涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「胡蝶の夢」で検索した結果

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  • 胡蝶の夢
    ...   ===== 『胡蝶の夢』 「なによ、あんた『来れない』ってどういうことよ!」 「だから、ちょっと親戚の法事にだな……」 「SOS団の活動より法事を優先するつもり? それにせっかく有希のいとこちゃんが来てくれるって言うのに」 「だから、すまん。今回はどうしても……」 「……うん、まぁ、いいわ。家庭の都合であれば仕方ないわね。あたしもそこまで無理を言うつもりはないわ。でも、次は必ず来なさいよ。でないと死刑よ。い い?」 ハルヒはちらっと横を見ると、 「有希からも言ってやって」 「次は来て」 いつものように分厚い本から顔を上げた長門は、俺の目をじっと見据えてそっと言った。 「死刑だから」 「な、長門……」 こいつ、全ての事情を知った上でそこまで言うつもりかよ。なかなかやるじゃないか、この有機アンドロイド。 うつむいて再び読書に戻った長門の短い髪がわずかに小刻みに揺れているのを眺め...
  • シュールな短編置場
    ...語~内臓ブギウギ~ 胡蝶の夢 ポケットの中
  • 羽化
    ...Fin.     『胡蝶の夢』に続きます  
  • 落日の夢
    発光ダイオードを掻き集めたような光が、いつもならば灰色に統一された空に雷鳴の如く走る。閃光に乗じてぱりぱりと音を立て、まるで卵の殻が罅割れるように空が剥がれ落ちてゆく。 崩れた膜の向こうには青鈍色が覗いた。 金網の張ったフェンスに凭れて、此処ら一帯では最も空に手が届き易い場所――高層マンションの屋上を、僕は終焉を見届けるための終着点に選んだ。遮るもののない真の意味での最上階では、上空から吹き付けてくる突風に肌に切り込むような鋭さがある。おざなりに羽織ってきた外套が白旗のように風に踊った。 見晴らしはいいが、長居するには不向きな場所だ。暖を取れるものが何もない。晩秋の風は想像以上に厳しいもので、芯まで凍るような寒風を浴びせられると、背筋から抗いようのない震えが襲来する。 僕は息を殺して、総てを見ていた。 長年共に戦ってきた同士達も今、思い思いの場を選んで、この美しい世界の、ある種の死...
  • 涼宮ハルヒの夢現
     「あなたもいっその事、この状況を楽しんでみては?」 断る。俺は気が狂おうとも冷静でいるべきキャラなんだよ。  「キョン君~!これどうやって止めるんですか~?ひえぇ~~~」 ハンドルを離さないと止まりませんよ。それがコーヒーカップというものでしょう。  「こんな古い・・・いえ、珍しいアトラクションは初めて体験するもので・・・とめてぇ~~~」 む・・・?あいつら・・・ハルヒに長門、何回目だよそのジェットコースター。  「キョン!このジェットコースターは素晴らしいわ。なんたって何度乗っても飽きないんだもの!」 あぁ、どうしてこうも俺からは日常がはるか彼方へ遠ざかっていくのか・・・やれやれ。       ここがどこかって?見りゃ分かる、遊園地だ。 遊園地でハメを外すのがそんなに恥ずかしいかって?そんな訳あるはずがないだろう。 俺だって、ここが普通の遊園地ならそりゃある程度箍(たが)を外して遊びま...
  • 涼宮ハルヒの夢幻 第二章
      第二章     俺の安らかな眠りを妨げる者は誰だ。 目覚まし時計が朝を告げる音を軽やかに鳴らす。 朝特有の倦怠感と思考の低下は、俺の1日の始まりである。 不機嫌な状態で居間へ下り、テレビを観てハッとする。 「8 45」 あれれー? 急いで洗顔を済ませ、歯を磨き、着替えて愛車にまたがる。今日は朝飯抜きだ。 「待て。」 「あ?」 振り返ると1人の男がいた。俺の全神経が集中する。この自嘲的な笑みが憎たらしい。 こいつはいつぞやの俺と朝比奈さんの邪魔をした未来人っぽい奴。 「生憎、俺は男に興味は無いのだが。」 「忠告しに来ただけだ。死にたくないなら、今日は行くな。」 「お前を信用出来ない。お前は俺の敵だろ。」 「知るか。俺の敵は朝比奈みくるだ。」 「朝比奈さんは、俺の見方だ。その敵は俺の敵でもある。」 「まあいいさ。規定事項で近日中にお前は死ぬことになっている。」   ますます嫌な事言うな。「...
  • 涼宮ハルヒの夢幻 第一章
      第一章      3月も末に入る。 ついに1年も終わり、2年生へと向かうのだが、自覚も湧かない。 地獄のような坂で谷口の話を聞くが右の耳から左の耳へと通り抜ける。 授業も学習範囲を終え、自習に近い時間が多くなる。 ………憂鬱だ。非常に憂鬱だ。 そんなアンニュイな気分を勝手に打破するのは、我が団体の団長様だ。 今なら、ハルヒの厄介事に付き合っても良い。 すぐに「やれやれ」と言いながら、前言撤回するのはいつもの事なのだがな。   放課後 俺はドアをノックして中に入る。 はい、前言撤回だな。 いつもと変わらない部室。 だが、異常な空気だけが立ち込めていた。 原因はあいつとわかりきっていたが… 「あ、こんにちは。い、今お茶いれますね。」 おどおどしながら、朝比奈さんは俺のためにお茶をいれだした。 「やあ、どうも。」 苦笑混じりの古泉が話かけてきた。 「これは、何だ?」 「さぁ解りません。」  ...
