涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「水無月の雨」で検索した結果

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  • 長編・キョン2
    ...夏のある日の思い出 水無月の雨 A Jewel Snow (キョンVer) 華 ファーストキス ハジメテノヒト ストレス解消大会 ホットレモン エトランゼ 上機嫌 Lost my …? 『不思議の定義』 傷つけあい仲直り 友達から彼女へ、彼女から友達へ コンビニデザート ホームシック Missing Ring -失われる7日間- 恋愛初心者 予防注射 涼宮ハルヒの聖書 自由への奔走 涼宮ハルヒの夢幻 サプライズ・クリスマス 名前でしりとり 在り来たりな幸福 smile Break the World 雪けむりラヴァー 全てが歪んだ日  腹黒キョン  フェイク 初詣遊び倒し 大回転勘違い スペシャルデイ key scramble  lost and found  冬風のマーチ 消えていく日々、いつもの風景 キョンのサイズ 濁った日差し  傷の代償 ノスタルジー TrulyandHapp...
  • いじっぱりの本音
    「帰ってしまっていいのですか?」 隣のニヤケ顔が覗き込んできた。なんと返していいものか何故か言葉が見つからず、 しらばっくれるというよりも視線から逃れるように顔をそむける。 三月に入ったとはいってもまだそれなりに寒く、しかも日が沈んでから下る北高から 駅までの坂道はどことなく寂寥感を煽る。隣を歩く長門に一言ふたこと話しかけては みるものの、会話が続かなくて困り顔を浮かべた朝比奈さんと、どこ吹く風で 無機質な表情のまま規則的な足音を響かせる長門が前を歩いているのが見るとも なしに視界に入った。ハルヒはいない。本人の申告通りなら、部室で機関誌に載せる 論文を執筆しているはずである。なんでも筆がのってきたとかで、中断したくない らしい。先に帰ってていいわよ! というありがたい団長のお言葉どおりに、俺たち 四人は肩を並べて下校中、という訳である。 「駅まで一本道、街灯があるとはいえ暗い。若い女性が...
  • 長門有希の雨しずく
    長門有希の雨雫 夢を見ていた。 夢、そんなものみないはずなのに、見ていた。 なぜだろうか?なんでそんなことがありえるのだろうか? まず、今のが夢というものなのだろうか、みたことがないので彼女は、 理解することはできるはずがなかった。加えて、内容も理解することができなかった。 いや、理解したくもなかったのだ。あまりにも、突飛すぎていたし、 何よりも凄惨なものだった。 が、しかしこの夢はすぐに消えてしまった。   学校はいつものように、文芸部の部室、兼SOS団の部室に入り、 パイプ椅子にすわって本を読む。それを繰り返していく毎日。 その毎日にいつも彼からの話かけられることがあった。 自分の正体を知りながらも、やさしく声をかけてくる彼。 「今日は何の本をよんでいるんだ?」 「………SF」 「そうか。」 「読む?」 「いや、その量は読める気がしない。」 「……そう」 なぜだろう?もうすこしだけ話し...
  • 四月の雪
     僕は今、一通の手紙を手にベッドに寝転がっている。  飾りっ気の全く無い、業務用とでも言うべき差出人の名前の無い封筒に、一枚きりの便箋。  差出人の名前がないという時点でちょっとおかしいなと感じたけれども、宛名は普通に僕の住所氏名だったし、切手も張ってあったし消印も押してあったから、きっと、知り合いの誰かが名前を書き忘れただけだろうと思った。消印の場所にも心当たりがあったし。  それは、僕が高校時代の三年間を過ごした場所。  たくさんの想い出の詰まった、今は遠い場所。  元々とある目的を持ってその学校に転校して行った僕は、高校卒業と同時に、遠方への進学を選んだ。  進路を決めるときには、それほど深いことは考えていなかったんだと思う。  どこでも良いというのなら、別れは少し寂しいけれど、違うところへ行ってみよう。  きっと、それだけのことだった。  けれど僕は、無事進学先も決まり卒業式の直...
  • 二月の雪
    俺は目を覚ます。 妹のノルマンディー上陸のような荒々しさはなく、緩やかな目覚めだった。 その小さな手は俺の肩を遠慮がちに揺らしていた。 「……あ、あの」 か細い声が聞こえる。 「……あ、あの」 その聞きなれた声は俺を覚醒するのには十分だった。 「な、長門!?」 上半身をがばっと起こし、長門らしき人物の顔を凝視する。 ギザギザな髪型に、吸い込まれそうな瞳の上を覆う眼鏡。 ――長門だ、確実に。 でも、どうしてここに? というか、眼鏡をかけている? ぐちゃぐちゃになった思考をなんとかまとめてみる。 寝起きドッキリか? いや違うな、長門がそんなことをするはずがない。 ……眼鏡? もしかして、あっちの世界の長門か? 「……どうしたん……ですか?」 長門は首を傾げて不思議そうに俺を見つめる。 いや、それは俺が訊きたいんだが。 「いや、どうして長門がここにいるのかと思って」 「え、どうしてって」 「それ...
  • 五月の風、ふぁいなる
    『五月の風』 『五月の風、ふたたび』 の続きです。   ======== 『五月の風、ふぁいなる』     「遅い、罰金!」 「ぐ、なんであんたなんかに……」 うーん、気持ちがいい! 俺は勝ち誇ったように腰に手を当て、びしっと右手の人差し指を突きつけて、いつもハルヒに言われ続けていることを逆に言ってやった。 「ははは、今日は俺の勝ちだな」 「あたしは、徒歩、しかも自転車押してきたんだからね」 「わかってるよ、ちょっと言ってみただけさ」 別に本気でハルヒから罰金を取るほど俺は鬼じゃない。ハルヒはパンクした自転車を押しながら歩いて待ち合わせ場所にやってきたんだから、ハンデを認めてやることは吝かではない。もっとも、ハルヒが素直に罰金を払うとも思っていないがね。 「もう、覚えてなさい!」 そう言いながらもハルヒは、今日の天気のようにさわやかな笑顔だった。   ハルヒが押してきたのは、いわゆるマウン...
