涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「犬を飼ってみた喜緑さん」で検索した結果

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  • 犬を飼ってみた喜緑さん
    喜緑「はぁ」 会長「どうした?」 喜緑「昨日捨て犬を拾ったんですけどうちのマンションペット禁止なんです」 会長「ほう・・・うちで飼おうか?」 喜緑「いいんですか?」 会長「ああ、ちなみに種類は?」 喜緑「ボルゾイです」 会長「で、でかいな・・・」 喜緑「だめなんですか?」 会長「いや・・・一つ条件がある」 喜緑「なんでしょう」 会長「週に一回でいいから一緒に散歩にいこう」 喜緑「・・・・仕方ないですね」 喜緑(今日はプー(犬の名前)の散歩のために会長の家にきました・・・まったく人間の分際でわたしを呼び出すとはいい度胸です) [ピンポーン] 会長「おおいらっしゃい、さあ上がりたまえ」 喜緑「今日はプーの散歩に行くために来ただけですから」 会長「そのプーなんだがまだ寝ているんだ。寝顔を見たくはないか?」 喜緑「・・・見たいです」 会長「どうだ?可愛いだろう」 喜緑「わぁ、可愛いですね」 会...
  • 題名付き・あま~い短編
    ...2 喜緑さんその1 犬を飼ってみた喜緑さん アホな会長さん Sな喜緑さん 森園生の電子手紙(森さんと国木田) 霊なのか夢なのか 霊なのか夢なのか現実なのか あついたたかい キョンの病欠 涼宮ハルヒの病欠 絆創膏(ハルキョン) 柔い痛みに絆創膏 待たせたな。 お待たせしました。 有希化粧 きみろりさん 素直になれたら ハカセ君の愛妻 時々夏、ところにより冬。そして… 涼宮ハルヒの回転式機関砲 (ハルキョン) キョンの欲望 (ハルキョン微エロ) ハルヒが顔に怪我しちゃった保守 月曜日 ハロウィンという名の 筆談騒動 新川さんちで晩ご飯 義務=権利? 落葉樹 キョンとハルヒの入院生活 キョンとハルヒの事実婚生活 初冬の月夜 キョンフィルター強制解除 一足遅いクリスマス 初詣で初冗談 未熟なフタリ カッターの刃と鮮血の呪い She loves him. バレンタインイブ 夢の中なら 想い出の...
  • 喜緑さん
    会長「暇だな」 喜緑「暇ですね」 会長「暇だ」 喜緑「暇です」 会長「今日は暇か?一緒にどこか」 喜緑「忙しいです」 会長「そうか・・・暇だな」 喜緑「暇ですね」   会長「お茶をくれないか?」 喜緑「自分でやってください」 会長「あ、ああ・・・(今日の喜緑くんは冷たいな) 喜緑「ついでにわたしの分も煎れてもらえますか?」 会長「あ、ああ(・・・) 喜緑「ありがとうございます、ゴクリ゙・・・不味いですね」 会長「あ、ああすまない。ところでさっきから何を作ってるんだ?」 喜緑「なんだっていいじゃないですか」 会長「あ、ああそうだな(冷たい・・・なにがあったんだ・・・いつもの俺の喜緑くんに戻っておくれ!) 喜緑「それから、集中できないので話しかけないでもらえますか?」 会長「わかった(・・・もう駄目だ・・・心が折れちまった、今日はひたすらに黙って下校時刻を待とう) [キーンコーンカーンコーン...
  • 喜緑さんのお料理教室
    「少し、お時間を拝借してもよろしいでしょうか?」   と、昼休みの教室でマンガ雑誌のページを漫然とめくっていたオレに、えらく丁寧な口 調で話しかけてくる声があった。 少なくとも、オレの近しい友人知人関係で「おまえはどこのお嬢様だ?」とツッコミた くなる話し方をするヤツはいない。なので、声を聞いただけでは誰なのかわからなかった。 顔を上げると、そこには……見知った顔ではあるが、友人とは言えない人物が悠然と微 笑んで立っている。声をかける相手を間違えているんじゃないかと思い、周囲をきょろき ょろ見渡したが、間違いなくオレに話しかけているようだ。   「ええっと……オレ、ですよね?」 「左様でございます。大変心苦しいのですが、諸事情に明るく、ご自身の利益抜きに行動 していただけるのはあなただけ……と思い至ったもので」 「はぁ……」   回りくどい物言いは、この人のデフォなんだろう。オレは気が短い...
  • 喜緑さんと家事と旅行
    長門「おかわり」 朝倉「あ、私も」 喜緑「その前に、いつもご飯作ってあげてるのに感想の一つもないの?おいしいとか」 朝倉「そんなこと言ったって今日のカレーってレトルトでしょ?」 喜緑「まあそうなんだけどね…」 長門「……」 朝倉「……」 喜緑「……」 長門「ごちそうさま」 喜緑「ちょっと。食器ぐらい片付けなさいよ」 長門「7時に待ち合わせをしている。あなたに任せる」 喜緑「こら、待ちなs」 バタン 朝倉「……」 喜緑「…男かしらね?」 朝倉「知らないわよそんなこと。ごちそうさま」 喜緑「ちょっと、片付け手伝いなさいよ」 朝倉「いいじゃない、ついでにやってくれたって」 バタン   喜緑「反抗期ね……」   ――次の日   朝・長「ごちそうさま」 喜緑「ちょっと二人とも。昨日は私がやったんだから今日は二人で片付けなさいよ」 長門「……」 朝倉「……」 喜緑「……」   長・朝「皿、スプーン...
  • 喜緑さんその2
    喜緑「会長、タバコは少し控えたほうがいいと思います」 会長「な!?どうしてわかったんだ?ファブリーズしたのに・・」 [バリバリバリ] 会長「お、お前は!?」 ??「わたしは、コスの天使!!あと月の戦士!!あと、あと・・」 会長「思いつかないならもういい、あまり無理するな喜緑くん」 喜緑「・・・うるさいうるさいうるさい」 喜緑「最近わたしのことデコだのワカメだのいってる人がいるみたいですけど       わたしが本気をだしたらこんな星すぐに潰せるんですよ?一回本気出しましょうか?」 会長「どうした喜緑君、なにかあったのか?」 喜緑「いえ、先日コンサートにいったんですけど、ふざけたガンダムオタクのせいで時間がなくて、    なんのために行ったのかわからないまま帰らされたんです」 会長「それじゃあ俺だけのために歌ってくれるか?」 喜緑「198000円になります」 会長「カードで」 喜緑「ほら...