  • 長編・キョン2
    涼宮ハルヒのロックバンド キョンとキョン Happiness! 『思い出の結晶』 『キョンの悪夢』 志 ハルヒの好きな人 『lakeside love story』 真夏の日の夢 3人娘の本音 BR 未完? キョンの突撃 To非日常 from日常 初恋 in the middle of nowhere カントリーロード ガール・ミーツ・ガール 涼宮ハルヒの微笑 とりあえず無題(仮) 宇宙戦争 SOS団お掃除大作戦 全力疾走!ロミオ&ジュリエット ただ一人のための物語 ある日のイベント 緋色の媚薬 命の価値 キョンの日常 ) 幸せの定義 尾行大作戦? あるカップルの優劣 And everyone passed away リセット(微鬱描写有) 虫歯と歯医者 恋愛お試しお手伝い! 涼宮ハルヒの中秋 ハルヒになっちゃった 月で挙式を 三者面談 とびだせ大作戦はサイケデリック 親愛の情 デッサン ...
  • しあわせ プロローグ
     みなさんは夢を見ますか?  見ると答えた人――――恐らく大半の人でしょう。今日はどんな夢を見ましたか?  楽しい夢?悲しい夢?  それとも今日は夢を見ませんでした?  様々な人がいることでしょう  また、人間は寝たときだけでなく、起きているときにも夢を見ますね  代表的なのが夢見る乙女というやつでしょうか……そこ、ここは笑うところですよ  しかし、それは我々現の人間のみなのでしょうか  夢の世界の住人は夢を見ないのでしょうか  それとも夢の夢はさらにすごい夢?それとも……  おや、そろそろ時間のようですね。それでは、またいつかお目に見えることを願っています        しあわせⅠへ
  • 人生最悪の四日間 第五章 ~神様失格~
    今までは俺が騙され続ける話だったのに、最近になって戦争モノになりやがったこの話も元に戻り、再び俺が騙される羽目になる。 さて、今回の黒幕は誰だろうか。当たった方には盛大な拍手を送ろうと思う。   午後七時三十五分。校庭にて。 ヘリコプターが着陸できる場所なんてあまり無い。ましてや街中となると、なおさらだ。 学校の校庭というのはヘリを着陸させるためではなく、賞品が貰えるわけでもなくただ筋肉痛になるために行われる体育祭のためにあるのだが、 ヘリが着陸できないわけじゃない。 大量の砂埃を巻き上げながら、ヘリコプターは着陸した。 ヘリから降りて、久しぶりの地面の感触を足で確かめる。 ……人間はやっぱり陸に住む動物だな。俺は空は好きじゃない。 校舎は電気がついていない。真っ暗だ。まあ七時なので当然と言えば当然か。 「で、どうするんだ? 朝倉を倒さなきゃならないんだろう?」 「彼女をここに誘き出す。...
  • 遠距離恋愛 第二十三章 スイートルーム
    第二十三章 スイートルーム     灰色一色の、現実味のない空間。豪奢なシャンデリアや大画面テレビなどが配置された部屋。   俺は今、キングサイズのダブルベッドに座っている少女を見ている。   白いコートを肩に掛け、ロングヘアをポニーテールに纏めている。   少女は手元の携帯電話を取り出し、何処かへと電話を掛けた。   「……」 「……」 「……」 「……やっと出てくれた」 「……」 「どうしちゃったの?どうしてパーティに来てくれなかったの?」 「……」 「ウソ!だって、発車時刻まで3時間もあったじゃない!」 「……」 「そんなに佐々木さんとデートしたかったの?まあいいわ。今日は大事な発表があったのよ。それなのに」 「……」 「……一番上の階」 「……」 「うん」 「……」 「……来てくれないの?アタシ、キョンのこと待ってるんだよ?」 「……」 「……何よ」 「………………」 「な……」...
  • A Jewel Snow (キョンVer)後編
    ハルヒ!おい、ハルヒ!ハルヒ! 俺はまた校庭にいた。またこのパターンだ。つまり夢だろうな。 違うのはハルヒが近くに横たわっていたって事だ。 ハルヒ!起きろって! そして俺は今そのハルヒを起こそうとしている。聞こえてればいいんだが。 ハルヒ! 「…キョン!?」いきなりぱっちりと目を開けたかと思ったら大声だ。 やっと起きたか…やれやれ 聞こえていて良かった。だがとりあえず何て言おうか。 ハルヒに不自然な事を言うわけにはいかないからな。 いきなり寝るもんだから驚いたぞ。これで誤魔化せるだろう。 「キョン!あんた本当にキョンなの!? ああ、どうしたんだ?いきなり?これは正直な感想だ。 「あ、いや…なんでもないわ…」 どうしたんだ?悪い夢でも見たんじゃないか?実際にはここが夢なんだけどな。 「そうね…ちょっと悪い夢を見てただけよ!」 俺が居ない間、ハルヒは本当に悪夢を見ていたのかもしれない。 だが、...
  • Lost my love
    家に帰り着く頃には、すっかり暗くなっていた。 空を見上げても、星は見当たらない。 舞い降りてくるのは、私と同じ名を持つもの、ユキ。   『星空見上げ 私だけのヒカリ教えて あなたはいまどこで 誰といるのでしょう? 』   彼と涼宮ハルヒが付き合うことになったのは昨日。 最近では涼宮ハルヒの能力も衰え、世界も安定してきた。 彼と一緒に居られる時間も、あと少しなのだろうか? エラー、私の任務も、終わりが近づいてきているのだろうか。   『楽しくしてるコト思うと さみしくなって 一緒に観たシネマひとりきりで流す』   いつもならSOS団の活動があるはずだった今日、 活動の中止を伝える涼宮ハルヒの電話の声は、どこか弾んでいた。 きっと、彼とデートするのだろう。 エラー 気がつくと私は、街に出て一人映画を見ていた。 彼と一緒に見た映画。 エラー、エラー 前に小説で読んでいたものが映画化されたというこ...
  • 遠距離恋愛 第二十四章 約束
    第二十四章 約束   「お疲れ様でした」 検査室脇の長いすに座って先ほどの事を思い出していると、古泉が缶コーヒーを持ってやってきた。   「どうぞ」 「おう、サンキュ」 今日2本目の缶コーヒーだが、旨かった。この時期は、やっぱり温かい飲み物に限るね。   「流石ですね、あなたという人は」 「……何のこった」 「いえ、我々……いやこれは『機関』だけではありません。長門さんですら為し得なかったことを、あなたはあっさりとやってのけたのですから。地球を代表して、お礼を申し上げます」 「……私は宇宙の代表として、あなたに礼を述べたい」 古泉は俺の前に立って深々と一礼した。俺が驚いたのは、長門もそれに合わせてお辞儀をしたことだ。 古泉の大げさな身振りと芝居がかった台詞回しには慣れていたが、長門がそれに付き合うとはな。 ……待て、宇宙の代表?何のことだ?俺はただ、ハルヒを閉鎖空間から連れ戻しに行っただ...
