涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki内検索 / 「Wiki編集・基本操作方法」で検索した結果

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  • 各ハルヒスレのテンプレ案
      これはVIPにあるアナルスレやプリンスレのテンプレ例である。 新しくスレを立てる人は参考にするといいかもね? 注意)AA省略   【アナルスレ】   ・SS投下の際は空気を読んでくださぁぃ。byみくる ・長編は完結できるように、途中放棄した日にはあなたのアナルはいただきますよ!by ふんもっふ ・長編投下はわかりやすいようにトリップや文頭にアンカーを付けなさい!by ハルヒ ・…キャラクターの口調、及びそれぞれの呼称についてはまとめサイトを参照すること。by ユキ ・自分で投下した長編はなるべくWikiで自分で編集したほうがいいと思うぞ。by キョン ・落ちを予想するのはやめ・・うをっ チャック開いてるぞ!by wawawa ・荒らしさんにはスルーなのね。by 阪中 ・とりあえず気楽に投下するっにょろよ。by めがっさ ・1レスには最大30行、全角で2048文字、1行全角120文字まで...
  • 悲恋
    「なぁ長門。お前のことが好きだ。付き合ってくれ」 「ずっとお前のことを想っていた。俺の、その、恋人になってくれないか?」 「好きだ! 長門!」 「長門、好きなんだ」 『拝啓 長門有希様。 …俺の柄じゃないな。だが俺の気持を伝えたい。好きだ』 「付き合ってくれ長門!」 「好きです。付き合ってください。……改まって言うと照れくさいな。だが本心だぞ」 「お前の魔女の格好は新鮮だったぞ。気付いたんだ、お前の可愛さに」 「その三角帽は反則だ! かわいすぎるぞ長門! ああ、好きだ!」 ………………………… …………………… ……………… ………… …… 「くそったれと伝えろ。……お前は俺が守る。長門、俺はお前が好きだ。あの世界で確信した」 ……… 「本当にいいんですね? 後悔しませんか?」 「いい。このままではまた世界を改変してしまう。  何度も彼はわたしへの告白をし、その...
  • ながとぅーみー 第五話「NHK(人間捕食協会)へようこそ!」
    何でこうなるんだ・・・? 「はん・・・ど・・・ぼぉ・・・るやろぅぅう・・・・・」 「岡部は最強クリーチャー扱いかよ!!」 「うわぁぁぁああ!!岡部の顔のタイラントうわぁぁぁあぁああ!!」 ハルヒ達の居る体育館に戻ろうとした俺達の目の前に現れたタイラント・・・もとい岡部。 そんな状態になってもハンドボールと呟くお前の信念は認めるがその爪では出来まい。 由良と成崎を守りつつ戦える俺達だけで必死に銃をぶっ放す。 長門でさえ少し苦悶の表情を浮かべているあたり、どうやら今回の岡部は相当ヤバい。 そして、ウザい。 「長門、古泉!倒すことを考えずに脚を狙って足止めだ!!」 「それしか無いようですね!」 俺達は一斉に脚へと集中砲火を浴びせた。 結果、岡部は呻き声を上げてその場にずっこけた。 そのついでに頭を近くの壁に思いっきりぶつけていた。 なんかすぐに立ち上がって追いかけてきそうな気がするんだが・・・。...
  • たまにはコンピ研部長だって!
    鶴屋「みくるみくる、パソコンがやりたいさっ!」 みくる「急にどうしたんですか?」 鶴屋「あたしもみんなみたいに動画見たりさ、ブログを書きたいよ」 みくる「鶴屋さんはパソコン持ってないんですか?」 鶴屋「持ってないにょろ、家にはおやっさんの仕事用があるんだけど変にいじって壊した日には…おやっさんに殺されるさ」 みくる「それは怖いです」 鶴屋「買ってもいいんだけど、何も知らないからブログが書けるか不安で不安で」 みくる「困りましたね」 鶴屋「みくるはパソコン持ってる?」 みくる「はい、頭の中…い、いえ持ってません」 鶴屋「はぁ~、誰か教えてくれる人はいないかね」 みくる「そうですね、あっ!いい人がいますよ」 鶴屋「誰さっ!」     キョン「で俺に白羽の矢が立った訳ですか」 みくる「はい、キョン君ならSOS団のホームページも作ったことあるし」 鶴屋「キョン君、めがっさお願い」 キョン「俺も人に...
  • トップページ
    ●本まとめページではトップページ画像を常時募集中です あなたの作品がまとめの顔になる。絵師の方々の鋭意力作をお待ちしています。 作品はまとめ専用うpロダに上げてください。 その際、雑談所に一報をくださると管理人が泣いて喜びます ここは2ちゃんねるニュース速報(VIP)で投稿された涼宮ハルヒのSSまとめ専用Wikiサイトです。みなさん気軽に閲覧・投稿・編集していってください! メニューへ 検索 and or 注意!作品を編集するにあたっての約束事 ページ作成はなるべくワープロモードのみでお願いします。 作品を編集する時は必ず左メニューから検索できるよう外部リンクをはりましょう。 【ページ編集容量制限】 Wikiモード編集:1200行、50000バイト(50KB),ワープロモード・テキストモード編集:10万行、200KB ワー...
  • Close Ties(クロース・タイズ) 第四話
    Close Ties(クロース・タイズ) 第四話      朝。体が異常に重たい。  そして眠い。なんとか立ち上がってはみたものの、睡眠が足りないと私の脳と四肢が訴えている。一体この状況はどういう事か。  横になりたいという気持ちに負けて布団を敷いてそこに潜り込み、そして昨日の出来事をずっと反芻していたのは覚えている。  私が有機生命になったという事をすぐ実感した。  生物特有の体臭が私から立ちこめていた上に、髪の毛はあらゆる方向へと自由に波打ってしまっていた。  シャワーを浴びるという行為が必要だと判断し、実行する。人間とはなんと煩わしい行為を、それこそ沢山毎日繰り返さねばならないのだろう。  足がふらつく上に、体は摂食を極端に拒む。思考速度が極めて低い。これが人間なのだろうか。  鏡に映った己の顔が濃い桃色をしている上に歪んで見える。人間になると私はこんな姿になるとは思いも寄らなかった...