  • サムデイ・イン・ザ・スコール
     ザァア─────ーー……‥‥    土砂降りの雨。  とある駅前。  周防九曜は、濡れるのもかまわずに、ただ突っ立っていた。  天蓋領域の指示に基づき、観測を行なっているのであった。天蓋領域の関心は地球上の様々な事象に及んでおり、その観測は唯一の端末である彼女の仕事となるのである。  ずぶ濡れで突っ立っていれば、それだけで周囲の注目を集めそうなものだが、周囲の人間たちは誰も彼女を気に止めない。彼女は、デフォルトが半ステルスモードであるからだ。  そんな彼女を目にとめることができる人間は非常に限られていて、今日は偶然にもそのごく限られた人間がそこを通りかかった。   「九曜さん。そんなところで何をしてるのかしら?」  周防九曜は、顔をあげて、相手を認識した。  佐々木と呼ばれる人間であることを認識するまでにかかった時間は、3秒ほど。 「────観測────」 「九曜さんは風邪を引くとい...
  • Please wait for some day in the rain.
    教科書文通の後日談になります。 ----------------------------------- 「長門さん。 その件で、お話があります。 聞いて、くださいますか。」  あの日の、あの雨の日の古泉一樹の台詞が頭から離れない。 他のことを考えていても、気がつくとあの台詞が耳に響く。 彼が隣にいない今でも、その声はわたしの鼓膜を打っている、様に感じる。 これは何? 幻聴? エラー? 「長門さん、 僕はずっとあなたが僕の教科書にお書きになった「良好な関係」について、ずっと考えていました。」  真っ直ぐな瞳だった。 元々古泉一樹は人の目を見て話すタイプの人間ではあったが、 最近は誤解を防ぐためか、はたまた他の理由からか、あまり目をあわそうとはしていなかった。    が、あの日は違った。 あの雨の日。 古泉一樹とより「良好な関係」を築きたいとあのまじないを決行した日。 まっすぐ、まっすぐ...
  • コードブレイカー「エピローグ」
    それは、ある遅くの雨の日の事 ハルヒ(今日はずいぶん遅くなってしまったわね) ハルヒ(明日は「犬」の所へ行かないと・・ハラを空かして待ってるわ) かすかに見えた ハルヒ「・・・え?」 ゴォォォォ ハルヒ(人・・・!?) ハルヒ(人が燃えているーーー!?) それは、熱くて冷たくて激しくて静かで残酷で優しげな そんな青い炎だったーーー・・
  • 長編・長門有希2
    長門有希の憂鬱Ⅰ ユキ×ムネ 『Hirundo rustica』 恋する?いちご練乳 すき焼きミッドナイト 長門有希の憂鬱II 長門有希の些細な願望 雪、無音、窓辺にて。 長門有希の憂鬱III 3つの選択肢 長門有希 銀河を超えた戦い(スターウォーズクロス) 文芸部室の幽霊 もうこんなのいやだ 長門有希の変化 もう一つの12月18日 スノースマイル・バースデイ 白有希姫 Different World s Inhabitants YUKI 長門有希の雨雫 長門有希への復讐  ※微オリキャラ注意 幻惑小説 Close Ties(クロース・タイズ) センター前日 涼宮ハルヒの経営I 射手座の日、再び 寡黙大騒動 「こわれもの」(陰謀でのフラクラが許せず) 想い出は、雪とともに 春先の風物詩 涼宮ハルヒの消失ー長門有希の憂鬱 長門有希の再会 長門有希の三日間 おかえり、ただいま。 長門有希の失踪...
  • 二人、夕立、遊具にて
    今年の秋は暑い、と思っていたのも束の間、いつの間にか寒さに震えるような気候になってしまった。 特に理由はないのだが、最近団活が終わると俺とハルヒは一緒に帰るようになっている、本当に何でだろう。 そして今日も俺達は肩を並べて長い長い下り坂を下っていた、途中の焼き芋屋で焼き芋を買わされるのはもはや規定事項となっている。 一度なぜ買わなきゃならないのか聞いてみたところ、秋だからに決まってるじゃないと言われた、そのときは妙に納得してしまったな。 そんなに食うと太るぞ、と思う奴もいるかもしれないがそんなことは全くない。 これはただの蘊蓄だが坂は登りより下りの方が肉体的にはきついらしい、俺はそうは思わんが全然太らないところを見ると実際に正しいのだろう。 結局は気持ちの持ちようってことだな。 「さっきから、なーにブツブツつぶやいてんのよ、それ引きこもりっぽいわね」 失礼な奴だ、本当に引きこもるぞこの...
  • 台風一過のハレの日に:プロローグ
    『台風一過のハレの日に』     ○ プロローグ   『……地方は今夜半から暴風雨圏に……今後の台風の進路には十分ご注意……』 「ねぇ、台風くるとなんかわくわくしない?」 ラジオの天気予報を聞きながらニコニコしているハルヒの後ろ側では、さっきより少し強くなったような気がする風と雨が部室の壊れそうな窓を打っている。 「確かに、俺も好きだったな。テレビで台風の進路の予報円を見ながら、子供心になんとなくうれしかったもんだ」 「でしょ? でしょ?」 大きな瞳を細めて笑顔をさらに輝かせているハルヒを見ながら、高校生になってもこいつは山のような子供心を持っているんだな、と俺は少しあきれていた。 振り向くと古泉もニコニコしながら、 「涼宮さんのお気持ちには同感ですね」 なんて言ってやがるし。まぁ、いいさ、俺も今ちょっとした高揚感を感じていることには違いない。もちろん、子供の頃ほどでは無いけどね。   台...
  • 涼宮ハルヒの団結 第六章・序
     次の日、金曜日。  昨日は色々な問題が無遠慮に俺へと押し寄せ、また、古泉とケンカじみたもんまでやっちまったがために、俺も閉鎖空間を作り出してしまいそうだと思わんばかりのグレーな気持ちで帰宅することとなった。  帰ってからの俺の気分はハッキリ言って北校に入学して以来最悪な状態を記録していたが、やっぱりトンデモ空間などは発生していなかったようなので、つくづく自分は普通の普遍的一般的男子高校生だと思い知る。  しかし普通の高校生はそんなこと考えんだろうとも思い、そうやって俺は己の奇異さにも気づいたのである。  そして今朝の登校の際には、今度はブルーな気持ちを抱いていた。  一年前にも俺はこの長く続く坂道を憂鬱な気分で歩いていたが、それはこの理不尽に長い通学路に対し学生が交通費支給デモという意味不明な行動を起こし、そしてその理不尽な要求が通ってもおかしくないほど強制労働的であるがゆえだった。...
