涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「束の間の休息・三日目」で検索した結果

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  • 束の間の休息・三日目
    ...お別れ。    ――束の間の休息・三日目――    悪夢を見た。  真っ暗な空。  あたしは一人の人物と相対していて、そいつは腹立たしくもあたしの手を引いて敷地を駆けていく。  校舎を壊し続ける青白い巨人。あたしたちはその姿から逃げるように走り続けた。  振り向いたそいつの顔がまだ瞼の裏に焼きついている……。  あたしは頭を振って、グラスに注いだ牛乳を一気に飲み干した。 「すごい顔してるわよ、あなた。年頃のレディならもう少し気を遣ったらどうなの?」  憮然としていたあたしに水銀燈が横から言葉の矢を放った。痛い。  あたしは後頭部に手を当てて、 「ちょっと嫌な夢を見たのよ。嫌っていうか忘れたい夢?」 「どう違うのよそれ」 「生憎だけど詳細は話せないわ。それなら裸で町内マラソンするほうを選ぶから」  すると水銀燈は窓際に視線をやって、 「悪夢のひとつくらい誰だって見るわ」  白皙の横顔は...
  • 長編・涼宮ハルヒ2
    ...の間の休息・二日目 束の間の休息・三日目 涼宮ハルヒの追想 涼宮ハルヒの自覚 永遠を誓うまで 涼宮ハルヒの夢現 Love Memory 友達以上。恋人未満 恋人以上……? 涼宮ハルヒの補習 涼宮ハルヒの感染 雨がすべてを 涼宮ハルヒの天気予報 キョンに扇子を貰った日 涼宮ハルヒの幽霊 隠喩と悪夢と……(注意:微グロ) Close Ties(クロース・タイズ) の少し後で セカンド・キス DEAR. 涼宮ハルヒの独白 寝苦しさ 涼宮ハルヒの忘却 涼宮ハルヒの決心 ティアマト(ハルヒ×銀河英雄伝説) 式日アフターグロウ 微睡の試練 涼宮ハルヒの大騒動シリーズ young 神の末路(微グロ注意) 涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱 夕日の落ちる場所 涼宮ハルヒの抹消 トラウマ演劇 涼宮ハルヒは夜しか泳げない ハルヒ「釈迦はイイ人だったから!」 (グロ ナンセンス) ハルヒとボカロオリジナル曲の歌詞...
  • 束の間の休息・二日目
     「束の間の休息」の続きです。      静かな部屋。  光が射し込んでくる。  歩いてくるのは男の人。  ……私はその人を知っている。  愛している。  誰よりも強く。  強く。 「水銀燈! できたわよ! さぁじゃんじゃん召し上がってちょうだい!」 「うるさいわ。あなたは近所の犬以下? 折角の紅茶が台無しになるじゃないの」  朝が来た。  誰かの家で夜を明かしたのなんて何万時間ぶりかしら。  私はティーカップを手に取った。  次の季節に先立って紅い色をした水面。  そこに映った私はどんな顔をしていたかしら? 「52点」 「だぁーっ! これで38回目よ!? どんだけ評価が厳しいわけあんた!?」  涼宮ハルヒ。  私の期限付きミーディアム。  ――束の間の休息・二日目―― 「水銀燈。今日は市内不思議探しツアーをするわよ!」  朝食が終わって、私は本棚にあった童話を手に取っていた。 ...
  • 束の間の休息(×ローゼンメイデン)
    「……! あんた、誰!?」 「私? 私は水銀燈。ローゼンメイデンの第一ドール」  それが彼女との出会いだった。まったくの突然。  夏のひと時、あたしに舞い降りた……  ――束の間の休息―― 「魔女?」 「ま、魔女ですって!? あなた、それを誰に向かって言っているの!」 「ていうかあんた人形? どうして自力で動けるわけ? すごいわね!!」  綺麗な人形だった。凛としていて気品がある。 「ちょっと、気安く触らないでちょうだい!」 「あんた、何でここにいるの?」  水銀燈と名乗るその人形は、あたしの問いに一瞬だけうつむくようにすると、 「ちょっと飛べなくなったから、休んでたのよ。この部屋、私の好みには合わないけど、悪くないわね」 「あんた」 「なぁに?」 「瞳が綺麗ね……」  あたしは水銀燈の瞳に見入っていた。何でできているんだろう。  あたしが見つめていると水銀燈は急に気がついたように首を...