  • 言えないよ
    「つばめよ 高い空から… 教えてよ 地上の星を…」 「あははは、いいわよー有希!」 「長門さーん、こっち向いてー。えいっ!」 中期試験明けの放課後。 制服のまま、平日格安のカラオケボックスへ突撃した あたし率いるSOS団一行は、慰労カラオケパーティーを 楽しんでいた。ここ数日は活動らしい活動もなく、 部室でもほとんど試験勉強一色だったものね。みんな、今日は めいっぱい羽を伸ばしなさい。団長が許可するわ! 無表情ながらなんだかんだでよく歌う有希に、そんな有希を 物珍しそうに写メに撮りまくってるみくるちゃん。 穏やかな微笑みで手拍子を入れている古泉君。うんうん、 みんな楽しそうね! と、そんなあたしの上機嫌さは、古泉君の隣に視線を移した途端 どこかへ飛んでいってしまった。ウーロン茶のグラスを片手に、 曲目帳をぺらぺらめくっているバカ男。 さっきから、こいつはずっとこんな調子だ。ああ、もう!...
  • ながとぅーみー 第六話「逃げてるぜベイベー★★」
    <SIDE KUNIKIDA> 「国木田、後ろだ!」 生徒会長に言われ僕は後ろに向かって銃を放つ。 後ろから遅い掛かろうとしたゾンビの頭が文字通り吹っ飛ぶ。 「ありがとうございます、生徒会長」 「生徒会は学校の生徒の為に行動するのが義務なのでね」 会長がクールな笑顔をにやりと浮かべる。 ナクドマルドでの攻防戦。大量に攻め込んでくるゾンビをひたすらに撃ち殺す。 弾はまだある。日頃運動して無いから結構つらい作業だ。 「由良さん、成崎さん、大丈夫かい?」 「うん、大丈夫」 「涼宮さんは?」 「私がピンチなわけないでしょうが!」 本当だ。ほぼ一発で頭撃ち抜いてるから無駄がないや。 会長さんは涼宮さん以上の腕、というか映画のワイヤーアクションみたいな動きだけど何か運動してたのかな。 それよりも、僕には気に掛かる事があった。 あれからもう長い時間が過ぎてるはずなのに、一向に谷口が姿を現さないことだ。 ...
  • 長門有希の情報操作
    暗い。周りには何もない。上も、下も、右も左も何もない。真っ暗闇だ。ここは何所なんだ?   「ここはあなたに選択肢を与えるために私が作った精神移動空間。」   何もない空間。俺の前に1人の少女が立っていた。   「長門!なんなんだこれは?」 「貴方は不慮の事故によって死んだ。そして涼宮ハルヒは貴方を失ったことを悲しみ、もともと現実にいなかったことを望んだ。」 「なら今ここにいる俺は何なんだ?死んでるどころか存在が無いんじゃないのか?」 「無くなる前に私がこの空間へ残りの精神のみを移した。選択をさせるために。」   さっきも言っていた。 選択 とは何のことだろうか。   「その選択ってのはなんなんだ?」   ……   「貴方はまた元の世界に戻りたい?」   そういうことか。   「ああ、またSOS団であいつらと一緒に馬鹿やりたいしな。何より、あいつに会いたい。」 「そう。」 その返事を最後に俺...
  • 『Hirundo rustica』
    1 去年の今頃…それは忘れたくても忘れられず、忘れるためには脳内の記憶をつかさどる分 野…どこだっけな?海馬か脳下垂体か、まぁそのあたりを外科手術によって取り除いてもら わなければならないだろうが、当然、そんなことをするわけでもなく、俺の記憶に三つ又ジャベ リンのように突き刺さっているのは、SOS団結成とそれにまつわる、「あの」日々だ。  今年はと言えば…同じように新学期早々に忘れたくても忘れられない事件が起こっている のだが、なんだ、俺の体質は毎年春にトラウマのように事件が起こり、それを記憶の深い 領域へと保存され上書き不可となるようになってしまったのか?ということを誰に嘆くわけでも なく、あぁこれも全部自分の行いのせいなのか?懺悔の一つでもしてきたほうがいいのか? 教会ってどこにあるんだっけ、町や村に一つずつあるんじゃないのか?なんて考えている のも、すべてはここSOS団のせいなのか?...
  • 四月の雪
     僕は今、一通の手紙を手にベッドに寝転がっている。  飾りっ気の全く無い、業務用とでも言うべき差出人の名前の無い封筒に、一枚きりの便箋。  差出人の名前がないという時点でちょっとおかしいなと感じたけれども、宛名は普通に僕の住所氏名だったし、切手も張ってあったし消印も押してあったから、きっと、知り合いの誰かが名前を書き忘れただけだろうと思った。消印の場所にも心当たりがあったし。  それは、僕が高校時代の三年間を過ごした場所。  たくさんの想い出の詰まった、今は遠い場所。  元々とある目的を持ってその学校に転校して行った僕は、高校卒業と同時に、遠方への進学を選んだ。  進路を決めるときには、それほど深いことは考えていなかったんだと思う。  どこでも良いというのなら、別れは少し寂しいけれど、違うところへ行ってみよう。  きっと、それだけのことだった。  けれど僕は、無事進学先も決まり卒業式の直...
  • 言いたい事は言えない話
         言いたい事は言えない話      道行く人が着る上着と同じ様に、外吹く風もその色を変えてきた――今は十一月。  週末恒例となっているこの市内散策も、ただ目的も無く歩くだけでは凍えてしまう季節がや ってきていた。  日に日に寒さが強くなるにつれ、どうせ何も見つかりっこない不思議探索などはこの際止め て、長門か俺の部屋でのんびりゲームでもしていればいいんじゃないかと俺はかなり本気で思 っているのだが、 「みんな~いい? 今日こそ宇宙人を見つけてくるのよ! ノルマは一人宇宙人一匹、未来人 でも超能力者でもいいからね!」  乾いた大気を震わせるハルヒの声。  人で溢れる駅前で高らかに妄言を叫んで見せたハルヒには、状況に合わせて行動内容を改め る等といった考えは、そもそも存在していない様だ。  それでもまあ、物は試し、百聞は一見に如かず。 「なあ、ハルヒ」 「え、何」 「今日の活動について...