  • がんばれ、生徒会の喜緑さん!
    がんばれ、生徒会の喜緑さん!1 がんばれ、生徒会の喜緑さん!2
  • がんばれ、生徒会の喜緑さん!1
    Q.ファスナーとジッパーはどっちがチャックなんですか?    同じだろ!(チャックマン)         A.ファスナーとジャッパーとは、この場合、衣類等についているものを指すのでしょうか?         (それとも人物名か何かですか・・・?)     推測の域は出ませんが、ファスナーは正式にはスライドファスナー(Slide Fastener)という英国式名称で一般名詞。 ジッパーはZipperまたはZip Fastenerと呼ばれ、もともと米国式の呼び方でこれも一般名詞。どちらも同じものと思われます。     ちなみに、チャックは英語のChuckとは関係なく、巾着(きんちゃく)をもじってできた日本の一般名詞です。(喜緑)         Q.あのーエターナルフォースブリザードの威力はどの程度か教えてください!(パソ君)         A.一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる。   ...
  • 喜緑さんその3
    喜緑「そういえば明日はホワイトデーですね」 会長「ほう、喜緑君があんな俗っぽいものの話をするなんて意外だな」 喜緑「・・・なんでもありません」   翌日 会長「今日は生徒会は休みにする、解散」 喜緑「はぁ」 会長「喜緑君、たまには一緒に帰らないか?」 喜緑「・・・別にいいですよ」 会長「これを」 喜緑「え?」 会長「まあなんだ、ホワイトデーなど知らんが一応お返しにな」 喜緑「・・・ありがとうございます」 会長「開けていいぞ」  [ガサガサ] 喜緑「バレッタ?」 会長「ああ、君の綺麗な髪に合うのを探すのは苦労したんだぞ?」 喜緑「・・・ありがとうございます」 会長「さっき聞いたぞ」 喜緑「いいじゃないですか」 会長「そうだな」 喜緑「これどうですか?」 長門「・・・似合ってる」 喜緑「ふふふっありがとう、長門さんも髪型変えてみたらどうですか?」 長門「こう?」 喜緑「うん、いいですね。...
  • 喜緑さんinハワイ
    会長「時に喜緑くん」 喜緑「なんでしょう会長」 会長「宝くじが当たったらどうする?」 喜緑「換金します」 会長「そうじゃなくて、当選金を何に使うかと訊いてるんだ」 喜緑「そうですね、一番金利のいいところに貯金します」 会長「堅実だな」 喜緑「じゃあ会長は何に使うんですか?」 会長「そうだな、どうしようか」 喜緑「わたしに訊かれても」 会長「今一番何がしたい?」 喜緑「なんですか急に」 会長「いいから」 喜緑「そうですね、ハワイ旅行なんてどうでしょうか」 会長「どうしてまた?」 喜緑「夏休みにハワイなんていかにも人間らしくていいじゃないですか」 会長「理由がよくわからんな」 喜緑「人間ごときには無理です。で、当選金は何に使うんですか?」 会長「ハワイ旅行にでも行こうか」 喜緑「え?」 会長「もし当たったらハワイ旅行に行こうと言ったんだ」 喜緑「二人でですか?」 会長「あの二人を連れて行っても...
  • がんばれ、生徒会の喜緑さん!2
    Q 近頃ホモキャラがついてしまって困ります。普通に女子にだって好意を持っているのに… どうすればホモキャラを脱出できるでしょうか。(テトドン)     A.いわれなき中傷というのは、困ったものですよね。       しかし近年同性愛者は世間的にも認められつつあります。     ここは一つ、脱出などという悲観的考えではなく、     女子も男子も大丈夫という     懐の深いキャラクターを打ち出してみてはいかがでしょうか?     女性だけ、男性だけを好む方は多いですが、     両方、それも周りにまで認められたという方はあまりいません。     チャンスですよ。(喜緑)         Q.購買で素早くパンを買う方法を教えて下さい。(一応十代・後光輝く高一女子)       A.昼食時の購買は激戦区です。       かく言うわたしは、購買の戦いについていけずお弁当派です。     よっ...
  • Sな喜緑さん
    喜緑「あら?最近このスレでわたしの名前をよく見ますね」 会長「おい喜緑君、学校のパソコンで2ちゃんねるはどうかと思うぞ」 喜緑「いいじゃないですか、海外のエロサイトばっかり見てる誰かさんよりは」 会長「だ、誰のことかな?」 喜緑「とぼけるんですか?校長先生に言っちゃいますよ?」 会長「すまん!校長だけは!!校長だけは!!」 喜緑「それじゃ明日までに6630円持ってきてください」 会長「脅迫!?まあでもそれくらいなら、なにか買うのか?」 喜緑「am●zonでガンダム無双買うんです」 会長「ガ、ガンダム無双」      喜緑「会長、今時女の子を君付けで呼ぶのはどうなんでしょうね」 会長「じゃあなんて呼んだらいいんだ?」 喜緑「そうですねえ・・・喜緑様?」 会長「よ、喜んで」 喜緑「それじゃあ今度の全校集会で『書記は喜緑様です』となんの脈絡もなく言ってみまし       ょうか」 会長「人前で様...
  • 長門有希の報告Report.17
    Report.17 長門有希の憂鬱 その6 ~朝比奈みくるの報告(前編)~   件名:閉鎖空間式空間封鎖内における戦闘について  パーソナルネーム長門有希の要請を受けて、朝比奈みくるが観測経過を報告します。    空間封鎖された生徒会室。  ここ『長門有希消失緊急対策本部』では、「朝倉涼子を信用してほしい」という喜緑さんの要請にキョンくんが同意した後も、会議が続いていました。  その会議のさなか、喜緑さんが急に立ち上がりました。 「大規模な閉鎖空間を感知しました。同時に、涼宮ハルヒ、朝倉涼子両名の反応が消えました。」 「何ですと!?」  キョンくんも釣られて立ち上がりました。会議室が騒然とします。 「これは……」  見る見る喜緑さんの表情が困惑に変わりました。 「この閉鎖空間は、涼宮ハルヒの力によるものではありません。別口です。」 「その別口の正体、分かりまっか?」 【その別口の正体...