  • 名前変換夢小説
    ここは名前を変換して楽しむドリームな小説置場です。 <名前変換夢小説を読む手順> まずは飛ぶ ↓ スクリプトが出てきたら自分の名前や好きな名前を入力する ↓ ハルヒ世界のみんなとの世界を堪能しましょう web拍手を送る ・女体化キョン 直球、もしくは魔球キャッチボール  キョ、キョ、キョンさん、今なんと仰いました? 恋、雪、通学路にて  「最初に好き、って言ったのはどっちだった?」 「て を は に」  大切なのは選ぶこと。  ただそれだけで彼女に電話する。夜明け前。 ・涼宮ハルヒ 図書委員のススメ  なんでよりにもよってコイツなんかと。(図書委員) 続・図書委員のススメ  「あ、ほら。涼宮、図星だとふてくされる」(図書委員その2) カレーラーメンって売れますかね  「別にいいが理由を聴かせろ!」(図書委員その3) 幸せの定義って、響きだけだと三流ドラマ。  幸せは歩いてこない...
  • 涼宮ハルヒの情熱 第2章
    第2章 雨で中止になった第2回SOS団花見大会だが、ハルヒはそれほど不機嫌ではなかった それは今、俺の部屋で格闘ゲーム大会を催し、長門と決勝戦を繰り広げる様子や古泉の話からも明らかだ 「そこぉ!」 ハルヒの超必が決まり、決勝戦の幕が閉じる ハルヒが勝ったという結果を残して 長門はゲームをするのは初めてと言っていたが、慣れるにしたがってどんどんうまくなった それでもハルヒにはかなわない どうでもいいが古泉は最下位だった ボードゲームも弱いがコンピューターゲームも弱いらしい 「簡単すぎるわね、もっと難しいゲームはないの?」 ひとしきり優勝にはしゃいだあと勝ち誇ったようにハルヒが言った 「ソフトならそこの棚に入ってる。好きに選べ」 ハルヒがソフト探しに夢中になっている隙をみて俺は長門に耳打ちした 「この雨はいつやむかわかるか?」 すると長門も小声でこたえてくれた 「不明、ただしこの雨により桜の...
  • 月の微笑(佐々木×キョン)
         ――あの日、あなたは穏やかに眠っていた。そう、まるで悪い魔法使いに永遠に眠らされる呪いをかけられたかのように                         今思えば、呪いをかけた悪い魔法使いはあなたで、それを解いた王子様もあなただった――                                                                   ・四月  「命の螺旋」  ・五月  「チェックメイト」  ・六月  「やればできる」   ・七月    ・八月  「ヒドイ人」  ・九月  「おあいこ」  ・十月  「トリックオアトリートさ」  ・十一月 「ありがとう」  ・十二月 「お遊び忘年会」  ・一月  ・二月  ・三月       (このページは作品集です。読みたいタイトルをクリックしてください)
  • 乙女な神様と平凡少年の話
    ※これは『卑屈超能力者と傷心宇宙人の話』の続きですがどちらからでも読めます。 「ねえ、キョン」 授業の合間の休み時間、喧騒に包まれた教室。外はしとしとと雨が降り続き、暖房などないこの教室は寒々としていて、さらにその上湿気もある。少しは前触れを見せてくれたっていいのに、いきなり寒くなったせいで防寒対策などろくにできていない。寒い。 「なんだよ」 振り返ると、ハルヒは頬杖をつき、窓の向こうの景色から目線を外さずに言った。 「今日は寒いわね」 「そうだな」 ……そのまま沈黙。こいつまさか、それを言うためだけに話しかけたのか? 「雨、帰るまでに止まないかしら?」 「さあな。今んとこ止みそうにないが」 ハルヒはまだ視線を窓に固定していた。 「あたし、今日傘持ってくるの忘れちゃったのよ」 「そりゃあ災難だな」 するとハルヒはきっと前を向き、 「帰り、傘を貸しなさい」 と言って俺を睨みつけ...
  • 教科書文通10後編
    関連:お姉さんシリーズ、教科書文通シリーズ        効果音をつけるなら、まさしくしとしとと言うほどの雨が、文芸部部室の窓ガラスを伝っていく。 文芸部部室には、今現在、1人チェスボードに向う僕と沈黙を保ったまま活字の海に身を投じる長門さんしか居ない。 それは、ある一つの事件をきっかけに発生した、奇跡の様な機会。 彼女が待てといった雨の日に彼女と2人きり。  いつもの様に例え試験を明後日に控えようが槍が降ろうが参加を余儀なくされるSOS団の活動。 しかし、流石に受験の迫った3年生の朝比奈さんを試験前に拘束することは涼宮さんにも出来ないらしく、「試験が終わったら、絶対戻ってくるのよ!!」とまるで今生の別れの様に半泣きになりながら、朝比奈さんの長期(実際は1週間)のSOS団活動休止を許した。 朝比奈さんが居ないSOS団アジトは、なんと言うか、何かが違っていた。 強いて言うなら、お姉さんがお...
  • 涼宮ハルヒの自覚 「承」
    ハルヒが雨を降らせた2時間目の後も、奇妙な出来事は続いた。 何故かチョークが虹色になったり、校庭に突然小規模な竜巻が出現したり、何も無いとこで谷口がコケたり。 その度にクラスメイトが驚いたり笑ったりしていたが、ハルヒだけはただ静かに笑っているだけだった。 そして俺の疑念は、確信へと変わっていく。   ハルヒは完全に、自分の能力を自覚してやがる。   昼休み、俺はいつも一緒に飯を食う谷口と国木田に断りを入れた後、部室へとダッシュした。 こんな状況で頼れるのは、やっぱアイツだからな。   息をきらせながらドアを開けると、やはり居た。寡黙な宇宙人、長門有希。 しかし今日は長門だけでは無かった。古泉もいる。 その古泉はいつものニヤケ面を封印して、シリアスな顔つきで居た。 これだけでも、ただごとじゃないと理解できる。   「古泉、お前も来てたのか。」 「ええ。その様子を見るとあなたも既に気付いている...
