涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「神の領域 第三章」で検索した結果

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  • 人生最悪の四日間
    ※この作品は人生最悪の三日間の続編に当たる作品です   プロローグ 第一章 ~デジャヴと乱闘~ 第二章 ~神は誰だ~ 第三章 ~ブラックホーク・ダウン~ 第四章 ~神の人質~ 第五章 ~神様失格~ 第六章 ~笑い、再び~ 第七章 ~神の条件~ 最終章 ~適した者~ エピローグ
  • 人生最悪の四日間 第二章 ~神は誰だ~
    窓が割れている。そして、その窓から「俺」が落ちた。 どうすればいい? 殺してしまった。 話が違うじゃないか。 俺は頭を撃ち抜かれるんじゃないのか? パニックになった俺は助けを求めるべく、ポケットから携帯を取り出した。 午後五時三十分。部室にて。 古泉、結局この世界の神は誰なんだ? 「貴方のほうから電話をくれるのは珍しいですね。一昨日お話したとおりですよ」 ……俺か? 俺なんだな? 「ええ、そうです」 じゃあ、俺が金持ちになりたいと望めば、俺は金持ちになれるのか? 「世界の基礎がすでに確立しているので、あまりにも突拍子もないものについてはわかりかねますが、 現実になったとしても不自然でないことなら貴方の望んだとおりになるでしょう」 じゃあ、俺が厄介ごとに巻き込まれたくないと願えばその通りになるんだな? 「ええ、そういうことになりますね」 例外は無いのか? 「例外は二つです。ひとつは先ほど...
  • 涼宮ハルヒの団結 第二章
         そんな感慨を抱きつつ、放課後、文芸部室。  今週の頭に生徒会から突如として課せられた、というかハルヒが課したポエム創作に紛糾していたSOS団員であったが、本日その内の二人の悲鳴は安堵の溜息となって開放された。   一人はもちろんであろう古泉だ。  そして残す一人は長門……ではなく、朝比奈さんである。  それぞれの詩を端的に紹介すると、古泉のはこいつが超能力者になる以前、自分の胸に秘めていた世界に対する本音を夢見がちな視点から書き綴ったもので、つまり少年の頃に密かに抱いていた願望をポエムにしたものだった。  朝比奈さんのはテーマが未来予想なものであるにも関わらずほとんど創世記のような内容で、後半に少しだけ未来の世界像が抽象的に書かれているという感じであった。俺の読解によるところでは、本来人間は諸々の管理や調整を行うために生まれており、未来では自然と人間の調和が実現するといった隠...
  • 人生最悪の三日間 第二章 ~疑惑と鈍器~
      午後五時十分。自宅にて。   突然、携帯が鳴った。 別に珍しいことじゃない。ハルヒだろう。 携帯の液晶に表示されていた文字は、相手が朝比奈さんであることを示しているが、もしかしたらハルヒが 朝比奈さんの携帯を使って俺に電話を掛けている可能性も考えられる。 俺が朝比奈さんの電話ならすぐに出ることくらい、ハルヒならお見通しだろうからな。 用心しながら電話に出る。 「もしもし?」 「もしもし、キョンくん!? 大変です! 六日後に、キョンくんが! キョンくんが!」 電話の相手は液晶が示していたように朝比奈さんだったが、様子がおかしい。 「どうしたんです? 落ち着いてください!」 「とっ、とにかく! いそいで長門さんの家に来てください!」 何があったんです?と聞きたかったのだが、その前に電話は切れた。圏外ではないし電池切れでもない。 朝比奈さんが一方的に切ったのだ。彼女らしくない。 なんとなく...
  • 台風一過のハレの日に:第三章
    『台風一過のハレの日に』     ○ 第三章:願望   「さて、じゃあ話を聞こうか」 結局、また長門のマンションに来ている。鶴屋さんのところからの帰り道、いつもの公園でこゆきによる驚きの結婚報告があった。込み入った話になりそうだし、そのまま公園で話し込むこともできないのでここに来たわけだ。 「別に、あの、内緒にしておこうとか、そう言うわけではなかったので……」 こゆきはちょっと恐縮するようにうつむいていた。 「いや、別に責めている訳でもなんでもなくて、ちょっとこっちも驚いたのさ。な、長門……」 小さくうなずいた長門はじっと目の前のこゆきを見つめていた。 今は普段どおりの無表情に戻ったが、さっき公園でこゆきから『結婚するんです』と聞かされた時は、おそらく朝比奈さんが見てもわかるぐらいに、はっきりとした驚きの表情を浮かべていた。 こゆきは顔を上げると、長門と俺を交互に見つめながらゆっくりと話し...
