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幸若」を以下のとおり復元します。
*幸若
#back(right,)
このお話は、[[R団]]本編のifストリーです。
もし[[ウエロク]]が更迭されず、そのまま進軍していたら・・・。
登場ポケモンの性格付けは、本編とは少し違っています。あらかじめご了承ください。
また、本編には登場していないポケモンも登場します。

[[ふぶき♪]]([[グレイシア]]) 「お兄さま!お兄さま!」
[[ウエロク]] 「おお![[ふぶき♪]]ではないか。どうした?」
[[ふぶき♪]] 「どしたもこうしたもないです。ここ福原の地に来てから、ずっと膠着状態じゃないですか。」
[[ウエロク]] 「ふむ。致し方あるまい。[[女王>はるか♪]]の居城は、ここから有馬街道の夢野口を北上した山間部にある。」
[[ふぶき♪]] 「はい。」
[[ウエロク]] 「しかし、[[女王>はるか♪]]は、天王谷に堅強な砦を築いて徹底抗戦の構えだ。」
[[ふぶき♪]] 「そうなんですか。」
[[ウエロク]] 「谷を抜ける街道は狭い。大軍で菊水山を越えることが難しいのだよ。」
[[ふぶき♪]] 「でも、ずっとこうしてる訳にはいかないのでは?」
[[ウエロク]] 「そのとおりだ。だから、俺はある作戦を考えた。」
[[ふぶき♪]] 「どんな作戦ですか?」
[[ウエロク]] 「兵を2分し、1隊はこのままここに待機させ、[[女王>はるか♪]]軍と対峙して牽制を続ける。」
[[ふぶき♪]] 「はい。」
[[ウエロク]] 「そして、別働隊を編成し、高取山の西側を迂回して、明石から三木に抜け、[[女王>はるか♪]]の居城の背後に回り込む。」
[[ふぶき♪]] 「なるほど、それは名案ですね。」
[[ウエロク]] 「挟撃を受ければ、[[女王>はるか♪]]軍はひとたまりもあるまい。」
[[ふぶき♪]] 「それでは、大勝利の前祝いに1曲奏でましょう。」
[[ウエロク]] 「おお、そうか。[[ふぶき♪]]の笛の演奏は一級品だからな。それでは俺は舞うとするか。」
[[ふぶき♪]] 「それでは、お兄さまのお好きな[[幸若>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%A6%E7%9B%9B_(%E5%B9%B8%E8%8B%A5%E8%88%9E)]]を吹きましょう。」
[[ウエロク]] 「頼む。」
[[ふぶき♪]] 「ピィ~ヒョロ~♪」
[[ウエロク]] 「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり、一度生を享け、滅せぬもののあるべきか。」
[[ふぶき♪]] 「ピィ~ヒョロ~♪」
[[ウエロク]] 「これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ。」

【別働隊の出発のときが来ました。】
[[ウエロク]] 「では、別働隊出発するぞ![[村娘>おくう♪]]、案内を頼む。礼はたっぷりと弾むからな。」
[[おくう♪]] 「わかりました。」

[[サイダイジ]] 「[[ふぶき♪]]様は、豪奢な甲冑を召されて凛々とした若武者に見えるが、本当は[[ウエロク]]様の妹君なのだからな。」
[[KTナラ]] 「ピィィィィ!」
[[サイダイジ]] 「それに端正なお顔立ちの実にお綺麗な方だ。横笛の名手でもある。」
[[KTナラ]] 「ピィィィィ!」
[[サイダイジ]] 「このような戦さえなければ、キキョウで安寧な暮らしが続けられたというのに・・・。実に不憫だ。」