  • 星色パノラマ プロローグ
    目次 あぁ、これは夢だって気付くときはたくさんあって   きっとこれも夢なんだなぁって今回も気付いたわけで   真っ黒な空の中でタッチできるほど近くにある星を   思うがままにのんびりと眺めていたわけでして   宇宙   きっと今俺はここにいる   だからこれは夢なんだ   現実ではありえない   たった36000km地球から離れただけ   それ以上も   それ以下もない   遠くで聞こえるはずのない   ブランコの音が聞こえる   俺は気にせず地球と月の間で宙返りをした つづく
  • 隠喩と悪夢と……
     あったかい。  痛い。  気持ちいい。  離れてく。  それは——。  気持ち悪い。  真っ先に感じたのは全身を包む湿り気だった。  胸が痛い。  心臓がその存在を誇示している。  脈打つそれは左の胸に、そんな当たり前を確認できるくらいに、早い。  そっと手を添える。  ……大丈夫、体の中で心臓が目立たなくなると、あたしはそう呟いて部屋を見渡した。  机の上の写真立て。見なくても目に浮かぶ、誰かさんの。  本棚。あー……、昨日の読みかけはどこにしまったかしら。  タンス。今日は学校だから、ちょっとくらいだらしない格好でも良いわよね。  枕元の携帯。あたしにしては可愛らしいハート型のストラップ。  雨音。不規則にゆったりと、大粒の雨が窓をノックしてるみたい。  あたし。  ……そう、何かとても酷い、でも悦ばしい夢を見ていたはず。  何だっけ、何だったのかしら。 「あぁ、もうっ!」  寝...
  • 題名付き・普通短編2
    ある晴れた休日(キョン&古泉) 「LOVE」 お客様は宇宙人 ドライブ セリフ九割で展開してみた~こいずみくんはガチじゃない~ エンドレス・エラー 蝉しぐれ Kへの挽歌 カミングアウト・パニック スマイル 台風の溜息 涼宮ハルヒの創世秘話 一万年と二千年前から キョンの評価 普通?の高校生の会話 長門さんはロッテに興味を持ったようです。 コーヒーシリーズ 機関の事情 酒乱女 前兆 キョンの子育て奮闘記 彼は団の緩衝材 『ビール×月見酒×オールスター球技大会ポロリもあるよ』(喜緑さん×生徒会長) 生徒会長の不良3人の倒し方 古泉一樹の苦笑 燃えろ!球技大会! やや黒古泉 切ない同窓会 白雪姫の真相 彼岸花……その花言葉は…… ちょっとみくる救済保守 ある曇った日のこと 無限輪舞 マッガーレで保守 古泉一樹のピロートーク もしくは、長門有希と古泉一樹の作戦会議 早すぎるリハーサル。 恋ってな...
  • Any day in the rain.
    必要なもの、必要の無いもの。     本。 必要なもの。 絆。 必要なもの。 時間。 必要なもの。 仲間。 必要なもの。     ――朝倉涼子、彼女はどうして消えてしまったの? わたしが消したから。 ――どうして? 暴走した、もうバックアップは無理。必要が無くなったから。 ――必要が無くなったから、消したの? そう。 ――どうして? 必要が、無くなったから。 ――本当に? そう。       涼宮ハルヒ。SOS団団長。自律進化の可能性、黄色いカチューシャ。   彼。SOS団団員その一。鍵、たいせつなひと。   古泉一樹。SOS団副団長。超能力者、笑顔。   朝比奈みくる。SOS団団員その三。未来人、胸。     わたし。 ――わたしは、なに?     「やっほー! みくる居るー? ってあれ? 長門っちだけ?」 鶴屋さん。SOS団名誉顧問。いつも元気の良い一つ上の先輩、八重歯。 「明日の掃除...
  • 教科書文通
    教科書系列は、古長SS教科書文通を中心とした同作者の関連作品になります。 SS内に捏造設定(古と橘が幼馴染等)や、オリジナルキャラの登場があります。 苦手な方は、ご注意下さい。 4年前~分裂時 「とある超能力者の動機」      9~10月  『お客様は宇宙人』『超能力者を訪ねて』                『教科書文通1/2/3/4/5/6/7/8/9/10(前/後)』                「お姉さんなのです(ハ/キ/長/古)」『待たせたな』         10月末   『Please wait for someday in the rain.』                 『水族館へ出発!』『水族館へ到着!』『水族館のその後に』            11~12月 『お待たせしました』「愛にあるのは真心、恋にあるのは下心」 以下、後日談            ...
  • おかえり、ただいま。
    雨が世界に降り注いだ 傘はどこかへ置いてきてしまった 学校だろうか 家だろうか そんな事は、もうどうでもよかった   振り返る、誰も居ない。 前を見る、誰も居ない。 いつか来た図書館の中を探してみても、居なかった。       「い か  とが  んのよ に  ひが   に」 と そんな風に考えていた   いつか? ずーっと昔? それとも、昨日のこと? 忘れたことさえ、忘れていた。 ただ、その。いつかの幸せな日々が ただただ、懐かしく思えた。     ◇◇◇◇◇◇       ハルヒの力が消え 古泉は事後処理に追われ、朝比奈さんは未来へと帰った。 俺は一般人であるが故に一般人的な普通の生活へと戻りつつあった。 ハルヒは相変わらずで、能力が消えても、ハルヒはハルヒ、元気なのは変わりが無い。 朝比奈さんは丁度卒業と同時に遠くへ行ってしまったという事になったし、古泉は受験勉強で忙し...
