが」 「手配はつけた。問題はない」 「そうですか。ならば、後顧の憂いはありませんね。あとはお互いに任務を遂行するのみですが、残された時間は?」 「時間軸上書き効果の五次元速度が異常に速い。...
  • 時限爆弾
         悪意? そんな物欠片も無かったさ。本当だぜ? 嘘発見機だろうが心電図だろうが、それ で事態が収束するってんなら好きなだけ検査してもらって一向に構わない。  だがここで、例えどれだけの数の専門家が集まって俺の潔白を科学的に立証してくれようと もそれには何の意味もないだろう。  ああ、話が横道にそれてる上に訳が分からなくなってるな……。  それもそのはずで、俺はこの危機的状況に打開策を見つけられないまま、ただ頭を抱えてる ってのが現状だ。  いったいどうすればいいんだよ……なあ?  ――それは、ほんの些細な勘違いから始まったんだ。     「時限爆弾」      昼休み、俺はたまには静かに弁当でも食べようと思い部室へとやってきていた。  当り前の様にそこには長門がいて、俺は置物の様に動かない宇宙人を眺めながら弁当を胃に 詰め込んでい……あれ?  ふと見ると、椅子に座っている長門の膝の...
  • 涼宮ハルヒの独白
    あたし涼宮ハルヒ。憂鬱な核融合炉。暴走機関車。 中学に入ったころから、あの野球見に行ったときの喪失感に苛まれつづけて、高校生になった。 そしてあいつに出会った。あの糞忌々しいニヤケ面の頼んねえやつ。 いつもヘラヘラしながら朝私に話しかけてくる。 他の下らない男子同様、一言の元にはねつけてやればいいんだけど、なんでだろ、なんとなく話し相手になっちゃうの。 なんか見覚えあるような気がして、心の中を手探りするんだけど、微妙にスルっと逃げちゃって、ある日私が勝手に決めてた髪型ローテーションについて話しかけてきた日 -こんときゃ私らしくもなくずいぶんいろいろ話しちゃったんだけどさ- 直接聞いてやったのよ。 「あたし、あんたとどっかであったことある? それもずっとまえ」って。 あたしも馬鹿なこと聞いちゃったものよね。「いいや」とサクッといわれて『そりゃそうだ』と自分に突っ込んじゃったけど、「ずっと...
  • できること。できないこと。
    人間には知的探求心というものがある。テレビでも、知らなくてもいいような話をネタ にした番組がそこそこ視聴率を稼いでいるように、知的探求心というものは本能に近い代 物のようで、誰にでもあるものだ。特にヒマに退屈をデコレーションしたような日々を重 ねていると、本当にどうでもいいことにさえ、興味がわいてくる。   ここ最近、ハルヒは大人しい。何かを企んでいるのかもしれないが、それを決行するの はまだまだ先のことだろう。一言だけ付け加えておくが、ヒマだからと傍若無人な団長さ まが巻き起こす悪巧みを切望しているほど、オレはダメ人間になっちゃいないぞ。   それはともかくとして。   世間一般の人種が「ヒマ」と感じる状況であることは間違いない。そんな暇人たるオレ が、この安穏とした日常と決別するに適した非日常とはなんだろう、と考えていた矢先の こと。目の前に、SOS団の万能選手にして寡黙な読書大好きっ...
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