  • 無限の休息
    (この話はアンリミテッドブレイドワークスの一つです) 「…鬼」 「何とでも言いなさいよ」 今現在、いつもの駅前付近の商店街。 そのうちのゲームセンターの一角、俺は全てのUFキャッチャーの景品を取らされていた。しかも太刀の―――と、間違った。最近、戦ってばっかりだからなぁ―――改め、性質の悪いことにこのゲーセン、結構大型のものだから全部で二十五台、しかも一台につき二つあるもんだから五十個。そして極めつけはほとんどが二百円台ということ。 「俺の財布の中身は無限じゃないんだぞ…」 「浮気の慰謝料よ?当然じゃない!!」   あの後、俺と長門は古泉と朝比奈さんの出て行った―――出て行かされた―――部室で仁王立ちのハルヒを正面にして床に正座し(長門はイス)色々と弁解していた。 「…んでキョン。あんたいつの間に有希に手を出したの?彼女のあたしを差し置いて」 回りから見たら中々シュールだよなぁ。この光...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/夕
      機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/夕 キョン    「思ったより遅くなっちまったな……」 キョン    「ハルヒのやつも長門がいないもんで一日中不機嫌だったしな」 キョン    「……古泉のやつは古泉のやつで、なにか知ってるんだろうみたいなこと言ってくるし」 キョン    「あんまり隠しごとするのは好きじゃないんだが、仕方ない」 キョン    「とはいえ……朝比奈さんまで不安そうな目で見てくるとは……」 キョン    「……? ん?」 ??      「――――」 キョン    「……珍しいな。おまえか」 ??      「――なにか、変わったことが――?」 キョン    「別に、なんも変わったことなんかないぞ。急に出てきて、なにをいいたいんだ?」 周防      ...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/昼
      機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/昼 にゃがと    「…………」 あちゃくら  「…………」 ちみどり    「うぇーんうぇーん」 にゃがと    「ここまで彼女の精神面が脆いというのは意外といえる」 あちゃくら  「いやぁ。体の構造と一緒に、内面にも相当の変化が出てるんじゃないですか?」 にゃがと    「と、いうと」 あちゃくら  「ほら。わたしなんて言葉遣いまで変わってしまってるんですよ。もう違和感ないですけど」 にゃがと    「言われてみれば」 ちみどり    「うう……ぐすぐす」 にゃがと    「こうしていても仕方ない。ほかに食べられるものがないか、もう一度室内をくまなく探索することを提案する」 あちゃくら  「ですね……今、十二時ですか。キョンくん...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/朝
      機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/朝    スズメの声(チュンチュン)   にゃがと    「…………」 あちゃくら  「…………」 にゃがと    「……予想はできていた。するべきだった。たぶん」 あちゃくら  「わたしもなんとなーくそんな気がしていたのですが」 にゃがと    「……この状態をどう説明すれば彼女の怒りを買わないで済むか、早急に検討を」 あちゃくら  「いや、急にそんなこと言われても。もはやどうにもならないんじゃ……」 にゃがと    「あなたはわたしのバックアップ。仮に我々に怒りの矛先が向いたとしても、あなたはわたしを守る義務がある。盾となって散るべき」 あちゃくら  「そんな! 元はといえば長門さんが感染さえしなければこんなことにはなってないじゃない...
  • エッチな短編14
    鶴「長門にゃん長門にゃん」 長「何?」 鶴「キョンくんのことをどう思ってるにょろ?」 長「家畜」 鶴「ひっ・・」 長「毎朝ご主人様と呼ばせて我が聖水を浴びせている」 鶴「め・・・めがっさハードだねっ!!」 長「そして寝起きに1発 学校で1発 自宅で1発」 鶴「せ・・・性交・・・かな?」 長「キョンは1日3発が限界」 鶴「・・・」 長「家へ帰ると首輪着用を義務化している 忘れると夕食はうな重」 鶴「こ・・・こってりだね・・・」 長「そして翌日+5発加算」 鶴「そろそろ・・・キョンくん許してあげたら?」 長「そうする 新しいペット見つけたから しかも2匹」 鶴「それって・・・もしかして・・・」 長「鶴屋と朝比奈」 俺の計画はうまくいった。 古泉は女体化し、今までやられてた分をきっちりやり返すチャンスが来た。 「さて・・・覚悟はいいか、古泉」 俺の視線の先には、可愛い女の子が居た。 ど...
  • 「。」
    「。」 「大体よしと。後は中身が分かるようにマジックで書いてから封をすれば、とりあえず終わり。思ったより割れ物少なかったわね。運ぶのは引っ越し屋に任せるし、出す時はあんたは来なくていいわ。あんたには特殊任務があるしね」 今日は日曜。神の足下暗しゴッコのお供は仰せつかっていない。 その代わり森さんの転居の手伝いをさせられている。 こんな事、本当は全部引越し屋に頼めば済む事だ。 でも、僕は悪い気はしない。 むしろ僕の心は弾んでいる。 ここでなら、偽りの個性を捨てられる。 無理に笑顔を作らなくてもいいし、敬語で話すことを期待されている訳でもない。 YES以外の返答ができる。 ほんの束の間の休息。 僕の閉鎖空間。 「ああ、ちょっとソレ取って」 「はい、どうぞ」 僕は近くにあったガムテープを、中腰で荷物の整理をしている森さんに手渡す。 押さえているダンボールの蓋から目を離さずに手を伸...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/夜
     機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/夜 キョン        「その体でけっこうな量食うんだな……財布がすっからかんだぞ」 にゃがと    「……幸福とはこういうこと。すばらしい……けぷ」 あちゃくら  「……コンビニのおでんっておいしいですよね……。汁が染みてて。空腹は最大の調味料ともいいますけど」 ちみどり    「衣食足りて礼節を知る……人間の言葉の奥深さというものを改めて知ることができました」 キョン        「いや、そこまで言われるようなことはしてないんですが。              ……ていうか、全員お腹がふくれて転がってるこの光景はいいのか。宇宙人として」 にゃがと    「(ゴロゴロ) いや。我々はあなたに感謝している。命の恩人というのはま...
  • 長門有希の三日間
    『長門有希の三日間』     一日目   世の中はゴールデンウィークだ、6連休だ、8連休だとか言って浮かれているようだが、俺たち高校生には関係ない。暦通りに学校に行って、暦通りに休みになるだけだ。大学生にでもなれば、休みと休みの間も教授が休講にしてくれるのかもしれないが、残念ながら北高にはそんな気の利く教師はいない。 一応愚痴ってみたが、今日からはやっと連休だ。ところがだ、朝から北口駅前の喫茶店で爪楊枝のくじ引きを引いているのはなぜだろう。 「ほら、さっさと引きなさい」 そう、不思議探索だ。明日からハルヒは家族と出かけるので、今日中に不思議を見つけ出さないといけないらしい。ということでSOS団の5人が集まっているというわけだ。 「印なしだな」 先に引いた朝比奈さんと古泉は印ありで、3番目の俺が印なしだった。ということは、残り2本は印ありとなしが1本ずつだから、俺は、ハルヒか長門のどちらかと...