  • Jast Be Friends
    このSSはニコニコ動画のボーカロイドオリジナル曲「Jast Be Frends」を勝手にハルヒSS化したものです。 そういうのが嫌いな方やニコニコ動画が嫌いな方は読まない方がいいです。   知らなかったんだ…どれだけ好きでも、どうしようもない時があるなんて。 知らなかったんだ…どれだけ両想いでも、心が全く違ってしまうなんて。 知らなかったんだ…好き合っている人と別れなきゃいけない時が来るなんて。 知らなかったんだ…それがこんなにもつらいことだなんて。 それでも…それでも俺がハルヒを好きなことだけは変わらない。     -Jast Be Friends-   俺とハルヒは付き合っている、もう四年になるだろうか。 高校三年の夏、一世一代の決意を決め告白したところ、なんとハルヒも俺を好きだと言ってくれた。二人は両想いだったってわけだ。 それから俺は猛勉強した。少しでもハルヒに釣り合う男になろう...
  • 悲痛
    「よかったら…………持って云って」 またあの夢だ。 あの世界はもうないんだ。全部解決したはずだ。それなのに! 気付けばあいつのことを考えている俺がいる。 俺はあの世界ではなくこの世界に戻ることを選んだんじゃないのか! 恥ずかしがり屋で内気な文学部の少女ではなく 寡黙な対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースを選んだのは俺だ! 部室のすみで本を読む長門を見るたびに、 騒ぐハルヒの後ろにたたずむ長門を見るたびに、 朝比奈さんにお茶をもらう長門を見るたびに、 俺の心はかき乱される。 おどおどとした気の小さい長門、 目を泳がす長門、 ちいさなちいさな力でそっと俺の袖をつまむ長門、 俺の返した白紙の入部届けを震えながら受け取る長門、 薄く、だがはっきりと微笑む長門……。 長門よ、お前はとんでもないものを盗んでいったな。それは俺の心だ。 幾多の名台詞の中でこれほど俺の心情を表わす...

  •  それは、ふと思いついての行動だった。  学校へ向かう途中、俺は交差点を歩いている猫を見た。  それ程交通量がある道ではないが、通勤時間だけあってそれなりに車は走っている。  ちょうどその日の朝、俺は猫が車に跳ねられるというなんとも後味の悪い夢を見た事もあり 俺はなんとなくその猫の様子を目で追っていた。  そういえばちょうどあんな柄の猫だったような?  夢の中の猫と現実の猫が重なって見えてくる。そうだ、ちょうどこんな感じの場所で この数秒後に、黄色信号を無理に突っ切ってきたトラックが左折してきて……。  俺のナレーションに合わせたかのようにトラックの姿が現れたとき、自然に体は動いていた。  距離にしてたった数歩の違いで夢の中では助けることの出来なかった猫は、あっさりと 俺の手に襟首を捕まれもがいている。直後に通り過ぎていくトラック。  ……運がよかったな。  俺は引っかき傷を作られる前に猫...
  • ある日の出来事
    はい、準備はいいですね。 今日は僕の過去について話をしようと思います。   僕が北高に転校するよりも前、高校生でもなく、 機関の存在など夢にも思わない3年前の春―   ―僕はいつものように目を覚まし、部屋のカーテンを開けます。と同時に、 急激な吐き気が僕の胃を満たしました。   すぐに洗面台に駆けつけ、部屋に戻った僕は、 新しい環境に慣れないための体調不良か何かだろうと思いました。   念のため医者にいってみたのですが、医師の診断はまったく問題なし、 健康であるというものでした。   その夜、僕は夢を見ました。そこは灰色の空間で、景色は僕の住む街そのものなのに、 人は誰一人としておらず、僕はそこをあてどもなく歩いていました。   僕はビルの中に入り、気がつけば屋上に登っていました。   そこから遠くを見ると、ずっと向こう、いくつも町を隔てたあたりで、 もやのような影が見えたような気がしまし...
  • 長門有希の雨しずく
    長門有希の雨雫 夢を見ていた。 夢、そんなものみないはずなのに、見ていた。 なぜだろうか?なんでそんなことがありえるのだろうか? まず、今のが夢というものなのだろうか、みたことがないので彼女は、 理解することはできるはずがなかった。加えて、内容も理解することができなかった。 いや、理解したくもなかったのだ。あまりにも、突飛すぎていたし、 何よりも凄惨なものだった。 が、しかしこの夢はすぐに消えてしまった。   学校はいつものように、文芸部の部室、兼SOS団の部室に入り、 パイプ椅子にすわって本を読む。それを繰り返していく毎日。 その毎日にいつも彼からの話かけられることがあった。 自分の正体を知りながらも、やさしく声をかけてくる彼。 「今日は何の本をよんでいるんだ?」 「………SF」 「そうか。」 「読む?」 「いや、その量は読める気がしない。」 「……そう」 なぜだろう?もうすこしだけ話し...
  • SOS団の無職15
    前回のあらすじ  涼宮ハルヒの自宅へお見舞いに出かけたキョンたちSOS団団員たち。朝比奈みくるに怒られた古泉一樹はちょっとしょんぼりしています。長門有希はあくまで普段通りの様子です。  涼宮ハルヒは思ったよりも元気そうでした。そう振舞っているだけということは、誰の目にも明らかだったのですが。  団員のメンバーたちと話す中で、涼宮ハルヒは今朝見た夢の内容を思い出してしまいます。とても悲しい夢です。まあ、そっちも現実なわけですが。     ~~~~~      最近やたらと妙な夢を見るようになった。俺も生活に疲れてきた証拠なのだろうか。  末期的な症状なのか、今朝見た夢などは自分が高校時代にタイムスリップしてハルヒたちと一緒に将来の夢のためにラーメンを作るというわけの分からない内容だった。おかしな内容ではあるけれど、何故か現実感がある夢だったんだよな。  俺は、しがないただのフリー...