  • お姉ちゃんと一緒
     ある日のことだ。  SOS団の面子全員が俺の家で遊びまくっていたその一日、俺は籤引きにより長門を家に送っていくことになった。 「……わたしはあなた達が羨ましい」  歩く間中無言だった長門は、別れ際に唐突にそんなことを言い出した。 「は?」  長門に羨ましいと思われる心当たりなど一つも無いし、複数形だというのが余計に謎を深める。はて、あなた達とは俺と誰のことだ? 「あなたとあなたの妹」 「妹?」 「そう」 「何で妹、いや、俺と妹なんだ?」 「……兄弟姉妹といった人間同士の関係は、わたしには縁が無いもの」  長門は淡々と、しかしどこか寂しげな様子を纏いつつ答える。  そういや、長門は宇宙人製ヒューマノイドだからな。 「あー……」  さて、どう答えたものか。  長門が俺を羨ましがっているのは分かるんだが、俺はこういう時に有効に回答するスキルを持っていない。  俺の知り合いには天涯孤独なんて奴は...
  • 本名不詳な彼ら in 甘味処  その7
    「あら、お待たせしてしまいました?」 「いいや、我々もちょうど今し方、こちらに着いた所だ」  昼に俺と長門が、会長と喜緑さんにバッタリ出くわした路上で。今度は俺と会長が、図書館から戻ってきた長門と喜緑さんに出くわしたのは、それからしばらく後の事だった。  ちなみに伊達メガネを掛けた会長は何喰わぬ顔で受け答えているが、俺たちがここまで来るのに競歩並みのスピードでの慌ただしい行軍だったのは、一応秘密にしておこう。喜緑さんたちにはとうにお見通しかもしれないけれども。 「で、用件の方は済んだのかね?」 「ええ、長門さんのおかげでつつがなく」  それでも健気に横暴会長のペルソナを演じようとする先輩の質問に。喜緑さんは微笑みながら、脇に下げた小さなポシェットを撫ぜてみせた。 「ならば私からも礼を言っておこう。長門くん、キミの働きに感謝する」 「………いい」  遠目からでは視認できないほどの...
  • 喜緑江美里のハツコイ
    私は喜緑江美里。長門さんのバックアップ。 私は普通に生きたかった。たとえ生みの親が宇宙に居ても、対有機生命体だとしても、私は人間として生きていきたかった。 このところ生徒会ではSOS団の話で持ちきりだった。でも私は知っている。それは古泉さんのせいで会長が動いてることを。 長門さんの言うことを聞かずに私はこうしてここにいる。 初めてSOS団の皆さんと会ったのは長門さんのおかげだった。 あのとき、私は始めての気持ちになった。 彼を見ると胸が高鳴る。頬が染まるように熱くなる。その場で停止してしまう。 彼の本名は知らない。でも、涼宮さんたちはキョンと呼んでいるらしい。 私にとって彼は守らなければならない存在。でもこの気持ち。 インターフェースである私が?と疑問になることもある。 ずっと眺めているだけだったけど、彼を見ると心が弾んだ。 話掛けてみようかな、と思うこともある。けど、勇気がない。長門さん...
  • 長門有希の報告Report.18
    Report.18 長門有希の憂鬱 その7 ~朝比奈みくるの報告(後編)~  あたしの照準でたらめな『みくるビーム』は、それでも開戦を告げる合図にはなったようです。  あたしが視線を巡らせた辺りには、焦げ目の付いた人型が多数現れました。……自分で撃っといて何ですけど、すごい威力です。こんなものを無意識に撃てるよう改造しちゃうんだから、やっぱり涼宮さんはすごいとしか言いようがないです。  空中では、古泉くんの赤い軌跡が幾つもの緑色の軌跡と激しくぶつかり合っていました。あまりにも速過ぎて、目で追うのは無理です。  敵航空戦力はとりあえず古泉くんにまかせることとし、あたし達地上部隊は敵地上戦力を叩くことに集中します。戦法は、あたしと喜緑さんの砲撃で姿を表した近距離の敵を、キョンくんが短機関銃のフルオート射撃で片っ端から倒すだけ。単純明快です。 「弾切れせえへん銃って、ゲームに出てくる隠し武...
  • 幻惑小説 第六頁
       今朝の冷たい空気の中チャリで家まで帰り、お袋が用意する昼飯まで退屈な時間を与えられた俺は、はっと気付いて古泉に連絡を入れる。 「古泉、今時間取っていいか?」 『ええ、構いませんよ。』 「そっちはどうだ?」 『それが、かなり粘って交渉してみたのですが……上層部の方は首を縦に振ってくれませんでした。申し訳ないです。』 「気にするな、俺が頑張って来たからな。」 『というと?』 「天蓋領域のインターフェースの周防九曜と、お前らが敵対視している組織の橘京子と会ってきた。」 『……なんと。』 「周防九曜が言うには、長門は生きているらしい。この地球上とは隔離された空間で……って言ってたかな。」 『それは、確かなのでしょうか?』 「……ん……?」  言葉が詰まった。  そうだ、俺はすっかり信じ込んじまってる。天蓋領域の一派の話す言葉を全て信用している。確かにそれが真実である根拠はどこにもない。……だ...
  • 「涼宮ハルヒのビックリ」第四章α‐8 β‐8
    α‐8  「キョンくん、ただいま!」  玄関に入るや否や、妹がかけよってきた。おいおい、ただいまではなくて、おかえりなさいだろ。やっと小学校最上学年にもなってそんな調子でいいのか。こんな時にも、機関の関係者が俺たちを警備しているに違いない。俺の部屋に入ろうとする妹を退け、ベッドに飛び込んだ。なんだってんだ、SOS団に入団希望者が来てただ事ではない事件が起きようとしているのに、長門のあの言葉。  「キョンくん、ごはんだよ!」  悩んでも仕方ない。後で長門に電話するか。夕食を終えた後、部屋へと戻り、長門に電話することにした。  スリーコール待たされた後、  「・・・・・・・・・」  「長門、俺だ」  「・・・・・・・・・」  相変わらず無言の相手に、俺は続けた。  「今日のことなんだが、どういうことか説明してくれないか」  「あなたが九曜周防と呼称される...