  • 遠距離恋愛 第二十二章 ハルヒ
    第二十ニ章 ハルヒ   ビジネスジェット「Tsuruya」号は、滑走路に滑り込んだ。 機体が制止すると共に、お馴染みの黒塗りハイヤーが側にやってきた。 「とうちゃ~~く!さあ、客室の皆さんは、とっとと降りるにょろよ!」 通常の旅客機ならば1時間半は優に掛かる行程を、僅か50分でかっとんで来た「Tsuruya」号の搭乗口に立ちながら、客室乗務員姿の鶴屋さんは俺たちを促す。俺たちはぞろぞろと昇降口から滑走路に降り立ち、黒塗りハイヤーに向かった。だが、その前に。 俺は、昇降口に立ちこちらを見送っている鶴屋さんのところに駆け寄った。 「鶴屋さん?」 「何かなっ?」 「今回はご協力ありがとうございました。このご恩は一生忘れませんから」 「……良いってことさ。こんな事しか、あたしは出来ないからねっ!そんな事改めて言われると照れるっさ!キョン君もこれから頑張ってねっ!あ、それから」 鶴屋さんは、とびっ...
  • 情報統合思念体の焦燥
    プロローグ 春。 もうあれから1年がたったと思うと時が過ぎるのは早いと実感するね。 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 あれから、SOS団結成や、世界消滅の危機、過去に行ったり夏がループしてたり 挙句の果てには、世界改変に巻き込まれたりと思いだせばキリがないほど、巻き込まれたものだ。 なんだかんだいって結局は楽しんでいるんだがな。 だが、さすがに、少しは休みたいときもあるんだ。と、いうより休まないと体が持たん。 この、俺の願望をかなえてくれる最適な週間が来ている。 春休みだ。 そして、俺は家で羽を伸ばしているはずなのだが・・・ なぜ、俺はこんなハイキングコースを歩いてしまうんだろう。 習慣というものは恐ろしいね。 などと考えているといつの間にか文芸部部室の前に立っていた。 1年も山登りをすると、足...
  • chapter2
    「くそっ、どうなってんだ?」 なんで1時間弱で部室がこんなことになってんだ? 考えられるのは、 ・俺が時間跳躍した? ・誰かが時間平面の改変を行った? ・俺が異世界に来た? まあ、こんなところだが…。どれが正解なんだ? さて、俺はいったいどれだけ疑問符を使ったかね、暇なやつは数えてくれ。 あいにくだが今の俺にそんな暇は無い。 「考えても分からんなら、わかりそうなやつに聞くか。」 頼むから以前のハルヒ消失事件のときみたいに 皆俺を知らないってのは勘弁してくれよ。 俺はそんな思いを抱きつつ携帯を握った。 ----------------------------------------------------- 「だめか…。」 本命の長門のマンションにかけたら知らない人がでるし、 対抗馬の古泉の携帯にかけたら圏外、 大穴の朝比奈さんの携帯にかけたら『この電話番号は現在使われておりません。』 だっ...
  • 反英雄 第二章
        「おはようございます。こちらが昨日の夕方、凄惨な殺人事件が起きた現場です。一体、被害者に何が起きたのでしょうか」  TVカメラの前で、女性レポーターが機械的な代名詞で我が家を報道している。  その周囲には、朝だというのにかなりの人だかりができており、「お前ら他にやることないのか?」という気分になるのはなぜなんだろうね。  学校なり会社なり行けよ。もしくは自宅でTVでも見てろ。  本来なら人ゴミはそれほど苦手ではないが、今回ばかりはここの奴らへムカっ腹が立ってしょうがない。    本日の明け方、古泉一樹のクローゼットから剥ぎ取ったジャケットを羽織り、彼の家を出て行った。何て言ったって俺はプチ逃亡者だからな。これ以上長居はできない。  それに古泉一樹の家に入り浸ったとしても、母親を殺したクソ野朗を捕まえられるわけがない。自分の手で決着をつけないと気が済まねーんだよ。  殺人鬼の手...