  • A Jewel Snow (キョンVer)前編
    高校生活も早いものでもうすぐ2年が経とうとしていた。 ハルヒの無限地獄に付き合わされながらも悪くないと思うようになり、 いろんな活動をしている内に12月に入ってしまっていた。 なんでも今年は学校側の都合で休みが早まるそうだ。どうせ終わるのも早くなるのだし、 休みになったからと言ってハルヒが活動を休止するはずもないだろう。 その話をしたら冬でも元気いっぱいの団長様は案の定こう言いやがった。 「休みの間もSOS団の活動はもちろん継続よ!絶対不思議を見つけるんだから!」 そう言うならハルヒ、土曜の不思議探索だけすればいいじゃないか。 「何言ってるの!団員皆の団結は普段の活動無くしては得られないわ!」 はぁ…普段の活動にそんな効力があるとは知らなかったな… 「いいから!明日も朝10時に部室集合よ!」 へいへい… ささやかな日常と言える会話だった。 しかし、この「ささやかの日常」の脆さを、この一週間...
  • 霊なのか夢なのか
    さて、皆は霊というものの存在を信じているだろうか? 信じている、実際に見たことがある、むしろ会ってみたい、という人も少なからずいるだろう。 俺はというと、前にもそういう類のことを話したことはあるだろうが、昔はそりゃあもう信じていた。 もちろん今は信じてなどいない。もし存在するとしてもそれは長門の言う情報の残骸みたいなものなのだろう。 そしてそれはもちろん物質として存在するわけではなく、それに触られたりすることはないわけだ。   じゃあ最近俺が体験しているこの状況は何だ?   一週間前だろうか。暑いから布団も何も掛けずに寝ていると、急に何かに軽く触られたような気がしたのである。 しかし目を開けてみるとそこには俺の身体があるだけで何もない。どうやら妹の仕業ではないようだ。 しかも、少なくともこういうものは気付くと収まるものだと思っていたが、目を開けてからもその”何か”は 執拗に俺を触り続けて...
  • アフター ザ ナイトメア
     それまで体が動かなかった反動で、あたしは目を覚ますと同時にがばっと起き上がった。カチンコチンに固まっちゃってたのよね。情けないことに。  しばらくは冷静になれなかったわ。一瞬で周りの景色が変わったみたいだったし、いままで目の前にいたはずのアイツの姿も消えてる。  アイツの姿を目で探して、ようやく気づいたわ。ここはあたしの部屋。いまあたしが座ってるのはベッドの上。膝の上には乱れた布団が乗ってて、あたしは制服じゃなくていつものパジャマを着てる。外はまだ真っ暗。そう、この奇妙な体験はぜんぶ夢だったってわけ。  でも、夢だったと理解するまでにも数秒かかったわね。だってホントにリアルな夢だったんだもの。あたしはなぜかアイツと二人だけで学校にいて、外は昼なのか夜なのか分からないけど一面灰色に染まってて、そのうちなんか青い巨人みたいなのが現れたと思ったら学校を破壊し始めて……。  夢の最後、ア...
  • 涼宮ハルヒの赤面
    涼宮ハルヒの赤面 ハルヒの憂鬱に付き合ったせいで、俺の方が憂鬱になった、 世界を再構築どったらこったらの事件から大分月日が経ってる訳だが、こんな事は初めてだ。 「涼宮は風邪で今日は休みだ」 担任の岡部の無駄な話を聞き流していた俺の便利な耳はその部分をクローズアップした様に聞き取りやがった。 ハルヒが休むのは特に珍しい訳では無いが風邪と言う事に引っ掛かる。 ウイルスですらハルヒを避けて通りそうなモノだからな。 ケ ハルヒが居ない一日と言うのは何とも平和で退屈だった。 改めてハルヒは俺の平凡な生活に深く踏み込んでいたのかが分かる。 ……って俺は何考えてんだ。 今日は自己中な団長様も居ないようだから、部室に顔を出す必要も無いだろう。 そう思い、俺は珍しく朝比奈さんの声を聞きたいとも思わず、下駄箱に向かった。 俺を待ち受けていたのは他の人にはわくわくする出来事なのかも知...
  • 長編・涼宮ハルヒ2
    少女達の放課後 A Jewel Snow (ハルヒVer) ダーク・サイド 繋ぎとめる想い 涼宮ハルヒの演技 涼宮ハルヒと生徒会 HOME…SWEET HOME 神様とサンタクロース Ibelieve... ゆずれない 『大ッキライ』の真意 あたしのものよっ!(微鬱・BadEnd注意) ハルヒが消失 キョウノムラ(微グロ・BadEnd注意) シスターパニック! 酔いどれクリスマス 【涼宮ハルヒの選択】 内なるハルヒの応援 赤い絲 束の間の休息(×ローゼンメイデン) ブレイクスルー倦怠期 涼宮ハルヒの相談 お悩みハルヒ 絡まった糸、繋がっている想い 恋は盲目(捉え方によっては微鬱End注意) 涼宮ハルヒの回想 小春日和 春の宴、幸せな日々 春の息吹 おうちへかえろう あなたのメイドさん Day of February ハルヒと長門の呼称 Drunk Angel ふたり バランス感覚 S...