[[ウエロク]] 「ふー。まだ出発して間もないが、少し疲れたな。ここで休むとするか。」
[[ふぶき♪]] 「お兄さま!お兄さま!ほら、海と山があんなに近くて、海がすぐそばにあります。大変綺麗な場所ですね。」
[[ウエロク]] 「そうだな。おい、[[村娘>おくう♪]]!ここはなんという場所なのだ。」
[[おくう♪]] 「ふふふふ。ここは須磨浦の[[一ノ谷>>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E3%83%8E%E8%B0%B7%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84]]です。ふふふふふ。」
バタバタバタバタ!
[[ウエロク]] 「おい![[村娘>おくう♪]]!どこに行く?」
ぶおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!ぶおぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!
[[ウエロク]] 「何!法螺貝の音!!」
[[サイダイジ]] 「何だ!敵襲か!どこからだ!!!こんな狭い場所で!!」

[[女王>はるか♪]]軍[[ししまる♪]]([[オドシシ]]) 「さあ、皆の者!題目を唱え、鐘太鼓を打ち鳴らすのだ!」
[[女王>はるか♪]]軍 「南無妙法蓮華経!南無妙法蓮華経!!南無妙法蓮華経!!!南無妙法蓮華経!!!!」ドンドンドンドンドン!!!
[[女王>はるか♪]]軍 「南無妙法蓮華経!南無妙法蓮華経!!南無妙法蓮華経!!!南無妙法蓮華経!!!!」ドンドンドンドンドン!!!
[[ししまる♪]] 「眼下の敵は慌てておるぞ!この崖を一気に駆け下りて、敵を蹴散らせ!!」

[[ウエロク]] 「うわぁーー!!敵の大軍だあ!!どこから襲ってくるんだ!!」
[[サイダイジ]] 「[[ウエロク]]様!敵は山腹の崖です。鉄拐山頂から、一気に敵が駆け下りてきます!!」
[[ウエロク]] 「うわぁーー!!逃げろ!!早く逃げるんだあぁぁ!!!」
[[サイダイジ]] 「ダメです![[ウエロク]]様!総大将が逃げ出しては、軍が総崩れになります!」
[[ウエロク]] 「うるさい!俺は逃げる![[ふぶき♪]]![[ふぶき♪]]!!お前も早く逃げろ!!!」
[[サイダイジ]] 「敵の軍勢は虚仮威しに過ぎません!ここは持ちこたえてください!」
[[ウエロク]] 「うるさい!うるさい![[ふぶき♪]]!逝くぞ!」
[[ふぶき♪]] 「お兄さま!お兄さま!」

[[ししまる♪]] 「よーし、敵は我らを見て、崩れだしたぞ!一気に畳みかける!敵本隊の土手っ腹に我が隊が突撃だ!!!」
[[女王>はるか♪]]軍 「わああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっーーーーーーーー!!!!!!!」
[[女王>はるか♪]]軍 「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっーーーーーーーー!!!!!!!」

[[サイダイジ]] 「いかん!我が軍は総崩れだ!最早ここまでか![[ふぶき♪]]様![[ふぶき♪]]様!我らも撤退しましょう!」
[[ふぶき♪]] 「待って[[サイダイジ]]!私は笛を忘れてきてしまいました。あなたは、先に行ってください。」
[[サイダイジ]] 「笛はいい!早く逃げましょう!うわぁ!敵が突入してくるぞ!!ちくしょう!応戦だ!!!」

[[ウエロク]] 「はあ、はあ、ちくしょう!!ここから先は海かよ!あ!あそこに船がある。あれに乗るぞ!」
[[KTトバ]] 「[[ウエロク]]様!船の数が足りません。全兵士が船で逃れるのは困難です!」
[[ウエロク]] 「構わん!早い者勝ちだ!早く船に乗れ!そして、俺の船を漕げ!!」

[[女王>はるか♪]]水軍[[ツバサ♪]]([[オクタン]]) 「・・・明石のタコを舐めんなよ・・・」

[[ウエロク]] 「ふう。取りあえず海に逃れて、俺は助かったようだな。」
[[KTトバ]] 「[[ウエロク]]様!あれを!!波乗りです!!いや、そんな規模じゃない!!大津波です!!!」
[[ウエロク]] 「うわあぁぁぁ!船に捕まれ!!!!!!!」
バッシャーーーーーーン!!!!!!