  • 長編・801・アナル
    801無題1 801無題2 801無題3 801無題5 801無題6 ANAL GEAR ANALGEAR2SUZUMYAHARUHI ANALGEAR3 PENIS EATER ANALGEAR SONOU THE TWIN ARAKAWAS ひぐらしがなかないハルヒ 穴泣かし編 ひぐらしのなかないハルヒ 祟犯し編 キョンの初体験 アブノーマル昔話 成れの果て 古泉一樹の動揺 壊れた記憶 アナルスレ世界のキョン 古泉くんは私のもの 長門物→?? 古泉一樹の憂鬱 アナルギアコイズミ ANAL GEAR AF!D 古泉一樹の姦計 耳そうじ 古泉一樹の欲望 兄貴発、兄者着 濡れネズミ BEVEL バイオハザード 俺たちカンガルー 『アナルいじり』 ㈱機関コーポレーション 本命は誰だ アンチ・アナル・レジスタンス こいずみくんのらたい 少年キョン アナルを出よう! テキサスシュール勃起物語
  • 第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』
    第三章『なぜならあたしは、天下無敵宇宙最強のSOS団の団長様だからよ!』     「いたたたたたた……って、嘘ぉ!?」  九階から投げ出されたはずなのに、あたしの体は骨折どころか傷一つ付いてなかった。 「どうなってるのよ……それにここはどこ?」  百歩譲って無傷だとしても、あたしは病院の敷地に落ちるはずだ。だけどここは病院ではない。 「どっかのマンションかしら?」  あたしは病院の敷地ではなく、どこか見覚えのあるマンションの一室のベッドの上で目を覚ました。  とにかくここを出よう。フローリングの床に、病院の廊下で落としたはずの鉄パイプとデイバッグあったが、それをを拾い上げて部屋を出た。    その部屋を出ると、奥歯と奥歯の間に挟まった銀紙みたいな既視感の謎が解けた。 「ここ、有希と朝倉が住んでいたマンションだ……」  確かに北高には近づいたが、不気味すぎる。あの病院からここまで何百メー...
  • 3人娘の本音
    いつも通りの放課後。 3学期が間もなく終わろうとしているある日のこと。 俺はいつも通り、SOS団本拠地というある意味魔窟と化した文芸部室へと向かっている。   いつも通りならあいつに引っ張られるようにして部室に行ってんじゃないかとかいう、ツッコミはするな。 残念ながらハルヒは担任の岡部から呼び出しを食らっている。 進路希望に関する事なのだそうが、あいつがどんな進路希望を書いたのかだいたい想像できるし、何故呼び出されたのかも予想できる。 めずらしく熱血担任に同情してしまった。岡部も最後の最後まで災難だったな。   さて、そんなこんなで、いつも通り部室のドアをノックし魔窟にとらわれし麗しの王女の声を待つが、いっこうに朝比奈さんの返事がない。 俺は仕方がなく部室の扉をゆっくりと開く。 中にはいつも通り分厚いハードカバーの見た事のない文字で書かれた本を読んでいる長門だけがいた。   「よっ長門。お...
  • 読めない記事への対処法
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  • 橘京子の消失(前編)
    「…………、……きて……」  ――声が……聞こえる―― 「……くん、………ったら……」  ――俺を呼ぶ声―― 「……むー、……おき……よ……」  ――どこかで、聞いたことのある―― 「……おき…………なら……」  ――しかも毎日聞くこの声は―― 「えいっ!」 「ぐふぉ!!」  朦朧としている頭で必死に状況把握をしている俺は、砲丸投げの玉を腹部に直撃したかのような鈍い痛みを伴って、完全に覚醒した。 「ってえな! 起こす時はもっと優しくしろって言ってるだろうが!」 「だって、キョンくんったらなかなか起きないんだもん」  ぷくっと膨れる顔はいつもよりも殊更幼く見えるが、それもこいつが今まで行ってきた業というものだろう。怒られたくなかったら無茶な起こし方をするなと再三言い聞かせているのに、この癖だけは一向に治る気配を見せない。  間違いなく俺の妹である。 「ごはんだよ~ あっさごっ...
  • 「編集長☆一直線!」改
    1.童話(橘京子)    今は昔のことなのです。  とある小さな国の森の奥深くに、一軒の山小屋がありました。  そこでは白雪姫が九人のこびとさんといっしょに住んでいました。  その白雪姫は追い出されたんじゃなくて、自分でお城を家出してきたのです。  お城の窮屈な生活が嫌だったからです。  白雪姫は、こびとさんたちのおかげで衣食住に困ることもなく、悠々自適の生活を送っていました。    同じころ、森の近くにある海で泳いでいた人魚が、難破した船から投げ出された王子様を助けていました。  人魚は王子様を岸まで運びますが、気絶した王子様はずっと眠り続けています。何をしても起きません。困った人魚は白雪姫のところにつれて行くことにしました。  白雪姫とは彼女が森に来たときからの友達でした。人魚は白雪姫から「困ったことがあったら僕のところにくるように」と言われていたことを思い出したのです。  人魚は人の...