  • ハルヒの寝言
    夏休みも中盤にさしかかり、あまりの高温のためにシャミセンもとろけるようにぐったりする日でも SOS団というのは休業することはないらしく、汗で水浴びでもしたかのようにびしょびしょになって部室に向かっていた。 部室のドアの前に立ち、ドアをノックする。 ……… 反応がない。まだ誰も来てないのだろうか。 恐る恐るドアを開けると、古泉や朝比奈さん、それどころか長門の姿すら見あたらず、居たのは団長机に 突っ伏したハルヒだけだった。 どうやらハルヒは熟睡してるらしく、幸せそうな顔をしていた。しかも、陽の光を浴びているせいか、妙にその幸せ度も アップしているように見えて、この時ばかりはサインペンを持って現れるはずのいたずら心は姿を現さなかった。 「我らが団長様はお昼寝の時間ですか。」 やれやれとため息をつきつつつも、ハルヒの寝顔をよく見るために長門の指定位置に腰を下ろす。 こうしてみると、ハルヒ...
  • 涼宮ハルヒの情熱 第2章
    第2章 雨で中止になった第2回SOS団花見大会だが、ハルヒはそれほど不機嫌ではなかった それは今、俺の部屋で格闘ゲーム大会を催し、長門と決勝戦を繰り広げる様子や古泉の話からも明らかだ 「そこぉ!」 ハルヒの超必が決まり、決勝戦の幕が閉じる ハルヒが勝ったという結果を残して 長門はゲームをするのは初めてと言っていたが、慣れるにしたがってどんどんうまくなった それでもハルヒにはかなわない どうでもいいが古泉は最下位だった ボードゲームも弱いがコンピューターゲームも弱いらしい 「簡単すぎるわね、もっと難しいゲームはないの?」 ひとしきり優勝にはしゃいだあと勝ち誇ったようにハルヒが言った 「ソフトならそこの棚に入ってる。好きに選べ」 ハルヒがソフト探しに夢中になっている隙をみて俺は長門に耳打ちした 「この雨はいつやむかわかるか?」 すると長門も小声でこたえてくれた 「不明、ただしこの雨により桜の...
  • 長編・その他3
    SOS団お天気シリーズ 国木田の・・・ 涼宮ハルヒのストリートファイター 梅雨空に舞う雪 本名不詳な彼ら in 甘味処 沈黙の日 国木田の憂鬱 原付免許 クロトス星域会戦記(銀河英雄伝説クロスオーバー) 分裂、或いはSのモノドラマ(佐々木×キョン) セーラー服とメイドさん ユ・ビ・レ・ス Missing you関連 涼宮ハルヒの奇妙な冒険 ドラえもんとハルヒの鏡面世界(仮) (ハルヒ×ドラえもん) Macross Cross (MacrossF x 涼宮ハルヒ) 宇宙人は情報羊の夢を見るか? プロローグ ピノキオ 月の微笑シリーズ(佐々木×キョン) ランキング by.キョン(佐々木視点、オール物) お隣さんはすごいヒト 空と君とのあいだには 消失異聞 切り札と悪魔 谷口のTOT団 涼宮ハルヒの誰時 朝倉ルート 雷の夜のこと Live A Cat~シャミセンさんシリーズ~ 台風一過のハレの日...
  • 友達から彼女へ、彼女から友達へ
      ――キョンくんへ――    こんにちは。いきなりですがお手紙を書くことであなたに気持ちを伝えようと思います。  初めにあなたを気にかけたのは、教室で涼宮さんに話しかけたのを見た時でした。  わたしは涼宮さんと同じ中学だったけど、彼女が苦手で喋れなかったのに、あなたはすぐに喋っていましたね。  あなたは優しい人なんだなって勝手に感じました。  それからは、気がついたらあなたを目で追っていました。  涼宮さんに引き摺り回されたり、時には文化祭の発表のためカメラを持っていたり、雨の中でストーブを運んでいたのも見掛けました。  そうやって目で追っていたらいつの間にか好きになってました。  ほとんど話したこともないし、まして接点すら一つもない。  それでも好きになっちゃったんです。  わたしは何の取り柄もないし、顔もよくないし、スタイルもダメです。  部活だってレスリングなんかに入って、女らしく...
  • 普通の短編置場
    ここには普通の日常系とかのSSを置いてください。   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25   26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50   51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75   【題名付き・短編保管庫】 1 2   小説 Please tell a final lie こわれてしまった少女のはなし 五月の風、ふぁいなる 艦長ハルヒ保守 寝ぐせ byキョン 長門有希のカラオケ 谷口と国木田の恋 長門有希の密度 ある日の活動 スタンド・バイ・ミー うちゅうせんそう ...
  • 古泉一樹の消失
    ―――・・・。 「こんにちは!・・・ふうん、あなたが転校生の、」 また、この夢だ。 僕の記憶にある姿よりも随分と髪の短い、そして何故か北高校のセーラー服を着た彼女が、僕を上から下まで舐め回すように見つめている。 「うん、謎ね。長身のイケメンってところも謎の加点要因だわ!あ、ごめんごめん!自己紹介が遅れたわね!あたし、涼宮ハルヒ!あなたは?」 「古泉一樹です。よろしくお願いします。」 「古泉君ね!よし、行きましょう!」 「えっ、どこへですか?」 「我らがSOS団の活動場所となっている文芸部室へよ!特別に案内してあげるわ!」 そう言って、彼女は僕の手を取る。夢であるはずなのに、この手のぬくもりだけは妙にリアルだ。 「はて、SOS団とは?」 「細かい説明はあとあと!」 強引に僕の腕を引っ張ってずんずんと突き進む。そして、首だけをこちらに向けた彼女が、100万ワットの輝きを持った笑顔を僕に見せる...
  • 長門有希の絶望
    ソレは突然起こり突然終わった 情報統合思念体内で急進派が主権を握り ハルヒを拉致・解剖しようと乗り込んできたのだ 小泉・朝比奈 両名はその場で殺され ハルヒはどこぞに連れて行かれた そして俺と力を封印された長門は 不滅のゾンビ女・朝倉涼子の手により 囚われの身となってしまった 長門が別の場所に連れて行かれる 長門と目が合った あんな怯えた目の長門は始めてみた キョン「・・・・・なんで俺達を殺さない」 元1年5組の委員長に聞いてみる 朝倉「だってずっと消えてたんだもん♪ 私も少しは遊びたいわ・・・・・」 この時俺は  もう長門と会えないんだろな と悟った・・・・・ 長門は床のの上に転がされていた 長門が動くような気配は無い、気絶しているのだろう その姿はあまりに無残であった 朝倉から”遊び”という拷問を受けたからである 長門の全身はいたるところ傷だらけで血がにじみ...