[[ウエロク]] 「助かった・・・。転覆は免れた・・・。」
[[KTトバ]] 「[[ウエロク]]様・・・・。」
[[ウエロク]] 「何だ?」
[[KTトバ]] 「海岸にいた兵の大半が今の津波に飲み込まれてしまいました・・・。」
[[ウエロク]] 「何だって!そうだ!![[ふぶき♪]]は?[[ふぶき♪]]はどこだ!」
[[KTトバ]] 「まだ陸にいます!![[ふぶき♪]]様は逃げ遅れたようです!」
[[ウエロク]] 「[[ふぶき♪]]![[ふぶき♪]]!!この船を岸につけろ!早くしろ!!!」
[[KTトバ]] 「ダメです。また、第2波の大津波が来ます。うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
[[ウエロク]] 「[[ふぶき♪]]!!![[ふぶき♪]]!!!!」

[[ふぶき♪]] 「お兄さま!お兄さま!!ちくしょう!沖に出ていた船もほとんどが転覆してしまった!」

[[ししまる♪]] 「よし。おおむね敵は壊滅したな。あとは残存兵を狩るだけだぞ!」
[[ししまる♪]] 「ん?あそこに見える甲冑武者は?あの格好からすると、名のある武将に違いない。よし!」

[[ふぶき♪]] 「私は逃げ遅れてしまった。どうしよう・・・。」
[[ししまる♪]] 「やあ!やあ!そこなの甲冑武者!さぞ名ある武将と見受けられる!我こそは[[女王>はるか♪]]様が家来[[ししまる♪]]!是非手合わせ願いたい!」
[[ふぶき♪]] 「断る!」
[[ししまる♪]] 「ん?一騎打ちを断るとは?おい、お前たち矢を射れ!ただし当てるなよ!」
兵 「ははっ!」
ビュン!ビュン!ビュン!

[[ふぶき♪]] 「きゃ!」
[[ししまる♪]] 「そこなの武将!次は外さぬぞ!貴殿にとっても、雑兵の矢に死せるは名誉にあらず!是非、我との手合わせ頼もう!!!」
[[ふぶき♪]] 「ちくしょう!!やってやる!!!やってやる!!!」
[[ししまる♪]] 「やっと、かかってきたな。よし、これでもくらえ!!」
ガシャーーーン!!!

[[ふぶき♪]] 「きゃ!」
[[ししまる♪]] 「何だ?手応えのないやつだな。いとも容易く組み伏せられたわ。ん?」
[[ふぶき♪]] 「・・・・・・・・・・・・・」
[[ししまる♪]] 「なんと端麗な顔立ちの若武者だ。まだ年端も行かぬ者のようだな。」
[[ふぶき♪]] 「・・・・・・・・・・・・・・・」
[[女王>はるか♪]]軍の将 「どうした[[ししまる♪]]!早く、その武者の頸を打たんか!」
[[ししまる♪]] 「しかし・・・・。」
[[女王>はるか♪]]軍の将 「何だ![[ししまる♪]]!貴様、二心あるのではなかろうな。ならば、貴様もろとも討ち取ってしまうぞ。」
[[女王>はるか♪]]軍の兵たち 「ざわざわざわざわ・・・・」
[[ししまる♪]] 「致し方あるまい。戦に来た以上は、おぬしも覚悟の上だろう。せめて一太刀で逝かせてやろう。南無三宝!」
ドシュ!
[[ふぶき♪]] 「お兄さま。お兄さ・・ま・・・・・。」
[[ししまる♪]] 「ん!何だ!こやつ!こやつは女ではないか!俺は、俺は・・・何てことをしてしまったんだ・・・・・。」
[[女王>はるか♪]]軍の将 「どうした[[ししまる♪]]?どうした・・・・。」

思へばこの世は常の住み家にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ、榮花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり
人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ

<<幸若・完>>

(2009.10.12)

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