  • 涼宮ハルヒと生徒会
    コンコン 「どうぞ。」 ガチャ   「失礼します。どうしたんですか?喜緑さん。」 「今日はちょっと涼宮さんについて試してみたいことがございまして、あなたに協力していただけないかと。」 「なんでしょう?」 俺はこのとき、俺にできることならなんでもやるつもりだった。   「涼宮さんが今まで他の人にしてきた行為と同じ事を他の人に涼宮さん自身がされたらどういった反応を示すのか試して見たいのです。」 「えっと、具体的にはどういった事をするんですか?」 「こうするのです。」 喜緑さんはいきなり自分の服を乱暴に脱ぎ、半裸になった。 「何してるんですか喜緑さん!服着てくださいよ!」 「あなたが着させてください。それまでは私は服を着ません。」 俺は逃げればよかったんだろうけど、あまりの出来事に脳はショートしていた。 喜緑さんも宇宙人という先入観も手伝ってとりあえず服を着せてやろうとした。 その瞬間。   カ...
  • 未練はあれども後悔はせず(前編)
     二者選一という四字熟語がある――ん、二者択一だったっけか。まあそんなことははっきり言ってどうでもいい話で 世の中にはそんな選択を迫られることが時々あるもんだ。  代表的なのはテレビ番組の視聴だろう。見たい番組があるがその裏でも見たいやつがあり、録画という選択もとれない場合だな。  その場合はおもしろい方を見ればいいという意見もあるだろうが、大抵その選択を迫られるのは新聞のテレビ欄を 見たときであって、番組開始一秒も見ていないのにそんな判断など出来るわけもなくそれを見ながら延々と悶々するしかなくなり、 時間ばかりが過ぎていく。  しかし、決断はせねばなるまい。新聞とにらめっこしたまま時間が過ぎて、気がついたら時間が過ぎていましたよなんてのは まさに二兎を追う者は一兎をも得ずという自己罵倒に悩まされる結果に陥るからな。  テレビ番組ならその程度で済むからまだいいだろう。これがハリウッド的展開...
  • 平穏な冬の日
     コンコン。  いつものようにノックをする。 「どうぞ」  その返答を受けて、俺は文芸部室に入った。  1年先輩の喜緑さんが、メイド服を着ていつもの定位置で分厚い本を読んでいた。表紙の文字を見ても、何語なのかすら分からない。  ふと視線を移せば、これまたいつもの位置に古泉が座っていた。既に碁盤を広げて、やる気満々である。  しょうがない。相手してやるか。  俺と古泉が碁石を打ち合っているところに、喜緑さんが紅茶を持ってきてくれた。  俺と古泉が礼を述べると、彼女は穏やかな笑みを返してくれた。  さっそく一口。彼女が淹れる紅茶は、その辺の喫茶店の紅茶なんかよりはるかにうまい。  まったりと、時間が流れていく。  しかし、そんな穏やかな時間はわずかばかりであった。  バン!  勢いよく扉を開いたのが誰かなんて、いまさらいうまでもないだろう。 「さぁ、今日はミーティングをやるわよ!」  ホワ...
  • 突然の解雇、そして再就職
    「谷口、お前クビ」 何といった?クビ?俺が? 俺は谷口。今、上司から解雇宣告をされた。 「再就職だな」 いい笑顔で言う元上司に渾身の右ストレートを決めた俺は荷物をまとめて帰宅した。 「どうしてこうなっちまったのかなぁ~」 高校を卒業してから4年。卒業後に就いた会社で順調に働いていた筈なのに。 仕事の出来る俺に上司は嫌がらせのように過剰な量の仕事を回してきた。疲れていた俺はミスをした。そしてクビになった。 「たった一度のミスでクビかよ、今まで会社に尽くしてきたのに…」 悩んでも仕方がないので、俺は就職活動を始めた。2週間後。 結果を言おう、全敗だ。5社受けて、全部ダメ。理由は高校卒業という学歴らしい。なんだそれ。 今更大学も行けないし、かと言って派遣は不安だしな…幸い、貯えはある。気長に探すか。 寒い、俺は暖かいコーヒーでも飲もうと駅近くの喫茶店に入った。 「いらっしゃいま…せ…谷口君...
  • SOS
       それは、いつものようにSOS団のメンバーで不思議探索があった土曜日の夜のことだった、ハルヒに振り回され続け、疲労が溜まった肉体を癒すため自宅の居間でくつろいでいた時、不意にメールが届いた。  まあ、それだけならべつに珍しい事ではないが、その相手の名前を見れば、またとんでもない事が起きたと判断しても間違いないだろう。その相手はあの長門有希からだったんだからな。しかも助けを求めているとしか思えない内容だったので、俺はすぐさま長門の家に電話をかけた。しかし、いつもならすぐに繋がるはずなのにこの時ばかりはまったく繋がらない。居ても立ってもいられず俺はすぐさま家を出て長門のマンションに向かうことにした。    しかし、長門がメールを送ってくるなんてのは初めてのことだと俺は記憶している。  しかもそのメールの内容はどうやら昼間の出来事に関係していて、昼間の出来事がなかったらそのメールの内容は...
  • 彼がバイトを始めた理由 後編
    もくじ   「ちょっと!何よ今の音!」 ハルヒが叫ぶや否や何かが真横を通り過ぎた。 …風?にしては違和感が… 振り向くと店の入り口の扉が派手に割られており、店の外でぼけーっと突っ立ってる1人の少女がいた。 気がつけば他の客も何事かとこっちを見ている。 …うん、状況が理解できない。 ハルヒにバレないように古泉を手招きで引き寄せる。 (おい!一体何なんだこれは!) (…報復してくるって) (報復?) (長門さんがそう言ってドアをぶち破って行きました…) 反射的に長門が座っていた所をみる。 …いねぇ… 「…あれ?そういえば…喜緑さんは?」 「あぁ、えみりんならものっそい勢いで有希っこを追いかけていったよ」 「…ふぇぇ…ガラスの音が怖かったです…長門さんは誰を追いかけて行ったんですか?」 あいつも誰か追いかけて行ったんですか? 「黒い髪の子を追いかけて行きましたよ。知らない...