  • SOS団の無職14
    前回のあらすじ  涼宮ハルヒはおかしな夢を見ました。自分たちSOS団がみんなして無職のまま公園でブラブラしたり暇にかまけて大型特殊免許を取ってみたりしている夢です。  夢を夢のままで終わらせておけばよかったのですが、何故かいつになく涼宮ハルヒはその夢に思い悩まされてしまいます。  というのも、その夢が彼女にとってもっとも考えたくない、目を反らしていたかった問題に関することだったからです。  ずっとひとりで考え込んでいた涼宮ハルヒでしたが、そんな彼女の家へSOS団のメンバーたちがお見舞いに現れました。     ~~~~~      SOS団を結成してから長い時間が経つけれど、私の家へ皆がやってきたのは初めてのことだわ。来てくれるのは嬉しいんだけど、何かあったのかしら。  私は扉の施錠を開け、みんなを玄関に招きいれた。何故だかみんな一様に愛想笑いを浮かべたふうに微笑んでいる。ああ、そう...
  • もう一つのサムデイ・イン・ザ・レイン
    ある寒い雨の日のこと。   ――涼宮ハルヒ――   今日あいつは学校を休んでる。 SOS団団員としてあるまじき行為だわ! なんて、言っても虚しいだけ。 風邪で休みなんてたまにはあるものね。 あたしは部室のドアを開ける。特別ワクワクするようなことがあったわけでもない。 ゆっくりと開けたドアの先には、古泉君が笑顔で迎えてくれた。 古泉君はどうしていつも笑顔なんだろう? あたしも女だし、古泉君のことは格好良いと思うわ。笑顔も素敵だしね。 でも、どうしてあんなにニコニコしていられるんだろう? あたしならムリね。   あたしはいつもの場所に座り、頬杖をついて、古泉君をじっと見る。 綺麗な横顔。確かに、そういう意味では特別な人なのかも。 「どうしたんですか?」 古泉君は隙の無い笑顔であたしに話しかけてくる。 「なにか僕のことを見ていたようですから」 やばっ! ずっと見てたのがばれちゃったみたいね。 な...
  • 高校生クイズ
    SOS団の5人で下校していたときのことだ。 俺達の先頭を行っていたハルヒが、帰り道にある電気屋の前で何故か立ち止まった。 「どうしたハルヒ?」 「別に、テレビがあったから。なんとなく」 サイズ違いのテレビが5台、外に見えるように展示してある。全て同じチャンネルに合ってるもんだから、見てたら目がチカチカしてくる。 「クイズ番組のようですね。以前見た記憶があります」 古泉がいつものようにニコニコ、いやニヤニヤしながら言った。そのくらい俺でも見れば分かる。以前見た記憶も無い。 「あ、これの答え3じゃない!?」 「え?これは2じゃぁ・・・」 「僕は・・・4かと思いますが」 ハルヒと朝比奈さんと古泉で勝手にクイズ大会を始めてしまった。・・・まぁなんとなくオチは読めるんだが。 『正解は・・・1番で~す!』 テレビの出演者が「え~」っと声をあげる。おっと、出演者だけじゃ無かった。 「え~?何で何で!?説...
  • 長門有希の報告
    はじめに  この作品は、キャラクターの台詞を一部『現地語』で表記してあります。その場合は、“【 】”で囲まれた斜体の部分が、対応する台詞の共通語訳(字幕)です。 もしも涼宮ハルヒたちの会話を、舞台のモデルとなった兵庫県西宮市の言葉で表現したら? そんなifの世界をのぞいてみてください。  字幕付きPDF版はこちら(PDF/610ページ/3.43MB)又はこちら 注意事項  この作品には、オリジナルキャラクター、暴力シーン及び女性同士による性的な表現が含まれています。 作品構成 Report.01 単独の序。以降の話とのつながりはありません。 Report.02~09 ある出来事と、それにまつわる涼宮ハルヒと長門有希の交流記です。 Report.10 もしも彼女が、こんな性格だったら? Report.11 もしも彼らが、こんな人物と出会ったら? Report.12~25 SOS団全員+...
  • みくるの告白
    目が覚めると、朝日が完全に昇りきってない空からは本日の晴天ぶりが覗える窓の外を見ながら、とても悲しい気持ちになった。 夢の中で何か大切な物を失ってしまう、そんなありきたりだけどめったに見ることの無い妙に現実染みた嫌な夢。 そんな夢を見ただけでとても悲しい気持ちになった。そんな幸先の良くない一日から動いた運命の話である。   悪夢で目が覚めた俺は、朝から憂鬱な気分で過ごした。学校へ行ってもどこか集中しておらず上の空だった。 ただ過ごしているだけの決して充実していない日常。少しだけハルヒの持ってくる非日常が恋しくなった。   「キョンくん、大切なお話があるんです。部活が終わったら少し待っててもらえませんか?」   たまたま廊下で会った朝比奈さんに突然そんなこと言われて焦ったが俺は了解する旨を伝えたのは今日の昼休みの事である。 SOS団の活動中の俺は、また未来絡みか、と戦々恐々とし...
  • 長門有希の報告Extra.3
    Extra.3 長門有希の夢想 ~Report.07 追加報告~  Report.07の夜に見た、夢の内容を報告する。  この夢を見る以前に、『彼』の夢の内容を聞いていたため、その記憶が影響して、内容の一部がその夢と酷似している。  夢の内容は、自分が経験したものの中で特に印象深いものが反映される傾向にある。つまり、わたしが『彼』から聞いた夢の内容が、わたしにとって非常に印象深いものであったことを意味する。これは換言すると、わたしの『願望』が現れていると解釈できるかもしれない。  ただし、その点について、わたしはコメントできない。したくないから。  涼宮ハルヒが自らの力を自覚した。彼女はすべてを受け入れる覚悟を完了した。  SOS団員は、それぞれその正体を明かす。  朝比奈みくるは、未来を固定するためにやってきた、未来人。  古泉一樹は、涼宮ハルヒの作り出す閉鎖空間に対処する、超能力...