  • マグロは急には止まれない
    部室の扉がノックされ、誰だと扉を開いた瞬間の俺達はきっと 時間凍結された有機生命体、 もしくは深夜に動き出す寸前の蝋人形の館のような状態だったであろう。 長門が立っていた…それは構わない…   何故か、どデカイ本マグロを丸々一本ひきずって……   「な、長門、それは一体…」 「…黒いダイヤ」 く、黒いダイヤ? 「太平洋沖の北緯40度付近にて生息する天然資源。硫黄島付近にて捕獲」 部室に入ってこようとする長門からは生魚の血生臭い匂いが漂い、 年季が入って古くなった木造の部室棟の床はマグロの重みで軋む音を立てている。 「…それマグロだな?」 「…そう」 「なんでマグロが丸々一本…」 「…嫌い?」 いや、好きとか嫌いの問題じゃなくてだな…。 「…あなた達にはいつもお世話になり感謝している。お礼をしたい。 お礼やお返しで心を掴むには サプライズ、心を込めたプレゼント、手料理の三点セットだと本に書い...
  • Project512_Part11
    Project512_Part11-もくじ- クイックメニュー     ○<本スレに9月に書いた分を収録しているのです!      【 休んでいない夏休みが開け、鈍った体を残暑が激しく蝕む九月初めの出来事だった、  退屈を持て余しいっそ俺自身が立てちまおうかと思った矢先に奴は立っていた。 ───やれやれ  既に口癖となった単語を溜息と共に紡ぎだしつつも、俺は心の中でこう思っていた。 『 1、乙だぞ』、と。】   【チャック・古泉一樹が一緒にお風呂に入れる】   【●<ロスタイムはウキウキウォッチン!アッチコッチソッチコッチいいとも(デレッテテッテテ!)】 (第一次ロスタイム暴動)   【●<ウホリロ!】   【歴史】   【保守小ネタ・깍두기】    【●<自分でかけば許可もいりません】   【お題?・もっこり】   【○<あたし緑だったのですか!?】   【チャック・キョンに禁則事項...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/朝
      機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/朝    スズメの声(チュンチュン)   にゃがと    「…………」 あちゃくら  「…………」 にゃがと    「……予想はできていた。するべきだった。たぶん」 あちゃくら  「わたしもなんとなーくそんな気がしていたのですが」 にゃがと    「……この状態をどう説明すれば彼女の怒りを買わないで済むか、早急に検討を」 あちゃくら  「いや、急にそんなこと言われても。もはやどうにもならないんじゃ……」 にゃがと    「あなたはわたしのバックアップ。仮に我々に怒りの矛先が向いたとしても、あなたはわたしを守る義務がある。盾となって散るべき」 あちゃくら  「そんな! 元はといえば長門さんが感染さえしなければこんなことにはなってないじゃない...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/夜
     機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/夜 キョン        「その体でけっこうな量食うんだな……財布がすっからかんだぞ」 にゃがと    「……幸福とはこういうこと。すばらしい……けぷ」 あちゃくら  「……コンビニのおでんっておいしいですよね……。汁が染みてて。空腹は最大の調味料ともいいますけど」 ちみどり    「衣食足りて礼節を知る……人間の言葉の奥深さというものを改めて知ることができました」 キョン        「いや、そこまで言われるようなことはしてないんですが。              ……ていうか、全員お腹がふくれて転がってるこの光景はいいのか。宇宙人として」 にゃがと    「(ゴロゴロ) いや。我々はあなたに感謝している。命の恩人というのはま...
  • 銀河SOS伝説~射手座の光芒~第五章前編
       宇宙暦2003年、SOS帝国暦一年、十一月二十九日、十四時三十分。 SOS団員およびSOS帝国軍首脳部は総旗艦ブリュンヒルトの会議室に顔をそろえた。戦闘は開始されていなかったが、星系内に布陣した無数の無人偵察艇により敵艦隊の大まかな位置は判明しており、事前に散布した宇宙機雷による妨害も成功している。まずはSOS帝国に有利な状況が作られているように見えていた。 しかし、敵艦隊による電子妨害は刻々と強化されていて、偵察艇も発見され次第破壊されており、状況が不利に傾かないうちに戦端を開くことが好ましく思われたが、それに先立って新人類連邦軍時代からの恒例になっている戦前スピーチが行われることとなった。部下達に無茶な作戦を理解してもらう目的で始まった戦前スピーチだが、最近ではキョンに言わせると誇大妄想的とんでも演説を聞かせることで、全軍の士気を無理やりにでも高揚させることが目的となっていた。...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 6
    12,セカイ系青春ウォーカー  支払いを終えた古泉と一緒に外に出ると、タイミングを見計らったかのように俺たちの前でリムジンが静かに停車した。古泉が呼んだお迎えとやらなのは容易く察しが付いたが、駅前の雑居ビルでごった返す一角にリムジンは不釣合い過ぎて軽くファンタジイ入ってるよな、これ。客観的に見て。 「乗って下さい」  古泉が後部座席のドアを開けて俺を車内に促す。断る理由も躊躇う理由もさっきの古泉の一言で木っ端微塵にぶち壊されていた。  長門が? 危ない?  理由はまだ説明されちゃいないが、しかしてこういった類で嘘を吐くような男では古泉はないのを――一年半の付き合いなんだ、俺はよく知っている。だとすれば信じて全乗っかりする以外に道は無い訳で。  リムジンを運転していたのは老齢の紳士、いつぞやSOS団全員でお世話になった新川さんだった。去年の五月を思い起こさせるようなスーツ姿は本職...