  • アンリミテッドブレイドワークス
    Fateのアーチャーのアレです   無限の剣製 無限の剣製2 無限の相談 無限の結論 無限の休息 無限の輪舞(ロンド)Ⅰ 無限の輪舞(ロンド)Ⅱ 無限の分岐 エピローグ~肯定~ エピローグ~否定~
  • 機械知性体たちの即興曲 メニュー
    □『機械知性体たちの即興曲』    即興曲(そっきょうきょく)は、自由な形式で書かれた性格的小品の一種。  アンプロンプチュ(Impromptu)とも言う。   ―ある情報端末が地球上の光学電子情報網から収集したデータ―      機械知性体シリーズの解説はこちら。  http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5979.html 【あらすじ】  ある日の夜。いつものように長門有希の面倒を見るべく訪れた朝倉涼子が七〇八号室に向かう。  そこで彼女が見たものとは、パソコンのリンクからウイルス感染し、乳児にまで退行した長門の姿だった。  放っておくわけにもいかず、同じ端末の喜緑江美理に支援要請を出し、なんとか現状を解決しようとするのだったが――。  まさか同様の悲劇(喜劇?)がふたりを襲うことになるとは、この時、知るよしもなかったのだった……。   □第...
  • 橘京子の陰謀   
     ※ 橘京子の憤慨の続編です     橘京子の陰謀(プロローグ) 橘京子の陰謀(合宿一日目) 橘京子の陰謀(合宿二日目) 橘京子の陰謀(合宿三日目)
  • 『lakeside love story』 0日目
    『lakeside love story』   《0日目》 7月。学校もあと1週間で終わるところだ。 加えて今年は何故か暑い日が続いている。 「キョン。暑いわ」 「今に始まったことじゃないだろ」 「どうにかしなさいよ」 そりゃ無茶だ。 むしろお前の力でこの暑さを吹っ飛ばしてくれと言いたい。 が、言うわけにもいかないので俺はスルーした。     授業も終わりハルヒと並んで部室に向かう。 クーラーもない部室にな。 「暑いし退屈ね……。今日は夏休みの予定についてミーティングしましょ!」 「暑いし退屈だとミーティングをするのか?」     俺は苦笑しながら言った。 「じゃあアンタは一人で校内探索ね。運動場を中心に……」 「俺が悪かった」 ハルヒが全て言い終わる前に謝った。 ハルヒは少し笑って言った。 「冗談よ。許したげるわ」     部室ではすでに全員が揃っていた。 汗一つかかずに本を読んでいる長...
  • 人生最悪の三日間 第三章 ~三年間の罠~
    午後五時。部室にて。 「そろそろ来ると思ってたぞ」 呆然としている俺の顔が実に面白い。 紛らわしいので、この時間帯の俺は……キョンと呼ぼう。 ……ついに自分で自分のことを「キョン」と呼んでしまった。悲しくなってきた。 キョンは真っ青な顔をして――ここは省略しよう。 物語は二日目へと進む。 二日目 午後四時七分。校舎裏にて。 で、死体はちゃんと処理されたのか? 「それを今から古泉に確認するんだよ」 キョンはポケットから携帯を取り出して、古泉の番号に掛けた。 そろそろ元の時間帯に帰れるはずだな。 ん? 元の時間帯? 元の時間帯って今から一時間後だろ? たった一時間、未来に行く必要があるのか? そんな労力使う必要が無い。たとえ未来の技術を用いたとしても、時間を移動するのはかなりのコストがかかるはずだ。 じゃあ、なんで帰る必要があるんだ? いや、そもそも帰る必要なんてあるのか? このまま帰ら...
  • Desire where it doesn't disappear (古泉視点)
       灰色に包まれた世界の中心で、僕は漸く一息をつくことができた。  激しい動作に軋みを上げていた強張った身体から、ゆっくりと緊迫感が抜けていき、空白を埋めるように安堵感が染み渡っていく。 「これで今日は通算して七回目ですか。やれやれ、彼と涼宮さんには困ったものですね」    時間は深夜を過ぎ去り、朝方近くになりつつある。そろそろ眩しく輝く朝日を拝める瞬間に立ち会えるだろう。  神人退治。閉鎖空間。願望実現能力。神たる少女である涼宮ハルヒ。そして神たる少女に選ばれた、鍵なる少年。  この状況に関する単語の羅列を浮かべては流していく。  意味があっての行為ではなく、ほとんど睡眠を取れなかった頭が寝惚けて無意識に思考を垂れ流しているだけである。 「流石に眠いですね……。久方振りでしたので油断していましたか。僕も精進が足りませんね」    霞が掛かったようにぼやける頭を目覚めさせるために頭を...
  • 人生最悪の三日間 エピローグ
    恒例のベッドの横での目覚め。 どうやら俺は無事にこの世界まで帰ってこれたようだ。 それにしても、俺は何をした? ハルヒにまたキスしたような気がするんだが、これは夢か? 夢であってくれ。というか、夢でも嫌だ。フロイト先生も相手にしてくれない。 手の届くところに消火器かコンバットマグナムがあったら躊躇うことなく俺は自決しているだろう。 ……まあ、躊躇わないってことは無いか。   人間が夢を見るのは基本的にレム睡眠のときだけだ。 平均八時間の睡眠時間の中でも、レム睡眠はごくわずか、一、二時間程度だ。 レム睡眠の世界最長記録は3時間8分。気になる方は2000年版のギネスブックを見るといい。 俺は何時間の間、この恐怖の体験をしただろうか。 答えは76時間と14分。俺は三日間も寝てたのか? いや、レム睡眠だけで3日だから睡眠時間は8倍の24日か? どうやら俺の名がギネスブックに記される日はそう遠くはな...