  • ちょっとアホな喜緑さんと長門さん
    朝倉「へっくしゅん、あたしがくしゃみをするなんて・・・悪い噂でもされてるのかな」 喜緑「ねえ長門さん、眉毛ってなんであんなに人気あるんでしょうね、なんか一年生でNo1とか言われてる    らしいじゃないですか」 長門「・・・人間の目と頭が悪いからと思われる、普通あんな眉毛は畏怖の対象」 喜緑「ですよね、それにあの髪型、なんなんでしょうねあの前髪は、触覚ですか?」 長門「あれで危険を感知していると思われる」 喜緑「ねー、まったく人間には見る目がないですね、絶対わたしのが可愛いのに」 長門「わたしのが可愛い」 喜緑「おや?今なにかおかしな発言があったようですが、わたしの聴覚にエラーが発生したんでしょうか?」 長門「勝負する?わたしはワカメ女なんかに負けない」 喜緑「いい度胸です、では明日学校で」  翌日 [ミス北高決定戦、みんな投票しちゃおう!] 喜緑「これで明日には結果が出ます、楽しみですね...
  • 長門有希の憂鬱IV 三章
      三 章 Illustration どこここ    翌朝、俺はわざと遅れて自転車で会社に行った。昨日長門に謝ろうとずっと電話していたのだが電源を切っているか電波が届かないが延々続いて結局そのままになってしまった。    ハルヒは俺が出社しないうちに二人を連れて中河に会いに行った。俺は知っていてわざと遅刻したのだが、今度は先方の取締役会と親会社の役員に会うらしい。さっさと進めてしまいたい気持ちは分かるんだがな、交渉ごとを急いでやると損するぞ。   ── というわけなので、以下は聞いた話である。    中河テクノロジーの親会社、つまり筆頭株主だが、揃いもそろってでっぷり太ったお偉いさんばかりだった。バブル崩壊を潜り抜けて来たつわもの共で、きっとあくどい事をして稼いできたに違いないと思わせるような連中だった。こういう連中は市場の注目を浴びそうな目新しい技術がお好みらしく、人工知...
  • 空蝉
    『抜け殻』『脱皮』『小箱』の続きになります。   ======== 『空蝉』     「緊急事態です!」 暑い日だ。燦々と輝く日差しが降り注ぐ部室に、爛々と目を輝かせる古泉がいる。 「どうした、古泉」 「どうも、機関の非主流派が橘の手の者と通じているようで、あなたのことを狙っているとの情報が入りました」 橘? あの機関の敵対組織のやつか? 「ど、どういうことだ?」 「最近の安定した状況に、機関の存在意義が危ぶまれていると勝手な解釈を……」 「それで、俺を狙ってハルヒを焚きつけようというのか?」 どうしてみんなハルヒにちょっかいを出したがるんだ。酷い目に遭うのはいつも俺なのに。 「とにかく、差し迫った危険を回避するためにあなたは身を隠す必要があります」 「どうすればいい?」 古泉は長机を回りこむと、ぐっと俺に近づいてきた。そして、ポケットから小さな箱を取り出すと、俺の目の前に差し出した。 「...
  • ある雪空の日の事 後編
    ある雪空の日の事 前編より ハルヒの掛け声により決戦が始まった。 …。 …。 ………不思議だ。何故か随分と長い時間放置されていた気分がするが……まぁ、気のせいだろう。 …。 「っと?!」 …。 雪玉が俺の顔をかすめた……ボーっとしている場合じゃない。 …。 開始と同時に雪玉の応酬が始まる。やはり人数の差のせいか生徒会側の勢いが強い……が。 …。 「ふっふっふっ、当たらなければどうって事は無いのですよ……ふもっふ!」 …。 古泉は雪玉をヒラリとかわしながらしっかりと投げ返している。 鶴屋さん、谷口、国木田、他のメンバーも問題ないようだ……が。 …。 「ふええええぇぇ」 「みくるちゃん!ほら、しゃがんでないで投げなさい!」 「怖いですうううう」 …。 朝比奈さんは予想通りと言うか何と言うか……開始早々しゃがみこんで頭を押さえていらっしゃる。 …。 「朝比奈さん、こっちへ」 「ふぇ、キョンく...
  • 「涼宮ハルヒのビックリ」第五章α‐10 β‐10
    α‐10  午後の授業中、俺は考えていた。入団試験を受けた結果、新一年生は全員合格、俺だけ不合格になったらたまったもんじゃないしな。SOS団の活動内容を思い出せば簡単に解けるか・・・SOS団が設立されて役一年たつ。一般人にはありえないことがたくさんあったな。季節が変わるのも早し、こんな風に考える俺も年を取ったもんだ。  ようやく授業が終わり部室へと向かった。試験の前に早く朝比奈印のお茶を頂きたいもんだ。二、三杯飲めば頭もすっきりするはずさ。朝比奈さんにも事情を話せば快く向かいいれてくれるに違いない。そう思いながら部室の前に着きノックすると、中からは困惑したような声で迎えてくれた。  「キョンく~ん・・・」  朝比奈さんどうしたんですか。ドアを閉め中に入ると、  「テーブルの上に変なものが置いてあるんです。あの・・・長門さんに聞いたら来たときにはもう置いてあったって・・...
  • 長門と朝倉の喧嘩
    おはぎの続きです 前回のおはぎ騒動から復活?した朝倉。今ではすっかりクラスに馴染んでる。 ハルヒと仲良く話しているところを見ると、俺がナイフでグリグリされる事も無いだろう。長門も「大丈夫」と言っていたしな。 しかし何故だろう?今、部室の空気は最悪です。あのハルヒでさえ部室の隅のほうで朝比奈さんと一緒に震えてる。あ、前も震えてたな。 古泉は「バイトに逝って来ます」と青くなりながら足早に出て行った。生きて帰ってこいよ そして原因はまたしても朝倉と長門である。とりあえず落ち着け二人とも 「「うるさい!」」 えーと、俺、帰って良いか?もの凄く怖いんだが。 怒った顔の長門なんてはじめて見たし、朝倉は今にもナイフでグリグリして来そうだし。 しかし、長門が怒るなんてよほどの事なんだろう。部室の隅で朝比奈さんと怯えてるハルヒに聞いてみた。ハルヒ、何があったんだ? 「えっと、いつも通り部室に来たら有希と涼...