  • ハルヒがニート略してハルヒニートその3
      ハルヒニートその3『おしゃれをしよう』      学生の頃の涼宮ハルヒは黙って座っている限りでは一美少女高校生であって、当然そのお陰で異性からモテにモテたとは谷口から聞いた話だった。  そして今それが成長してまあ美少女が美女になっていることには間違いないのだが、馬子にも衣装の逆というかなんというか…………。  まあどんな美人でもそれが3日前と同じ下着を履いて、風呂にも入らずぼさぼさの髪を頭の上に乗せて、どてらを羽織って一日中パソコンの前であぐらをかいてるのを見れば、目を当てられないといった表現が適切な事になるわけだ。  この光景を谷口あたりが見たらショックで記憶を失いかねん。いや、そもそもだいぶ見慣れた俺ですら10秒続けて眺めていると頭が痛くなるほどだ。    現在、ハルヒは一日中パソコンにくっついて部屋に引きこもっているという完璧なまでのニートっぷりを発揮している。  無...
  • キョンにゃん、或いはネコキョンの可能性
             退・屈。  そうとしか形容の仕様が無い一日も、もう半分が過ぎている。無意識的に口を尖らせていたのに、今更気がついた。  今は昼の休憩時間、いつもであれば直ぐに学食へ行って今頃あたしのお気に入りのメニューの半分が胃と言う名の一つの消化機関い収容されている頃だけど、今日に限って財布を忘れたらしく、それに気がついたのは食券を買おうとしているところ。勿論、お腹も空いてたからその辺の適当なヤツから借りようかとも思ったけど、ふと良い事を思いついた。  丁度良い口実があるのだから、目の前の席に座っているあたしの部下、キョンの弁当でも貰ってやろう。  確かキョンの食事のペースはあたしに比べて遅いはず。それに、今日のキョンは調子が悪そうだった。あたしが話しかけたり背中を触ったりすると異様にビクッて反応してたり、日直だったあいつの頭にチョークの粉がのってたから払った時、顔が凄く赤かっ...
  • 佐々木さんの憂鬱
     その風景は、俺の出身中学校の校庭だった。  ただし、見渡す限り360度がセピア色で染まっている点で、現実のものではないとすぐに分かった。 「私の世界へようこそ」  俺の目の前には、佐々木がいた。  なぜか、いつもの口調とは違う女口調だ。 「せっかくのご招待だが、モノトーンの空間にはいい思い出がないんでね。さっさと帰りたいんだが」 「相変わらず、つれないわね。帰り方については、橘さんや周防さんから、ヒントをもらってないかしら?」  俺は、忌々しい二人のセリフを思い出した。  白雪姫。  sleeping bueaty。  ふざけるな!  俺の感情がそう主張する。  これには、俺の理性も満場一致で賛同していた。 「断る」  佐々木の表情が曇る。 「そんなに嫌なの?」 「好きでもない女にするもんじゃないだろ、そんなことは」 「私のことが嫌い?」 「嫌いってわけでもねぇよ。た...
  • ブレイクスルー倦怠期
     ご近所のおばさま方――と言うとといじめられるので奥様方と言おう。  そんな人たちとの井戸端会議というものは、殆どがつまらない雑談ばかりだけれど、たまに会議という冠に相応しい主婦の知恵を聞けたりするので侮れない。  何処何処のスーパーは何時あたりが狙い目、漂白剤はあそこのメーカーのやつが抜群……などなど。  そういう訳であたしは、今日も今日とて近所づきあいもかねて会議に列席していた。 「お宅さんは良いわよねぇ、新婚さん……あぁ、懐かしいやらうらやましいやら」 「いえ、そんな。普通です、普通」  一番年上の奥様は、決まってあたしにその台詞を言う。  それに毎回何が普通なんだろうと自分でも疑問に思いつつ愛想笑い。 「そんなことないわよ。だって貴方の旦那さんは男前だしねぇ、はぁん」 「いえいえ。アイツなんて甲斐性なしもいいところで……」  本当は「見る目があるわねアンタ!」と肩を叩いてあげたいと...