  • SOS団のメタボ5
     人間は遠い昔から、あの大空に無限の夢を見てきた。  白く、そして時には黒くたなびく雲の群れ。夜にはそこに目を奪われるほどに美しい星々を撒き散らし、心を妖しくかきたてる月を浮かべる。  何者も畏敬の念を抱かずにはいられない雄々しい太陽。そして誰も逆らうことのできない神の雷。青々とした、澄み渡った空は常に変化を続け、川底の小石を撫でる水のように我々地上の動植物を包み込んできた。  だからこそ人は鳥に憧れ、翼に信仰を抱いた。偽の翼で大空を我が物にしようとした愚かなイカロスは、だから侵すことのできない大いなる神の領域に力及ばず散ったのだ。  人は神には及べない。ここで言う神とはハルヒのような例外は別として、大自然のことだ。物理法則ってやつだな。  人は神に及ぶべくも無い。天を目指した長大な塔は砕け、神をたぶかそうとした愚かな人間は惨めな罰を受けた。  人は飛行機や飛行船など、物理法則に忠実に...
  • 長門有希の報告Report.8
    Report.08 長門有希の操作  今日、すること。この流れなら言える。以前試みて、できなかったこと。  ネット上の、彼女に関する個人情報を消去する。  やはり彼女が日常生活を取り戻すためには、この過程は必要となる。情報統合思念体としても、涼宮ハルヒが世間に妙な注目を浴びて、余計なストレスを受けることは好ましくないと大勢は判断している。対処が難しくなるから。  そしてもちろん、わたしという個体も、彼女が日常を取り戻すことを……強く、願っている。  実現のために必要なことは……彼女、涼宮ハルヒの同意。  どのように話を持って行くか。考える。昨日、わたしは彼女と一緒に帰宅するために、彼女に変装……男装をさせた。  そう。彼女は、そのままでは誰かと一緒に歩くことも叶わない。そして何より、彼女の仲間……SOS団に近付くことさえできない。団長であるというのに。このままで良いのか、彼女に問い掛け...
  • 朝倉涼子迷走記 後編
    読む前にこのページにも目を通していただけると嬉しいです。 そんなこんなで目を覚ますと 「あーさだよー!!」 またまた妹が空中にいた。 ってかその構えは…フライングクロスチョッ「ぶはっ!!!!」 …これは…効いたぜ… 「あれ…キョンくん?」ペチペチ …頼む…頬を叩くのを止めてくれ… 「キョンくん動かなくなっちゃった…」バチンバチン 「…頭を叩くな」 「あ!キョンくん生きてた!!」 勝手に殺すな。 「…あのな、人を起こすときくらい普通に起こしてみたらどうだ?声をかけるだけでいいだろう?」 「えー…でもハルにゃんがキョンくんを起こすときはこうした方がいいって言ってたよ?」 …あのやろう。 まぁいい。どうせハルヒに注意しても無駄な気がする。 そういや今日は朝倉が計画を話すとかなんとか… そんなことを考えながらのんびりと学校へと向かう。 「お、キョンじゃねぇか!」 ...
  • ハカセくんと佐々木さんとハルヒの時間平面理論
     私は、いつもどおり研究所の食堂で昼食をとっていた。  この食堂は、某IT企業ばりに職員は無料で食べ放題だ。  私の視界の範囲内には、山盛りのカレーを黙々と食べる長門有希さんの姿があった。彼女は、この研究所付属の図書館の司書だった。      この研究所は、理系から文系までなんでもありの総合研究機関で、出資者にはあの鶴屋家の系列の企業も入っている。  基本的に資金使い放題で研究できるという研究者にとってみれば天国みたいなところだ。文系の私でも費用を気にすることなく資料をかき集められるし、理系の研究者は湯水のごとく資金を投入して実験を繰り返している。スパコンなみのコンピューターも使い放題だ。  それだけの資金の供給源は、所属する研究者たちが生み出した特許だ。特許権の管理事務を研究所で全面的に請け負う代わりに、特許使用料収入は研究所と発明研究者で折半というルールだった。  研究者という人種...
  • 異界からの刺客
    プロローグ SOS団の部室ではただ、ページをめくる音だけが聞こえていた。 長門はこの時間、誰れもいない部室でただページをめくるだけの時間が「好き」だった(もし、ヒューマノイドインターフェースたる「彼女」にそんな感情があるとして、だが)。知覚のごく一部分で目の前の原始的な情報インターフェースから情報を読みとる一方で、残りの無尽蔵とも呼べる知覚能力で情報統合思念体と交信し、宇宙全体の時空に想いを馳せる。そんな時間が「好き」だった。 が、それでは、残りのSOS団員たちが来ない方がいいのかというその状態も「好き」でないわけでは無かった。知覚の別のごく小部分を、ハルヒやキョンや古泉や朝比奈みくるのたわいもないやりとりの観察に費すのもまた嫌では無かった。 つまるところ、「彼女」は一種の情報収集システムとして生み出されたのであり、バックアップとして非常事態に過激な対応をするために作りだされた朝倉ユ...
  • 長門有希の報告Report.24
    Report.24 長門有希の憂鬱 その13 ~朝倉涼子の手紙~  それにしても気になるのは、涼宮ハルヒが見たという夢。朝倉涼子が出てきたという。そして、あの『手記』を見せられた時の突然の閃き。あの時わたしは、誰かが囁く声を聞いたような感覚を覚えた。  あれは何だったのか。わたしの感覚器の誤作動か。  ここでわたしは、ある仮説に辿り着いた。喜緑江美里にその仮説を伝えると、彼女もそれを支持した。しかしその仮説を検証することはできない。なぜなら、それはわたしの感覚では知覚できないから。  江美里は、あるいは知覚しているのかもしれない。 「わたしが知っているかどうかは、不開示情報です。もし知っていたとしても、それを長門さんに教えるつもりはありません。……意味が無くなってしまいますから。」  わたしが辿り着き、そして検証することができない仮説。  それは情報統合思念体の把握している情報に...