  • 涼宮ハルヒの労い
    5日間熱心に勉学に励んだ後に訪れる束の間の休息。そんな貴重な休日に我々SOS団がどこにいるのかというと── ハルヒが福引で一発で引き当てた温泉旅館に来ている。 開催初日に引き当ててしまったことにより、客引き要素が70%減となってしまったその抽選会はもう悲惨だとしか言いようがなかったが。古泉に言わせれば  「涼宮さんがそう願ったんでしょうね」 とのことで、まぁそれについては初っ端から特賞を引き当てる確率と、 また都合よく5名様のご招待と書かれているその券を見て考えるとと妥当な推測ではある。 普通ならこんなものは家族で行くものだろうと思うのだが、ハルヒは家族に対しては長門が当てたもの (長門が一人暮らしとの説明も踏まえた上で)と言って誤魔化したらしい。 全く、そんな人生に1度、当たるかどうかも分からないような宝くじに匹敵する旅行券を、わざわざ団員で使おうとは。なんて独り言を漏らしたら、  「・...
  • サムナンビュリズム前編1
    事の始まりはもう少し前からだったかもしれない。今思えば、ハルヒの異変はあのときから始まっていたのかもな。   話は先週金曜日放課後へと遡る……   やっとこさ退屈以外の何物でもない授業が終わり、俺はいつものように文芸部部室とは名ばかりのSOS団根城へ向かおうとしていた。 さっさと教室を出ようとしたまさにその時、今週の掃除当番であったハルヒに呼び止められた。 今週といっても今日で終わるんだがな。 「キョン! ちょっといい? あんた今日ちゃんと部室に来るでしょうね?」 と、聞くまでもないようなことを聞かれた気がするのは俺の気のせいだろうか? 「もちろんそのつもりだが、何だいきなり? 来て欲しくないのか?」 「そんなんじゃないわよ。いいからちゃんと来なさいよ! 分かった!?」 へいへいわかってますよ、と俺は適当に相づちを打ち、結局いつものように部室へと向かった。   部室までの道のりでは特に何...
  • Different World's Inhabitants YUKI
      Different (異なった) World s(世界の) Inhabitants(住民)で ~異世界人、ユキ~です。 何故、最後が複数形なのかは、物語を読めば分かります・・・・・・     一日目   ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その一)~   ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その二)~    ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その三)~   ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その四)~    ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(その五)~    ・Different World s Inhabitants YUKI~ニチヨウビ(そ...
  • 橘京子の陰謀(合宿三日目)
        「ひどいじゃないですかぁ!!」 「うをわっ!!」  草木も眠る丑三つ時……って、少し表現が古風過ぎることもあるかもしれないが、気にしないでくれたまえ。  つまり、辺りは真っ暗、深夜の出来ごとである。  本日……いや、もう昨日か……の練習でクタクタになった俺は、ペンションに戻ってゆったりと休み、温泉で体をほぐし、疲労回復効果とスタミナが満点の夕食を食べ、皆との楽しいゲームもそこそこに切り上げ、就寝についたのだ。  慣れない運動は不必要な筋肉を過度に行使するため、筋肉痛による痛みと倦怠感が毛細血管の末端まで行き届いていた俺は、ものの数秒で意識が墜ちた。  心地よい睡眠が俺を包み込み、そのまま次の日の朝を迎える――はずだったのだが、橘の悲壮なまでの叫び声がそれを妨げた。  橘は全身雪だらけで、顔は霜焼けになったみたいに赤く腫れ、ガタガタ震えていた。  自慢のツインテールはバサバサにな...
  • 古泉一樹の休日
    カーテンの隙間から漏れる日差しで目を覚ましぼんやりした思考で時刻を確認すればもう16時を回っていた。 また休日を無駄にしてしまったようだ。 いや、仕方が無い。昨夜の会議の後発生した閉鎖空間の所為で帰宅したのが深夜だったのだから。 寝癖で爆発した頭を掻きながら起き上がると、書類やら雑誌やらプリントやらを踏みつけながら台所へと赴く。 朝も昼もすっ飛ばして眠っていたのだ、腹が減って仕方が無かった。 冷蔵庫を開けてみる。―――何も無し、すっからかん。冷凍食品ですら皆無だ。 舌打ちをし冷蔵庫の扉を足で閉める。仕方が無い、コンビニにでも買いに行こう。 空になったカップ麺のゴミだとかまだ少しだけ中身の残ったペットボトルなんかを掻き分けて愛用の銀縁眼鏡を発掘し、ジャージのまま玄関の扉を開けたその瞬間、 ―――いってらっしゃい。 母の懐かしい声が聞こえた気がして僕は、誰も居ない部屋に向かって「行ってきま...
  • 一夏の恋
    白い手だった。 額に触れる、熱を冷ます繊細なてのひら。意識がぶつ切れに再生される中に、ちらついて見えた。暑さに魘されぬようにか、 そっと守るようにその手は添えられていた。柔らかな感触だった。茹だるような暑さの中に齎された束の間の癒し。 蝉の鳴き声が、遠くに聞こえる。 闇に落ちていた意識をふつりと浮上させ、重い瞼をどうにか開くと、綺麗な氷膜のような眼がこちらを見おろしていた。沈黙を守る、無機質な表情。常と変容のないまっさらな琥珀。 なのに―― そのとき心に極自然に浮かびあがった「綺麗だ」という感慨に、心拍が弾んだ。木陰、ベンチの上。どうやら馴染みの公園の一角。状況をあらかた把握すると、更に惑ってしまう。こうなるに至った経緯を思い出せないことも問題だが、何より、自分の頭が彼女の膝を枕にしていることに。 「……長門さん、その」 「あなたは浴衣買の出しに向かう途中に意識を失った」 訊ねること...