  • 最終章『ただいまっ!』
    最終章『ただいまっ!』        冷たい雨の雫があたしの身体から体温と血の気を奪っていく。  この雨じゃベガとアルタイルのラブシーンも一年繰り越しになりそうね。 「キョン、ただいま」  右手には黒い傘。  左手には白い花。  日本の伝統に沿った墓参りルックで、墓石に話しかけた。        あの悪夢のような世界から生還を果たした後、あたしはキョンのアパートで目を覚ました。  悪夢だけに夢オチなんて都合の良い展開を期待していなかったと言えば嘘になる。  だが、そんな陳腐でチープな映画のエンドロール流されるようなありきたりな三流ハッピーエンドへの期待は、目が覚めて三秒で崩れ落ちた。    キョンは硬く冷たいフローリングの木目の上で、しっかりと「死んでいた」。    判決は裁判官と裁判員、満場一致で当然有罪。  ま、ここまで来たら逃げも隠れもしないわよ。あたしについた国選弁護士の忠告には耳...
  • キョン無題2
    ある日、何時ものように長門と二人で部室に居たら…   長門「……好き。」   キョン「へ?」   長門「………。」   キョン「え…ちょっ…エェ…!?」   長門「………。」 黙々とページをめくる長門。 …幻聴か? 長門「幻聴…じゃない。」またとんでもない爆弾を落とす長門。   キョン「へ…!?」   キョン「ちょ…ど、どして?」   長門「………。」 黙ったまま本に眼を向けてる長門。   キョン「お、おい…長門…?」 長門は静かに立ち上がり、読んでた本を俺に手渡す。 タイトルは…小恥ずかしくて口には出せない。恋愛小説だ。   長門「…読んで。」 そう言って部室を去る長門。俺はその場に立ち尽くした…。   その後、俺はどうやって家に帰ったか覚えてない。 いつの間にかベットで仰向けになって呆けていた。 お袋が夕飯が出来たと呼ぶが食う気になれない。 俺は一言いらないと告げ、また仰向けになって呆...
  • 少女達の放課後
    私は今、鶴屋さんの家にお邪魔させてもらっている。 なんでかって?今日はセールやってるお店が多かったからSOS団の活動は休みにして みくるちゃん達と買い物に行ったの。 それでその帰りに鶴屋さんの家に来て色々と話してるわけ。 ちなみに居るのは鶴屋さん、みくるちゃん、有希、私。 そして話題は… 「それでみくるその後どうしたの?」 「もちろん断りましたよ。知らない人だったし…。 そ、それより鶴屋さんはどうなんですか?」 告白したとかされたとかっていう話。 でもここにいる四人は告白されたことしかないみたいだけど。 「断ったよー。いくら優しそうな人でも知らない人とは付き合えないさ。 ハルにゃんはどうなんだい?中学生の時色んな人と付き合ったって聞いたけど」 アホ谷口ね。鶴屋さんに何喋ってんのよあいつ。 「別に。全員普通過ぎてつまらなかったわ。」 「高校に入ってから気になる人とかいなんですかぁ?」 みくる...
  • 水族館へ出発!
     教科書文通の続編・Please wait for someday in the rainの続きになります。 ―――――――――――――――――――――  正直言って寝れなかった。あの雨の日以来、僕の心臓はおかしい。あの雨の日、僕が長門さんに胸の内を伝えた日だ。 あの日以来、僕は長門さんの目を見ることが出来なかった。彼女は僕の告白に頷いただけで明確な答えはまだだ。 拒否されたらどうしよう。そんなことばかりが頭をよぎり、必要以上の彼女との接触を避けていた。 だが、いつまでもそうしているわけにも行かない。僕は悩んでいた。  そんな時、僕の目に飛び込んできたのが、同県の海水浴場で有名な町の海沿いにある海浜水族園のポスターだった。 そのポスターを見て、まっさきに浮かんだのが氷像のスナメリを見上げる長門さんの横顔であったことは説明するまでもない。 彼女は、もしやするとイルカが好きなのかもしれない...
  • 長編・古泉一樹
    古泉一樹無題1 ウィザード オブ サムデイ ウィザード オブ レニーデイ 古泉一樹 EP.0 古泉一樹 EP.0.5 墓地にて 晴れのち快晴 ある日の出来事 古泉一樹の結婚 頼れる副団長 絶望の世界 古泉一樹の独白 古泉崩壊 本音 GUN SURVIVAR 古泉一樹の青春 会心の一手 落し物、拾い物 変わらない チェンジ・マイ・ヒーロー 自分の居場所 古泉くんと鶴屋さん さよなら 内緒の最初 涼宮暗殺指令 雪の日 古泉一樹の出会い 不眠症候群 花嫁修行危機一髪 閉鎖空間記 キミがキミで居られるように 世界の反対側 選択肢の無い世界で スノウマーチ 月光 一樹ちゃん☆スマイル 女古泉 ちゃん の憂鬱 四月の雪 キャッチボールwith古泉球 一樹くんに女神の祝福を! 温泉と札幌 前髪に揺れる四ツ葉ふたつ 雪解けの想い もりのこいずみくん 戦士達の休日 【K.B.F.】 秘密の音色 若葉の...
  • 普通短編40
    「もう冬だな、長門。」 「・・・冬」 「寒いな・・・」 「・・・寒い」 「けど、それがいい。」 「・・・いい」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 古泉「オチはありません。ですがそれがいいのです」   長門「……」カチャカチャ キョン「……なあ長門」 長門「なに」モグモグ キョン「うまいか?」 長門「カレーは私の大好物。おいしくないはずがない」モフモフ キョン「そうか……」 長門「そう」カチャカチャ キョン「なあ長門」 長門「なに」モクモク キョン「それ、ハヤシライスだ」     キョン「なあ長門」 長門「なに」カチャカチャ キョン「おまえってカレー食ってるときは本当に幸せそうだな」 長門「……そう」モフモフ キョン「なあ長門」 長門「なに」モグモグ キョン「そのカレーの感想、聞かせてくれないか?」 長門「……」ピタッ キョン「あ、いや、無理しなくていい...
  • 長編・長門有希
      長門有希無題 長門有希無題2 長門有希無題3 長門有希無題4 長門有希のうっかり 長門有希の奇妙な冒険 【鍵の消失】 消失長門いじめ 長門有希の退屈 長門有希の憂鬱 カーディガン 地獄少女 笑顔を見せて それがあなたの望み? 長門有希のきまぐれ どんでん返し 【Lost My Name】 長門消失 にゃがとさん 長門有希の深淵 ナガト~彼方から来た天才~ *麻雀ものです 消失世界 リスペクト・ザ・ハイテンションユッキー ユキは好き? 長門と猫 よっこらせっと 長門平手打ち編 消失版 長門有希の感情 ハイテンションユッキー【黒版】 ミステリックサイン保管ネタ お茶 こころここにあらず 『長門有希の遅刻』 涼宮ハルヒの別れ 長門有希の誕生 長門有希の看病 長門有希の情報操作/長門有希のコンタクト オーディナリ ホリデー ミステリック・サイン後日談 やる気のない長門有希 望まれた世界 最終...