  • Remedy of love
    おれはやっぱりこの季節が嫌いだ、しかも風邪なんかひいた日にはもう震えは止まら ないし鼻水は溢れるしどうしようもない。 「ちょっとあんた大丈夫なの?」 こいつが心配してくれるとはめずらしいね、それほどおれの見た目がひどかったんだろう 「・・・ああ死にはしないと思う」 いや下手したら死ぬかもしれない・・・死ぬ前に押入れの奥の物品を処分しなくては    やっと帰りのHRが終わった 「すまんな・・・今日は部室に行けそうにない」 朝比奈さんのお茶を飲んでも回復できそうにないからな 「送っていこうか?」 妙にやさしい・・・そーいえば長門が倒れた時は 嬉しそうに看病してたしな・・・しかし今はなにより静かに睡眠をとりたい 「いや一人で帰れるから心配するな・・・じゃあな」 心配そうな顔でこっち見るな・・・お前には似合わないぜ とは言ったもののやばいな、無事に家にたどり着けるだろうか。 校門をくぐり坂を下って...
  • 普通短編6
    キーンコーンカーンコーン やれやれ、これで今日の授業は終わったわけだ。 あの忌々しい数学が連続で4時間とかこの学校はなに考えてるんだか。 …早く朝比奈さんのメイド服姿をみて精神を癒そう。 俺は「ひゃぁい」という舌足らずな朝比奈ヴォイスを期待してドアをノックした――― 「古泉一樹です。」 くそっ、忌々しい。 元ネタ:キョンキャラソン 朝比奈さん(大)「お久しぶりです。キョン君」 キョン「朝比奈さん、聞きたいことがあるんですけどいいですか?」 朝比奈さん(大)「私に答えられることなら」 キョン「朝比奈さんがここに未来から来てるってことは、今の朝比奈さんが未来に帰ることは規定事項なんですね?」 朝比奈さん(大)「っ…そうなりますね……」 キョン「俺、朝比奈さんのことが好きです。俺たちが結ばれる可能性はゼロなんですか?」   朝比奈さん(大)「そう...
  • 人生最悪の四日間 第六章 ~笑い、再び~
        エルヴィン・ルドルフ・ヨーゼフ・アレクサンダー・シュレーディンガーという人物をご存知だろうか。 オーストリアの理論物理学者だ。 彼が文献で提唱した量子論に関する思考実験は非常に有名だ。 「シュレーディンガーの猫」と呼ばれるこの思考実験は、もともとは非決定論の矛盾を示すものだった。 だが、現在では別の実験結果によって決定論は有力視されなくなり、「シュレーディンガーの猫」は非決定論が克服すべき課題を示すものに置き換わった。 この実験はあくまで思考実験であって、実際の実験ではない。猫が可哀相だからな。 だから量子物理学者が量子力学の謎を解くために実際に猫を何匹も殺しているわけではないし、動物愛護の点でも問題は無く、物理学者が特に残酷なわけでもない。三味線を作る人間の方が残酷だ。   この実験を実際に行いたい人は次のものを用意してもらいたい。 ・蓋のある箱 ・猫(青酸ガスを吸うと死ぬ生き物...
  • 憂鬱な金曜日
    憂鬱な金曜日   梅雨。 雨は嫌いではない。 でも、あの湿気だけはどうも苦手。 ま、得意な人なんていないか・・・。 そんなことを、考えて外を見る。 すると、窓の縁の方にナメクジが這っていた。 「キモチワルイ」 「ちょっと、キョン塩持ってない?」 返事が、無い。 代わりに聞こえる声。 「彼は、寝てしまいました。涼宮さん。」 振り向くと、机に突っ伏してマヌケな顔 にヨダレまで垂らしている。 「全く、団長の命令なのに何寝てるわけ?」 「顔に、落書きでもしてやろうかしら・・・・・」 まぬけだから、気づかずにそのまま帰っちゃうんだろうな ふっ・・・。   まあ、いいか。 それにしても、よく眠れるわね。 こんなに、ジメジメしてるのに。 そして、また窓の外を眺める。 雨はまだ、止みそうもない。 傘、もって来たっけな? ふと、窓のふちを見ると ナメクジは、にげていた。 そして、また、外を、ボーっと眺めな...
  • SOS団の無職12
    前回のあらすじ  気分転換に出かけたコンビニで、ハルヒは佐々木と連れ立って歩くキョンと出くわしてしまいます。  ハルヒは、キョンがバイトを休んでまで佐々木と一緒にいたことに反感を覚えました。キョンが自分に、バイトを休むということを黙っていたからです。でもすぐに、あることに気づきます。  いい年した男が女性とふたりで歩いている。そんなどこにでもある光景に憤りを感じるのは、自分がキョンを、SOS団メンバーたちを、無理につなぎとめていたからではないのか。  当たらずとも遠からずと言えなくもありませんが、ハルヒは冷静さを欠いた頭でそれを勘違いします。自分がみんなを力ずくで悪い方向に導いてしまったのではないかと思い込んだのです。  そして、ついにハルヒの奇怪不可解摩訶不思議パワーが炸裂したようです。     ~~~~~      どすっという音が聞こえてきそうなほどの衝撃が、俺の腹部...
  • 長門有希に首っ丈
     静寂。それからは何故だかよく分からないが心の平安を与えられる様な気がしないだろうか?  …決して頭のネジが捩曲がった上にぶっ飛んでしまって空いた穴に石油が溜まってしまったからこんな訳の分からん事を言っているのではない。  元来、スローライフやらなんやらに対して少なからず憧れを抱いていた俺だからこそ感じれる感覚なんだよ。  だからそんな俺にとって今隣で置物以上に置物っぽく座っている番の片割れはまさしくベストパートナーと言うに相応しいんだな。  長門有希。なんたらこうたらうんたら体がハルヒの唐変木な力を調査するために生み出したなんちゃらフェース。  なんていうものは過去の認識であり、今は多少人間には出来ない事が出来たり、多少普通の人間とは違った習性を持ってはいるものの今そんなインターなんちゃらなんて風に読んだら人権擁護団体が騒がしくなってもな不思議ではない位、人間らしくなっている。  そし...