  • 涼宮ハルヒの感染 3.役割
    3.役割  イライラするような、それでいて情けないような気持ちで1日の授業を終えた俺は、部室にハルヒの鞄を取りに行った。 どうせこれから1週間、SOS団は休業だ。団長不在だし、長門と古泉は学校自体を休んでいる。 朝比奈さんは登校するだろうが、部室によるくらいならまだハルヒの病室でメイド服を着るだろう。 あの優しいお方ならそうするさ。 受験生だと言うのに、冬のこの時期に毎日部室に通ってくださっているくらいだしな。 さすがにほとんど勉強しているけど。 朝比奈さんは今のところ、卒業後も時間駐在員としてとどまると言っていた。 朝比奈さん(小)が朝比奈さん(大)になるまでに、本人にはどれくらいの時間が過ぎているんだろうね。 そう思いながら部室の扉を開けた。 「キョンくん」 そこにいたのはまさに今俺が考えていた、かつての部室専属メイドであったお方だった。  ちょっと予想外だった。今回の事件に、未...
  • 機械知性体たちの即興曲 第二日目/夜
      機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第二日目/夜   喜緑          「ただいま」 あちゃくら  「あ、おかえりなさーい」トテトテ 喜緑          「あら。長門さんは?」 あちゃくら  「することないって、ずっとごろごろ寝てます。今も」 喜緑          「……ニート端末」 あちゃくら  「すごく……駄目人間ぽいです」   にゃがと    「……よく寝た」 あちゃくら  「緊張感ないなー……」 喜緑          「……さて。気を取り直して、今後のことをお話しましょう」 あちゃくら  「はーい」 喜緑          「長門さんの話を信じるならば、時間さえ経過すれば元通りに復元されると。そうですね?」 にゃがと    「おそらく」 喜緑          ...
  • 2 はじめての休日
    ~2 はじめての休日~  ふふふ……うふふふふふ。ついにこの日が来たわ。今日は二人暮らしをして初の土曜日。  即ち休日。どこに連れて行ってやろうかしら? 足りない物の買い出し? 雰囲気のいい公園探し?  ふふ、キョンと外出デートなんて久しぶりだわ。楽しみでたまんない!  あたしは体を起こして隣りに寝るキョンを眺めた。あたし達は一つの布団、一つの枕で寝てる。  わざと布団を持って来なかったのはあたし。キョンと一緒に寝たかったし、腕枕が気持ちいいんだもん。  それにしても……起きないわね。出かける時間が無くなっちゃうじゃない。 「こらー、キョン。起きなさーい。食べちゃうわよー」  あんまり起こす気のない起こし方をしてみる。だって食べちゃいたいから。 「……食われたくないから起きるよ。ふぁ……おはよう、ハルヒ」  起きちゃったわね……残念だわ。そういえば寝起きのキョンの顔をしっかり見るのは初...
  • 一夏の恋 
    一夏の恋 一夏の恋2 一夏の恋3 一夏の恋4 一夏の恋5 一夏の恋 エンドロール1 一夏の恋 エンドロール2  (完結)   エンドレス・エラーはエンドロール1から2の間の話です
  • すき焼き別ルート
    (この作品は長編・涼宮ハルヒのすき焼きの設定を元に他の作者さんが書いた別作品です) それにしても缶ビール3口で酔いつぶれてしまうとは さすが朝比奈さんと言った所か 長門は顔色一つに変えずに飲みまくっているし、こいつは食事と言い胃袋はどうなってるんだ? ちょっと覗いてみたい気もするが、、、いや やっぱりやめておこう いくら人間になったとはいえ仮にも元宇宙人である。 知的好奇心は尊重すべきものとしてもさすがに元宇宙人という肩書きを持つ一乙女の体内なぞを 覗く方がどうかしている。 誰だってそう思うだろう? それにしたって古泉にしろハルヒにしろなんでSOS団は揃いも揃って酒豪ばかりなんだ? 俺の目の保養薬である朝比奈さんはすぅすぅと寝息を立てて安眠してしまっているし ハルヒは終始顔色を変えないで飲み続ける長門にあれやこれやの質問攻めをしているし 古泉に至っては二人を今や雑誌モデルとなっ...
  • 眠気と休日~長門と古泉編~
    午前7時半。 わたしはいつもの喫茶店に向けて歩いている。しばらく前の探索の日は危うく《キョン》に後れを取ろうとしたため、これまでより15分早く出ることにした。 いつもとは少し違う風景、出会う人も少し違う。新しい発見、時間をずらして移動するのも興味を持った。 グラウンド、大人の人間が集まって何かしている。 あの時の……《野球》だ。 遊撃手の人だけ、一際若いようだ。わたしの目は、その若い遊撃手の動きを追っていた。 朝日に照らされながら、軽快にボールを捌く彼は、とても引きつけられる。興味深い。 しばらく立ち止まって見ていると、試合も終わり、一人だけ着替えを済ませた遊撃手の人がこっちに来た。 「………あ。」 驚いた。さっきまで、わたしが目を奪われていた遊撃手の彼。 彼は副団長、古泉一樹だった。 「おや、長門さん。お早いですね。」 彼が話しかけてくるのに頷いて答える。 「どうせですし、一緒に行きまし...
  • お客様は宇宙人
    超能力者を訪ねてへ続きます 関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        何故か小、中、高校における学校生活において、他クラスへの侵入というのは憚られ、 他クラスの人間に用がある場合は廊下側の人間に目的の人物を廊下まで呼んでもらうというのが暗黙のルールである。 そこには、おそらくクラス間の見えない縄張り意識のようなものがあり、 そこを侵略しないと言う言外の言及が含まれているのだろう。 そして、その暗黙のルールを順守した者は、客として丁重に迎えられるのである。 これは、とある僕への客人の訪問が招いたちょっとした事件とも言えない事件のお話。  「おーい! 古泉。 客だぞー! ……女の!」  三時間目と四時間目の間の休み時間。 廊下側に居たクラスメートの呼びかけに視線を移すと同時に、 問題の呼びかけの後半部分が、嫌に鋭く、また何かしらのいやらしさを孕んで教室内に響いた。 ニヤニヤ...