  • 水晶の夜⑦
      どうせおまえに秘密を持とうとしても不可能だ。 「そうやって、誰彼かまわずやさしくするから…。そういうところが君は無責任なのよ。」 昔床屋で読んだ漫画のセリフを引用しただけなんだけどな。 「せっかく言うべきことを言えたと思ったのに…。」 さっきあなた、おれがやったことを非難してませんでした? 「だけど、この子はどこで電話してたの?」 どうでもいいでしょう、そんなことは。 「確かにどうでもいいことね。」 しかし店員たちの反応は店長のそれとは違っていた。 「この子が長門さん……。」 「なんてきれいな子……。」 「さっきの子とはタイプが違うけど……。」 たしかにこいつもハルヒもどこに出しても美少女で通る容姿をしてますがね、二人とも自分の外見なんかどうでもいいと思ってますよ。 「美少女…………。」 なに照れてやがる。 店長さんがちらりとこっちを見た。 「君の前ではそうでもないみたいよ………、...
  • 銀河SOS伝説~射手座の光芒~序章
    時は移り、所は変われど、人類の営みには何ら変わることはない。      ――宇宙暦1898年、五世紀に及ぶ平和な治世と、それに続く三世紀に及ぶ堕落した治世で、腐敗しきった天の川銀河統一政府はついにその政治的求心力を失い、崩壊した。 統一政府崩壊後、連邦という錆びた鎖から解き放たれた旧統一政府領各地の星系政府や宇宙艦隊駐屯地は、好き勝手に独立を宣言し、単一色だった天の川銀河の地図を鮮やかなモザイク画へと書き換えた。 正確な記録は残っていないが、信用するに値する説によれば、七月七日二十二時四十三分に首都星プレトリアがテロリストの仕掛けた反物質爆弾で消滅した後、たった二十四時間で大小500以上の勢力が天の川銀河内に乱立したそうだ。その年の四月に実施された最後の国内調査では天の川銀河内の総星系自治体数は533とされていたから、これはほぼ全ての星系が独立を宣言したとみてよい。 後に、天...
  • 機関の動乱 その1
     灰色。  どこまでも灰色が続く。  大きなビル、普段は子供がにぎわう校庭、渋滞が常態化した高速道路。それら全てに人は一人としておらず、 ただきれいに塗られた灰色のペンキだけが、その無人地帯を埋めている。いや、灰色が人を塗りつぶしてしまったと 言うべきだろうか。  しかし、そんな一色無人の世界だが誰もいないわけではなかった。  逆にその目映い存在は100万の人間よりも大きな存在感と威圧感を周辺地帯に蔓延させ、この何もない 閉鎖空間にある種の強大な活力を生み出していた。  輝きを放つその躰、超高層ビルに匹敵する巨大な人型の物体。外見を計算し推測したならば、 自立すらできない形状のそれがひとたび腕を振るえば、常識を逸脱した破壊力を生み出す。 たった腕の一振りでビルを刀で切り落とすように叩き切り、踏み出す一歩は強烈な振動を周辺にまき散らして 脆い建物はそれに耐えきれずばらばらと崩れていく。  そ...
  • 涼宮ハルヒの団結 第十一章
    「……無事に出発されたようですね」 「ええ。キョンくんとみゆきなら、無事に涼宮さんを連れて来てくれるはずです」   ――古泉一樹。朝比奈みくる、異時間同位体。 「そして……これからの古泉くんの行動ですが、あなたには長門さんの思念体を過去のキョンくんの元へと送り届けて欲しいの。その、古泉くんはこちらの意図を理解してくれていますよね?」 「概要は掴めているつもりです。僕の有するファクターと過去への時間遡行、そして長門さんの記憶を取り戻すという事柄から、僕の行動は必然的に導き出されていますから。つまり、僕の精神探訪の能力をもって時間を止められている彼の精神領域へと長門さんの思念体をダイブさせ、そして過去……去年の七夕から、長門さんには彼の目を通して世界を見てきてもらう。彼女が抱える自分自身の悩みを、まさしく第三者的客観を通して見つめ直してもらうためにね。もしかして、彼を長門さんの部屋に寝か...