  • 涼宮ハルヒの本心-第三章-
    今までにも、谷口にはいろいろとおかしな事を言われていた。 「お前には涼宮がいるんだろ?」とかな。 しかし・・・・ハルヒが俺のことをなんてよく言ったものだ。 有り得ん。地球が逆回転を始めようが、天地が逆転したところで有り得ない話だ。 俺は単なる団員その一にすぎない・・・いや、「その他雑用係」のような扱いすら受けているのだ。 ハルヒが俺のことを好いてるんだとしたら、もう少し優しくしてくれてもいいじゃないか。 せっかくの休日だというのに野球大会に参加させられたり、孤島までひっぱりだされたり、 荷物持ちさせられたり奢らされたり、冬の雨の日に駅二つはなれた電気街までおつかいさせられたりしたんだ。 こんなことさせるか? 普通。いや、あいつに普通とか日常やらを求めること自体愚かだということは理解しているが。 「有り得ないと思うぞ、谷口」 という俺の反論を谷口は否定する。 「いやぁ、何も無いって方が...
  • サムデイ・イン・ザ・レイン(While Kyon was sleeping)
    「たっだいまー!!」   部室の扉を開けると、中で読書をしてた有希がゆっくり顔をこっちに向ける。 相変わらずの無表情だけど、それが有希の、おかえりなさいの合図。 中をよく見たら、キョンもいるじゃないの。・・・って   「あれ?キョン?・・・寝てるの?」   北高女子生徒用のカーディガンを羽織り(あ、足元に電気ストーブ。早速自分で使ってるわね)、 長机の上に両腕を枕代わりにして、寝息を立ててる。 さっき有希を見た時違和感を感じたと思ったら、これだったのか。   「カーディガン貸してあげたの?キョンなんかに優しくしちゃだめよ、有希」   有希は目線を本に向けたまま、何も言わなかった。   目線をキョンに戻す。授業中寝てる時の後ろ姿そのまんまね。 それにしても孤島に行った時もそうだったけど、コイツけっこうすぐ寝るわよね、どこででも。 おまけに団長であるあたしが帰ってきたのに、寝たままなんていい度...
  • アル雨ノ日ノコト
    「いつまで続くんだよ…」 俺はいつもの部室で、ぼんやりと空を眺めていた。 ありふれた風景のはずなのに、ありふれた日常は消えていた。 ほかのSOS団員は何をしているんだ? 窓の外はバシャバシャと音を立てて、雲の涙のように液体が降り注いでいる。 あいつらは、この雨にまぎれて…地面に落ちて…蒸発してしまったのだろうか? 長門、朝比奈さん、古泉、それに…ハルヒ。 ――――誰も、やってこない。 放課後の楽しみ、そんなものが、ここには詰まっていたのに。 先週の水曜日から、揃って学校に来ない4人。ちょうど一週間が経つ。 なぜ?なぜだ?このまま退学して、自宅警備員として生きるつもりか? 俺は、今日の部活動が終わったら何をしようか、と考えていた。 だけど、思いつかないものは思いつかない。 今日はまだ水曜だ。土曜になっても誰も来なかったら、 長門の家にでも行こう。あいつなら、何か知っているはずだ。 そし...
  • 余ったピース・足りない欠片3
    【余ったピース】   昨晩あんなに月が綺麗にでていたのに、今日は朝からどんよりした曇り空、天気予報では 午後から雨になるそうだ。   あいつにどんな顔して会えばいいだろう 昨日のことどう切り出そうと思っているうちにあいつがやってきた   「ハルヒ 今日の部活なんだけどな」   なに、ひょっとして怒ってるの   「妹の奴が昨日から風邪ひいちまってな、家にいてやりたいんだ、申し訳ないけど欠席って ことでいいかな」   「妹ちゃん、風邪なの、放課後とはいわずに、こんなことに居ないで、傍にいてあげれば いいじゃないの」   「こんなことってのもないだろ、授業まで休んで看病するほどじゃなし、午前中は親もいる、 こっちまで休むんじゃ、あいつもかえって気をつかうそうだ」   なにいってんの、兄妹そろってへそ曲がりね、素直にいてあげればいいのに   「あ、そうだ、昨日鶴屋さんに会ってな、今年のクリパ宜しく...
  • 長門有希の報告Report.23
    Report.23 長門有希の憂鬱 その12 ~涼宮ハルヒの手記(後編)~  前回に引き続き、観測対象が綴った文書から報告する。 (朝倉涼子の幻影I)  最近、朝倉が出てくる夢を見る。  最初は変な空間だった。 「ようこそ、涼宮さん。ここはわたしの情報制御下にある。」  朝倉は、意味不明なことを宣言した。と思ったら、おもむろにごっつい軍用ナイフを取り出した。そして、あたしに向けてナイフを構えた。 「ちょ、ちょっと! 何の冗談よ、それ!? 面白くないし笑えないって!」  朝倉はあたしの呼び掛けを完全に無視すると、一直線にあたしを刺してきた。 「……っ!」  あたしは紙一重で、朝倉の攻撃をかわした。 「性質の悪い冗談はやめて! 玩具でも危ないって!」  あたしは叫びながら、あたしを掠めていった朝倉に向き直った。  ……ナニ、コレ。  朝倉のナイフが、何もない空間に突き刺さっているように...