  • 人生最悪の三日間 プロローグ
      人生なんてものは意外と不幸が続くものだ。なぜなら、幸せがあったとしても人はそれを幸せだとは思わないからだ。 大抵の場合は物の見方を変えれば不幸も幸福へと変わるが、俺が体験したこの三日間(七日間か?)は例外だった。 どんなに前向きに考えようとしても状況は明らかに絶望的だったし、これならいっそのこと世界が崩壊してしまったほうがマシだと思った。 人生、辛いことがあっても「気合」と「根性」で乗り越えることができると思っていたが、それは間違いだ。 この三日間で知った真実は、非常に残酷で、そしてあまりにもふざけたものだった。   始まりは「起承転結」の「起」だ。このあとに日常や平穏を表す「承」があるので、あまりにも理不尽すぎる始まりは読者に嫌われる。 だが、この物語は「起承転結」で成り立ってはいない。「起転転結」くらいだと思ったほうがいい。いや、むしろ「転転転結」だな。 この「転転転結」でポイント...
  • 教科書文通5
    「なぁ、古泉? お前、まさかとは思うけど、恋をしたことがないなんていわないよな?」  5時間目の科学の時間、僕は今度は先ほどの山田くんの台詞を反芻していた。 最近まともに授業受けてないんじゃないか? と、少し不安になったりもするが、 まぁ、教科書と参考書を交互ににらめっこすればどうにかなるだろう。 今までだって、神人退治をしながらこのクラスで何とかやっていけたんだ。 涼宮さんの精神がある程度安定している今なら多少の無理もきくだろう。 そんなときに限って、〝彼〟が墓穴を掘るんだとか、そんなことは敢えて考えないでおこう。  恋……か。 そういや、まったくと言っていいほど経験のない分野だ。 そりゃ、僕だって幼少時代や小学生時代に誰それちゃんのことが好き! とかいう麻疹みたいな物は経験したことがあるが、あくまでそれは、likeの延長線だろう。 loveに直結する、愛してる、恋してるの段階での『...
  • オーディナリ ホリデー
    俺が心のどこかで憧れていた非日常。   年末の一件で俺はそれをついに受け入れてしまい、 雪山でその覚悟を試され、年明けにこの世界を確かなものにして、 ようやくもって新学期を向かえようとしていた。   市内初詣ツアーはハルヒ号令のもと開催され、 映画撮影の時に大いに迷惑をかけた神社をはじめとして、 おそらく今年のギネス記録に手が届くだろう程にお参りしまくって終了した。   その間のSOS団3人娘の振り袖姿は、俺の脳内写真館に1スペースを作って 後世まで保管しておくだけの価値があったのだが…。   そんな一連の忙殺的スケジュール敢行によって、もはや俺はくたくたであった。 旅行の荷物もようやく片付け終わったところであり、 残り少ない冬休みは家でのんびりしたいものだと思っていると、   「キョンくん電話ー」妹である。そろそろノックを覚えてくれ。 雪山から帰ってきてこっち、この小学5年生11才は疲れ...
  • 人生最悪の三日間 第一章 ~オレ殺人事件~
      一日目   午後五時。部室前にて。 『三名欠席により 今日の活動は休みです。 by古泉』 という貼り紙を見たのは放課後のことだった。 ハルヒが風邪で欠席しているのは知っていたが、長門まで風邪か? 怪しいな。 インターフェースはインフルエンザウイルスも倒せるんじゃないか? もしかしたら、また何か巻き込まれるかもしれないな。 少しでも変わったことがあったら、俺が厄介ごとに巻き込まれる前兆だ。 このドアに貼られた貼り紙を剥がして、そのままさっさと帰ろうとしたときだった。 部室の中から人の気配を感じた。気配だけだが、明らかにドアの向こうには誰かがいるのだ。 それに物音もする。足音のような音。おそらく一人だ。 団員以外にこんな部屋に入るような物好きな人間はこの世どころかあの世にも存在しないので、おそらく古泉だろう。 それにしても一人でなにやってるんだ? オセロか? 一人で? 寂しいな。 本来二...
  • しあわせⅡ
     さて、次の日である。  いつものように早朝ハイキングを済ませ登校した俺であったが、妙に気分が優れなかった。  授業中も授業に集中できず(これはいつものことでもあるのだが)、後ろの席から繰り出されるシャーペン攻撃にも一切反応を示すことは無かった。  ……訂正する。気分が優れないのではない。ある一つの事柄に気をとられっぱなしだっただけだった。  そいつはいつもの休息の時間である弁当の時間にまで俺の脳内を支配し続けていた。  「キョン、なんか今日は元気がないね。どうしたの?」  と国木田が心配してくれたが、なんと答えたのかあまり記憶にはない。谷口に至っては存在したのかどうかさえ忘れてしまった。  午後の授業もそんな具合に過ぎて行き、俺は誰に促されるともなく部室へと足を運んでいた。  当然、あのことを考えながら――――  その日の団活は散々だった。当然小説なんぞ思いつかず、俺はずっとあのことば...
  • ミステリック・サイン後日談
    それはあのカマドウマ事件の数日後のことだった。 その日も例によって我等がSOS団の活動は長門が本を閉じる音と共に終了した。 皆がそれぞれ帰り支度を始める中、俺は奇妙な光景を見た。 長門が本を閉じたままじっとしている。 いつもならさっさと本を鞄にしまいこんで部室を出て行ってしまうはずなのに今日はどうしたんだ? 「それでは、また明日」 振り向くと古泉がいつもの微笑を浮かべてドアの前に立っていた。その後ろには小さく手を振る朝比奈さんの姿。 どうやらハルヒはとっとと帰ったらしい。 「ああ、またな」 そう言うと古泉は表情を崩さずに部室を立ち去った。次いで俺は朝比奈さんに軽く会釈する。今日もお疲れ様でした。 「うん、また明日」 朝比奈さんは愛らしい笑顔を残してお帰りになった。先に出て行ったのが古泉で良かった。 野郎と美少女の笑顔では得られるものに差がありすぎる。 しばし朝比奈さんの笑顔の余韻に浸ってい...