  • 『有希の横顔』
    「あなたに相応しいのはわたし。涼宮ハルヒではない……」 普段どおりの日常のはずだった。いつもの文芸部室。放課後に皆で集まり、 俺と古泉はオセロに興じ、ハルヒはネットサーフィン、朝比奈さんは お茶を入れた後マフラーを編んでいる。そのマフラー誰にあげるんですか 朝比奈さん? いや、それどころじゃない。 長門だ。   俺には100年かかっても理解できそうも無い本を、いつもと変わらず 読んでいた長門が、突然立ち上がり俺に向かって言い放ったのが冒頭の 台詞だ。部室内が凍りついた。 「えっ、有希? 今なんて言ったの?」 ハルヒはきょとんとした顔で長門を見つめる。次の瞬間。   「邪魔者は排除する」 長門が冷徹な声で呟いたかと思えば、一瞬にしてハルヒはその姿を変え 形容しがたい物体と化していた。 「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」 朝比奈さんが変わり果てたハルヒを見て尻餅をつき、その場所に おおきな水溜りを作る。...
  • (消失)長門有希のもしも願いが叶うなら
        プロローグ 夏の記憶   1章     消失前夜 2章     1日目 3章     2日目 4章     3日目 5章     幻想 6章     すべてを解く鍵 エピローグ その後の話   以下おまけ(本編と関係ないので読み飛ばしていただいて結構です) 「ちょっとキョン!どういうこと。あたしがほとんど出てこないんだけど。団長をなんだと思ってるの」 「まあ。落ち着け。今回は『涼宮ハルヒの消失』を長門視点で書いた話で長門が主人公なんだから仕方ないだろ。長門は人気ある割にここでは主人公になることが少ないから、たまにはおまえの出番が少なくても大目に見てやれ」 「有希は無口キャラだから主人公にすることを敬遠されるのはわかるけど。それにしても、私の出番が少なすぎよ。だいたい、あたしの出番が喜緑さんより少ないのはどう考えてもおかしいじゃない。喜緑さんなんて『消失』に一回も出てないし」 そ...
  • 長門VSみくる
    長門VSみくる ----------------------------------- 部室のドアをノックする。 返事はないが声が聞こえる、言い争っている。 あわてて部室に入る、 入った瞬間に硬直する、思いもよらない光景がそこにあった。 「…どういうつもり」 「こ、これが、最適解なんですぅ」 長門と朝比奈さんが言い争っていた、 いや、長門が朝比奈さんに詰め寄っていたという方が正確か。 俺が部室に入った事をまったく気付いていない、二人にとってそんな事はどうでもいいようだ。 朝比奈さんはいつに無く真剣な眼差しで長門を見据えている、 長門は冷たく無機質な瞳で朝比奈さんを射抜く。 長門の右腕が変形し剣のように伸び鋭くなる、そして朝比奈さんに切りつける。 あっと思った瞬間、朝比奈さんはいなくなった、消えた、いや、長門の後ろに立っていた。 朝比奈さんは、えい! と言いながら長門を突き飛ばし、 長門...
  • 長門有希の憂鬱III The ecstasy of Yuki Nagato
    The ecstasy of Yuki Nagato      長門の夢を見た。ほっそりとしたお姫様の格好をした長門が白いドレスを着て、悪の帝王に捕まっていた。 「悪の帝王、ユキ姫を返せ!」 「キッヒヒヒ。欲しかったら力ずくで取り返してみなさい」 「おう!望むところだ」 俺は蛍光灯のように光るサーベルをブンブンと振り回して、ハルヒ扮する悪の帝王を倒した。 「ユキ姫、俺とケッコンしてくれ」 「……それは、できない」 「なんでだよ。ほかに好きな男がいるのか」 「……わたしは、あなたの妹」 まさかそんな。今になってそれはないだろう。    長門の顔が妹の顔とダブった。 「キョン君、早く起きて」 昨日ハルヒがあんなことをやらせるから悪いんだ。俺はブツブツ言いながらベットから這いずり出た。おかげで学校に遅刻してしまった。    気が付くと、いつのまにか四限が終わっていた。授業中の記憶がない。俺は...
  • 幻惑小説 第七頁
       外に出てから気付いたが、夕闇に暮れていた空の色は段々と濃さを増していき、街頭が街を照らす時間帯になってきていた。 「どうも。」 「神人狩りお疲れさん。」 「まだ閉鎖空間の発生は絶えませんよ。同士たちが総動員で狩りに出ています。ああ、そこの二人は除いてね。」 「長くなりそうな話があるんだろ? 車内に入ろうぜ。立ち話はちと寒い。」 「あの……わたしも車に乗っていていいんでしょうか?」  というの喜緑さんの声で、古泉が爽やかに答えた。 「できればあなたにも聞いておいて欲しいのです。どうかそのままで。」  いや、きっとそういう問題じゃなくて、いくら五人乗りの車だとはいえ後ろ座席に男二人と乗るのはどうかという話じゃないのかね。 「まず僕の仮定の結論から話しましょう。僕の想定を総合するに……長門さんは自分だけの空間で世界改変を行ったのですよ。」  また世界改変を……だと? お前、前の一件を知って...
  • 長門有希の反抗期
    月曜日 この高校に入って2回目の夏休みも、去年同様ハルヒに振り回されて終わった。 まあ流石に去年みたいに延々とループさせられる、っつーことは無かったがな。 この夏休みを語る上で1番話さなくてはいけないこと、それは俺とハルヒが付き合いだしたってことだ。 告白したのは俺。まあなんというか、いい加減はっきりさせないといかんと思ったわけだ。 SOS団のメンバーの反応は、長門はいつものようにノーリアクション、朝比奈さんは笑顔で祝福、 んで古泉は「おやおや、ようやくですか」とか言って例のニヤケ顔さ。 まあ結局のところ俺がハルヒに振りまわされるっつースタンスは不動のもののようで、 デートと言っても不思議探索の延長みたいな雰囲気、まあ俺もそういうもんかなと思いつつ、 もうちょっと恋人らしく甘々な言動があってもいいんじゃないかという希望もあるわけだ。 さて、回想はこれぐらいにしようか。現在に戻ろう。 夏...