  • 涼宮ハルヒの驚愕γ(ガンマ)
    ※注意書き※  涼宮ハルヒの分裂γ(ガンマ) ↑ の続きになります。 「驚愕」のネタバレを含みますのでご注意ください。 γ-7に入る前に、独自の幕間が入ります。       分裂γから驚愕γへの幕間劇──プロローグに代えて 「この件に関する我々の見解は一致すると理解してよいか?」 『だいたい、よい』 「それは天蓋領域も同様か?」 『私の主も同意』 「了解した。この件に関して、私の監視下の組織は解決案をもっている。ただし、一点だけ困難な問題が残っている」 『データを送信して』 「圧縮データを送信した」 『受領……解析中…………その問題は解決可能』 「そうしてもらえるとありがたい」 『了解。そちらは朝比奈みくる?』 「そう」 『こちらは藤原』 「了解した。この件を解決して次の段階に移るまでは、互いに敵対行動は抑止する。それでよいか?」 『よい。ただし、同位体の行動は関知しない』 「それ...
  • 古泉一樹の誤算 二 章
      二 章      俺はその晩、砂漠を越えてアカバ要塞に戦いを挑む前夜のアラビアのロレンスのようにまったく寝付けなかった。    考えてみりゃハルヒがジョンスミスを探していたのは当然のことで、真夏の夜にどこからともなくふっと現れ、宇宙人や未来人がいるなどと吹聴した挙句、影も形もなくふつと姿を消したりすればあいつでなくても追いかけてみたくなるってもんだ。ことハルヒにかかれば奇妙な存在というものに対する執着心は尋常じゃない。    それがどこをどう間違って憧れの彼なんかになっちまったのか、やっぱあれかな、揺れるつり橋の上で心拍数が上がるのを惚れたと勘違いする、血中のアドレナリンとホルモンを混同してしまうのと同じ現象か。最初の未来人との遭遇が俺だってだけでそこまで決意を固めてしまう理由が理解できん。俺?俺の場合は……まあ朝比奈さんには一目ぼれした……かもな。けど八年もずっと想いつづけるな...
  • それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 2
    4,三十分の一  氷雨の中を逃げるように帰ってきた。制服の上着とコートを椅子の背凭れに放り投げて、ノンストップでベッドに四肢を投げ出す。ズボンに皺が出来るがそんなのは知ったことか。  自室を片付けて掃除をして――といった当初の予定をこなす気も起こらない。教室を出る時、ハルヒの顔を見ておけばよかったかと思う。……いや、見なくてよかった。見ていたらきっと……なんでもない。  ケータイにいつの間にか来ていた着信は古泉から。「何かありましたか?」という簡素なショートメールは修飾や回りくどさといったものを極限まで削り取ったようで、あの話好きからのメールとは思えない。とりあえず「お前には関係ない」と返信。  即座に返信。「いつでもご相談下さい」との内容。どこまでも胡散臭さが付きまとうのは、これはもうあの男の持って生まれた性質なんだろうさ。とりあえず、ケータイは床に投げ捨てた。  ……俺の部屋...
  • 長門とちぇんじ
     さて、では現在の私の状況を説明する。 特筆すべき事態は皆無の状況を維持していたのはこの放課後までだった。即ち、この放課後に特筆すべき事態が発生したということにほかならない。 珍しく沈黙を守っていた涼宮ハルヒが突然再起動し、この文芸部室にまで引きずられた。 容姿・生体的基礎能力、そして性格が他を非常に大きく逸脱したこの女子生徒は私の高校生活最初の日から私の後ろの席に居座っていたのだが、彼女は他を拒絶 してるようであったし、私も興味はなかったので、これまでと同じように時々友人(補足すると中学から異性としての要素を考慮にいれない付き合いをしていた国木田君や高校から話すようになった数人の女子生徒だ)と話をしながらも大半では黙々と読書にふける学校生活を送っていた。 どうやらそれがいけなかったらしい。 私は客観的に見れば、正にという無口文学少女だろう。しかし私は一人の人間であり、全...
  • 涼宮ハルヒの追憶 chapter.6
    涼宮ハルヒの追憶 chapter.6 ――age 16 ハルヒは気付いていた。 でも、それを言ったらSOS団はなくなってしまうかもしれない。 そしたら、ハルヒ自身が楽しいことは行えなくなってしまう。 ハルヒはそれにも気付いていた。 そもそも、ハルヒの鋭さからいったら気付かないほうがおかしいんだ。 長門は知っていたのだろうか。 朝比奈さんも知っていたのかもしれない。 古泉だって本当は分かっていたのかもしれない。 そう、俺だけが気付いていなかった。 のんべんだらりと日々を過ごし、SOS団にそれとなく参加する。 それの繰り返し。 俺は何をしていたんだ? いいんだよな俺は? 傍観者でいていいんだよな? その夜、そんなことをベッドに入り考えた。 あまりに色々なことがありすぎて、落ち着くことができず、寝たのは明け方だった。 学校へと向かう上り坂。 最近の不眠の影響は俺の肩を上から押さえつけた。...