  • サークルオブザムーン ●
    今日はデパートでセールがあるらしく、ハルヒ達女性陣は休みだ。 それでも俺の足は文芸部室に進んでいた。   『喜緑さんみたいにSOS団に依頼に来る人がいるかもしれないわ』   ハルヒがそんな事を言いながら鍵を渡してきたからだ。 まぁ、喜緑さんは仕掛人だったから良かったが、 阪中の時のように本当に困っている人が来たらどうすりゃいい? その時は、改めて後日にご足労願うか。 凡人の俺に出来る事は留守番ぐらいしか無いからな。   「お待ちしていました」   鍵を開け、ドアを開けた瞬間、古泉の声が聞こえてきた。 何故だ?鍵はどうした?   「窓が開いていたのでそこから入りました」   何で窓から入る?ここが何階なのか分かってるのか。 超能力者はいつから空き巣になったんだ? 「ははは、理由はこれから説明します」   声の聞こえた先に、古泉は居なかった。 その代わり、地面に赤い珠が一つ。 …幻覚と幻聴か。...
  • 橘京子の憤慨 その2
    「あの……んぐ、ほじんほくほ……はぐはぐ……はまわり……」 「…………」 「ぱくっ、はいへんありは……もぐもぐ……たい……んんっ、おいしー!」 「…………」 「……のですが、できれば他の方からの、あーん……あろはいすが……むぐむぐ……良ひと思いますぅ……こっくん、あ゛ぁっ、染みるぅ~」 「……食うか喋るかどっちかにしろ」 「はひっ!はかりはひんぐっ!!ゴホゴホッ!!ゲヘッ!!」 「………………」  人に助けを請い、また苦労をさせながら、全くそれを自覚をしていないイカれ白玉女は、抹茶チョコのエクレアとカスタードプティングとラ・フランス果汁たっぷりのグラニテを交互に頬張りながら、申し訳程度の謝罪の言葉を発し、そして喉を詰まらせた。  朝比奈さんと(ケンカ)別れした後の事である。俺は橘お勧めのお菓子屋さんに来て、マカロン・ダミアンとザッハ・トルテを自棄食いしていた。  先ほど叩かれた痕...
  • LOST 8話
    長門か。わざわざ放課後に呼び出すって事はまた警告か?   「そう。だが警告は既に伝えてある。だがあなたは警告に背いた。最終判断を下す日」 最終確判断って…   「あなたは、統合情報思念体からの警告を受けてから約一週間の時間を与えられた。 その間に、十分答えを見出せたはず。よって今日この場で統合情報思念体による最終の判断 及びプログラムの実行を行う」   待て、確かに一週間の時間があったがそれがハルヒの能力や周囲になんら変化があったとは考えられないぞ。 それを考えれば、まだ判断するには早いんじゃないのか?   「それは違う。この一週間あなたと涼宮ハルヒの行動は全て監視されていた。と同時に涼宮ハルヒの能力は ほぼ完全に近い形で消去されている。現在涼宮ハルヒの能力を数値化で表すとすれば0.2%程度 これにより統合情報思念体は進化の鍵を失ったと判断。よって、残された道は一つとなった。」   俺は完...
  • 涼宮ハルヒの幽霊
    「いやーすっかり遅くなっちゃったわね」 全くだ。現在時刻、午後9時半。部活にしては遅すぎるぜ。 朝比奈さんなんかさっきからあくびをかみ殺してばかりだ。ふぁあ。あくびうつった。 とりあえず、早く帰って休もうぜ。明日休みとは言え疲れをためるのは良くない。 「わかってるわよ!…キョン、古泉くん!」 何だ。 「何です?」 「女子をそれぞれの家に送りなさい!こんな時間に女の子が一人で歩いたら危険よ!」 あのなハルヒ、こんな時間になったのはお前が… 「わかりました。ここから一番近いのは長門さんの家ですね」 「じゃあみんなで有希の家へゴー!スパイダーマン♪スパイダーマン♪」   近所迷惑になるからスパイダーマンのテーマ(エアロスミス)歌うな。   「ぅう…暗いですね…」 すみません朝比奈さん、俺がついてますから…本当だったら真っ先にあなたを… 「…キョン」 何だよ…   --------- 何となく喋り...
  • 長門有希の誕生
    私が対人用ヒューマノイド・インターフェースである以上、人間との接触、コミュニケーションをとるにあたっての基本的な知識は持っている。 でも、それを応用するキッカケがない。私には話を盛り上げる知識は納められている、だが、話をかけるための体の知識はない。 だから私は、用もなく人に話をかけるというコミュニケーション方法はとれなかった。とる必要性もないと感じていた。 ごく稀に私に話をかけてくる人はいた。クラスメイトの女生徒が、稀に私に質問形式で話をかけてくる。 私はその質問に不都合がない範囲で簡潔に答える。不都合がある場合は答えず聞こえないふりをする。 それが終わると必ず、女生徒は自分のいるべき集団に戻る。そして私の反応を口頭で簡単に述べる。 たまに私の方をチラチラ見ながら。私にはそれがなにを表すのかわからなかった。わからなかったけれど、少しだけ悲しかった。 三度目のそれから三日と一時間後に、廊下で...
  • 思いつきのネタ
    www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/276.html 長門「最近胸の大きさが気になり始めた」   キョン「お前宇宙人なんだし、自分で簡単に大きく出来るだろ」   長門「自分の胸の大きさを操作することも考えた」   キョン「じゃあなんで・・・」   長門「情報統合思念体からの許可が下りなかった」   キョン「・・・・・・」
  • 長門有希の報告Report.21
    Report.21 長門有希の憂鬱 その10 ~涼宮ハルヒの恋人~  わたしは大切なものを二つ失った。  一つは、涼宮ハルヒの感情。もう一つは、朝倉涼子の存在。  ハルヒはわたしを『団員』として扱い、涼子はもはやこの地上に存在しない。  本当はこの状態こそが正常で、今までが異常。すべてが元通りになったと言える。  それなのにわたしは、そうとは割り切れないでいる。失ったと感じている。  そのような事を考えてしまうわたしは……端末失格なのだろうか。  この件は、ハルヒ以外の彼らには伝えてある。  わたしはこの、文芸部室であって、同時にSOS団の活動拠点ともなっている旧校舎の一室で本を読む。やがて朝比奈みくるが入室してメイド服に着替え、お茶を振舞う。古泉一樹がやってきて各種ゲームを準備する。『彼』が入室して定位置に座り、ハルヒが勢いよく扉を開いて入室し、団長席に座る。  ハルヒはパソコンで何...