  • 涼宮ハルヒのビックリ」第四章α‐7 β‐7
    第四章 α‐7  坂を下りながら、ハルヒと朝比奈さんを先頭に、そのすぐ後ろに本を読みながら歩いている長門、さらに離れて歩く俺とその横には、ニコニコ顔の古泉の五人がいるいつもの下校時間だ。新入部員が入った日には、部室からぞろぞろと引き連れて下校するのだろう。カバン持ちなんぞさせるなよ。  もっとも、いかなる理由であれ、校内に名を轟かせているこのSOS団に新入生が入部するなんてことあるのか?ましてあんな追い返し方をして。そんなことにもめげずにやってくる新入生に対して、明日は筆記入団試験をやるつもりなんだろう。  「そういえば古泉、気になる新入生はいたか?」  「おや、そんな言い方は何かご存知なのでしょうね。さすがあなたと言えます」  古泉が気になった新入生の容姿を言うと、俺と同じ意見であった。  「他の人と比べて熱心に涼宮さんの弁論を聞いていましたしね」  「...
  • 遠距離恋愛 第十章 護衛
    第十章 護衛   新しい学校は家から歩いて15分ほどの所にある公立の中高一貫校で、まだ設立してから10年経っていない という話だ。新設立の学校には良くある話らしいが、まだ学校の評価が定まっていないためか、在校している 生徒の質は玉石混合、超難関の学校に挑戦できるような優秀な学業成績を納める奴もいれば、そうでない奴もいるとのこと。 俺と妹はこの学校に馴染めるだろうか。俺はともかく、妹は卒業まで6年間通う学校だから、うまくやって欲しいものだ。   俺たちは今、近所にある全国チェーンのショッピングセンターにいる。俺と妹の制服を買うためだ。 ショッピングセンター内の制服売り場には、近隣の学校の制服がきらびやかに並べられていた。   「あ~~、これだよ、これ!この制服!」   学校側に指定された制服は、男子女子共にブレザータイプで中高共通というものだ。男子の方は北高の制服によく似ている。つか、胸ポケ...
  • 小箱
    『抜け殻』 『脱皮』の続きになります   ======== 『小箱』     昨夜はエライ目にあった。まさか、長門の抜け殻が俺の足に密着してしまうなんて思いもしなかった。つまらない好奇心なんて俺には似合わないことがよーくわかった、身にしみたぜ。 というわけで月曜日の朝、若干の寝不足の目をこすりながら、俺は学校を目指していつものハイキングコースを登っている。手にしたかばんの中には例の、そう、小さくたたまれた長門の抜け殻が入った小箱が忍ばせてある。   今朝、家を出る直前までは、この小箱は机の引き出しに入れたままにしておくつもりだった。しかし、いつも遠慮なしに俺の部屋に入ってきて机の引き出しを開けて、はさみだのノリだのを勝手に持っていく妹のことが思い起こされたわけだ。 放課後の俺はSOS団にいるので、きっと妹のほうが先に帰宅する。そして、俺の机の引き出しを開けて見慣れない小箱に気づいた妹は、 ...
  • はるかぜふくまえに・第四章
    ○第四章   その姿はいつぞやの雪山での光景を思い出させた。 俺のいたベンチは突如騒然となった。俺は誰が何を言っているのかも聞かずに席を飛び出した。 ハルヒや喜緑さんが駆け寄っている。守備についていた他のメンバーも二塁に集まり、気付くのが遅れた谷口が傍らで怪訝そうにしている。 俺は五秒で長門のいるベースに駆け寄ると、輪をくぐって中に入った。 長門は力なく倒れており、古泉が抱える形で呼びかけていた。 「長門さん! 長門さん!」 かがんでいた俺はちらと上を見る。喜緑さんが蒼白な表情で口元に手を当てている。……何てことだ。 「新川、すぐに車の準備を!」 「かしこまりました」 新川さんと森さんの声が聞こえたが何を言っているのか頭が回らない。 「長門、長門っ!」 「有希! どうしたの! 有希っ!」 俺とハルヒの声。さっきまでベンチにいた会長チームの面々が走ってきた音が聞こえる。 「……! すごい熱だ...
  • 涼宮ハルヒの抹消 第二章
    「何が起こってるんだ」    俺はもう何度となく口にしたセリフを飽きもせず漏らした。    長門だけがいない。そのうえハルヒやその他の連中に長門の記憶はない。古泉は欠席中。それが今の俺の置かれた状況である。長門だけがいない? 何故だ。    はっきり言って、俺一人では見当もつかん。    考えようたって俺の頭は絶賛混乱中につきまともに回転してくれないのだ。そうだろう。一般人だったら俺みたいな感じになるに違いない。  まあ、俺一人ではどうしようもできないというのは俺がこの上なく一般人だからという理由をつけて、朝比奈さんぐらいの相手なら口論で言い負かす自信はあるがな。だがしかし朝比奈さんを言い負かしたところで何の利益も生まれず、そして今はそれどころではない。  いや、待てよ……。    朝比奈さんだ。    というわけで、そう気づいたのは右耳から入ってくる情報を左耳に受け流しているような一、...
  • 幻惑小説 第五頁
      ◇◇◇◇◇    この小説との出会いは、近くの図書館で在った。  ………  ……  …      あまり踏み入れなかった奥の本棚までその日は見て、一番奥にポツンとひとつだけ置いてあった本は表紙も背表紙も何も描かれていなく、それもかなり分厚い。それが、この小説だった。  わたしが手に取るというよりは、小説のほうから吸い付いてきたように本を掴んで、そのまま図書館の受付で手続きをする。  大事に両腕で本を抱えて帰り、その夜わたしは洗脳されたかのように、黙々とそれを読み続けた。大きな期待感を膨らませて。   ********************************************************************************************************************************    これは実話をもとにした...
  • 情報統合思念体の観察日誌2
    遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・・・・・。   SHINENTAI WARS(BGM:スターウォーズのテーマ)     主「今日は萌えについて議論を深めようと思う」 穏「頼むから今日は穏便に事を進めてくれよ」 折「先輩!自分メガネ萌えであります!!」 急「うはwwwきめぇwwww今時はやっぱ太眉だろ」 主「はいはいワロスワロス、さぁ次」 思「我思う、ゆえに我あり…ブツブツ」 急「こいつもきめぇwwwまじバカばっかだな」 主「はいはいクマークマー、さて次」 穏「そろそろインターフェースの議論はじめようよ…」 折「先輩!自分和服にも感じるものがあるであります!」 急「ほんときめぇなwwwww太眉長髪委員長最強なんだよwwww」     思念体の夜は更けてゆく…。         朝倉「喜緑さんって、いつもお父さんへの報告しててまじめよね」 長門「……ファザコン」     喜緑さん「(ガ...