  • サイレント・ホスピタル
    「そこにもう一つ、ソファーが欲しいわね」 それは、ハルヒのそんな一言から始まった惨事だった。 ハルヒのその一言のせいで、俺は古泉と二人でこのソファーを部室まで運ぶことになった。 学校に余ってるソファーがあったのは不幸中の幸いだ。ここに無ければハルヒは外まで探しに行かせるか、悪ければ新品を買わされることになったかも知れん。俺の自腹で。 しかし、こんなくそ重いソファーを持たされてよくそんな顔してられるな、古泉。仏の顔も三度までと言うが、こいつは何度何をやってもスマイル顔のままだろう。少々薄気味悪いが。 「遅い!何やってるの二人共!ちゃっちゃと運んじゃって!」 やっとの思いで部室棟の階段を半分上ると、ハルヒが上の階から怒鳴ってきた。やかましい。 相手は女というだけに「交代しろ」とも言い難い。忌々しい。 「はいはい・・・」 そう言うことしか出来ない自分を非常に情けなく思うね。 そして、事件が起...
  • 絡まった糸、繋がっている想い 第一章
    *1* まず、何から話せばいいのだろうか… ことの始まりは2ヶ月前だった。 おれはいつものように、掃除が終わると部室に向かって歩いていた。 ハルヒは掃除当番ではなかったので部室にいるものだと思っていた。 おれはいつも通り部室に着くと扉をノックした。 トントン ノックしたが声が聞こえない… おれはおそるおそる部屋に入った。 すると中にいたのは長門だけだった。 キョン「あれ?長門だけか?」 すると長門が 長門「涼宮ハルヒからあなたに伝言を預かっている」 長門は読んでいるぶ厚いSF本を閉じた。 長門「今日は…………休み」 キョン「………休み?」 長門「そう」 呟くようにそういうと本を鞄にしまった。 キョン「朝比奈さんと古泉は……?」 長門「ふたりはあなたが来るまえに来てこのことを伝えた」 キョン「そうか」 長門「だから…休み」 そういい終わると長門とは扉を開け出て行った。 いま思えば、こ...
  • 『lakeside love story』 4日目
    『lakeside love story』   《4日目》     「………起きて。」 誰だよ、まだねみぃ。 「早く起きて。」 あと……10分だけ頼む。 「………………ガブッ」 ……いてぇ。 長門だったのか、おはよう。 「……ほはひょふ(おはよう)。」 とりあえず顔洗うから噛み付きをやめてくれ。 「………そう。」 いい加減慣れてきたな、嬉しくないが。     朝飯を食い終わるかどうかの時間に異変が起こった。 ……ザーザー 「この音……まさか雨なの?」 ハルヒが顔をしかめて言った。 「昨日はきれいに月が見えていたんですがねぇ……。」     古泉は肩をすくめ、珍しく本当に困ったような顔をして言っていた。 二人とも落ち着け。 しょうがない、天気ってのは人間の力じゃいじれないんだからな。 「でも……あと少しで合宿終わっちゃうのよ!?キョン!あんたはこれで終わっていいのっ!?」 正直、このままなら...
  • 人生最悪の三日間
      プロローグ 第一章 ~オレ殺人事件~ 第二章 ~疑惑と鈍器~ 第三章 ~三年間の罠~ 第四章 ~堕ちていく鍵~ 第五章 ~笑う女~ 最終章 ~デズデモーナ~ エピローグ       人生最悪の四日間へ続く    
  • 二人、夕立、遊具にて
    今年の秋は暑い、と思っていたのも束の間、いつの間にか寒さに震えるような気候になってしまった。 特に理由はないのだが、最近団活が終わると俺とハルヒは一緒に帰るようになっている、本当に何でだろう。 そして今日も俺達は肩を並べて長い長い下り坂を下っていた、途中の焼き芋屋で焼き芋を買わされるのはもはや規定事項となっている。 一度なぜ買わなきゃならないのか聞いてみたところ、秋だからに決まってるじゃないと言われた、そのときは妙に納得してしまったな。 そんなに食うと太るぞ、と思う奴もいるかもしれないがそんなことは全くない。 これはただの蘊蓄だが坂は登りより下りの方が肉体的にはきついらしい、俺はそうは思わんが全然太らないところを見ると実際に正しいのだろう。 結局は気持ちの持ちようってことだな。 「さっきから、なーにブツブツつぶやいてんのよ、それ引きこもりっぽいわね」 失礼な奴だ、本当に引きこもるぞこの...
  • 渡橋ヤスミの下準備
       渡橋ヤスミを名乗る人物が組織の根城である宇宙ステーションの中に忽然と現れたことは、ちょっとした騒ぎを巻き起こした。  時間航行技術を操るこの組織は、当然のことながら、時空転移で侵入されないように防御措置を施していたからだ。それがあっさり破られたことは、組織のほとんどの人間にとってショックな出来事だった。      組織の代表である長門有希の命令で、ヤスミは長門有希の部屋に案内された。案内役は、朝比奈みくる(大)が引き受けた。 「朝比奈先輩は、おっきくなりましたね、おっぱいが。未来にはおっぱいを大きくする技術とかあるんですか?」  ヤスミは無邪気にそんな質問を放った。 「特にそんな技術はないです……」  朝比奈みくるは顔を赤らめながらそう答えた。  長門有希の部屋に到達した。  内部から操作で自動的にドアが開いた。 「お久しぶりです! 長門先輩!」 「久しぶり」  長門有希は、全く動...