  • 橘京子の憤慨 その3
     地獄の猛火を思わせる、尋常ではなく暑かった夏もようやく落ち着き、虫の声も聞こえ始めてきた――  俺は冒頭でそんなことを言ったかもしれない。だが、今この部屋――和菓子屋の1個室――は、夏の終わりどころか、秋を通り越して真冬……いや、木星の表面温度くらいまでに低下していた。 『…………』  俺と橘は凍り付き、身動き一つも取れず、そして一言も発することができない。  それもそのはず、まさかこんなところに来るとは思わなかった珍客――佐々木が現れたのだから。 「こんなところで何をしているんだい?いや、それは愚問だったかな。ここは所謂和菓子屋だ。販売業者や原材料の卸業者ではない、一般的市民が和菓子屋に行く事由なんて言うのは、非常時でもない限り大概決まっている。即ち、その店のお菓子を購買するために他ならない」 『…………』  俺並びに橘、再び沈黙。静かに佐々木の言葉に耳を傾ける……ってす...
  • 橘京子の憂鬱(後編)
     ”――橘京子とは?”  それは、涼宮ハルヒに備わった力――自分が願ったことを実現・具現させる力――を、本来の持ち主である佐々木に還元し、そして彼女に帰結しようと企む『組織』の一員にして、一介の少女。  愛嬌のある、かつ幼げの残る顔立ちとは裏腹に、『組織』内での地位はかなりのもの。  事実、朝比奈さんをかっさらったあの一件では自分よりも年上の男共に指令を下していたし、『機関』の一員である古泉――言い換えれば敵対勢力――に近しい俺に対し、しれっと協力要請をしたのも、それなりの力を見込んでのことだと思う。  そう言った意味では、下働きばかりが目立つ『機関』の若手構成員、古泉一樹よりかは格が上なのかもしれない。  ”――彼女の目的は?”  先にも言った通り、ハルヒに宿っている力を佐々木に移すこと。彼女ら『組織』は、その方が安全だと主張する。  彼女の主張はこう。 『ややもすれば世界をへんて...
  • SOS団のメタボ3
    「そもそも格闘技はウェートが大きいほど有利なものが多いわけだから、体重を減らすというより増やすことを目的としているわけよね。私たちの目的とは逆行しているんだから、格闘技を取り入れたってダイエットになるわけなかったのよ」  などと屁理屈としか思えない言い訳をしながら、前とあまり変わらない体型で涼宮ハルヒは病院から還ってきた。  格闘技っていうか、ダイエットにプロレスを取り入れようという方がどうかしているのだ。そしてアマレスのリングで筋肉バスターを使う方がどうかしているのだ。どうせ筋肉バスターを使いたいのなら、NOAHにでも入団するべきだ。  本気でダイエットのために運動をしようと思うのなら、それ相応の体操などを試みるべきだったのな。ブートキャンプとか。 「はあ? 相変わらず馬鹿なこと言ってるわね。もう1年もSOS団の雑用やってるんでしょ。ちょっとは団内の空気というか、常識を学びなさいよ」...
  • 涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱
    涼宮ハルヒの奇妙な憂鬱       1.  百聞は一見にしかずと昔の人は良く言ったもので、ついさっきまで車の中で俺に向かって長々と持論を浴びせてきたこの男──古泉一樹──が言った事に間違いは無かった。ここは…この世界は、物理法則が全てを支配する超常識的な俺達の世界とはかけ離れていたのだ。今目の前で起きている事実を端的に説明するとなると次のとおりだ。   “古泉は、赤色に鈍く光る球体に包まれ、ビルを一心不乱になぎ倒している巨人相手に空中を自在に舞いながら攻撃している”    俺の生きてきた十何年もの間にこのような夢のような出来事は一切起こらなかった。…そんな出来事があって欲しいと心から願っていた時期もあるにはあったが、しかしこんな夢まぼろしな光景なんぞ、『起こりえる訳がないッ』と考えるのが正解だと既にお子様を卒業した20代目前の俺の頭は解答した。  この常識ハズレな展開が今まさに起こってい...