  • キョンの財布
    毎週のように実施されるSOS団の不思議探索で また恒例のように遅刻の罰金としてメンバーへの おごりを実施させられている俺の財布は もはや健康的なダイエットから、国連の支援要請の 受け入れを検討せざるをえない状況になりはじめていた   ここで俺は日ごろ疑問に思っている事項について 直接本人に問い合わせることにした   【長門編】   キョン「なあ、長門」 長門「なに」 キョン「お前、この世界での生活費とかってどうしているんだ、なんとか体から仕送とかあるのか」 長門「問題ない」 長門「情報操作は得意」 キョン「情報操作って、おい」 長門「大丈夫、この国の経済に対して深刻な影響を与えるような操作はしていない」 キョン「・・・」 長門「この国の宝くじには約2%ほど、当選後の引き取りのないものがある」 長門「その中から話題にならない程度の額を都合している」 長門「ちなみに昨年1年で4億円ほど調達...
  • 管理人の業務連絡
    本ページは私管理人からの連絡ページとなっています。管理人への質問やまとめ編集やページ名変更、削除に対する要望・依頼は雑談所内にある各対応スレでお願いします 移行作業開始 -- 管理人 (2007-01-12 01 10 14) 前まとめページから全ページ移行完了 -- 管理人 (2007-01-16 02 56 14) 企画ページ展示開始 -- 管理人 (2007-01-22 03 13 58) SS総合スレ66~69スレ目完了。 -- 管理人 (2007-01-23 14 41 53) SS総合スレ70、71スレ目完了。 -- 管理人 (2007-01-24 10 15 57) SS総合スレ72、73スレ目完了。 -- 管理人 (2007-01-26 14 37 16) SS総合スレ74、75スレ目完了。 -- 管理人 (2007-01-27...
  • 名無しさんの反乱
     名も無い私に与えられた任務は、第三惑星から発信される情報の観測、及びその惑星を標的とする他の意識集合体への警戒だった。  人間が観測し得ない距離からの第三惑星の監視を続けて三年(第三惑星における時間換算)が経過した。  以前は第三惑星での観測任務をしていたが、ある時にこの惑星への位相を命じられた。訂正、この星は惑星の定義から外された為、現在は矮惑星に分類されている。  この星には恒星の恩恵も届かず地表は凍りついている。太陽など只の点でしかない。この岩石のみの世界を殺風景と表現せずにいられようものか。    第三惑星と相対的に見ると公転周期が極端に長いこの矮惑星上から、軌道の反対側の事柄について対処するのは困難を極めた。だから外部からの侵入を容易く許してしまったこともある。  幾度となく侵入阻止失敗を報告したにも関わらず、統合思念体は私をここに留まるよう命じた。そこまでする理由が理解出来...
  • 3つの選択肢
      「本当に……よろしいのですか?」 「いい。……私も、あなたという固体と親密になりたいと願っている。」 「ありがとうございます。……愛しています、長門さん。」 「……わたしも。」   団活終了後、帰り道古泉一樹と二人きりになった時、思いもよらぬことが起こった。 古泉一樹に、私に対する想いを伝えられた。 心拍数上昇。体温上昇。膨大なエラー発生。でもこのエラーは……不快では無い。 そしてこの時私も、古泉一樹と同じように感じていることに気付いた。彼を……愛していると。   こうして私達は、世間一般でいう「恋人」という関係になった。 翌日、私達は一緒に部室へと足を踏み入れた。……手を繋いで。 部室には朝比奈みくるだけが居た。心なしか、表情が暗いように思える。   「こんにちは、朝比奈さん。」 「あっ、こんにちは。あれ?手を繋いでる?」 「ええ。お恥ずかしながら、長門さんとお付合いさせて頂くこと...
  • 朝比奈みくるの未来・第4章
    第4章・邂逅(ここもあたしです。みくる☆)    わわ、い、言っちゃいましたぁ…。 鶴屋さんの後押しがあったから言えたんです。 明日会ったらなんて言えばいいのかな。恥ずかしいから遠回しに言っても大丈夫かな。ううん、それだと気づかれなかったら困るし、やっぱり素直にはっきりと言わないとダメかな…。 どうやって伝えたらいいのかな、頭の中でグルグル回ってます。   グルグル回って、フワフワしてしまいそうですが、もし、あたしの気持ちを伝えたらどうなるんだろうと考えてしまいました。あたしの知る未来を考えれば、伝えてもたぶんうまくいきません。いえ、そうでなくてはならないのです。それが規定事項ですから…。 時間駐在員たる者、規定事項を変えてしまう行為は許されません。未来へと続く時間平面上で、ある一平面上にある落書きのようなものであるあたしが、たとえ未来を変えようとしても、本来の未来に帰結するために...
  • 橘京子の――(後編)
     なお、橘の記憶についてだが、なんのかんのあって元の記憶を取り戻すことができた。  といっても、彼女自身が全てを思い出したわけじゃない。それどころか彼女自身どうしてよいか分からない状態だった。もちろん俺の力ではどうする事も出来ず、お手上げ。  こうなっては誰かの手を借りて修復するしかない。誰の手を借りるかといえば――お分かりの通り、超絶万能スキル文芸部長、長門有希の力によるものである。  しかし、その長門も当初「許可が下りない」との理由で橘の脳内情報操作を施すことが出来なかった。曰く『涼宮ハルヒに関わる全ての人間に対しては原則観察のみ行う。それ以上の行動は禁止されている』とのことである。  だが、何とかして情報を蘇らせたかった俺は長門に懇願し、三秒ほど俺の顔を眺めつづけた結果、首を縦に振ってくれたのだ。  とは言え、ヒトの記憶を操作することが出来ない以上、別の方法で記憶を蘇らせるしかな...