  • ONE DAY ON THE SNOW ~ある日雪の上で~
    二月も中盤にさしかかり、いっそう寒くなってくるころだ。 うっとしいだけの雨よりも、その気になれば遊び道具にできる雪が降って欲しいというやつにはいいだろうが、 俺は雪だけでもあまりうれしくはないのだ。雪だけくればいいが、寒さまで来るのはいやなんだよ。 まぁ、そんなことを言っても仕方はないのは分かっている。 シベリア寒気団の連中に何をいっても、進路を変えてくれたりはしないんだからさ。 そんな感じのことを考えながらすごしたつまらない現国の時間も終わり、放課後になった。 今日もSOS団アジトと化した文芸部室に足を運ぶ。 もうすっかり習慣づいてしまったものだな。 他にすることなんぞ無いから・・・いや、あったとしても、それらをほったらかして来るだろうな。 あの場所は、俺にとっては結構心落ち着く場所なのさ。 朝比奈さんの着替えを覗いてしまわないように、扉をノックしてから部室に入った。 既に、朝比奈さん・...
  • 涼宮ハルヒの天気予報
    いつものようにSOS団アジト唯一のドアはまるでSAT隊員に突入されるような勢いで開け放たれた。 もちろん蹴破ったのは我が団長様であり、他の団員はそんなことしないのである。 ハルヒはなにやら不機嫌な様子で団長席にあぐらをかいて座り、朝比奈さんに 「お茶!」 と、企業の上司が部下に使うような言葉遣いで命令を下した。 おおかた不機嫌なのは今日がやけに寒いからか、雨だからだろう。 それでも俺はこのピリピリした空気の緩和剤となるべく、ハルヒに声をかけた。 「おいハルヒ、今日はやけに不機嫌じゃないか、なにかあったのか?」 ハルヒは俺をキッと睨み、つばが飛んでくるような大声で 「外見なさい外!」 俺はこの雨は朝からだったので別段気にしていないが、 頭の中が年中からっ晴れはこの女には癪なことなのかもしれん。 「雨だな」 当然の感想なわけだが、ハルヒはなにやら呆れたようだ。 ふぃーっとため息をついて、こっち...
  • 有希、無音、教室にて。
    冬休みも明けて、数週間が経った。 実力テストという忌ま忌ましい魔物から命からがら逃れた俺は、久々に平凡なる毎日を送っていた。 今日という日も、その例外に漏れずこれといった事件や異変などは起こらなかった。 空はすっかり夕時にさしかかっていて、少し積もった雪が茜色に染まっている。 あの急な坂道をここから上りきったら、赤い屋根が目印の我が家に到着するであろう。 ほとんど淀みない動作で靴箱から靴を取り出す俺の足元に、一通の手紙が落ちてきた。 「  今日の放課後 1年5組教室にて待つ                     長門有希  」 特徴のない、機械的な文字でそれは書かれていた。 ……おかしい。いつもの長門なら、まずこんなことはしないだろう。 4月のあの日のように、あいつは本に挟んだ栞を使うはずだからだ。 といって、ほかに誰がこの手紙を書いたのかと問われると、とんと考え付かない。 以前朝倉...
  • 長編・その他3
    SOS団お天気シリーズ 国木田の・・・ 涼宮ハルヒのストリートファイター 梅雨空に舞う雪 本名不詳な彼ら in 甘味処 沈黙の日 国木田の憂鬱 原付免許 クロトス星域会戦記(銀河英雄伝説クロスオーバー) 分裂、或いはSのモノドラマ(佐々木×キョン) セーラー服とメイドさん ユ・ビ・レ・ス Missing you関連 涼宮ハルヒの奇妙な冒険 ドラえもんとハルヒの鏡面世界(仮) (ハルヒ×ドラえもん) Macross Cross (MacrossF x 涼宮ハルヒ) 宇宙人は情報羊の夢を見るか? プロローグ ピノキオ 月の微笑シリーズ(佐々木×キョン) ランキング by.キョン(佐々木視点、オール物) お隣さんはすごいヒト 空と君とのあいだには 消失異聞 切り札と悪魔 谷口のTOT団 涼宮ハルヒの誰時 朝倉ルート 雷の夜のこと Live A Cat~シャミセンさんシリーズ~ 台風一過のハレの日...
  • ハルヒVSミヨキチ
    それはとある日曜日の朝のこと ハルヒに用事があるとのことで町内不思議探索は中止となり 布団に包まって気が済むまで寝ようとしていると携帯が鳴った ハルヒか?と思ってディスプレイを除いてみたが電話番号が表示されるだけで名前がない つまり電話帳に登録していない奴から電話がかかってきたと言うわけだな すでに5秒ぐらい着メロが鳴り続けているからワン切りでも無さそうだ これ以上鳴らして相手に迷惑をかける訳にもいかんだろう、間違いだったらその旨を伝えればいいだけだしな 「あ、もしもしキョンさんですか」 通話ボタンを押すと女の声が聞こえてきた 俺のあだ名を知ってると言うことは少なくとも間違い電話ではないと言うことだな もしこれで間違いだったらそのキョンとあだ名を付けられたやつに同情しよう 「え~っと失礼ですがどちら様で?」 「あ、ごめんなさい私は吉村美代子です」 思い出した、妹とは同級生だがとても同じとは...
  • 普通の短編置場
    ここには普通の日常系とかのSSを置いてください。   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75   【題名付き・短編保管庫】 1 2   小説 Please tell a final lie こわれてしまった少女のはなし 五月の風、ふぁいなる 艦長ハルヒ保守 寝ぐせ byキョン 長門有希のカラオケ 谷口と国木田の恋 長門有希の密度 ある日の活動 スタンド・バイ・ミー うちゅうせんそう ...
  • にわか雨の訪問者
    夏休み直前、すでに夏は準備万端のようで、午前中から 気温はうなぎのぼり、午後になりおなじみSOS団の部室こと この文芸部室にはSOS団のいつものメンバーがあつまり、 いつものようにバラバラにうだるような暑さのなか 活動とやらにいそしんでいた さて、夏の風物詩である夕立の降るメカニズムをご存知だろうか、 夏の照りつけられる太陽の元、地上付近の空気中の水分は(以下略) 夕立と伴にそいつはSOS団へやってきた 【にわか雨の訪問者】 「おや、降り始めたようですね」 古泉のとぼけた声に反応して、ハルヒの背後にある窓からそとを 覗くまでのなく、バラバラという派手な音をたてて雨が降り出した 「通り雨でしょう、これで少しでも涼しくなればよいんですが」 古泉の台詞を聞き流しつつ、吹き込んでくる勢いの雨で室内が 濡れそうなので、窓を閉めに行こうとした その時にそいつは室内に飛び込んできた 「なんだ」...