  • ひぐらしのなくハルヒ
    今日までの出来事が全て、夢だったらいいのになって何度も思った。 だから、書いてみた。書いて夢になると信じて。   ほら、よく漫画の中の夢にあるじゃない? 私の目の前に食べきれないほどのお菓子が積み上げてあって、 それに手を伸ばし、まさに食らいつこうというところで、 無粋に起こされて目を覚ますの。   それはとてつもなく長い長い夢で、 私は1年以上も眠っていたことになっている。   そう。 私は、退屈の野球試合のあと、有頂天に駆け出して、 赤信号の横断歩道に踊り出して、バイクにはねられてしまった。 それでずっとずっと1年以上も意識が戻らなくて、 ようやく、目が覚めるの。   まぶたを開けた時、そこには病院の天井が飛び込んでくる。 それから、ずっと看病しててくれたキョンが覗き込んでくれて…。 あははは。さすがにこれは出来すぎか。   でも、いいよね? こういうことにしてもいいよね?   生...
  • 長門有希の資料
    長門有希の資料 ~『長門有希の報告』別冊資料~ この報告は、かつて別の名前、別の文言で存在していた。それらをまとめた、いわゆる『初出リスト』。 ■本編 Report.01 長門有希の流血 原題 『長門有希の報告』 初出 2006/09/05 51スレ目 754 Report.02 涼宮ハルヒの認識(前編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(前編) 初出 2006/09/09 53スレ目 70 Report.03 涼宮ハルヒの認識(中編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(中編) 初出 2006/09/13 54スレ目 85 Report.04 涼宮ハルヒの認識(後編) 原題 涼宮ハルヒの気付き(後編) 初出 2006/09/15 54スレ目 407 Report.05 涼宮ハルヒの困惑 原題 同じ 初出...
  • SOS団の無職13
    前回のあらすじ  なんだか生々しい夢だな、と思ったら実は現実でした。自分はごくごく普通の、一介の男子高校生に過ぎないと思い込んでいたキョンは大ショックです。  ショックではあるけれど、それが事実である以上、目を背けるわけにはいきません。世界の命運がかかっているかもしれないのです。  キョンには理解しづらい理屈をぶつけ合い、討論を交わす古泉一樹と長門有希。  さすがにそんな二人の会話にはついていけないキョンでしたが、なにもついていけていないのはキョンだけではありません。朝比奈さんも全く分かっていませんでした。  でも、議論についていけない人が正しいことを言えないというわけでは、決してありません。むしろ、あまり状況が分かっていない人の方が的を得た発言ができる事もあるのです。     ~~~~~      朝起きた時から本調子じゃなかったのは感じていたが、登校して教室に入っても、授業...
  • 涼宮ハルヒの感染 エピローグ
    エピローグ  終業式の日は、雨だった。去年は快晴だったな。 俺は今更ながら、1年前にも大きな選択をしたんだということを思い出した。  あのときは世界そのものの選択。  今回は、誰に世界を託すかの選択。  結局、どちらにしても俺は自分の苦労する選択をしちまったわけだ。 ハルヒが暴走して、俺が振り回される。 この図式はこれからも既定事項なんだろう。  でも、それもいいだろう?  雨でも早朝サイクリングを続けている俺は、今日もハルヒとともに登校だ。 俺の後ろで傘を差しているハルヒも結構濡れるはずなのに、送迎を免除してくれはしない。 ──まあ、俺も休む気はないのだが。  こんな雨では自転車で会話もままならないので、無言のまま駅に着いた。 「さ~て、今日は午前中で学校も終わりよ! 放課後は楽しみにしてなさい!」 1週間ほど前まで意識不明だったとは思えない元気さで、ハルヒは言った。 そう...
  • 反英雄 第四章
         蹴破った引き戸が板張りの床に直撃し、付属のガラスが網目状に割れた。  夕日が教室で佇む女の黒髪を照らし、不覚にも絵になると思ってしまった。  俺の物語も最終ステージだ。 「こんにちわ。西野君」  朝倉涼子はマネキンみたく不気味に頬を歪ませる。  そして、その手に握られているのは夕日色に煌く刀身を持つサバイバルナイフ。  それを見て思わずほくそ笑んでしまったのはなぜだ?いや、そんなことは分かっている。  俺が笑っちまったのは虚勢でも発狂でもない。純粋に、目の前の女へ拳を叩き込める覚悟決まったからだ。  朝倉涼子は俺の命を奪う気に満ちている。俺を殺さなけれキョン殺害の障壁となる。  もちろんさせてたまるか。例え宇宙人が許しても、俺の魂が許さない。    朝倉涼子の物語は、ここで潰える。   「来いよ朝倉。それがお前の役割だろ」 「あなたの役割でもあるわよ?」  ああ、その通りだよ...
  • 遠距離恋愛 第十五章 前日2
    第十五章 前日2   一通り試験会場と大学構内を見て回った俺たちは、大学そばのファミレスで少々早めのランチを取っていた。 国木田と阪中の志望は、それぞれ理学部と教養学部とのことだった。ランチを食いながら、大学の感想やそれぞれの志望学部への感想や希望を一通り話し合った後で、国木田が切り出した。   「キョン達はこれからどうするんだい?」 うーん、実は考えてない。予定ではこれからホテルに戻って受験科目の最後の確認って所なんだが、何だかそんな気分じゃないな。 「おいおい、キョン。試験日は明日というのにずいぶん余裕じゃないか。キミは僕なんかよりも確認項目は沢山あると思っていたのだが」 へいへい、分かりましたよ佐々木さん。じゃあホテル帰って……って待てよ?確か午後2時以降じゃないと俺は部屋に入れないんだっけ。佐々木、お前の所はどうだ? 「ああ、そう言えば僕の宿泊予定のホテルもそんなことを言っていた...
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