  • 長門有希の妊婦生活
    (長門有希の結婚生活 [R-18]の続き)   「おめでたです。」 産婦人科の先生にそう告げられた。 結婚してから一年半、ようやく私も母親になれるのだ。 彼にはどうやって伝えよう? 昔の私なら単調に事実を告げるだけだったかもしれないけど、今は違う。 どうにかして彼を喜ばせたい。   方法1:数日間思いきり冷たくしてそれから発表 …駄目。 冷たくしたら彼の私に対する態度も冷たくなるだろう。 そんなの堪えられないし、胎教に悪い。   方法2:以前のように豪華な夕飯、お風呂の後にラブラブ発表 …いい。 けどいつも通り過ぎて思い切り喜ばせるのには向かないかもしれない。 最悪の場合これでいこう。   方法3:いつも通り普通に過ごし、夜寝る前に発表 …これ? いつも通りだからかなりのハプニングになるはずだ。 取り乱す彼を想像するとつい口元が緩む。   方法4:妊娠検査の紙を「あのー…」   「…?」...
  • ラジカルメッセージ 中編
     いやに目覚めの悪い朝で、その理由の大部分を冬の寒さに押し付けてしまうのは些か身勝手なものではあるが、不満をぶつけられる側の冬の寒さは憤ったりして反論するようなことは無いので、このまま寒さのせいにしておこう。大体、こんな寒空で元気一杯になるのは犬とガキだけで充分だ。シャミセンもいつの間にやら俺の布団に潜り込んでいるではないか。犬でもガキでもない俺にはこの寒さが憂鬱で仕方が無い。    朝の光を頭から浴びてトドメの目覚まし代わりにしようと、カーテンを開けてみてさらに憂鬱になった。凶悪的な冷却効果をその見た目と “雪” という可愛らしい言葉に巧みに隠しこんだ白銀の結晶の集合体。それが辺り一面。歩いているうちにだんだん靴の中へ侵入していき、冷水に形を変えて靴下をずぶ濡れにしてくださる、紛う事なき悪魔的な自然の産物である、とここに断言しよう。  …同じ “ユキ” とは大違いだ。    これは靴下...
  • 朝倉涼子の退屈
    朝倉「あぁーん!私も学校行きたい!行きたい!行きたいぃー!」 喜緑「前は退屈だぁ!って嘆いていたじゃない」 朝倉「もう一日中部屋に籠ってるのは退屈なねよぉー!!行きたい!行きたい!行きたいのー!」 喜緑「駄目よ、だって涼子ちゃんカナダに転校したことになってるんだもの」 朝倉「うぅー…ちきしょう!酒持ってこい酒ぇ!ヤケ酒じゃあ!」 喜緑「あんたやめてぇー!子供(有希ちゃん)も見てるんだからあっ!」 長門「( ゚_゚)」 朝倉「うるさーいっ!」 ペチン 喜緑「きゃんっ」 朝倉「元はと言えばその子(有希)が原因じゃないっ!っていうかあんた原因なんだからその『別段味ないけどなんの騒ぎ?』って顔すんな!」 喜緑「まあまあ、有希ちゃんだって悪気があってやったわけじゃないし。それに暴走しちゃった涼子にだって責任はあるのよ?」 朝倉「うぅー、でもー…」 喜緑「それにほら、世界再...
  • ありえぬ終焉 Ver.2──喜緑江美里編
    *バッドエンド注意 *ありえぬ終焉 Ver.2の喜緑さん視点になります。     ありえぬ終焉 Ver.2──喜緑江美里編      生徒会室では、会長が一人残って仕事をしていました。    私は、お茶をいれて、机の上に差し出します。 「どうぞ」 「すまんな、喜緑君」  会長は、湯のみを手に取り、口をつけます。    私はその様子をただじっと見つめていました。    私の視線に気づいた会長が、顔をあげました。 「ん、なんだね?」 「会長。私にとって、あなたとともにあった日々は、大変有意義なものでした」 「いきなり何をいいだすのかね? 過去を振り返るにはまだ早い。生徒会の任期はまだ残ってる」 「いいえ、あなたの任期はもう終わりです」 「それはどうい……うっ……」  会長の目がうつろになっていきます。  お茶に仕組んだ毒が効いてきたようです。私が特別に構成した最も苦しまずに死ねる毒が。   ...
  • 箱入り娘 第1話
    「あの…何をしているのですか?」 「着いた?」 …。 …。 …??? …。 …。 状況がわかりませんか? 僕にもさっぱりわかりません…最初から振り返りましょう。 …。 …。 …。 この日はSOS団の活動は急遽中止となり(涼宮さんの用事の為)早めに帰宅しました。 部屋でのんびりテレビを見ている時に…それは来ました。 …。 ピンポーン …。   「こんにちは、お届け物です。」 …。 …。 …。 「サインをお願いします。」 「ご苦労様です。」 「いえいえ、それでは。」 …。 …。 珍しいですね、宅配便です。 大きなダンボールが二つ…機関からでしょうか? 差出人を見てみると…長門さん? 中を見てみると…。 …。 …。 「あの…何をしているのですか?」 「着いた?」 「着いたと言うか…ここは僕の部屋ですが…とりあえず出て来て下さい。」 …。 彼女は…長門さんは頷きダンボール箱から出てきた。 しばらく...
  • 無限の相談
    「あのさ、ちょっと皆に相談があるんだけど」  とある日の放課後、文芸部室に掃除当番に当たっている彼以外の全員が集まっている状況で、急に涼宮さんが言いました。あ、ちなみに僕は古泉です。どうも。  「相談……ですか?」  とお盆を抱えたまま朝比奈さんが聞き返します。  ふむ、”相談〟ですか。『機関』の古泉一樹、『学生』の古泉一樹、そのどちらの立場からも興味はありますね。…まあ、何の相談かは容易に想像できますが。  「最近ね、キョンがバイトを始めたらしいのよ」  ほう、そうなんですか…って、何ですって?アルバイト?  おかしいですね…『機関』からはそんな報告は来てませんが…。  この知らせには長門さんも驚いたようです。ほんの数ミリですが目を見開いているように見えなくもないですね。  「でね?そのバイト先が人員不足らしくて、急にデート中に呼び出されたりするんだけど…。その次の日のキョンが異常なまで...