  • 人生最悪の三日間 最終章 ~デズデモーナ~
      もっと早く、気づくべきだった。 朝比奈さんは三年以上前に遡れないと言ったし、古泉はもしかしたら昨日世界ができたのかもしれないとも言った。 朝比奈さんの言ったことはわからないし、古泉が言ったこともありえないと思って、別に気にしなかった。 でも、そのときに気づくべきだった。 単独で考えれば、どちらもありえない話だが、併せて考えれば答えは出るのだ。 神が憎い。 こんな奴が神だなんて信じられない。 俺は神に反乱を起こすぞ。     午後六時二十分。部室にて。   銃声は二回だった。 ひとり一発ずつ。 だが、それで十分だった。 笑う女は笑うのを止め、床に崩れ落ちた。 部屋の隅にいた未来人も同じように倒れた。 銃口から出た煙は天井に向かって昇る。 死体が二つ、床に転がっている。頭からは血を流して、床に血溜りを作っている。 「……よく撃てたな」 「団員のピンチよ。撃てないわけ無いでしょ」 「……...
  • 機械知性体たちの即興曲 第四日目/夜
    機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第四日目/夜 甲陽園駅前 みくる        「……はぁ……はぁ……ごめんなさい。お待たせしました」 キョン        「こちらこそすいません。急にこんなことお願いしてしまって」 みくる        「その、急いで適当に買い物してきたんですけど。これで間に合いますか?」 キョン        「充分ですよ。それと、説明はしましたけど、連中の姿を見て驚かないでくださいよ」 みくる        「……ええ。でも、ほんとのこというと、ちょっと……怖いというか」 キョン        (そういや、もともと長門のこと苦手っぽいのか) みくる        「それに、朝倉さんとか、喜緑さんとか、その……あまりお付き合いもないですし……」 キョン ...
  • 田舎ライブス―キョン×キョン子―
     低い山々に囲まれた盆地には見渡すかぎり水田が広がっていた。時折吹く風が、まだ青い稲穂を揺らす。  頂点に昇ったばかりの太陽はぎらぎらと地上に降り注いでいた。  そんな中、水田を切り裂くように真直ぐ伸びた細い道を俺と妹を乗せたライトバンはかなりの速度を出して走っていた。 「スピード出し過ぎじゃないですか?」  俺が尋ねている間にも赤丸で四十キロと書かれた標識が一瞬で後方に流れていった。 「なんこんくらい普通たい。慣れとるけん心配せんちゃよかよ」  運転する伯母は自信たっぷりにそう言ったのだが、さっきの標識の下には真新しい花束やら缶ジュースが置かれていて俺をゾっとさせた。  ちなみに伯母が訛っているのはここが熊本だからであり、俺とすっかり眠っている妹は帰省の最中であった。両親は仕事の都合上、遅れてやって来ることになっている。  さて、そうこうしている内に水田は切れて、ブロック塀に囲まれた路...
  • ダーク・サイド
    ダーク・サイド   プロローグ   その力の存在を知っているものの数は多くはなかったが、ごく少ないと言うわけ でもなかった。最初にその力の存在を感知したのは全宇宙を統べる全知全能の存在で それが観測したのは情報爆発だった。次に、時の旅人達がその力を時間の流れに穿たれた 頑強なる壁として認識した。最後に、ごく少数の超能力者を含む、命限りある 人間の集団がその力を認識した。この3つの組織は、それぞれに監視者を送り込み、 様々な僥倖に助けられて、これらの監視者を成功裡に配置し、ある程度、 その力を制御することさえできている自負するようになった。 だが、その力(力の所有者ではなく)そのものに「意志」があることにはまだ 誰も気づいてはいなかった。それは非常に致命的な....。   第一章 ハルヒ   俺がまたまた懸案事項を抱えこんだのは、あのハルヒがほどほどに落ち着いて来て、 哀れな古泉が出張神人駆...
  • Lost my …?
    「そんな服いやですぅ」 朝比奈さんの間の抜けた反抗が、周囲で買い物をしていた人をふりむかせた。 「何を言ってるのみくるちゃん! あなたはあたしのオモチャなのよ。だからこれを着なさい!」 何を言ってるんだこのバカは。 商店街のど真ん中で、ハルヒは朝比奈さんに女王様の格好を強制させていた。 「そんなぁ」 狼に狙われた兎のような目で困惑している朝比奈さんを横目に、古泉は苦笑して長門は無表情だ。 いい加減怒らないとまずいな。 「おい、やめろ。お前のやってることは度が過ぎている。 普通の女子高生が黒いボンテージなんか着るわけないだろ」 「あんたは黙ってて!」 ハルヒは睨み一閃、俺につばを飛ばしながら叫んだ。 ハルヒのこの言葉に、俺の脳内はカチーンときて久々にファイティングポーズを取ってしまった。即座に俺はハルヒに右手でビンタを一発かまして怒鳴る。 「手前いい加減にしろ!! 自分がされて嫌なことは他人...
  • 『lakeside love story』 7日目
    『lakeside love story』   《7日目》     「「……あ。」」 約束の30分前。 俺とハルヒは喫茶店の前の横断歩道でバッタリと会った。 「キョン!?あ、あんた珍しく早いじゃない。」 「昨日会えなくて辛かったんだぞ?俺は。」 本音だ。 実際、気がつくとハルヒのことを考えているのが昨日の俺だった。 「くぅ…あんたいつからそんなに歯の浮くようなセリフを連発するようになったのよ。……あたしも寂しかったんだからね?」     「合宿は俺のキザさのレベルを上げるためにあったようなもんだからな。」 と、俺は苦笑しつつ答えた。     「ふん、まぁいいわ。行きましょっ!」 何処にだよ。 まだ何も聞いてないぞ? 「公園よ、湖のとこにある公園!」 と言うと、ハルヒはニヤッと笑った。     公園まではバスで移動。 俺はハルヒの荷物を持ってやり、混んできたら老人に席を譲ったりしていた。 「...
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