  • 朝比奈みくるのクーデター その4
     ぼちぼち日が赤く変わりつつあるころ、俺たちは海上をボートで漂っていた。燃料を節約するため、 現在はエンジンを停止して敵が俺たちの前に現れるのを今かと待ちかまえていた。  俺たちへを屈服させるためなら、無関係な人間への無差別攻撃もいとわないあの腐れ野郎どもは、 今のところ俺たちを追ってきてはいなかった。今頃、さらに無差別攻撃を悪化させているんじゃないかと不安になるが、 「機関の別働隊の情報によれば、こちらが海上に出て以降無差別攻撃などは一切発生していないもようですな。 戦闘自体はほぼ終息したと考えるべきでしょう」  新川さんからの言葉に俺はほっと胸をなで下ろした。だが、安心もできない。陸からいなくなったと言うことは、 こっちに向かってきている可能性大という事になるんだからな。 「あと、武装集団の十数人が警察などに身柄を押さえられましたが、すべて自決したと言うことです。 そこまでする以上、我...
  • 橘京子の消失(前編)
    「…………、……きて……」  ――声が……聞こえる―― 「……くん、………ったら……」  ――俺を呼ぶ声―― 「……むー、……おき……よ……」  ――どこかで、聞いたことのある―― 「……おき…………なら……」  ――しかも毎日聞くこの声は―― 「えいっ!」 「ぐふぉ!!」  朦朧としている頭で必死に状況把握をしている俺は、砲丸投げの玉を腹部に直撃したかのような鈍い痛みを伴って、完全に覚醒した。 「ってえな! 起こす時はもっと優しくしろって言ってるだろうが!」 「だって、キョンくんったらなかなか起きないんだもん」  ぷくっと膨れる顔はいつもよりも殊更幼く見えるが、それもこいつが今まで行ってきた業というものだろう。怒られたくなかったら無茶な起こし方をするなと再三言い聞かせているのに、この癖だけは一向に治る気配を見せない。  間違いなく俺の妹である。 「ごはんだよ~ あっさごっ...
  • 橘京子の憂鬱(前編)
    『助けて…… 助けて……』 『おい、一体どうしたんだ?』 『ああ、よかった。変な人に追われてて……』 『変な人?』 『ええ。そうなの。鎌をもった、全身血だらけの人があたしを……』 『ははは、そんなのいるもんか。第一真っ暗で何もみえやしなしな』 『そんなことはないわ! 現に今、あの血の滴るような音が聞こえてくるじゃない』  ポチャン。 『ほら、今もあなたの方から……え??』  チャプン。 『……ね、ねえ……この音……どうして……あなたの方から聞こえてくるの……?』 『ふふふ…………』 『ねえ、どうしてよ。答えてよっ! あなたは一体何者なの!?』 『キミが見たって言う、変な人……それはもしかして……こんなものを振り回していなかったかい?』  ザンッ! 『い…………』 「いやああああぁぁあぁぁあああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!!!!」 「うるせーぞ!! さっきから何...
  • 橘京子の陰謀(合宿二日目)
       俺は悩んでいた。どうしてこんな事になったのだろうか?どうしてこんな目にあわなければいけないのだろうか?  艱難辛苦を引き起こすその原因は言うまでもない。橘京子のことである。  最初の出会いは最悪なものであった。あいつは非道にも朝比奈さんを誘拐した。そして佐々木をハルヒに取って代わる神だと主張し、俺に対し協力せよと要請してきたのだ。  ここまではまだよかった。いや、十分良くないのであるが、それ以降の振る舞いからすればずいぶんまともな物であったと徳川綱吉も東条英機も認めてくれるであろう。  しかしその後の立ち回りは度を超えていた。佐々木の閉鎖空間に侵入してブートキャンプを行ったり、朝比奈さんの胸にヒステリーを起こしたり、そして今回のように意味不明な旅行に誘ったり……  十分頭のネジが緩みきったその言動は、さながら風車に立ち向かうドンキホーテである。  こいつのアレっぷりもそ...
  • アインザムカイト・ツヴァイザムカイト
          ―…… ―…… ―……あなたは誰 「……長門有希」 ―……同期失敗。対象をインターフェース『パーソナルネーム長門有希』の異時間同位体と認証できず。もう一度聞く。あなたは誰 「ナガトユキ」 ―質問を変更する。あなたの存在する時間平面及びその時系列上の情報統合思念体があなた……長門有希に出した指示は何 「……」 ―情報統合思念体の自律進化を実現するために必要な情報を極めて高い可能性で所有する一知的有機生命体の観測、場合によっては保護。それが対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースとしての、わたしの存在意義 「……」 ―訂正。対象を暫定的に「異時空間同位体」と仮定義 「あなたはわたしと同じ。長門有希。でも違う」 ―ノイズ発生。無視できる程度 「一番奥の、一番大切なところが違う」 ―ノイズ発生。処理速度著しく低下。原因解析不可 「……あなたは誰。わたしと何が違うの」 ―エ...
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