  • 長門有希の報告Report.1
    Report.01 長門有希の流血  観測経過を報告する。  より正確に有機生命体の行動様態を把握するための試行の一環として、特定波形の音波(以下、『音声』という。)による意思疎通(以下、『会話』という。)の内容の表現を一部変更するようにとの要望が情報統合思念体からあったため、今回の報告では試験的に変更する。  まず、今回の要望の背景を説明する。  この惑星に生息する『人間』という有機生命体は、主に『言語』という、音声を用いた会話によって意思疎通を行うが、言語の種類は人間の生息する地域等により、複数の類型に分かれる。  本報告は、より正確に観測対象の行動様態を把握するために、観測対象である『涼宮ハルヒ』らが使用する『言語』(以下、『日本語』という。)を用いて記述している。しかし、同じ言語でも、使用される地域によって『方言』と呼ばれる差異が複数存在することが確認されている。  また、言...
  • お祭りの後で 涼宮ハルヒの場合
    (先に「お祭りの後で 朝比奈みくるの場合」を読んだ方が話の展開が分かりやすいと思います)   気になっていたことがある。 映画が完成して、評判が良くって、飛び入り参加になったバンドでの演奏も楽しくて……、楽しいって言える文化祭が終わってあたしは凄く気分が良かったけど、あたしには、一つ、気がかりな事があった。 あの日、文化祭の撮影中、あたしはキョンと口論になり、キョンに殴られそうになった。 それは古泉くんが止めてくれたんだけど……、問題は、キョンのことでも古泉くんのことでもなく、発端になったもう一人の女の子のこと。   みくるちゃん。   キョンとは多分、和解できたと思って良いと思う。 古泉くんは、あたしに対しては怒っていなかった。 でも、あたしは、みくるちゃんに……、まだ、何も言ってない。   あのときのみくるちゃんはお酒に酔っていたみたいだから、もしかしたら、あたしの言ったことなんて...
  • 人生最悪の三日間 第三章 ~三年間の罠~
    午後五時。部室にて。 「そろそろ来ると思ってたぞ」 呆然としている俺の顔が実に面白い。 紛らわしいので、この時間帯の俺は……キョンと呼ぼう。 ……ついに自分で自分のことを「キョン」と呼んでしまった。悲しくなってきた。 キョンは真っ青な顔をして――ここは省略しよう。 物語は二日目へと進む。 二日目 午後四時七分。校舎裏にて。 で、死体はちゃんと処理されたのか? 「それを今から古泉に確認するんだよ」 キョンはポケットから携帯を取り出して、古泉の番号に掛けた。 そろそろ元の時間帯に帰れるはずだな。 ん? 元の時間帯? 元の時間帯って今から一時間後だろ? たった一時間、未来に行く必要があるのか? そんな労力使う必要が無い。たとえ未来の技術を用いたとしても、時間を移動するのはかなりのコストがかかるはずだ。 じゃあ、なんで帰る必要があるんだ? いや、そもそも帰る必要なんてあるのか? このまま帰ら...
  • Different World's Inhabitants YUKI~スイヨウビ(その二)~
        時空を超える。 それは、SF物のマンガでは日常茶飯事の出来事だ。青いネコ型ロボットが出てくる話はSF物とは言いがたいのだが、ここはあえて気にしないでおこう。   しかし、このような出来事は我々が暮らす世界では起こりえない話である。 そうだろう?机の引き出しの中に四次元空間が広がっています、なんてことは妄想の中での話だ。これは覆ることのない鉄壁の硬さを誇る、まさに完璧な理論である。   しかし俺の中では、その理論はすでに、十字架を突きつけられたドラキュラのように、どこかへ逃げ去ってしまった。今まで俺は何回、非日常的な、宇宙、未来、超能力的出来事に遭遇しただろう。少なくとも、の○太がジャイ○ンと正々堂々戦って勝利した回数よりは多いはずだ。その少ない勝利がまた感動的な物なんだけどな・・・・・・。   少し話が脱線してしまったが、俺が言いたいのはこういうことだ。 非日常的な人物や超...
  • 長門有希の報告Appendix
    Appendix 長門有希の母親  『長門有希の報告』を読み終えた「わたし」は、深い思考に入った。  『長門有希』達は、「わたし」が作成した情報収集端末である。この惑星に生息する知的有機生命体――ヒト――を模して作成した。しかし、我々にはヒトの行動その他は未知の概念であるため、どうしてもヒトにとっての不自然さは残ってしまったようだ。  そこで「わたし」は、その不自然さを逆手に取ることにした。一方は、外から観測したヒトの行動様態を精密に再現した個体。もう一方は、基本的な生活を行える能力以外はすべて未調整の個体。これらを観測対象のそばに配置し、どのような変化が起こるかを同時に観測することにした。  結果、一体は暴走してもう一体に抹消された。そして残った一体も後に暴走した。後に暴走したその一体は、何と「わたし」達をも消滅させたのである。  このような、「わたし」達にとっても苦難を乗り越えた...
  • 機械知性体たちの即興曲 第三日目/夜
     機械知性体たちの即興曲 メニュー http //www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5972.html   □第三日目/夜 キョン        「その体でけっこうな量食うんだな……財布がすっからかんだぞ」 にゃがと    「……幸福とはこういうこと。すばらしい……けぷ」 あちゃくら  「……コンビニのおでんっておいしいですよね……。汁が染みてて。空腹は最大の調味料ともいいますけど」 ちみどり    「衣食足りて礼節を知る……人間の言葉の奥深さというものを改めて知ることができました」 キョン        「いや、そこまで言われるようなことはしてないんですが。              ……ていうか、全員お腹がふくれて転がってるこの光景はいいのか。宇宙人として」 にゃがと    「(ゴロゴロ) いや。我々はあなたに感謝している。命の恩人というのはま...
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