  • 放課後屋上放談
    ※このお話は『江美里の一番黒い夏』の後日談です※  秋というのは、いい季節だ。暑すぎもせず寒すぎもしない。それは春も同様だが、俺には陽気に夏へと向かう春より、穏やかに暮れていく秋の方がどうやら性分に合っている。  そんな益体もない事を考えつつ、両手をポケットに突っ込んで壁にもたれ、街並みに遠く沈んでいく夕日を眺めながらタバコを燻らせていると。横合いからギギッと金属製の扉の軋む音がした。 「おや、いつになくアンニュイな面立ちで。落日に詩心でも動かされましたか?」  何気ない風で、そのくせやたら鼻につくセリフだ。確か去年の文化祭ではクラスで演劇の出し物なんぞをやっていたと思ったが、普段からして演技じみているんだよなこいつの言動は。 「風流を愛でるのは結構ですけれど。学校での喫煙行為は感心しませんね。誰かに見咎められでもしたらどうするつもりです?」 「ふん。施錠されている屋上に、わざ...
  • サークルオブザムーン ●
    今日はデパートでセールがあるらしく、ハルヒ達女性陣は休みだ。 それでも俺の足は文芸部室に進んでいた。   『喜緑さんみたいにSOS団に依頼に来る人がいるかもしれないわ』   ハルヒがそんな事を言いながら鍵を渡してきたからだ。 まぁ、喜緑さんは仕掛人だったから良かったが、 阪中の時のように本当に困っている人が来たらどうすりゃいい? その時は、改めて後日にご足労願うか。 凡人の俺に出来る事は留守番ぐらいしか無いからな。   「お待ちしていました」   鍵を開け、ドアを開けた瞬間、古泉の声が聞こえてきた。 何故だ?鍵はどうした?   「窓が開いていたのでそこから入りました」   何で窓から入る?ここが何階なのか分かってるのか。 超能力者はいつから空き巣になったんだ? 「ははは、理由はこれから説明します」   声の聞こえた先に、古泉は居なかった。 その代わり、地面に赤い珠が一つ。 …幻覚と幻聴か。...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 8
    15,フリープレイ(R)  呆けた人間に有事を理解させるにはショック療法が一番手っ取り早いなんてのは経験から言って間違いじゃない。それに朝倉は急進派だしな。急いては事を仕損じると昔から言うが、しかし今回に限れば少女の目論見は成功に終わったと言ってやってもいいだろう。  お陰で大分目が覚めた。  人の出入りが奇跡的に無いマンションのエントランスは冬でありながら、その体感気温を上昇させ続けていた。心臓を始めとして血管一本一本に至るまで血と共にカンフル剤が巡っているように脈拍は速い。これは俺の意識の在り方の違いでしかないのだろうが。  昨日までとは違う。ついに「始まった」、そう直感的に理解する。具体的に何が始まったかは朝倉にでも聞かないと只の一般人である俺には分からない。だけどもう、何かが確かに始まっているというそれだけはこんな俺にも言い切れた。  十二月、クリスマス。ワールドエンド。...
  • 幻惑小説 第四頁
      ◆◆◆◆◆    どうやら地球の性格は優柔不断らしい。しかし一度決めたことはなかなか辞めやしない、頑固ものでもある。これが俺がこの一年で学んだちょっとした知識さ。  夏はおせっかいなほどに太陽さんを招待してジリジリと俺を照らし続けてきたってのに、今では太陽さんを雲っちゅー厄介なもんで遮ってる。まだ雪雲でないだけマシだけど。  おかげでこっちは寒いのなんの、しかも標高が高い学校に通ってるんだから生徒一人が凍え死んぢまっても「ああ……今年もか」的な解釈にいつかなっちまうんじゃないかと思うね。今だけ地球温暖化を支援しようじゃないか。今だけな。  つうことで制服の上にコート、首にマフラーを巻いて――帽子は今までつけて似合った試しがないからつけてない――いる完全防備、とは違うけれどやや完全防備状態で俺はこのハイキングコースを早歩きで進んでいる。  そして今日もあいつに声をかけられた。もう説...
  • 涼宮ハルヒの団結 第七章
     午前中。休み時間とは名ばかりの、次の授業への移行時間かつ執行猶予時間の際。  俺は……古泉は登校しているのだろうか、長門はどうしているだろうかなどを自分の席に着いたまま黙考していた。 「どうしたんだい? あまり元気がないみたいだけど。なにか悩みでもあるの?」  国木田はこちらへと近づきつつ俺に問いかけ、俺は背後にハルヒが居ないことを確認すると、 「……悩みが多すぎるのが悩みだな。正直まいってるよ」 「ふうん。てかさ、涼宮さんも何だか元気がないみたいだね。ひょっとしてケンカした?」  普通は聞きにくいようなことを飄々と聞いてきた。国木田よ、俺とハルヒはケンカするほど仲が良いわけじゃ……。  いや、あるのか。いつも俺がボッコボコにされてるが。国木田はなおも飄々と、 「聞きにくいって? もしかして、キョンと涼宮さんのケンカは犬も食わない感じになってるの? それなら、僕がそれを聞いちゃったのは野...
  • 長門有希の憂鬱IV 五章
      五 章 Illustration どこここ      これからやろうとするやつは誰もが未経験なわけで、結婚の経験が豊富だとかいう人はあんまり幸せでもなさそうなのだが、未経験な人のためにブライダルプロデューサーとかプランナーなどという、ゼロからサポートしてくれる職業があるらしい。結婚専門のプランニング会社ってのもあるのだが、ホテルやブライダルホールにも専属のプランナーがいて、招待状のデザイン、式場の手配から披露宴のシナリオ、スピーチ原稿まで手取り足取り面倒を見てくれる。結婚するカップルを集めて合同の式場ツアーなんかも催されているらしい。    ホテルやブライダルホールの中にミニ教会があったりミニ祭壇があったりして、教会や神社に行かなくてもその場でやってくれるようだ。まあ本格的にやりたい人は現地に出向いて神様の前でやるのがいいんだろうが。  宗教色をなくした人前結婚式っての...
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