  • Think of K
    情緒不安定 歩くテポドン それが去年までのあたしの代名詞だった。 失礼しちゃうわね。と言いたいところだけど真実なのが悲しいわね。 ついた溜め息が真っ白な湯気となって消えた。   一年前にさよならした部室は当然のように元のあるべき姿に戻っていた。 なんの変哲も無い、只の文芸部室。 棚の中を覗き込むと有希が読んでいたあの分厚い何だかよく分からない本が置いてあった。 手に取るとずっしりと重い。 あの華奢な身体には不釣り合いだろう。けどそれが普通だった。 ふと窓際を見やってもかの無口少女はいない。 ……それが普通なのだ。   今のあたしを彼等が見たら何と言うだろうか。 古泉くんは「らしくないとは思いますが」なんて言うかしら。 けど彼の事だ。それも素敵ですと微笑んでくれるだろう。 みくるちゃん、はそうね。 戸惑うに決まっているわ。もしかしたら泣き出してしまうかもしれない。 有希……は、無言かしら。...
  • 夜行性の超能力者とインターフェイスのブギー
    ※このSSは「I don t choose, but decide.」の後日談的SSです※ 「……ではここに、おや?」 「わたしの勝ち」 「参りましたね、ダブルリーチでしたか」 「……そう。ダブルリーチだった」 何をしているかと言うと、えぇとこれは何て言うんだろう?立体五目ならべのようなゲームだ。どこでかと言うと、長門さんのマンション。 カレーパーティーのあとすることがないので僕が持参したこれをやっていたのだけど、長門さんが強すぎる。 ……あの一件で僕達はお互いの間に残っていた壁-薄皮と言ってもいいかもしれない-を破り、彼いわく『本当の仲間』になった。 思ったよりすんなり涼宮さんが僕達の告白を信じ、受け入れてくれたのには少し驚いた。数々の証拠と過去の例があったから当然と言えば当然かもしれないけれど。 そう考えると彼の方こそよく信じてくれたなぁ。あんなに唐突だったのに……。北高の木製の...
  • 「大雨」
     夏の終わり、在庫の雨を秋まで残すのが嫌だったのかね?   夕立ちを避けて本屋の軒下へと駆け込んだ俺は、盛大に濡れてしまった服のせいで店内に入る気にもならず かといってここに居てもどうにもならないという状況で何故か半笑いだった。  幼い頃、大雨や台風が来た時に妙にテンションが高くなった経験ってのは無いかい? 高校生にもなって 雨の中走り回る事はできやしないが多少気分が高揚するってのは否定しようもないね。 「いーやっほー!」  ……なんだ? 今通りの先から聞こえたのは聞き覚えのある声だったような気がする。  どうする? 俺がいる本屋脇道のないアーケードにある。このままここに居れば恐らくそいつは目の前を通る 事になるだろう。  留まるべきか、引くべきか……迷うことはない、引こう。留まる事で事態が好転するとは到底思えない。  俺は冷たい体を気にしつつも店内へと逃げ込んだ。  間一髪って奴だろうか...
  • ポニーテールの秘密・プロローグ
    プロローグ    高校2年の足音が春休みの終わりを告げに来る頃、俺は制服姿でハイキングコース級の坂を登っていた。春休みなのに何故制服姿なのか。学生の方なら解って頂けるだろう。  今日は3月31日、離任式というヤツである。  長期連休に入って平穏モードになっていた━━━つい先日、キテレツな出来事はあったのだが、それはまたの機会に話すとしよう━━━俺の体にはハードルが高いようで、少し息が上がる。  「やれやれ・・・」  このセリフもそろそろ俺の専売特許じゃないのか?━━━なんてくだらない疑問が浮かび上がるくらい呟いているこの言葉も、12月のあの日以来だいぶ意味が変わっている。が、今日は元気印健康優良女にとやかく言われるのかと思うと、呟きたくもなるのさ。  そう。元気なはずの涼宮ハルヒに。  教室に着くと、久しぶりの再会を喜ぶクラスメート達に混じらず、1人不機嫌そうな顔で窓の外を眺めてい...
  • 15498のはじめの1
     彼女の部屋はいつも暗い。 部屋が暗いのは、彼女は人間でないから電気の光を必要としなくても支障なく生活出来るからだ。  その部屋に電気を付ける必要があるのは、人間である『彼ら』が訪れに来た時だけだ。    …その日も彼女は暗い部屋の窓を眺めていた   ―― 夏休みも早いもので残り2週間。 我らが団長様は憂い無き夏休みにしようと、たかが2週間では到底消化出来そうもない課題を立てやがった。 事は、市民プール直後の、俺奢りの喫茶店にて…… 意味もなく張り切るハルヒはA4サイズの紙にこれからの予定を、それはもうびっしりと書き綴った。   「私は金魚すくいがしたいです~」 朝比奈さんは可愛いらしくハルヒに希望する。 金魚すくいなどあの方らしい可愛いらしい提案だ。 ぜひとも俺もその場に居合わせたいね。 しかしながら出来ればこれ以上課題を増やしてもらいたくないのも本音ではある。   課題を終えずに夏休み...
  • 『lakeside love story』 4日目
    『lakeside love story』   《4日目》     「………起きて。」 誰だよ、まだねみぃ。 「早く起きて。」 あと……10分だけ頼む。 「………………ガブッ」 ……いてぇ。 長門だったのか、おはよう。 「……ほはひょふ(おはよう)。」 とりあえず顔洗うから噛み付きをやめてくれ。 「………そう。」 いい加減慣れてきたな、嬉しくないが。     朝飯を食い終わるかどうかの時間に異変が起こった。 ……ザーザー 「この音……まさか雨なの?」 ハルヒが顔をしかめて言った。 「昨日はきれいに月が見えていたんですがねぇ……。」     古泉は肩をすくめ、珍しく本当に困ったような顔をして言っていた。 二人とも落ち着け。 しょうがない、天気ってのは人間の力じゃいじれないんだからな。 「でも……あと少しで合宿終わっちゃうのよ!?キョン!あんたはこれで終わっていいのっ!?」 正直、このままなら...
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